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説明員(
松隈秀雄君)
平林委員のお述べになりました
たばこというものは、相当大きな
消費税を負担しておるところの物資である。従ってその
消費量を推定するのには国民のふところ工合と申しますか、国民所得の消長から割り出して、
消費性向というものを判断すべきであると、こういう理論に対してはごもっともであると
考えております。ただ実際問題といたしますと、今
監理官も述べられたように、その方程式を見つけることが今日の状態では非常に困難でありまするので、まあ安易な
方法といえば安易な
方法でありまするけれども、先ほども申し上げましたように、
数量と十本
当りの
単価を
予算編成時における最近の一カ年といったような
実績をとらえて、それに国民所得の消長であるとかあるいは景気の好況、不況といったようなことを加味しまして推定を加えて、
数量並びに
金額を
予算しまして積算して出すと、こういうことをやっておるわけであります。
なお、国民所得との関連において算出いたしますことが非常にむずかしいのは、過去におきましても、
たばこの
収入金額、従って
益金が大幅に動いておる例があるのでありまするが、そういう場合においてはピースを中心とする上級
たばこが比較的よく売れるかどうかということが十本
当り単価に響きまして、そのことが
益金をかなり左右しておるわけであります。最近におきまして
専売益金が比較的好成績をおさめておるというのは、ピースの
売れ行きが予想以上によろしいということでございます。従って明
年度においてもこれが今までのような上昇カーブで続くであろうか、いつかはその上昇がやまって横ばいになり、あるいは下向きになりはしないかと、こういうことの判定をすることが非常にむずかしいわけであります。
なお、
たばこの
消費の状況を見ておりますというと、景気、不承気が影響するわけでありまするが、どうもその影響はほかの物資と違いましてすぐに響くというよりは、半年以上遅れてくるというような傾向がございます。そこへもってきて、先ほど
監理官から述べられたこの所得税の減税というようなファクターが
一つ加わっておりますので、ピースの
消費状況がどうなるであろうかということを判定する上において非常な困難を感じまして、一応現在売れている状態が横ばいでいくであろう、下ってもわずかな下り方であろうというようなことを中心に、それから新しく売り出しました「みどり」とかホープとかいうものの伸びというようなことも勘案いたしまして、
益金の算出をした次第でございます。
なお、それならば来
年度においては本
年度よりも
予算的に五十数億円の増を見ておるのであるが、果してそれが確保できるかどうか、こういう見通しでありまするが、これにつきましては、
予算に見積られた
益金は、できるだけこれを達成するという気持を持って努力をいたさなければならぬことは申し上げるまでもないところでございます。昨年から
専売公社といたしましては
販売面におきましてセールス・プロモーションという新しい
販売員の教育方針、同時にそれが
販売促進運動につながるわけでありまするが、それに着手いたしましてこれがだんだん三十三
年度において効果を表わして参ると、かように思うのであります。従来小売店は
たばこを置いておいてお客が来たらば売る、こういう受けて立つというような面が多かったのでございまするが、進んで
たばこを
消費者に売っていく。こういうような積極面を出す、こういうようなことのために
公社の
たばこ配給の、配給に当る者の頭も切りかえ、同時に小売店の人にもそういう気持になってもらう。こういうような運動を
公社、小売人一体となって進めて参る、こういうようなことも
考えておりますが、単にそれのみではございませんが、少くとも
販売面に従来以上の積極性、新味を盛り込んで、予定の
専売益金はぜひ上げたい、こういう決意を持っておることだけは申し上げることができると思っております。