運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-04-24 第28回国会 参議院 商工委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十四日(木曜日)    午前十一時二十一分開会     —————————————   委員の異動 本日委員野溝勝君辞任につき、その補 欠として岡三郎君を議長において指名 した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     近藤 信一君    理事            青柳 秀夫君            高橋進太郎君            阿部 竹松君            相馬 助治君    委員            小沢久太郎君            小幡 治和君            古池 信三君            小西 英雄君            高橋  衛君            三木與吉郎君            椿  繁夫君   国務大臣    国 務 大 臣 石井光次郎君   政府委員    北海道開発庁総    務監理官    中平 榮利君    科学技術政務次    官       吉田 萬次君    科学技術庁原子    力局長     佐々木義武君    通商産業省鉱山    局長      福井 政男君    通商産業省石炭    局長      村田  恒君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    北海道開発庁事    務次官     池田 一男君    北海道開発庁主    幹       桑原 幸信君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員長報告石油資源開発株式会社に対する国家  投資の請願(第二八号)(第一〇二  号)(第一三三号)(第一三四号) ○東北地方家具工業東北開発公庫  の融資対象事業とするの請願(第一  四二号)(第六七二号) ○工業技術院産業工芸試験所東北支所  の拡充強化に関する請願(第一四三  号)(第六七三号) ○東北開発事業費国庫補助増額等に関  する請願(第一五二号) ○熊野川電源開発促進に関する請願  (第一九一号) ○水調査事業委託費増額等に関する請  願(第一九二号) ○日中貿易振興等に関する請願(第一  九三号) ○九州地方開発推進に関する請願(第  二一一号) ○信用補完制度拡充に関する請願  (第二八一号)(第六一六号) ○東北開発予算完全実施に関する請  願(第三二三号) ○福島県に中小企業金融公庫支店設置  の請願(第三六六号) ○日中貿易協定締結促進に関する請願  (第三八二号)(第四七七号)(第  四八五号) ○昭和三十三年度東北開発促進計画に  関する請願(第四五六号)(第八三  五号) ○水洗炭業に関する法的措置請願  (第五一六号) ○日ソ貿易促進に関する請願(第五一  七号) ○小売市場規制法規制定に関する請  願(第五六七号)(第五七五号)  (第六〇〇号)(第六三五号) ○鉱業法の一部改正反対等に関する請  願(第五七〇号)(第六〇一号)  (第六五六号) ○熊本市に中小企業金融公庫支店設置  の請願(第六一五号) ○外国無煙炭輸入制限等に関する請願  (第六一七号) ○熊本下頭地藤田地域ダム建設  反対に関する請願(第六二四号) ○石炭採掘に伴う鉱害復旧請願(第  六三四号) ○中小企業技術指導機関強化に対する  国庫補助請願(第六六八号) ○小売商業特別措置法案反対に関する  請願(第七一二号)(第七四〇号)  (第八一一号)(第八四一号)(第  八九六号)(第九三七号)(第九四  五号) ○更生保護事業充実強化のための競輪  益金配分に関する請願(第七三三  号) ○計量法の一部を改正する法律案の一  部修正に関する請願(第八二〇号)  (第八二一号)(第八二二号)(第  八四二号)(第八四三号)(第九七  五号)(第九七六号)(第一一九九  号)(第一四二三号) ○東北開発促進法の一部改正に関する  請願(第九五七号) ○四国地方開発に関する特別法制定の  請願(第一二三二号) ○小売商業特別措置法等制定に関する  請願(第一三六〇号)(第一三六一  号)(第一三七七号)(第一四〇八  号)(第一四二二号)(第一五〇九  号)(第一六〇九号) ○千葉県茂原市大多喜天然ガス株式会  社のガス料金値上げ反対に関する請  願(第一五九五号) ○東北電力株式会社電気料金暫定措  置延長に関する請願(第一六二五  号) ○特許出講に対する審査期間法制化  の請願(第一七〇〇号) ○福島南会津東部特定開発地域指  定に関する請願(第一八一三号) ○北海道地下資源開発株式会社法案  (内閣提出衆議院送付) ○核原料物質核燃料物質及び原子炉  の規制に関する法律の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 近藤信一

    委員長近藤信一君) これより委員会を開会いたします。  先ほど、委員長及び理事打合会を開いて協議いたしました結果、本日は、まず請願小委員長報告を行い、次いで北海道地下資源開発株式会社法案審議を行い、そのあとで、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案審議を行うことといたしますので、さよう御了承願います。  先ほど、請願審査に関する小委員会を開会いたしました結果、私が小委員長に当選いたしましたので、私から小委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  今国会において本委員会に付託された請願は、六十六件でございますが、小委員会におきましては、政府側意見も聴取し、慎重に審議いたしました結果、採択すべきものと決定した請願の件数は三十一件でありますが、その内容は、お手元に配付いたしました印刷物のうち、第二項、鉱業関係の第六百十七号及び第六百三十四号、第三項、国土開発関係では、第三百二十三号を除き全部、第四項、中小企業関係及び第五項、貿易関係の全部、第六項、電力関係では、第百九十一号及び第千六百二十五号、第七項、その他では、第百四十三号外一件、第百九十二号及び第千七百号であります。以上御報告いたします。  以上の報告に対し、質疑あるいは御意見のある方はございませんか。——別に御発言もなければ、商工委員会に付託された請願の取扱いにつきましては、ただいまの報告通り処理することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、小委員長報告中にありました、採択いたしました請願の番号及び件名につきましては、これを会議録に記載するよう、委員長において取り計らうことにいたします。  なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
  5. 近藤信一

    委員長近藤信一君) これより北海道地下資源開発株式会社法案を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。
  6. 阿部竹松

    阿部竹松君 石井総理にお尋ねいたしますが、時間が限られておるようでございますから、二、三点に限定してお尋ねいたします。  開発長官と申し上げるよりも、副総理という立場でお答え願いたいと思います点は、河野経企長官考え方と、通商産業省のお考えと、今回出された北海道地下資源開発株式会社に対する開発庁考え方と、一致しておらないような点があるわけです。その理由は、河野経企長官が昨年北海道へ参りまして、札幌で記者団を大ぜい集めて発表したことは、遊休鉱区開発をしなければならぬ、こういうことを堂々と発表したわけであります。それが、その晩に、夕張に、児玉誉士夫さんとか北海道炭礦汽船株式会社萩原吉太郎さんと一緒に参りまして、一泊の次の朝は、どういうことを言ったかといいますると、これから遊休鉱区とか新しくやる鉱区に金を投じても、膨大な金がかかるばかりでコストが下らぬ、従って、現在ある、既存のそれぞれ鉱業所資本金政府で投じてやった方が、コストも下るし、増産も大いに進むであろうというようなことで、一例を申し上げますると、坑内の採炭機、レッペ・ホーペルなど、一基で一億円もするものでありまするが、そういうものに金を注ぐと、こういうような御意見でございまして、その食い違いの点を本国会が始まる当初に河野経企長官を本委員会出席を求めまして問いただしたところが、私の最初の発表した考え方が誤まりであって、とれから新しい鉱区を探鉱してやるということは容易なことでない、従って既存鉱区に、あるいはまた現在やっておる作業所資金を投じてやるととが最上の道であるというような御答弁がおりました。その次に、通産省では、副総理毒承知通り、この種の作業をやるために、一億九千万円の予算を、本年度予算に、大蔵省当局に要求したはずであります。しかし、通産省の努力が足らなかったか、大蔵省の方で頑強に拒否したのかどうかわかりませんけれども、一億九千万円を投じて、この種の、今御提案になっているような仕事をやろうと、内容はもちろん違いまするけれども、結果は同じであります。この仕事をし上うとするところで、今申し上げました数字の金額を要求したところが、一億五千万円ほんと切られてしまった。その結果、御承知通り四千万円というととで、本年度北海道白糠、及び九州有明、それぞれ二千万円ずつ投じてやるそうであります。その一億五千万円がここへきたかどうか私わかりませんけれども、とにかく、今度は開発庁の方で二億円政府から出資してやる、こういうお話でございまするから、私はこの種の一お仕事がどうも経済企画庁のお考えと、通商産業省のお考えと、北海道開発庁のお考え政府の一致した意見になっておらぬと、各個ばらばらにそれぞれの省がやっておられるというように考えるわけであります。各個ばらばらに、それぞれなわ張り争いというと表現が悪くなるかもしれませんけれども、どうもそういうような感じがいたしますので、副総理の統一した御見解を、将来どうするのか、河野さんのおっしゃることが正しいのか、それとも通商産業省考えておることが正しいのか、それとも北海道開発庁の御意見が正しいのか、どこへ持っていかんとするのか、副総理というお立場で御答弁願いたいと思います。
  7. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 河野長官いろいろ話をしたことな聞いておりますが、最後の考えは、既存事業に力を入れた方が手っとり早いということを河野長官は言っておったようでございます。それはまことにその通りだと思いますが、それだからといって、新しい仕事を、これから政府としては何もやらないのだ、地下資源開発はもう新規方向に進まないという方向別持っておるわけじゃないのでございまして、政府といたしましては、既存鉱業施設の是正をしていくということ、これはもちろん一番大事なことでございますが、それと同時に、新規鉱区開発もやっていくのだ、両々相待って、そうして地下資源開発ということを期していくという方針は、これは政府全体として考えておるということを御了承願いたいと思うのでございまして、その形として現われますものが、一部分々々々だけ出て参りますと、いかにもちぐはぐのようなお感じを持たれるかもわかりませんが、心持はそういうことでやっていきたいし、今度の会社におきましても、既設の鉱業施設の方との話し合いでやっていくものもありまするし、新規方向に、鉱区開発もやっていくという、両方できるだけ、まあ資力、機械力の力のある範囲において両方やっていきたい、こういうふうに思っております。御了承願います。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 ただいまの御答弁で、河野経企長官開発庁の御見解はわかりましたが、第二点目の一億九千万円要求しました通商産業省の、この種の仕事内容は違いますけれども、究極の目的は同じであります。それで四千万円だけ残って、一億五千万円切られて、そしてあなたの方へついたのですね。しかしお仕事の方は、開発庁の方がしろうとでございまして、昨日も、副総理欠席のときに、いろいろお伺いしてみましたところが、一切がっさい、通商産業省の、やはり協力を得なければならぬ、こういうお話がございましたから、私は、そういうことであれば、同じ政府の部内でございますから、当然副総理が、やはりその通商産業省でやれということにならなければならぬはずだと思いまするが、切られた一億五千万円が、どうもこちらへ回ってきて、さむらいの商法をやるような感じがするわけです。ですから、第二点目についての御答弁をお願いいたします。
  9. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 通産省の方で要求いたしておりましたものを、予算で切ったというものと、北海道開発会社出資という問題とは、これは直接には関係はないのでございます。通産省で一億九千万円でございますかの仕事をやっていとうといううちの、今回は、この二ヵ所だけのものをまずやるということになりまして、それとわれわれの方は、今どこと特定場所はきめてないのでございまするが、北海道開発——昨日も申し上げました、第二次五カ年計画方針に従いましての、この地下資源開発に、どうしてもこういうふうな会社をまず作って、そうして一歩前進したいという心持で、この会社をこしらえたのでございまして、同じく地下資源開発ではございまするが、通産省の方のは、特定場所、まずここらを力を入れる、それからその先は、また次の段階にするというので、将来とも、これきりで、これにはお金を出さないということではないのでございます。その関係は、お互いの間に、私の北海道開発庁通産省の間には、これを引いてこちらを増すということの話し合いは、これはしておりませんけれども独立のものとして、これと白糠とか有明の問題とは独立に、北海道地下資源とこの開発には、どうしても通産省というものが力を入れていただくということには話し合いができておりまして、これが一体となって、この仕事を進めていきたい、こういうふうに考えております。
  10. 阿部竹松

    阿部竹松君 長官の昨日からの御答弁で、北海道政府資金を投じて開発しなければならぬというととは、よく了解できまするし、私も全く賛成でございます。ただしかしながら、金の使い方によって問題が起きてくると思う。やはりしろうとがやると、いかに目的がりっぱであっても、失敗することが多いということは、昨日も若干長官お話し申し上げましたが、北大の中谷博士から、八百億の金をただ使ってしまったじゃないかということを言われる状態になるわけです。それはそれといたしまして、次に、昨日お伺いしましたところが、大体人件費が、一カ年に五千五百万円もかかると、こういうお話でございました。わずか二億とか三億の会社が、五千五百万円も、六千万円近い金を人件費に使うということになると、これは大問題であろうかと思うわけです。それにまた理事とかそういう方が、ほかに比例して多過ぎる。昨日の御説明では、単なるボーリング会社であるというにもかかわらず、膨大な役員の数であるというように判断するわけです。しかし、法律できめてございましても、これだけ直ちに充当しなければならぬというわけのものでもないでしょうが、その点を、長官はいかにお考えになるか、御答弁願いたいと思います。
  11. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 人件費の問題は、衆議院においてもいろいろ心配して御質問いただいたのでございますが、初めからぜひ要るという数と、それから仕事の進展に従いまして要る人員というものが、おのずからあるわけでございますが、初めの間は、仕事の方が、スタートが機械の買い入れとかその他の問題で、仕事にかかるのはおそくなって、しかし人の方は先に採用しなくちゃならぬという人が相当あるわけでございますから、これらの関係から見ますと、初め一年、二年の間というものは、人件費の方が非常に強く経理の上に出て参ります。そのための赤字というものも出てくると思うのであります。数年後におきまして、これが仕事の量とにらみ合せまして、予定いたしておりまするところによりますと、これで経営は成り立つという見込みを立てているわけでございます。詳細につきましては、後ほど政府委員から申し上げます。  それから重役の数が非常に多くはないかということでございますが、私の今考えておりまするのは、実際この仕事に当るものの重役は、社長が全体を見る、それに技術方面を担当する重役、それから事業経理の面に携わりまする重役という大体現業的なものにずっと当るものは、三名ぐらいでやってもらったらどうだろうか、あとは社外、ほかの方からの出資者関係重役によって、大綱についての相談にあずかるというようなことにいたしていきたい、こういうふうに考えているわけであります。
  12. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、副総理の御答弁ですと、社長あとまあ理事というか、取締役というのがこれに書いてありますが、重役と称するものが三名と、こういうことになるわけでございますね。あとは全然役員じゃない……。
  13. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 役員ではございます。取締役ではあっても、ほかの仕事をしている人で、重役会議だけ出る、いわゆる現業重役ではない、こういうことでございます。
  14. 相馬助治

    相馬助治君 関連してお尋ねしますが、この法律では取締役が七人以内、監査役については二人以内、こういうことですから、もちろん最初から七人、二人を充足するのではないということはわかりますが、ただこの法律数字から受ける感じはきわめておかしい。いわゆる重役陣が大体人数においても多過ぎるのじゃないか、この通りに充足されれば九人になる、こういうふうな疑問を持つわけなんです。この副総理の御説明によれば、最初は三名程度で、他は兼務のもの、もっと平たく言えば、出張手当程度のものをやれば済むものを当てると、こういうふうに了解するのですが、この初年度のそういう明確な計画ができているかどうか、それから具体的に他の民間等から入れるというようなことについてのめど等がついているのかどうか。これはむしろ事務当局に尋ねた方がいいかとも思うので、長官から御答弁願えればなおけっこうですが、事務当局からでもけっこうですが、大体の法文に見合う人間の具体的なものまで胸のうちにあるのかどうか、こういうことをざっくばらんに参考にお聞きしておきたいと思います。
  15. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ちょっと重役のところで誤解があるといけませんから申しておきますが、ただいま初めは三人ぐらいで始めて、だんだん仕事が増すとふやすかというお話でございますが、現業重役としてきちんと報酬を払ってやっていく重役は初めからもう、ある程度進みましても大体私はこの三人だと思っております。そのほかのは出資者重役で、出張旅費はどうか知りませんが、要するに給与を出さない重役、そして相談にあずかるというのでございますが、私は初めから何人になりますか知りませんが、六人か七人、いわゆる仕事を、現業をやらない重役も充てていくつもりでおります。  それからどういうふうな人件費の、初年度からの仕事をやっていくのについての割合はどうなのか、それについての仕事の上の見通しはどうかというお尋ねでございますが、これは一つ計画案がありますから、事務当局から一応御説明申し上げます。
  16. 桑原幸信

    説明員桑原幸信君) 初年度におきましては、ただいま大臣から申し上げましたように、人件費といたしまして五千四百万円計上してございまして、その仕事内容は大体大臣が申されましたように、総務関係それから経理関係技術関係、それに社長というような構想でいきたいということでございます。
  17. 阿部竹松

    阿部竹松君 次にお尋ねいたしますが、この開発庁当局からいただいておる資料ですね。あらゆるものに三億円の場合と五億円の場合と両方の参考資料をいただいておるのです。ですから、これをわれわれに取捨選択してくれ、こういうことでこういう資料を出しているのですか。きわめて自信がないですね。五億円の場合、三億円の場合というので資料を両方出す。考えようによってはまことに親切、丁寧、懇切をきわめておるということになるけれども、またわれわれに当委員会で五億円でやれ、あるいは三億円でやれということを判断してくれということで出したのですか。
  18. 桑原幸信

    説明員桑原幸信君) その三億円というのは、資本金が御承知通り三億円でございますから、三億円でやった場合にはこういう数字になる。しかしながら、管理費というものは大体一定しておりますから、初年度からやはり二億円借り入れても五億円でやった方が会社としては有利であるという見地から、三億円と五億円の両案を出したわけであります。昨日から大臣が申し上げておりますように、会社としては五億円で出発したい、こういうふうに考えておるわけであります。
  19. 阿部竹松

    阿部竹松君 したいではだめですよ。三億円なら三億円でいきます、これだけの条件でめどがついてこうだと、そういう答弁でなければ。希望的観測を入れてわれわれ国会議員立法措置を講ずるときにきめることはできませんよ。どちらでいくということを明確に、五億円なら五億円でけっこうです。三億円なら三億円でけっこうです。あなたの御答弁で、としたいなどというようなことで一つの新しい法律をきめるときに、あなたの提案はそれでいいかもしれぬけれども、われわれ国会議員はそういうわけにはいきません。
  20. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 昨日私から申し上げましたように、これはいろいろな単位があると思いまするけれども、三億円の単位では私は形をなさない。最低五億ということで資本をそこまで持っていきたかったのでありますが、残念ながら今度はできませんでしたから、借入金でやっていこう、それで五億円で事業計画を立てておるわけであります。資本がそういうものが出ておりますれば、三億の資本だけですると、こうなるのだが、五億でした方がこんなに有利だという説明資料に出したのたと思いますが、私どもは三億円でやるということは考えておりません。
  21. 阿部竹松

    阿部竹松君 三億でやることを長官が毛頭考えておらなければ——三億円の場合などというあらゆる資料を出しておるのですね、まことにけっこうかもしれませんけれども、そういうことで今までわれわれはそういう法案審議をしたことはただの一度もございません。  その次に、これは小さいことで長官に聞くのはちょっとどうかと思いますけれども、ほかの政府委員で御答弁できなかろうと思いますので、まげて長官にお尋ねいたします。実は私ども商工委員会でこの前中小企業金融公庫その他の法案を論議しましたときに、公庫社長あるいは理事長、こういうものの名前総裁ということになっておるのですね。あるいは国民金融公庫総裁、別に名前がけしかるとかけしからぬとかでなくて、政府の金を零細企業に貸す銀行であるから、やはり総裁というような名前理事長としたらどうかという議論も出ました。しかし私はその名前にこだわりませんけれども政府の金を零細企業に貸す銀行理事長なり総裁なりの給料が、内閣総理大臣岸さんよりもはるかに高いわけです。おそらく石井総理よりも数万円高いのですね。こういうことを聞くのはまことにえげつない質問ですが、大体これは給料を払わぬ重役もあるということをおっしゃいましたが、それともこういう役員に対しては、大体お見通しでけっこうでございますから、どのくらいお払いになるものか、私は副総理より高い給料は払うことはあるまいと思いますが、その点はいかがですか。
  22. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 給料の問題は、まだ実際どういう人になっていただくかという問題と、仕事の初め、だんだん進んでいく状態もありまして、まだきちんときめてはおりませんが、給料を出さない重役と申しますのは、これは原則的にやはり出さない、これは申した通りでありまして、これはあるいは盆暮れにごあいさつする程度のことはあるかもしれませんが、それはとても給料というものの変形というような程度のものを出すものではないと思っております。ただ社長並びに技術、業務、この三人の重役は月給をちゃんと払いたいと思っております。それで社長がどういうふうな立場の人か、どういうふうにして来てくれるかということによって、これは金額も多少私は少しく動くのではないかと思いますが、これの仕事の見当からいたしますると、大体今までのいろいろな実業界の例等を聞きますると、これはまだ相談していないので、そこまで言うていいかどうかわかりませんが、大体私は十万円見当の上下ではないかと思います。まだ人による問題等もありますから、はっきりきめておりません。大体そのくらいな見当で考えております。
  23. 阿部竹松

    阿部竹松君 僕は大体この種の会社社長は、人によって、石井さんがなればこれは二十万円ぐらいかもしれないし、われわれがなれば十万円くらいになる。人によってきめるというきわめて妥当な御答弁でしたから、十万円内外ということで、一万円でも十万円内外ですし、二十万円でも十万円内外です。あとで私はそれで言質をとろうとは思いませんけれども、とにかく膨大な人件費がかかるものですから心配して、参考までに聞きにくい点を聞いたわけであります。  最後に、長官時間がないようでございますから、もう一点お伺いしたいことは、とにかく五億円でお始めになる。しかし五億円ではとうてい成功しないということになりますと、やはり来年度これは民間資本、これは現在でさえいやいや言っておるのですから、民間資本といってもこれは実際問題として無理だ。そうなりますと、政府融資に、金利の点からいっても年九分なんですから、そうなろうと思います。そうしますと、そういう点について大蔵当局とお話がついておるかどうか、その点だけ最後にお尋ねいたします。
  24. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) これは私がこの問題を、予算のとき折衝いたしました際、どうしてもこれは第一期の計画のねらいとしては十億というものは、これはどうしても目標になる。しかし予算のいろいろな関係上やむを得ず政府は二億しか出せない。民間一億にやってくれということであれば、借入金二億をして、そうして出発をする。これによって仕事状態も一応見当がつくものと思うのでありますが、それによって少くも次は十億に、まず第一期としてどんな形でもっていくかという問題について、大蔵大臣考えておいてもらいたいということを言っておきました。私の心持では増資の方も少しやってもらう、そして借入金もやるということで、十億円に到達さしていきたい。十億になりますと、だいぶ経営の内容も格好がつくのじゃないか、こういうふうに考えております。
  25. 小幡治和

    ○小幡治和君 大体阿部委員から非常に全般的にわたって詳しく御質問がありましたので、大体了解いたしたわけでありますが、もう少しはっきりさしておきたいというふうな点がありますので、その点お聞きしたいと思うのであります。要するに、今度の株式会社の実際やる仕事というものは、大手筋の方では自分でボーリングを持っているしするので、あまりこれに頼らない。そうすると、中小炭鉱というものを相手にするのだという御答弁であったわけですが、現在の実際の北海道の実情から見て、そういうものは、少いのじゃないかというふうな阿部委員の御質問もあったわけであります。そこで疑問に思いますのは、結局この株式会社というものは配当ということも考えておるわけです。そうすると、その利益というものも考えなくちゃならない。そうすると、一体この株式会社が配当するための利益というものはどこから考えるのかということなんです。どういうところから、どういう利益を考えられるかという点を一つ伺いたい。
  26. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) お説の通り、これは一応営利会社の形をとっておりますので、将来利益配当もしなければいけませんので、その際にどういう利益が出るかという御質問はごもっともだと思いますが、この会社が営業いたしまして出る利益と申しますと、一つは受託探鉱でございまして、請負でボーリングをいたしまして、一メートル幾らという単価の契約をいたしましてその代金をもらう、それが一つ。いま一つは、共同鉱業権を設定いたしまして、これは既存の鉱業権者との組合契約みたいになるわけでありますが、その結果、契約の内容にもよりましょうが、うまく当りました場合に、その鉱業権を処分するということによって利益を得るということがございます。もう一つは、自分で鉱業権を設定いたしまして、それが当れば利益が出る。もちろん欠損も出ることもあるわけでありますが、そういう場合。それから機械を貸与いたしまして、たとえば冬季非常に作業がしにくいとき機械が余ったという場合に、ほかの地域に対しまして機械を貸して賃貸料をもらうという場合もございます。そういったことで利益を得るわけでありまして、一応私ども見通しといたしましては、非常にこれは前提条件が多い問題でございますので、見通しは立てにくいのでございますが、第二年度からも相当、今申し上げましたように増資とか、借入金をやらせまして、資金も充実いたしましてやっていきまして、大体三年日ごろから利益を出し、四年目には今までの欠損、詳しく申し上げますと、お手元に差し上げました資料にありますように、初年度五億の資金で出発いたしまして、約二千五百万円の赤字ということになっておりますが、これを二年度でもさらに二千六百万円くらいの赤字が出るということを見ておりますが、三年目から大体軌道に乗りまして約二千万の利益を出したい。四年目には四千万程度の利益をもちまして、四年目で今までの赤字を消すということにいたしまして、五年目に大体利益の累計で三千五百万円くらいと見ております。そうなりますと、民間出資に対する六分の配当ならできるのじゃないか、多分に希望的な観測でございますが、そういうふうな見通しであります。
  27. 小幡治和

    ○小幡治和君 今のいろいろな話は非常に甘いと思うのですけれども、結局いろいろ仕事をした場合の減価償却というものも考えなければならぬし、借り入れも相当あるとすれば利子も払わなければならぬというふうなことを全部差っ引いていきますと、今言ったような利益が出るということはこれは考えられない。たとえばうまくやって、そうして少しどえらいものが当った、それをどえらく高く売るというならば初めて利益が出てくる。そうじゃなくて、今のあなたの御説明のような仕事をやっているのだったら、利益というものは出てこないという感じがする。もう一つは、何か当った場合に、それを結局鉱業権を売るわけです。その売る相手というのは株主です。ここでいろいろ御討議もありましたように、結局この一億の出資というのは、炭鉱を持っている人たち、そういう人たちが皆株主になるのですから、だから結局お前のところでやってみたら当ったというと、その人に売るということになる。株主に売ることになる。そうするとそうは高く売れないし、またこれはきのうもいろいろあれもあったのですが、景気のいいときと景気の悪いときとあるから、景気の悪いときに当ったって結局高く売れるものじゃない。そういうようなことを考えてきますと、どうも今の年間の利益の考え方というものは非常に甘いというか、ずさんというか、そういう感じがするのですが、そういう点について、実はこれをやることは非常にけっこうだからよろしいという前に、一つここではっきりさしておいていただきたいということで質問しているわけです。
  28. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) おっしゃる通り、非常に危険な仕事でございますので、私たち計画を立てます際も、相当危険の負担という点については考えまして、昨日も御説明いたしましたように、受託探鉱の場合には五%、その他の場合には二〇%の危険引き当てというものを引いて計算しております。それから機械その他の償却につきましては、一応十分見てございます。なおお尋ねがございますればもっと詳しく申し上げますが、それから共同鉱業権の場合、当らなければ非常に損ではないかというお話でございますが、これは非常に私たちが困った点でございますが、結局資金計画事業計画を立てます基礎といたしましては、請負の場合にやります、たとえば石炭の場合は八百メートル掘るとして一メートル当り六千八百円という単価で計算しているわけでございますが、共同探鉱の場合にはやはり同じ単価で計算いたします。と申しますのは、当る場合もあり当らない場合もあるし、計算しにくいために、受託でやった場合と同じ単価で代金を払っていただくということで計算してみたわけでございます。これ以外に適当な計算方法が見つかりませんので、そういうことにいたしているわけでございます。それから鉱業権を処分する場合でございますが、売却すると申しましたけれども、これはもちろん一つの例でございまして、従来鉱業権を持っておった方が、おそらくうまく当った場合には自分が引き続き経営したいとおっしゃるのは当然でございます。その際にどうするかということは、契約の際によく取りきめをいたしまして、将来利益の幾らかをもらうというような方法にいたしますか、あるいはこれをかりに売却すれば幾らぐらいに売れるかという評価をしてみて、その何割をいただくというふうにするかということは、これから契約の際に十分考えて参りたいと考えております。
  29. 小幡治和

    ○小幡治和君 それから人件費の問題ですが、大体一年に五千四百万円という話ですが、これは初年度はもっと節約してもいいだろうし、だんだん仕事が多くなればふえていくと思うのです、それは年度計画で。この間もどなたか聞かれたと思うのですが、その点はそういうふうに解釈してよろしゅうございますか。初年度はもっと少くして、だんだん仕事がふえるごとに少しずつふえていくのだということで。
  30. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この仕事は、なかなかそう手っとり早くもうかるとは私ども考えておりません。計算的にはこう出ておりますが、どんな場合でも計算と実際と合せると、あまり利益がないことが多いものでございますが、これはなお検討を重ねなくちゃならぬと思いますが、人件費の問題が一番先に出てくると思います。これは初めから陣立だけそろえておいて、それで資本を出してもらってやるということではございません。必要に応じてだんだんふやしていくということでこれは当然やらなければなりません。
  31. 相馬助治

    相馬助治君 具体的に伺うのですが、長官にお尋ねしておきたいと思うのですが、それでもし長官からそういうお答えができない場合には事務当局から答えさせて下さい。政府出資の二億は大蔵省と話がついている。それはわかりますが、民間からの出資の一億円を予定しておるのは具体的にはっきりしておるのかどうかということが一点です。これは通産省で人造ゴムの会社でこれと同じような法律を出したときに、民間の出資を予定しておるというので私ども資料を要求しておった、どんなふうになっておるのかと。そうしたところが整然たるものをぴしゃっと出してきた、大体こういうふうに話し合いがついておると。で、これはどういうふうになっておるのか、そういうふうに具体的にはっきりしておるのかどうか。それから、それに関連してお聞きしたいのは、人造コムの場合には、その社長も腹づもりで内定しておって、その人に準備委員長をやらして民間との連絡をとっておった。これは法律もできないうちに何事だということもあるけれども、別途ながめますると、政府の金を使うのだからそのくらいの準備があってもいいという議論も成り立つのですが、事実問題としてこの会社ではそういうふうなものの準備はどうなっておるのか、これが質問の第二点。  第三点は、二億の金繰りをして五億にしたいというが、その二億の金繰りのめどはついているのかどうか、三点お尋ねしておきます。
  32. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 第一の民間資本の割当の問題でございますが、これは昨日あらかたのことを申し上げましたが、石炭業者の方々が約半分の五千万円程度、それからその他の金属鉱業に従事しておりまする会社等で約三千万円、その他のところで二千万円ということで簡単に分けてございます。それはその関係々々の向きに下話をいたしておりまして、大体このくらいな程度ならば私どもの方でお引き受けできるだろうというようなことを世話をする方々から聞いております。そうしてこれはいつはっきり割当等をきめるかといえば重役、少くとも社長に当る人がきまって、その社長から各社にそういう話を正式に持ち出していただければ、それで話は進むようにいたしたいというふうになっておる次第でございます。  第二番の社長初めの人事問題でございますが、これは私早くきめて、法律通りましたら、すぐにでも出発のできるようにしておくことも一つの手だと思うたのでありますが、やはり法律が通ってからでないと、人事をはっきりきめておくのはいかがなものであろうかと思いますが、お願いはいたしております。というのは、この仕事北海道地下資源開発という、一つ北海道としては非常に強い目標を立てておるのでございまして、この人事等にまた縁故、縁引き等でなったというようなことで、この仕事が進むようなことがあっては申しわけないことであるということで、私は五、六人の人で、一つどういう人が適当であるか、社長に向く人たちを三人なり、まあ大体三人くらい予選をして、そうして御吟味してくれぬかというような程度のことを話しております。これは法律が通ったら、すぐにでも話をして御依頼をしてやっていきたいと、よりよい自分の腹づもりだけみんなにしていただいておる、その人たちはどんな人たちにそれじゃ頼んだかと言われると思いますけれども、それはたとえば今の東京の日本商工会議所の会頭をしておる足立正君とかいうような人たち、北海道を知り、そうして直接には北海道には関係のないというような人たちを加えてそうして現地の人も何人か加えて相談していただく、その顔ぶれは一つ足立さんが適当だと思われる人と寄り合って話をしていただくというような程度のことであります。  それから第三番目の二億の借金をする、それはめどがついておるかというお尋ねでございまして、これはさっきから申しますように、少くも第一期私どもの目標とする十億、その最小限においてスタートする場合において、五−億という資金がなければ事業の格好をなさぬということで大蔵大臣とも話し合いまして、大蔵大臣予算政府出資一億ときめたときに、あとの一億はおそらくそうなると思いますが、まだはっきりいたしませんが、北海道開発北海道開発公庫あるいはまたこれに準ずるようなところから一億の出資をしてもらうということは、大蔵大臣話し合いをいたして、その通り確約を得ておるのであります。
  33. 阿部竹松

    阿部竹松君 石炭局長並びに鉱山局長にお尋ねいたしますが、私の知る限りでは、北海道の、きのう御答弁になったような、中小企業の鉱区を持っておる人がほとんどないと私は判断するわけです。ところが大手の方は、これは石炭やあるいは金属鉱山を問わず、自分のところの従業員すらボーリングに使わない。というのは、自分のところの従業員は、稼働時間が八時間というようにお互いにきまっておるから、組夫ですね、これは北海道全部が組夫を使って能率を上げておる。そういうことになると、これはやはりこの種の会社はとにかく組夫を使ってやるということはとうてい不可能でしょうから、これはとても太刀打ちができないと同時に、石炭山等に至ってはきのうも若干申し上げましたがとても政府のお考え通り石炭が需要がふえない、かえって余っておるような状態、ですから鉱区を持っておる大手炭鉱は自分のところでやりますと言っておるから、そうすると一体二万メートル掘りますとか、三万メートル掘りますと言ったって、一体どこへいって、政府の持っておる国有林の山の中へ行ってやるわけにも参りませんでしょうし、一応目安のついたところへいってやらなければ、大体どこへ行ってやられるか、通産省の石炭局とか鉱山局は一つの目安があろうかと思いますから、一体どことどことどことがこういうものが出たときに該当するか、それを一つお聞かせ願いたい。
  34. 村田恒

    政府委員(村田恒君) まず第一の前提になります中小炭鉱は、ほとんど独立の鉱業権を持っているものは少い、租鉱権者が多いから、従って共同の鉱業権者となる場合はあり得ないし、またそういうものが相当委託をしていたのではなかなか負担にたえないだろうという点でございますが、その前提となります中小炭鉱という、中小と申しますその範囲の問題であるかと存じます。ただいま阿部委員のおっしゃいましたように、きわめて零細な小さいものにつきましてはおっしゃる通りだと存じますが、中小と申しましても、いわゆる石炭協会に所属していない、あるいは連合会に所属をしておる炭鉱ということで考えますと、相当大手と十分に匹敵し得るようなものが中小炭鉱というカテゴリーの中に言われておるわけであります。これらにつきましては、相当程度、もしこの会社のボーリングの単価というものが、ほかの一般のコマーシャルのボーリング会社の単価と比較して合理的なものである限り、それに対する発注というものは行われる可能性があると申し上げられると存じます。  それから第二にどういう地域を考えているかという問題でございますが、あくまで今日の出炭の重点というものを原料炭というふうに考えますので、これはやはり石狩炭田、いま一つは最近きわめて大きなる発展をしております、原料炭のみではございませんが、釧路炭田の開発、そういうものに対して今後の大規模な開発計画が進められると存じます。短期的に見ますと、確かに現在は貯炭というものが増加しておりまして、この貯炭増加というものをどういうふうに処理していくかということは、短期的な問題としては研究問題でございまするけれども、そもそも北海道に対します抜本的な将来の大きな開発計画というものを考えます場合、さらにそれに関連して日本の総合的なエネルギー対策の一環として国内炭の増産をはかっていくという観点から申しますと、当面の問題と離しまして相当程度この種の会社の活躍し得る余地が相当あるというふうに申し上げていいのではないかと存じます。
  35. 福井政男

    政府委員(福井政男君) 石炭以外の金属、非金属等の鉱産物につきまして、簡単に申し上げますと、北海道は、私から申し上げるまでもなく、各種の鉱物が産出されるわけでございますが、将来の需給関係でありますとか、あるいは賦存鉱量でございますとか、そういった点を、あるいはまた、探査の効果でありますとか、そういった点を勘案いたしまして、私どもの方といたしましては、重要鉱種といたしまして、八種類くらいの鉱種を、本件につきまして特に重要視いたしております。それを申し上げますと、水銀でございます。それからマンガン、鉄、砂鉄、石綿、銅、鉛、亜鉛、こういったようなものが非常におもな鉱種でございまして、そのほかにも黒鉛でございますとか、クロームでございますとか、ニッケルでございますとか、こういうようなものがございます。こういう鉱種につきましては、御承知のように、一般的な鉱物の賦存状況につきましては、地下資源の調査書もございますので、どういう鉱床の状況になっておるかということはわかっておるわけでございまして、また、私どもの方の従来の研究結果でも、今申し上げました鉱種については、大体こういう鉱物がこういう地区にあるという見当は、およそのところはついておりますので、こういつたところに、この仕事の重点を向けていきたいと、かように考えております。
  36. 阿部竹松

    阿部竹松君 両局長の御答弁で、僕は満足しないのです。もう少し具体的にお答え願いたいのです。ということは、空知炭田とか、釧路炭田とか、白糠炭田とおっしゃいましたが、石炭局長は。これは全部、中小の炭鉱の持っておる鉱区なんてありませんよ。おそらくそこに書類を持ってきておられると思うのですが、あれば、お目にかかりたい。空知炭田であれば、三井、三菱、北海道炭磯汽船株式会社という大企業が持っておる。白糠炭田しかりです。それから今、福井局長が御答弁になったけれども、メタル山の方でも、日本鉱業とか、住友鉱業とか、三菱金属、こういうところばかりが持っているのです。そして、これらの会社は全部本法案に賛成しておらぬ。ほんとうは経営者は、政府が金を一円出すといったって、ぱくりと食いついてきますよ。政府の金を使うのに、なぜ、そんなに経営者が反対しなければならぬのかということを考えれば、きわめて、これはもう成功しないということを断言しているのです、彼らは。そういうときに、これはどこで一体ボーリングをおろす、その個所、空知炭田とか、白糠炭田とか、どこのところへ持っていってやるか、話はこれからでしょうが、そういうところはありませんよ。おそらく拒否権を発動してしまう。どこへいってやるのですか。抽象的でなく、具体的に、住友であったら鴻の舞鉱山をやりますとか、あるいは日本鉱業であれば上の国をやりますとか、金属山であれば、そういうようなことを具体的にお教え願わぬと、ただ空地炭田なんていったって、空知炭田を持っているのは大手ばかりですから、頼みに来ませんよ。
  37. 村田恒

    政府委員(村田恒君) 具体的なお考えは、あるいは開発庁の方から申し上げた方が妥当じゃないかと存じますが、参考までに、私の通産省としての考え方を申し上げますが、御承知のように、三十二年度の上期におきまして、北海道の出炭の比率を見ますと、大手炭鉱が七七%に対しまして、中小炭鉱の出炭の比率は二三%になっております。決して少い数量ではございません。それから具体的にどういうところをやっていくかということは、これは、この会社がスタートいたしまして、それぞれ責任者の方がおきまりになり、その責任者の方がどれだけの熱意と、どれだけの能力を持っておやりになるかということに、一にそこにかかっていくのではないかと考えられますが、根本は先ほど申し上げましたように、たとえば利根ボーリングと比較いたしました場合に、この会社のボーリングを使った方が有利であるということであれば、これは一つのコマーシャル・ベースの観点から、ある程度の発注量というものは、これに見られるというふうに申し上げていいのではないかと存じます。それから、いま一つは、たまたま私ども今度は、国会の方で合理化法の改正法案を通していただきましたが、さらにそれに関連いたしまして、四千万円の総合炭田開発予算をちょうだいいたしましたわけでございます。これに基きまして、政府といたしましては、重点的に開発地域を指定して、その開発地域を指定した中における、まず基本的な将来の増産計画を立て、その増産計画に基いて、その各指定地域内に鉱区を持っております業者が、具体的な事業計画の届出をやって、その事業計画に対して不満がある場合には、通産大臣は変更を命ずることができる。また、総合的な開発をやりますために必要がある場合には、鉱区調整を通産大臣が決定することができるというところまで、今度の国会で通していただいたわけでありますが、それらの、まず、先山みたいに、そういった政府の施策というものが重点的に、ある地域を指定して進んで参りますのに関連して、これに追っかけて、この会社のボーリング能力というものが活用されていく余地が相当出てくるというふうに申し上げていいのではないかと存じます。
  38. 阿部竹松

    阿部竹松君 七七%対二三%ですか、それは出炭量でございます。ですから、これでもって鉱区ははかり知ることができないのですよ。みな租鉱権でやっていますから、これを標準にして、大手が七七、あと二三が中小などと計算されたら、てんで大間違いなんです。中小炭鉱の鉱区なんか、北海道の一番樺太のそばの宗谷炭田に若干あるくらいで、僕は、そういう。パーセンテージは、これは石炭局長の誤まりではないかと思う。これをもって、直ちに鉱区の分布図であり、鉱区のそれぞれの。パーセンテージと判断されるのは、誤まりじゃございませんですか。
  39. 村田恒

    政府委員(村田恒君) 仰せの通り、単なる出炭量だけをもってその鉱区の分布図である、鉱区の分布図をそれが表わしておるということは、誤まりであると存じます。ただ、先ほど申し上げましたように、中小と申しましても、たとえば一例をとりますと、ラサ工業というものは決して中小ではございませんで、相当程度の広い鉱区を持ち、また、ある程度の未開発地域の鉱区も持っておるわけであります。これらのようなものは、政府として、単なる非常に小さい意味においての中小炭鉱という概念には当てはまらないというふうな意味において申し上げたわけであります。
  40. 阿部竹松

    阿部竹松君 開発当局にお尋ねしますが、今の趣旨で、どこも頼みに来なければ、どうなりますか。
  41. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) 結局、この会社は、自主探鉱という場合の、自営の探鉱も、もちろんいたしますけれども、当初の間、先ほども申しましたように、受託探鉱に重点を置いた方が、経営の規模、基礎を安定させるために必要であると考えておりますが、結局、受託探鉱といえば、相手のあることでございますから、自分で勝手にきめるわけには参りませんので、ただ、私ども、比較的楽観しておりますのは、現在こういう法案を作成しておるという話を聞かれまして、私はぜひ掘ってもらいたいというように、もうすでに話をしてこられた向きもあったりいたしまして、その他、各方面の方々の御意見を聞いてみましても、相当申し込みがあるというふうに考えておる次第でございます。これは、もちろん、希望的観測でございますけれども仕事がなくて困るというようなことには立ち至らないと考えられます。
  42. 阿部竹松

    阿部竹松君 それは一つや二つはあるでしょう。あるけれども、申し込んだところの山の名前を言っていただきましょうか。僕は、あらゆる、こういう経営者の諸君だって、全部聞いてみたのだが、この種の事業が成功するやいなやは、特にボーリング会社さんにお会いして聞いてみたところが、どうもうまくない。頼んだらとんでもないことになる。しかし、資力のないようなものは頼みに来るでしょうけれども、それは借金の回収ができなくなるという心配があるのですが、この点はどうですか。
  43. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) 申し込まれました会社名前を今ここで申し上げることは、御容赦願いたいと思いますが、決して、うそを言っておるわけじゃございませんので、名前は御容赦願います。
  44. 阿部竹松

    阿部竹松君 名前を聞くのは、御答弁できないということであればけっこうですが、とにかくそういう炭鉱から頼まれても、当然ボーリング代をもらわなければなりませんでしょう。ボーリング代がもらえぬと、おそらく頼みに来るようなところは、ボーリング代は当分払わなくてもよろしいというところが頼みに来ると思うのですが、それは当然ボーリング代をどんどん払わなければならないというところであれば、自分でも使って安くやる、これは経営の常道ですよ。僕らに言わせれば経営者はむちゃくちゃだと思っておるのですが、資本主義社会はそんななまやさしいものでないと思っておりますから、そうしますと、あなたの方でボーリング代に二億円、民間から一億円と、合計三億円という話ですね。石井さんの話ですと、もう二億円持ってきて、五億円でやるというのですが、年々五億円を食いつぶしていったら、中谷博士が言ったように、最後に国会人はあきめくらだとわれわれまでそばづえを食っておこられることになる。こういうことについて自信があるのですか。
  45. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) 結局相手方が支払ってくれなければ、もちろん企業として成り立たないわけでございますから、契約いたします際にも十分会社側には注意させますし、なお私たち監督者の立場といたしましても、契約そのものを一々口を入れるわけではございませんけれども、よくそのことは会社理事者にも話をしまして、御非難を受けることのないようにいたしたいと思います。それともう一つ申し上げますのは、きのうもちょっと申しましたように、この会社は慈善事業ではありませんので、まるで支払い能力がないと初めからはっきりわかっております場合には、どのように申し込んできましても、少くとも請負契約でやるということはさせないつもりでおります。その点は十分気をつけたいと思います。
  46. 阿部竹松

    阿部竹松君 共同経営と請負契約と二本立でやって、その中身はきのう承わりました。しかし半分損するか、全部損するかというだけの差であって、御承知通り、石炭鉱業はボーリングして、単に当っただけでそう石炭が出るわけではございません。ですから、そこで石油資源開発株式会社等は十本のうち三本当れば、四インチ管を使って、四インチ管を十インチ管にかえていけばすぐ次の日から油が出る。石炭の方はボーリングしてみて石炭が出るまで七、八年かかる。これは独自でボーリングを借りて、八百メートルから九百メートルも掘ってやるだけではとうてい不可能なのですよ。そうしてあなたのおっしゃることは、そこで七年も八年も開発公庫から金を借りて石炭を掘るという仕組みですから、年々あなたの方が五億円ずつ出して、それまで政府が持ちこたえてくれればいいけれども、それまでに挫折すると、今まで八百億円出したと同じように、八百五億となって、北海道開発は何をやっているのかということになる。北海道島民のためにやるとか、北海道開発のためにやるとかいう美名に隠れて、そうしてやることは全くゼロになるということなのです。こういうことになるのですが、そういう御心配はございませんか。
  47. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) 代金の回収は、たとえ相手に払う意思があり、能力がありましても、非常におくれるということはこれは覚悟するわけですが、この計画でも三年ないし五年の年賦の支払いということは考えておりますが、お説のようにもっと支払いが長引くことはそれは考えられます。ただ代金の回収がおくれるために、この会社が立っていけなくなるということは、これはもちろんさせないつもりでございましてせっかく政府出資をいたしましてこういった会社を作る、しかも必要があるために作った会社でありますから、この会社の助成のためには、十分われわれとしても努める義務があるわけであるのでありまして、問題は資金という点になるかと思います。資金の点につきましては、先ほど長官もおっしゃいましたように、十分考えるという方針でございますので、この会社は絶対もり立てていきたいと考えております。
  48. 阿部竹松

    阿部竹松君 あなたのお話を承わると、きわめてその楽観論なのですね。しかし現実にそれをやってみた者からしてみれば、どうもあなたのお説の通りにいかぬような気がする。しかし、あなたのお説の通りいったとしても、代金の回収が七年も八年もかかれば、人件費でも七年、八年の間に五億も六億も使うことになりましょう。出発当初でさえ五千四百万円もかかるのですから、七年も八年もかかっている間に、金利をかければ、人件費だけでも四億も五億も使うことになる。そうすると、当然うまくいかなくなるという結論になりませんかね。
  49. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) その点は、代金が払われなければ金が詰まることはやむを得ないのでありますが、人件費に食われて会社がつぶれるというほど深刻に私は考えていないのでございまして、まあ五千四百万とおっしゃったけれども、五千四十万でございますけれども、五千四十万の人件費が、少くともそれ以上の人件費が毎年かかるということは、非常に大きいように受け取られるかもしれませんけれども、少くともこの程度の機構のもので、五千四十万の人件費は、五十五名となっておりますけれども、五十五人程度の人間はどうしても必要じゃないだろうかというように考えております。御非難になるような点が起らないようには十分気をつけたいと思います。
  50. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますると、大体ここに出しておる資料は、全部今までの各ボーリング会社あるいはその個人会社の経営しておりますボーリングのですね、その平均レベルをとってこれの数字を出した、こういうことですね。
  51. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) お手元に差し上げました資料で単価百十五万となっておりますが、これはボーリング会社資料をとったのではありませんで、大体政府出資会社で最も似た業態にあります石油資源など参考といたしまして、はじき出してみた数字であります。この人件費の百十五万と申しますのは、給料だけではございませんので、人に伴う事務費、役所で言いますと庁費、そういったものも全部含めた数字でございます。一人当り年間百十五万の給料を払うというのではありません。
  52. 阿部竹松

    阿部竹松君 御明確なる答弁でよくわかりましたが、最後に、一体どこらあたりをやるかということをお伺いします。あなたの方では計画を立てて五億円も使うのですから、大体どこらあたりをやってみよう、炭田でも、鉱山でも、どこらあたりをやろうとするのか。まさか全然今まで見当もつかぬところへ行って、ぽつりぽつりとボーリングをおろすのではないでしょう。今までの会社がやって、この辺でどうかというようなところをやるのでし、ようから、一体どの辺あたりにボーリングをおろすのですか。
  53. 中平榮利

    政府委員(中平榮利君) このボーリングをやります個所は、結局会社が発足いたしまして、会社理事者と、申込者といいますか、いわゆる鉱業権者との申し込みの結果によってきめるわけでございますから、どことどことをやれというふうにわれわれ考えておるわけじゃございませんが、比較的未開発地域の多い日高地方とかあるいは知床、積丹、そういうあまり調査の進まないところ、そういったところが見込みがあるのじゃないかと考えております。
  54. 阿部竹松

    阿部竹松君 日高なんかあまりないのです。あなたは目高地方でやると言っても、日高の方は石油が出るといって調べても、これを見ると石油を除くというのですから、まさかあなた石油資源株式会社と競争してやるのじゃないでしょう。この法律は石油はやらないことになっておりますからね。ただ私が聞くのは、どこでやるのかというのは想定があると思うのです。この法律を作って、金をもらってから、その後いかがでしょうかと御注文をとって歩くのではなくて、北海道には大体この地方にこういう鉱区が埋没していると、北海道にはこういう地方に大体こういう鉱物なり、こういうものが埋没しておるという見当がついたので、これこれの金を投じてこういうものをやっていきたいということにならなければ、これはうまくないと思う。あなたのおっしゃるように、日高へ行ってやったって、出るものは石灰石ぐらいで、何にもならぬですね。
  55. 福井政男

    政府委員(福井政男君) 石炭以外の鉱産物につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、私どもの方では北海道で賦存いたしております鉱種につきまして、将来の需給見通しなり、鉱量の関係なり、あるいはまたその探査の効果という点から見まして、八鉱種ほど先ほど申し上げましたように考えておりますが、そのそれぞれの鉱種につきまして、この鉱物については大体この地区である、たとえば水銀で申しますと北見の地域一帯でありますとか、あるいは砂鉄につきましてはどの辺であるとか、あるいは石綿についてはどの辺であるという見当はつけてございます。
  56. 村田恒

    政府委員(村田恒君) 石炭につきましては、この会社がどの程度北海道におきましてこれからやりますボーリングを受け持つていただけるかどうかは、先ほど開発庁の方からお話のございましたように、今後の問題であろうと存じますが、三十三年度におきまして、北海道の全体としてボーリングを打ちます数は九十七本と考えております。このボーリングを打ちます中で、大手と中小の比率は大体七〇対三〇、こいうふうな考えでございます。  なお、それから先の一つの推定でございますが、三十四年度には同じく九十七本、三十五年度は百二本、三十六年度は百七本、三十七年度は百十二本、これだけのボーリングだけは北海道へ打っていこうというふうな考えでおります。  それで地域といたしましては、われわれども通産省考えております総合炭田開発の重点的な地域といたしまして、とりあえず、釧路地域の、今までこれは特に関連産業施設の整備が立ちおくれている、関連産業施設の整備を行うことによってきわめて計画的な合理的な出炭が可能であろうという所、並びに鉱区調整等の措置がきわめて有効に働くであろうという地域として、本年度釧路地域を考えておりますが、それらの地域につきまして大体釧路の東部、中部、西部、北部と分けまして、これはもちろん会社といたしましては宇部興産、三菱、雄別、ラサ工業、共同、日鉄、日炭、住友という工合に大手が大部分を占めております。やや中間的なものとしてラサ工業があるわけでございますが、これらの地域に対しまして重点的にやるわけでございますが、この場合に開発庁の方のこの会社がどの程度この事業計画の中で、具体的な注文をとっておやりになられるかということは、何回も申し上げましたように、あくまでこれが一般の市価よりも勉強して、ボーリングを打っていただくということでないと、なかなか受託というものは——そういうことによって受託というものは可能になっていくというふうに考えております。
  57. 阿部竹松

    阿部竹松君 私は、北海道開発のためにこの種の仕事をすることは、非常に賛成な一人でありまするけれども、しかし内容内容でございますから心配のあまりいろいろとお尋ねいたしましたが、しかし説明された開発庁の監理官は大蔵省出身だそうであります。従ってこれ以上御質問申し上げてもこれは答弁される方が無理でなくして、聞く方が無理であるというように判断しますので質問を打ち切ります。
  58. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  59. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記起して。  他に御発言もなければ、これにて質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認めます。  それでは午後は、一時半に再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時三十四分休憩      —————・—————    午後二時八分開会
  61. 近藤信一

    委員長近藤信一君) これより委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。野溝勝君が辞任、その補欠として岡三郎君が選任されました。
  62. 近藤信一

    委員長近藤信一君) それでは、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、提案理由の説明を願います。
  63. 吉田萬次

    政府委員(吉田萬次君) ただいま議題となりました核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。  昨年五月第二十六国会において成立し、昨年十二月九日以来施行いたしております核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律におきましては、核燃料物質の利用が平和の目的に限られ、かつ、計画的に行われることを確保し、あわせて災害を防止することを目的として、すべての核燃料物質の使用について許可を必要としておりますことは御存じの通りであります。さて、現在核燃料物質であるウラン化合物がすでにナトリウム分析、亜鉛分析等の試薬として用いられておりますが、その大部分は微量使用であって、その使用が核燃料物質計画的利用に影響を及ぼすことはなく、通常放射線障害の発生することもなく、さらにまた平和目的以外に使用されるおそれもないのであります。従いまして、核燃料物質のうちでも、濃縮ウラン、プルトニウム、ウラン二三三等のいわゆる特殊核物質は別として、その他のものについては、微量の使用にまで許可を要件といたします理由はなく、むしろ行政事務上繁雑で完璧な規制も期しがたいと考えられるのであります。そこで、核燃料物質の種類ごとに放射線障害が発生するおそれのない量を政令で定め、これ以下の使用につきましては規制をしないこととし、第五十二条第一項に一号加えることといたしたいのであります。  次に第五十三条は核燃料物質の使用許可の基準を定めておりますが、その第二号は、「その許可をすることによって原子力の研究、開発又は利用が促進されることが明らかであること」を許可の要件といたしております。しかしながら、前述いたしましたように、核燃料物質は原子力の研究、開発、利用以外の目的にも使用されておりまして、原子力の研究、開発、利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがない場合には、使用の許可をして核燃料物質使用に伴う放射線障害の防止の規制に従わしめるのが妥当であります。そこで、かかる場合に許可ができるよう同号を改める必要があります。  最後に、一定種類かつ微量の核燃料物質の譲渡譲受の制限につきましては、原子燃料公社、日本原子力研究所、製錬事業者、加工事業者、原子炉設置者及び核燃料物質の使用について許可を受けた者から直接に一定種類かつ微量の核燃料物質を譲り受けること、またその譲り受けた核燃料物質を前述の原子燃料公社等に譲り渡すことの二つの譲渡譲受ができるように規制を緩和することが、第五十二条に第五号を設ける趣旨に合致すると考えられます。よって第六十一条に一号を加えることといたしたいのであります。  以上、この法律案提案の理由並びにその内容を御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
  64. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 以上で提案理由の説明は終りました。引き続き、本案の内容について説明を願います。
  65. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 私から本案の内容、要点を御説明申し上げます。  お手元に、本改正法律案要綱がございますので、それに従いまして御説明申し上げたいと思います。  一番初めは、「一定種類、かつ、微量のもの」は、核燃料物質といえども、その使用に際して許可を受けないでも使い得るというふうに直したいということでございます。これはどういうことかと申しますと、大体無慮五千件ぐらいあるのですが、ごくわずかのウラン二三五、純分にいたしまして一グラム未満のわずかの量を使いまして、いろいろな分析等の試薬にも使っておるわけでございますが、これまで、全部許可いたすということになりますと大へんでございますので、別に、これが戦時に利用されるとか、あるいは健康に害があるとかいうものではございませんので、この際、許可なしでも使えるようにいたしたいということで、一定種類と申しますのは、大体、濃縮ウランといったようなものは、これはもちろん許可いたしませんが、天然ウランあるいはトリウム、その化合物等に関しまして一定種類のものは、許可なしに使い得るようにしたらどうだろうか。それから微量と申しますのは、大体、ただいまの一件当りの平均を見ますと、一グラム未満でございますので、そういうところ辺を見当にして、それ以下は使ってよろしいということにいたしたいというふうな考えであります。  第二点の、許可基準を改めて、原子力の研究、開発利用以外の用に供する場合でも使用を許可できるようにしたい、これはどういう意味かと申しますと、ただいまの法律では、その許可申請をしてきた場合に、原子力の研究、開発利用以外に使うものには許可してはいかぬということになっておりますので、非常に不便でございます。これは実際は原子力研究と申しますか、核転換に伴う平和利用そのものではなくて、ウランはウランでありまするが、これの化学的な特性を利用するという意味でございますので、決して核転換に伴う本来の意味の原子力の利用という意味ではございませんので、そういう場合でも許可を受けて使用できるというふうにしたいというので、この第二項の改正をいたしたわけであります。  第三点は、譲渡及び譲受の制限に関しまして、その制限を若干緩和いたしたい。ただいまの法律では、許可を受けた者以外にはウランの流通は禁止されております。そういたしますと、非常に、先ほど申しましたようなことで不便でございますので、一定種類の微量のものに限っては、許可を受けた者から譲受または許可を受けた者に対して譲渡ということが、許可なしにやれるというふうにいたしまして、ただ、その間、どこにどれほどいっているかということを明確にするために、実際に燃料公社等がどこへ売り渡したか、はっきり明示のできるようにいたしまして、許可に際しまして条件をつけまして、そうしてどこにどれほどいっているかという所在は常に明確にできるようにいたしたいといたしたいというふうな考えでございます。  以上が簡単でございますが、この法律改正いたしたいという趣旨でございます。
  66. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 以上で内容説明は終りました。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  67. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記を始めて  これより本案の質疑を行います。御質疑のある方は順次御発言願います。
  68. 阿部竹松

    阿部竹松君 内容については質問ないわけですが、一点だけ佐々木さんにお伺いしますが、あなたにしかつめらしく説明していただいたのですが、昨年の国会においてやるべき筋合いのものであったと私は判断するわけです。しかつめらしく濃縮ウランなどということはあるけれども、昨年と本年との情勢が全然変っておりません。従って、当然あなたがこの提案をなされたときに、次官は当時御存じないかもしれないけれども、あなた方のミスであるというふうに私は判断するわけです。その点いかがですか。
  69. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) まことに面目次第もない話でございますが、お説の通りでございまして、去年法律を作る際に当然これは予想してやるべきはずのところが、実情がよくわからなかったものでございまして、こういうぶざまなことになった次第でございます。
  70. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは、譲渡、譲受をすることのできる者は、有資格者として別にきめることになっておりますか。それから、青酸カリでも睡眠薬でも、薬屋で、一定量をこすというと人命に影響があるのでありますが、譲渡したり譲受を受けたりする者が、ちゃんと定めるところによって明らかなんですけれども、工業用に使うべきはずの青酸カリを飲んで死ぬ者があったり、一定量しか飲まないはずの睡眠薬を飲み過ぎて人命に損壊がしばしば起っているのですが、そういうことの心配は一体どういうふうに制限をされるおつもりであるか、この二点、お伺いいたします。
  71. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 第一点に関しましては、許可をするに際しましては、もちろん資格を厳重に法に従いまして検査した結果、許可をいたします。  それから第二点の有害か無害かという問題でございますが、これはもちろん有害のものは許可いたしません。許可と申しますか、自由に使うようにはいたしません。一定量と申しますのはごく微量でございまして、それに関しましては何ら健康上に対しても危険はなし、あるいはそれを平和目的以外に使うといっても使えない程度の微量でございますので、そういう心配はなかろうというようなつもりであります。
  72. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは、今資料をいただいたばかりで十分拝見をしておりませんのでお尋ねをするわけですが、微量、微量という言葉が多く出てくるのですが、微量と多量のなにはどこできめてあるのですか。
  73. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 大体微量と申しますのは、ただいまの現状の実例から申しますと、一グラム未満程度が平均でございますので、大体ウラン二三五、純分に換算いたしまして一グラム未満程度を目安にいたすつもりでございます。
  74. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。−別に御発言もなければこれにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、これより採決いたします。  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を衆議院送付の原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  77. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、委員長の口頭報告等、諸般の手続は、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  次に、本法案を可とされた方は、順次、御署名願います。   多数意見者署名     青柳 秀夫  高橋進太郎     高橋  衛  小幡 治和     小澤久太郎  三木與吉郎     阿部 竹松  椿  繁夫     小西 英雄
  79. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 次に、北海道地下資源開発株式会社法案を議題といたします。  これより本案に対する討論を行います。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、付帯決議の御意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。
  80. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法案に次の付帯決議を付して賛成をいたします。  まず、付帯決議の案を朗読いたします。    北海道地下資源開発株式会社法    案に関する付帯決議   政府は、本法の施行に当り、特に  次の諸点を配慮すべきである。  一、会社の機構は簡素のものとする   こと。  二、資金の効率的使用を図ること。  三、年次的事業計画を具体的に策定   し強力に推進すること。  この北海道地下資源開発株式会社法は、わが国の宝庫であります北海道の資源を開発する非常に重要な使命を持つ会社でございますが、今までの質疑の間にもございましたように、これを開発する目的はまことにけっこうでありまするけれども、実際問題としてはずいぶん困難なことが多いように思われるのでありますので、ただいま朗読をいたしました付帯決議を付するようなことになったのでございまして、その理由を簡単に申し上げます。  新しい会社でありますから、一定の陣容は必要だと思いますけれども、この会社目的は結局ボーリングをするという、割合に簡単なる事業でございますから、この機構、組織等は極力簡素にされたい。  第二としては、読んで字の通りでございますが、普通の会社と異なりまして、国費が中心になっておるような関係上、特に資金のむだのないように極力効果を上げ節約をされていきたい。  第三としては、初めて始まる事業でありますが、相当困難はありましても、一定の事業計画を立てられまして、その具体的な目標に向って事業を進めて成績を上げるようにしていかれたい。かような意味においてこの付帯決議を付したわけであります。  なお、繰り返して申し上げますが、北海道におきましてはすでに石油資源は他の会社において推進されておりますし、石炭その他の地下資源の豊富であることはわかっておりますけれども、しかし、これをいかに開発していくかということはなかなか言うべくしてむずかしいことと思うのであります。しかしそれでありますから、これで足りなければ、さらに多額の国費その他を投ずることはわれわれとしてもむしろそれをなすべきと思うのでありますけれども、しかし、事業が成績が上るかどうかという点について十分なる確信を得ないような状況でございまするので、どうかこれを特にこういう会社を作られて進む以上、極力成績の上りまするように、社長その他の人選におかれても留意せられるとともに、これを監督指導される政府におかれましては、十分気をつけて一つ会社の発展に骨を折っていただきたい、かような要望を強く御当局に申し上げまして、本案に賛成をいたします。
  81. 阿部竹松

    阿部竹松君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま青柳委員提案の付帯決議並びに本法にただいまから申し上げる二、三点の要望を希望意見として申し上げて賛成したいと思うのであります。  第一点は、青柳委員ただいま御説明になりました付帯決議の第三項目にございまする予算、具体的計画、こういうものについて、本年は出発当初でございまするから若干漏れた点がございましても、明年度から資金繰り計画を明確にして仕事をやっていただきたい。  第二点は、本社が東京という原案を衆議院において札幌というように修正されたわけであります。しかし、私ども考え方といたしましては、本社の首脳部の行う事業といたしましては、機械の購入とか、資金繰りとか、監督官庁と折衝あるいは鉱区を持っておるそれぞれの会社、個人、こういうものとの折衝が主でございまして、北海道は一事業所にすぎないというように判断されるわけでございまするから、やはり原案の方がよろしいのではなかったか、それにつきましては、衆議院委員会において開発庁説明された方の努力もわからないわけではございませんけれども、十分でなかったのではないかという点も考えられまするので、明年度におきましては、修正された点を十分衆議院と話し合っていただきたいという点を第二点として申し上げるわけであります。  第三点といたしましては、本年度は五億で出発するのでございまするが、明年度、明後年度の金額その他については明確でございません。北海道で現在、例をあげてみますと、日本鉱業あるいは三菱鉱業等、政府の現在出されておる御計画を上回ったボーリング会社がたくさんございます。従って、こういう会社と当然競争ということになるだろうと判断されるわけですが、十分注意してやっていただかなければ、今まで開発庁が八百数十億の金を北海道に投じて、きのうも質問の過程で申し上げました北大の中谷博士から、何ら効果を上げておらないではないかという非難が出る状態では困りますので、その点も十分注意していただきたい、以上要望申し上げて、北海道は非常に開発がおくれておるところでございまするから、内容は若干無理だと思うわけでございまするけれども、意のあるところを了といたしまして賛成するものでございます。
  82. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 他に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、これより採決いたします。  北海道地下資源開発株式会社法案を問題に供します。本案を衆議院送付の原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  84. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました青柳君提出の付帯決議案を議題といたします。青柳君提出の付帯決議案を、本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  85. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 全会一致と認めます。よって青柳君提出の付帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に、委員長の口頭報告等、諸般の手続は、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  次に、本案を可とされた方は、順次、御署名願います。   多数意見者署名     青柳 秀夫     高橋  衛     小澤久太郎     阿部 竹松     小西 英雄     高橋進太郎     小幡 治和     三木與吉郎     椿  繁夫
  87. 近藤信一

    委員長近藤信一君) この際、ただいま可決されました付帯決議について、池田事務次官から所信の表明を願います。
  88. 池田一男

    説明員(池田一男君) ただいま付帯決議を拝聴いたしまして、十分本会社の運営に当りましては、この御決議に沿うように努力する所存でございます。  なお、討論の中にもございましたように、それらについても慎重に考慮を払いまして、会社の運営の万全を期するように努力したいと思っております。どうもありがとうございました。
  89. 近藤信一

    委員長近藤信一君) それでは、本日は、これにて散会いたします。    午後二時三十六分散会      —————・—————