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1958-03-13 第28回国会 参議院 商工委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年三月十三日(木曜日) 午前十時四十四分開会
—————————————
委員
の
異動
本日
委員紅露みつ
君辞任につき、その 補欠として
大谷贇雄君
を
議長
において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
近藤
信一
君
理事
青柳
秀夫
君
古池
信三
君
相馬
助治
君
委員
大谷
贇雄君
小沢久太郎
君
小幡
治和
君
小滝
彬君
小西
英雄
君
西川
彌
平治
君
高橋進太郎
君
高橋
衛君
加藤
正人
君
大竹平八郎
君 国務大臣
通商産業大臣
前尾繁三郎
君
政府委員
通商産業省通商
局長
松尾泰一郎
君
事務局側
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
輸出保険法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
日本貿易振興会法案
(
内閣送付
、予 備審査)
—————————————
近藤信一
1
○
委員長
(
近藤信一
君) これより
商工会員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。本日付をもって
紅露みつ
君が辞任され、その後任として
大谷贇雄君
が選任これました。先日、
委員長
及び
理事打合会
を開き
協議
いたしました結果、本日は、午前中にまず
輸出保険法
の一部を
改正
する
法律案
を
審議
し、そのあとで
日本貿易振興会法案
の
審議
も行いたいと思います。なお、午後は一時三十分から
企業担体法案
について
法務委員会
と
連合審査会
を開きますので、これらの点についし御了承を願います。
—————————————
近藤信一
2
○
委員長
(
近藤信一
君) それでは、これより
輸出保険法
の一部を
改正
する
法仲案
を
議題
に供します。御
質疑
のある方は順次御
発言
を願います。
——別
に御
発言
もなければ、
質疑
は尽きたものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
近藤信一
3
○
委員長
(
近藤信一
君) 御
異議
ないと認めます。それでは、これより
討論
に入ります。御
意見
のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
相馬助治
4
○
相馬助治
君 私は、
日本社会党
を代員会
会議
表いたしまして、ただいま
議題
となっておりまする
輸出保険法
の一部
改正法律案
に対しまして
賛成
の意思を表明するものでございます。二十六、二十七
国会
は
中小企業者
のための
国会
であると言われ、今二十八
国会
は
輸出振興
を
中心
とする
貿易国会
であると批評するものがあります。またまことにその
通り
であらねばならないと考えるものでありまして、
財政
の面においても
政策
の面においても、あらゆる
施策
が
貿易
を
中心
に展開されるべきであると考えるものであります。その場合におきましても、当然
輸出振興
を中軸として考えるべきであり、その
輸出振興
に見合うところの
輸入
ということに構想をもって国の
施策
が進んでいかなければならないと、かように思うのであります。かように
貿易国会
であると言われ、
政府
もまた
輸出振興
について万全の策をとる熱意を持っていると言われておりまするこの
国会
におきまして、本
委員会
が最初に採決する
法案
が、ただいま
議題
となっておりまするこの簡単な
輸出保険法
の一部
改正案
であるということは、皮肉に申せば現
政府
の
政策
の貧困をある
意味
で象徴的に現わしているものであると言えないことはないと思うのでございます。しかしながら、
貿易振興会法案
というかなり画期的な
財政
の
内容
を付与したところの
法律案
も次に用意されておりまするのでございまするから、ただいまの私の表現がある
意味
で行き過ぎであるということが逐次判明して参りますことを私はまた別な
意味
から期待するものでございます。とにかくこれによって
輸出保険制度
が
簡素化
され、被
保険者
の
負担
が軽減されるという
内容
を持っておりますことは、まことに
時宜
に適した適当なものでございます。願わくばこれが
政府
の直接引き受けになりますから、
通産省
におかれては窓口その他これに当る者がサービスの精神を忘れすに本
保険制度
がうまく
運営
されることを、私は
本案
の
成立
に関連して強く期待するものでございます。以上をもって
賛成
の
討論
を終ります。
青柳秀夫
5
○
青柳秀夫
君 私は、自由民主党を代表いたしまして本
法案
に
賛成
の意を表するものであります。
貿易振興
上、
輸出保険制度
が非常な貢献をしてきたことは過去八年の歴史で明らかでありますが、
海外貿易
というものは
相手国
の政情その他にも支配されますので、一てう
輸出業者
の
取引
の安定をはかる必要がある。その
意味
において
保険制度
というものは、非常に責任が大きいわけでありますが、今回の
改正
は
時宜
に適したものと思うわけであります。今回、
普通輸出保険
が
政府
の
直営
になりますが、この
直営
に対しましては、従前の
民間
の
保険会社
がやりましたように、
業者
に十分
利用
せられまして不便をかけないように、官僚的になるというようなことのないように希望いたしまして、
本案
に
賛成
をいたすものであります。
加藤正人
6
○
加藤正人
君 私は、
本案
の
成立
に
賛生
をいたします。むしろかような
法案
が提案されたことがおそきに失しておるうらみがあるくらいに考えております。この際一、二の
要望
をいたしたいと思います。
貿易
並びに
為替管理制度
の
簡素化
に当りまして、従来の
LCベース
の
標準決済方式
がはずされて、
DA
、
DT等
の
LC
なしの
取引
が近く認められることになる由でありますが、このことは必然的に
輸出保険制度
の
利用
を促進する結果となるのであります。従って
政府
は、この機会に
保険料金
の
引き下げ
、特にこの点についてはまだまだ
引き下げ
の余地がある。あえて
保険財政
の
独立採算制
の
考え方自体
にメスを入れる要があるくらいと考えておるのでございます。また、あるいは
保険金
の支払いの
円滑化等本法運用
の根本的な
改善
をはかるべきであると考えます。 もう一つは、
合弁事業
の形式による
わが国企業
の
海外進出
、これが
わが国
策とも申すべきであるにもかかわらず、これらの
海外進出事業
はおしなべて現地の
運転資金
に非常に窮乏を感じておる、この調達に多大の困難を感じておる、これが現状でありまして、これはもう幾つもこういう実例を耳にしておるのであります。従いまして、これらの
運転資金
の供給を容易にすることはきわめて緊要であると考えるのであります。このため
通産省
におきましては、
長期貸付保険制度
の創設を意図したという由でありまするが、
大蔵省側
の反対するところとなって一応お流れの形になっているやに聞き及んでおるのでありまするが、
政府
はこの際すみやかに思想の統一をはかってこの実現を期すべきであると考えるのであります。これらの
要望
をしつつ
本案
の
成立
に
賛成
をいたします。
大竹平八郎
7
○
大竹平八郎
君 私は、
無所属クラブ
を代表いたしまして
本案
に
賛成
するものであります。
普通輸出保険
が
政府
の
直営
になり、そうして
業者
の
負担
が軽くなるということでございますので、これは広い
意味
におきまして、
輸出
の
振興
になることであります。ただ、
保険業者
が
相当仕事
が少くなるという点は、申し上げました
輸出振興
の面から言いまするならば、これは問題にはなりません。ただまあ、えてして
官営事業
になりますと、
繁文褥礼
に流れやすいという点は、特に
政府
として御留意いただきたいと思うのでございます。 それと、私は先般も
本案
の
審議
に当って御質問申し上げましたが、ただいま
加藤先生
からも指摘をせられました
為替
の
簡素化
という問題につきまして、
東南アジア
、その他の
LC本位
でやっていた方面に相当な今後問題が起るということが予想されるのでありますから、そういう点に対しまして、
本案
との連関というものを十分にお考え下さいまして、やっていただきたいと思うのでございます。私は、そういう点を申し上げまして
賛成
をするものであります。
近藤信一
8
○
委員長
(
近藤信一
君) 他に御
意見
もないようですから、
討論
は終局したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
近藤信一
9
○
委員長
(
近藤信一
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、これより採決を行います。
輸出保険法
の一部を
改正
する
法律案
を問題に供します。
本案
を
原案通り
、可決することに
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
近藤信一
10
○
委員長
(
近藤信一
君)
全会一致
と認めます。よって
本案
は
全会一致
をもって
原案通り
可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
会議
における
委員長
の
口頭報告
の
内容
、
議長
に提出する
報告書
の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
近藤信一
11
○
委員長
(
近藤信一
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 それから、
本案
を可とされた方は順次御
署名
を願います。 多数
意見者署名
相馬
助治
大竹平八郎
加藤
正人
西川
彌
平治
小沢久太郎
小西
英雄
青柳
秀夫
高橋進太郎
古池
信三
高橋
衛
小滝
彬
大谷
費雄
小幡
治和
近藤信一
12
○
委員長
(
近藤信一
君)
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
近藤信一
13
○
委員長
(
近藤信一
君)
速記
を始めて。
—————————————
近藤信一
14
○
委員長
(
近藤信一
君) 次に、
日本貿易振興会法案
を
議題
といたします。 まず、
本案
の
内容
について
説明
を願います。
松尾泰一郎
15
○
政府委員
(
松尾泰一郎
君) まず、
日本貿易振興会法案
の要綱の
説明
をさしていただく前に、現在の
財団法人海外貿易振興会
につきまして簡単に
説明
させていただきたいと思うのであります。 現在の、いわゆる
ジェトロ
は、
昭和
二十九年の八月二十日に発足したのでありまするが、それは従来からありました
財団法人海外市場調査会
、それから
国際見本市協議会
、
日本貿易斡旋所協議会
の三
団体
を統合しましてできたものでありまして、まずこの
海外貿易振興会
の前身であります
財団法人海外市場調査会
は、
昭和
二十六年二月に、戦後におきまするめくら
貿易打開
のための
海外市場
の
調査
を
目的
としまして、
関係業界
、
地方公共団体
の寄付行為及び
政府
の
補助金
をもとに設立されたのであります。また、
国際見本市協議会
、この方は
昭和
二十七年の三月に
海外
における
国際見本市
への
参加
及び
日本単独
の
商品見本市
の主催を
目的
としまして主要の
商工会議所
、
地方公共団体代表者
を
構成員
として設立されたものであります。それから、
日本貿易斡旋所協議会
の方は、
昭和
二十八年の九月に
海外主要都市
に
常設貿易機関
を設置、
運営
するために
地方庁
、
業界
を会員として設立されたのであります。ところが、この
国際見本市協議会
、それから
日本貿易斡旋所協議会
、この二つの
事務局
は
海外市場調査会
に委嘱されまして、実際は
海外市場調査会
が実行して参っておったのであります。それが
業界
の御意向もありまして、三
団体
を統合しまして、先ほど申しますように二十九年の八月の二十日に現在のいわゆる
ジェトロ
が発足をして、今日まで諸般の
貿易振興事業
を営んで参ったのであります。その
事業
を大別して申しますと、
海外市場調査事業
、
貿易斡旋事業
、
海外宣伝事業
、
国際見本市事業
、
輸出品
の
意匠改善
の
事業
、
輸出振興共同施設事業
、
出版事業
、
機械展示センター運営事業等
の
事業
を営んできておるわけでありまして、
昭和
三十二年度現在におきまして
政府
からいただいておりまする
補助金
の総額が七億五千万円
程度
になっておるのであります。その他
地方庁
及び
民間
からの
醵出金
を入れまして約十三億円
程度
の
事業
を
運営
をしておるというような次第でございます。 そこで、今回、
特殊法人
としまして
日本貿易振興会
を設立いたしたい
理由
といたしましては先般の提案の
理由
にも
説明
されておる
通り
でありますが、一言申し上げますならば、
貿易振興
のますます
重要性
にかんがみまして、
貿易振興事業
を実施する
中枢機関
を刷新強化しまして、その行う
事業
を大幅に拡充をして
輸出振興
をはかろう、こういうわけであります。そこで、
政府
からの
貿易振興関係
の
補助金
の増額もされようとしておるわけでありまして、先ほど申しましたように、三十二年度においては七億五千万円でございまするが、それが三十三年度においては十億一千万円
程度
の
補助金
をいただくことになろうかと思うのでございます。さように
補助金
の増額をはかりますとともに、新しく二十億円の
政府出資
を得まして、要するにこういう
貿易振興事業
の経営の基盤の強化安定を期するというのが今回のこの
特殊法人設立
の
理由
であります。他面、この
事業運営
並びにこの
出資金
の管理につきまして一定の
政府
の
監督
をする必要がありまするので、所要の
監督法令
を設けるというのが今度の新
貿易振興会
を
特殊法人
にお願いせんとする
理由
であります。それで簡単に、しからばこの現在の
ジェト口
と新しい
日本貿易振興会
との大ざっぱな
相違点
を申してみますと、現在の
ジェトロ
におきましては、もちろん
政府出資
はないわけであります。
民間
及び
地方団体等
からいただきました
基金
が現在四億三千九百万円ほどございます。それがいわば
資本金
といえばいえるものではないかと思うのであります。今回は
政府
から二十億円の
資本金
をいただくことになろう。また、現在は民法上の
財団法人
でありますが、今度の
貿易振興会
はいわゆる
特別法
に基く
特殊法人
になるわけでございます。 それから
運営
の方針といたしましては、もちろん民主的に
運営
されることは同じでございまするが、
特殊法人
になりますると、とかく官僚的なにおいのしないこともないということもおそれられるわけでありまして、特に
本案
におきまして
運営審議会
を設けまして、
民間
の創意を取り入れる。
運営
の弾力をはかることになっておる。それから
監督関係
につきましては、現在の
ジェトロ
は民法上の
法人
でございまするので、そう深い
監督関係
はございません。ただ、
補助金
を交付するに当りましての所要の
監督
があるにすぎないのでありますが、今回この
特別法
にかりますと、
役員
の任免にしましても、
事業計画
あるいは
資金計画
、
収支計画
あるいは借入金その他につきまして
政府
の
承認
ないし
認可
が要るということになろうかと思います。 それから
事業規模
としましては、現在の
ジェトロ
は十三億七千万円
程度
でございまするが、新
ジェトロ
は、先ほど申しました
政府
からの
補助金
が十億一千万円と、それから
資本金
としていただきまする二十億円の金利六分といたしまして、十二カ月で見ますれば一億二千万円、まあ初年度は十一ヵ月
程度
になろうかと思いまするが、ともかく一億一、二千万円の金利とが加わりまして、要するに国からは十一億三千万円
程度
の国庫の
補助金
がいただけることになろうと思うのであります。それから
民間
の
基金
でございまするが、現在の
ジェトロ
ではまあ五億八千万円
程度
を
民間
及び
地方公共団体
からいただいておるわけであります。新しい
日本貿易振興会
になりまして、その
民間
の
基金
がどうなるか、若干不明確な点もありまするが、今各
地方庁
、
業界等
からのいろいろの御協力を得ておりまする状況から判断をしますと、かなりふえまして、これが七億八千万円
程度
の
醵出金
を得られるのではないかというふうに見ております。それから
事業
の
規模
でございまするが、現在は
海外市場調査
といたしまして三十五
都市
に三十五名の
調査員
、そのうち
長期派遣員
が二十名、
委託調査員
が十五名おるわけでございます。その
所要資金
約一億円になっているのでありますが、新
法人下
におきましては
都市
としては三十五
都市
でありまするが、二十名の
長期派遣員
を二十七名にふやしまして、
委託調査員
をその分だけ少くしたい、できますれば必要な地域では一名じゃなしに、二名の
ダブル配置
にいたしたいというふうに考えております。従いまして、今の大ざっぱな予定といたしましては、
市場調査関係
では二億三千万円
程度
の
規模
になるのではないかというふうに考えております。 それから次に、
貿易斡旋所関係
でありますが、現在は四カ所でございまするが、新
法人下
におきましてはニカ所ふやしまして六カ所
程度
を考えております。 それから
国際見本市
の
参加
につきましては、現在の
規模
では五カ所
程度
の
参加
でございますが、これを九カ所
程度
にふやしたい、こう考えておるわけであります。 それから
海外広報宣伝
につきましては、映画なり、
出版物
の
製作配布
及びテレビの
利用等
といたしまして現在は四千万円ほど使っているのでありますが、これを七千万円くらいにふやしていく。それから
特別宣伝
を現在は
アメリカ
、
カナダ市場
で六千万円ほどの金を使っておるのでありますが、新
法人下
におきましては
アメリカ
、
カナダ
などのほかに、豪州、
東南アジア
、中近東を入れまして一億一千万円
程度
の
規模
にする予定でございます。 それから
意匠改善事業
にいたしましても、若干の増額を見込まれておるのであります。 それから農産物あるいは水産物、
医薬品等
の
海外共同施設
につきましても現在は四カ所、新
法人下
においては五カ所
程度
を考えております。それから特に
アメリカ
におきまするマグロ、
ミカン
の
貯蔵品
のためにも若干の費用がふえますほかに、欧州、
北アフリカ市場
に対しまして
ミカンカン詰
、
お茶等
の宣伝を新しくやりたい。 それから
輸入制限
の運動に対しまする
予防調査
を今回は新たに実施したいというふうな、
事業内容
のかなりの拡大になろうかと思うのであります。これをもってわれわれは十分といたしておりませんが、また次年度におきまして逐次御協力を得まして拡充いたして参りたい、こういうふうに考えております。 そこで、お手元に配付されておりまする
法案
の要綱を簡単に御
説明
を申し上げます。 まず第一は、
日本貿易振興会
の
目的
でございまして、「
わが国
の
貿易
の
振興
に関する
事業
を総合的かつ効率的に実施する」ということであります。「総合的かつ効率的」にということでありまして、この総合的と申しますのは、別段ここで全部一元的に、排他的にという
意味
ではないのでありまして、
貿易振興事業
をできるだけ総合的にやろうという
意味
でございます。諸種の
貿易振興
については、それぞれ総合的な関連がある、こうございますので、できるならばできるだけ多く一緒に実施をしたい、こういう
意味
でございます。 それから第二の「
振興会
は、主たる
事務所
を東京都に置くものとする。」現在の
ジェトロ
は、主たる
事務所
が大阪府でございます。これは当然東京都に置くということになるのであります。 第三は、
振興会
の
資本金
でありまして、二十億円、先ほど御
説明
を申し上げた
通り
であります。 第四は、「
振興会
でない者は、
日本貿易振興会
という名称を用いてはならないものとする。」ということで、別段御
説明
の必要がなかろうと思います。 第五は、
役員
でございますが、
役員
といたしまして「
理事長
一人、副
理事長
一人、
理事
六人以内及び監事二人以内を置くものとし、」とありますが、現在も
理事長
一名、副
理事長
は二名、それから
理事
は四名、監事は二名、だから現在のところは九名ということでありまするが、これが十名になるわけであります。もっとも現在のところは十名のうち常勤の
理事
は五名になっておりますような次第でございます。 それから第六は、
役員
の
兼職禁止
の
規定
でございます。「
役員
は、営利を
目的
とする
団体
の
役員
となり、又は自ら
営利事業
に従事してはならない。」ということであります。「ただし、
通商産業大臣
が
役員
としての職務の執行に支障がないものと認めて許可したときは、この限りでないものとする。」これは
役員
といたしまして
専心貿易振興会
の
事業
に従事をしていただくということからの
規定
でありまするが、しかしながら厳格に
兼業禁止
をいたしますと、人選に当ってなかなかむずかしいような場合も予想されまするので、職務の執行に支障がないと認められる場合、言いかえてみますと、
貿易振興会
の
事業
の
役員
に指定されるというような場合、たとえばある会社の会長さんをやっておられたということで、そこ へたまに出られるだけでありまして、要するに
貿易振興会
の方に毎日出て、そこを中心に仕事はできるというふうな場合を、この「職務の執行に支障がない」こういうふうに考えておるのであります。そういう許可を受けた場合には兼業もかまわないという
規定
であります。 それから第七は、
運営審議会設置
の
規定
でございます。この
振興会
の
運営
を民主的にいたすため、
民間
の
意見
を十分取り入れるために
業界等
から
委員
を選びまして
運営審議会
を構成して、重要な事項はここで
審議
をしてもらうし、また
意見
を申し述べてもらう、こういうことであります。 それから第八は、
振興会
の
業務内容
でございますが、一から八までわたっておりますが、先ほどもいろいろ御
説明
を申しましたようなことでございまして、現在いたしております
事業
が大部分であるわけでございます。 それから特にこの六号に「
貿易
の
振興
に関する
業務
であって、
行政庁
から
委託
を受けたものを行うこと。」とあります。これは現在の
ジェトロ
は、ちょうど今年の四月から始まりますブラッセルにおける
万国博覧会参加事業
をいたしておるのでありますが、これは
政府
の
事業
であります。
政府
から
委託
を受けてやっておる
事業
であります。そういう場合を
行政庁
から
委託
を受けた
事業
というふうに考えておる次第であります。 それから第九、第十、それから第十一は、財務及び会計に関しての
規定
でありまして、それぞれ
認可
ないし
承認
を受けることになっておるのであります。で、これはまあ他の
特殊法人
とほとんど共通の
規定
でございまして、国が
全額政府出資
をし、また
業務
の
事業費
の過半を国の
補助金
でいたしておるというような場合におきましてのまあ当然の
規定
なのでありますが、この
貿易振興会
の
業務
は、
海外
における
業務
が主体でありますので、その
事業
は極力機動的に動かさなければならぬのであります。従いまして、
認可
、
承認
に当りましては、できるだけ弾力的にいたす必要があろうかと考えておるのであります。 それから十二は、これは
監督
の
規定
でございます。 それから第十三は、これらの事項につきまして
通産大臣
が
承認
あるいは
認可
をいたすような場合、あらかじめ
大蔵大臣
に
協議
をするという
規定
、これもこういう
特殊法人
に共通の
規定
でありますが、
大蔵省
とも話し合いまして、これらの
協議
ができるだけ円滑に円いくように、今話し合いもしておるような次第であります。 それから第十四は罰則でありまして、別段御
説明
を申し上げる必要はなかろうと思います。第十五は、現在の
貿易振興会
の一切の
権利義務
を新機関に
包括承継
をいたしまして、現在の
ジェトロ
は
振興会
の
成立
のときに解散をさせるわけであります。一切の
権利義務
の
包括承継
でありますので、
債権債務
、
基金
、一切承継をすることになるのであります。 それから第十六は、税法上の必要な改正でありまして、
登録税
、
印紙税
、あるいは
所得税
、
法人税
、
地方税
につきまして、こういう
特殊法人
と同様に免税をしていただくための
規定
でございます。 以上簡単でございますが、これをもって
内容
の
説明
を終ります。
近藤信一
16
○
委員長
(
近藤信一
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
近藤信一
17
○
委員長
(
近藤信一
君)
速記
を始めて。 以上で
内容
の
説明
は終了しました。御
質疑
のある方は御
発言
願います。
相馬助治
18
○
相馬助治
君 ただいま
通商局長
か一ら、
議題
になっている
日本貿易振興会法案
の
要綱
の
説明
に先だってと申して、
ジェトロ
について簡単な
報告
があったわけでありますが、私はこのただいま
議題
になっている
法律案
を
審議
一検討していく際に、今まで
ジェトロ
がどういう
規模
でどういう
仕事
をやつて、これを反省的、啓蒙的な見地からながめれば、将来どうあらねばならないかというようなものの
考え方
、
基盤
に立っているかというようなことを、かなり詳細に
調査
し、研究し、批判することが必要だと、こういうふうに考えているのです。そのことが明瞭になれば、
日本貿易振興会法案そのもの
は、
政府出資
が増して
貿易振興
に資するためのものができるのですから、われわれに異論はないわけなんです。従いましてこの際、ただいま
局長
が御
説明
になったことを簡単に筆記はいたしましたけれども、資料をもって、
ジェトロ
と今度の
日本貿易振興会
ができ上った後において、その両者がどういう差異があるかということをかなり詳細に表にまとめて、一つ資料として
委員長
を通じて
委員会
に御配付を願いたい、これが第一点。 それから第二点は、
ジェトロ
に相当多額の金を使って今日までやって参ったのでありまするが、その評判は必ずしもよくないと思うのです。見方見方によるけれども、私は率直に言ってかなり問題があろうと思うのです。あれほどの金を使った、しかも重大な任務を帯びている会の
理事長
さん自身が天下でも有名な忙しい杉道助さんで、これは一体飾り物にただくっつけておいたのか、どれだけの
仕事
をしたのか、どのくらい出動しているのか、こういう点も私は詳細に知りたいのでございますから、その
役員
の常勤、非常勤の状態並びに今までの執務状態、これを私は知りたいと思います。これも資料として、私個人が知るべきものでなくして、資料として、お出しを願いたい。 それから第三には、これは本
法案
の
質疑
に入ってから、私は
局長
、大臣にお尋ねしようと思うのですが、この種の
事業
は相当の
程度
の金が要るということと、その次には、その次というより、それより先行して大事なことは、その人を得るということだと思うのです。法科あたりを出て、高等文官試験に合格して、そうして役人街道を歩んできて、それだけの経歴で今度は相当重要な位置につけて、
海外
駐在員などとして、
海外
に派遣するということになれば、その人がうんと勉強家であるならば、一、二年のうちに追いついて一人前の
仕事
ができると思うけれども、これはなかなかそういう育ちの人ではうまく
仕事
が、事実問題としてこの
仕事
の性質上できないということがあり得ると思う。私は質問のときに具体的な事例をあげて、
ジェトロ
がいかにその先端が麻擁していたかという事実をあげて、その原因並びにこれに対する措置等を質問いたすつもりでありますが、あらかじめ現在の駐在員といいますか、そういうような人の経歴その他についても、これは一々表にして出す必要は——私は表にしてもらいたいと思うが、他の
委員
とのあれもありましょうから、質問に応じて
政府
が答弁できるように十分御用意を願いたいと思う。これは
通商局長
に具体的には尋ねて参りまするけれども、
内容
は
ジェトロ
のことですから、やはり突然御質問をしても、練達堪能な松尾さんでも答えられないものがあると思うのでございますから、
ジェトロ
について、それらのものに関して詳細に一つお手元に……この最後の、三番目のものは御
調査
おき下さればけっこうですから、詳細に一つ御
調査
おき願いたい、こういうふうに考えるのです。要約いたしますると、
ジェトロ
についての活動を教訓的にながめ、これを検討していくのでなければ、この新しい
法案
というものが、ただ法律ができてもその活動がうまくいかないという前提に立って、
ジェトロ
については多くの批判を持っておるのでありますから、一つ
局長
におかれては、積極的にジェト ロの現在のことを
説明
し、そうして反省すべき点があったら、それらを指摘した資料を積極的に本
委員会
に配付されることを希望いたします。
小滝彬
19
○
小滝
彬君 今のに関連して、詳細の経歴は要らないが、たしか恩給の特例を受けておる役人で、一年とか、二年とか出かけることがあると思うが、これは数で出すのは簡単だから、それを一つつけ足して出してもらいたい。 それからもう一つ、先般経済企画庁長官がここに出席されました際、私質問して資料を要求したのですが、その中で、三十三年度の三十一億五千万ドルの基礎になる工ーリア・ワイズ、コモディティ・ワイズの表を出してもらいたい。その趣旨は、どうも
通産省
と話が十分つかないでおられるやに聞き取れる。企画庁長官と
通産大臣
とは答弁のニュアンスが違っているので、どうもおかしいと申しましたところ、長官は、よく相談して、その表もできているということです。その資料もいただきました。これは
通産省
でもよく御承知のことだと思うので、そうだったらこれでけっこうですが、これを一つ、どういうものか、
通商局長
にお伺いしておきたいと思う。
松尾泰一郎
20
○
政府委員
(
松尾泰一郎
君) 先ほど御要求になりました資料は、できるだけ整備しまして、早急に提出さしていただきます。それから今、小瀧先生から言われました恩給法の特例云々というようなお話がありましたが、それは新法では何にもないわけでございます。ただ何名
程度
が現在の
ジェトロ
の内地勤務、あるいは外地勤務で、官庁出身者が出ているかという表ならば、これは簡単にできるわけでありますが、恩給特例を受けているものというのは今何にもないわけです。また新しい
法案
の
要綱
にもないわけでありますので、その点いかがいたしたらよろしいか……。
小滝彬
21
○
小滝
彬君 私は、受けているかと思ったのです。今おっしゃっているのは、これから先のことでなくて、現在の、これまでの
ジェトロ
の
内容
について
相馬
君から質問があったから、それについてお役所から恩給の特権があろかどうかは知らないが、一、二年なり出かける、あの数が大体どのくらいになっているかを表にして出してもらいたいということです。
大竹平八郎
22
○
大竹平八郎
君 それから、これは
審議
に入ってからでいいんですが、あらかじめ
委員長
においてお考えおき願いたいことは、参考人を一つ呼んでいただきたい。これは大商社、中小
貿易
商社、学者関係の人、そういったような、必ずしも全部が同じ層に立っていない方ですね。まあ人数は三人とか、二人とか、私は限定いたしませんから、できるだけたくさん呼んでいただければけっこうですが、あらかじめお考えおき願いたい。
近藤信一
23
○
委員長
(
近藤信一
君) ただいまいろいろと資料の要求、それからまた大竹
委員
からの御
要望
がございました。これらのものを順次さように取り計らいたいと思います。
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
近藤信一
24
○
委員長
(
近藤信一
君)
速記
をつけて。
松尾泰一郎
25
○
政府委員
(
松尾泰一郎
君) 三十一億五千万ドルの
輸出
目標の内訳、地域別、それから商品別、これは各省相談して作ったものであります。
近藤信一
26
○
委員長
(
近藤信一
君) それでは本日は、この
程度
で散会いたします。 午前十一時三十七分散会