運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-04-16 第28回国会 参議院 内閣委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十六日(水曜日)    午前十一時十二分開会   ―――――――――――――   委員異動 本日委員上原正吉君及び木村篤太郎君 辞任につき、その補欠として大谷藤之 助君及び佐野廣君を議長において指名 した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事            大谷藤之助君            松岡 平市君            永岡 光治君    委員            後藤 義隆君            近藤 鶴代君            佐野  廣君            苫米地義三君            中野 文門君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            千葉  信君            森中 守義君            矢嶋 三義君            島村 軍次君            八木 幸吉君   国務大臣    外 務 大 臣 藤山愛一郎君    文 部 大 臣 松永  東君    国 務 大 臣 郡  祐一君    国 務 大 臣 津島 壽一君   政府委員    総理府総務長官 今松 治郎君    内閣総理大臣    官房公務員制    度調査室長   増子 正宏君    調達庁長官   上村健太郎君    調達庁総務部長 眞子 傳次君    調達庁不動産部    長       柏原益太郎君    調達庁労務部長 小里  玲君    自治庁行政局長 藤井 貞夫君    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    外務省アメリカ    局長      森  治樹君    外務省条約局長 高橋 通敏君    大蔵政務次官  白井  勇君    大蔵省主計局長 石原 周夫君    大蔵省主計局給    与課長     岸本  晋君    文部政務次官  臼井 莊一君    文部省管理局長 小林 行雄君    林野庁長官   石谷 憲男君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (委員部第二課    勤務)     川上 路夫君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選防衛庁設置法の一部を改正する法律  案(第二十六回国会内閣提出、衆議  院送付) ○国家公務員共済組合法案内閣提  出、衆議院送付) ○国家公務員等退職手当暫定措置法の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員異動がございましたので、事務局から報告させます。
  3. 川上路夫

    ○参事(川上路夫君) 御報告いたします。  本日、上原正吉君が辞任され、後任といたしまして大谷藤之助君が委員に選任されました。   ―――――――――――――  以上でございます、
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) それでは、これより議事に入ります。  ちょっと、速記をとめて下さい。    〔速記中止
  5. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記を起して。  まず、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  先日、大谷藤之助君が委員を辞任されましたため、その後理事に欠員を生じているのでありますが、本日、大谷君の委員復帰に伴い、この際同君を再び理事に選任いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   ―――――――――――――
  7. 藤田進

    委員長藤田進君) 次に、防衛庁設置法の上部を改正する法律案(第三十六回国会閣法第一五五号)を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 藤山外務大臣にお尋ねいたしますが、十五日の朝日新聞記事でございますが、見出しは「防空など意見交換」ということで、日米安保委員会記事が出ているわけですが、それによりますと、十四日午後二時から一時間半にわたって芝の白金の外相公邸で、藤山さんと、それから津島さん、米側からはマッカーサー、駐日米大使スミス在日米軍司令が出て、いろいろ話したけれども、ただ意見交換程度にとどまったものだ。そのあとの実は会合で、十四日の会合検討対象になった諸問題は次のようだということを、ずっと記事を掲げております。その中の一つに、これは重要な記事があるわけです。これは当委員会でも前々から問題にしておったわけでありまして、今までの私たち政府から承わっておりました答弁とは相当逆な記事が出ておりますので、これは事実かどうかを二つただしたいと思うのです。  それは、「藤山外相から駐留軍労務者の失業問題について米側の善処を要望し、これに対しスミス在日米軍司令官が協力を約した。」これまでは問題はないと思うのですが、以下が問題になると思うのです「藤山外相提案はこれまで駐留軍労務者日本政府雇用して米軍に提供し、米軍がこれを使用していた体制を改めて、米軍日本業者雇用使用ならびに監督を請負わさせる方式に切替えようというもので、今後、日米両国政府関係当局間でこの方式を採用するかどうかを検討することになった。」というのでありますが、あなたがこういう提案をされて、そういう切りかえる体制にしようと考えておるのかどうか。これは従来の政府方針とは全く変った方針でありまして、もしこれが事実だとするならば、当委員会でも相当これは問題にしていかなければならぬと思っているわけでありますが、その辺のいきさつはどうなっているのでありますか。つ、あなたから直接御答弁をいただきたいと思います。
  9. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 御答弁申し上げます。十四日に安保委員会を開きまして、その席上、ただいまお話のありました駐留軍労務者の問題について私から発事をいたしたのであります。十五日の東京新聞並びに朝日新聞等に出ております記事は、われわれの申したことと全く逆な記事が出ておりますので、その点について、この機会に、政府の従来からの方針を確認するとともに、申し上げたいと存じます。  駐留軍労務者が、駐留軍の引き揚げと同時に逐次解雇されるという事態は、日本の現在の経済情勢、その他年業問題等もふえてくる場合において、非常に重大な問題だと思うのでありますが、かねて調達庁長官または日米合同委員会等において、この問題について強く日本側立場を要望しているのでありまして、それは政府態度といたしまして、駐留軍労務者を解雇し、あるいは駐留軍労務者雇用というような問題について直接雇用を廃して、そうして業者をして同じような仕事を請け負わせる、そういうことは全く困るのだという立場なんでありまして、そういう立場を貫いて、この際、今申し上げたように、調達庁長官、あるいは合同委員会等においても、日本側の従来の要望を申し上げて、そうして米側の考慮を促しているが、この問題は非常に東大な問題であるから、私から特もに発言して、米軍においてこの問題について十分な関心を持って、一つそういうことのないように処理してもらわなければ困るということを申したのでありまして、新聞記事と全く逆なことを申したわけであります。それによりまして、向う側も、自分たちも十分その重大問題ということを、かねて日本側から今言ったような機関を通じて聞いているが、自分たちも今後とも十分そういう問題については留意をして何らかの措置をとっていきたい、こういう考え方を述べたのでありまして、たまたま三つほどの新附に全く逆な記事が出ておりましたので、あらためてここで申し上げる次第でございます。
  10. 永岡光治

    永岡光治君 ただいまの御答弁でよくわかりました。ぜひ一つ、その方針で今後も進めてもらいたいと思うわけでありますが、御承知通り、やはり駐留軍労務者の今日において置かれている立場はきわめて不安定であります。これがゆえに非常に問題を起していることも、政府当局十分承知でありますので、どうぞ一つ、そういう不安定な状況にある、従ってそのためにいろいろ心配している諸君を刺激することのないように、十分一つ考えていただいて、この身分の保障、こういう問題について格段の御努力を願いたいということを申し添えまして、私の質問はこの程度で終ります。
  11. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまの点、両大新聞ともに逆のことが書いてあるのであって、自分発言はそれとはおよそ逆で、今述べられた通りだということですが、しかし、それにしても、この大新聞二つともそういうことになっている以上、何かどうもその間の事情が、あるいは発表されたスポークスマンの誤まりであったのか、何か、どういうふうに経過がなって、そのような記事になったのか、もしわかればこの際明らかにしていただきたいと思います。
  12. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 外務省スポークスマンその他からは、単に駐留軍労務者の問題について日本側の希望を述べたという程度の発表をいたしただけでありまして、それがたまたま誤まり伝えられてこういうふうになったことは、私どもとしてもまことに遺憾に思うわけでありまして、ことに政府考えておりますのと全く違ったことになったのでありますので、今後そういう点については十分留意いたすつもりであります。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 十四日に開かれました第五回の安保委員会の件については、昨日あなたの御出席をいただいてただそうとしたところ、おいでにならなかったので、森アメリカ局長おいでになって、局長並びに防衛庁長に若干ただしたわけでありますが、その際に内容として森局長の答えられた中で、新聞記事相違するのはこの点だけなんです。あとは、森局長並びに防衛庁長官内容としてアウト・ラインを申されたことと、各新聞記事は全く一致している。この点だけが食い違っているわけです。そうして、森局長のきのうの答弁では、進駐軍労務者について藤山外務大臣から符に発言があって、そうして向う様が了解したという答弁を、私の質問に対してきのうなしているわけです。その向う側があなたが発言して了解したことは、今申し上げたそれだけですか。それ以外に、進駐軍労務者に関してのあなた方の提案があり、相手が了承されたのですか、その点、お答え願いたい。
  14. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 安保委員会におきまして駐留軍労務者の問題については、ただいま私が申し上げた点だけであります。
  15. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この際に私は、安保委員会の件について、あまり内容が拡大されない範囲において、お伺いしたい。それは、調達庁損害補償、たとえば厚生施設とか文教施設等に対する防音対策等をやられる場合に、日本自衛隊あるいは進駐軍が採用するところの機種、飛行機の種類、それによって非常に対策が違ってくるわけなんです。それは後ほどかなり突っ込んで伺いたいと思うわけですが、従って、この安保委員会というものはそういう方面にも私は触れるべきである、当然だと思うわけです。ちゃんと岸・アイクの共同声明にはそういうことがうたわれているわけなんですから、日本地域装備配備及び使用ということがあるので、この配備装備を含むということは、政府は明確にしておるわけなんです。当然触れていると思います。だから、そういう点について若干伺います。  まず第一番に、私は昨日アメリカ局長に伺って不明確で不満足な点を、わが国外交責任者である外務大臣に伺うのですが、このたびの安保委員会を開かれるに当っては、当然私は、ソビエトが中外に宣明した核爆発実験禁止声明、これに対して岸内閣は米、英、ソに申し入れをしているわけです。そういうことについての議題を、当然私はわが日本政府としては提示すべきだと思うのですが、そういうものを提示しなかったというわけです。提示しなかったというのですが、さらに、沖縄小笠原施政権にいたしましても、先般報道されたところは、アメリカ責任者は半永久的にこれを維持管理する、日本には返さない、基地として大半だということを声明しておるわけです。国民は非常に不安にかられておるわけです。従って、その後開かれたこういう安保委員会においては、日本国民並びに日本政府意向向うに伝え、新聞にはこういう報道があるが、あなた方の意向はどうかということを、正一式の場において、公式の場において明確にする、そういう議題を当然日本政府としては出さるべきだと思うのですが、そういうものが出されないというわけは、それはどういうわけですか。今後安保委員会が開かれる場合には、そういう議題は必ず日本側から出すべきだと思うのですが、いかがですか。
  16. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ただいまお話しになりました核実験の禁止問題、あるいは沖縄施政権等の問題につきましては、すでに御承知のように政府してもはっきりした態度をもちまして、外務省のもうこれは普通のルートにおいて絶えず折衝をいたしておる問題なんであります。従って、特に今回の会議にそれを話し合う必要もないわけでありまして、現在においてはそういう問題について正常外ルートをもって論議をいたしておるわけでございます。
  17. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、何ですか、沖縄小笠原施政権は、近い機会に返還される、こういうあなた方は見通しを持っておられるわけですね。
  18. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 施政権の返還というものは重大な問題でありますから、簡単にわれわれが折衝をいたして参りましても、すぐ向うから、それでは返してやろうというようになかなか出てくれるとは思いません。しかしながら、われわれはこういう問題は常時、やはり絶えず日本考え方向うに流して参らなければならぬ。そういう意味においてわれわれは努力しているということを、申し上げる次第でございます。
  19. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 外電の報ずるところは、ああいう記事日本新聞に出た直後における安保委員会においては、これは公式な場なんですから、そういう所ではっきりと向う意向をただして、ああいうことの、永久的にあるいは半永久的に米軍が占有するというのはアメリカの真意でないということは明確になった、というような形で、私は共同声明の形でそのつど発表する、こういうことが私は安保委員会に臨む日本政府態度として堅持されなければならぬと思うのです。そういうことについて今後どういう心がけでおられるか、承わっておきましょう。
  20. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 安保委員会におきましては、むろん政東的ないろいろな問題を取り上げるわけでありますが、しかしながら、今御指摘のありましたような核実験禁止等の問題につきましては、すでにわれわれの態度をかなりはっきりさせつつ、ソ連、アメリカイギリス等にもわれわれの立場を常時宣明しつつあるわけであります。先般の回答評等にありますように、出しております。従って、こういう問題をあらためてここに提案し、話し合いをするよりも、日本立場として当然言うべきことはどんどん言っていくということが必要であろうと思うのであります。  沖縄施政権の問題についても同じよりなことでありまして、正常外交ルートを通じて、これは常時やはり日本立場を言っていかなければならぬのてありまして、そういう意味において、こういう場を現在使わなくとも、それだけの努力をしているわけであります。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では、これらの点についてもう一、二点附かしていただきましょう。あなたがそう答弁されれば、私はここで明確にお伺いしておきたいと思うのですが、それは、日本政府態度として、外務大臣として、責任ある立場のあなたとして、核実験禁止については、日本国連総会においていかなる提案をすべきかということについては、いろいろと議論があったけれども、現在においては国連総会に、この一般軍縮核実験禁止とを分離する形において核実験禁止提案をすべく本省においても、出先機関においても、鋭意準備中だということが伝えられているのですが、この方針は樹違いありませんか。
  22. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 核実験の禁止問題についての国連内における日本態度及び提案の問題でありますが、われわれといたしましては、御承知のように、昨年出しました案も、査察制度を含みます案として、必ずしも軍縮と全然切り離されておらぬものではなかったと思うのでありますが、しかし、ただいま御指摘にありましたように、世界の情勢は刻々に変化をいたしております。そうして、それに対応すべく一番実現可能な方法を、われわれは考え提案していきたいと思うのであります。ただいまの段階において、核実験禁止のみを切り離して、いかなる方法で実際に行き得るかという問題を検討をいたしております。同心にまた、同じような考えを持っておる国があるとすれば、それらの国とも連絡をとって十分意見交換をいたして参たりいと、こういう態度でもって今善処いたしておるわけであります。
  23. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはその程度に承わっておいて、反問いたしません。  もう一点伺っておくことは、衆参の委員会を通じて私が受けた印象は、次の通りなんです。これ、相違ないかどうかということを、外務大臣なり防衛庁長官から承わっておきます。それは、アメリカと結んでいる協定、それから共同声明から、日本区域に含まれない沖縄他国からの攻撃があった場合には、これは侵略とみなす。しかし、そのアメリカ沖縄基地に対する他国攻撃防衛は、米軍が担当する。そのときに、協定並びに共同声明の線からは、米軍並び駐留軍日本自衛隊に出勤は要請しない。米軍在日駐留軍責任において、万一沖縄攻撃があった場合吉には防衛をすると、こうういうことが了解済みである。これ、相違があるかどうか、お答え願います。
  24. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) ただいまの日米安全保障関係または共同声明等に関する質問から、本国会において……。沖縄に対する侵略攻撃が行なわれた場合にどういった措置をとるかということでございます。これは総理からこの委員会お答えがあった通りでございまして、元来が主権の潜在しておる沖縄でございまして、従って、理論的にはわが国侵略するといったようなことになるけれども、現状においては施政権を持たない。従って、その防衛米軍が担当しておる。従って、その防衛米軍が当るが、万一――これは仮定の問題として答えたと私は記憶しております。万一、米軍がこの防衛をやらないで沖縄の危機を生ずるといった場合に、主権の潜在しておる地域として、わが国もこれに対しての防衛措置を講ずることが想像されるというような答弁をされたことがあります。それ以上のことについては、私は、私と同席した席上においてはお答えなかったように思うのでございまして、この総理お答えは私も全然同一の見解を持っておる次第でございます。
  25. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう一点だけ、それを承わっておきましょう、反問させていただきましょう。  それでは、何ですか、防衛庁長官、こういう見解なんですか。沖縄攻撃があった場合、米軍がこれと戦えるというような場合には、米軍施政権を持っているのだから防衛する。これはどうにも調子が悪い、撤退すべきだといって米軍が撤退したときは、潜在主権を持っている日本自衛隊が今度は守ると、こういうふうに政府として考え、また、アメリカ側日本の両責任者との間には、そういう了解済みだということなんですか。
  26. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) ちょっと、お答えしますが、そのあとの、岡田で了解済みというような答弁も、総理がなされたことはちょっと私は記憶しておりませんのですが……。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたの見解はどうですか。
  28. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) ただ仮定の問題として、あるいはこれはいろいろそれに講ずべきいろいろな手段、国会手続等もあるし、法制等もありますが、仮定質問に対して、全然防備のないものになった場合というような仮定のもとに、総理はこの質問お答えしたように私は記憶しておるのです。これは速記録を十分読まぬと、今私がこうであると断言することはできませんが、そういったような意味答弁をなさった。これはすでに両国了解済みというところまでは、私は答弁されたとは記憶いたしておりません。これは速記録をよく調べましてから、はっきりしたことを申し上げるほかはないと、こう思います。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 きょうは他の質問をするのが目的ですから、時間の関係上これを深追いしませんが、これは他の機会にやります。  しかし、外務大臣に伺いますが、あなたは外交権を持っておる、内閣における外交を執行する最高責任者です。また、安保委員会の正員でもあるわけです。従って、条約協定その他については、責任者として最も詳しいはずです。そういう立場から、今私が質問したような問題に対する解釈ですな、それはどういうように、あなたは法的に理論的に解釈しているか。当然解釈を持っておるはずです。それについては別に何とも考えておらぬなんというような無責任なことは、私は国務大臣担当外務大臣として許されないと思う。どういう解釈をされておるか、御見解を持っておるのか、明らかにお伺いしたい。
  30. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) その問題について総理がどういうような答弁をされたか、私は実は存じないのでありますが、十分総理答弁につきまして速記録等を読んだ上で、私の考えを申し上げたいと思います。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたの考えは。
  32. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 仮定の上に立ちます問題であり、ことに沖縄は全部無防備の状態になっちゃったと、そうして沖縄人たちがどこから侵略を受けてアメリカも退去してしまつというような場合は、極端な例だと思うのでありまして、人道上からいってそういうものを放置するかどうかというようなそういう点からも、これは考えていかなければならぬ問題だと思うのでありまして、非常に重大な問題でありますから、十分研究した上で答えさせていただきたいと思います。
  33. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは私も意見がありますが、非常に重大なことですから、防衛二法を、やるときにやりましょう。米軍の義務というものはどれだけのものがあるかという点も問題があります………。しかし、いずれにしても、少くとも内閣の二人の大臣がそろわれて、その程度答弁しかしていただけぬということは、不安きわまりない。それだけ申し上げておいて、これは防衛二法を審議するときに、そこは本場でありますから、やりたいと思っております。  そこで、質問を続けて参りますが、安保委員会では、今度F11Fのジェット機を採用するように日本は決定したわけですが、この話は出さないものですか。また、アメリカ側からは今後どういう飛行機が来くるというようなことは、あなた方聞いた場合に、向うは答えてくれるものですか、くれないものですか。  なぜ私がこういうことを聞くかというと、これから防音対策にしぼって伺って参りますが、F―86F、これは今日本自衛隊が持っておる飛行機で音の一番高いものです。ところが、F―86Fの防音対策をある時代にやったわけ具体的的にいうならば、たとえば福岡県の板付の周辺の蓆田小学校というのは、F―86Fを対象として国費によって移転したわけです。そうしたところが、一年たたぬうちにF―100が来たわけです。F―100が来たところが、一年前移転したその学校は全くもう防音対策はゼロになってしまったわけです、あれはまあ、ずいぶんむだな金を使ったわけです。従って、今この文教あるいは厚生施設に対する防音対策の問題がずいぶんやかましいわけなんですがね。一体、これからアメリカから来るのは、どの程度の、何ホーン程度に押さえ得るような飛打機が来るのか。また日本が、自衛隊がいただいて使う飛行機は、どの程度の音を出す、排気音が出る飛行機かということを、あるいは厚生省、病院ですね、文部省学校、それから調達庁自衛隊防衛庁、こういうものが熟知していなかったら、総合的な対策というものが行われないわけなんです。非常に非能率であり、非常な不経済なわけですね。だから、私は、安保委員県会等においてはそういう話は行われないのかどうかですね。また、あなた方、伺ったことがあるのかどうか。  また、このたびF―86Fに対して、これは昭和三十四年まで三百機作ることになっているわけです。ところが、FUF、これは防衛庁長官答弁になると思うのですが、F―1Fを、それから三カ年間に三百機作るわけですね。このF11Fの排気音ですね、これはF―86Fとどの程度違うのか、それに対して、こういう防音対策については、調達庁としてはどういう対策を持っておるのか、それをわかりやすいようにまとめて、逐次お答え願いたいと思います。
  34. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 安保委員会におきまして、飛行機の機種の決定という問題に関連して、話し合いを議題にいたしたことは、今日まではございません。これらの問題につきましては、防衛庁当局が十分防衛庁立場として、防衛力の上から、あるいはその他の設備の上から、あるいはそういう問題から検討をされまして、決定されておる次第でございます。
  35. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 防音対策の問題についてお尋ねがありました。F―86F、現在の自衛隊の戦闘機でございますが、これによって生じたところの騒音に対しての防止の対策は、これは自衛隊関係でございますから、防衛庁の方でやっております。なお、お尋ねのF―16ODというような新しい機種が参りまして、これは主として駐留空軍です。この力がF―86Fよりは騒音関係がひどいということになりまして、これに対処するために、防音装置の改善整備を合、やっております。これは調達庁関係の予算において、三十三年度においては四億五千万円、このために計上いたしました。これによる騒音の防止ということに万余を期して、御迷惑をかけないようにいたすということに相なっております。  なお、最後の御質問は、F―86Fに続いて、次期の戦闘機としてのF11Fでございます。これはまだ騒音関係は調査いたしております。多分F―86よりは騒音の程度が多いだろうと思っております。しかし、この機種は、御承知のように、生産いたしましても、実際にこれが飛行訓練その他に使うのは、まず今、からかかって三年後ということになると思います。それの間に、これの全体の性能、またはその防音というような関係も十分考慮して、適当な措置を講じていくことには、私は最善を尽したいと思っております。  なお、この自衛隊関係の防音装置につきましては、各飛行米地その他の周辺について、騒音の程度を十分調査いたしております。大体、駐留米軍において防音の設備をするに準ずる、またある場所においては、地元の方たと話し合って、地域の、狭い地域でありまするが、移転を願うということが、御希望に応じてやるというようなことですね、これらも、防衛庁の予算にも相当額計上してあります。こういった部面において、御迷惑をかけないように、私は両方にわたって最善を尽したい、こう存じておる次第でございます。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が伺っているその一つの重点は、F―86FよりはF11Fというのは音が高くなることは間違いないと思うのです。それだけ馬力が大きいわけですから、排気音が太くなりますよ。従って、それは三年後使われるというわけなんですが、今から、たとえば病院を建てる、学校を建てるでしょう。そうしたら、そういうことを見通して検討をしなければだめなんですよ。一番あなた方がむだ使いしたのは、福岡の蓆田小学校でしょう。F―86Fを対象に、国費で移転して一年もたたぬうちに、それが全くだめになったじゃないですか。合7、米軍飛行機でF―100が一番騒音を出すわけですが、これよりもまだ大きい音が出てくるかもしれない。こういうことは、文部省はさっぱり知らぬわけですからね。厚生省もさっぱり知らぬわけなんだから、だから、そこに十分あなた方が可能な範囲に連絡をして、そうして対策――応急修理をするならそういう線でするし、新築計画をするならなおさらのこと、そういう計画でやらなければならぬ。そういう点の総合性も何もないのです。  要求している文部大臣文部省の管理局長、初中局長、早く出席してもらって下さい。  で、それに対するあなた方どういう反省を持っているのか、率直なことを伺います。私は。  それと、それから防衛庁長官は、今度まあ調達庁も所管に入るから、ちょうどあなたが最高責任で伺うのにいいと思うのですが、飛行機が音を出す、それによって学校とか病院とか、あろいは家畜等に影響を及ぼすと。で、その補償は、米軍飛行機がそういう損害を与える場合には、いわゆる特損法で調達庁でやっているわけですね。調達庁でやっているわけです。ところが、これが自衛隊飛行機だったら、法的根拠はないじゃないですか。これはおかしいじゃないですか。それは、米軍飛行機であろうと、自衛隊飛行機であろうと、その飛行機が飛ぶために学校が授業ができない、病院が聴診器が使えない、防音装置をしなくちゃならぬとあれば、これは同じ基準で私は対策を講ずべきだと思うのです。ところが、調達庁関係のは、米軍飛行機によるのは特損法でやるけれども、自衛隊のは、住民がやかましく言わないから、知らぬ顔して、やらぬでしょう。これは一体どう考えるのですか。至急その基準を設けて、法的根拠をする用意はないかどうかということ  それから、今のあなたの答弁の中に、調達庁関係で、昭和三十三年度の予算の中に、対策費が約四億五千万円含まれているということは、私は了承しています。ところが、自衛隊の経理局長は、本院の他の委員会において、自衛隊にはそういう対策を講ずるところの予算は組まれていない、大蔵の予算の概算要求の場合にも要求していないし、組まれていない、万一地元から問題が起きて、そういう事態が起ったならば、予備金の支出を願ってやることになりましょうということを、答弁しています、他の委員会で。ところが、今、防衛庁長官は、防衛庁においても若干の予算が計上されているということを言いましたが、果してそうか、もしそうならば、自衛隊飛行機によって発するところの騒音による対策費として、予算が幾ら計上されているのか、数字で明確にお答え願います。
  37. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 調達庁関係では、防音関係で予算も計上し、また損害が出た場合は、特損法という特別の立法がありますので、これによってやっているわけでございます。防衛庁関係自衛隊関係については、こういった法律がないわけであります。これは何とか、こういった法を制定いたしたいというので、いろいろ関係方面とも折衝をいたしておるわけであります。しかし、実際問題としては、この特損法に基く基準によりまして、防衛庁側もそういった損害の実際の処理をいたしておると、こういうふうになっておるわけでございます。  なお、予算の関係でございまするが、この特損法と同じように、特殊の予算を項として掲げてあるという意味ではございません。実質的に、その予算が、目を立て、必要に応じて、今日までと同様に、経費がそれに処弁できるという予算の仕組みであって、必要に応じてはこれらの経費は処弁できると、こういう建前になっております。詳細の点は、経理局長の方からお答えした方が便宜であると思うのでお許し願いたいと思います。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 幾ら予算が組まれているか、数字でお答え願います。他の委員会では、予算を組まれていないと答弁しています。
  39. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 費目として、この防音のための対策費とかいうような費目で予算が出ていないという意味だったと思います。この全体の予算の中で振りかえて使用し得る経費があって、現にそれを実行して処弁してきておるという趣旨に答えたんだと私は思いますが、今、経理局長――官房長の方から、一つお答えさせます。
  40. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ただいま正確な資料を打ち合わしておりません  が、補償関係といたしまして数千万円たしか三、四千万円と思いますが、費用を計上いたしております。それで実際に防音対策に当ることになっております。
  41. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 数千万円程度でできるものですか。宇都宮の第二操縦学校の付近、あの宇都宮市外の横川付近、あの付近は、自衛隊飛行機の場所です。これだけでも大へんですよ。さらに、静岡の浜松周辺のあたりになったら、大へんですよ。数十万円程度で何の措置ができますか。そこで、私は防衛長官に伺うのですが、このたび、この法の改正によって、あなたが調達庁の所管大臣にあることはもちろんのこと、防衛庁と今まで以上に密接不可分な関係になってきたわけですから、私はいい機会だと思うんです。今後、たとえば、騒音によって障害を生ずる場合の対地を、これは駐留米軍のもたらすものであろうが、わが自衛隊のもたらすものであろうが、それは同一基準においてできるだけ早急にこの対策を講ずるという基本方針を立てて、それを実行に移す絶好の機会だと私は思うんですが、長官の御見解を伺います。
  42. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 実行の方面においては、お説の通り防衛庁自衛隊関係のも、特損法によって調達庁がやっていると同じ基準でやるという方針は、これは実行しております。それから、立法の関係は、防衛庁としては、これはぜひやりたいということで、関係方面とも今日まで折衝して参ったのです。なお、御指摘のような次第もありますので、十分検討いたしまして、実行の可能になるように私は処置いたしたいと思う次第でございます。
  43. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記とめて下さい。    〔速記中止
  44. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記起して下さい。
  45. 田畑金光

    ○田畑金光君 外務大臣にお尋ねいたしますが、先ほど、日米安保委員会の中において、駐留軍労務者の問題に関し申し入れをなされたと。その内容についてはよく了承できるわけでありますが、今駐留軍労務者が約九万五、六千名いるわけであります。この労務者に対しましては、労働法の適用がどういうことになっているのか、それを一つお尋ねしたいと思います。
  46. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) この問題につきましては、政府委員から答弁させます。
  47. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 駐留軍労務者につきましては、一般労働法規がすべて適用になっております。
  48. 田畑金光

    ○田畑金光君 今、外務大臣に私はお尋ねしたわけで、駐留軍労務者の問題で米軍側に申し入れをなされた。ところが、外務大臣は、この労務者についてどういう法律が適用されておるか、これも御存じなくして申し入れされたとするならば、まことにこれは不見識きわまりない話で、一体この労務者等に対しましては、安保条約や行政協定の建前から見ました場合に、日本法律を適用するここになっているのか、なっていないのか、これはどういうことに考えておられるわけですか。
  49. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 直接の雇用関係におきまして日本のただいま申し上げましたような労働法規を適用していると考えております。
  50. 田畑金光

    ○田畑金光君 行政協定の十二条を見ますと、第五項には明確に労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならない、こういうことにうたわれておるわけであります。で、この問題に関しましては、前から調達庁外務省の間で、アメリカ側と労務基本契約の締結等について努力をされて参っておりますが、今どういうことになっているのか、どのような取扱いになっているのか、それを簡潔に一つ御説明願いたいと考えております。  と申しますのは、一般労働法が適用されておる、こういうお話でありますが、附くところによりますと、本日は資料を待ち合しておりませんが、なおいろいろな問題が労働問題を中心として起きているわけで、絶無じゃないわけです。駐留軍労務者関係の中には、そういう問題がまだ各地に多発しているわけです。こういう現実の上に立って申し入れをなされたというわけだから、どういう内容であるか御存じの上に立って申し入れをなされたと思いますので、御答弁願いたいと思います。
  51. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 駐留軍労務者につきまして、御承知のように内閣委員会がありまして、この問題を取り扱っておるわけであります。われわれとしましては、むろん日本の労務者の幸福を祈念することは当然のことでありまして、従って、日本の法規に適用されるようにできるだけアメリカ側が考慮していかなければならぬように、外務省としても努めて参らなければならぬわけであります。通常の問題につきましては、内閣委員会なりあるいは調達庁方面において、問題を取り上げて、そうして解決に当っておられます。それらの問題が困難のような場合に、外務省としては当然アメリカ側に交渉をいたすということにいたしております。
  52. 田畑金光

    ○田畑金光君 この間申し入れられたというその内容は、非常に簡単で、これを読んだだけでは、どういうことを憂えられてアメリカ当局に話をなさったのか、問題の中心というのが理、解できないわけですが、どういうことを心配されてお話を出されたのか。また、その話し合いの中から、今後どういう保障が取りつけられたのか、特に労働面を限ってお尋ねしているわけで、一つ外務大臣が、日米安保委員会というあの少数の集まりの中で、駐留軍労務者の労働施策の点について心配されて、申し入れをなさっているわけでありますから、どういう問題を中心として、どういう将来の保障を取りつけられたのか、それを明確に説明願いたい。
  53. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 先般取り上げました…題は、先ほども申し上げましたように、現在日本としては失業問題が重要な問題になっております。従いまして、そういう点からも見まして、軍隊を減らしていくということに伴います駐留軍労務者の失業と、それから駐留軍が減っていくことから結果しましたと思えるわけでありますけれども、直接雇用していろいろな仕事をさせることをやめまして、そうして業者等にいろいろな注文をいたす、あるいは契約をいたして、それによって駐留軍の用務を支弁していくというようなことによって、労務者を減らしていくというような問題が現在起っております。従って、そういうことは適当でないのであるから、できるだけ従来のように、直接雇用によってやってもらいたいということを申し入れたわけでございます。
  54. 田畑金光

    ○田畑金光君 これは外務大臣にお尋ねする方が適当であるかどうかは、いささか問題がありますが、今衆議院で与野党共同提案で、駐留軍関係離職者等臨時措置法という、これは文字通りこの法案の名前が示す通り駐留軍労務者の離職に対する積極的な政府として打つべき施策の内容を掲げておりますが、この点に関しましては政府としてどういう見解を持っておられるのか、この点当然取り上げられておると判断いたしますので、この際政府のこの法律案に対する見解をお尋ねしておきたい。
  55. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) その点は政府としても同意をいたしておるわけであります。詳細は、労働関係省の力から御答弁を願いたいと思います。
  56. 田畑金光

    ○田畑金光君 詳細はこの法律案を見ればよくわかるわけで、私のお尋ねしたいことは、せっかく外務大臣日米安保委員会の中でこれは議題として取り上げられた以上は、重要な問題の一つとして取り上げられたものと見るわけです。ところが、先ほど来外務大臣の御答弁を聞いておりますと、問題の所在というものを十分把握されてお話しになっているのかどうか、非常に疑問に思うわけです。今申し上げた法律案も、これはもうすでに衆議院を通っているわけで、私は、この中でいろいろ資金の貸付とか具体的な施策を盛られておるわけでありますから、この裏づけに対して政府はどの程度の熱意を持ってこれを推進なさるのかどうか、それを実はお尋ねしたかったわけです。しかし、そういうような御答弁ではまことにこれ不満でありますが、せっかくこういう問題を日米安保委員会等、で取り上げられるならば、もう少し私は外務大臣といたしましても、十分駐留軍労務者の問題点については認識を深められて、強く推進されることを希望するわけであります。  それから、もう一つ、これは関連してお尋ねいたしますが、先ほど矢嶋委員質問の中にあるいは触れてあったかもしれませんが、最近新聞を見ますと、沖縄のいわゆる土地の地代の一括払いの問題に関しまして、ムーア高等弁務官が、再検討する、また、きのうおとといの新聞報道を見ますと、ダレス長官が、今のやり力では現地住民の意思に反する、従って再検討したい、こういう談話の発表がなされておりますが、これは政府の申し入れによってそういうような形になってきたのか、あるいはこういう問題等について、たとえば日米安保委員会とか、あるいは外交上の話し合いの中で出されてこういうことになってきたのか、その辺の事情を一つお伺いするとともに、政府の今後の見通しと方針をお開かせ願いたい。
  57. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 沖縄の土地一括払いの問題に対して、沖縄の実情に適しておらぬという観点から、政府としてはかねてこの問題につきまして、正常外交ルートを通じまして、アメリカ側に絶えずわが方の希望またわが方の調査しました実態等を申し入れをいたしております。従って、今回心検討をすることになりましたのも、そういうことが一つの大きな原因だと思います。そういうことを申し上げると、何か手前みそのようでありますけれども、そういうふうに努力いたしております。そして、それに対して国防省と国務省とが再検討をするという状況になった。従って、ムーア高等弁務官をしてそういう発表をさせるという通報は私どもも得ておるわけでありまして、われわれとしては、この問題について常時努力をして参ってきたつもりでおります。  なお、今後こういうように一括払いが一応中止になり、土地の問題についてどうしていくかという問題があるわけです。先般も安保委員長等も来られまして、いろいろ、われわれはお考えも伺いました。そういう線に沿い、また研究したところによりまして、日本政府側の意向というものをアメリカ側に常時連絡して参るつもりであります。
  58. 田畑金光

    ○田畑金光君 じゃ、もう一点だけ、今の点で。そうしますと、この間沖縄の社会党の安保委員長等が参って、いろいろ政府与党や野党等にも話し合いをして、この問題を日本政府として、あるいは日本の議会としても、強く推進するような要望を持ってきたわけでありますが、こういうような背景のもとに話し合いをなさって、まあここまで、一応来たのだというようなことになったようでありますが、今後これを土台にして、政府はさらにこの沖縄施政権の問題と申しますか、あるいは教育権の問題、いろいろあるかと思いますが、具体的に現地の住民の要望にこたえて、こういう工合に今後これを外交上の話し合いの中に進めていかれようとする方針であるか、具体的に一つ内容等がおありでありましょうから、承わりたいと考えるわけです。
  59. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ただいま申しあげましたように、土地の問題につきましては、一括払いが中止され再検討することになりましたので、従って、沖縄の方々の意向等も十分実情に沿うように伺いました上て、日本政府としましては、こういうふうに十地の問題については考えてもらいたい、こういう点を考慮しなければならないだろうというような点を、アメリカ側に対して、外交ルートを通じて申し入れていくことにいたす方針てあります。また、現にそれを若干ずつやりつつあるわけでございます。  また、施政権の問題、あるいは教育権の問題等に出しまして、われわれといたしましては、施政権の問題は非常に大きな問題でありますが、その前に教育問題を片づけることができればなるべく片づけて参りたいし、施政権の問題は、決して返還をわれわれはちゆうちよしておるわけではないのであります。従って、そういう問題に対しましても、われわれとしましては、沖縄の住民の意向、また日本政府として、沖縄に対する施策の上から考えていかなければならぬ、こう思うにつきましては、常時申し入れをし、また実情を説明して、その改善方を要求して参るつもりでございます。
  60. 田畑金光

    ○田畑金光君 もう一点だけ。再検討するというのは、再検討するということで、一括払いそのものについて、アメリカ側あるいは明地の方においてはやめて、現地の作民の声にこたえるのだということになっておるのか、あくまでもそれは再検討ということにすぎないのかどうか。今の段階はどうなっておるか。現地の声に応じて、実際一括払いはやめるのだということが、あのダレスの談話なり、あるいはムーア高等弁務官との話し合いなのか、その点。  それから、もう一つは、聞くところによると、政府は、ただ、アメリカ側の今までの立場と、現地の住民の声とを、ただ中間的に折衷して、五年とか十年とかという形で一つ地代を払わせるとか、払うとか、こういう折衷案て処理をしていこう。このことは、決して現地の住民の声に忠実に従っているのでなくして、何かしら、日本政府は第三者の立場で、折衷案でもって現地の住民を納得させよう、アメリカの顔も立てより、こういう第三者的な立場政府はやっているように聞いておるわけでありますが、そのどちらの立場であるわけですか。
  61. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 土地問題については、アメリカ側は再検討するという言葉を使っております。しかしながら、再検討をする以上は、もとのままに落ちつくとは考えられないわけでありまして、こういう機会に、われわれとしては、新しい考え方でこれを処理してもらわなければならないということは、当然アメリカ側に対して申し入れて参るわけであります。  また、ただいま第二に御指摘になりましたように、現地の住民の希望とアメリカ考え方との間の、何か妥協点を見つけるかということでございます。私どもは、現地の人たちの要求というものを、まず第一に素直にアメリカ側に伝える、そうしてアメリカ側に対して、あるいは沖縄の軍政府等から行っている実情報告等に感触上違いがある場合があり得ると思いますから、われわれが知っております現地の考え方を十分に、まず伝えるということが第一だと思っております。その伝えた上で、われわれといたしましても、それが達成されるように、その希望が達成されるように、努力をして参るのは当然のこと、ありまして、従って、その線に沿って話し合いをしていくわけで、妥協等の問題、実際の解決の問題については、さらに現地の住民等の意向が、そういう問題に移行して参るよりなことがありますれば、現地の住民の意向を十分向うに伝えるということで、日本政府が妥協的な案を最初から持ち出すというようなことは考えておりません。
  62. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 外務大臣にお尋ねいたしたいと思います。この問題は、昨年の九月以来機会を得ませんで、今日伺うのでありますが、従来、日本自衛隊が核装備をしない、そこで、核装備をした外敵から攻撃を受けた場合どうするかという問題について、防衛当局に伺いますと、結局、それは集団安全機構によるほかはないと、こういう御答弁がいつもなされるのであります。ところが、集団安全保障の機構というものを、今日の段階で具体的に申しますと、日米共同作戦、こういうことになるわけであります。そこで、外敵から核攻撃を受けた場合に、米軍日本に核兵器を打ち込まない、あるいは日本自衛隊が核兵器で装備しない、こう申しましても、結局向うが使えば、米軍日本の領空あるいは領海の外であっても使うに違いない。そうすればその使用によっての放射能等の影響は当然受けるわけであります。  そこで、私の外務大臣に伺いたいのは、どうしても、今日の場合、核実験の禁止、あるいは製造、貯蔵、使用等の禁止を、国際的に強力に推進されなければならぬ。これはどうしても日本としては、絶対至上の命令とでも申すべきものであろうと私は考えるのであります。そこで、今後国連等を中心にいたしまして、この線に沿って強力に日本の主張をお述べになる、あるいはこれを主張するということを、むろんお考えになっておると思うのでありますが、その案、あるいはお考えをいただしっかえのない限り、お示しをいただければ非常に幸いである、こういう意味で伺うわけであります。
  63. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ただいま政府といたしましては、来たるべき国連の総会において、核実験の問題等を切り離してそうしてやっていくということは、先ほど御答申しましたように、一番効果的な案を検討中でございます。のみならず、実験の禁止ばかしでなく、製造、保有、使用というものが終局的に禁止されなければならないというのは、昨年の日本提案においてもしかりでありまして、今後この問題を国連内においても推進して参る必要があろうかと思います。その意味において、私どもは、国連軍縮委員会等が、ただいまソ連のボイコットによりまして機能を停止しておりますが、これが一日も早くソ連も加えた形において、軍縮委員会等がこれらの問題を取り、上げて討議するような状態になることを要望しておるわけでありまして、そういう問題についても、意見を開きつつ、われわれは主施しておるわけであります。  なお、来たるべき巨頭会談等が行われます際には、核実験の問題並びに核兵器の問題は、私どもは、当然取り上げられて議題となり、話し合いになると思うのでありますけれども、日本といたしましても、巨頭会談に参加する、参加しないにかかわりませず、巨頭会談等が行われます際には、この問題を取り上げてもらいたいということを、申し出ていきたいと考えておるわけであります。いろいろな意味において、世界のいろいろな政策が変転しておりますから、それに対応して、その時間等に打つべき手はいろいろ考えながら進んで参りたい、こう思っております。
  64. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をとめて。    〔速記中止
  65. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記を起して、
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちょっと質問が途中で切れたわけですが、引き続いて、まとまるところまで質問さしていただきます。  騒音対策については、農林関係にも、厚生関係にも問題があるわけですが、時間の関係上、私は文教関係にしぼって、テスト・ケースとして伺って参りたいと思うのです。  まず、文部大臣に伺いますが、あなたはですね、駐留軍並びに自衛隊のいすれの飛行機のもたらす騒音を問わず、これは国の責任において補償すべきものだというのが、あなたの持論でありました。現在も相違ないか、伺います。
  67. 松永東

    国務大臣(松永東君) お説の通りでございます。
  68. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 このたびの法の改正によって、防衛庁長官調達庁をまあ吸収するような形になって参るわけでございまして、法的基準というものは自衛隊関係には明確でないが、今後同じようにやりたいということを、先ほど答弁されたわけです。  そこで、私はここで防衛庁長官としての津島国務大臣に伺いますが、先般私どもがこの法律案横議のために必要であるとして要求いたしましたこの提出資料、これはまれに見る優秀なものです。私は敬意と慰謝の意を表します。りっぱな表を早急に作っていただきました。で、これを見ますと、調達庁関係は特損法があるだけに、あと若干具体的に伺いますが、はっきりと計画が立っている。これは内容をちょっと聞いてみないとわからぬ点がありますが、ともかく立っておる。ところが、自衛隊のもたらす騒音によるところの対策というものは、要求しなかった関係かもしれませんが、これに出ていないのですが、当然これに匹敵すべきものを私は自衛隊は持っておるべきだと思いますが、提出を要求したら、明日でも提出する用意があるかということが一つ。  それから、文部省当局は、他の委員会でこういうことを言っている。これは防衛庁官、聞いておいてもらいたいのですが、調達庁なり防衛庁なりにせいぜい御連絡を申し上げて、措置を早急にやっていただくように今までお願いしておったわけでございますというようなことを、文部省政府委員は他の委員会答弁している。こんなことで、一体、政府の一貫した対策が立っていると言えるかどうか。だから、今調達庁は、ちゃんとこれは資料へ出ているわけですが、これに類すべきものを自衛隊は持っているはずです。また、これに連絡をとった結果措置をするようなものを、責任当局である文部省としては持っているべきであると思うのですが、もし要求したならば、明日でも提出するところの用意があるものかないものか。なければ、今後やるべく早急に努力するつもりでいるのか。まず防衛庁官から、続いて文部大臣から答弁を求めます。
  69. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 先ほどお答えいたしましたように、この騒音防止のための対策は、調達庁における特損法に準拠して、防衛庁といたしましてもこれが実行をはかっているわけでございます。今日まで実行したものの金額、あるいは件数、事項、これは資料として差し上げたいと思います。御要求が調達庁関係であると思いますから、その中には自衛隊関係は入っておらないように思います。  なお、予算の関係は、これは防衛庁関係は、海の関係その他にも補償すべきものがあるわけでございまして、予算としては、特に騒音防止対策といったような費目でやっていないけれども、必要に応じて予算を振りかえ流用し、使用し、これが支弁をする、こういう建前になっておるということを申し上げた次第でございます。そういった意味において、騒音防止のためにこれだけの予算を計上してある、費目としてそういうことではないということを、繰り返して申し上げる次第でござとます  御要求の資料は、至急提出をすることにいたします。
  70. 松永東

    国務大臣(松永東君) 矢嶋委員の御指摘になりました防音装置対策の問題ですが、これは防衛庁に関することは、昨年文部省独自の立場で漏らさず調査いたしまして、そうして至急にこれを解決するようにということで申し込んでおります。さらにまた、調達庁の方は、これはもう前から非常にこうした非難がありますし、文部当局も実は困っておる問題でありますから、しょっちゅう請求して、何とか早く解決してもらわなければいかぬということを申し入れておるのであります。今日までそういうことは、もうしょっちゅう申し込んでおりますから、御了承願いたいと思います。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは申し込むだけじゃだめなんでございまして、そのF―86Fというのは、自衛隊が持っているうちでも一番大きい音を出す飛行機。これを本年度は九十八機、今から作るのです。三十四年度は百六機作る。三十四年までに三百機にするのです。今、浜松に五十機はかりいるのですが、全国に三百機というのがある。管理局長、よく聞いて下さいよ。そして三十四年度から、それよりもなお音の出るF11Fジェット戦闘機を三百機はかり作るという。F11Fといったら、F―86Fとは比較にならぬくらいのスピードを持っている。排気音が出るわけです。だから、あなたのところで今対策を講じ、今後学校建設等の指導をするに当っては、そういう見通しをもって指導しなければ、過去に苦い経験をなめているわけですね。よろしいですか。こういう点を、私は皆さん方に注意を喚起いたしたい。第一に、文部大臣はF11Fを採用することにな、つたということを承知していますか。それと騒音関係のことを考えたことがございますか。
  72. 松永東

    国務大臣(松永東君) それは承知しております。従って、その問題については、これは大へんなことだと思いまして、それで早急に是正しようというので申し入れをしております。ただ申し入ればかりしたって何にもならぬじゃないかと矢嶋さん一向うけれども、無理に押しつけてなかなかやるわけにもいかぬ。しょっちゅう絶え間なく請求して、そうしてこれを除去したい、こういうふうに考えております。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点は、防衛庁長官におかれましても、文部省と十分緊密な連絡をとって、問題を処理するように要望しておきます。  そこで、やや具体的に伺いますが、防衛庁の本日出された資料によりますと、たとえば今米軍並びに――米軍が使って最も騒音を発しておるF―100が主として配置されておる福岡県板付ですね、その周辺に対する長きにわたる問題であったわけです。対策がやや具体的に出されました。これによると、具体的に伺って参りますが、一学級の生徒数を四十名程度に減ずるために、小規模の学校を作る予算も、学校名まであげてここに資料として出され、これはやられるというわけですね。ところが、他の委員会文部省は――一学級が四十名になれば教室もよけい要りますね。それから職責の定数も多くなる。今他の委員会で審議している法律案ては定員基準等があるわけですが、それに特例を設けなければならぬわけですね。従って、そういう教育委員会に対しては教員の定数とか配置はいかようにするのかという他の委員会における質問に対しては、あなた方は、防衛庁なり調進庁の方針がきまった後に善処するつもりでありますということを、速記に残しているわけです。本日、調達庁側から、はっきり学校名まであげて、一学級四十名にするための防音対策並びに教室の増築を計画しているということを、資料としてはっきり出して参りました。従って、あなた方としては、もう新学期始まっているわけですね、これは早急にやられるわけですね。どういう、何ですか。基準を設け、対策を講じられるのか。決定あるいはこれから内定するであろう方針を承わっておきます。
  74. 松永東

    国務大臣(松永東君) ただいま御指摘になりました問題は、防衛庁が至急にやっていただくということになりますけれども、それを私らの方から県と連絡をとりまして、これに即応するように解決の方法をとりたいと存じております。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 こういう方針政府としてきまったということは、あなたの方では助言と指導の立場において、都道府県教育委員会あるいは市教育委員会に対して示達をしましたか、しませんか。しなかったならば、早急にすべきだと思う。ただ、道徳教育やれというような通達ばかり出すのじゃないてすか。(笑声)どうですか。やったのですか、あるいはやらなかったのですか。やらなかったなら、明日からでもやる意思がありますか。
  76. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 板付基地の周辺の学校について小規模の学級の学校を作るということにつきましては、つい最近承わりましたので、まだ県の方にはっきりした、そういった教員定数の関係について連絡をいたしておりません、お話を承わりましたので、早急に府原とも連絡をとりまして、対策を立てたいと思います。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間が長くかかると恐縮でありますから、資料についてちょっと伺います。二十三ページ、特別損失補償法で三十三年度の処計画として七十八件、三億五千五百五十五万円というのが出ておりますが、これは別紙1に内訳がありますが、そのうちの鉄筋改築防音工事一校と出ていますね、一億二千九百万何がしが計上されておる。この鉄筋改築防音工事が一校とは、これはどれをさしておるのですか。
  78. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 福岡県の筥松小学校でございます。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 了承しました。  次に伺いますが、職貸室、校長室防音工事三十一五校として千四百六十七万円が計上をされております。これは御承知のごとく、今まで防音工事をやったのは、職員室とか、校長室とか、特別教室を除いた所だけ防音工をやって、こういう所はやってなかった。その非を悟ってやろうとするわけですが、これは調達庁で、今まで普通教室はやったけれども、特別教室、校長室はやってなかったところだけやろうとするものか。浜松とか宇都宮とか、自衛隊飛行機関係の所は、これに準じて自衛隊の方の予算支出を内定しているのかどうか。その二点を伺います。
  80. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 防衛庁関係のことでございますが、防衛庁におかれましても、調達庁がやつておりますと同一の方針でやっていいんだくことと存じます。また、ここには板付付近の学校しか書いてございませんが、他の基地におきましても、これは私どもの関係米軍基地でございますが、同様に職員室、校長室その他に防音工事を実施するつもりでございます。
  81. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それから二十六ページに、教育施設移転補償費一件として千五百五十万円が計上されておりますが、これはどれですか。
  82. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) これは立川の中学校でございます。
  83. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 了承しました。  もう二、三点、次に承わりたい点は、すいぶん問題になっておりました防音対策は、どの程度やればいいかという問題でありますが、その一つのテスト・ケースとして、具体的に申した方がはっきり諭ずるのに都合いいと思うのですが、義務制の学校は、学校区があるから、学校の移転というのはなかなかむずかしい。しかし、県立の高等学校以上だったら、まあ国立大学なんかはそう簡単には移転できないけれども、都道府県立高等学校程度基地の周辺にあるのをむしろ移転する方が適当だ。その一つのテスト・ケースとして、あの板付基地のすぐそばにある福岡商業高等学校、これはとても防音装置はききやしない。四十ホーン以下に対策を立てることは不可能であろう。そこで、これは市内に一つしかない高等学校だから、こういうのはテスト・ケースとして移転する方が妥当だというようなことが論じられておったわけです。本日新たに資料によりますと、馬出小学校の鉄筋コンクリートでテストしてみた、その結果三十五ホーン程度に抑え得るので、あの場において対策を講じようと考えているというようなことが出されているんですが、これは、文部省は専門的な立場で了承しているのかどうか。一体、その三十五ホーンといったら大へんだと思うんだが、その程度に抑えるのにどのくらいな費用があったらできると計算されておるのか、そうしてその時期はいつやろうとしておるのか。これはもし失敗したら、私は重大だと思う。テスト・ケースで九大の法学部でやったのは四十ホーンですから、板付の距離というものは、海岸でずいぶん離れています。二キロくらい離れています。それで、あれだけのことをやって、文部省一つのモデルとしてやつたわけです。あれが四十ホーンです。ところが、福岡商業高等学校というのは、板付基地のすぐそばです。それは、もう発進する場合の調整をする場合に、排気音を猛烈に出すわけで、すね、パンパンパンとあれを。それをどの程度予算を使われるのか知らぬが、とても三十五ホーンに抑えるなんかということは僕は不可能だと思う、僕の持っておる知識では。一体あなたはどのくらいの費用をかけたら三十五ホーンに押え得ると考えておるのか、お答え願いたい。
  84. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) この資料を見ますと、三十五ホーンというのは、三十五ホーン程度を下げるということでございまして、現在私どもの一応の基準としましては八十ホーン以内に押える。従いまして、大体七十ホーン程度の騒音は許していただこうという考え方針で、全国やっております。この商業高等学校は非常に近接しておりまして、やかましいのでありますが、鉄筋コンクリート作りでありますので、いろいろ方法を併用いたしまして、この三十五ホーン程度のものを落そうということでございます。予算は大体約三千万円程度を予定しております。
  85. 藤田進

    委員長藤田進君) ちょっと、速記をとめて下さい。    〔速記中止
  86. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をつけて。
  87. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、委員長の希望でありますから、質問の方向をちょっと変えましょう。  今のせっかくの御答弁ですが、私は三十五ホーン下げても七十ホーンくらいにはならぬと思います。私は、これはまあ文部省はどう検討されておるか知りませんが、へまなことしますと、調達庁は三千万円むだ使いするということが起るわけですからね。蓆田小学校のあの例があるわけですから。そういう結果になった場合は責任を追及しますよ、納税者の一人として。だから、十分専門的に検討してもらいたいと思います。  あと一、二問で終ります。防衛庁長官に伺いますが、この法案は、総理府の外局である防衛庁に、国家行政組織法の三条の一、項によって調達庁をかかえると、こういうわけ、すね。で、農林省の外局である水産庁と林野庁の関係ですね、これと、合皮総州府の一局である防衛庁に、あなたが時務大臣だからというので、外局として置くというのは、類似点はどの程度なのか。私は、伏線には必ず防衛庁は今度は省に昇格するんじゃないかと思うのですがね。その伏線を考えられているんじゃないか。でないと、国家行政組織法の三条の三項を読みましても、特に必要があると認められるときは云々とあって、これは特例中の特例なんですね。そうして調達庁の職員は、自衛隊に隊員と一緒にするのは好ましくないから、これは当然だと思うのですが、一般職の職員にする。きわめて変態的なものになっておるわけですね。従って、私の伺いたい点は、これは防衛庁防衛省として、そうして機構を整備しようという伏線があるのではないかということが一つと、それから農林省と林野庁、水産庁との関係と、総理府の防衛庁と調産庁との関係の類似点はどういうふうに考えられておるか、それを承わっておきたいと思います。
  88. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 本法案の趣旨は、調達庁の業務の内容が大体、駐留軍に関する施設、労務の提供、また補償の関係ということでございます。しかして、だんだんとその業務の量が減って参っておるという関係もあり、なお一方において自衛隊の組織が漸増の傾向をたどる、こういうわけであります。しかし、その事務の内容自体においても関連性が多いことは、ただいまの防音の対策に関連しても、もうおわかりになる通りであります。そういった意味からも、事務の内容においては両者に緊密な関係があること、まと調達庁が漸次縮減されるという傾向にある、これらについても考慮して、外局の防衛庁がまたここに外局を持ち得るという組織法の規定によって、最も適当なる機構の改革であろう、こう思っているわけでございます。  御指摘のように、こういった三千名、また将来減少すべき傾向にある調達庁というものを外局とすることによって、これが国防省とか何とかという大きな機構の問題に関連があるというような点は、私どもは絶対にこれと関連して考えておらぬわけでございますから、この点はどうぞさよう御了承を願いたいと思います。
  89. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう一回承わりますがね。御承知のごとく、労働大臣が担当しておったわけですね。そうして砂川基地拡張に関して、あの拡張に反対する団体あるいは国民との間に調達庁が摩擦を起した直後、そのほかにも理由があったけれども、そのころから防衛庁長に移っていったわけです。しかも、今、防衛庁長官が所管になっているのですが、実際仕事をしていく上に当って、こういう法律案を出さなくても、別に大して支障はないのじゃないか。もとは労働大臣さえが担当してやっておったことなので、それほどの必要性というものはどこにあるのかということを察しかねている面があるのですが、従って、それをもう少しわかりやすく説明して下さい。  ということは、沖縄施政権を返さないのも、日本施政権があっては基地反対運動なんかの起るおそれがある。また沖縄の教育権を返した場合、平和教育なんというので、沖縄基地拡張に反対する学校教育、社会教育をどこでもやられたのでは困る。だから、全般の施政権はもちろんのこと、限られた教育権さえも絶対に返されないのだ、これがアメリカの基本的な立場なんですね。だから、調達業務を防衛庁関係に移していくということは、今後調達業務は、かりにですよ、自衛隊基地の拡張等がいろいろ問題になった場合には、防衛庁長官の所管内に入っておれば、場合によれば適切なる行動もとれるというような含みもあるのじゃないかというような推察をするわけなんです。そういう点はどうなのか、それだけ承わって質問を終ります。
  90. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 先ほど申し上げましたように、事務の内容がきわめて近いものがある。これはどうしても、所管大臣と申しますか、今のような中途半端な形態ではなくて、これは防衛庁の外局として、その行政の運営に当っては調達庁法によってやるけれども、責任者たる大臣自分の外局としてやるということによって、能率も上り、観た事務の連絡、調整、あらゆる面において近似したものがあるのでございます。特に駐留米軍の施設の返還といったような問題に関連いたしましても、これを自衛隊が利用するといったような場合の起るときに、これの適当な調整をする上においては、この組織の方が、外局とする方が国家の行政運営上便利であろうと思う。なおまた、先ほど申し上げました人員の縮減でございますが、なるべく現在の人を活用するという上からいっても、これが防衛庁の外局であるということであれは、所管大臣と申しますか、その責任大臣が統一して人事の交流、これをやっていけば、調達庁の方々は私は非常に宏心した気持を起すのじゃないか。現に本法案につきましては、私、就任直後調津庁に参りまして、これはただ担当大臣という資格でありましたが、職員の方々の要望は、継続審議になっているこの法律案をぜひ一つ実現を頼むというような要望もあるのであります。そういった意味を考証応ずると、事務の便宜、また人事交流の上からいっても、また、まあ長年この事務を担当された職員の方から申しましても、私はこれはぜひ実行していただきたいと、こうお願いする次第であります。
  91. 田畑金光

    ○田畑金光君 大臣並びに調達庁長官に簡単に問題点だけをお尋ねいたしますが、一つ答弁も簡潔にお願いすることにいんしまして、今の御答弁に関連いたしますけれども、調達庁の機構がだんだん小さくなっていく。また、やっている仕事の内容も、防衛庁のやっている仕事と類似して、特に共通町が出てきた。そうなって参りますと、むしろ外局として置くよりも、これを防衛庁の中の機関に続行するということもりえられますが、なぜ統合をしなかったのか。ことに防衛庁には、この間もお尋ねいたしましたが、付属機関とし調達実施本部とか建設本部というものがあるわけです。これとの関係は今後どういうことになっていくのか、それを明確に一つ答弁願いたいと思います。
  92. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) お答えいたします。調達庁の職員は、これは一般公務員ということになって、その身分が確定されているわけです。保障されているわけです。また一方、防衛庁のは特別職ということでございまして、適用の法規が給与その他において全然違っているのでございます。それで、防衛庁の職員にすると、これが全部特別職になるといったような、身分上の大きな変化があるわけであります。そういった意味において駐留軍の業務をやるということは、私は適当でないと思うのです。これはやはり一般職、特別職というのを、二つをはっきり区分いたしまして、その身分そのにおいても区別を設けていくのが、私は適当だろうと思うのでございまして、この意味においてこれは外局として、内局その他行部隊とは全然別なものにして、仕事の上においては防衛庁官がこれを十分統括していくということが、かえって職員の身分を保障するというか、安定感がある、こういう趣旨でこういった改正を考慮したわけでございます。  なお、防衛庁に調達実施本部とか建設本部というのがございます。これは自衛隊関係、あるいは調弁、あるいは隊舎の建設とか、土地の買取といったような事務をやっているわけでございます。一方調達庁のは、一に駐留軍のためにする施設、労務の提供ということでございまして、その目的は自衛隊そのものと駐留軍との問において、おのおの要事と申しますか、必要性が異なった場合があるのであります。しかし、知識と経験は、将来においてはこういった調達実施本部または建設本部といったようなところに活用され得る、そういった知識、経験を持っておられる力が多いわけでございますから、人平の交流の面においては、将来においてはたとえ縮減ということが傾向としてあり、またそういうことになった易行に、人事交流の面においては十分考慮し得ることでありまするけれども、職務の上においては、これは全然別個の問題。もちろん、両者に関連のあるものがあるということは、先ほど申し上げた通りであります。そういった意味において、外局ということにいたした次第であります。
  93. 田畑金光

    ○田畑金光君 人事の交流等は将来あり得る、特に機構の縮小に伴う調達庁の職員等については、防衛庁との職員の人平交流は考えられるが、職務の性格からいって、一方は特別職、一方は一般職である、従って、一般職として将来ともあくまでもこれは保障していくのだ、こういう御方針で、あると承わったわけでありますが、そういたしましたならば、従来の調達庁の職員は一般職であるがゆえに、労働組合関係等においても組織を持ち、組織の自主性で動いてきたわけで、これは防衛庁は特別職でありますから、当然に労働組合等の結成は許されない、こういうことになるわけです。従って、将来とも一般職職員としての調達庁の職員は、労務法上の団結権、団体行動権の保障というものは、許されるのだという前提のもとに立って、これから担当される防衛庁長官はそういう心づもりで組合等との話し合いも十分やっていくのだ、こういう工合に受け取ってよろしいかどうか。
  94. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) ただいまの質問通りでございます。一般職として与えられたる団結権その他のことは全部現状のままで、何ら変更を加えないで、私としては十分尊重してやっていきたい、こう思っております。防衛庁長官としてでありますが……。
  95. 田畑金光

    ○田畑金光君 それから、今後の国の調達業務ということを考えて参りましたとき、先ほど防衛庁のいわゆる付属機関について説明がありましたが、現実は調達庁のやっている仕事と非常に類似をし、また今後とも駐留軍が撤退すればするほど類似がふえてくる、こう思っておるわけです。そこで、今後調達庁というものはもっと国家的の視野に立って考えてみる、調達業務というものはこの調達庁という一つ機関を通じて考えてみる、こういうようなことも、予算の効率的の運用とか、今後の能率的な運用等を考えた場合に、一つの構想として描かれる問題だ、こう思うわけです。また域外調達という問題等もあるわけでありますが、こういうことを、考えたとき、もっともっと国家的の視野に立って、この調達業務というものをいかなる機関で処理するか、こういうふうなことは国家行政の連帯からいっても十分検討の余地がありはせぬか、こう考えておりますが、この調達機関というものを、調達庁というものをば、そういう工合に一つ構想等は、政府部内等で検討された機会はなかったかどうか、承わりたいと思います。
  96. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 一般の行政庁において支弁する調達業務についてなるべく組織的にし、またこれを担当する特殊の機構を設けるといったようなことは、たびたび行政機関の人事刷新等の面から検討された問題で、また経理面からいってもそういったことが適当であろう、こういうことにたびたび問題が起ったわけであります。具体的の調達庁の今後の機能については、ただいまの御所見のように、これだけ練達な知識、また経験を持たれておるような組織が、非常に今日の実情においてりっぱな役割をしたと私は思っております。しかし、行政の全体の機構を見まして、今後の調達庁の業務としてそれをどうするかということと、国家全般から見てどうすべきかという問題と、二つあると思います。御指摘のようなふうに十分一つ検討を加えてみたいと思います。今日のところでは、まだ具体化しておるものはないようでございますが、御所見によって十分検討を加えていきたいと思います。
  97. 田畑金光

    ○田畑金光君 こういうように中央の機構というものが、内容はともかくといたしまして、指揮命令系統というものが変って参りますと、当然にいろいろ地方には調達庁の地方局があるし、あるいは調達事務所等もあるわけでありますが、今度のこの中央の機構の移管に伴って、地方の機能あるいは事物所等についての影響はどういうことになるのか。特に、地方の職員の中には、府県等から配置転換になって調達庁の職員の中に入ってきてれる人も相当あるように聞いておるわけでありまして、こういう人方の身分の問題等については、将来、たとえば出身の府県なら府県の地方公務員に戻るとか、交流するというような点もあり得ると思うのですが、地方の局、あるいは現在の職員等について、どういうことに今後これを機会になさるのか、これを一つ承わりたいと思います。
  98. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 調達庁の職員の身分でございますが、これは中央にいると、また地方出先の機関の職員とを問わず、区別することはございません。全部全体として、これは今後新しい機構における調達庁の職員として、従来の身分、給与、その他今申し上げましたいわゆる労務の関係、そういうものについて特別に地方末端の組織について何らかの影響があるとは考えておりません。本人の希望等によって他に有利な職場につくというようなことがあれば、これは別でございますが、そういった意味において、今度の改正はあるがまま、そのまま引き継いでいこうという格好になっております。前回申し上げましたように、調達庁の職員の定員は若干三十三年度は減りますが、これは全体を通ずると比較的少いものでございまして、それらの今後のことについては、これはもう大体めどがついているわけです。調達庁の現在の職員の方たは何ら私は不安を感ずるようなことはないということを考えている次第でございます。
  99. 田畑金光

    ○田畑金光君 今お話の中にもありましたが、昭和三十三年度に百三十五名職員が減るわけです。ところが、こう見ておりますと、昨年から今年にかけで、駐留軍の撤退とか、従ってそれに伴う施設の返還処理、こういう仕事の量はかえってふえていくように見えるわけで、そういう点から申しますなら、少くともこの昭和三十三年度等は職員の仕事の量というものはかえってふえていくのではないか、こういうわれわれは見方を持つわけですが、今回の職員の百三十五名の減員でもって仕事の処理遂行上支障ないのかどうか。  さらに、それに関連してお尋ねしたいことは、われわれも地方を回ってよく視察して見ますと、調達庁の職員というのは、正直にいって、両者の立場にあって非常に苦しい地位に置かれている。これは何人も好んで、アメリカ基地を設け、それを拡大するために、国民の大事な土地を取り上げるというようなことは、心情として忍びがたいものがあろうと、こう見るわけで、そういう意味においては、この職員の立場というものは非常に同情すべき問題を含んでいるわけです。また、仕事の面においても、質的にも相当複雑な仕事を持っている。こういうようなことを考えたとき、今申し上げました百三十五名の減員というようなことで、仕事の遂行上支障ないのかどうか。特にこれは防衛庁に入ったら、防衛庁は特別職だ、どうしてもこれは自衛隊が中心だ、そういう機構の中に入っていく。その防衛庁長官の指揮監督を受ける一般職だ。こういういろいろな迷いから出てくる身分や待遇上の不安があることを考えるわけですが、これらの点について将来どういう、防衛庁長官としては、身分、給与待遇上の保障をはかっていこうとする方針であるか、これを承わっておきたい。
  100. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 昨年度に比して三十三年度には、施設提供費その他業務の予算においては、相当大きな減額を見たわけであります。しかし、仕事の内容は複雑化して、いわゆる仕事分量というか、減額にもかかわらず非常なむずかしい仕事を担当し、また一そう複雑になる、こういうことは私どもよく承知しております。その意味から申しまして、予算的のこの事業量の減少、これは二十何億減りまして、それにもかかわらず、定員に関する限りはますこの限度にこれを維持して、仕事に支障ないようにはかってやったわけでございます。従いまして、この程度の百三十余名の縮減によって仕事が非常に円滑にいかないということはないと私は考えております。なお、ただいま申しました給与、その他身分等については、先ほど申し上げた通りで、変更はございません。なお、任免関係は、防衛庁長官調達庁長官を任免する、それ以外の職員は全部現状のように調達庁長官がこれを任免するという形でございまして、その点においても私は職員には大きな変更はない、身分においても任免の関係においても。そういうふうに思っておる次第でございます。
  101. 田畑金光

    ○田畑金光君 私はこれで私の質問を終りたいと思うのですが、先ほどもちょっと外務大臣にお尋ねいたしました駐留軍関係離職者等臨時措置法案、防衛庁長官よくご存じだと思うわけですが、間もなく今国会で成立すると思うのです。そういたしますと、特にいろいろやる仕事、離職者のための補償措置等が盛られておりますが、この中で特別給付の支給、あるいは今後離職者が仕事をやっていく上におしまして資金を借り入れするときの融通あっせん、こういう問題等を含んでおるわけです。この法律内容はいずれもけっこうでありますけれども、問題は、法律はできても、実際これを実践する段階になって参りますと、常に龍頭蛇尾に終って、結局法律だけに終ったという結果になりがちであるわけですが、職業の補導の問題、あっせんの問題等についてもそうでありますし、先ほど指摘いたしました資金の融通あっせん、あるいは特別給付金の支給、こういうような問題等について、政府部内においてはどの程度具体的な補償を今後はかろうとする御方針であるのか、もう少し内容について具体的に、政府が今日まで努力しておられるならば、あるいは一つやっていこうとする計画をお持ちであるならば、それらの内容について御説明をお願いしたいと思います。
  102. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 衆議院の内閣委員長提案の離職者臨時措置法案、これは昨年十二月閣議で決定したその方針に合致したものでございまして、今日まで予算関係において、その他の措置においても、十分関係各省は協力してやって参ったわけでございます。しかし、こういった特別措置法というように法制化する上は、さらに政府としては一段とこの実行に努力するということは当然のことだと私は思います。具体的にこの事項はこうだということは、非常に煩瑣でもあるし、特に今度は今まであった対策協議会というものが法律の規定に基く協議会となるといったようでございますので、従来以上にこの協議会というものは最も活用され、この法案に沿ったところの措置が決定され、また政府においてもこれは実行する、こういうことに相なると私は期待しておるわけであります。
  103. 田畑金光

    ○田畑金光君 もう少し、特別給付金とはどの程度、あるいはどういう構想を持っておるのか。それから資金の融通あっせんというわけでありますが、これはどの政府機関を通じ、金融機関を通じ、どの程度の資金を融通あっせん等をややろうとされるのか。ある程度の構想はかたまっておると思うのですが、大臣でなければ調達庁長官から、これらの点を中心にもう少し詳細に説明を願いたいと思います。
  104. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 特別給付金の問題は、昨年度、におきまして、三十二年中に八千八百九十六万円、三十三年度におきまして四千七百八十万円という予算を盛っております。大体この標準といたしましては、昨年の六月二十二日現在に雇用されていた者に対しまして、解雇の際に三年以上勤続した者に対して、政府雇用主の立場から解雇のお見舞金というような形式で出すわけでございます。もっとも、この三年以上のと申しましても、十年末満の三年以上、十年未満の人あるいは十年以上の人ということにつきましては、金額に区別がございまして、十年以上の方には一人当り二方、十年米満の人には六千円というような区別はございまするが、こういうような標準で出していきたいと考えております。資金のあっせんにつきましては、自発的に企業組合等を離職者の方々が作られまして、そして事業を起される方方に対する資金をあっせんしょうということでございまして、金融機関といたしましては国民金融公庫、商工組合中央金庫及び、中小企業金融公庫でございます。現在申し込みの申請がたくさん出ておりまして、今日までに貸付になりましたのは、国民金融公庫関係で、普通貸付が三十六件、厚生資金貸付で五十一件ということになっております。商工組合中央金庫、中小企業金融公庫等につきましては、申し込みを受け付けまして決定されましたのは、まだ三、三件に過ぎないのであります。資金といたしましては、一応七億程度のものは大蔵省側において融資あっせんの希望が達せられるようにという公庫側に通達をいたしております。従いまして、資金の量の面で制約を受けるということはございません。しかしながら、なかなか、離職者の方々が他の職に転向されて、そして新しい企業をされるということになりまするので、いろいろなれておられないような仕事でございますので、私どもは各府県及び出先を通じまして御相談にも応じ、なお金融機関等に対するあっせんにつきまして努力をいたしておる次第でございます。
  105. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまの点に関連して一点お伺いいたしますが、離職に関連して給付金を今度支給するということですが、直接雇用と間接雇用にかかわらず、英連邦軍については何らそのことが考慮されないというふうに見受けられるわけで、この点についての解釈、お考え並びに将来の見通し、方針などをお伺いいたしたいと思います。
  106. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 主として呉、広島地方でございますが、英連邦軍に雇用されておられました方々け、最初形式的には政府が、調達庁が関与いたしませんで、直接雇用の形式で契約を結んでおられたわけであります。その後英連邦軍が撤退いたします二年か二年半前に、間接雇用、すなわち政府雇用の形式に切りかえられたわけであります。今回の国会提案対策法案は、結局主としてねらっておられますところは岸・アイク声明以後において離職された方々ということになっております。英連邦軍の関係で雇われておられました方々で離職をされた方と、今回の法案の適用を受ける方、すなわち岸・アイク声明以後において解雇をされた方との実質的な差異は、私はきわめて薄いと思うのでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、今回の法案の御趣旨がそういう点でございますので、本法の適用はないことになると思うのでございます。まことに英連邦軍関係の離職者の方々にはお気の毒であり同情に堪えないものがございますが、今のところ予算の関係も予定しておりませんし、また今回の法案にも該当がないという結果になっておる次第であります。
  107. 藤田進

    委員長藤田進君) そうしますと、日本政府としては、かような給付金を出すことになってから、英連邦軍に関連して、英本国に、かかる措置をされたいとか、そういうことをやるとかしないと、非常に大きな片手落ちになるのではないのですか。要するに、型式的に直接雇用であっても、調達庁が関与して進めてきたことであって、それが途中で間接雇用に切りかわったという単なる形式的なことだけにとらわれ過ぎているのでは、非常に問題がある。さらに、それらについて重ねてお伺いいたします。
  108. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 間接雇用以外の直接雇用人たちは、まだ今回の法律案の適用を受ける以外にもおられるわけでございますが、米軍が直接にPX等で雇用している女の人だとか、そういう人たちに対しても同様の問題があるわけでございます。これらの人たちに対しましては、今回この法案が国会提案されました事実と、またこういう金額を政府としては考えているのだということを、米軍には通告をいたしまして、米軍側の考慮を得たいということを申し入れております。ただし、英連邦軍につきましては、前回いろいろな交渉の経緯もございましたが、法律を非常にたてにとりまして、今日に至って応ずるかどうかということにつきましては、私ども自信を持っておりません。もっとも、まだ現在交渉しておるわけではございませんが、非常に困難ではないかというふうに考えております。
  109. 藤田進

    委員長藤田進君) この点は、不均衡のないような処理を強く要望いたします。  時間も経過いたしましたので、本案につきましては、午後さらに審議を行うことといたしまして、これにて暫時休憩いたします。    午後一時十五分休憩    ―――――・―――――    午後三時二十六分開会
  110. 藤田進

    委員長藤田進君) 委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、防衛庁設置法の一部を改正する法律案(第二十六回国会閣法題一五五号)を議題といたします。  御質問のおありの方は、順次、御発言を願います。
  111. 田畑金光

    ○田畑金光君 一、二の点で防衛庁長官にお伺いいたしますが、それは先ほど御質問いたしました駐留軍労務者の問題で、この身分の取扱い等は一体従来通りで処理されていくのかどうか。御承知のように、法律百七十四号によって駐留軍労務者の労働条件、給与その他については調達庁長官において決定することになっておるわけで、従来とも労働三法が適用され、完全な労働基本権というものが保障されて参っているわけであります。これらが、今回この調達庁防衛庁の外局に移る、こういう機構の変更に応じて、身分の取扱い上に何らかの変化等があるのかどうか、従来と同じような取扱いでいくのかどうか、この点、明確に一つ答弁を願っておきたいと思い映す。
  112. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 機構の変更がありましても、調達庁の職員等につきましては身分の取扱い等について何ら変更はございません。
  113. 田畑金光

    ○田畑金光君 要するに、何らの変更がないということは従前と同じように労働三法の適用を受けて、労働基本権についてはあくまでも完全な保障のもとにやっているけるのだ、こういうことでよろしゅうございますか。
  114. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 仰せの通りでございます。
  115. 田畑金光

    ○田畑金光君 それから、特別給付金の件については、けさほどの私の質問に対し長官から明確にお答えを願ったわけでありますが、けさほど私の質問いたしましたのは、いわゆる間接雇用駐留軍の労務者についてお尋ねしたわけで、現在軍直用の労務者は二万五千人ないし二万六千人に上っている、こういう工合に聞いているわけでありますが、この軍直用の労務者に対しましては、特別給付金等の取扱いについてはどういうことになっていくのか。政府といたしましては、今後この人方に対しましても、政府責任において具体的な処理が進められるものと、われわれは期待いたしておりますが、この点について、まず政府方針を承わっておきたいと思います。
  116. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) いわゆる直接雇用者につきましては、今回の特別給付金の趣旨が、政府雇用する関係にあるいわゆる間接雇用者という方々について、解雇になられる場合に、見舞金というような形で支出されるものでございます。従いまして、直接雇用の人の方々は、実質的には同じように米軍に労務を提供しておるのでございますけれども、今回の特別給付金の予算にも予定してございませんし、また衆議院の内閣委員会提案法律の適用も受けないわけでございます。しかし、私どもといたしましては、所管官庁である労働省と協議をいたしまして、政府が特別給付金を差し上げるというようなことではないのですが、日本政府米軍に対しまして、このような直接米軍雇用されておられる方たちに対しても出してもらえぬだろうか、日本政府は間接雇用人たちに対してこういうような予算を組み、かつこういうような法案というものが国会において審議されておるのだという事情を通告いたしまして、協議をいたしておる段階でございます。しかし、米軍側は契約をたてにとりまして、法律的な義務以外にこれらの直接雇用人たちに見舞金を出すということについては、容易に承諾はしないようでございます。実質的に同様な条件にある方々でありますから、私どもの方でも米軍の方と話し合いはいたしておりますが以上のような経過でございます。
  117. 田畑金光

    ○田畑金光君 経過については、調達庁長官の御答弁でよくわかったわけでありますが、問題は、今政府といたしましても、やがて成立するであろう駐留軍関係離職者等臨時措置法案によって、間接雇用労務者については給付金の支給等特別な措置をとられるわけでありまして、ただ問題は、雇用が直接であるか間接であるか、これだけの違いで、一方は政府が処理する、他方は政府の手を離れて米軍独自の判断で処理される、こういうふうなことは、日本政府立場からいたしますならば、とるべき態度ではなかろうと考えておるわけで、要するに、問題は、仕事の内容が同一であるし、いずれにいたしましても、駐留米軍のもとで働らく労務者であることにおいては何ら、変りはないわけで、従って、この問題の解決いかんというものは、あげて日本政府の私は、責任という言葉が言い過ぎかどうかは別にいたしまして、やはり責任であるという自覚のもとに処理されてしかるべきだと、こう考えるわけで、こういう意味におきましては、この問題はおそらく米当局としては、あるいは法律の建前、今御答弁のように契約の趣旨からいって、従来ともそうでありますが、なかなか簡単にイエス、という態度に出てこないかもしれぬ。しかし、やはり障壁を乗り越えるには、私は防衛庁長官が政治的な一つ確固たる態度をもって解決に乗り出す以外になかろうと考えるわけで、かりにこれからかうまくいかなければ、それは一方の間接労務者にはこういう措置をとっておるのだから、他方の労務者に対しましても政府責任において処理するくらいの腹を持って米当局に当るべきだと思うのですが、これが見通し等について、私は防衛庁長官の確たる一つ決意のほどと今後の方針を、この際明確に伺っておきたいと思います。
  118. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) 駐留軍の離職者対策は非常に重大問題でございまして、調達庁関係から先方に非常に強く交渉いたしております。また一方、日米安保委員会においても、第一回以来ほとんど毎回、離職者対策ということで協議をいたして、先方もそれを十分に協力的にやってきたわけです。具体的な今の直接雇用者に対する問題につきましても今日まで非常にわれわれは熱心に交渉を続けて参りました。まことに、地位の違ったために、ややお気の毒なような措置にならざるを得ないという実情に対しては、同情をいたしておるわけでございます。今後、私もそういった部面についてさらに一そう努力いたします。結局、向う側で負担しない場合に、またその対策をどうするかというようなことになりますと、防衛庁限り、長官としてだけで決定できない問題でありますので、特別給付金の問題は、これは大蔵省の関係も非常にあるわけでありますので、部内、対外において、両面においてさらに一そうの努力を重ねたいとこう存ずる次第でございます。
  119. 田畑金光

    ○田畑金光君 それ以上の答弁は今の段階において期待できないかもしれませんが、とにかく私が強く要望として申し上げておきたいことは、ただ雇用の形式が、直接、間接という違いだけで、事実米軍のもとに働く人がたに差異があってしかるべきはずは断じてないわけでありまして、ことに労働三法の適用の面から申しましても、ともに労働三法の完全な適用下に置かれておる、こういう立場にあるわけですから、この点は一つ、せっかく防衛庁のもとに調達庁が移ったということは、ある意味においては、政治的に大きな一つ今後は力というものが前進するものと、われわれは見ているわけで、大物防衛庁長官でもあられるわけだから、これくらいは一つ長官の責任において必ず解決をしていただきたいと考えるわけで、次の機会等において、この問題が解決せざるままに放任されておくことのないように、この国会において、このような事態のもとにまた質問しなくちゃならぬようなことが起きないように、かりにアメリカの方でどうしても言うことをきかぬような場合には、日本政府責任におきましても、一つ自主的な判断でこの問題の処理をはかられるように、強くこの点を要望申し上げまして、長官の御努力を期待することにいたします。
  120. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本日付で調達庁当局から詳細な資料が提出されましたので、これについてお伺いいたしたい点が、幾多もあるわけでございますが、委員長の御要望もありますし、また、これだけの資料を短時日に提出された政府委員の誠意に免じて、長く質問しません。一、二点だけお伺いしたいと思いますが、この資料の中、で私がこの前ちょっとお伺いしましたように、終戦後十二年経過して、都内の提供施設にしぼった場合になお三十六件ある。しかも土地にして百九十万九千坪、建物にして三十五万四千坪のものが、依然として提供されているということは、これは私は問題だと思う。  サンフランシスコ条約を締結した当時、あの条約国会で審議する当時、都心からは駐留軍の諸施設はできるだけ早い機会に引き揚げるということが、あの条約審議のときに説明されているわけであります。もとの牛込の陸軍士官学校、あんなところに居を構えるはずではなかったのであります。あれは朝霞ですか、それをああいうところに途中で方向変換してすわり込んじゃった。それで、きょうの資料を見ますと、三十六件ある。これは一体、防衛庁長官、どう考えておられるのか、調達庁長官、どうお考えになっておられるのか。特にですよ、特に千代田区にずいぶんありますが、その中でリンカン・センター住宅地区、パレス・ハイツ住宅地区、これがいまだ戦後十二年にしてこういう状態にあるということは、これは国民感情としても私は許されぬことだと思うのですよ。政府当局は何をしているのかと言わざるを得ないのですね。一体これについてどういうお考えを持っておられるのかということと、具体的にこのリンカン・センター住宅地区、パレス・ハイツ住宅地区はいつ撤去される予定か。特にこのパレス・ハイツ地域は国立劇場の敷地としても予定していることやに承わっているわけであります。大蔵大臣をして言わしめるならば、今にでもあけられるようなことを言われているのですが、これは津島さん並びに上村さんは責任ある立場なんですから、どういう交渉経過になって、いつまでどうするか、明確に一つお答え願いたい。
  121. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) お説のように、都内にまだ相当の駐留軍施設が残っているということにつきましては、御指摘のように、私どもはなるべくこれを返還を受け、また撤去するということにしたいと思って努力いたしております。特に、議会周辺において駐留軍の施設の残っているということは、これは参議院議院運営委員会においても昨年そういった問題が審議されまして、少くとも議会周辺の地区にある施設については、撤去ないしは返還といったような措置を講ずべきであると、こういうことでございました。そういった趣旨を体しまして、これは熱心にわれわれやっております。しかして、これには、そのままあれを返還するということの事情の許されないものもございまして、代替施設、かわるべきものを都心でないところに作ろうといって、大体その位置の合致を見ております。これの代替の施設が必要な場合においては、予算によって調達庁側でそれを提供しようという話し合いができまして、本年度の予算にもそれに必要な経費も見積っております。従って、今御指摘のような部面の施設については、近くこれが撤去の事実をわれわれは期待し、またこれは実行したい、こういうわけでございます。  その他の各施設についても、いろいろございますけれども、漸次これが返還の城にいくべきものなんでございまするが、まだ、現在の駐留軍の事情から申しまして、すぐこれが大幅に返還を受けるというふうには至らない。若干の期間があると思いますけれども、御趣旨の点はわれわれ同感でございまして、極力その点につきましては、折衝を重ねております。
  122. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 大臣からお答えがございましたので、私から具体的の問題につきましてお答え申し上げたいと思います。  二十七年の四月二十八日現在で、東京都内におきまして接収を受けておりました施設が百二十九あったのでございます。その後返還になりまして、現在三十六残っております。このうち最も目立ちますもの、また大きなものは御指摘通り住宅でございまして、特に国会周辺の住宅につきましては、    〔委員長退席、理事永岡治光君着席〕 私ども二、三年前以来、早く決定してもらいたいということを要望して参ったのであります。ところが、昨年の陸軍の引き揚げ以来、地方の部隊を東京に集結して参りました関係で、なかなかあけてくれない。従って、私どもも、どうしてもことしは、特に国会周辺の開院宮邸跡、あるいは三宅坂、人事院裏の住宅はぜひどいてもらいたいという要望をいたしまして、ある程度の代替施設を横田に作ってかわりに提供しようという話し合いが、具体的に現在進行しております。また、この代替施設建築に要する予算も計士してございます。しかし、なるべくならば、代替施設を建造することを少くいたしまして、引き払ってもらいたいという要請をしておりまするので、本年度中には、国会周辺の住宅約三百ございますけれども、解決を見るつもりでおります。至急横田の代替施設を作り始めまして、そして引き移ってもらうという計画をいたしております。
  123. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今年度中にでも、早くどこかにおいで願うようにやってもらいたいと思う。いつまでもあんなところにおるべきじゃないですよ。大体サンフランシスコ条約を締結したときの約束なんだから……。それから、さらに、あの第一生命の建物から埼玉県に行くはずのが、途中で下車して牛込に落ちついたわけなんだが、あれはいつあけるのですか。どうなっておりますか。
  124. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) 市ヶ谷の建物につきましては、これも現在先方の米軍の利用程度が非常に少くなっておりまするので、一日も早く引き移ってもらいたいという要請をしております。見通しとしましては、おそらく一年以内にはあけると思います。早ければ半年後には引き払うのじゃないかという見通しをいたしております。
  125. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛庁長官に要望しておきますが、日米親善上好ましくないと思う。それから、アメリカの対日政策という立場からいっても、マイナスの事柄だと思うのです。そういう事情をあちらさんに十分話されて、それはあなたの私は役目だと思うのです。そうして日本国民が早く納得できるように処置してもらいたいと思うのですが、していただけますか。
  126. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) これは従来から極力努力しておりますし、先方も十分理解しておりますので、御趣旨の点は今後正そう十分努力して、この問題を処置したい、こういうふうに思っております。
  127. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 午前中、私は、自衛隊飛行機による防音対策、どういう具体的な案を持っているか、資料を提出していただきたいと要望したのですが、審議の都合上、ここで概略一応承わっておきたい。そうして、足らざるところはいずれプリントにしていただけばけっこうでございますから、審議の都合上、一応要求したことですから、この際わかる範囲内において説明を承わっておきたいと思います。
  128. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) ただいまの御質問は、騒音防止に関しての自衛隊側の方でございますか。駐留軍全体の……。
  129. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 駐留軍については出ているので、自衛隊の方。
  130. 津島壽一

    国務大臣津島壽一君) これは表はできて、私は提出するように指示させたのですが、表ができております。お手元に配ったかと思いますが、ごらん願います。
  131. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちょっと説明して下さい。
  132. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 先ほど御質問がありました、従来防衛庁で騒音防止のために補償いたしました件数及び価額等を、一覧にしてお手元にお届けをいたした次第でございます。  なお、三十三年度の計画についても御要請がございましたので、この際、今まで私の方で調査いたしております点につきまして御報告申し上げますが、学校関係で七校、職員室、校長室等で五校につきまして、すでに調査を済ませ、三十三年度において騒音防止補償を実行いたしたいと考えておる次第でございます。
  133. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この表でわかりますがえらいたくさん金を使っておるなあと思ったところが、円の単位なんですね。こういうものは普通千円の単位で書くのが普通で、ちょっとだまされますよ。大した金を使っておるなあと思って、単位を見たら円になっておるが、防衛庁としては少しこまか過ぎるようですね。(笑声)  まあ、それはそれとして、これから自衛隊も飛行基地が拡張されるし、また数も多くなる。これは防衛二法を審議するときにやりますが、従って、午前中長官が答弁された線に沿って、十分、ある程度可能な範囲内で、先を見通した案で対処していただきたいことを要望いたしておきます。  で、質問はお約束によってここでやめますが、最後に、ささやかな問題ですが、さっきの返還の問題についてこういうこと承わったのですがその真偽のほどをこの際明らかにしておきたいと思うのです。小瀧さんが調達庁長官のときに、米軍の司令官が住まいをしておった前田邸ですね、これを国として買収して迎賓館にするというようなことで、返還をやって、そうしてその跡はほったらかしになった。そこで、当事者としても、所有者としても、土地は民有地と国有地と両方あるようですが、非常に困っておるし、だまされたというようなことを言われておる。しかも、それは調達庁の役人が毎日何人か行って、留守番役に行って、管理をしておるというようなことを聞くわけなんですがね。ささやかな事柄ですけれども、御承知のごとく、返還を受ける場合には、ちゃんと条件をきめて、そうして返還ということがやられるわけですからね。そうして返還された後というものは、いざこざが起らないで最も効率的にそれが活用されるようにならなければならぬと思うのですが、私が今申し上げたようなことがほんとうだとすれば、非常にまあまずいことだと思うのですが、真偽のほどはどうなのか、それからまた、どういう措置をお考えになっておられるのか、この機会にそれだけを承わっておきたいと思います。
  134. 上村健太郎

    政府委員上村健太郎君) お尋ねの事柄は、まことに遺憾でありまするが、事実であります。一応迎賓館といたしまして使用したい、また値託するにつきまして予算その他あるいは具体的の問題に入りまして、折衝をいたしておるのでありますが、まだ最後的に迎賓館として使用しないという結論には達しておらないのでございます。ただ、従いまして、前田邸の買取済みの国有となっておりますものは返還と同時に大蔵省に引き継いで、大蔵省で管理いたしております。本来ならば、解除になりますると、民有地につきましては、民有財産につきましては、所有者に返すわけでございますが、所有者の方も分割で返されても困るわけでございまして、受領を拒否されておる状況であります。従って、迎賓館として最後的の使用が決定するかしないかという問題がきまりますまでは、調達庁においてやむを得ず管理をいたしておるという状況でございます。
  135. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点について、は、時間の関係もありますから、繰り返して伺いませんが、国務大臣として防衛庁長官も、政府部内において善処していただきたいと思います。  迎賓館等については、先般官房長官にも質疑したのですが、かたまったものは持っていないけれども、ある構想は持っておられるようです。だから、十分検討されるように要望いたしておきます。  私の質問はこれで終りますが、最後に資料を要求いたしておきます。  で、この法案の審議とは関係ありませんが、本委員会にかかっている他の法案と関係がありますので、お願いしておきたいのです。その一つは、これは委員長職権で一つ調べていただきたいと思うのです。私の方で資料が手に入りませんので、政党では入りませんので、お願いいたしたいと思います。その一つは三菱重工業。この三菱重工業は、政治資金規正法によって、何党に幾ら政治資金を出しているか。それから三菱重工業は、経団連等、三菱重工が参加している経済団体に対して、どの程度の負担金、醵出金を出しているか。これを委員長の職権でしかるべき機関を通じて調査されて、本国会中に御提示いただきたいことをお願いいたします。  それから次は、委員長を通じて関係省庁に資料の提出を要求していただきたいものが二点あります。それは一つは、もとの大将、中将、少将ですか、将官の生存者の恩給金額と、それから遺族が受けているところの扶助料の金額。それは先般要求によって出された資料に関連して必要になってきたのです。それと、大将、中将、少将で、そういう恩給並びに遺族扶助料を受けている人数。で、もしそれを辞退している人があったら、何人辞退している人があるかということを、階級別に表として出さして下さい。それから、もう一つは、これは本委員会で審蔵する法案と、厚生省所管の法案と関連があるわけですが、援護法における動員学徒の死没者の遺族の受ける手当と、それから恩給法適用による遺族の受ける手当との比較がわかるようなもの、それから恩給法渡川にかかる傷痍者ですね、一項症から何項症別にしてもらいたいのですが、それと援護法適用による動員学徒と、準軍属ですか、その傷痍者が受ける病状の程度によって、その比較ができるような表、これは厚生当局と総理府当局でやればすぐできると思いますが、その表をできるだけ早い機会委員会に提出するように委員長から要求していただきたいと思います。
  136. 永岡光治

    理事永岡光治君) ただいまの矢嶋委員の要求資料は、委員長においてそれぞれ手配いたします。   ―――――――――――――
  137. 永岡光治

    理事永岡光治君) なお御質疑の最中でございますが、ただいま委員異動がございましたので、事務局から報告させます。
  138. 川上路夫

    ○参事(川上路夫君) 御報告いたします。  木村篤太郎君が辞任され、後任として佐野廣君が選任されました。  以上でございます。   ―――――――――――――
  139. 永岡光治

    理事永岡光治君) 質疑をお続け願います。  速記をちょっととめて下さい。    〔速記中止〕    〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
  140. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記を起して。  他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、これにて質疑を終了することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めます。  これより直ちに本案の採決に入ります。  防衛庁設置法の一部を改正する法律案(第二十六回国会閣法第一五五号)全部を問題に供します。本案を衆議院送付の原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  143. 藤田進

    委員長藤田進君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成、その地自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御提議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それから、本案を司とされた方は、順次、御署名を願います。   多数意見者署名     大谷藤之助  松岡 平市     後藤 義隆  近藤 鶴代     佐野  廣  苫米地義三     中野 文門  塩原 恵吉     松村 秀逸  島村 軍衣   ―――――――――――――
  145. 藤田進

    委員長藤田進君) 次に、国家公務員共済組合品法案及び国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。  速記をとめて下さい。    〔速記中止
  146. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記を起して。
  147. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 それでは、大蔵省にお伺いいたしますが、給与課長、責任ある答弁はできますか、それをまずもってお伺いしたい。
  148. 岸本晋

    政府委員(岸本晋君) 共済組合法に関する限りにおいては、答弁申し上げられます。
  149. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それに関連して。きょうの委員会の運営方針というのは、私はわが党の理事から承わっているわけでして、きょう大蔵大臣はお見えになると思ったのですが、お見えにならぬし、政務次官もお見えにならぬとなれば、御承知のごとく、この法案というのは総理の裁断でできた法案ですね。ある部分について裁断を下されたわけです。だから、きょう総理とは申しません、大蔵大臣も政務次官も出ないならば、総理なんか要りませんから、所管局長と、それから副総理ぐらい、ぜひ一つおいで願いたいと思うのです。    〔「速記をとめて」と呼ぶ者あり〕
  150. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記はまだとめておりません。  矢嶋委員にお伺いいたしますが、ただいまの御発言は、政府委員の岸本主計局給与課長に質問でございますか。
  151. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 委員長にお伺いしたいのですが、きょうは大蔵大臣はお見えになると思ったわけです、われわれは当然。大蔵大臣はお見えにならぬし、政務次官もお見えにならぬとなると、この法案は大蔵省所管の法案で、きょうどういうように審議が核心に触れていくかということは、わが党の理事から承わっているわけなんですよ。従って、この法案の一部は、総理が閣議で裁断された部分もあるわけですね。総理とは言いませんが、大蔵大臣も政務次官もお見えにならぬとなると、副総理、それから大蔵省の所管局長ですね、それだけの方は一つおいで願わぬと、確かに詳しいエキスパートでではあるけれども、給与課長さんだけじゃ工合が悪いと思うのですね。
  152. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいま連絡がありまして、政務次官、局長出席するとのことです。  ちょっと、速記をとめて。    〔速記中止
  153. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をつけて下さい。
  154. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 大蔵省にまずお伺いしますが、去る十一日の当委員会で、大蔵省に対して資料を要求したわけです。特に資料の中でも、政令案と財源計算件については、この資料がないと審議が非常に困難であるわけです。従って、賛否の態度も決定しかねる。そういう大事な資料であるので、早急に御提出いただきたいということを特にお願いしたわけです。その資料の提出がないと、審議できないわけです。いまだに御提出がないので、即刻出していただかぬと審議ができない。即刻出していただきたいと思いますが、いかがですか。
  155. 白井勇

    政府委員(白井勇君) せっかく御審議願っておりますので、御要求の資料は、できるだけ私たちの方としましては誠意をもってお出ししておるつもりでありますが、今お話のありました政令関係になりますと、非常に関係が膨大になりますの、で、ここですぐというふうには間に合いかねると思う次第であります。
  156. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 本法案中、内容を明らかにする必要のある政令案が五十二、三あるわけですね。実に膨大です。従って、その五十二、三を即刻出していただきたいということであるならば、まことに困難でありましょうけれども、その五十二、三の政令案中、特にお願いしたのは六つばかりなんです。そのような小範囲でありますから、即刻出していただけないということはないと思うのです。重ねてお伺いします。
  157. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 数は、今お話しの通り、六つということであるようでありますが、非常に重要な点もあるようでありまして、共済制度の審議会にかけまして、そこで検討しました上で適正なものを作りたい、こういう考え方をとっておりますので、今すぐここで御審議に関に合うようにはなかなかいたしかねる事情もありますことを、一つ御了承願いたいと思います。
  158. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 本法案を提案するに当って、大体関係の政令案について構想の御検討がなくして本法案を出されたということは、非常に不用意だと思うのです。そういう意味からも、いかなる方法をとっていただいてもけっこうですが、即刻出していただかないと、重ねて申し上げますが、審議できないわけなんです。従って、はっきりした御答弁をいただきたいと思います。重ねて申し上げておりますように、五十二、三の政令案はあるわけですね、そのうちごく小部分の六つの政令案についてお願いしているわけなんです。
  159. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 今すぐということでは、ちょっと御期待に沿いかねるような次第であります。
  160. 藤田進

    委員長藤田進君) 政府委員に申し上げますが、今すぐではなくて、手前に要求がなされていたわけでありますから、もう少し理由を明らかにされることが必要じゃないだろうかと思うわけです。
  161. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 その申し上げる意味は、即刻というのは、この審議中にという意味ではないわけです。少くも本日徹夜してでも誠意を見せていただきたい、こういうことなんです。一つ何とか本日中に出していただきたいと思うのですが、その点、いかがでしょうり。
  162. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 今申し上げました通り、非常に重要な点もありまして、できるだけやはり審議会というようなものにかけまして、十分検討を加えなければならないような事項が多いのでありまして、十分御期待に沿えない点があろうかと思いまするが、何とかその辺のところは一つ御了承願いたいと思います。
  163. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 これは、昨日お願いしてきょう即刻出していただきたいということであるならば、まことに無理かもしれませんけれども、これはもう十一日の当委員会でお願いしたわけだ。しかも、そのとき、非常にこちらの審議に特に必要な政令案であるから、即刻出していただきたいということは、その節、給与課長にもとくとお願い申し上げたわけなんです。
  164. 白井勇

    政府委員(白井勇君) まことに申しわけないのでありますが、できますものは誠意をもってお出ししておるようでありまして、今御指摘のものはなかなかいろいろ関係も複雑でありまして、本日までに間に合いかねますことは非常に申しわけないと考えます。
  165. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 重ねて申し上げるようでありますけれども、国会審議の日数とも関係があると思うのです。どうしても出せないということになると、私、どもこの内容がわからないわけですから、その賛否の態度も決定しかねるという、そういう大事な資料。しかも、ごく小部分についてお願いしたわけで、だいぶこちらとしても遠慮に遠慮を申し上げておるわけです。しかも、そういうつつましやかな有資料すら、五日も前に要求していまだに出してないということは、誠意を疑うものです。ぜひ何とか出していただきたい。やればできると思うのです。いま一度、態度を表明していただきたいと思います。
  166. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 御承知通り、政令となりますと、申し上げるまでもないと思いますが、非常に大なものであり、また今回のように広範な法案になりますというと、従いまして政令関係もなかなか容易じゃない、影響するところ大きいものでありますので、できるだけやはり、先ほど申しましたように、審議会にかけまして十分審議をいたして適正なものを作りたい、こういうふうに私ども考えておりますので、中には御期待に沿い得ない資料もあったかと思いますが、その点、一つ御了承願います。
  167. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官が審議会と申されておるのは、どれですか。
  168. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 法案に基きまして共済組合審議会ができる、そういうことをさしております。
  169. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 百十一条の国家公務員共済組合審議会、これですか。
  170. 白井勇

    政府委員(白井勇君) さようであります。
  171. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この審議会そのものも審議の対象になるわけですけれども、少くともあなた方が法案要綱をこしらえてこういう作業をされるに当って、政令委任事項というものがあれば、先ほどから伊藤委員指摘されておるように、今後の運営等を考える場合には、どういう内容の分は一つ政令事項にしよう、こういう構想、着想というものは固まっておるはずです。固まっていなければ、これは予算を伴う法案なんか、最終的に作業を終って国会に提出することはできませんよ。それは形の上からいえば、新たに発足する審議会の審議を経て正式に発効するものだろうけれども、しかし、伊藤委員の言われておるのは、大まかにどういう内容のものを、考えられておるのか、そのアウトラインもわからぬことには、この法案対する賛否の態度をきめがたい。だから、その大まかなところを、審議ができるようにお示し下さいというわけですから、ちゃんと成文化したものを出せということを言っておるわけじゃないのだから、しかも、その中の一部を入っておるわけですから、大体われわれ考えて、こういう内容程度のものを政令事項にしようと考えておるのだがというのを出していただきたいというのだから、そんなに骨を折ることじゃなくて出せることだと思うのですよ。
  172. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 私伊藤委員の御質問を多少慎重に考えまして……矢嶋委員から申されました通り意味合いにおきましては、できるだけ御趣旨に沿いまして出そうと思います。
  173. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 それでは、今矢嶋委員から御指摘のあったように、この政令案がないと、大綱がないと、審議できないということを申し上げておるわけでありますので、テニオハまで入れた成文化したものでなくてももちろんけっこうです。内容検討できれば、それで足りるわけです。そのものについては出していただけますか。
  174. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 御趣旨よくわかりましたから、そういう意味合いにおきましてならば、できるだけ早く出したいと思います。
  175. 千葉信

    ○千葉信君 関連。どうも白井政務次官のお話を聞いておると、ふに落ちない点がたくさん出てくる。その政令案については、新しい法律案の第百十一条に基く審議会にかけないと、その政令はできない。今伊藤君の要求しているのは、はっきり決定された政令じゃなくて、政令案なんです。しかも、それも、あなたの方で審議会にかけないとそれは出せないと言っておられるけれども、それじゃ一体、この審議会にかかるものとしてどういうものがあるのか、かなりふに落ちない点が出てくるのです。ほかのことは別としても、この審議会の運営そのものについてどういうふうにするか、どういう運営の仕方をするか、それを政令できめることになっているのですよ。いいですか。審議会を設ける前に、政令できめることなんです。それはどうなりますか。その審議会の運営、組織をきめる政令は、一体どこにかけるのですか。かけなければ、その案もで、ごないのですから……。
  176. 白井勇

    政府委員(白井勇君) よく御趣旨――私は当初取り違えたかと思いますので、よく御趣旨がわかりましたから、そういう成文にならない、抽象的なものになるかもしれませんけれども、考え方のものはできると思います。
  177. 藤田進

    委員長藤田進君) 今の質問の要旨は、政令案はあるかないか、手放しでかけられる……。要するに、審議会にかけて政令というものをきめていきたいということなんだが、その審議会を構成する前に、政令を必要とするのではないか。
  178. 白井勇

    政府委員(白井勇君) よくわかりました。
  179. 藤田進

    委員長藤田進君) わかりましたじゃなくて、前の御答弁はどうなりますか。今度の御答弁と食い違うわけですから、速記の上で。その点を明らかにして、はっきりしておいていただきたい。
  180. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 先ほど私申し上げ、ました通りに、当初申し上げましたことは、伊藤委員の御質問を多少取り違えたところがありますから……。政令案そのものじゃない、一つ考え方を盛りました政令案になります。一つ抽象的なものになろうかと思いますが、そういうものは出せると思いますので、準備をいたしたいと思います。
  181. 藤田進

    委員長藤田進君) その点ではなくて、白井政務次官、あなたが、それは楽なものとか、相当綿密なものとかいう問題ではないので、今言っているのは、政令を作るについては審議会にかけて、そして作りたい、そう言いましたね。いいですか。重要だから、審議会にかけてやりたい。今、千葉委員の御指摘は、しかし、その審議会ができる前に、すでに政令が必要となるのではないか、そうすれば、かける審議会というのがないがどうなるのか、こういうことだったと思うのです。これは速記の上に載っかったままでこの法案が進行するわけになりますから、やはり非常な後日あなたが不可能なことをおやりになり、約束になっておるように思うので、可能なのか、不可能なのか私はよくわかりませんが、御答弁を願いたいと思います。
  182. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 千葉委員指摘通りに、これはもちろん、審議会にはこういう事項をかけるということが、おのずと政令等によってきまっているわけでありまして、その前に伊藤委員のおっしゃいましたような、政令等におきましては大体どういうことを盛るのだという考え方、それは別に私どもの方で準備をいたしたい、こういうことであります。
  183. 千葉信

    ○千葉信君 まだ答弁、ちょっとふに落ちない点が出てきました。私のお尋ねしたいことは、白井さんは、政令案については審議会に諮らなければならないから、従って、その手続を要するから相当時間がかかって御要望に沿いかねる、こういう御答弁です、あなたの御答弁は。ところが、この新しい法律によりますと、そのあなたが政令案をかけるという審議会は、第九項によりますと、「前各号に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。」、この政令ができないと審議会は発足できない。この審議会にかけないと、あなたはその政令案は出せないということになるが、政令ができなければその審議会は発足できないのです。その点、あなたもう少し冷静に、はっきり納得できるように、けじめをつけて御答弁を願いたいと思います。
  184. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 私の答弁が足りなかったと思いますが、千葉委員のおっしゃいました通りに、政令案は、審議会にどういうことをかけるかというようなことにつきましてのまた考え方も出てくるわけであります。私が先ほど申しましたのは、中には審議会に重要なことはかけなければならないようなこともあろう、こう考えまして申し上げたのでありまして、多少誤解を招いておるようでありますから、取り消しておきます。
  185. 千葉信

    ○千葉信君 そうすると、今の御答弁からいいますと、さっきの答弁と違って、この法律関係のある政令案については、一々これをさっきは審議会にかけなければならぬという答弁、今度は、その中でも、かけなければならぬものはあるけれども、かけなくてもいいものがあるという答弁に変ってきた、そう了承していいのですか。どっちです。
  186. 白井勇

    政府委員(白井勇君) その通りであります。
  187. 千葉信

    ○千葉信君 そういうことになりますと、さっき伊藤君に答えておりました答弁は少し変ってこなければならぬ。審議会へかけなければ政令案は出せないといって答弁されたわけです。それが今度は、審議会にかけなくても政令が、政令案ができる。従って、出せるということになるわけですから……。全部かけなければならぬわけじゃないのです。全部かけるわけじゃない。だから、かけなくてもいい政令もあるという答弁になっているから、その政令案は出せますか。
  188. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 先ほどお答え申し上げました通りに、抽象的になるかもしれませんが、考え方というようなものを盛り込みましたものは、私はお出しできると思っております。
  189. 千葉信

    ○千葉信君 それはわかるのです、その点は。そう固まらない、ある程度の案というか、まあ、素案のようなものは出せる、これはわかるのです。私の今の質疑応答で発展した質問というのは、政令案の中に審議会にかけるものとかけないものとある。いいですか。あなたはかけなくてもいいものは出せるという答弁に変ってきておるのですから、かけなければならぬ政令は何か、かけなくてもいい政令は何か、その区別がつきますか。どうですか。あなたの答弁だと、どうしてもそういうふうに議論が発展しなければならぬ。(「政府委員はもっと補佐しなければいかぬ」と呼ぶ者あり)
  190. 白井勇

    政府委員(白井勇君) いろいろ誤解を招いたようでありまするが、審議会にはできるだけ重要なことをかけていきたい、こう考えておりまするが、その他の政令案の考え方は、御注文通り一つできるだけ出したい、こう考えております。
  191. 千葉信

    ○千葉信君 出せる出せないを聞いているのじゃない議論がそこから発展したのです。質疑応答が。あなたは、かけなければならぬ政令もあるけれども、かけなくてもいい政令があるからということを、答弁されておる。そこで私は、一体かけなければならぬ政令は何か、かけなくてもいい政令は何か……。そばからよけいなことを言うから、よけいまごまごした答弁をするようになる。その点を聞いておる、どれをかけなければならぬ。どれをかけなくてもいいかと。これは国会の審議で速記録に残るのですから、そういうつじつまの合わぬ話をそのままにしては、審議は進まぬのです。ですから、了解できるような答弁があればいつでも引き下る。はっきり答弁して下さい。
  192. 白井勇

    政府委員(白井勇君) まことに答弁がまずいので申しわけないのでありまするが、審議会を設置しますにつきましての政令は、別にこれは考えなければいかぬのでありますが、その他のものにつきましては、これは一つの政令がどういうものを書くかということが準備できる、こう考えております。
  193. 千葉信

    ○千葉信君 まあ、あまり深追いするのは情けを知らぬ格好になるから、私は大体でやめますが、今の答弁でもあなたはいかぬのです。それは政令を区別して、一方は審議会にかける、一方はかけなくてもいい。特に今回の場合には、その審議会の組織及び運営に関する政令については、これは審議会はそれができなければ発足せぬのですから……。あなたはまあかけないでやるという答弁でのがれようとしているが、この法律案によると、そういう答弁はできないのです。かけるなら全部かける、かけないなら全部かけない。もしくはかけることを条件として、かけなければならぬから、国会に対してその政令案なるものが出せないなどということは、これは理由としては言えない。そうでしょう。ですから、そういう点について私ははこれ以上深追いしませんけれども、もっと答弁される場合には、質問者にわかるように、筋の通った答弁をしてもらわないと、いたずらに次官をかけるばかりです。もう少し冷静に、質問者の聞こうとするところを要領よく答えてもらわなければならない。そうすれば、法律案の審議はどんどん進みますから、そういうふうに御留意願っておきます。私はこの問題についての質問はやめます。(「その点、はっきりしておく必要がある」と呼ぶ者あり)
  194. 藤田進

    委員長藤田進君) 私語を禁じます。
  195. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 そこで、政務次官にお伺いしますが、政令案そのものではなくて、政令案の要綱ともいうべきものについては、誠意をもって本日中に準備をしていただくということを、確認していいんですね。この点、はっきり答えていただきたい。
  196. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 本日中というと、あまり時間もないと思いますが、準備できますものは、一つ本日中にお出ししたいと思います。
  197. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 先ほども申し上げたように、審議日程の関係もあるわけです。そういうことで、どうしても内容を知らなければならぬ点が多々あるわけです。そういう意味で、前の十一日の委員会というのは、この法案がかけられた最初の日なんです。最初、冒頭にお願いして、特に給与課長にお願いしたわけです。そのとき、早急に出すということを答えられておるのです。そこで非常に無理もあろうと思うので、五十二、三の政令案のうち、特にしぼって六つの政令案についてお願いをしたわけです。従って、その政令案も、政令案そのものでなしに、政令案の内容を知るに足る要綱でいいわけです。そういうことでありますので、ここで大事な時間を空費しても意味がありませんので、最大限に譲って、明朝までにぜひこの政令案の要綱ともいうべきものについては、六項目そろえて出していただけるかどうかということを、最大限に譲ってお願いをしたいと思います。この点、はっきりとお答えをいただきたいと思います。
  198. 白井勇

    政府委員(白井勇君) せっかくの御要求でありますので、あした中に一つ出したいと思います。
  199. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 関連して一つ。ちょうど千葉委員から指摘されて問題になったところですから、ここで私は明確にしておく方が頭が整理できていいと思う。それで、局長に伺います。  確かに、先ほど政務次官の答弁のときに、政府委員の補助の仕方が不十分だったと思う。だから、私個人としては、政務次官の答弁とあなたの答弁が食い違ったからといって、矢嶋ははそうは追及しません。ただ、明確にしてもらいたいと思う。その百十一条のは審議会かと言ったらば、審議会だと言うのです。かけるものもあればかけないものもある、こう言うのです。それで、この九号では、「審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。」、こういうことになっているのです。だから、行き方としては私は二通りあると思う。政令案だけ作っておいて、そうして審議会の発足したときに、それをあらためて、組織及び運営に関しての政令を確認してもらう。そうしてあとの政令を全部かけていくという行き方と、それからまた、百十一条の第一項には「制度及びその行う給付その他の事業の運営に関する車要事項について、大蔵大臣の諮問に応じて」云々と、こうあるわけですが、だから、その政令はかけぬという考え方もまた成り立つかと思うんですよ。だから、法律案提案者として、事務当局ではあなたが一番詳しいわけだと思うのですが、一体、そのよしあしは私は論じませんが、ともかく事態は、提案者としての考えをはっきりすれ、ばいいわけなんです。政令はかけるのとかけぬのとあるのか、全部審議会を通すつもりなのか、あるいは通さないでいくつもりなのか、この三者のいずれかであると思うのですが、明確に一つお答え願います。
  200. 藤田進

    委員長藤田進君) 御注意申し上げますが、今までの政務次官の答弁のつくろいとしてでなくて、今聞かれた趣旨でないと、非常にそれで時間を費すようなことになると思いますから、一つ質問者の趣意を把握されてお答えいただきたい。
  201. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 審議会を作りまするのに、矢嶋委員指摘になりましたように、「審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。」と書いてあります。従いまして、審議会を作りますに先立ちまして政令を作る必要がございます。従いまして、この部分に関しまする政令は、理論上も審議会にかけません。この政令できめ、それに従いまして審議会が発足をいたします。それ以後におきましての政令は、審議会に諮りまして、その後にきめるということにいたしたいと思います。
  202. 藤田進

    委員長藤田進君) そうすると、政令が二段に出るわけですか。
  203. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 審議会というものを作りますることが前提になりまするから、審議会を作ります政令につきましては、審議会に諮ることなしにきめまして、それで発足いたしますということに御了解を……。
  204. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 政令案については御意見伺いましたが、ともにお願いいたしました財源計算書、これはまあ政令案とは関係ないわけですが、これについても十一日に早急に出すようにお願いしたわけです。これは早急に出せると思いますが、その点、いかがですか。
  205. 藤田進

    委員長藤田進君) この際質問者に御指摘いたしますが、先ほど明朝までに資料を出せるかと質問者は言われたように思いますが、御答弁は明日中にという御答弁がありましたから、御注意申し上げます。
  206. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 明日中に出したいと思います。
  207. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 それでは、内容質問に移りたいと思いますが、政務次官に資金の運用についてお伺いしたいと思いますが、これはこの前給与課長にもお尋ねしたわけですが、まだはっきりしておりませんので、この点重ねてお伺いするわけですが、組合の積立金とか余裕金については、資金運用部に預託するように、今度この法案が通ればこれはなるわけですが、この点については、いろいろ事故の実例があるかということに対して、あまりなかったというように聞いております。これにつきまして、事故が過去においてなかったのに、こういうように資金運用部に預託するようになったのはその理由が全く納得できないのですが、納得できるように御説明いただきたいと思います。
  208. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 厚生年金等におきまして、御承知通り、預託をいたしておりまする現状でありまするので、それとのにらみ合せをしまして、一部預金部に預託をするという建前をとったわけであります。
  209. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 共済組合の審議会の設置についてお伺いしますが、これは組合とか、あるいは連合会、それぞれに置くように今後なるわけですね。これはどういう意味か納得しがたいのですが、この点を明確にしていただきたいと思います。
  210. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 私の承知いたしておりまするところでは、現存も大体そういう格好になっていると思いますが、ただ、それたはっきり樹立していくという考え方で、そう従来と変わっていないと思います。
  211. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 実際の問題として、審議請求を行わなければならないような不服のある決定をした機関、その組合員の立場から見ると、同じ担当者が事務処理を行うということに対するお互いの気持とか、あるいはまた逆に、担当寺が握りつぶす、あるいはまた威圧を加えて提訴を思いとどまらせるようなおそれなしとしないのですね。この点非常に問題が多いと思うので、この点はっきりしていただきたいと思います。
  212. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 事務当局から一つお答えさせたいと思います。
  213. 藤田進

    委員長藤田進君) ちょっと、速記をとめて。    〔速記中止
  214. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をつけて下さい。
  215. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 今の答弁を伺いたいのですが。
  216. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 今のお尋ねの点は、組合ないし連合会、両方で審査の請求をする、その請求ができると審査会を両方に設置する、それはどういうわけであるかというお尋ねだと存じますが、その審査会の設置につきまして、百四条にごらんのように、規定がございまして、委員九人をもって組織をいたしまして、組合員を代表する者、国を代表する者、公益を代表する者、おのおのの三者構成に相なっておりまするので、公平をはかるという点から申しますると、この形で十分効果か現われるという処前になっておるわけでございます。それから、今の現行の制度もそうなっておりまするので、分申し上げましたような仕組みにいたしておるわけでございます。
  217. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 まだ、不明確なんですが、同じところで同じ担当者が事務処理を行うということ、これに対して組合員として考えた場合、疑いの気持を持ったり、逆に担当者がこれを握りつぶすようなおそれはないか、あるいはまた威圧を加えて提訴を思いとどまらせるようなおそれはないか、そういうことを心配しているわけです。その点を明確にしていただきたいということです、
  218. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 従来も同じような構成におきましてやって参ったわけでございまするが、先ほど申し上げましたように、構成員がこういう三者構成に相なっておりまするので、ただいまのような威圧を加えるとか、あるいは握りつぶすとかいうようなことにつきましては、弊害はないように考えております。従来におきましても、そういうように承知をいたしておるわけであります。
  219. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 現在の審議会の実情について、概要でけっこうですが、これを明らかにすることによって審議したいと思うのですが。
  220. 岸本晋

    政府委員(岸本晋君) 話が業務執行上の具体的な問題になりますので、かわってお答えいたしますが、共済組合審議会で、現在非現業の共済組合連合会にございます晋査会の実例をとりますと、過去において異議審査の出て参りましたのは大体一年に一件程度でございます。これも三者の委員のごあっせんによって、大体円満に解決いたしております。
  221. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 共済組合の審議会の委員構成についてお伺いしたいのですが、組合員の中から委員を委嘱する場合大蔵大臣が任命するわけですが、その際どのような方法てどのような者を選ぼうとするのか、この点を具体的に御説明いただきたいのですが。
  222. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 組合と国と公益代表でありまするが、このうち組合の代表につきましては、現業代表、非現業代表、地方の代表ということに大体相なるかと思います。三者構成で今三人ずつてございまするが、あとの学識経験者以外につきましては、今特に申し上げるまでに至りません。
  223. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 ちょっとまだはっきりしないのですが、組合員の中から委員を大蔵大臣が任命する際、その組合員についてお伺いしておるわけです。そういう委員について任命する際、どのような方法でどのような者を選ばれようとするのか、その点をはっきりしていただきたいということなんです。
  224. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) これはまだ、そのときになってきめることでありまするが、今から考えてみますところでは、やはり組合の方の代表者ということに相なろうかと思います。
  225. 永岡光治

    永岡光治君 今の点に関連して、その組合の代表というのですが、組合に、御承知のように、管理者層も入っておれば、言うところのもう少し低い段階も入っております。その組合代表というのは、管理者層から出すのか、言うところの職員組合等を作っておる諸君の、大体大幅にいえば、その対象になる人の中から出すのか。そうでないと、みな管理者も組合員になっておるから、政府の、国の代表者というような管理、者がこう出て参ると、一体この恩恵といいますか、これを受ける大部分の人の、組合員のそういう代表の中から出ないということになると、やはり要望なり意向というものは十分反映できないうらみなしとしないが、それは組合代表というものはどういうように人選をする考えであるのか、明確にしてもらいたいと思います。
  226. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 職員団体の代表ということに出なるかと思います。
  227. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 この審議会の委員は九名以内ということになっておりますが、九名でもまことに少いと思うわけですが、これは審議会の性格からいってみますと、いま少しふやす必要があると思うが、九名以上はどうしてもふやせないのですか。
  228. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 三者構成という建前をとりますると、一応三の倍数に相なるわけでございます。先ほども申し上げましたように、現業が一グループ、非現業が一グループ、地方が一グループということに相なりますので、それの三倍ということでちょうど九というふうに相なります。そこは一応三者構成の適当な数字であろうというふうに考えるわけでございます。
  229. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 そうなると、三の倍数であれば、必すしもその数には拘泥しないというふうにとれるわけですが、それならば、十二とか十五でもいいわけですね。
  230. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 審議会として可否を決します際のこともございますので、奇数数字になるのが適当かと思います。
  231. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 その九名以内というのはまことにあいまいであって、極端に言えば、二名でも三名でも九名以内になる、なぜ、こういうようなあいまいもこたる言葉を、ここに無理に差し入れておくわけですか。
  232. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 実際は、先ほど来申しあげておりますように、九人ということでいたすつもりております。前国会に御審議を願いました文章にも九人以内となっておりまして、こういうような、要望もございますので、九人以内ということになっておりますが、実際におきましても、先ほど来申し上げておりますように、九人の数でするつもりでおります。
  233. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 これは小さなことのようで小さくないと思うが、ここで抜本的に本法案を改正しようとする際に、前にこうなっておったので今度はそれにならったというふうなお話でありますが、この際必要のないものは削除したらどうですか。そういう意思はございませんか。
  234. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 私が申し上げておりまするように、九人という考えでございまするから、以内という言葉がなくてもその意味は通るわけでありますが、これは九人以内ということでお書きを願いまして、今申し上げましたように適用できるわけでありますので、この文章でお通しをいただきまして、今申し上げたような運用にいたしたいというふうに考えております。この案文で御承認を願いたいというふうに考えております。
  235. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 まだ納得できませんけれども、時間がありませんので、また別の機会に申し上げます。  次に、大蔵大臣の監督権限が非常にこの法案には強化されておるようにうかがわれるわけです。大蔵大臣の権限としては財源運用だけで十分事足りると思うわけですが、たとえば定款とか運用規則、事業計画、決算、連合会役員の規則、報告書の提出要求等、こういうふうにたとえてあげても、相当部分の権限についてはそれぞれ問題があろうと思うわけです。急に大蔵大臣の権限をこのように強化しようとするのは、何か含みがあるわけですか。この点を明確にしていただきたいと思います。
  236. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) ただいま伊藤委員指摘定の款、運営規則、事業計画以下につきましては、現在もそういうような権限があるかと思います。現在までの運営におきましてやはりそういうような事業の実態面につきましても把握をいたしておく必要があるい思っておるのでありまするが、今回監督命令と罰則がふえたと思います。これは従来におきまして、組合の運営例におきまする必ずしも適当でないと考えられるような場合がありましても、あるいは今後生じましたる場合におきましては、監督命令という筋が一本通っておりませんと、適当な運営を確保できないということもあり得るわけでございますので、この際監督命令、それに関連をいたしまして罰則というものがつけ加わったというふうに御了承いただきたいと思います。
  237. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 この法案の長期給付の適用については、五現業職員のうちの国の企業職員の給与特例適用職長が主体をなしていて、非現業関係職員のうちの恩給法の適用以外の職員、言いかえますと、現在共済組合の長期給付の適用職員ですね、これが特に暫定的に当分の間適用せしめるという、そういう考え方のもとに立っておるようですが、この点はまことに解しかねるのです。この点、明確にしていただきたいと思います。
  238. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) その点につきましては、従来からあるいは御説明申し上げておったかと思うのでありまするが、今回改正をいたしました法律の適用外に、いわゆる恩給法の、非現業におきまする恩給法の適用職員かあるわけです。政府といたしまして本案を提出いたしますまでに、いろいろ審議をいたしたのであります。恩給法の適用を受けまする非現業の職員につきまして、今後どういうような制度を適当といたすかということにつきまして慎重に検討をいたしたいということに相なったのであります。その際におきまして、非現業の雇用人もその際にあわせて検討対象になるという意味におしきまして、将来恩給法の適用を受けまする非現業の職員に対しまする措置をきめますときに、その問題を振りかえってもう一度再検討をするつもりでおりますのて、従いまして、その意味を留保いたしまして、当分の間ということにいたしておるわけであります。
  239. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 非現業関係の長期給付適用者については今申し上げたようなことにしておいて、連合会に関する規定については非常にがんじがらめ式に、いわゆる措置をしておるわけです。そういう意図は那辺にあるのか、非常に疑われるわけですけれども、この点をはっきりしていただきたいと思います。
  240. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 連合会に関しまする規定は、多少今回整理をいたした点がございますけれども、これは、先ほど申し上げましたような、非現業の雇用人の扱いを恩給法の職員と一諸に考えて再検討いたしたいという問題いとは一応別でございまして、連合会の現在の状況をできるだけ整理をいたしたいというところで、必要な部分につきましての提出をいたしたわけでございます。    〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕 両者の関係につきましてもし今後新しい結論ができますれば、そのときには考えるわけでありますが、当面必要な改正をいたしたということに御了承願いたい。
  241. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 何か現在の連合会で問題があった結果、このような措置をとったのか、そういう点も一応考えられるのですが、この点ははっきりしていただきたいと思う。
  242. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 別段、伊藤委員指摘のようなことはございません。
  243. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に、五現業関係の長期給付適用職員の給与等については、団体交渉によって決定することになっておるわけです。これはもう説明を待たないわけですが、ところが、非現業関係の長期給付適用職員には団体交渉権が、御承知のように、ないわけですね。このことは、同一共済組合の適用において、はなはだ不均衡を来たすことになろうと思うわけです。この面について、近い将来にこの非現業の長期給付適用者の職員に対しては、労働基本権の復活ということを考えているのかどうか。もし考えないとすると、この不均衡は是正できない。このままではどうしても納得できないわけです。この点を明確にしていただきたいと思うのです。
  244. 永岡光治

    理事永岡光治君) これ、政務次官ですか、主計局長ですか。
  245. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 政務次官にお伺いします。
  246. 白井勇

    政府委員(白井勇君) その点は、公務員制度全般との関連もあることでありまするし、慎重検討を要する事項ではないかと思っております。
  247. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 政務次官としてはどうお考えですか、この態度をはっきりお伺いしたいと思うのですが。
  248. 白井勇

    政府委員(白井勇君) ただいま申し上げました通りに、現在公務員制度全体につきまして検討を加えておるとろこでありまするし、そういう点も協議審査等十分合せまして、私どもとしましても研究をしなければならぬ問題だと考えます。
  249. 永岡光治

    理事永岡光治君) 政務次官にお尋ねいたしますが、この法律案が出る過程において政府管掌にするか、あるいは組合管掌かということで、実は一般国家公務員の諸君がこの適用になるのかならないのかということで、ずいぶん論議たされたはずであります。それで、従来共済組今日の運営の妙味といいましょうか、非常によかったといいましょうか、そういう点は、やはり自主的に運営するということが非常に強調されてきたわけでありますが、そういう意味で、現在の共済組合では、たとえば大蔵大臣の認可、承認等々の事項はわずかに十八項目程度です。ところが、今度の改正を見ますと、ただいま伊藤委員から質問をされましたように、この法案全部について四十カ所にわたって権限、監督、この強化が非常に強く出ておるわけでありますが、これは一体どういうところに意図があるのか。  特に、さらに一例を申し上げますならば、この理事長のごときも、評議員会の推薦を得て大蔵大臣が任命するという、こういう自主的に運営をまかす形式をとっていたにもかかわらず、この改正案ではそういうことじゃなしに、いきなり大蔵大臣が一方的に任命する、そうしてその任命された理事長は理事をも一方的に任命するという、非常に従来の自主性の運営ということがそがれておるわけでありますが、なぜそういうことを強化しなければならなかったのか。  これではかえって、改正は見たものの、あまり共済組合の運営としての妙味なり希望というものは持てなくなる。それであるならば、総理府等で強く主張されている、国家管掌ではあったにいたしましても、これは実情は全く同じですから、むしろ掛金の少い恩給制度によった方がいいんじゃないか、そういう方向にいかざるを得ないと思うのでありますが、それではせっかくこの年金制度に切りかえようという、こういう強い要望を持った公務員のその熱意もそがれてくるわけでありますが、どういうわけでそういうふうに強化せざるを得なかったのか。そして自主性をそんなに否定をしなければならなかったのか、その理由を一つお答えをいただきたいと思います。
  250. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 今度の法案で、今御質問のございます、自主的に運営して参りまする考え方を欠いていると、私たち考えていないのであります。この点は、どこまでも、やはり自主的にやっていけるという線を守って参ったわけなんです。ただ、今回の措置によりまして、相当事業分量も大きくなり、資金の運用の問題も出て参りまするし、連合会に対しましては、また強制加入というような格好にもなっております。これを健全に発展をさして参りまする上におきましては、やはりある程度政府との関連というものが必要になってくる、その限度におきまする改正であります。
  251. 永岡光治

    理事永岡光治君) その限度における改正だと言いますが、たとえば連合会の加盟の問題にいたしましても、石原主計局長答弁をもってすれば、別段これは現行通りであって支障はなかったという答弁でありますし、さらにまた、この自主性をなくさない、こういうような政務次官の答弁でありましたけれども、実際は四十項目にわたる各項目にわたって、一々大蔵大臣の承認を得なければならぬというような、こういう強い規定になっているわけでありますから、どうあなたが答弁しょうとも、なかなか組合にしてみれば了解できない問題であると思う。そこで、一つこの際、明確にあなたの方で、現在の大体自主性を尊重するという建前になっておるとするならば、理事長のごときも、評議員の推選する、つまりこの組合の運営の衡に当る方々が、その議決機関的な存在を持つ、その意義を持つこの評議員会が推薦する者を大蔵大臣が任命するという、こういう自主的な運営を尊重することがなぜ悪いのか、どういう欠点あったのか。その欠点があったならば、それを指摘していただきたいと思うのであります。
  252. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 過去においての運営に欠点があったかどうかということよりも、むしろ、先ほど申しましたように、強制加入の問題でありまするとか、あるいはまた国も相当負担をいたしておりまする資金の問題というふうに、いろいろ重要な面が拡大をされておりますから、そういう限度におきまして、やはり政府任命ということが、今日の状態に起きましては、これをよく発展をさして参りまする上におきましては、一番適当な方法であろう、こう考えておるのであります。
  253. 永岡光治

    理事永岡光治君) それは今の答弁をもってしても、まだ了解ができないわけでありますが、政府の任命を必ずしも否定しているわけじゃない。これは大蔵大臣が任命することは、現行法ても任命しているわけですが、だれを任命するかということについて、やはり組合の代表者てある方々の意向を聞いてきめるというのが、やはり穏当ではないか。それをむしろ、国のそういう機関の諸君とはそりが合わないと申しましょうか、あまりうまくいかないような人でも、この法律によっては、一方的に大蔵大臣が任命できることになっておりますが、それではほんとうの円満な運営は困難であろうと思う。お話によれば、今までも支障がなかったのであれば、そういう危惧を持っておる今日、なぜその危惧があるにもかかわらず、それを強行せざるを得ない理由がどこにあるのか、その点がどうもわからないのでありますが、もう一度その点を、一つ明確にお答えをいただきたいと思うのであります。
  254. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 同じことを繰り返すかと思いまするが、どこまでも自主性というものを堅持するというこは、これは申し上げるまでもないことでありまして、ただ、今回のように、非常にいろいろ重要な改正が加わって参りまするというと、それに伴いまして、相当やはり政府とのつながりもとって参りますことが、現在の段階におきましては、この制度というものを順調に発展させる意味におきまして、一番適当であろう、こう考えておるのでありまして、もちろん政府におきまして任命をいします場合におきましても、できるだけ各方町の御意向のありまするところは十分くんで、適正な方が任命され、運営上におきましても、御懸念のような点は、おそらくないだろうと思います。
  255. 森中守義

    ○森中守義君 私はどうもしろうとなので、大域当局の答弁を聞いていて、どうも納得のいかぬような点がたくさんあるんですよ。特に先刻から問題になっておる罰則条項ですね、こういうものを正確に法文化したということは、あまりにも当然である、こういうような印象を非常に強く受けます。しかも、先刻の石原主計局長答弁の中には、具体的に罰則条項を明文化しておかなければならないという過去の実例があげられていない。そういうことがあり得るという、一種の想定の上に立ってこの罰則条項を出した、こういうお話です。  それで、私は、今の永岡委員の御質問に関連をして承わりたいと思いますのは、一体この財源、これはどういう性質のものですか、それを一つ正確に聞かしてもらいたい。つまり、この財源は国家資金であるのか、あるいは加入している組合員個々の金であるのか、そののどっちかと、こう聞いているんです。
  256. 白井勇

    政府委員(白井勇君) これは私から申し上げるまでもなく、先刻御承知通りに、組合員がそれぞれ分担をいたしまするものて、政府におきましては五五%であります。その程度のものは政府が負担をしておる、こういう格好になると思います。
  257. 森中守義

    ○森中守義君 これはやはり全額国家が負担する、そういうことであれば、なるほど財源法その他の関係法律によって、こういう強大な権限が明文化されるということも、一面の解釈からいけは成り立つと思うんですよ。しかし、財源そのものが国家資金でなくて、組合一員個々が積み立てていった金を、配分しようというのに、あなた、何もこういう強い罰則條項を適用するというのはおかしいじゃないですか。その点が一つと、過去においてこういう罰則条項に該当するような事実があったかどうか、その点を明瞭にしてもらいたい。
  258. 白井勇

    政府委員(白井勇君) これは私からあらためて申し上げる必要もないかと思いまするが、御承知通りに、ほかの団体におきましても、政府が相当負担をしておりますものにつきましては、そういうような罰則の例があるわけでありまして、特に今回に限りまして罰則を強化して参った、こういう筋合いのものではないと思っております。
  259. 森中守義

    ○森中守義君 さらに承わりますが、この罰則というのは、具体的にこの条項を発動して適用するということだけじゃない。潜在的なものが存在してくるということになりますね。それはさっき永岡委員からも指摘されているように、大蔵省が何もかにも握ってしまうのではないか。ことに、私は問題になってくるのは、連合会にしても、便するに国の使用人といいますか、国家公務員がこの仕事に関係をする。で、そうなると、別に国家公務員法というものがある。片や国家公務員法の適用を受け、これでまた強烈な罰則条項を二重に適用を受ける。これはまたどういうことなんですか、その点を明らかにしてもらいたい。
  260. 白井勇

    政府委員(白井勇君) これは御承知通りに、国家公務員もこの仕事に従事いたしまするし、また別途でもできると思いまするが、国家公務員がもしこの方面の仕事をやりますれば、その方面の罰則が適用になる、こういうふうに考えております。
  261. 森中守義

    ○森中守義君 もう一つ答えが出ておりませんが、聞いておりましたか。お聞きになっている。一つ答えが漏れている
  262. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 聞き漏らしたか、まことに申し訳ありませんでした。もう一度……。    〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
  263. 森中守義

    ○森中守義君 私は一番その、こういう罰則条項をわざわざ明文化しなければならないようなことが現行法の中にあったのかどうか、そういう具体的な実例が。そういうことを最初に聞いたはずです。
  264. 白井勇

    政府委員(白井勇君) これは先ほども申しました通りに、こういう重要な制度で証ありまするので、今後はできるだけ心配のようなことのないように、どこまてもその健全な発展をはかっていきたい、こういうところに、この罰則が制定をされておるわけであります。
  265. 永岡光治

    永岡光治君 申すまでもなく、この組合は保険システムのような総合共済制度でありますが、そういう制度に立って、その責任者である理事長を選ぶ場合に、現在はその組合員の意向を十分くみ取ってという意味で、この評議員会の推薦を得てそうして大蔵大臣が任命する、こういう形式になっているわけですが、それを、先ほど私が質問をいたしましたように、それはそのいろいろ仕事がふえたので政府とのつながりを密接にしなければならぬ。こういうことは、現在でも何も変りはないと思うのです。その際に、特に大蔵大臣が一方的に任命するということがどうも私にはわからぬ。あなたの答弁によりますと、それは運営において十分そういうことは考慮されるといいますが、それではお尋ねいたしますが、実質上は評議員の推薦を得て大蔵大臣が任命するという運営にするのか、それとも、そういうものは聞かずにやはり一方的に任命するのか、どちらなんでございますか。
  266. 白井勇

    政府委員(白井勇君) こういうものの制度運営につきましては、これは申し上げるまでもないわけでありまするが、評議員会等の意向を十分尊重いたしまして決定をするということになると思います。
  267. 永岡光治

    永岡光治君 それでは、詰めてこのことについてお尋ねいたしますが、それでは、実質上評議員会の推薦を得て大蔵大臣が任命する、そういう運用になる、こういうように解釈してよろしゅうございますか。
  268. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 十分その評議員会の意向をくみ取りまして推選をする、こういうことになると思います。
  269. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、評議員会の委員、反対する人でもあえて大蔵大臣が任命するようなこともあり得ると、こういうことなんですか。それではやはり意味がないと思うのです。当然私は実質上、今あなたの答弁を聞きますれば、実質的なそういう従来の慣行というものを尊重していくのだ、こういう考えでありますから、そうであれば、当然私はその評議員会の雄鷹するものをやはり任命する、こういう結果になるのじゃないかと思いますが、そういうように解釈していいのか悪いのか、いいか悪いかだけでけっこうでございます。
  270. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 先ほど申しましたように、どこまでも評議員会の意向を尊重いたしまして推選をする、こういうことであります。
  271. 森中守義

    ○森中守義君 さっきの関連ですが、どうも私は納得できるような答えがないのです。つまり、この罰則条項を適用するような事実が過去にあたたのかなかったのか、こういう質問に対して、事が重大であるからこういうことの用意が必要であるというお答えなんですね。私が聞いているのは、過去にあったかなかったかと、こう聞いておるのだから、あったならばどういうケースがあったか、なかったらなかったと答えてもらわなければ困る。その点、一つ、もう少し明瞭に答えて下さい。
  272. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 私の承知しておりますところでは、そういうケースはなかったと、こう考えます。
  273. 森中守義

    ○森中守義君 それでは、さらにお尋ねいたしますが、これはやはりその共済組合という名称であっても、実質的には各省庁の長がその執行責任者になっていますがね。だから、やはり各行政機構の中の一部門である、少くとも行政機構的なものという解釈が私は妥当であろうと思う。よろしゅうございますか。そうしますと、現行の状態は、もちろん正式に設置法の中にこういうものが織り込まれないにしても、行政機構の一つとして取り行われていく限りにおいては、自治監査というようなものが常時私は存在すると思う。審議会に諮って各省野放しに連合会を作ったから、何したからということで、そのまま放置はしていないと思う。要するに、行政機構の一環という形の中にこの業務が行われていくという状態が当然であろうと思いますが、やはり自治監査というものが存在する。だとするならば、何もぎょうぎょうしく大蔵省が非常に強烈な権限を保有するような罰則条項などを作る必要などは毫もないんじゃないか、こういう工合に考えるのですが、その点についてどういうお考えをお持ちでございましょうか。
  274. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 今のお尋ねの点でありまするが、行政機構そのものじゃないわけであります。特殊な一つの法人になるわけでございます。そこにおきまして自治監査が必要であるかどうか、これは別に問題はないと思いますが、行政機構の中のものではないわけでありまして、特殊の法人になろうかと思います。
  275. 森中守義

    ○森中守義君 条文をお読みになっていますか。私もしろうとですよ。しかし、各省庁の長がこういう組織を作るために国家公務員を提供していい、場所も提供していいということが、明確にこの条文の中に出ておりますよ。だから、なるほど設置法やあるいは各省の組織令の中にはまるような、そういう性格の行政機構じゃないでしょう。それはわかる。しかし、実際問題としては、各省庁の行政機構の一環として扱い得るような解釈が、私は成り立つと思うし、実際問題としてそういう形になっていくと思うんです。そうなれば、必然的に自治監査というものは存在する。だから、何もわざわざこういうものを罰則条項を作って、かちんとやる必要はない。こういうことが、私は、大体金の本質からしても、あるいは運営のあるべき姿からしても、当然だと思うんですが、その点はどうか、こうい工合に、大へんくどいようですがね、聞いている、だから、設置法あるいは各省の行政組織令の中にはないけれども、現実的には行政機構とほぼ何様な形態になるのではないかと、こういうことなんですがね。
  276. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 場所を提供しましたり、公務員がこの事務をやっていけるということは、要しまするに、政府でそれだけ援助しているというこでありまして、建前といたしましては、どこまでも行政機構そのものじゃないわけでありますからして、従って、それに対しまする一つの監督機構というものは、当然また別個に大蔵省なら大蔵省が干渉するということも、これは当然あってしかるべきものであると、こう考えます。
  277. 森中守義

    ○森中守義君 そうしますと、その執行責任者が各省庁の長であり、しかも、建前としては審議会に諮るという建前をとっているこういうていねいな行き方をしているのに、わざわざ尾上屋を重ねもような、大蔵省が強い権限を頭からかぶせていくということは、少し各省庁に対して行政権の侵害になりませんか。
  278. 白井勇

    政府委員(白井勇君) ということよりも、むしろ何と申しまするか、一つの連携といたしまして、各省なら各省に、お話の通りに、関連いたしているのでありましで、どっかでやはり一つの締めくくりをやるというようなところがなければならぬと思います。そうしますと、やはりいろいろな関係からいたしまして、大蔵省がそこへ出てくるということが自然に生まれてくるのでありまして、特に大蔵省が各省にまたかぶさっていく、権限を振り回していくというような構想のものではないのであります。
  279. 森中守義

    ○森中守義君 これは意見相違だしいえばそれまでのことですが、少くともこの新しい立法措置というものは、公務員制度調査会の答申に基いて、あるいは現在の社会情勢の趨勢に合ったところの、一種の私は民主的な行き方の現われだと思うのですよ。それでおるのに、より強烈な権限をこの中に与えていくということは、時代の趨勢に反し、しかも立法精神に反するのじゃないか、こういうことを主張しておるのです。しかるに、今政務次官のお答えだと、どうもそういうよってくる原因であるとか、立法の意思というものがその辺に置かれていない、こういう気がする。これはあなたと幾らやっても、見解相違だということになりましょうが、これは明日大蔵大臣でも来てもらい、あるいは総理あたりに来てもらって、もう少しいろいろと意見を開陳をしたいと思うのですが、まあ要するに、私は各行政機の一環として行い得るような状態というものが想像されますから、こういう罰則の強化というものを入れておくことははなはがおもしろくないのみならず、過去にこういう罰則条項を適用しなければならなかったような実例がないということを、あなたは、言い切っておる。それが問題だと思う。過去にこういうものあれば、この機会にこういう罰則も作っておこう、不正行為がないようにしようということであればわかります。一回も、たった一件もそういう不法行為がないのに、今あらためてこういうものを作るということは、この新しい制度の発足の趣旨、あるいは制度調査会の答申の意味に逆行しておるということを、私は特に苦言を呈して、あと質問はあしたに譲りたいと思います。
  280. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、大蔵当局に対する質疑はあすにいたしまして、先ほどからお待ちいただいている他の政府委員に、一、二点簡単に伺っておきたいと思います。  まず、文部政務次官に伺いますが、このたび提案され、今審議している国家公務員共済組合法案の中にも、再就職による組合員期間の通算措置を講ずることが、新たに行われているわけなんです。それで、さらにこの法に関連いたしまして、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案が出されているわけです。従って、その角度から伺いますが、戦争後外地からお引き揚げになった方が、その外地に勤務された期間と、引き揚げ後再就職した後の期間との通算の問題は、今までずっと問題になってきたことなんです。まあ、いわば、こういう方々は戦争犠牲者であるわけなんですね。そこで、先国会で、法の改正によって、恩給関係はその勤続年数が通算されるように相なったわけです。ところが、退職金の方は、退職手当暫定措置法との関係で、通算されていないわけなんですね。ところが、引揚者の方も、戦争が終って十二年を経過しますと、だんだんと退職時期になってくるわけです。こういう方々は数で少くなってきているわけなんですが、ところが、そのアンバランスを非常に嘆かれるわけで、私はごもっともだと思う。  引揚後四カ月以内に再就職すれば通算できる、しかし、四カ月を経過したあとに再就職した者は通算しない、こういう取扱い方を今までしてきているわけですね。ところが、同じ引揚者でも、運不運がありまして、その引き揚げたときにちようど品があった人は、うまく四カ月以内に就職できて、通算できると。ところが、運の悪い人は、四カ月以内に就職できぬと、五カ月、六カ月たってやっと就職できたという人もあるわけです。特に、教育公務員の場合は、その就職する時期というものは新学期以外にないわけです。四月以外にないわけです。六月、七月、あるいは十月あたり引き揚げてきても、学年途中で、子供の異動がなかったら、いかに優秀な人でも、就職しようにも就職はできぬわけです。三月末の異動以外には機会はないわけです。それを四カ月以内で云々としばることは、非常に私は実情に沿わないことだと思う。ごもっともな私は該当者の不満だと思うのです。  従って、ここで私は、これらの通算措置の問題で、退職手当暫定措置法の改正案が出たこの機会に、大蔵政務次官に御答弁いただきたいことは、その四カ月というのを、当時を勘案してみても、一年程度に施行令で措置すべきではないか。特に文部政務次官に伺う点は、それは今ちょっと申し上げたことで、実情に明るい文部政務次官としてはおわかりいただけると思うのですが、その四カ月という、四という数字は安当でないと思う。従って、これを一カ年に施行令を私は改めるべぎじゃないか。そうすることによって、国家財政の支出が、予算の支出がそう膨大にかかるということはないわけです。私の調査では、全国で五千ぐらいしかいないわけです。もうずいぶんと退職された方もあるわけです。だから、そういう点をまず文部政務次官、次いで大蔵政務次官から、お答えいただきたい。
  281. 臼井莊一

    政府委員(臼井莊一君) ただいまの退職公務員のうちでも、特に教育公務員につきましては、今寄ったような学期の途中というために、就職の時期が延びたために、規定の四カ月が通過して、それがためにいよいよ退職の際に通算せられなかったというような事例があることは、事実でございます。ということで、先般の国会文教委員会で、これを適当に政府において何とか考えるべきであるという御趣旨の、何か決議があったことは承知いたしておりますが、その後文部省におきましても、関係方面とこの点につきまして、御趣旨を尊重して交渉をいろいろいたしたのでございますが、いろいろの困難な問題があって、それがためにこの点に実現をまだ見ないことは、まことに申しわけないと存じますが、そういうようなわけで、今回もそれが改正に至っておらないようなことになっております。
  282. 白井勇

    政府委員(白井勇君) 今、文部政務次官からお話がありました通りでありますが、大蔵省としましても、他に関連のあるものもあると思いまするので、よく文部当局とも御相談しまして、検討してみたいと思います。
  283. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いつまでも、検討々々では、次官、困るんですね。月日の流れるごとく、余命というものは短かくなっていくわけなんで、適当なときに処置されなくてはならぬ。こういう機会に、私は処置されるべきだと思う。そういうことを期待しておったところが、処置されていないので、私は承わるわけなんですが、これは施行令の付則を扱うことによって、処置できることなんです。ここで別に、修正案を出すとか何とかいうことでないわけなんです。だから、この点については、十分問題の内容というものは、ちょっと申し上げただけで、私は両政務次官ともおわかりだと思う。ごもっともでしょう。この意見、いかがでございますか、政務次官。この次までに、これを政府部内において処理していただけるものと思いますが、いかがでございましょうか。
  284. 臼井莊一

    政府委員(臼井莊一君) 先ほど申し上げましたように、御趣旨はごもっともだと考えるんでございますが、ただ、いろいろ困難なうちには、すでにやめられた多くの公務員の方が、この規定によってやめられた、まあこういうことも一つの問題でもありまするし、また教職員だけを適用にすると、そういうところにも一つのやはり困難な問題があるようにも承知いたしておるのであります。まだ、ほかの関係の公務員等においても、就職が機会が延びて、それがために適用を受けないというものが、やはり相当ありまするので、それらの関係もありまして、教職員だけにこれをするというところに、一つの困難があるように聞いておるのであります。  しかし、御決議の御趣旨もございまするので、今後ともこの点についてはできるだけ努力をいたしたいと、かように考えております。
  285. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官、私は教職員だけやれということを言っているわけじゃないんです。あなたのところが一番特例な場合でね、また、文部省政府部内において一群主張し努力せにやならぬという立場において、あなたの答弁次第では、私は責任を追及するつもりでおいで願ったわけなんですがね。問題は大蔵省で、全般に通ずる問題。また、一部の人は前の何でおやめになっているからと言うけれども、悪いことを、誤まっていることは、よりよき方向に早く改正せにゃならぬ。法律ができてから、それは遡及しないということは、これは立法の、原則ですから、それはいたし方ないと思います。いかなる法律でもそういうことになっているんですから、いたし方ないと思う。ですから、こういうふうに改めた方が妥当だということなら、善は急げで、早くやるべきだと思うんですね。だから、政府部内においては、文部省は推進力にならなくちやならないんですよ、実際。そういう立場において、私は一つの証人としてあなたにおいで願っておるわけです。  で、大蔵当局はその意を受けて、私は、いつまでも検討中々々々と言うているのでなくて、やるべきだと思うんですが、白井政務次官、いかがでございますか。
  286. 白井勇

    政府委員(白井勇君) よく一つ、あらためまして、また検討し直していきたいと考えております。
  287. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点はきょうはその程度にしておいて、あすさらに、責任ある人が来た場合に、伺いましょう。で、文部大臣には、特に私の言わんとするところは、もう申さなくてもわかると思いますので、特に御善処をお願いします。  次に、参議院の事務総長に伺いたいと思いますが、ただいま国家公務員共済組合法案を審議中でございます。で、申すまでもなく、優秀にして鋭敏な事務総長は、この法案の内容はつぶさに御承知と思います。従って、私はそういう点には触れません。しかし、あなたの指揮下に入っているところの国会職員も、共済組合を結成してこの適用を受けるわけです。それだけに、事務総長としては関心を持たれていることと思うのでありますが、私はきょう伺わんとすることは、国会議員の互助年金法案もありますが、それはもう割愛します。で、伺いたいのは、いつも問題になっております国会議員の秘書の問題について伺いたいと思う。  私は、この法案が提案されるに当っては、おそらくこのたびは国会議員の秘書が、行別職である秘書が加入できる形になって出てくるものと思っておったわけです。あるいは解釈の面で加入できると解釈されているのではないかとも推察するわけなんですが、ということは、このたびの改正を見ますと、この非常勤職員の一部も加入できることになっていたんですね。それから、連合会に勤務されておる事務員も加入てきるようになっておる。こういう方向というものは、昔の恩給というような考え方とずいぶん変りまして、やはり近代民主国家の民主的な年金制度という社会保障制度の立場から、こういう法案が出てきているわけで、昨日の大蔵大臣の質疑に対しましても、そういう方向を指向しているということを明確に答えられているわけで、そこで、具体的に伺いたい点はですね、まず伺いたい点は、国会議員のこの秘書はですね、この共済組合に運用の面ではいれると、こういうふうに御解釈なさっているのか、あなたの御見解をですね、承わりたいと思います。
  288. 河野義克

    ○事務総長(河野義克君) ただいま本委員会で御審議になっております国家公務員共済組合法案内容からいってどうなるかという点について、矢嶋委員から、十分検討はしておるだろうかということでございます。審議中の本案の内容においてどういうふうになるかということを、今、的確に私として申し上げる用意は十分でございませんので、恥かしい次第でありますが、従来の法律のもとにおいて、国会議員の秘書を共済組合に加入することができるかどうか、あるいはどの点をどういうふうに直したらばできるかというようなことは、矢嶋さんもよく御承知通り、かねがねいろいろな御要望もございますので、両院においても、数年にわたって検討をいたしておるわけでございます。現在のところにおきましては、国会議員の秘書は、国家公務員法上の特別職でございまして、国会職員法上は国会職員になっておりません。御承知のような態様の勤務をするわけでありまして、非常勤の職員でありまして、国に使用されているかどうかという点にもいろいろな疑点がございます。それから、国から費用を受けていることは事実でございますが、現在までの法律の建前においては、主としてはその常勤の職員ではないという観点から、参議院の共済組合に直ちに加入することは困難であろうと、こういうふうになっておるわけでございます。
  289. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務総長の発言の中には、一部納得できる点もありますが、大筋では私は問題点があると思うのですね。政府側においても、もう恩給ということはおかしいから、なくすると言っているんですよ。なくすると言っているわけですね。この一言は、相当私は意味深いものがあると思うのです。それはやはり今の時代だと思うのですね。それで、あなたのお考えの中に、そういう問題点があると思う。それから、ちょっと私は冷たさを感ずるんですがね、この点に関する限り。あなた、大体あったかい人なんですが、この点に関する限り……。冗談じゃなくて、私はちょっと冷たさを感ずる、あなたは。  秘書の態様からいいますと、確かに秘の給与からいって、一人雇っている人も、二人雇っている人も、三人雇っている人もありましょう。しかし、正式に届け出る人というのはちゃんときまっているわけなんですから、そして原則として、その働いている人の身分を規定する場合には、何人から給与を受けているかということは一番私は基本だと思います。ところが、あなたみずからさっき答弁されましたように、秘書は明らかに国から給与を受けているわけです。このことは、国家公務員の特別職にしてある根拠になっておるわけですね。そして御承知のごとく、勤勉手当も期末手出も、特にこれは声を大きくして言いますが、勤勉手当まで受けておるわけです。従って、今度の国家公務員共済組合法案の立法の根本精神からいって、入れられないという点、おかしいと思う。  それから、もう一つは、あなたは非常勤だからということを言われましたけれども、この法律国家公務員共済組合法案になっていますけれども、地方公務員の中の雇用人も入っておるわけなんですね。それから、さっき言ったように、組合の事務員もはいれるようになっているわけです。それから、非常勤の中の一部ははいれるようになっている。さらに、第一院は与野党全会一致で、非常勤的常勤職員の一年以上勤めた者は適用すべきだ、立法趣旨からいって適用すべきであるということを、第一院は与野党全会一致で議決してきめておるわけです。この第一院の意思は、十分貴重な意見として尊重しなければならないというのが、政府委員答弁なんですね。  こういうものを総合するときに、私は、正式に届け出て、そうして本院の事務局から、国からの給与を受けている職員は当然入れておかしくない。おかしくないどころじゃなくて、入れるべきである。それだけの昔の恩給制度と迷うところの立法精神を、この法案は持っていると思う。  それから、さらに、非常勤だから云云ということをあなたが根拠にして申されるとすれば、これはこの点も私は問題があると思うのです。秘計は月給をもらっておるのですね。そして確かに閉会中、あるいは解放になれば、地方に帰ることはありましょう。しかし、大部分の秘書というものは、国会開会中は申すに及ばず、閉会中にいたしましても、これは会館あるいは院内において、ちゃんと働いているわけですね。だから、いわゆる世間でいう非常勤職員と同じ定義づけで秘書を扱うことはできないと思う。従って、非常勤であるから適用しかねるということは、これは私はいただきかねる意見だと思う。あなたはきわめて事に明るく、おせじでなくて明敏な頭脳を持たれておるお方で、私がこう言うことは非常におこがましいことだと思うけれども、これに関する限りは、私はあなたの意見より私の意見が通っていると思うのですが、いかがでございましょうか。
  290. 河野義克

    ○事務総長(河野義克君) 矢嶋さんおっしゃいますように、秘書の仕事の国家的意義と申しますか、公共的意義と申しますか、そういうことについては、十分認識をいたしております。それから、従来とも秘書の、共済組合加入の問題も含めて、待遇一般の改善をはかるべきだ、その若干は今期の国会においても具体化されることがあり得ると思いますが、そういうことも私としても全然同感でありまして、私個人としても常に関心を持っておるわけでございます。  それで、共済組合加入の問題につきましては、先ほどお断り申し上げましたように、現に審議せられている法案の性格、その内容等からいって、法案成立の後において、それとの関連性において、秘書を、共済組合に加入させるべき問題をどう考えるかということは、一応別問題といたしまして、現在までの法律体制のもとにおいてどう考えておったかということを、私の考えというよりは、矢嶋さんも、よく御存じだと思いますが、従来両院の議院運営委員会、なかんずく庶務小委員会において検討してきたところに基いて申し上げたわけでございます。  それから、常勤的な職員でなければいかぬ、非常勤はいかぬという点は、そういう点に問題があるということを申し上げたわけでありまして、非常勤職員は共済組合に加入させることは困るということを言っておるのは、国会側で言っておるわけではなくて、一応共済組合の監督官庁になっておる大蔵省等で、監督官庁の意向として、そういうことを申しておるわけでありまして、そういうふうに私がさっき申し上げたのは、非常勤職員である秘書の仕事の態様からいって、いろいろな困難性があるということを申し上げたわけであります。  それで、三十一年の二月には、現行の法律のもとにおいて共済組合に加入することが非常に困難であるならば、その他にしかるべき方法をとるべきであるというようなことから、職域を中心として結成せられる特別国民健康保険の方でまかなったらどうかという意見もあって、現に両院を通じて、議員秘書を通じて、特別国民健康保険を作った場合に、それにどれくらい加入していただけるか、家族を含めてその人数は何人になるか、それで保険経理が成り立つかどうかという点について、両院で検討したわけでありますが、現に調査票を配付して回答を得た結果は、保険経理として成り立たせるには、御希望の人数がはなはだしく足りなかったというようなことから、共済組合あるいは何らかのそういった保険に加入せしめるべき問題について、両院ともいろいろ検討を加えておったにかかわらず、現在の国家公務員共済組合法のもとにおいてはいろいろ困難がある、という事情を申し上げたわけであります。  この新法が成立いたしまして、この改正点等の関係から、さらにいろいろ考え方を変え得る点も御指摘通りあろうかと思いますが、そういう点、さらに庶務小委員会、その他議院運営委員会等でも十分練っていただき、また私どもも十分関心を持って、少しでも改善のいくように努力いたしたいと存じます。
  291. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 現行法体制下において、あなたが関心を持ち努力されたということを了といたします。確かに特別健保をやってはどうかというので、過去において調査された事実も私は承知しております。ただ、私は、調査する前に、保険経理はおそらく成り立たぬであろうと予想しておりました。それは数からいいましてね。さらに、そのときの調査の趣旨が十分徹底しませんでしたものですから、調査資料の取集も十分でなかったと思うのです。そこが共済精神の根本なんですからね。この国会なんかで、特別健保というよりも、新たな法体制――この法体制というのは、相当画期的なものだと思うのです。これだけの新たな法体制が前進する形で出てきたわけですからね。それで、私はぜひ一つ検討していただきたい。  もちろん、議院運営委員会、庶務小委員会はありますけれども、やはり国会の事務当局にそういうところの検討と準備がなければ、なかなか議院運営委員会にしても、庶務小委員会にしても、検討するところの材料を持たぬわけですからね。問題は、やはり事務当局の責任の場にあるあなたの方で、しかるべくあなたの部下に指示し、研究させていただきたい。そうして、あなたの方の研究の結果というものを、国会のしかるべき機関に、さらには行政府のしかるべき機関に働きかけていく、こういう順序にいかなければならぬと思うのです。そういう意味において、きょうあなたにおいでを願って御意見を承わり、御要望を申し上げたのでありますが、大蔵省のことについては、また他の適当な機会に大蔵省の意見を聞きたいと思いますが、大体私とあなたは同意見だということを表明されましたので、まあ時間も過ぎておりますから、ここらあたりで終りますが、一つぜひ真剣に検討していただきたいと思うのですが、その点はよろしゅうございましょうか。
  292. 河野義克

    ○事務総長(河野義克君) 御発言の趣旨は、十分拝聴いたしました。私どもといたしましても、御指摘の点については、十分積極的に検討いたしたいと存じます。
  293. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 自治庁長官は外出中でおいでにならぬそうですから、質問はあすに持ち越します。本日の質問を私は終ります。
  294. 藤田進

    委員長藤田進君) 他に御発言もなければ、本案につきましては、本日はこの程度にいたしまして、本日は、これにて散会いたします。    午後六時二分散会