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1958-03-20 第28回国会 参議院 内閣委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十日(木曜日)    午前十一時二十八分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事      上原 正吉君    委員            後藤 義隆君            近藤 鶴代君            迫水 久常君            田中 啓一君            苫米地義三君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            千葉  信君            矢嶋 三義君            島村 軍次君            八木 幸吉君   国務大臣    国 務 大 臣 石井光次郎君   政府委員    行政管理政務次    官       榊原  亨君    行政管理庁行政    管理局長    岡部 史郎君    行政管理庁統計    基準局長    美濃部亮吉君    行政管理庁行政    監察局長    高杉  保君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君     —————————————   本日の会議に付した案件通商産業省設置法の一部を改正する  法律案内閣提出)     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  本日は、まず通商産業省設置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、行政機構全般の問題につき、前回に引き続き、行政管理庁長官に対して質疑を行います。  御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  3. 千葉信

    千葉信君 石井行政管理庁長官にお尋ねをいたしますが、今度の国会に、通産省設置法の一部を改正する法律案を初めとして、目下予備審議中の法律案の中にも、同様に各省設置法案がずいぶんたくさん提案されております。こり機会に私は長官から、行政機関組織基準をどう持っていくお考えなのか。鳩山第二次内閣以来一貫して、私は、行政組織についてはできるだけこれを簡素化しようという一貫した方針のりとに来ておられると思うのです。また、そうでなくちゃならぬことは、国家行政組織法の第一条にうたわれている条文からいいましても、当然そうでなくちゃならぬことですが、一体どういう方針を持ってお臨みになるつもりか、まず長官から承わりたいと思います。
  4. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 行政機構基準は、できるだけ少い人をもつて、そうしてより能率を上げるような方向考えていくべきものだと思っております。従いまして、ややともすれば機構が増大しようとするものを、絶えず検討して、そういう方向に進まないようにしなければならぬのは当然でございまするが、また同時に、いろいろ日本行政機構と申しますか、日本の国力がだんだん伸びるに従いまして、いろいろな新しい面も起って参りまするし、また強化しなければならない部面も起って参りまするので、行政能率的に動くにはどうしたらいいかということも考慮しながら、両面から考えていかなくちゃならない、こういうふうに思うのであります。
  5. 千葉信

    千葉信君 いろいろな仕事の量がふえていくその状態に対応して、機構もそれに沿うように持っていかなければならぬことは、これはまあ当然のことだと思うのです。しかし、そういう場合といえども、できるだけその行政機構そのもの簡素化して、同時に、責任所在を明らかにするような体制をとっていかなければならぬと思うのです。今、長官人員のことに触れられたようですが、私は人員の問題についてはこの際は一応あと回しにいたします。私のお尋ねしたいのは機構のあり万です。  そのいろいろな仕事の量に対応してたくさんの行政機構を作らなければならぬことは、それは当然だと思うのですが、しかし、そういう場合でも、機構そのものは簡明直截な簡素なものに打っていかなければならぬと思うのです。そうして、それも必要以上に機構年作るということは、同時に、よほどその点については考慮を加えなければならぬし、同時に、一般的な問題としては、これは長官も御承知のように、少し言葉が過ぎますが、どうしても、各官庁の状態なんかを見ますと、どうもその権限範囲を拡大しようという傾向がはっきり私は存在すると思うのです。これはまあ、なわ張り争いをやっているかやっていないかは別として、そういう勢力範囲を広げるというか、権限範囲を拡大するというか、そういう空気が一貫して私は行政機構自体の中にあると思います。これは私はかりの判断ではありません。一般にそういう風潮があるから、従って、絶えずそういう不必要な膨張あるいは複雑化を防ぐという任務が必要なわけです。私はそれを行政管理庁の大きな仕事一つだと思います。おまけに、国民考えといいますか、国民の要請というか、国民の税金で負担されるそういう行政機関等については、できるだけ不必要なものを除いて簡素化されるということと、もう一つは、繁文縟礼に陥らないように、非常に簡素な機構によって行政能率が簡明直截に上るよに、私は国民が当然期待していると思います。そういう立場からいうと、私は、その行政機構を拡大するということについては、よほど行政管理庁としても真剣に取っ組んで対応していかなければならぬと思います。  そういう点からいうと、どうも今度の各省設置法令は、ここに拝見いたしますと、そういう根本方針なり考えというものが貫かれていないという条件が、私はあると思います。新聞のそれぞれの論調なんかを見ましても、今回の各省設置法改正方針については、かなりな意見が出ております。これは長官も御承知のはずです。この状態は、行政簡素化という方針政府が怠っているか、さもなければ放棄しているという印象が私は出てくると思います。一体内閣として、行政簡素化という方針について、どういう方向でこれは堅持していくのか、それとも、それよりもまず現実に対応する行政機構の拡大の方かより必要なんだという考えに立っておられるか、この点を承わりたいと思います。
  6. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) お話の筋はまことにごもっともだと思います。不必要なものを防ぎ、繁文縟礼に陥らぬようにするということは、私ども行政機構を見ていく者としては一番考えなくちゃならぬものでありますが、まあ同時に、先ほども申しましたように、仕事がだんだん広まって参り、またその内容も複雑になって参りますので、自然と機構の上にも責任所在を明らかにし、またその仕事能率をうんと上げてもらうためには、また広げていく場合もやむを得ぬというふうに考えておるわけでございます。基本的な問題といたしまして、簡素化方向にわれわれは絶えず意を向けなくてはならぬということも当然だと思うのでございます。  今度の機構改革のいろいろな各省設置法等に、たくさんいろいろ出ておりますので、特に今年だけめちゃくちゃに多いのじゃないか、ほんとうにこういう機構をどう思うておるのだ、野放図にひもをゆるめるのではないかということを心配される声を聞くのでございます。私どもは、その点は十分注意しながら、今申したような点でやったつもりでございまして、一個々々の問題を御検討願いたいのでございますが、全体的に見まして、今年が多く出てきておるというのは、長年ずっと縮小縮小というような方向でやって参りましたので、相当どこもここも仕事の上にほんとう能率を上げていくというような方向に、少し無理な点があるのじゃないか。様子もだんだん変って参りました。ちょうど日本の国情がこの十年ぐらいの間にまたずっと変ってきたというようなものと、調子を合わして、考えますると、各省におきまして、こうもしたらさらによい方向仕事ができるのじゃないか、責任所在もそれによってはっきりするのじゃないかというようなこと等を、いろいろ勘案をいたしまして、今度の機構改革はやったつもりでございます。
  7. 千葉信

    千葉信君 機構をいじるといいますか、改正するといいますか、そういう場合に、行政管理庁として当然考えなきゃならぬことは、今も御答弁のありましたように、なるべくどんどん増大するごとに対して十分用心をしてかからなければならぬ、十分抑制するような方向方針としては考えていかなければならぬ、この点と、私はもう一つ問題のあるのは、機構そのものの中にできるだけ複雑な組織は作らぬということですね。つまり、簡明な組織を作るということが私は要請されなければならぬと思います。その理由は、言うまでもなく、行政能率ができるだけ発揮されるようにしなければならぬ。あっちへ行ってはんこをもらった、こっちへ行ってはんこをもらった、なをはんこをもらう所がどんどんふえるという格好では、私は行政能率の向上をはかるということにはならぬと思います。  その後段の点からいうと、今回出てきました各省設置法を見ますと、また今回も相当それぞれの省に部が設置されようとしています。たとえば厚生省、それから今審議中の通産省、あるいは建設省。この部制というのは、一番好ましい簡明百歳の状態からいうと、私は一つのよけいなことだと思います。実際の状態を見ましても、局長のもとに次長があり、さらに部があり部長がいる、そのもとに課長がある、こういう方法が、こういう状態が好ましくないということは、これはかつての行政組織法審議に際しても非常に問題になっておるのです。実はこのことについて、この間八木委員から質問されたことに対する行政管理庁当局答弁は、少し事実と違っておりまするが、第五国会のときに実はこの部制は好ましくないのだという結論がはっきり出ておるのです。参議院で。そうして政府の方から提案されました部の設置については、法律案修正が行われた。そういう事実がはっきりあるのです。しかも、その後の、第五国会以来、この部のあり方について、その第五国会における論議のように真剣にこの問題が取り上げられた例がないのです。従って参議院意見ですね、参議院方針ですね、これは最後には衆議院も同調いたしましたが、そういう一方針は実は論議の中には部制は好ましくないという結論がすっと貫かれておる。  おそらく、これに対して行政管理庁当局としては、いや、しかし、第二十六国会行政組織法改正になったじゃないか、部の設置というものがちゃんと組織法上も認められたじゃないか、こう言うかもしれない。これは実は全然論議されておらないのです。提案理由説明が若干その点に触れておるだけなんです。これは極言すると、ちょうどその国会状態を見て、行政管理庁当局の方で問題になっていた、非常に行政各部で何とかしてどんどん部を作りたいという意向を貴くために、あき巣をねらった格好です。第二十六国会は。  私は、行政管理庁長官が就任以来その問題について、部に対する国会意見方針、それからその経過等について十分に御承知じゃなかったのじゃないかと思う。長官、一体その経過なり国会意見というものを詳しく御承知だったでしょうか、まずそれから伺いたい。
  8. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私は、局のもとに部を置くということが国家行政組織法改正の項目にあったことは聞いたのであります。従いまして、いろいろ論議はその決定の途中にあったと想像できますけれども最後法律としてそれがはっきりきまっておるということは、みな国会において、局のもとに部を置くこともやむを得ぬ状態じゃないか、その方が能率も上るのだ、事務系統流れを明確にする、あるいは責任を明らかにするという線で、こうあった方がいいということで、おきめ願ったものだということに了承いたしておったわけであります。
  9. 千葉信

    千葉信君 今の答弁からいうと、長官は全然御承知ない。一般論としては、長官のおっしゃることが言えます。ちゃんとこの法律案国会を通ったじゃないか、国会でちゃんと部の恒久的設置というものを認めておるじゃないか、それが国会意思じゃないか。だから、従って、そういう法律に準拠して部の設置をしたっていいじゃないか。これは表向きそうです。だから、それが国会ほんとう意見なり方針だというふうに、長官が腹の底からこう信じて答弁しておられるなら、私は少し考えが足らないと思うのです。そういうことを言うなら、たとえば次のような事実はどうされます。  この間、この内閣委員会統計法の一部を改正する法律案審議いたしました。その法律案の中には、前回国会国会がミスをやっている部分についての法律案修正も含まれております。統計調整法でしたか、当然その中で統計基準部長というものを統計基準局長に直さなければならないのを、前々回の二十六国会ではそれが直されないで、今度の国会にそれが提案された。形式上の、国会で通った法律だから、国会でそういう条文が通ったのだから、それが国会意思だという答弁は、表向きはその通りです。しかし、それは実際に国会意思がそうであったということの証拠にならぬ場合がちょいちょいある。統計基準局長の例がいい例なんです。統計調整法の方では、統計基準部長でもいいじゃないかということを国会結論を出している。私はそういう答弁じゃいかぬと思う。幾らでもそういう例があります。ですから、かりに国会でどういう法律が通った場合でも、それがほんとうに真剣に、慎重に討議された結論であるかどうかということ、逆にいえば、うっかりすれば間違いも、統計調整法の場合のように間違いも起るし、国会といえどもことごとく全部慎重にその問題について審議をしているという状態ではない場合もあります。これは長官も御承知のように、たくさん法律案が出ていて、あるいはまた会期が押し詰まってきていて、すみからすみまで、その問題について慎重に審議できない状態のときがちょいちょいあります。これは長官も御承知通りです。ですから、そういう場合に、通った法律条文がこれが国会意思だという格好で、それでもうよしとする態度は、私は考えなくちゃならぬ。そういう場合に、かりに慎重に審議されていないという事実がもしあり、一方でその問題について非常に真剣に取り組んで、真剣に慎重な審議をして出された結論がもしあるとしたら、その点私は考え直していかなければいかぬと思う。  それが、実際の状態から見ますと、こういうことになっております。政府の方から、第五国会で、局、部、課の設置を各府省に認めてもらいたいという法律案が出されております。参議院審議の過程の中で、こういう体制は好ましい体制ではない。委員会もしくは岸の場合には、部あるいは課を認めるけれども、その場合には局は認めない。各府省の場合には、局、部、課と存在することは、命令系統にも混乱を生ずるおそれがあるし、責任体制の確立という点からいっても好ましい状態ではない。従って部は置いちゃならぬ。そうして国会結論としては、当時三十五の各省にありました部を、これを廃止することに方針をきめて、ただしすぐではいろいろ差しさわりがあろうから、一年間だけはそのまま認めよう。そうして、そのときに三十五の部のうち二十九だけを一年間存続して、法律案修正が行われた。非常に慎重な討議が行われた。ここにも委員長報告もちゃんとあります。速記録もちゃんとあります。そのとき非常に真剣にこの問題が論議されたのです。そうして次の年に、どうも一年間という期限つきであるけれども、今すぐということは、一年経ってみたけれども差しさわりがあるから、もう少し認めてもらいたい。当分の間、この部の存続を認めてもらいたいというので、一年間限りで廃止するというはっきりした法律を、当分の間と改めた、現業を持っていない各府省の場合に。それがずっと二十六国会まで来ているわけです。部の設置ということは好ましくないという方針考えが。  ところが、二十六国会のときに政府の方から、そういう国会審議経過を十分知っているはずの政府の方から、極端な言葉を使えば、火事場どろぼうみたいに、あき巣ねらいみたいに、もっとくだいていえば、岡部行政管理局長のごときは、委員会委員の留守をねらった格好になりました、と言って笑っておりました。そういう格好で出されてきて、しかも、その条件についてほとんど論議されない。速記録のどこを開いて見ても、政府の方から、楠美政府委員から提案理由説明の中で、行政機関の中にこういう部を置くことにいたしましたという説明だけです。いいか悪いかさえも論議されていない。いいか悪いかさえも全然論議されていないのです。私は、こういうやり方をした政府態度がいい悪いということを、言うつもりはないのです。言つもりはないけれども、やはり政府の方としては、かりに今度行政機構についてそれぞれの各行の機構を変える場合にも、私はそういう従来の経過というものは十分認識され、尊重されていかなければならぬと思うのです。長官がさっき言ったように、いや、法律改正になったからこれは国会意思だ、などという答弁はいかぬと思うのです。あれは表向き答弁です。通り一ペんの形式だけの答弁です。そういう実際の状態というものは、やはり政府の方でも十分尊重しなくちゃいかぬと思うのです。  ところが、今度の国会になって政府の方から出てきました各省設置法を見ると、全然そういう国会方針考えなんというものは、尊重されていないのです。法律が通ったからいいじゃないかというので、五つも部を出す法律案を今度出しております。私は、この態度は非常に国会を軽んじ、しかも、一方では行政各部官僚諸君恣意のままにどんどんその機構をふやしていくという考えが横行して行政管理庁当局は完全に押し切られてしまっているという状態に私はなると思うのです。結論からいえば。この点は私は一貫した方針として、根本方針として行政機構は簡明直截でなくてはならぬ、責任体制が明確でなくはてならぬ。そういう点から、政府部内で、あっちにこういう機関を作ってくれ、こっちにこういう部を設けてくれなどという、ほしいままな行政機関内の要求に対して、私は、やはり行政管理庁当局として長官としては、そういう点に対してはっきりした政府方針に立って、私は法律案提案をもっと慎重にやる必要があると思う。この点、一つ長官の御意見を承わりたいと思います。
  10. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) さっきの言葉が足りなかったかもわからないのでありますが、私は、行政組織の上に部を認めるということになった法律上の事情を申し上げ、同時に、これは、その決定の道程においてはいろいろな論議がかわされていったのであろうが、結論的にはやむを得ぬということで認められたのだろうという意味の心をもって、申し上げたのでございましたが、局の下に部、部の下に課、課の下に係というようなことで、どれにもこれにも部を認めていくということは、もちろん、これは私ども考えるべきではないのでございまして、ここは部としてやった方が責任体制を明らかにし、そして仕事がうまくいくのだという見込みのところに認めていくものでございまして、漫然とこれをいろいろ広げていくというようなことは、私ども厳に慎まなくてはならぬと思うのでございます。特に、今のお話のように、この部を一時やめようじゃないかということで、実際問題として部をだんだん減らしていくのに、相当の期間を置いていろいろそれらの改正を期したという経過もあり、また私どもといたしましても、部はできるだけ少くするということ、そして今おっしゃた仕事簡素化責任体制という両面のものが達せられるようにということで扱わなくてはならぬと思っておるのでありまして、あなたのおっしゃった心持は、私ども同じような心持行政機構改革に当っての問題を取り上げて論議して参りましたし、そしてこの程度のことは、仕事責任所在も明らかにし、行政の成績も上げていくという心持で了承したような次第でございまして、さよう御了承願いたいと思うのであります。
  11. 千葉信

    千葉信君 どうも長官答弁は了承できませんけれども、一歩を進めてこの際お尋ねいたしますが、今御答弁になりました、部の設置はやむを得なかろうという判断をされましたその基準は、どういうところに置かれたか、この点を承わりたいと思います。
  12. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ただいまも申しましたように、部を設けることによりまして事務系統流れが明確になり、また責任も明らかになるというようなこと等の点から考えまして、部の問題を右左きめたわけでございます。
  13. 千葉信

    千葉信君 長官答弁からいいますと、逆ではありませんか。指揮命令系統責任所在、そういう点についてはかえって、部なんか設けないで、局長ないしは下部機関としての課長というふうに簡素な状態の方が好ましいし、いろいろな複雑な仕事関係がもしあるとすれば、そういう状態に対応するために、現在次長制度があるはずです。今度の通産省設置法の場合におきましても、局があり、部長が二人あります。なるほど人数は少し多うございます。しかし、従来もそういう部長次長、さらに今度は各課長ということになりますが、その場合に今度は部長を設けて、一つ仕事に対して、課長は当然それぞれの課の分掌によって責任を負います。しかし、それを今度は部長がまたその中に介在し、部長の上に次長があり、次長が二人、それがそのまま、それから局長、こういう格好ではかえって責任の不明確という条件も出てくるだろうし、いろいろな仕事をしていく場合に、そういう状態というのは、ただ手数が一つふえるという条件ぐらいが起るのであって、これは一般国民の側から見た場合でも、はんこをもらうことが一つふえるだけじゃないか、実際上。ですから、今のそういう点からいきますと、たとえば一つ案件に対する決裁等関係からいっても、今までよりは手続が一つ煩瑣になるという程度で、局長だってこの問題に対しては責任は負わない。次長だって責任がない。部長もそうです。これはかえって逆行しているじゃありませんか。
  14. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) これはさっきも申しましたように、どこへでも置くものじゃないわけでございます。私は責任体制が明らかになるということをさっき申しましたが、それはそこに働きます人の数、あるいはその仕事業務の量というようなものを考えましてその範囲において責任者が、その業務量、人の数というような問題によって責任体制をとっていく方が、あまり広い業務量というものを、簡素化々々々といって責任者を少くしてやっていくと、ほんとう責任がとれないような状態になり、かえって仕事能率を妨害するというようなことになるという大体私どもの見方もあるのであります。これはいろいろ意見もあるのでありましょうが、ただ一人ふえて、そのためにむやみにはんこがふえるだけじゃないかということよりも、さらに私は、今のようなことで仕事責任体制が明らかになるということで、そういう必要なところに部を認めるということにいたしたいと、そういうふうに考えております。
  15. 千葉信

    千葉信君 私は、あまりこまかい点について長官質疑応答をやる気持はありません。確認しておきたいことは、長官先ほど来の質疑応答の中で、大体従来の国家行政組織法の第七条の関係、この関係から見た場合の国会結論ですね、こういう経過を持っていることをよく御承知になったわけですが、御承知になって、なおかつ今回またさらに部を増置する。従来の経過の中では、必要やむを得ない条件のもとにあったものだけを認めてきた。法律はなるほど第二事大国会で変えられたかもしれないけれども、その変えられた経過の中における審議状態、それから提案理由説明なり提案者考えというものも、私はそういう国会意思を無視するものであってはならないし、従ってその場合の結論というのは、私は厳格な意味では、現在ある部程度を恒久的に認めてもらうという程度考えるべきだし、そうでないとすれば、国会方針に対して、私は、その意に反して行政府恣意を貫こうとする結論になるから、そういうことであってはならない。そういう立場からこの部の設置の問題を考えますと、政府としては従来の経緯にかんがみても、今までの部をそのまま存置するという程度にとどめて新しく部を設置するという態度は避けるべきだと。それをあえてしようというやり方は、少くとも国会意見なり方針なり意思なりに沿わないものだ、こういうことになると思うが、長官は、いや、そうじゃない、これもやっぱり国会意思に沿っているんだというお考えなのか、その点ここで私は明確にしてもらいたいと思う。
  16. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 部をいたずらに——いたずらにと言うと何だけれども、部というものが行政組織法によって認められたんだから、これは当然どんどん必要だというならば認めていいじゃないかというような、私どもはその法をたてにしてこれをふやしていく、そしてただ行政機構の拡大ということばかりやる意思は毛頭ございません。その点は、あなたのおっしゃった心持は私どもと同じことだと思うのでございまして、これは行政機構はできるだけ簡素化にしなくちゃならぬという線から、大きな線から見ましても、なるべくいろんなものを設けないで済むものは済ます。そして能率を上げていくということを考えなくちゃならぬのでございます。が、私がこの際、こういう所だけは部を認めなくちゃならぬじゃないかということを考えましたのは、さっきから申しまするようないろいろな、その間に長い間の変遷で、また戦後のいろんな仕事の、急激なる業務の、行政事務の変化というようなために、行政量も非常に増し、種類もふえたというようなこと等から、部を認めた方がさらにりっぱな行政がやっていけるのではないかという線で考えて、私どもは今度の機構改革に当ったわけでございますが、御趣旨の線は、今後といえども、私がこれを、むやみにこれが法があるからといってどんどんやるということは厳に慎しむべきだ、そのつもりでおります。
  17. 千葉信

    千葉信君 行政管理庁立場といいますか、国家行政組織法が設けられ、これに関する主務官庁として、所管官庁として行政管理庁が設けられ、国の行政機関組織全体について、各省の方からどういう要求があろうと、どういう運動があろうと、私は少くとも行政管理庁がもっとしっかりやらなければいかぬ。どうもいろんな、要求があったり、いろんな運動があったりすると、行政管理庁当局では、従来もその例がありましたが、はっきり部を設けちゃいかぬという法律があるときにも、行政管理庁は、たとえば農林省等から部の設置をするという法律案を出すことに対して行政管理庁はうんと言った例がある。実際上それが国会提案されている。こういうふうに法律改正されない前ですよ、部を設けちゃいかぬ、当分の間別表の第二にある部についてはこれを認める、これ以外は認めてはならぬ、こういう厳格な法律があるときでも、行政管理庁は従来、たとえば農林省等における部の設置について、農林省設置法の一部改正の中でその部を認めるという態度を、行政管理庁はとってきた。これはもう石井さんの時代ではない。石井さんの時代ではないけれども、そういう事実がある。ですから、そういうことの起らぬように、私は行政管理庁長官はよほどふんどしを締めてかかってもらわないかぬ。なまやさしい格好で、あまりにどっち向いてもいい瀕したがる格好では、ほんとう行政管理庁長官としての仕事は勤まらぬと思う。国の行政組織の混乱を招くと思う。  ところが、問題はこの部の問題だけじゃありません。今審議中の通産省設置法の一部を改正する法律案に関連しても、また問題があります。行政管理庁は、法律違反の事実をはっきり知りながら、黙認しているという事実、これは私は実に不届きしごくだ。そういうことをやる者もやる者だけれども国家行政組織法を所管している行政管理庁は、なおいかぬと思う。たとえば通産省でも、長官も御承知でしょうが、電気料金制度調査会なんというものが設けられ、それから通産省事務を負担しつつ、輸出会議というものを設けられた。ここで長官にはっきり聞きたいけれども法律に違反なんです。これは。行政管理庁は、それを知らないかというと、知っているのです。ちゃあんと。こういう事実がどんどん重なって出てくるということになると、国の行政組織はめちゃめちゃですよ。だれが一体責任を持つのですか。今申し上げたこの輸出会議、あるいは産業別輸出会議、あるいは電気料金制度調査会、国家行政組織法第八条の違反ですよ。ほかにもたくさんあります。これで一体、行政管理庁が国の行政機関組織に対して責任を持っているということが言えるでしょうか。通産省はかりじゃありません、内閣全体の中にもあります。とんでもない話です。これは国家行政組織法第八条に反するばかりじゃなく、国家公務員法の違反にもなるのです。これは。第二条の違反です。これは長官、一体こういう問題をどう処理されるお積りですか。今まで知らなかったじゃ済まぬと思うのです。知らないはずはない。私は、一般的な問題ですから、わからないはずはないから、長官の御答弁を聞きたい。
  18. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) いろんな制度調査会、審議会というようなものを、これは法律によって設けられておりますが、しかし、国会の閉会中非常に急を要する場合とか、また非常に期限の短かいものであるとかいうような問題は、行政組織法のもとの審議会、調査会というようなものによらないで、その関係々々の問題で相談をするというものであるということで、ずっとやってきておるようでございますし、現在も仰せのようなものが幾つかあるということも承知いたしておるのでございますが、これは行政組織法で設けられたものでないというような意味と私どもは了承しておるわけでござ  います。
  19. 千葉信

    千葉信君 長官、それはとんでもない話だ。一体行政機関の中に設けられる審議会もしくは調査会は、何の根拠に基くのですか。あなたは国会の閉会中に云々ということを言われた。国家行政組織法はそんなものは認めちゃおらぬのですよ。閉会中そんなものを作るということ自体認めておらぬのです。しかも、今長官は、関係の向きで寄り寄り協議するとか、関係者の間で話し合いをするとか、そういうことですが、それが全くの行政機関内の行政官を中心にして設けられる調査会もしくは審議会、協議会、これは問題じゃないのです。私の問題にしているのは、民間人を入れたこういう調査会、協議会等が、無数に設けられておる。これは国家行政組織法の第八条にはっきり違反です。この条文を見ても、長官の言うように、国会の閉会中はどうとか、そういう関係者が寄り寄り協議する場合はこの限りでないというような、そんないいかげんの法律じゃないのです。「法律の定めるところにより、審議会又は協議会及び試験所、研究所、文教施設、医療施設その他の機関を置くことができる。」、法律で置くのだということがはっきりしておるのです。それ以外のものを認めちゃおらぬのですよ。しかも、その組織たるや、たとえば輸出会議をごらんなさい。産業別輸出会議のごときは、委員の数が千人以上もあるじゃないですか。どこからその金を一体出すのです。法律に違反して。どこからその委員に対する手当を払うのです。手当が払えば、これは国家公務員法第二条違反です。二つの法律に違反する。長官答弁してもらいたい。
  20. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私、情勢はあまり詳しく存じませんので、政府委員をして一応答弁させます。
  21. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) ただいまの千葉委員のお尋ね、三つの点に分けて申し上げますが、第一点の輸出会議が具体的にお話に上りましたから、輸出会議の点について申し上げます。  輸出会議というのは、これは今も千葉委員のお尋ねのございましたような、行政機関と申しましても、特に関係大臣の協議機関でございまして、いわばキャビネット・コミッティーと申すような、内閣の運営の一つ形式として考えておりますが、これはどう見ても組織法八条には該当しない機関考えております。その点につきましては、私どももこの設置の際に相談にあずかりましたので、よく承知しておるわけでございますが、輸出会議の閣議決定事項を見ましても、「内閣に輸出会議を置く」とございまして、「輸出会議においては、内閣総理大臣、外務大臣、大蔵大臣、農林大臣、通商産業大臣、運輸大臣、経済審議庁長官及び日銀総裁が次に掲げる事項について協議し」云々と、こうあるわけでございます。全く内閣の協議機関でございますので、手当その他の問題はもちろんございません。  それから産業別輸出会議ということをおあげになりましたが、これにつきましても、この設置の際に私ども相談にあずかりまして、千葉委員の御指摘のような御疑念が生ずることのないようにということを考えまして、その際の閣議決定の文句におきましても、「通産省の指導のもとに、産業別輸出会議を業種別に一ないし数個設ける」とありまして、これは決して通産省に置かれる機関ではなくて、各業種別の業者の協議会、こういうふうにただいま承知しておるのでございまして、従いまして、これの人数が何千人に上りましても、別個に国家公務員としての給与を出すというようなことはないように承知しております。  それからもう一度、第一点につきまして申し上げますと、確かに国家行政組織法第八条におきましては、協議会、審議会、これを法律で設けるようにということが書いてございますので、その趣旨にのっとりまして、審議会、協議会は原則といたしまして法律で設けることになっておりまして、現在その数は二百三十に該当しておるわけでございます。それに対しまして、ただいま石井大臣から御答弁がございました通り、臨時、急を要するものその他につきまして従来の慣行といたしまして、閣議決定をもって内閣及び各省を通じまして、現在十八の第八条の審議会と同種のものが設けられておることは事実でございます。これが好ましいかどうかということにつきましては、十分御批判の余地があろうかと思います。私どももこれの取扱いにつきましては、今後とも慎重に検討いたしまして、このような慣習がよくないというような場合におきましては、できるだけこれをなくするように努力したいと、こう考えております。
  22. 千葉信

    千葉信君 長官、今の答弁、なっちゃおらぬですよ。輸出会議の方の関係も、さっき私ははっきり申し上げたように、行政各部行政官諸君の審議会、協議会、あるいは会議、これは私は問題にしておらぬですよ。そうじゃなくして、行政組織法第八条にいうのは、それ以外の民間人をまじえてやる場合においては、この八条の通り法律によらなければならぬというふうにはっきりきまっておる。これは岡部さんのお言葉を借りると、好ましいとか好ましくないとか言われるけれども、好ましいとか好ましくないとかではない。これは法律違反なんです。しかも、輸出会議も日銀総裁が入っておる。それから産業別輸出会議でも、今岡部さんは盛んにごまかそうとされましたが、私はちゃんと閣議決定条文を持っているのです。政府委員を委嘱している政府の立法の機関です。そうじゃないというなら、私は条文を読み上げてもよろしい。  しかも、長官、これは通産省設置法審議しているから、私は大体この限界で申し上げておるのですが、まだたくさんあるのです。たとえば、大臣もはっきり覚えておいて下さい、治山治水対策協議会、経済懇談会、スポーツ振興審議会、賠償実施懇談会、租税徴収制度調査会、金融機関資金審議会、税制特別調査会、原爆被害対策に関する調査研究連絡協議会、日本国有鉄道幹線調査会、労働問題懇談会、臨時職業訓練制度審議会、身体障害者の雇用促進に関する重要事項について意見を聞く臨時委員、臨時経済技術協力審議会、ミツマタ需給協議会、漁業共済制度調査会、公安労働審議会、傷病恩給症状等差の調査に関する専門調査会、ざっと数えただけでもこれだけあるのです。法律違反です。これは。どだい労働運動に対して法律違反をやっちゃいかぬとか何かと言う理由はないのです。政府には。これは一体、長官、どうされますか。あなたは責任者として、即時やめられますか。
  23. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) これは相当今まで、今おっしゃったような数々のものがあるそうでありますが、これをどう扱うかという問題、私はこの問題は、さっき申しましたように、短期間の間で扱うものであり、それは閣議決定でやっていくというようなずっとしきたりになっているというふうに了承をいたしておったんでございますが、なお、この問題についてはよく研究をいたして、ごあいさつ申し上げます。
  24. 千葉信

    千葉信君 あなた、研究で逃げるわけにいかぬです。この問題は。長官、知らぬような顔をされましたが、さっき長官国家行政組織法に関して、これが国会の御意思でございますという形式上の答弁をされましたが、同じ二十六国会で、こういう今申し上げた審議会、協議会等を設けるのに、この第八条に違反しておる事実があるために、政府の方では、国家行政組織法改正案の中に、ただし臨時に設けるというものについては政令で設けることができるという条項を、お出しになったじゃございませんか。知らないじゃない。政府の方では法律に反することをちゃんと知っているから、そういう改正を行おうとしておる。それが国会修正されておるじゃないですか。削除されているじゃございませんか。そういう事実も、もし行政管理庁長倉が御承知ないとしたら、行政管理庁長官の資格が残念ながらないと判断するわけです。これは政府としては、はっきり法律違反という事実が明らかになった以上、こういう審議会、協議会を即時やめるか、さもなければ直ちに法律案を出してくるか、いずれかの方法、その二つのうちの一つしかないわけです。しかも、長官はこれの責任者です。どうされます。
  25. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ただいま申しましたように、これは私はこういうもののあることを知らぬじゃないが、知らぬような顔をするわけじゃございませんで、これはさっき申し上げましたように、知っておるわけであります。そうしてそういうふうなしきたりになってきておるということに、私は言い聞かされておったわけでございます。なお、そういうことはごまかす気持でも何でもないつもりでございますが、一体これをどうやっていくかという問題につきまして、さっきも申しましたように、これをとくと研究いたしまして、しかるべく善処いたします。
  26. 千葉信

    千葉信君 とくと研究されることは大いにけっこうです。しかし、明らかにこういう法律違反の事実が政府部内に、行政機関内にある以上、そんなにこれは悠長に待てる問題じゃないのです。研究されることもけっこうです。いろいろ相談されることもけっこうです。しかし、こういう法律違反の事実があるのに、政府がほおかむりをする日にちが何日も続いてはならぬのです。一体それに対して、政府の方ではいつまでに明確な態度を出されるか。この一つ一つの調査会、審議会等に対して、一つ一つ法律案を出されるか。さもなければ、また、この前否決になった、削除されたあの条文行政組織法の中に入れるということで提案されるか。さもなければ、いさぎよくこれらの審議会、協議会は違法なものだから、当然のことですから、政府として即時やめるという結論を出されるか。私はそんなに悠長にこれは待てる問題じゃないと思う。また、待たせるべき問題でもないと思うのです。いつごろまでに一体、長官、その結論を出されますか。
  27. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 何用何日までという区切りを今はっきり申し上げかねますが、今お話が出たのでございますが、私も研究することを申し上げましたから、いつまでもいいかげんにほうったらかさないで、すぐにも話を進めていくことにいたします。
  28. 千葉信

    千葉信君 それでは、長官に相談というのは僭上のさたですが、今通産省設置法審議しております。通産省設置法にも関係のある問題でございますから、従いまして、私どもその問題等についても、政府から了承できる答弁があるまでは、私はこの問題のこの件に関する審議は、政府の方から御答弁あるまではできぬと思うのですが、長官、それは了承されますね。
  29. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) それは、この委員会でおきめ願う問題だと思いますから、私の方から御返事することじゃないと思います。
  30. 千葉信

    千葉信君 長官の御意向だけを聞いているのです。
  31. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私は、これはこれ、それはそれとして、御審議願えれば、どんどん御審議を続けていただきたいと希望いたします。それだけ申し上げておきます。
  32. 千葉信

    千葉信君 お話は了解できますけれども、実際問題としては、やはり私はこういう疑点があり、こういう問題がある以上、やはり当委員会としては、この問題の明快な解決を待つのでなければ、その他の問題、その他の質疑等については私は不可能だと思うのです。これは委員会として、一つ委員長においてもこの点を善処されることを要望して、私は大体一応ここらでこの点についての質疑はとめておきます。
  33. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) 私からも追加して申し上げておきたいと思いますが、確かに審議会 協議会をどういう形式で設けるかということにつきまして、組織法が実はなかなか実際の実情に合わないという感じを持つておりますので、先ほど千葉委員の御指摘の通り、特に臨時または緊急なものについてはこれを政令で定めるようにしたいということにつきまして、御審議願った次第でございますが、その当時の御意向、国会における御意票、私の誤解だったといたしまするならば、失礼でございますから取り消しいたしますが、誤解しない、私が了解いたしました範囲におきましては、こういうことだったと思うのであります。すなわち、法律で設ける審議会、協議会というものは、これは恒久的なものであるから、これについては十分国会の御審議を経て定める。ただ。臨時緊急なものについては、従来閣議決定で定めていたという慣例がある。それをこの際政令で定めるというようなことにするとどういうことになるかというと、とかく政令で定めるものが多くなりはせぬかという懸念があることと、それから政令で定めるということは閣議決定と実際は同じことではないか、閣議で慎重に決定すれば政府で定めるとやっても同じことではないかというような御意向のように、何も改正する必要はないじゃないかというような御趣旨に承わったわけでございまして、私どももそういう趣旨を体しまして、従来通り閣議で設ける審議会につきましては、慎重に、できるだけこれはもう例外的なものでございますから、できるだけ慎重に審査をする。で、その数を少くする。それから期限も一定の期限を付しまして、半年とか、長くとも一年にいたしまして、期限が来ればどんどん整理していく。それから特に行政権の行使に影響を及ぼすような必置的な審議会というのは、これは法律に回すというような審議の方法を、実情といたしましてはやっておりますので、その上で、ただいま千葉委員からのお尋ねがございましたので、十分今後のこれのやり方につきましては研究いたすことにいたしたいと思います。
  34. 千葉信

    千葉信君 もし、今岡部君が言われた通り意見の者がかりにあったとしたら、それは国家行政組織法を知らぬやつの意見です。そういうものをあまり問題にして政府の方は考えない方がよろしい。
  35. 島村軍次

    ○島村軍次君 だいぶ時間も経過しましたが、総体的の問題で長官に伺っておきたいと思います。今回、各省設置法改正案が、従来になく非常にたくさん出ております。で、そのおもなる点は、ただいま千葉委員から御指摘になった部の設置の問題と、それからもう一つは、官房長の問題だと思います。  そこで、部の設置についての問題については、二十六年の行政組織法改正で一応明確に置くことができることになっておりますが、しかし、これはむしろ例外的であって、しぼって、きわめてまれな例に置くというのが筋だと思うのです。しかるに、さきに行われた行政簡素化の線で相当整理されたものが、この際復活するということには、国政の進展に伴って——拡大をなるべく抑制する、簡素化あるいは能率的というようなことも出ておったようでありますが、しかし一面から見れば、これは無理な縮小であったというふうな考え方もあったのではないかと思うのであります。しかし、われわれから見ますと、少くとも今日の岸内閣の政策として三悪追放を政策にお出しになっておるその根本をなすものは、やはりこの行政組織簡素化というものが、やがて国民の負担であるという大きな見地から、もっと強く整備さるべさであったのじゃないかと。具体的にいえば、部の設置がどうも少しルーズになっている感じがあるのじゃないか。そこで、鳩山内閣時代に行われたあの行政整理、行政機関の、行政組織法改正というものが、国政の進運に伴って少し拡大し過ぎるのじゃないか。むしろ、引き締めはこういう際におやりになるのが適当なときではないかというふうな感じをいたすのです。そこで、今回の部の設置については、もっとしぼって御提案なるべきではなかったかというふうにわれわれ思うのです。今後の各省設置審議の過程におきまして、たとえば厚生省の環境衛生部が局にまた再び昇格するとか、あるいはただいまの問題になっている通産省の二つの部が分れるというようなことは、岸内閣の基本政策に少し間違って、ルーズになって御提案になったのじゃないかという気がしてならないのです。国会意思決定するに当って、それらに対する長官のお考えをもう少しはっきりと一つ御解示を、まずお願いいたします。
  36. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今度行政機構改革各省から出ておりますのを集めます。と、相当多いとおっしゃるのは、私もそれを認めます。と同時に、これは私ども、ただ漫然と、こういう希望があったから片端から認めるということでなく、さっきからいろいろ申し上げましたように、根本においては今までのを減らすことはあっても、ふやすことのないようにして、そうして仕事能率を上げていくという線は考えなくてはならぬし、その線を堅持すべきでありますが、この行政整理を数回やりました後の、今日までずっと日本の国の全体の動きを見ますると、非常に業務の量がふえております。複雑にもなっております。これらのことを見まして責任ある体制をとらしめるということ、これは、ただいまお話のありました三悪追放の線からも私ども考えるのでございますが、それにはあんまり多くの人、あんまり多くの仕事の量を、簡単な組織であるということだけでやらしておりますると、目の届かないもの、能率の上にも悪いし、それから監督の上の、責任上監督していく上にも不十分であるというようなものは、この際われわれはもう少し責任所在を明らかにするとか、能率をよくするとかいうような線も考慮して、きめるべきじゃないかというようなことで、ずっと全面的に検討したわけでございます。お説のような三悪追放の線から見て、岸内閣の行き方と逆行するんじゃないかというお説、これは私は、そういうふうな方針を持っておるだけに、よけいその責任所在をはっきりするような形をとった方がいいんじゃないか、こういうふうに考えまして、お説のような心持も、私は全然同じような考えを持っておるのでございますが、現われたところで、非常にそろって出ますと、非常にたくさんあるのでございますが、一個々々御検討願って御了承願いたいと、そういうふうに考えております。
  37. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで、具体的の問題について、二つの部の設置とそれから官房長設置が取り上げられると思うのですが、そこで、前回においても私は意見を申し上げたのですが、その部という制度は、局とそれから課の間にあってのいわゆる中二階的な存在で、ただいまお話しになった責任所在を明らかにするとか、行政簡素化ということに反すると思うのです。私の考えでは。そこで、むしろ臨時的の制度であり、かつまた、これは暫定的なものであるというふうな考え方もなし得ると思う。と同時に、かえってこのために責任の所属がはっきりしない。次長があり、局長があり、そして課長があって、その間に部長が存在してくるということは、これはどうしても簡素化にかえってならぬと、こういうふうに考えられるのです。  そこで、将来、具体的に申し上げれば、まず第一に行政組織の問題は、岸内閣の今後の方針として、ずいぶん予算の膨張を来たしておるのでありますが、これ以上の行政組織複雑化はやらないと。なお進んで、行政整理までも及ぶというような基本方針を、今後お持ちになりますかどうか。従って具体的にいえば、この部の設置等については、将来はこの今回提案のが最大限度であって、今後は絶対にやらないという基本方針を、全く相当の慎重さを加えて、部の設置等は行わない、こういう前提でお考えになりますかどうか、その点を一つ伺いたい。
  38. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 原則的に、おっしゃる通りに私どもは思うております。これは長い、何回も行政整理、行政整理とやってきたために、かえって仕事能率化、責任所在というような点から、どうも少しいろいろな部を設けること、あるいは局を設けることにした方が、その解決の道になると思って、私どもはいろいろこういう提案をいたしたわけでございますが、これは私は、将来できるだけ拡大せずに簡素化ということを、さっきも千葉さんおっしゃったこの線は、私はどうしても守らなくちゃならぬ問題であると思います。これ以上にむやみにふやすということは、考えておるというべきものでも全然ないと思いますが、そういうことは考えておりませんです。また、できれば、もっと能率的なあり方、仕事のあり方を考えて、そして機構の整理をし、あるいは人員の増大を防ぐというようなこと等も、当然考えなくちゃならぬと思っております。  で、私ども仕事の上で考えておりますることは、いろいろな面で見ますると、役所、行政官庁において、いろいろ機械的なもの、機械を用いれば、もう少しむだが省けるんじゃないか、能率的でもあり、これ以上の機構の拡大を防ぐことができるのじゃないかというので、この機械化の方面についての調査研究も今進めておるようなわけでございます。御趣旨のような線に沿うて私どももやっていきたいと思っております。
  39. 島村軍次

    ○島村軍次君 なぜ私がこういうことを申し上げるかと申しますと、これは占領下におきまして、われわれも占領行政の、いわゆる進駐軍の機構にもずいぶん接してみましたが、向うのやっておる仕事の内容なりやり方については、ずいぶん学ぶべきものがあったと思うのです。で、またアメリカで行われたフーバー案なるもの等から考えますと、基本的に今の機構そのままでいけば、これは膨大するのはこれはもう当然で、安易だということを申し上げたのはそこなんで。ずいぶん書類の扱い、あるいは事務の扱いというものが、工夫をしてくれば、機構のあり方等については根本的に変え得べき筋合いがあり、またそうでなければならぬと思うのです。たとえば、外国の例を申し上げては失礼でございますが、局長課長があって、責任体制がはっきりしておるのは、給仕一人であって、事務能率が上っておる。そしてわずか一枚でカード式で仕事が運ばれておるというようなことが、日本行政組織はずいぶん調査の資料が非常に多くて、こうかんなもので、一つのものを運ぶのにも、実際にはわずかに要領をつかめば一枚で済むくらいのものが、何百枚というような資料を持たなければ結論が出ないというような組織が、すなわち日本組織じゃないかと思うのです。で、もちろん今日までずっと来た組織そのものにも長所もあったのであろうと思うのでありますが、私は別の意味で、鳩山内閣時代にやられた行政の何割減というようなものじゃなくして、もっと根本的な問題を考えて、やはり日本行政組織というものを考えるべきじゃないか。  そういう点を考えまするというと、官房長を置くとか、あるいは部を置くとかいうのは、これは実は枝葉末節の問題であって、基本的な考えを持てば、当然そういうような部を置くとか官房長を置くとかいうような、ずいぶん頭をひねられるような問題で、そして世間的にいえば、あるいはまた国民からいえば、複雑化するというような考え方が起きやすいような問題が、根本の問題の解決によって解消するのじゃないかと、こういうふうに思うわけです。  そこで、今回の機構改正、各部局の設置法改正が出ておりますが、その審議に当りまして、そういうあらかじめの構想を御研究にもなっておると思うのでありますが、大よそ今後はこういう、一例でおあげになった、機械力の問題が今出ましたけれども、何らかの成案を得る、研究された一つの基本方針長官のところで立てられるべきじゃないか、かように私は思うのです。その点いかがでしょうか。
  40. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) われわれとしては、国民の税金で仕事をしていく行政機構ですから、むだのないように、そうして能率的にしていくということは、これは当然考えなくてはならない問題でございまして、いつもそういう心がけで、私どもが元締めをやっていかなければならぬということは、肝に銘じておるわけでございます。今お話のありました天引きでなく、ほんとう仕事ができるような点において、きちんと、もう少し整理するものは整理し、そうして責任体制が明らかになるようにとおっしゃることは、全然私ども同感で、実際の下の方から積み上げて、どうやって、どういう程度日本機構であってしかるべきか、どういうふうにしたらいいかというものから積み上げて、その結果これだけのものが整理できるというふうに、下から持っていくという心持で、みんなと話し合い、その準備をいろいろやっておるところでございます。
  41. 島村軍次

    ○島村軍次君 しつこいようでありますが、岸内閣の基本方針としてあげられたこの政綱政策というもののうちに、さらに行政機関の整備拡充、あるいは簡素化行政組織の改善というような問題を、われわれの審議の過程におきまして一つの構想が御発表になる段階にまで参りませんか、どうですか。
  42. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) それは、ちょっと、今いろいろな調べを基礎的にやっておる途中でございまして、すぐには私は、こういうふうにしてこういうふうになるから、大体こういう方向だというものは、ちょっと出しにくいと思うのでありますが、私どもが、さっき皆さんからもおっしゃったような意味で、どうしても簡素化をはかり、能率化をはかるということによって、行政組織が改善される、そうして三悪の温床となるような悪というか、特に官吏汚職問題等の温床にならぬような組織に進んでいくということだけ申し上げられると思いますが、具体的にこういうふうにということは、しばらく御猶予願いたいと思います。
  43. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで、行政管理庁事務当局に伺いますが、具体的な問題をお考えになっておるアウト・ラインでもあったら、一つお示し願いたい。
  44. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) 抽象的に申し上げますと、一般方針として申し上げれば、ただいま大臣から申した通りでありますが、これを実施に移すにつきましては、実証的な資料の積み上げを必要といたしまするので、私どもの方の役所をあげまして、実際に官庁の事務流れ、すなわち事務処理の手続というものを、一つ一つ洗っていきまして、どういう点を簡素化していくことができるか、あるいは先ほども大臣から述べられました、こういう点について機械化によってどれだけ手続が簡素化し得るか、それによって機構がどういうふうに影響を受けるかというような点につきまして目下検討中でございますし、それからまた、上部機構といたしましては、民間企業においてもそうでございますが、トップ・マネージメントの改善及びミドル・マネージメントの改善ということが、官界民間を通じての今大問題でございますので、先ほど島村委員の仰せの通り、高いレベルの職員が明確な権限を持って機動的に仕事をするというような方向が正しいわけですが、一つ局長一つ部長が何十人の手下を持って、下から持ってくる仕事をしなければならないような形、すなわち局長といえば何十人の手下を持っているというような概念そのものがおかしい、トップ・マネージメントの改善、ミドル・マネージメントの改善というものは、そういうような点から考えていかなければならぬのではないか。そういうような意味において、今度の官房長というようなことは、まさに島村委員の仰せのような機構を有効に果し得る一つのやり方じゃなかろうかと、こういうように考えております。
  45. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで、今行政管理庁では、各地方にある監察局を動員されて、まあいろいろな監査もやっておられて、同時に、行政組織についての改善意見というものをお持ちになっておられ、具体的な問題について、行政機構が関連を持ってかくあるべしというようなことをお出しになっておると思うのです。これは末端の行政事務までも及んでおると思うのですが、あまりこうかんなものの必要はありませんが、一枚紙ぐらいで要領だけ書いて、一つ参考までに、この委員会へ要約したものを御提出を願いたいと思います。ぜひ希望を申し上げますが、いかがですか。
  46. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) 御希望に沿うようにいたしたいと思います。
  47. 八木幸吉

    八木幸吉君 だいぶ時間も過ぎましたので、なるたけ簡単に質問いたしたいと思います。今、島村委員長官との質疑応答でもうかがわれますように、長官としては行政機構の改革ということには相当の熱意をお持ちになっておるように拝察をするのであります。しかし、それを具体化するのにどうしたらよいかという点については、まだ成案をお持ちにならないように察するのでありますので、私はこの問題を推進する方法について二、三意見を申し上げましてそれの熱心な実行をお願いをしていきたいと思うのであります。  今、島村委員もちょっとお触れになりましたし、私も機会あるごとに申し上げるのでありますが、アメリカのフーバー委員会の報告は相当の示唆を持っておりますので、お忙しいでありましょうけれども長官としては一つ御検討をいただきたい、そういうことを第一にお願いを申しておきます。  それから、この前の委員会で、長官に、私、それと類似の、相当な費用と人員を持った組織日本で作られたらどうかということを申し上げましたのにつきましては、長官のお答えとしては、自分は行政機構はビジネス・ベースでやるというようなことを考えておるというお話もございましたし、日本機構上からいえば行政審議会というものがあるので、これを活用したらどうかというふうなお話もございました。ところが、御承知通り行政審議会は、鳩山内閣が第二十三国会委員の定員を十五人から二十人に増加をいたしまして、昭和三十年の十二月二十日に委員を多少入れかえまして、そして河野長官が中心になって、阿部氏が会長として、日本行政機構はいかがあるべきかということを御諮問になったのであります。そのときの河野長官方針としては、国民に便利を与えるような、かつ国情に適したように、全面的の改革を加える、こういったような諮問の要領でありまして、方針としては、人員整理はやらない、それから部、課等の末端組織の問題までは取り上げる必要はない、審議の途中でも有効適切なものは党と政府と連絡をして着々実行すると、こういったようなまず方針で、非常におせきになりまして、十一回か委員会を開いて、二月の二十三日に答申が出ております。その結果は、当時九戸二十六の課が、二割一分、数にして百九十二の課を減らした。やはり、結局天引き的な行政機構の改革になったのであります。  ところが、自来二年の間この行政審議会というものは開かれておらぬ。むろん、委員も任期が過ぎて、今では開店休業の状態になっております。そこで、先般長官が仰せられましたように、私はフーバー委員会のような、もっと大がかりなものを希望いたすのでありますけれども、今の、さしあたってすぐ実行する、すぐこれにかかるということになれば、やはり行政審議会の委員を御任命になりましてそうしてこれに着々日本行政機構はどうあるべきかということを御諮問になるのが、とりあえずとしては一番手っとり早いのじゃないか、かように考えるのであります。  ところが、この行政機構改革についての諮問を、河野長官のように、国民に便利なような、国情に適したような、しかし人員整理はやらないというような、早く何でもいいから結論を得るというようなことでは、ただいま島村委員も仰せられましたように、国民の希望いたしておる行政改革にはならぬのでありまして、私といたしましては、やはりどうしても、敗戦の結果、日本の国土が四割五分も減った、また国の富も非常に減少した、こういう日本の現実をまず直視いたしまして、国民の負担を軽減するという点に中心を置いて、機構をいかに合理的にこれを簡素化し、いかに行政能率を最高度に発揮するか、また同時に、公務員は国民全体の奉仕者としての本分をどうしたら達することができるかといったような数点を諮問の中心にいたしまして、行政審議会の活発な審議を希望いたすのでありまして、これにはやはり事務局というものを当然お置きになりましてそうしてその事務局に、きわめて有能な経験に富んだ専任の人を、数は多くなくても、これに全力をあげるという人を置いて、そうしてまじめにお調べになることが必要じゃないか。  私は、さらにもっと具体的に申しますならば、たとえば東京大学の田中二郎博士などは、政令諮問委員会の諮問事項の答申をわずか数カ月で上げられた方でありますが、これらも有力な一人の候補者じゃないかと、かように考えるのであります。私は天引きの人員整理というものは希望いたしませんが、しかし、現在一体人件費というものがどんなふうになっておるかと、こういえば、三十三年度の予算で見ますると、職員給与やその他の給与、旅費等を合せまして、これを予算定員で割ってみますと、大体そういったような人件費が、一人当り、三十一万六千円という平均の金額になります。ところが、この人に付随して物件費がどれくらいかかっているかといえば、十九万円余りかかりまして、つまり一人の公務員が国の費用としては約五十万円かかる、こういう頭でおやりをいただいたらいいのじゃないかと思います。  私、今申しあげました、行政審議会を早急に出発をさして、そうして今申したような目的のもとにこれの活動を開始するという点について、長官はどういうお考えを持っておられるかということをまず伺います。
  48. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 先日もこの問題についてお話を承わったのでございますが、私どもも自分の所だけでいろいろ下準備をしておる現状でございますが、いずれにしても、この行政審議会の活動をお願いしなければならぬと思うておりますので、今のようなお話の趣旨も含めまして、よく話し合いをいたしたいと思います。実行に移るように話をいたします。
  49. 八木幸吉

    八木幸吉君 早急に委員を任命して活動を開始するということにつきましては、どのようにお考えですか。
  50. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) その方針でやろうと思います。
  51. 八木幸吉

    八木幸吉君 次に、公共企業体の審議会の答申は、昨年の十二月の二十五日に出ております。これには、国鉄と専売並びに電電公社のあり方について答申がされておりますが、こういう答申が出ましても、これを政府の方で積極的にお取り上げになって、さらにこれの答申の線に沿って研究をするということでなければ、いたずらに答申を得ただけでは何にもならないわけでありますが、これについてはどういうふうに考えられますか。
  52. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) お説の通りでございます。私どもは、公共企業体の根本的改善ということで、どうしたらよいかということについての答申もいただいております。これは各関係長官、大臣にみな渡しまして、そうして各部門々々についての研究をしていただくということを申し渡して、これは各大臣に引き継いでおります。これは大きなひっかかりがありまして一つの問題でも解決が困難な問題がたくさんあるものでございまするから、なかなかどうも、こういうふうにやろうという話の出るような手順にはまだ至っておりません。しかし、各役所ともこれを何とかしたいということで、ああいう諮問をしたのでありますから、これを取り上げてみな研究をいたしております。
  53. 千葉信

    千葉信君 関連質問。石井さんに、これはまあ御注意になるかもしれませんが、今お話の出ました公共企業体制審議会そのものが、さっき申し上げた法律違反の範疇に入るわけです。従って、その審議会の結論そのものが法律上は無効だという事実もありますから、その点一つ忘れないようにお取り上げ願いたいと思います。
  54. 八木幸吉

    八木幸吉君 審議会の内容については、くだくだ申しませんが、国鉄の方も民営の方針を堅持というようなことが出ております。先般の寝台車の問題にいたしましても、また二百億からの資産が帳簿漏れになっておる、帳簿につけることが漏れておったというようなことを新聞で拝見しまして、これが民営の会社であれば、とても想像もできないような失態でありまして、十分一つこの線は積極的に、民営の方の答申を、審議会そのものは法律的に疑義があるそうでありますけれども、内容そのものについては一つ十分積極的に御検討いただきたいと思います。  それから、具体的な問題について二、三、私、御注文申し上げまして、質問を終りたいと思いますが、先般大蔵省から契約の方式についての資料をいただきました。その資料に載せております金額は一千九百五十九億四千万円の契約方式の内容があるわけでありますが、その中で随意契約が六六%二、指名契約が三〇%九、原則になっておる競争契約が実に一%八という低率になっております。そこで、行管の次の監察事項の二つとしてぜひこの契約形式が妥当であるかどうかという点をお取り上げを願いたいと存じます。  それからもう一つは、勧告の実現性についてでありますが、先般も食糧管理事務の勧告を私拝見いたしておりますと、行管の観測では、農業倉庫は相当設備のいいものもあるし、悪いものもあるので、これに等級をつけて、保管料に等差をつけて、なるたけいい方の保管倉庫に米麦を保管するようにしたならば品いたみがないから、そういうふうにしろ、こういう勧告が出て、私、はなはだごもっともだと思って拝見したのですが、ところが、食糧庁から最近いただきました資料によりますと、農業倉庫は、営業倉庫と異なって、級別はいたしておらぬ、保管料も従って一律である、こういう報告を見ますと、せっかく非常な費用と手数をかけて行管が勧告されたことも、相手の方では一向それを利用もしない、耳も傾けないということでは、何をやっておるかわからぬわけでありますから、これはどうか一つ実効がしるように、あるいは立法を必要とします。ならば、法制の上でも御検討いただくという点を長官にお願いをいたしておきたいと思います。  それから、政府の刊行物のことでございますが、政府刊行物の定期のものが今百七十、不定期のものが七十三、合計三百六十三あるのでありますが、この定期刊行物のうちには、月刊等もありますけれども、これがやはり各省まちまちに出しておる。そこで、形式もはなはだ違いますし、内容についてもいろいろ問題があると思いますが、少くともこういう定期刊行物を出すのは、行管の統計基準局で一本にまとめてこれをやる。そうすれば、費用も、手数も省けるのじゃないか。今までの段階では、とりあえず原稿を回してもらって、注文は統計基準局でやるというようなことも一つやっていただいたらどうか、かように考えますが、いかがでしょうか。
  55. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 公共企業体の調査報告、これの扱い方については、さっき申し上げたから、重ねて申し上げません。  契約形式の監査をしたらどうだということですが、これは、私どもも、行政管理庁といたしましても、契約の形式が、原則的には国の契約は競争入札でなくちゃならぬという大きな方向を示しておりながら、実際は今お話しのように逆でございます。非常に少いのでございます。これにはいろいろな説明がつくわけだと思いますが、できるだけこれは競争入札の方向へ進んでいくということで、われわれ現にもう監察をした中でも、こういう問題についても注意をしたものがあるのでありますが、こういう契約の形式、今後どういうふうにしてやり、どう改善すべきかという問題についての監査という問題を取り上げて、研究してみたいと思います。  それから、いろいろ興業倉庫に等差をつけて云々というような監察の結果があっても、実際に行わないという問題等、これはそのものの理由もいろいろあると思いますが、われわれの方で監査をいたして注意をいたしたものは、今はだいぶ用いられて改善をいたしておるのであります。重ねて、向うの言う意見とわれわれの言う意見と違う場合には、さらにまた話し合いをして、そうして少しでも改善をするようにしていくということで、今後もこれは続けていきたいと思うております。  それから、政府の刊行物のお話がございましたが、これは各役所が勝手勝手に何百も出しておったら、実にむだなことだということになりますが、また、一つ二つにまとめますと、必ずしも必要でない——必要でないこともないですが、知識を得ることですから、どんなことでもけっこうでございますが、部門々々のことであれば、ページ数も少くて、要領よくみんなに周知せしめ、発行部数を多く出すことができる。経費とにらみ合せて実効の上るようにということで、各役所それぞれみんなに知らしめる方法をとっておるわけでありますが、趣旨はごもっともでございます。むだで、こういうものとこういうものと合したらいいじゃないかというものもあると思います。現に私ども、これとこれとは出さぬでもいいじゃないかというようなものもあるようであります。これらは一つ、一ぺんよく、内閣の方が中心でございますけれども、私ども相談してやっていきたいと思います。
  56. 千葉信

    千葉信君 議事進行について。先ほど質疑応答の中にありました輸出審議会もしくは業種別輸出審議会等の関係についてですが、政府として一応の態度を検討されるわけですから、この問題は、他の審議会、調査会等とは別に、今回の通商産業省設置法の一部を改正する法律案に直接の関係を持っている問題ですから、行政管理庁長官の方から当委員会を通じて御回答できる時期等について、委員長の方で十分考慮の上、長官の出席方についてお取り計らいをお願いしておきます。
  57. 藤田進

    委員長藤田進君) なお、委員長理事打合会等をもちまして、御指示の点を協議いたしたいと思います。  暫時休憩いたします。    午後一時二十七分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————