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1958-02-27 第28回国会 参議院 内閣委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月二十七日(木曜日)    午前十一時三十七分開会     —————————————   委員異動 本日委員西田隆男君辞任につき、その 補欠として苫米地英俊君を議長におい て指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事      大谷藤之助君    委員            迫水 久常君            田中 啓一君            苫米地義三君            苫米地英俊君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            千葉  信君            矢嶋 三義君            島村 軍次君            八木 幸吉君   政府委員、    行政管理政務次    官       榊原  亨君    行政管理庁統計    基準局長    美濃部亮吉君    通商産業政務次    官       小笠 公韶君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君   事務局側    参     事    (委員部第二課    勤務)     川上 路夫君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君     —————————————   本日の会議に付した案件委員派遣承認要求の件 ○統計法等の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○通商産業省設置法の一部を改正する  法律案内閣提出)     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員異動について参事に報告いたさせます。
  3. 川上路夫

    参事川上路夫君) 御報告いたします。  本日、西田隆男君が辞任されまして、補欠として苫米地英俊君が選任されました。     —————————————
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) それでは、これより議事に入ります。  まず、委員派遣の件についてお諮りいたします。  昨年末以来実施保留となっておりました中部地方における自衛隊等実情調査のための委員派遣につきましては、このほど当初予定された方々の間で御協議がまとまったのでありますが、この際、本委員派遣を行うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めます。  それでは、派遣委員は、田中啓一君、永岡光治君及び鳥村軍次君、派遣期間、三月八日から十日までの三日間、派遣地、静岡県、愛知県及び長野県といたしまして、派遣要求書作成につきましては、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  7. 藤田進

    委員長藤田進君) 次に、先議案件であります統計法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、先日、提案理由説明を聴取いたしましたので、本日は、質疑に入るに先だち、まず、本案内容について説明を聴取することといたします。
  8. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) この法律案二つの部分から改正をお願いすることになっているのでありまして、一つは、統計官資格統計主事と同じものとするということでございます。この統計官と申しますのは、公けの便宜の職階の名前でございまして、進駐軍が参りましてからしばらくの間、初めのうちはこの資格要件法律できめていたのでございますが、その後その法律が修正されましたので、今までは便宜上統計主事と同じ資格要件でやってきたのでございますが、この際はっきりと統計法の中にこれをうたいたいと思うのであります。  第二点といたしましては、行政管理庁の中に統計基準局というものがございまして、それがもとは統計基準部ということになっておりました。それを先年改正いたされまして、統計基準局になったのでございまするが、そのとき一部、部長というのを局長に変えることをせずにそのままになっておりますので、これを機会に部長という名前局長ということにしていただきたい、この二点であります。
  9. 藤田進

    委員長藤田進君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  10. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 各省統計調査年度計画について、行管で総合的な検討をして大蔵省に折衝して、それで予算を決定したと、そういうことであると思いますが、そこで各省統計実態はどうなっておるか、それからこれがいかに利用されておるか、そういう点について、まずお伺いしたいと思います。
  11. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) お答えをいたします。統計基準局は、年度計画につきまして総合調整をして、総括的に大蔵省予算を要求いたします権限を持っておりません。そういうことはできないのでございますが、便宜的に大蔵省との間の約束によりまして、各省統計予算は、大蔵省に出しますと同時に、私たちの方にも提出していただきまして、それに対して覚書と申しますか、私たちの方の意見大蔵省に出しまして、大蔵省は私たち意見を参酌して予算をきめるという、一種の紳士協定みたいな形ができておりまして、予算及び計画について私の力で総合調整をするという権限は持っておりません。しかし、大蔵省は私たち意見を非常によく尊重してくれまして、大体において、私たちの方の意見と申しますか、方針に従って予算を決定しております。  それから、大体各省予算の問題でございますが、私たちの方で調べました結果といたしましては、各年度統計調査に関します予算は、全体額において、ほぼふえも減りもしない同一額を、ここ数年の間続けている状態でございます。従って、予算の方は増大の傾向をたどっておりますから、パーセンテージで見ますと、統計予算の割合はだんだん減ってくるという傾向になつております。  それから最後の、作りました統計がどれほど利用されているかという御質問でございますが、この点につきましては、どのくらいということを具体的に申し上げることはむずかしいと思いますけれども、いろいろ見ておりますと、統計行政その他に使われます範囲は非常に拡大していきつつあると思います。特に経済企画庁などの長期計画、その他の計画の樹立につきましては、広範に統計が利用されてきておりますので、各省庁における統計利用範囲、程度というものは、急速に拡大しつつあるというふうに考えて間違いはないかと思います。
  12. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 特に行管監察部林野庁関係国有林払い下げについていろいろ問題があるわけで、実情の把握について、そこでこういう問題があちこちにあると思うのですけれども、省庁内とか省庁間で、利用度とか総合的検討の場合、いかなる観点に立ってこれを決定されておるか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
  13. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 統計基準局といたしましては、各省庁におきますところの統計基準を作りまして調整をいたしまして、こういうふうに統計をとれということを言うわけでございます。そこで、その基準に従いまして統計をとりまして、その統計をどういうふうに利用するとか、どういうふうに読むとかいうのは、各省庁のお立場においてお読み下さると、こういうふうに御了解おきを願えればいいんではないかと私は思っております。
  14. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 本年度各省庁の統計力点は、いろいろなものがあろうと思います。省庁によって違おうと思います。そういう点について、概要でよろしいですが、お話し下さい。
  15. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 毎年、先ほど申し上げました各省予算について大蔵省メモランダムを出します場合に、どういう点に最も力点を置くかということを、冒頭に述べることにしております。それで、今年度の一番力点を置きました点は二つございまして、一つは一九六〇年、ちょっと二年先のことでございますが、人口——日本で申します国勢調査と、それから農業調査、それから住宅に関する調査と、これを世界の各国が一斉にできるだけ同じ企画でやるというのが、国際連合中心として計画が進められております。そうして、それのためのトレーニング・センターが、今年アジア地域の国々を中心といたしまして、東京で三カ月にわたって開かれるということにもなっておりますので、第一の力点、これは非常に大がかりな調査でございますので、もうことしから準備にかからなければなりませんので、その準備をするということが第一の力点に置かれております。  それからもう一つは、私たちの方で申します産業連関表というのでございますが、これはわれわれの計画は、昭和三十年度をとりまして、それを非常にこまかい産業部門ごとに分って、その各部門がどのくらいずつ生産して、その生産したものをどういう部門にどのくらい売ったかという詳細な表を産業連関表と申します。これがございませんと、ある一つ経済的現象が起った場合に、たとえば鉄鋼を増産しようという場合に、あるいは輸入がふえるという場合に、それが経済全般にどういう影響を及ぼすかということを具体的につかむことができませんので、この表は、長期計画とか、景気予測とか、その他経済政策を立てます上に、絶対必要な条件なんです。これを作ることを数年来努力しておりましたのですが、なかなか予算がとれませんでしたのを、今年はその予算をとって、産業連関表を作るということに第二の力点を置きまして、あまり多い額ではございませんが、七百万円でございますけれども、予算をつけていただく。  この二点が来年度統計調査におきましては最大の力点を置いた点でございます。
  16. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、地方公共団体統計組織の機構というものがあろうと思います。これはどのように整備されておるか。概要でけっこうです。
  17. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 地方統計組織につきましては、一番中心になっておりますのは、各県庁の中に置かれております統計吏員でございます。これは全体で三千名をちょっとこえておりますが、身分は地方公務員になっておりますが、全額国庫負担人件費をまかなっておりまして、この各県庁に置かれております三千数百名の統計職員が、各省統計調査事務を委託されて行なっているわけでございます。このほかに、農林省には御承知の統計事務所というのがございまして、これは一万名ちょっとこえる人数が配置されておりまして、これは農林省職員として統計事務に従事しております。そのほか厚生省、労働省、通産省、それぞれ出先機関を持っておりまして、その出先機関統計調査事務を行うことが多くございますが、しかし、統計調査組織自体といたしましては、各県に置かれております全額国庫負担でまかなわれておる統計職員と、それから農林統計事務所に配置されております農林省職員、これが純粋の統計関係地方統計組織だというふうに申し上げられると思います。
  18. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 今御説明によって、地方公共団体職員に対しては委託費によってその給与を支出しておる、こういうことが、統計重要性という点から考えて、組織体系検討が必要じゃないか、そういうふうに思うんですが、この点どうですか。
  19. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) その点は私たちも始終考えておりますところでございまして、理想を申しますれば、国家公務員として、国のほんとう機関として各地方統計調査機関を置くのが理想であることは、これは言うまでもございません。しかし、日本の現状から申しますと、どうしても統計調査をいたします場合には、町村役場と申しますか、町村役場を使いませんと、まだどうしてもできないのでございます。その点は、町村役場を使いますことによって弊害も生じますけれども、事実問題としては、町村役場を使わないで統計調査をするということが非常にむずかしい。それで町村役場を使います上においては、県——県庁というものが最も町村役場を使いやすい状態にありまして、国が直接町村役場吏員を使うということは非常にむずかしい。ことに調査員を任命する、ほんとうに一番出先調査員を任命するということになると、事実上町村役場に人選をまかすという以外に方法はございません。それで町村役場との関連という点におきまして、県庁を通ずるというのが現実の問題としては、今のところまだ一番いい方法だというふうに考えられます。しかしながら、今のお話通り理論としてはどうしても国の直轄の機関というもので調査をするという方向に進まなければならないということは、これは理論的にはその通りだと思っております。
  20. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 地方公共団体のうちで、負担できる所は別として、負担できない所では、一般事務と重複して非常に負担過重になるんじゃないか。そういう点が憂慮されるわけですが、そういう面について、実態についてお話を願いたい。
  21. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 統計調査に関しましては、今のお話のように、地方公共団体負担をかけるということは全くございません。それは人件費全額国庫負担になっておりますし、それから調査事務その他に要する費用も全部国が流しております。現実の問題といたしましては、逆に県自体統計がわれわれの方が負担しております人員を使ってやられるという場合の方が、ときどき起りまして、そのことがかえって大蔵省などで問題になるわけなんでございます。しかし、われわれの立場といたしましては、県ベース統計というものは非常におくれております。必要であるにもかかわらず、県自体行政のための統計というものは非常にとられておりません。国として県ベースのための統計というものもどうしても発達させる必要があると思っておりますので、国の統計調査に差しつかえない限り、統計事務というのは非常に繁閑がございますので、事務が非常にひまなときには、県自体統計のために若干使われるということは黙認しております。従って、負担がふえるということよりも、むしろ国県ベース統計を国の費用その他によって援助しているというのが、統計の部面においては実情であろうと思います。
  22. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 特に市町村になると交付税によってやっておる、そういうふうになると、いろいろ兼務が多くなると思うんです。統計事務兼務でやるということになって、自然に統計事務を惰性的にやるおそれなしとしないと思うんですけれども、その点についてはどうですか。
  23. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 兼務になっておりますのは、一人もございません。全部国が人件費をまかなっておりますので、専任のそれだけの人員を配置しておりますから、県の吏員が兼任になっておるということはないんでございます。それで、昔はその理論市町村にまで押し進めまして、全額国庫負担吏員市町村にも一人ずつ置くということをやっておりまして、非常に効果が上ったんでございますけれども、これは平衡交付金ができます場合に平衡交付金の中に入れられてしまって、国の全額負担統計専任職員というものを市町村に置けなくなっておるんでございます。そのために、市町村ベースでは兼務の者がその場合には非常に多くなりまして、そのために支障を来たすということもございます。それでございますから、私たちとしては、前のように、市町村にも全額国庫負担専任統計職員を置きたいということを熱望しておりますけれども、これはまだ実現するところまで行っておりません。
  24. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 特に末端事務に従事しておる人は、多くは非常勤職員であろうというふうに聞いておるのですけれども、そうなると、いろいろ職務内容からいって、給与等不安等も相当あるのじゃないか。そういう者に結局大事な統計事務をやらされるということは、憂慮されるわけです。そういう点はどうですか。
  25. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 今の御質問非常勤という問題は、おそらく調査員のことだろうと思います。調査員と申しますのは、国政調査なり、農業調査なり、工業調査なりが行われます際に、一番最末端になりまして、調査票を持ってそれぞれの対象を回って、それに記入させる、あるいは自分で質問をして記入するという役目を受持つ者なんでございますが、これはそれぞれの調査について、調査が行われるときにだけしか仕事がないものなんでございます。従って、これは調査が行われるときに、そのときだけ任命するというもので、非常勤と申しますか、そのために一般の民間の中から一定報酬を与えてやってもらうという以外にやりようがございません。もちろん、それを集めて常勤調査員というのを置くということも考えられますし、その方がよりいいとは思いますが、これには莫大な費用がかかりますので、なかなか実現できない。どこの国も、調査員調査ごとに任命して、そうして一定報酬を与えて、そうして調査が終ったらばおしまいにするという形になっております。しかし、そこで集めました調査票統計にまで作成いたします経過につきましては、すべて今の町村ベースにおいては、ほかの事務と兼任しておる人もございますけれども、非常勤を使うということは、全くございませんで、調査票が集まってから統計表作成するまでは、すべて専任職員にやらせております。ただ問題は、最末端調査員に対する日当が非常に安うございまして、一日今二百十円になっております。もちろんこれで八時間全部働くわけではございませんが、それにしても、二百十円というのはあまりに安過ぎますので、毎年大蔵省にその増額を要求しておりますけれども、何分調査員というのは、大きい調査になりますと、何十万人と使うものでございますので、なかなか増額ができないで困窮しておる次第でございます。
  26. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 今御説明のあった統計調査員ですね、それは日給は二百十円と聞いたのですが、これすら完全に支給されていないというような点を聞いておるのですが、そうなると、補助金適正化法という法がありますね、それに違反になることは明らかなんですが、そういう事実はありませんか。
  27. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) それはおそらく、私たちの聞いている限りにおいては、ございません。と申しますのは、二百十円ということで中央官庁から各県庁に流しまして、そうしてその二百十円が各調査員の手に渡るはずでございますし、もしそれが渡らなければ、途中で何らかの形における不正が行われているわけでございます。もちろん、その調査員に与えるべきものを途中でほかのものに使ったという事例が、今までの歴史になかったわけではございません。しかし、そういうことがあった場合には、厳重に警告しております。それから統計委託費は、今のお話適正化法の適用は受けないものだそうでございます。しかしながら、そういう懸念は確かにありますので、私たちの方は厳重に監督して、最近はもうそういうことはないと言って差しつかえないと思われます。かつては確かにそういうことがありまして、私たちの方も非常に問題にしたことがございますが、今はないと申し上げていいと思います。
  28. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 これの関係で、統計審議会というのがあろうと思います。それの立場とか使命ということについて、御説明を願いたいと思います。
  29. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 行政管理庁統計審議会というのがございまして、これはただいまは有沢廣巳氏が委員長をしておりまして、東畑先生、それから中山先生、東大の山内先生、それから各省統計調査部を持っている部長委員になって、毎月一回、これは政令によって毎月一回必ず開くということにきめられております。これは諮問機関でございまして、重要な問題については行政管理庁長官諮問に答えるという任務を持っております。それで、これは、ただいま申し上げましたように、毎月一回常時開かれまして、重要問題につきましてはほとんどすべて御相談をいたしまして、そうしてその御意見にできるだけと申しますか、ほとんど全部従うということにしております。
  30. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 今度の改正で、もしこれが通れば、統計官資格ということがきまるわけですが、この資格があって統計官になる場合ですね、いろいろ業務の違った場合、いろいろ研修とか講習ということが特に持たれるのかどうか、そういう適正な方法をば考えられているのかどうか。
  31. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 統計研修につきましては、総理府統計局統計職員養成所というのが、半カ年の修学期間で開かれることになっております。これはもう数年来続けられました統計職員養成機関で、今は私はっきり数字は覚えておりませんけれども、千人をこえる卒業者があるので、ここには非常に優秀な先生方にも来ていただきまして、ここを卒業すればりっぱな資格を備えるということになっております。それから、そのほかにも、統計官というよりは、むしろ吏員でございます統計主事研修のためには、中央でも研修をいたしておりますし、また各地方も、私たちの方が援助して、県々でそういう講習会を毎年一回ないしは二回開く県が非常に多いようでございます。それでございますから、研修につきましては、統計については整い過ぎるくらい整っていると言っても言い過ぎではないと思います。
  32. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 統計法の十五条第二項の規定について、具体的な場合を一つ伺っておきたいと思います。
  33. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) この規定は非常に統計法の中でも実は大切なものでございまして、指定統計になりますと、一般国民申告の義務がございますし、それから虚偽の申告あるいは理由なくして申告を拒否する場合には、罰せられることになっております。それだけ国民負担をかけますので、それに対応いたしまして、官庁の側といたしましては、個票秘密を守ると申しますか、答申したことから不利な影響一般国民には与えないということを確約する必要がございます。それで、もちろん職務上知り得た秘密を漏らすということも罰せられますけれども、それ以上に、個票統計表作成する目的以外に使う場合には、使ってはいけないということを厳重に規定しておるわけでございます。その場合に、統計作成目的と申しますのは、私たちは非常にできるだけ狭く解釈をいたしまして、たとえば国勢調査のための個票であったならば、国勢調査を作るということ以外には使えないというふうにあれしております。  ところが、その個票をほかの統計を作るために使うという場合がしばしば出て参ります。たとえば国勢調査個票を使いまして、ある県の人口の増加の速度をはかりたいとか、日本の特別な女の妊孕率をはかるとか、初め予定いたしました以外、国勢調査以外に使われる。しかし、その使われ方はやはり別の統計を作る、しかもそれは有用であるという場合などが出て参ります。そういう場合には、行政管理庁長官の許可があれば使ってよろしいということになっております。しかしながら、われわれのプリンシプルといたしましては、そういうふうにほかの統計を使う場合には、事後でも、場合によっては許す。しかしながら、一般行政のために使うという場合も出て参ります。これは、指定統計承認を得ますときにそういう条件を付して承認を得て、そして統計をとるときにそういうことにも使われるということが調査票に明示されておる場合は許しますけれども、一般行政的に使われるという場合には、もう、一ぺん調査が行われた後には絶対に許さないというプリンシプルをとっておりまして、この点に関しましては、特に厳重な態度をもって臨んでおります。
  34. 島村軍次

    島村軍次君 この説明によりますと、総理府の中にある……。行政管理庁がその権限統計基準局長に委任することができるというようなことが、統計法なり行政組織法にあるようですが、承わりたい点は、総理府にある統計局構成人員というものは今どのくらいかということです。  それから統計基準局というものは、一体どういう仕事をやって、そしてどういう構成になっておるのか。われわれもしろうとですからよくわかりませんので、その点を一つ説明を願いたいと思います。
  35. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) お答えいたします。統計局につきましては、私はっきりした数字を覚えておりませんが常勤専任職員が約九百人ぐらいで、非常勤が千七百名ぐらい、合計して二千六百名——二千五百名をこえるという人員だと思われます。  それで、今の御質問統計基準局統計局との違いでございますが、統計局は、各省に所属しない統計調査を実際に行う機関でございまして、具体的に申しますと、国勢調査とか、労働力調査とか、家計調査とか、物価調査とか、消費者物価調査とか、そういう実際の調査を行なっておりますのが統計局でございます。  それから統計基準局は、ただいまのところ人員が四十二名おりまして、これは実際の調査には全然触れません。各省の行います統計調査総合調整をすることが職務でございます。それで、総合調整をいたします手段といたしましては、官庁の行います統計調査は、すべて事前に統計基準局承認を得ることになっております。承認がなければ、官庁統計調査はできないという建前になっておりまして、われわれは官庁の行おうとします統計調査をすべて厳重に検査いたしまして、それが正確に行われるかどうか、最小の国民負担で最大の効果が上るかどうか、それからほかの統計との比較ができるようにできているかどうかというような点を検討して、一々承認を与えます。そうして承認を与えますと、承認番号というものがつきまして、承認番号のないものはつまりもぐりの統計調査だということが国民にわかるようになっております。  それでございますから、一言で言うならば、統計局は実際の統計調査を行う役所でございますし、統計基準局各省の行います統計調査総合調整をすることを任務とする役所であるというふうに申し上げていいと思います。
  36. 島村軍次

    島村軍次君 大体の大分けのところはわかりましたが、内容を拝見してみますと、統計法のうちには基準局に委任するような事項がだいぶあるようです。そこで、そういう委任する事項と、みずからやる仕事との区別は、うまくつけ得るのですか。
  37. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 少し御質問の趣旨がわかりかねるのでございますが、長官が統計基準局長に政令に基いて委任できる権限というのは、指定統計及び統計報告調整法に基く承認権限でございます。これは非常に技術的な、専門的な知識を必要といたしますので、ほかの国の法律にもございますのですが、そういう非常に専門的な技術を備えた人でないと果して承認していいものか悪いものかわからないということから、その権限はそういう専門的知識を備えている統計基準局長に委任することができるという規定を特に統計法に入れたわけなのでありまして、そのことはほかの業務と何ら差しつかえなく、結局、指定統計及び統計報告調整法に基く承認は、統計基準局長限りの判で済むということになるわけでございます。しかし、それだけに責任が重いわけでございますから、慎重に承認を与えるということになるわけでございます。
  38. 島村軍次

    島村軍次君 統計局内容についての説明はただいまお話がありましたが、そのうち、常勤及び非常勤と、こうなっているようですが、非常勤というのは調査員のことですか、あるいは臨時の職員という意味ですか。そうしてそれは、今度定員法の改正についてはどういう関係を持つのですか。
  39. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 非常勤の人の多くは、集計の計算をいたしましたり、それからコーディングと申しまして、分類をいたしましたり、そういう職務をする人たちでございます。それは大きい調査、たとえば国勢調査のような調査が始まりますと、急に増大いたしますし、それがないときには減るという、非常に増減の激しいものでございますので、非常勤になっております。それで今度の定員法の改正によりまして、その非常勤のどのくらいの部分か私存じませんが、相当の部分が常勤に変るという話を聞いております。それは、そういうふうにして集計事務に当る者を非常勤という形で置いて参りましたのですが、だんだん統計調査その他が複雑になって参りますので、その非常勤のうち、今の統計調査の増減によって減ったりふえたりしない部分、いつでも要るという部分がだんだんふえて参りましたので、その部分を常勤に変えたのだろうと思われます。
  40. 島村軍次

    島村軍次君 そうすると、あなたの御所管ではないわけですね。
  41. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 私の所管ではございません。
  42. 島村軍次

    島村軍次君 それからなお続いて、今度の改正統計主事と同じ資格を持たせる、こういうことのようですが、現在の統計官というのは、その資格を持っていないのですか。国家公務員法の資格はある、しかし何条かによる統計主事資格はないものか。それから資格は、何条によって、たとえば長年勤務しているというようなことによって、全部の者が今度の法律改正によって吸収し得る、で、直ちにその者はその資格要件を具備した者になる、こういうことですか。
  43. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) その点は、前に、昭和二十五年までは統計官統計主事と同じ資格要件を必要とするというふうに、統計法に書かれていたわけなんでございます。それが二十五年の改正のときにGHQの方の示唆によりまして、こういうことは国家公務員法の規定によって定めるべきものだというので、私たちの方は、統計官統計主事と同じ資格要件を要るものだとして法案を出したのでございますが、削られて、国家公務員法の規定によりということになったわけなんでございます。それで、それを受けまして人事院規則ができまして、そうして暫定的に統計官統計主事と同じ資格要件を必要とするのだという規則が一時出たわけなんでございます。ところが、国家公務員の職階制に関する法律が出まして、これは職級ではなくて、便宜上与える名前であって、それは人事院がきめないで各省にまかせるべきものだということで、人事院規則も廃止になったわけでございます。それ以後、一応形式的には、統計官資格要件というのは法律的にはないということになったわけなんでございます。  しかしながら、それを任命いたしますのは、各省の長が任命できるわけでございますから。勝手にしようと思えば勝手に任命できますけれども、今までの歴史その他から、任命しようとする場合には、私たちの方に相談もございますし、各省とも前と同じように、統計主事資格要件と同じ資格要件を備えた者を任命しているというのが事実だったわけでございます。しかしながら、そういうふうにいつまでもほうっておくのは非常にまずいわけでございますから、この際統計法の中にきちんと統計主事と同じような資格要件規定したいというわけでございます。それでございますから、こういう資格要件統計法の中に規定いたしましても、今まで統計官に任命されました者は、ほとんどすべてこの資格要件を備えているものだといって差しつかえない状態になっております。
  44. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 統計基準局は、各行の行う統計の元締めというわけでございますか。つまり、それの基準を指令するといったような立場におられるのですか。
  45. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 指令するという立場ではございません。つまり、統計調査をやろうとすれば、われわれの方の承認を得なければなりませんし、ここはこう変えろということは言えませんけれども、こういうのでは指定統計承認を与えることができないといえば、やはり変えざるを得なくなります。ある意味においては、各省の行う統計調査の総元締めだというふうに言ってもいいかと思われます。それですから、ごく簡単な言葉で言うならば、統計における法制局のような役目をしているというふうに御理解願っていいのではないかと思います。それからもう一つは、基準を設定するという任務がございまして、たとえば産業分類とか職業分類とか、そういう分類をきめるとか、あるいは統計調査に使われます定義はこうしなければならぬとかということをきめるわけでございます。それも、こうしろときめましても、こうしろということはできませんけれども、そういう定義なり分類なりを使わなければ、指定統計なり統計報告調整法の承認を与えないという消極的の意味において、そういうきめました基準を強制する能力は持っておるわけでございます。
  46. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 そこで、各省でずいぶんたくさん統計仕事をやっておられますが、全体で何人くらいの人数と予算を使っておられますか、事業費と人件費を寄せて。
  47. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 予算の方は、人件費が、この統計職員とそのほかのと非常に明瞭に区別できませんので、あまりはっきりとできませんが、人件費を入れませんで、毎年約十八、九億でございます。それから人件費を入れますと、二十五、六億でございますか、その見当でございます。  それから、人員は、ただいま私はっきりと覚えておりませんが、ごく大ざっぱにいってどのくらいになりますか、二万人足らずだと言って差しつかえないと思います。一万五千人から二万人の間でございましょう。
  48. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今、総理府統計局お話がありましたけれども、定員は約九百名、そのほかにまあ相当非常勤職員がおる。それから、たとえば農林省には、御承知の通り地方統計調査事務所、一万一千人以上おる。そのほかに非常勤がおる。あるいは農林省の本省経済局には水産統計だとか、農林統計、作物統計、労働省には御承知の通り労働統計調査部があるし、厚生省には厚生の統計調査部があるというふうに、まあ統計という字のはっきり出てるのもあれば、統計調査といったような項目で各省に出ております。各省の本省の中央人員の約平均して一割五分ぐらいがこういったような名目で、これが各省にわたっておる。  そこで私の伺いたいのは、今かりに資料をお持ちでなければ、あとで御訂正いただけばけっこうですけれども、指定統計などという厳格な意味での統計と、いわゆるそうじやない、もう少し広義の統計との、全各省庁局にわたって、何人ぐらいでどれくらいの一体予算を毎年使っておるか。と申しますのは、私が、相当各行の統計事務というものがダブってるものがあるんじゃないか、これは簡素化しなくちゃならぬ、こういう観点で伺うんですけれども、その資料を御提出いただきたいということが一つ。  それから、もう一つ伺いたいのは、統計の正確度ですね。たとえば食糧統計等にいたしましても、相当多くの、今申しましたように、農林省では人を使っておる。ところが、各府県でやっておるこれでも、やはり相当の調査をしておる。その帳じりがみんな合うかというと、相当大きな差がある。それは一体どこからそういう不正確が出てくるか、これを正確にするのにはどういうふうな方法を考えているのか。まあ食糧を例示的に申し上げますけれども、その正確度を保つためのお考えはどういうふうにお持ちでしょうかということをお尋ねします。
  49. 美濃部亮吉

    政府委員美濃部亮吉君) 初めの資料はさっそく調べて提出いたします。  それから訂正いたしますが、統計局非常勤と申しましたのは、これは正確に申しますと常勤労務者でございまして、正確に申しますと非常勤というのは誤まりでございますから、御訂正いたします。  それから、あとの御質問でございますが、正確度の問題は、これは非常にむずかしい問題でございまして、同じような定義で同じ時期に調査いたしました数字が相当食い違うということは、これは否定することのできない事実でございます。たとえば、一番顕著な事例は、就業労働者数であるとか、失業者数であるとか、あるいは産業別の従業者数であるとか、あるいは家族労働者の数であるとかいうふうなものが、相当多く食い違います。これはいろいろなところから原因が出て参りますが、一つは、悉皆で調査するものとサンプルで調査するもの、つまり全部に当るものと代表的なものを抜いて取るものとは、どうしても違うということでございます。それから、同じく悉皆と抽出でございますが、全部を調べます場合には、どうしても調査員が、できるだけ訓練はいたしましても、全部の人間をどこかに入れなければ帳じりが合わないわけでございますから、どこかに入れようという努力を知らず知らずの間に調査員がするわけでございます。それから、一つの部分調査でございますと、多くのものからそれだけを取り出しまして、あとはほうっておけばいいわけですから、人間でございますから、めんどうくさいもので、取り方が少くなるわけでございます。それが今度悉皆調査ですと、みんな分類しなければならぬもので多くなる。それから代表だけをやると少し少くなるという傾向が、どうしても出て参ります。それから悉皆調査の場合ですと、非常に数が多くなりますし、調査員もたくさん雇わなければなりませんもので、割合に不熟練なものをたくさん雇うということになりますが、抽出調査の場合ですと、調査対象も少いし、それから多く抽出調査のときには毎月いたしますもので、だんだんなれてきて非常に熟練者が、相当な熟練者を使うことができる、という調査員の熟練、不熟練からも違いが出てくるわけでございます。  それで、私たちの方では、そういうふうに数字が違ったときにどうするかということが、これは大問題で、同じ官庁、政府が一体違った二つ数字を出していいのか、一本にすべきじゃないかという問題があるわけでございます。私は一本にすべきでないという説でございます。と申しますのは、とにかく統計というものは正直なものでなければならぬ。出てきたものを調整をして、そうして一本にするような、何と申しますか、それが理論的に一つにする確定的な基礎がございますればいいんでございますが、どちらが正しいかということはなかなか判定しにくいものですから、それを何と申しますか、そういうほんとうの基礎なしに両方に手を加えるということは、よくない。それで、統計というものに誤差があるということは、これはしようがない事実で、真理そのものは統計というものが決して表わすものでなく、誤差というものは必ずあるもので、それだから、その誤差を正直に出すと、そうしてそれは利用者にまかせると。それはある程度においては利用者を迷わせるということもございますけれども、それはこういうわけで違うのだという説明をできるだけ詳しく書いて、そうして違うなら違ったように正面に出すべきだというふうに私は考えております。しかし、それがあまりに利用者をまどわす可能性が多い場合には、どっちかを発表しないというふうなこともいたしたいと思っておりますけれども、それからまた、できるだけは同じような調査数字は同じに出るように極力努力はいたしますし、それが違いました場合には、なぜ違ったかということをとことんまで突きとめて、そしてその次にはそういう違いが、出ないようにはできませんけれども、できるだけ少くするように努力するというふうにしております。が、やはりどうしても出て参ります。
  50. 藤田進

    委員長藤田進君) 他に御発言もなければ、本案については、本日はこの程度にとめます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  51. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記を起して下さい。     —————————————
  52. 藤田進

    委員長藤田進君) 次に、同じく先議案件であります通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、さきに提案理由説明を聴取いたしましたのでありますが、本日は、まず本案内容について説明を求めます。
  53. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) 設置法の一部改正法案に関して、簡単に御説明を申し上げます。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案の要綱というものをお配りしてございますので、これによって御説明をいたしたいと思います。  今度の改正をお願いいたします項目は、四項目でございます。第一は、通商局に振興部を設置したい。で、部を設置する際に、意匠に関する事務の一部を通商産業省に加えたいということでございます。現在、通産省には、内局として九つ局がございます。しかし通商局は、そのうちで飛び抜けて大きな世帯でございまして、四百人以上の人間がおりまして、課が十五あるということで、これの業務の管理につきましては、現在でも非常に困難いたしております。  で、通商局の仕事は、大まかに申しまして、三つの仕事がございまして、一つは貿易の管理に関する事務、すなわち輸出の承認とか、あるいは輸入の外貨の割当というような貿易管理に関する仕事と、それからもう一つは、通商協定の締結でありますとか、あるいは通商に関する調査でありますとか、そういった仕事、それからもう一つは、輸出振興に関するいろいろの施設を運営する仕事、すなわち通商に関する団体の指導監督でありますとか、あるいは輸出保険、これは国営でやっておりますが、その特別会計に関する仕事でありますとか、あるいは輸出品の検査でありますとか、そういった輸出の振興の施設に関する仕事が三つございます。最初に申しました貿易の管理に関する仕事及び通商協定あるいは通商の調査に関する仕事というものは、これは、両方一応違った仕事でございますけれども、非常に密接に関連をしておりまして、切り離すことが困難でございます。従って、従来次長が二人おりまして、貿易振興の問題等を含めて局長を補佐して参ったわけでございますが、そのうち、貿易管理と通商振興の仕事だけは、ややほかの二つ仕事と異なっておりますので、これだけを切り離しまして、振興部というものを作りまして、部長として専任に所管をしてもらいたい、こういうふうにわれわれは考えたわけでございます。  それで、今度この国会にすでに提案されております日本貿易振興会法案というものがございますが、従来貿易振興の中核団体をなしておりました海外貿易振興会というものを改組いたしまして、日本貿易振興会というものを作り、それによって貿易振興の仕事を画期的に強化したい。予算も本年度十二億の予算でございますが、それが十七億ばかり、四割ぐらいふえまして、非常に貿易振興の仕事がふえましたのと、それから先ほど申しましたデザインに関する仕事を取りまとめて、大いに推進したいということ、この二つ理由から、あらためて貿易振興部というものを一つ作りたいということで、提案を申し上げたわけであります。  それから第二は、軽工業局にアルコール事業部というものを設置したいということで、これは現在通産省でアルコールの専売をいたしております。工業用のアルコールでございますが、専売をいたしておりまして、その業務が軽工業局の所管になっているわけであります。で、現在は組織令にアルコール事業長というものを規定いたしまして、それが事実上専売関係事務を総括しています。今回それを設置法の中で、はっきり部という形に独立させた方がいいということで、そういうことをお願いすることになったわけであります。これはアルコールの専売が他の一般行政事務と全然異なりまして、工業用アルコールの製造あるいは買い上げ、あるいは販売、あるいは他の用途への流用の防止というような、一般行政事務と全然異なった仕事でございまして、これを一人の主任者がはっきりした権限をもって管掌するということが、事業の性質上適当であるというふうに考えまして、そういう関係で新しく設置法上の部としてお認めを願いたいと、こういうことであります。  それから第三番目は、金沢の繊維製品検査所に高岡支所というものがございます。これは富山県高岡市にあるわけでございます。繊維製品検査所と申しますのは、輸出用の絹人絹織物というものを検査いたしているところでございますが、富岡支所の所管する業務が非常にふえましたので、あらためて本所に昇格したいということであります。本所と支所との違いは、本所におきましては、検査で合格せしめることについて、若干疑点がありました場合は、所長の決裁でその場で決定ができますが、支所の場合は、一々本所まで伺いを立てなければならない。場合によっては、現品を持って行かなければならないという点で、非常に不便であります。金沢と高岡との間は、汽車で三時間ぐらいかかるそうです。非常に地方の方が不便を感じているということで、本所に昇格したい、こういうことであります。  それから第四番目は、特許庁に工業所有権研修所というものを作りたいということでございます。特許庁は最近非常に出願がふえまして、事務が渋滞をいたしておりまして、その点で国会からも常に御注意を受けている。われわれの方も何とか早く事務を処理するようにしたいということで、ここ数年非常に増員いたしまして、四、五年前まで七百名程度の職員が現在九百四十名をこえるということで、ここ数年非常に急激に増加してきた。増加した人員も、ほとんど大部分が審査官という特許の申請の審査をする職員でありますが、相当高い技術的あるいは法律的な訓練が要る仕事でございます。従って、特にそういう新規の採用者に対して訓練を強化する必要がございます。なお、最近技術が非常に飛躍的に進歩いたしておりますので、従来の審査官あるいは審判官に対しましても、補充的な教育を強化する必要がございます。そういった関係で新しく工業所有権研修所というものを設けて、人員その他は現在の特許庁の人員から流用いたしまして、ただ専門の方をそれぞれ講師として依頼するために、若干予算を計上されましたので、研修所というものを作りたいということでございます。  なお、最初に申しました意匠の関係仕事を通商局にまとめますために、従来特許庁に付属してございました意匠奨励審議会を本省の付属機関に直すということが、これに加わっております。  以上、五項目の今回の設置法改正の要点でございます。
  54. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ちょっと、資料要求が二つあるのです。  大体今の御説明でわかったのですが、簡単な資料でよろしいのです。最近——最近というか、近年ですね、近年の工業所有権出願の件数、内容の動向がほぼわかればよろしいから、簡単なものでけっこうです。それをお願いいたします。  それからもう一つ、デザイン、意匠で最近ちょくちょくトラブルを耳にするのですが、そういう状況はどういう状況にあるか。しいて資料として出されなくても、数字をもってお答えできるように御準備しておいていただきたい。これだけお願いしておきます。
  55. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) 第二項目のデザインのトラブルというのは、輸出関係のことでございますか。
  56. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ええ、そうです。
  57. 藤田進

    委員長藤田進君) 本案質疑は次回に譲ることにいたします。  他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会      —————・—————