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小笠原二三男君 広範な御意見のうち、そういう事実があったとかなかったとかという点について、肯定できる部分も率直にあるけれども、私の聞いている範囲は狭いのですよ、私の聞いているのは。いわゆる
社会秩序を破壊する、そういう
目的をもって労働行為を行うものが随所は取り消したが方々に見られる、このことは
日本の
労働運動をやっているものからいえば重大な問題だと思う。一国の
労働行政を担当する
大臣がそういう御認識があるということであれば、その事実は厳格に指摘されない限り、これは
労働運動の指導者としては非常に問題を重視しなくちゃいかぬことだと思う。われわれ
労働運動、
労働者の利益を守る立場に立って政党を作っておるものの立場からすると、そういうものが指摘されるならば、あくまでもそういうものは追及しなければいかぬと思う。ところが私が具体的に例をあげることをお願いしましたら、第一にあげられたのは労働争議の結果会社がつぶれた。これが社会変革、
社会秩序の改変を
目的とした
労働運動であるのか、私は絶対そうでないと思う。労働争議そのものが行われる。その労働争議そのものが会社をつぶすために行われるということであるならそれは
労働組合の自殺行為である。経営の破綻を来たして、経営者自体の責任において会社がつぶれるという結果が、労働争議そのものと直接に
関係づけられて
判断されるということは、
労働行政を専門に行う担当
大臣として私は不可解だと思うのです。多分それは尼ケ崎等の例を挙げているのだろうと思いますが、実情は、
一般の
経済界の認識はそういうところに主たる原因があったとはしないのですから……。
第二の点の
労働運動の行き過ぎの結果、
労働組合の
目的を達成することができなかった、そういう例があるということを言いましたが、そういうことはままあり得るでありましょう。これは戦術も未熟であるという点もあるでありましょう。しかしそれは
労働組合内で解決される問題であって、
社会秩序なり社会改革を
目的として行動をする、それが
労働組合の要求貫徹とはかけ離れたものである、こういうような、そういう巨体的な事実がどこにあったのか、この点は私
お尋ねしなければならぬ。
第三には、産別会議がその
目的綱領に掲げておるものがいわゆる議会民主主義を否定する、これは政治革命の方式、そういうものを
考えているのだということでありますが、今日離別会議は解体しておる。しかも最終
段階には産別会議は一万数千そこそこの組合員をしか擁さない、そういう情勢になってきている、今日それが
日本の政治動向をゆがめるとか、あるいは議会政治を危殆に陥れるというような、そういう
労働運動が所々に見られるということでありますか。私も
労働運動をやってきたものの立場として、全国的な労働争議を見てそういうものを見ることができない。私たちの目が節穴なのか、
労働大臣の御認識が正しいのか、もしも
労働大臣の御認識が正しいということであるなら、こんな、
労働協会とか何とかいうような、こんなものでそれを阻止するなどというようなことは、異常に重大な関心を国会として払わなければならぬ。今日の
労働運動を指導しておるものは、大きく分けて総評、全労、新産別、あと中立組合、おのおの大きなところで指導しておる、その指導が社会改革を目指して指導しておるという実証があるならここでお挙げ願いたい。もしもまたそれは私の言い過ぎであった、そこまで極論する
意味ではない、
労働運動の行き過ぎがままある、こういう
意味のことが極言せられてそう言っただけのことなんだということであるならば、そういう点はそういう点で率直に
労働大臣もはっきりさせていただきたい。
一般の
大臣の方や保守党の政治家の方がそちこちで政治演説や何かする場合に、ただ単に大だんびらで切って飛ばすような御演説をなさることを、そういうようなととまで私は云々しておるのではないのです。まま私も聞いていますけれども、そういう点はそういう点で一個の主張ですから好きなような御演説をなさることもよかろうと私は思いますが、少くとも国会で、この問題を審議している過程で、担当の専門
行政の責任者である
石田さんからそういう御認識が、
日本国内の
労働運動の一角にあるというような御認識があるとするならこれは非常に遺憾だと思う。またもしもあるなら、その点を御指摘を願いたい。私は再度そういう
意味で御
質問申し
上げます。