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1958-03-06 第28回国会 参議院 商工委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月六日(木曜日)    午前十時五十二分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     近藤 信一君    理事            青柳 秀夫君            阿部 竹松君            相馬 助治君    委員            大谷 贇雄君            小幡 治和君            小滝  彬君            小西 英雄君            西川弥平治君            高橋進太郎君            高橋  衛君            海野 三朗君            岡  三郎君            島   清君            椿  繁夫君            大竹平八郎君   国務大臣    国 務 大 臣 石井光次郎君    国 務 大 臣 正力松太郎君   政府委員    北海道開発政務    次官      福井 順一君    北海道開発庁総    務監理官    中平 榮利君    科学技術政務次    官       吉田 萬次君    科学技術庁長官    官房長     原田  久君    通商産業政務次    官       白浜 仁吉君    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君    通商産業省重工    業局長     岩武 照彦君    中小企業庁長官 川上 為治君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    東京工業試験所    長       石村幸四郎君    電気試験所標準    器部長     内藤  正君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○輸出保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○計量法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○北海道地下資源開発株式会社法案  (内閣送付予備審査) ○合成ゴム製造事業特別措置法の一部  を改正する法律案内閣送付予備  審査) ○中小企業信用保険公庫法施行に伴  う関係法律整理等に関する法律案  (内閣送付予備審査) ○理化学研究所法案内閣送付予備  審査)     ―――――――――――――
  2. 近藤信一

    委員長近藤信一君) これより商工委員会開会いたします。  本日は午前中輸出保険法の一部を改正する法律案及び計量法の一部を改正する法律案質疑を行い、午後からの再開劈頭には、公報掲載通り北海道地下資源開発株式会社法案外三件について、それぞれ所管の大臣から提案理由説明を聴取し、審議は後日に譲り、午前に引き継ぎ輸出保険法の一部を改正する法律案及び計量法の一部を改正する法律案審議を行いたいと思いますので、この点御了承願います。  それでは計量法の一部を改正する法律案議題に供します。御質疑のある方は、順次御発言願います。  速記をとめて。   〔速記中止
  3. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記を起して。
  4. 海野三朗

    海野三朗君 よろしゅうございますか。この前計量法について耐火度のことを伺ったのでありますが、はっきりした御答弁がないようでありましたから、きょうは専門の方がおいでになっているそうでありますから、この耐火度についてお伺いをいたしたい。計量及び計量単位定義という定義をするのに、耐火度というのは、何をもって単位としておられますか、それをまずお伺いいたしたい。   〔委員長退席理事阿部竹松君着席〕
  5. 小滝彬

    小滝彬君 議事進行について。今海野先生に対して答弁をいただくのはありがたいのですが、実は委員長代理も御承知の通り、この前申し上げたのはいろいろわからないのもあるから、むしろ総括的にこの前も委員に十分理解されなかったようなものを、政府委員の方から説明をしてもらおうじゃないかというような話し合いであったように了解しております。そこで、今せっかく耐火度の話が出たからその点はおやりになるとしても、そのあとむしろ質問に答えるというよりも、政府委員の方から重要なものをわれわれに示してもらうような方法によって議事を進行していただきたいと思いますが、いかがですか。
  6. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  7. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) 速記を起して下さい。  小滝委員発言もございましたので、ただいまから海野委員答弁に答えながら、政府内容の重要な点について解明をしながら議事進行いたします。
  8. 岩武照彦

    政府委員岩武照彦君) 御質問ありました耐火度の問題につきましては、その基準等専門的に研究しておりまする東京工業試験所石村所長が見えておりますので、お許しを得まして御説明させていただきたいと思います。それから小滝委員からお話がありました重要な計量器等の何といいますか形状等につきましては、実は若干古うございますが、一応写真版等も用意したものがございますので、お目にかけ御説明したいと思います。  なお、今度追加いたしまする放射線関係計量器につきまして、写真版等ございませんので、図面にいたしましたものを用意して参っておりますので、これも後刻説明させていただきたいと思います。
  9. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) 速記をとめて。   〔速記中止
  10. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) 速記を起して。
  11. 石村幸四郎

    説明員石村幸四郎君) 東京工業試験所石村でございます。  ただいま耐火度の点、何を基準にするかという御質問でございますが、日本標準規格に、耐火度試験方法というのがございまして、これに規定されておりますいわゆるゼーゲル錐を使用ましてSKの何番ということを基準にしております。
  12. 海野三朗

    海野三朗君 SKの何番々々といいますのは、温度がいろいろに変ったり、熱量がいろいろに変ることによって、きめた標準のものに変化を来たすのである。私はこの耐火度という、至ってぼんやりしたそのSKの何番とか何とかというのは、一向あてにならないものでありまするから、私はこれも追及しておるのであります。あてにならないものをとって耐火度計量基準なんというておること、そのこと自体に私は疑問を抱いておるものでありますが、試験所長のあなたは、専門立場からどういうふうにお考えになりますか。耐火度というものは温度にかけるタイムでありましょう。このかけ合せた量により、耐火度が定まるのでありましょう。そうしますと、温度が高くても、時間が短かければ耐火度SKの何番というのが曲らない、また温度がずっと低くくても、時間が長くさえその温度に保っておけば曲るというのでは、どこにこの基準があるのであるか、その基準は立てようがないじゃないか、これを私は追及するのでありますが、いかようにお考えになりますか。
  13. 石村幸四郎

    説明員石村幸四郎君) お説の通りだと私は思いますが、しかし実際問題としまして、この耐火度といいますものは、加熱する温度、それから加熱時間、それから加熱曲線の傾斜とか、あるいは、ゼーゲル錐そのものの物理的な、科学的な変化、それから炉の雰囲気の問題、そういうものによって、炉内の総合的な熱効果を判定する一つ基準でございますので、実物について、そういう一定のある基準の炉を作りまして、一定条件でこのゼーゲル錐SKの何番というふうに規定しております。今の耐火度というそういう定義から考えますと、総合的な判定でございますので、海野先生のおっしゃることは、ごもっともだと私は思うのであります。実際問題としては、それで耐火度をはかるということについては、一向差しつかえないと思います。
  14. 海野三朗

    海野三朗君 それでありますから、この耐火度というものは温度によるのであるか、熱量によるのであるか、ただ総合的な結果といって、至ってぼんやりした考えでおりますこと自体が、私はこの火を取り扱う場合において、非常にそのアンビギュアースな、あてにならないものであって、温度基準にするのか、熱量基準にするのか、温度熱量というものをごっちゃにしておられるように私は思うんです。しからば、耐火度というものをここに入れてこられたその趣意というものはどこにあるのでありましょうか。計量法基準というところに持ってきておられるわけは、私はこういうふうな計量のきめ方ということ自体が、根本的に間違っておるのであるというふうに私は思うんですが、どうなんですか。試験所長専門立場からお考えになってどうなんですか。
  15. 石村幸四郎

    説明員石村幸四郎君) たとえば、耐火れんが耐火度は何度であるか、X度であるということを決定します要素は、ただいまおっしゃいましたように、温度あるいはその時間だけでは決定されないのでありまして、先ほども申し上げましたように、総合的な全体の時間の、それからある条件における総合的な熱効果でございまするので、それはそのある一つ計量単位というものは非常にきめがたい、おっしゃる通りであります。ただ実際問題として、一つゼーゲル錐を使って、この耐火度れんがを製造する際の基準にすることは不可能と思います。理論的にきめがたいものだと思います。
  16. 海野三朗

    海野三朗君 それでありますから、私が申し上げたいと思いますのは、温度一定温度であって、それに対しての時間がどれだけであるかということになる。試験にあいまいな点があるのだ、温度一定であっても。そういうふうな見地から、この耐火度を定めるようなゼーゲル・コーンを持ってこなければならない、私はそういうふうに思うんですが、どうなんですか。これであなたが専門立場からごらんになって、わが日本のこの計量器というものに対しては、これでよろしいとあなたはお考えになっていらっしゃるかどうか。私はこの点については納得がいかないし、これは改めなければならないのじゃないか、こういうふうに考えますが、どうなんでしょう。
  17. 石村幸四郎

    説明員石村幸四郎君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、ちょっと一言申し上げますが、この耐火度試験法によりますというと、千度までは加熱速度というものは規定しておりませんが、加熱速度は、千度以上においては、毎分十度上げるというふうに規定してございます。ですからそこのところには、耐火度というものは千度以上、まあ高いものでございますので、その大事なところは規定してございます。ただ、御質問の、そういうばく然たるものを、計量単位に設定するということはどうかとおっしゃいますことは、私も同感でございまして、しかし、そこで今検討中でございます。といいますのは、この耐火度計計量法に実施されます期間は、計量法施行法の第五十七条でございますが、昭知二十七年の三月何日からか、六年六カ月以内にこれを適用するかしないかを決定するということになっておりまして、その期限は今年の九月三十日になっておりますので、それまでに、従来ともいろいろ検討しておりますが、まだ期間が半年残っておりますので、十分検討いたしたいと思っておりま  す。
  18. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) 海野委員質問がまだあるようですが、実はさいがん小滝委員からの御発言もございまして、図解説明準備ができたようですから、一応各委員にお諮りしますが、図解説明終了後、また質問を続けていきたいと思いますが、いかがでございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) それでは後刻質問していただくことにしまして一応御異議ないものと認めましてただいまから図解によって、標準器部長内藤説明員説明を聞きます。  ちょっと速記をとめて。    午前十一時九分速記中止      ―――――・―――――    午前十一時四十五分速記開始
  20. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) それでは速記をつけて。  以上で説明が終りましたが、時間の都合で、簡単な質問があればこれをお願いいたしまして、もし長時間を要するような御質問なら、後刻に譲って、暫時休憩をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 阿部竹松

    理事阿部竹松君) それでは御異議ないものと認めまして、ただいまから休憩いたしまして、午後一時再開いたします。    午前十一時四十六分休憩      ―――――・―――――    午後一時四十一分開会
  22. 近藤信一

    委員長近藤信一君) これより商工委員会を再開いたします。  午前中御了承いただきましたように、北海道地下資源開発株式会社法案以下三件について、それぞれ提案理由説明を聴取いたします。  まず、北海道地下資源開発株式会社法案につき石井北海道開発庁長官説明を求めます。
  23. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今回提出いたしました北海道地下資源開発株式会社法案につきまして、その提案理由及び法律案要旨について御説明申し上げます。  わが国安定経済のもとで高い経済成長率を持続的に達成するためには、国内資源最高度開発利用して、生産の拡充自給度向上をはからなければならないのは言うまでもありません。とりわけ、北海道は、石炭、水銀、砂鉄、マンガン、クローム、石綿、重晶石黒鉛等各種鉱物資源に富んでおりますので、これが開発を促進ずることは、産業振興にきわめて重要な役割を果すものでございます。  北海道地下資源開発を促進するためには、その調査が先行いたさねばならないのでありますが、遺憾ながら他の地域に比し非常におくれております。地下資源調査は、申すまでもなく、地表調査地下調査に分けることができますが、特に地下調査のための試錐探鉱事業が十分に行われなければ、地下資源開発はできないのであります。しかるに、地表調査政府においてもある程度実施しておりますが、試錐探鉱事業はほとんど行なっておりません。また、民間企業におきましても、資金その他の関係から、試錐探鉱事業はきわめて不十分な現況でございます。  北海道における地下資源開発のための試錐探鉱事業のこのような重要性にかんがみ、北海道開発審議会は、政府に対し、昨年十二月十三日試錐事業等を行う特殊会社設立を建議されましたが、政府におきましても、同年十二月二十七日に閣議決定をみました北海道総合開発第二次五カ年計画におきまして、第二次産業を飛躍的に発展せしめることに重点を置き、各種地下資源開発を積極的に推進するための一手段として「地下資源基本的調査及び試錐事業による探査を推進すること」を決定いたしましたので、これに基いて北海道における探鉱事業等を行う特殊会社を設け、地下資源開発を積極的に促進することがこの際緊要であると考えるのであります。  以上のような理由から、探鉱等事業を行う機関として、北海道地下資源開発株式会社設立することを提案いたしました次第でございます。  次に、本法律案要旨を御説明申し上げます。  第一には、本会社は、北海道における地下資源開発を促進するため探鉱等事業を行うことを目的といたしております。従って、鉱山の経営等は行わないこととなっております。  第二には、本会社は、事業の性質上、国の意思を的確に反映させるべき機関であることの裏づけとして、政府は常時会社株式の二分の一以上を保有することとして、その特殊会社としての性格を明らかにいたしました。なお、昭和三十三年度は、産業投資特別会計からの出資二億円、民間からの出資一億円を予定いたしております。  第三には、会社役員について、その人数を取締役については七人以内、監査役については二人以内とし、必要以上の人員増加を防止するとともに、取締役会社外の業務に従事する場合について所要規定を設けました。  第四には、会社性格にかんがみ、各種助成措置を講ずることとし、政府所有株式の後配を行い、会社に対しては、その設立、資本の増加に際して登録税を減免するとともに、社債発行限度の特例を規定することにより、資金確保に遺憾なきを期しました。  第五には、以上と表裏して、会社取締役等の選任、解任の決議等役員に関する事項については内閣総理大臣、新株の発行事業計画の策定及び変更重要財産及び鉱業権譲渡、譲り受け等、社債発行及び長期資金の借り入れ、定款の作成及び変更利益金の処分、合併及び解散の決議等については、内閣総理大臣及び通商産業大臣認可事項とするほか、検査等監督を両大臣において行うこととし、右のうち必要なものに関しては、大蔵大臣と協議すべきことといたしたのであります。  以上が、本法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ御審議の上御賛同あらんことを切望する次第であります。     ―――――――――――――
  24. 近藤信一

    委員長近藤信一君) それでは、次に合成ゴム製造事業特別措置法の一部を改正する法律案、及び中小企業信用保険公庫法施行に伴う関係法律整理等に関する法律案について白浜通商産業政務次官から説明を求めます。
  25. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) 合成ゴム製造事業特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  昨年の第二十六国会において、ゴムの供給の確保をはかるための措置といたしまして、合成ゴム製造事業特別措置法が制定されたのでありますが、昨年十二月には日本合成ゴム株式会社がこの法律に基く承認を受けて設立され、目下同社においては、製造技術の導入、その他工場建設準備を着々進めているのであります。  しかしながら、現行合成ゴム製造事業特別措置法におきましては、その附則第三項及び第四項の規定により、法律施行後一年を経過したときは、日本開発銀行出資による方式政府出資による方式に切りかえ、あわせてその切りかえに伴い必要な事項法律で定めなければならないことになっているのであります。  従って、政府におきましては、三十三年度予算案においてこれに必要な予算措置を講じますとともに、立法措置としては、今回この改正案を提出した次第であります。  次に、この法案要点を申し上げます。  その第一は、出資方式変更でありまして、現行法の第二条を改正し、日本開発銀行出資方式を、政府出資方式に改めたことであります。すなわち、現行法の第二条によれば、合成ゴム製造事業者であって大蔵大臣および通商産業大臣承認を受けたものには、日本開発銀行が十億円を限度として出資できることになっているのであります。しかしながら、日本開発銀行は、金融情勢変化等から、いまだこの十億円の出資の全部を終了しておりませんので、今回の改正におきましては、経過的に三十三年度中に限ってなお日本開発銀行出資できることとするとともに、政府日本開発銀行出資の完了を待って、三十三年度中においてできる限り早くその株式を譲り受けることとし、これによって政府出資方式に切りかえることとしているのであります。なお、今回の改正におきましては、既に出資の対象となる会社が明らかになっておりますので、法律上もこれを特定することといたしたのであります。  要点の第二は、監督規定強化であります。会社に対しましては、従来から相当の監督を行なっており、これを今般も継続して参りますのは、もちろんでありますが、政府出資への切かえに伴い、新たに規定を設け、会社の重要な財産譲渡社債の募集、長期資金借入等については、通商産業大臣認可を受けなければならないこととし、さらに通商産業大臣はその職員をして会社に対し監督上必要な立ち入り検査を行わせることができることとしたのであります。  また、これらの監督規定強化に伴い必要な罰則の整備をはかった次第でありますが、これによりまして会社監督に関する規定については、一そう整備されたと考えているのであります。  要点の第三といたしましては、政府は、会社経理的基礎が確立したと認めるときは、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかにその所有する会社株式を処分する旨の規定を新たに設けたことであります。日本合成ゴム株式会社は、その事業計画等から見ましても、数年後には民間企業採算ベースに乗り得る会社でありますので、その時期には政府は、所有株式を処分するものとして本法があくまでも臨時的な措置であるという性格をここに明らかにいたしたのであります。  以上申し上げましたのが改正要点でございますが、これに伴い、従来の題名では、法律内容をいい表わしますのに必ずしも十分ではないと考えられますので、題名を「日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律」に改めることといたしたのであります。  この改正法案提案理由並びにその要点は、右の通りであります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第であります。  次に、中小企業信用保険公庫法施行に伴う関係法律整理等に関する法律案について、提案理由および法律案の概要を御説明申し上げます。  政府といたしましては、中小企業に対する信用補完制度拡充強化をはかるため、その機構の整備については、さきに中小企業信用保険公庫法案を提出いたしましたが、さらに中小企業信用保険法その他の関係法律改正する必要がありますので、本法律案を提出することとした次第であります。  次に、そのおもな内容について御説明申し上げます。  第一は、中小企業信用保険法の一部改正であります。すなわち、中小企業信用補完制度につきましては、昨年十二月金融制度調査会から、今後における中小企業者に対する信用補完は、すべて信用保証協会保証によらしめ、中小企業信用保険は、信用保証協会債務保証に対する再保険的機能を営むものとして運営し、かつ、その保険の種類も包括保証保険によることを原則とするも、ただ、これが円滑に行われるよう、信用保証協会現状等を勘案して必要な経過措置を考慮すべき旨の答申がありました。そこで、今回この答申趣旨にのっとり、中小企業信用保険法の一部を改正し、信用保証協会相手方とする包括保証保険制度を本幅に拡大する反面、従来の融資保険普通保証保険制度はその機能を縮小して実情に即してしばらく存置せしめるとともに、金融機関相手方とする保証保険は廃止するという措置をとることといたした次第であります。  第二は、公庫予算及び決算に関する法律改正であります。すなわち、中小企業信用保険公庫予算決算につきましては、公庫予算及び決算に関する法律所要改正を加え、特に、公庫会計制度弾力性を与え実情に即した措置を実施し得るよう、公庫保険金等あらかじめ指定を受けた費目に予備費を使用する場合には、大蔵大臣承認を要しないものとしたことであります。  第三は、法人税法所得税法等改正して、公庫について非課税の措置をとったことであります。  第四は、行政機関職員定員法中小企業庁設置法等関係法律について、中小企業信用保険特別会計が廃止され、公庫が設置されますことに伴い、所要改正を行なったことであります。  以上が中小企業信用保険公庫法施行に伴う関係法律整理等に関する法律案の主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、可決せられますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――
  26. 近藤信一

    委員長近藤信一君) それでは、次に理化学研究所法案につき、正力科学技術庁長官から説明を聴取します。
  27. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) ただいま議題となりました理化学研究所法案につきまして、提案理由を御説明いたします。  わが国産業の発展と国民生活向上を期するためには、その根源をなすところの科学技術の飛躍的な振興をはかる必要があることは、あらためて申し上げるまでもないところであります。  そのためにとるべき方策は、少くないのでありますが、なかんずく、わが国における研究活動を一段と活発ならしめるとともに、その研究成果産業界にとり入れ、その企業化を促進することは、科学技術振興上の要諦であると考えるのであります。周知の通り株式会社科学研究所は、多数の優秀な技術者研究設備を擁し、財団法人理化学研究所以来、四十年になんなんとする輝かしい歴史的伝統を持った、わが国有数研究機関であります。また同研究所は、物理、化学及びその応用等研究部門知識経験を総合結集し得るという意味においても、また基礎研究から、応用研究を経て、工業化試験までを、一貫して実施し得るという意味においても、名実ともにりっぱな総合的研究所でありまして、今日まで、幾多のすばらしい業績を上げて参っておるものであります。  同研究所は、昭和二十三年に、財団法人組織を改組し、名称も改めて株式会社科学研究所として発足したのでありますが、さらに昭和二十七年には、株式会社としての収益事業のために設けた製薬部門を、科研化学株式会社として分離し、以来、研究部門のみをもって立つところの、純然たる研究機関として、研究及びその成果の普及という業務を行なってきたものであります。しかしながら、研究機関として、自立採算をとるということは、資金的基礎が脆弱なため、少からぬ困難がありましたので、昭和三十年株式会社科学研究所法が制定され、それ以降毎年相当額の国の援助が行われて、今日に至っているものであります。  本法律案は、同研究所の名称を理化学研究所と改めるとともに、従来の株式会社の形態から、特殊法人の形態に切りかえようとするものであります。なぜ特殊法人に切りかえをする必要があるかという点につきましては、次の二点を指摘する必要があります。  第一点は、研究機関としての性格、並びにこれに対する国の援助の強化という点から見て、特殊法人を適当とすることであります。すなわち、現在の科学研究所法律的な根拠をなしておりますところの、株式会社科学研究所法に関する国会審議の際にも、株式会社という組織が、当研究所にとって適当な形態であるかどうかが、問題になったのでありますが、今日までの経過、実情から判断しましたところ、必ずしも、株式会社組織が妥当ではないという結論を得るに至ったのであります。現在のような株式会社の形態では、とかく画期的な発明の源泉をなす基礎的研究の実施、あるいは、わが国にとって必要な基礎的研究から、応用研究工業化試験への結びつけ等、営利性に合致しがたい事業を重視するわけにはいかないのみならず、研究所に対する政府の今後の援助強化の面から見ましても、また、政府の方針を研究所に反映させるためにも、特殊法人の形態が望ましいと考えられるのであります。  第二点は、今般、新技術の開発という国家的事業の遂行を、同研究所に実施せしめようとしているのでありますが、この種の事業は、一株式会社に行わしめるのを適当とは認められないということであります。新技術の開発と申しますのは、わが国独自のすぐれた研究成果であって、企業化に伴う不安が大きいため、企業化することが困難と認められるものを、実際的規模において行うことをいうのであります。わが国には、すぐれた研究成果が、少なからずあるということは、一般に認められているところでありますが、残念ながら、この研究成果を、産業に導入できるようなところまで発展させ、開発することに、遺憾の点が多かったのが実情であります。  このたび、国の研究機関、その他の研究機関において上げられた、主として公共的な研究成果のうち、民間企業の危険負担によっては、開発することが困難である重要な新技術を開発するとともに、その開発の成果をできるだけ広く、民間企業に活用させるという新しい事業を、同研究所に担当せしめようと考えているのでありますが、このような国家的な事業の遂行は、特殊法人の形態で行わしめることを妥当とすると考えるのであります。  これを要するに、政府といたしましては、同研究所の研究機能拡充強化すると同時に、新技術の開発の業務をこれに行わしめようとする考えでありまして、この考え方に基いて、従来の株式会社を改組して、特殊法人にしようとするものであります。  次に、本法案の概要を御説明いたします。  第一に、同研究所の設置の目的は、総合的な試験研究の実施、新技術の効率的な開発、並びにこれらの試験研究、及び、新技術開発の成果の、わが国企業一般に対する普及の事業を行わしめることにあります。  第二に、同研究所性格は、いわゆる特殊法人でありまして、政府予算の範囲内において、これに出資し得るものといたしております。  第三に、同研究所性格にかんがみ、その定款及び業務方法について認可制をとるとともに、役員すべてを内閣総理大臣の任命といたしております。  第四として、新技術の開発業務につきましては、その円滑な運営を期するため、研究所開発委員会を設置するとともに、開発実施計画について、認可制をとっております。  第五として同研究所に対しては、登録税、不動産取得税を非課税とする等、税制上の助成措置をとっております。  最後に、科学研究所から理化学研究所への切りかえのための措置として、科学研究所の解散等につき商法の特例を置き、また評価審査会を設ける等の経過規定を定めております。  以上、本法案提案理由、及びその内容に関する概要の御説明を申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
  28. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 以上で提案理由説明は終了いたしましたが、審議は後日に譲ることといたし、午前中に引き続き、輸出保険法の一部を改正する法律案に関する質疑を行います。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  29. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 まず第一にお伺いいたしたいのでありますが、現在これはまだ登録制の問題がうわさに上っておりますが、貿易の商社の登録という問題は法定化しておらぬようでありますが、大体貿易商社の数というものはどのくらいあるのでありますか。
  30. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) あとで実は資料によりまして、正確にお答えをさしていただきますが、大体六千前後かと思います。
  31. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そのうち、大体日本の貿易の半分、もしくは六O%は大体その総合商社によって占められておると言われておりますが、大体そう感じてよろしいのでありますか。
  32. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 総合商社といいますと、語弊があるかもしれませんが、大体ずっと順番でとっていきまして上から二十社程度でもちまして、大体全体の七割程度を、貿易の七割程度をやっておるということになっております。
  33. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 この七O%を二十商社で大体おやりになると、これは戦前に比較してどうでありますか。
  34. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 正確な資料がございませんので、あるいは若干誤っておるかもしれぬと思いますが、戦前は御存じのように三井、三菱の二社でもちまして大体三割五分から四割見当をやっておったというふうに記憶いたしております。
  35. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると、現状におきましては、わずか二十二、三の総合商社によって七O%の大体貿易を扱っておる。そうすると約六千に近いものがそのうちの大体三O%をやっておる、こういうことになるのでありますが、これを私は本案に関しましてお尋ねをするのでありますが、この大体の比率の状況で、保険金というものはかけられておりますか、そうしてその場合、あるいは資料が出ておるかもしれませんが、かりに今局長がお話しの総合商社二十社といたしてもよろしいのでありますが、この大体七O%に該当する二十社の総保険掛金と、それからあとの六千に近いものの掛金、これをちょっと概略のもし説明ができればお尋ねしたいのでありますが……。
  36. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 今の大商社が何ぼかけておるか、中小の商社が何ぼというのは、ちょっと今統計をとっておりませんのでわからないのでありまするが、大体のことを申し上げますと、この輸出手形保険、それから輸出金融保険につきましては、おおむね中小の商社の利用が特に多いのであります。それから普通輸出保険につきましては、大体大中小の商社に万べんなく利用されておるのではないかと思うのであります。それから輸出代金保険、それから投資保険はおおむね大商社によって利用されておる、こういうような状況でございます。
  37. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これは本案をそのまま私どもが見れば、十六保険会社から取り扱ったものを直接通産省でお取扱いになるというような意味におきまして、ここに書いてあります通り、大体一二%程度の引き下げができる、この意味においてこれは輸出振興に大いに貢献でき得るものと、かように考えるのでありますが、大体におきましてこの今まで十六保険会社が取り扱っていて、今度直接役所がこれは取り扱うということになりまして、損害といってはなんですが、保険会社としては大体どのくらい従来かけていたものを失うということになるのでしょうか。これはごく概数でけっこうですが、掛金ですね。
  38. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 大体平均いたしまして保険契約額のうちの約千七百万円程度が元受保険会社の収入減になるわけであります。
  39. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると、要するに端的に申し上げると、保険会社は千七百万円というものが収入減になる、こういうことになるのでありますが、保険会社とすれば、金額の上から見れば、まあ大したことではないのですが、別にこの法案に対しましてその方面からの反対陳情とか何かそういうことはいかがでありますか。
  40. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 今度の改正につきましては、この現在元受保険会社になっておられますところのみならず、その保険会社監督されておりまする大蔵省と十分に協議をいたしたのであります。確かに御指摘のように、保険会社自身の経理からいいますと、若干のマイナスにはなるわけでありまするが、輸出振興の大局的な見地から見ましてけっこうであるという、何と申しますか、快諾を得ましてこういう改正を決意したような状況でございます。
  41. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それで今度千七百万円というものが一応貿易商社としてはこれは負担が軽くなる、こういうことでありますが、しかし反面において、内容説明のときに局長から説明がありましたが、政府当局としては事務的には負担が相当加重されてくるわけでありますが、これに対しての予算措置とか、それから人員の配置とか、そういうものは計画としてどの程度にやっておりますか。
  42. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 政府が直営をいたしますための経費の増といたしまして、約四百三十七万三千円を見ております。それは今般の予算において人員の増加を若干認めてもらうことになっておるのでありまして、十五名の常勤職員増加を見てもらっております。それと従来の本省及び各地方通産局におる人間とで、サービスの低下のないように十分やっていけるだろう、こういうように考えております。
  43. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これは私はよくわからないのですが、大体各地方通産局で保険というものは取り扱うのだと思いますが、この十五名の配分というのはどういう工合になるのですか。
  44. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) この十三名ふえますものの配分でありますが、今のところの予定としては、本省で五名、大阪通産局で四名、神戸の通商事務所で二名、名古屋の通産局に二名、それから東京の通産局で二名、こういうふうなあれになっております。
  45. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これはお抜かりなくおやりになると思いますが、従来は通産省は理想としては直接取り扱うつもりでいたのが、開店といっては何ですが、開店早々そうもできないというので、勢い保険会社に委託する、こういうことになってきておりますが、しかし、やはり相手は保険会社であるから、サービスとかそういう点においても非常によく整っておると思いますが、今度直接取り扱う、お役所でおやりになるということになってことに多いのは、最初に局長答弁にもあった通り、おそらく六千近いもののうちで、実際に貿易事務をやっているのは、私どもの推察からすると、おそらく大体三千の商社がおるのではないかと思うが、これが今度保険会社でなく、直接本省なり各地方通産局に行って、そうして今までの保険会社がやったことをやるのでありますから、そういう点についてサービス、あるいは官僚化しないという、こういう御自信はあると思うのでありますが、この点を一つお尋ねしたいのであります。
  46. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) このサービスの低下の問題でございまするが、われわれといたしましては、もう決してそういうことのないつもりで運用をして参りたいとこう思っておるのでございますが、先日の御説明にも申し上げましたように、多数のこの貿易業者を相手とする保険ではございまするが、現在のこの普通輸出保険のうち、もうかなりの部分が、件数にしまして九四%、金額にしまして八O%もがこの輸出組合の包括保険に実はなっておるわけでございます。従いまして手間のかかりますのはその残余の部分が、いわゆるその個別保険ということになるわけであります。件数の量からいたしましても、また、ここ数年来本省及び各通産局でこの保険の事務を他の種類の保険の事務を取り扱ってきました経験から見まして、この十五名程度の常勤職員の増を見込んでいただいたのでありまするので、十分このサービスの低下しないようにやっていける、こういうふうに確信をしておるわけでございます。
  47. 相馬助治

    ○相馬助治君 関連して。今、局長からの御説明で大体わかったのですが、直接引受になったことは、私はまあ向上したことで、いいことだとこう思っているのです。ただ、やはり心配なのは、大竹委員が指摘しているように、保険会社の場合ですと、本店があり、支店があり、出張所があり、そしてまた保険会社の事務員というものは、あらゆる職種のうちでも最もサービス精神に徹した人たちで、窓口はきわめて快きものだと思うのです。ところが、やはり今度は直接引受になると、通産省、通産局、あるいは通商事務所というのが窓口ということになると、一体どれだけそのサービスができるかということになると、非常に疑問だと私は思うのですが、今の十五人という配置のことをまあ聞いたので、それで大丈夫であるというふうなお話しでございますが、一点突っ込んでお聞きしたいと思うことは、その十五人というのは、今までの通産省の官吏の配置によって、その窓口に当らせるという措置をとるのですか。それともまた、特殊な保険関係をやっていた者で、かなりこの種のものに熟練したものを当てる、ないしは熟練していなかったら、新たなる指導、教育をしてその部局に置くという、こういうお考えなのですか。そしてまた、それは通商局の何課の係になってこういうことがやられるのですか、具体的に一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  48. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 現在この輸出保険特別会計の運営をいたしておりますのは、八十名でやっております。で、今度先ほど申し上げましたように、十五名の増員を入れまして九十五名ということにまあ相なるわけでございます。で、この普通輸出保険以外の方は、大部分のものが政府の直接保険で実はやっておるものであります。従いまして今まあ中堅の事務をやる者は、現在いるわけでありまするので、若干手足になる者がふえればやっていける。こういうふうに考えておるのであります。そこでその十五名を、どういうふうなところから採用するかでありまするが、まあ御存じのように、この省全体としまして人員の減らされるところもかなりあるわけでありまするので、人情といたしましてまず部内の人員の配置転換でやるようなことになるのではないかと思っておるわけであります。それで間に合わぬ場合には、外部から新しく採用する、こういうふうに考えております。
  49. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 いま一点伺いまして、後日にまた譲りたいと思うのでありますが、たしか資料も出ておると思うのでありますが、端的にお伺いするのでありますが、まあ、普通輸出保険のうちで一番大きなものは、言うまでもなく綿糸布であるとか、鉄道車両というのでありますが、昨年としまして実際に支払ったものは、この区別として、たとえば綿糸布の関係にどのくらい払ったのか。あるいは鉄道車両関係にどのくらい払ったとか、そういうデータが簡単に御説明でさましたら、ちょっと二、三伺いたい。
  50. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) お尋ねの保険金の支払いでございまするが、普通輸出保険の支払保険額の総額が三十二年度の四月から十二月までにおきまして千五百四十四万八千円、こういうことになっております。そのうちこの個別保険支払保険金はゼロであります。それから綿糸布は包括保険になっておりますが、綿糸布の支払保険金は八百十三万九千円であります。それから人繊糸布の包括保険の支払い保険額は七百三十万八千円になっております。それから鉄道車両の包括保険につきましてはまだ保険金は支払っておりません。それから機械の機械設備包括保険につきましても、まだ保険金の支払いというところまでは至っておりません。これは今申しましたのは、普通輸出保険だけの支払い保険金についてであります。もし、ほかの保険につきまして……。
  51. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 いま一点伺いたいのですが、この普通保険といいますか、大体まあ始めてまだ七、八年で、これを断定をするということはできないのでありますが、大体どうでありますか、年々歳々やはり貿易額がふえていくのでありますから、ふえるのは当然なんでありますが、保険の徹底という問題もあるのでありますが、率としては、輸出高の増高に並行して、やはり保険金というものはふえていくのは当りまえですが、そういう工合になっておりますか。
  52. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 輸出額の増加に伴いまして、もちろん輸出保険の契約額がふえていることは、先般も御説明申し上げました通りであります。しかし、まあその輸出額の増加に、何といいますか、比例してといいますか、プロポーショネイトリーにふえているか、まだそこはちょっと調べておりませんが、保険の性質としまして、創立当初の二、三年というものは、割に順調でもなかったのでありますが、実は昨年度あたりからは、非常にこの契約額もふえて参っております。これは最近になりまして、いろいろの海外の事件も発生するということで、貿易業者の皆さん方が、この保険制度というものの価値を漸次認識をされるようになってきたのであろうと思っております。先般も申し上げましたように、現在の規模から言いますと、年率にいたしまして千四百億円ということになりますと、全貿易額の一割五分以上にはなっているかと思うのでありますが、今後はできるだけ宣伝もし、貿易業者にも協力を得まして、この保険契約額をふやして参りたいと思っているわけであります。この保険というものは、申し上げるまでもなく、業者がふえればふえるだけ、保険料というものは引き下げられることになるわけであります。保険契約が少いと、どうしても、危険分散ができにくいというような情勢にもありますので、さように考えておるわけであります。まあ、最近非常に契約額がふえて参りましたので、喜んでおるわけでありまするが、今後ともできるだけその方向で進みたいというふうに考えております。
  53. 相馬助治

    ○相馬助治君 一点自演次官にお尋ねしたいのですが、今の局長説明でもわかるように、最近金額も、件数も非常にふえておると、こういうことになれば、中小企業信用保険公庫になっているように、輸出振興という角度から、この際抜本的に政策を考えて、輸出保険公庫とでも言うべきようなものを作ってその機構にかえていく段階が今まさに来つつあると、こう思うのですが、政府当局としては何かこういうことについて考えておりますか、どうか。また、考えておるとすれば、どんなふうに考えておるか、その点を聞きたいと思うし、にわかに実現できないとするならば、その理由はどこにあるか、尋ねたいと思うのです。
  54. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) お答えいたします。おっしゃる通り、非常に順調に進んでいるというふうに私ども考えておるのでありますけれども、現行法で差しつかえないというふうな段階でありますので、当分その方向で進んでいきたいと考えております。しかし、おっしゃる通りの問題も常々研究はいたしておるというふうにお考えになっていただきたいと思います。
  55. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ちょっと速記をとめて……。   〔速記中止
  56. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記を起して下さい。  本日はこの程度にとどめ、次回は来たる十一日午前十時より開会することにして、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十三分散会