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相馬助治君 椿
委員の質問に関連して私も二、三点伺いたいのですが、椿
委員の質問のよって立っている基礎と、私が
考えている立場と若干違うかも知らないので、それを私は劈頭に申し上げて質問したいと思います。
台湾との貿易については、かりにこれが不可能になりますれば、さしあたり被害をこうむるのは中小輸出メーカーであって、そういう面からは台湾との貿易なんかはどうでもよいのだという論をなす者に対して、私は反対の態度を持っておるわけであります。いわば、台湾との貿易についても相当
考えていかなくちゃならないのではないか。日本の中小
企業者の立場からそのことを私は
考えているわけであります。しかしまた、一方中共との貿易については、将来を見通して、これもまた十分
考えなければならないことは論を待たないわけで、そういう角度に立って私はお尋ねをしたいと思うのです。
最近の第四次協定に関連しての問題は、まさに岸内閣のよろめき
政策の結果であり、または別な表現をいたしますれば、藤山外交の無能を暴露したものであって、実はこの問題について前尾通産
大臣がわれわれから質問を受けることは、あなた自身はきわめて迷惑であるかもしれない。いわば当面の、今度の貿易についての失態の責任者は、明らかに通産
大臣ではなくて、岸内閣総理
大臣であり、藤山外務
大臣であるという認識に私自身は立っております。しかし何と申しましても、当面の貿易をあずかる責任者はあなたなのでありまするから、そこであなたの見解を承わっておかなければならないと、こういうふうに
考える。
第一の質問は、イギリスは中共を承認しております。しかもまた、一方に台湾
政府とは貿易を堂々とやっております。これに対して日本の今回の状況というものは、あまりにもみじめ過ぎると
考えるのですが、通産
大臣はイギリスのこの外交上、貿易上とりつつある策を、どのように教訓的に学び取られておるか、そして何か参考としてこの中から摂取すべきものがありとお
考えになっておるか。それともまた、台湾と日本との
関係とは全く違うので、問題は別であるというふうに把握されておるのかどうか、これが私の質問の第一点です。
それから第二点は、国旗を立てなくても商売はできるというこの
説明はまさにその
通りです。国旗を立てなくても商売はできますし、国旗に対してあんな神経質になるのはおかしいじゃないかという議論にも、私は一応耳を傾けますけれ
ども、日本人が真剣に反省しなければならないことは、日本人の国旗に対する感覚というものは、世界民族のあらゆる民族のうちで最低のものです。これは地続きに国境を持っていないせいなのかどうかわかりませんけれ
ども、戦争中に目の丸とか何とかいって盛んに宣伝をして、どうやらこうやら国旗というものに対する目が幾分開けたような思いはいたしまするけれ
ども、民族の本能的な感覚からいって、国旗というものについて、諸
外国の国民が
考えているような感覚を持っていないと思うのです。そこからくる
一つの行き違いだと思うのでございまするけれ
ども、あなたの責任をもって答弁をする領分ではないと思うのですけれ
ども、国旗を立てなくたって貿易できるじゃないかというそういう認識だけでは、とても相手を説得しかねると思うのでございまするが、これに対してどのようにお
考えであるか。貿易は貿易じゃないか、政治は政治じゃないか。こっちはその方が都合がいいからその
通りなんだが、相手があることであって、相手がそう思わないのでは、これはどうしようもないのであって、当面の貿易の責任者として、この問題について通産
大臣の御見解を承わりたいと思うのです。
それから
最後に承わりたいと思うことは、これもあなたから責任をもって答弁を求めることは、若干無理だと思うのですけれ
ども、岸内閣の閣僚である責任を分担するあなたにお尋ねをしたいのですが、この第四次協定ができて、そうして国民
政府がへそを曲げたときに、これは
政府のある人も、あまり高い責任者ではないようですけれ
ども、なにそのうちほっておくうちに、国民
政府自身が参るからして心配なことはないのだ、こういう放言を新聞にしておる。ところが、蒋介石総統が頑強な態度を宣言し、いよいよ国民
政府の方が強硬な態度を次々と打ってきたので、これは大へんだというので、いささかあわてふためいて、そうして措置をとったという傾向が見えますが、すなわち相手をなめ切って大したことないのだというよけいなことを新聞で言うからして、あとでよけいな心配しなければならない。おのれの頭上につばきを吐くような結果が出てきておると思う。今度の幹事長の談話も、全くそれと似ていると思う。これは社会党に対する援護射撃だから、選挙でも終ってからゆっくりやるのだ。これはそう言われた方にしてみると、非常な侮辱だと思うのです。われわれが相手にけんかを吹っかけて、向うが本気になってなごりつけてくるならばまだしも、にやりにやり笑っておって、今そうして君は怒っているけれ
ども、そのうちに君がくたびれるだろうというようなことでもって、全く放置されて、なめられて、無関心な態度をとられたら、この方が一番相手を憤慨させると思うのです。私はこの際は藤山さんでも何でも国交は回復されていないと言うけれ
ども、先頭に立って
政府がやはり自主的に積極的にこの問題を解決するのだという
一つの気がまえと行動を、一日も早く起すべきではないか、こういうふうに
考えるのでございますが、通産
大臣はどのようにお
考えであるか、
一つ基本的な問題だけを三点あげてお尋ねいたしましたが、明快な答弁を期待いたします。