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赤松常子君 当
委員会で、重要な
法案が山積いたしておるにもかかわらず、今の繊維の
不況対策に関しまして、若干の私の質問時間をお許しいただきましたことを、
委員長初め理事の皆様に心から感謝申し上げます。
時間もございませんから、私簡潔に要領よく御質問いたしたいと思いますので、どうぞ
答弁も要領よくお願い申したいと思っております。
繊維産業が、戦後、及びずっと戦前から日本の
経済発展のために尽して参りました。その功績を今さら私ここで申し上げる必要はないと存じます。ほんとに、製糸を含めまして、過去一世紀の間、日本の貿易の王座を占めて参りまして、外貨の獲得のために非常に織維産業が尽して参りましたことは御
承知の
通りだと思うのでありますが、昨年来の
経済不況から、急に繊維産業界にも深刻な波が押し寄せて参りました。つまり、設備が過剰になる、従って、在庫が増大している。だから首切り、操短というようなことに、非常に悪循環をして参っておりまして、しかも、そのたびにいつも犠牲になるのが、
関連労働者、特に繊維産業は、申すまでもございません、未成年の婦人労働者が八〇%も占めておりまして、こういう、一面非常に力の弱いと申しましょうか、そういう婦人労働者を多く擁しておりますものですから、こういう操短などが非常に簡単に行われがちでございます。ところが、こういう実態に際しまして、
政府及び行政機関は、もうこれはしようのないことだ、既定の事実だ、というような態度をお示しになっていらっしゃるだけでございまして、私
どもは非常に遺憾に思う次第でございます。特に、繊維産業は景気の変動を敏感に感ずる特殊性を持っておりますけれ
ども、私
ども、その根本的な不況のよって来たる原因は、
政府のこういう繊維産業に対する計画性と申しましょうか、その計画性の欠除、及び、その反社会的な問題がいろいろ起きておりますが、そういう問題に関しても実に冷淡でいらっしゃる。そういう
政府自体の繊維産業政策に対する計画性のなさというものが、こういう不況を招いている大きな原因のように私
どもは思っているわけでございますが、こういうことがずっとこれから放置されるということになりますと、日本の
経済の発展に大きな障害を来たして参り、また、輸出の面からも、大へん私は日本の
経済に大きな損失を招く問題になると思うのでございます。さらに、今申しますように、ここに働いております婦人労働者、八〇%でございますので、首切りなどになりますと、最近も御
承知のように農村に帰っても仕事がない。で、最近売春防止法も
施行されておりますから、そういう、農村に帰った若い女子の人が、そういう方面に落ちていくということは防いで参りましたけれ
ども、しかし、都会などのまだ不健全な職場にそういう人が流れてきている事実は、私、これは一面大きな社会問題でもあると思うわけです。こういう実情に対しまして、私は、
政府がどう思っておいでになるのか、将来の見通しをどういうふうにお立てになっているのか、こういう社会問題をどう処理されようとなさっているのか、少し質問したいと思うわけでございます。
まず第一は、操短についてでございますけれ
ども、いつも問題になっておりますのは、操短ということが一応行われましても、現実、その過剰生産になっておる。こういうことはもうすでに御
承知の
通りでございますけれ
ども、この、額面
通り操短ということが行われていないという、こういう実情でございますね、これも私は非常に問題だと思うのでございますけれ
ども、まあ、きょうは問題をしぼって参りたいと思っております。で、昨年の四月にスフが一二%操短をいたしましたことから、だんだん人絹、綿紡、純毛糸に波及して参りまして、本年一月からは綿糸が約二〇%、それから人絹が約五〇%の操短が
強化されております。この四月一日からは、さらに、綿紡糸が三〇%の操業短縮に切りかえられておりますし、その上に、さらに
政府の三十三年度の上期の外貨
予算では、原綿とか原毛の割当を減らしていらっしゃる。こういう対策が行われておりますけれ
ども、
政府は一体、繊維の
不況対策は、こういう操短だけで十分であると思っておいでになるのかどうか。今申しますように、その
しわ寄せはすべて労働者にかかってきている。
で、私は
政府にお伺いしたいことは、現在の操短の
効果というものが、一体どのくらい現われているものか。先ほど申しましたように、逆に過剰生産になっている面はないのかどうか。それからさらにこの操短の
期間、これをいつごろまでに限定しておいでになるのでございましょうか。この点をお聞きいたしたいと思います。