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説明員(
吾孫子豊君)
労使関係の問題は、当事者間で自主的にきめるのが大
原則であるべきだという先生のお言葉は、まことにその
通りだと思うのでありまして、私どもも、根本的な
考え方としては、常にそういう気持で
自分たちもやっておるつもりでございますし、また、下部の方に対しても、そういう指示をいたしておるつもりなのでございますが、いろいろ行き届かない点がたくさんあちこち出てくることがありますというようなことは、まことに遺憾に思っております。申しわけないと思いますが、できるだけその
原則は徹底させるつもりでおるわけでございます。
そこで、具体的な今度の岡山の問題でございますが、これは、実はこの日は、私の言葉の使い方があるいは適当を欠くかもしれませんけれども、
委員長が現地においでになると、それに対して
組合としては、
委員長に対しても示威をすると、こういうようなことであったのじゃないかと思うのですが、早朝から多数の
組合員が管理局の庁舎に押しかけて参りまして、そのうちかれこれ八十人くらいの人が強引に、制止も聞かないで押し込んできて、屋上へ上ったというのは、朝の八時ごろなんでございます。大体八時十分ごろに上ったわけでございます。それで、管理局の庁舎には、ごく少数の守衛しかおりませんので、まあ
労使関係の
話し合いというにしても、やはり平静な
状態で、落ちついて話し合えるという
状態で話をするのが、
労使関係の問題を円満に
処理していくためには必要なことじゃないかと私ども
考えておりますので、そういう大ぜいでわいわい押しかけてくるという式のことはお断わりするという建前をとっておるわけでございます。特に大ぜいの
職員が執務しております際に、多数の
組合員が押しかけてきて、まあ歌を歌ったり、ばたばたしたりするということは、
仕事のじゃまにもなりますので、そういうことはやめてほしいというので、一応は制止したのでありますが、局の局員の力だけでは及ばない。それで、八時二十分ごろに公安
職員を二十七名ほど呼びまして、やむを得ない場合には、公安
職員の実力を使ってでも解散してもらいたい、こういうつもりで、公安
職員をまず呼んだわけでございます。そういう
状態になります前に、再三放送をいたしまして、放送で、とにかく解散してくれということは何度も言っておったわけであります。しかし、まあ聞かれない。そこで、単に放送だけではなかなかいけませんので、十一時三十四分ごろ、局の文書課長、
労働課長が書面をもちまして、
組合側の藤井
委員長に対して退去要求書というものを渡しております。そしてその要求書では、十一時五十分までには出てくれということをはっきり文書にも書いて渡してあるわけでございます。それでどうしても出ない場合には、実力で排除することもやむを得ないということも、何度か言っているのでありますが、その書面を渡しまして、十一時五十分まで待ったわけでありますけれども、依然として同じような
状態が続いておりますので、十一時五十五分に、八木営業部長が重ねて藤井
委員長に対して口頭で退去を通告したのでありますけれども、なお退去しない。そこで、どうしてもこれは守衛あるいは公安
職員の手だけでは言うことを聞いてもらえないという
状態でありますので、やむを得ず、十二時過ぎましてから、十三時五分ごろに、局長が県の警察本部長に対して警察官の出動をお願いをし、同時に営業部長が、これまた所轄の岡山西警察署に警察官の出動を要請した、こういうような
事情であったわけでございます。その後実際に警察官が局に来られるまでの間には、なお時間があったわけでございまして、この間十二時四十分ごろに、労組員約二百五十名のデモ隊が岡山鉄道管理局庁舎にまた進入しようとしたわけでございまして、これを守衛が阻止したのでありますけれども、そのとき阻止した守衛の末菅正文君というのは、コンクリート壁に押しつけられて、全治一カ月の胸部挫傷を負うというようなことまで起ったわけでございます。まあこういう
状態で推移したわけでございますが、先ほど申し上げましたように、十二時五分ごろに、局としては、警察官の出動を要請しておりましたので、十三時二十五分ごろに警察官が六十八名、局の庁舎の西側道路上まで前進されて、待機された
状態に入ったわけであります。そういう
状態の間も、もちろん局としては、放送も繰り返していましたし、警察官も来られたのだから、妙なトラブルを起したり、けが人を出したりしないように、早く解散してくれと言うことはもちろん、この間も何度も話をしておったわけでありますが、依然として同じような
状態が続いておる。それで、十四時三十三分から三十七分くらいの時刻に、警察官は、管理局庁舎の玄関前にすわり込んでおった労組員約六十名だけは、警察官がそのときに排除したわけでございます。そうしてそれでもまだ警察官は外におったわけでございますが、十五時二十分ごろになりまして、警察官四十名が庁舎の中に入って、待機の
状態に入った、こういうことでございまして、
組合員に対しては、とにかく早く出てくれということを何度も言っておりましたことでございまするし、まあこの間、警察官が現地に到着してから庁舎の中に入られるまでの間にも、相当時間がありまして、
組合側では、もし出なければ、警察官との間にもみ合いというようなことが起るということも十分予想される状況にあったわけでございますが、それで、局長といたしましては、少しでも早く出てもらって、けが人を出すというようなことはしたくないという気持から、十五時三十五分ごろから、
組合の
代表である藤井
委員長を局長室に呼びまして、畑中書記長というのも一緒に来ておりますが、そこで、局長から、早く出て行けという通告を、最後の通告をしておったわけでございます。この通告をしております際に営業部長が、十五時五十分ごろになりまして、その際局長に対して、もう実力行使をしようと思うけれども、よろしゅうございましょうかということを、八木営業部長が局長の指示を求めたわけでありまして、それに対して局長は、よろしいという許可を与えると同時に、
委員長に対して、早く行けということをさらに強く要請したわけであります。まあしかし、なかなか
委員長はすぐその場を立つということにならなかったと見えまして、この間約十五分ほどたったということでございますが、
委員長が屋上におもむいた際には、すでに警察官の実力行使が行われて、全部がおりてしまった
あとであった。これは結局、管理局長が
委員長に対して最後的な通告をしたにもかかわらず、直ちに
委員長が現場に行かなかったために間に合わなかった、こういうことでございまして、この実力行使が行われるまでの間に、先ほど来申し上げましたように、十分時間的余裕もあったことでございまするし、客観的に見て、部内連絡に不十分な点があったとは私どもは認められないのでございますが、ただ、局長が、全員が庁舎外に出た
あとで、下におりて遺憾の意を表したというのは、これは、局長のこのときの発言並びにその発言をした気持というものも確かめておる次第でございますが、下におりて、局長が
組合員の前で話をしたことの要領は、早く退去しろということを再三言ったのに、従わないからこういうことになった、これはまことに遺憾である。今後絶対にこのようなことをしないようにされたいということを言い、最後の段階で部内連絡が不十分な点があったことは遺憾であったと、こういうふうに申したそうであります。それで、局長がこのような発言をいたしましたのは、最終段階において現場の情勢把握のための連絡がとれなかったので、
委員長への通告打ち切りの時期を失したというふうに局長が判断しましたので、その意味でこういうことを言ったんだと申しております。もっと早くはっきり打ち切りをすれば、こういうことにならないで済んだのであるし、また、その最終段階で、公安
職員や警察官が屋上に上って、実力行使に入るぞということは、もうわかっておったはずでありますが、
委員長が現場にかけつけるのが、結果的に見て、おくれてしまったということが、そのときの屋上の状況というものをよく局長として把握していなかったという点に原因があったのでございまして
〔
理事山下義信君退席、
委員長着席〕
そのために通告打ち切りの時期を失したというふうに
考えて、最後の段階で部内連絡に不十分な点があったことは遺憾である、こういうふうに言った。そういうことを取調べの結果明らかにいたしたような次第でございます。