運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-04-18 第28回国会 参議院 決算委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十八日(金曜日)    午前十一時十一分開会  出席者は左の通り。      ———————————    委員長     高野 一夫君    理事            仲原 善一君            平島 敏夫君            相澤 重明君            大矢  正君            奥 むめお君    委員            石井  桂君            稲浦 鹿藏君            大谷 贇雄君            手島  栄君            永野  護君            西岡 ハル君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            東   隆君            大竹平八郎君            竹中 恒夫君   国務大臣    建 設 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    建設大臣官房計    課長      南部 哲也君    建設省計画局長 町田  稔君    建設省道路局長 富樫 凱一君    建設省住宅局長 植田 俊雄君    建設省営繕局長 樫井 良雄君    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    運輸省鉄道監督    局民営部土木課    長       逸見 正則君    建設省河川局次    長       関盛 吉雄君    会計検査院事務    総局第三局長  石渡 達夫君    日本国有鉄道建    設局停車場課長 五味  信君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十一年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十一年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十一年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和三十一年度政府関係機関決算書  (内閣提出)   —————————————
  2. 高野一夫

    委員長高野一夫君) ただいまから本日の決算委員会を開会いたします。  昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十一年度政府関係機関決算吾を議題といたします。  本日は建設省の部を審議いたします。検査報告難事項は、第一千八十三号から第一千百四号でであります。まず会計検査院から概要説明を願います。
  3. 石渡達夫

    説明員石渡達夫君) 御説明いたします。  百九十ベージに、「公共事業等に対する国庫補助について」とございますが、これについて説明いたします。災害復旧等一般補助につきましては、後に御説明するといたしまして、この中に記載してあります住宅関係補助について詳しく御説明いたします。  公営住宅の三十一年庭中に建設されました戸数は五万二千戸になっておりますが、その五万二千戸の三七%に当りますところの一万九千戸につきまして実地検査をしたのであります。その結果多少問題のあるのがございまして、この公営住宅建設のための団地計画もない——公営住宅法によりますというと、団地計画をして公営住宅を作るようになっておりますが、団地計画もないのに建設をしておる、そうしてできたものに特定の者を入居をさしておる、あるいは入居予定者から寄付金を徴収しまして、前もって入る者をきめて建てておるというような、公党住宅法の規定上どうかと思われるものもございますし、またその他建築につきまして、その構造、仕上りを検査したのでありますが、建物の見える部分については比較的瑕疵が少いけれども、見えない部分につきまして、すなわち小屋の裏とか、床下等において多数の手抜きがありまして、たとえば軸組み小屋組み使用材料仕様書図面に比べて寸法が不足している、あるいは小屋組みの継ぎ手に所要の補強金具を施工していなかった、あるいはボルト締めにしなければならない主要部分を簡単なくぎづけにしているものなどがありまして、そうしたこまごまとした出来高不足指摘しましたものが、その件数におきまして合計一万件ばかりになっております。その一件々々は、金額にしますればきわめて少額ではありますが、建物の寿命にも影響しますので、そのつど建設省に注意しまして、徹底的に手直し工事を施行してもらったわけであります。  次に二十九、三十両年度決算検査報告書記載事項事後処理状況について申し上げます。国庫補助金返還または減額するというふうに建設省が処置をするようにしておられますものにつきまして、三十年度分の三十年、度の検査報告に掲記したものが十九件ございますが、その十九件のうち、三十二年九月末現在において十六件が処理済みになっております。また二十九年度分のものにつきましては、六件が処理未済になっておりましたが、これは三十三年の二月に全部処理が完了したという報告に接しております。また補助金返還または減額にかえて、手直しまたは補強工事をするということにしておられますものにつきまして、検査院におきまして、現場において実地検査をしたものでありますが、三十年度分につきましては、十一カ所検査をしまして、そのうち三十二年九月末現在におきまして未完成が一件、それから二十九年度分につきましては、二十四件検査をしまして、そのうち三十二年九月末現在において、未完成のものが一件というふうになっております。  それから、次は、千八十三から千百三までの公共事業に対する国庫負担金等経理当を得ないもの、これについて御説明します。この検査は毎年やっておりますが、三十二年中におきましても、多くの府県にわたりまして検査実施いたしました。実地検査をしました個所数は六千三百四十三ヵ所にわたっておりまして、検査をしました結果、災害復旧とは認められない改良工事を施行しているもの、あるいは設計が過大と認められるもの、設計に対して工事出来高が不足しているもの、工事の施行が粗漏で補助目的を越していないもの、または工事残材についての精算処理が適当でないものなどがございました。そのほかに、市町村が施行した工事につきまして、実際は工事完成しているのに、未着工と偽わりまして査定を受けまして、その否定を受けた工事費と、実際に完成した工事費と、この差額の分に対しても補助を受けているというような、多少性質の悪いケースがございまして、これはあとの表に出ております千九十五及び千九十七が、今申しました事項に該当する例でございます。そうしたものがなおございまして、こうした不当な金額を除外すべき額が十万円以上のものを拾ってみますというと、さっき申しました六千三百四十三の検査個所に対しまして、不当事項件数が三十六工事金額にしまして千五十八万一千円に及んであります。これは二十九年度以降の例に徴しますというと、二十九年度検査をしました個所につきまして、不当事項個所が四%、三十年度は一・四%、それから当年度、今申し上げました年度はこれが〇・五七%というようなふうに逐次改善はされております。これは関係当局指導監督強化及び事業主体自覚等によって改善されたものと認められますが、しかしながらこのような不当事項がなお跡を絶たないことは遺憾でありまして、建設省におかれましても改善対策の徹底をせられたいと存じます。  次に百九十八ベージ災害復旧事業費査定額減額させたもの、これについて御説明します。工事査定が済んだあと、まだ着工する以前に検査しまして、もし査定額が間違っている場合には着工前にこれを直してもらう、こういう検査を二十八年度から実施して参っておりますが、今年度におきましても、三十一年発生災害を主にしまして、それに二十八年度以降の災害でまだ着工していないというふうなものもあわせて検査をしたのであります。三十一年の発生災害は、災害の五億円以上ありました北海道及び六府県を選びまして、その工事場所を千七百八十八工事について検査をしたのであります。その結果同一個所工事建設省農林省が双方で重複して査定しているもの、あるいは既存の施設が被災もしていないのにこれを含めて復旧することとしているもの、あるいは工事用材料運搬距離を過大に見込んでいる、いわゆる設計過大のものというようなものが見受けられまして、こうしたものが四十二工事につき工事費において七百四十余万円を減額すべきであるという見解に達しまして、建設省に御注意もいたしましたところが、建設省におきましても、その分を減額するということになっております。こうしたケース相当ございますが、これも建設省におきまして、実地調査相当厳密にやっておられるというような点からしまして、逐年改善されまして、二十九年度におきましては、検査をしました個所に対しまして査定が間違っているという個所の比率が二十九年度は七・二%、これが三十年度は二・五、三十一年度は二・三というふうに逐次改善の跡を見ております。しかし、こうした事態の絶無を期しまして、なお一そう調査の慎重を期されたいと存じます。また二十八、二十九、三十年度発生災害につきましても、あわせて同様の検査をしたのでありますが、今申し上げましたと同じような理由によりまして、工事費を除外すべきものが十工事七百五十余万円になっております。  以上でございます。
  4. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次に建設省から概要の御説明を願います。
  5. 南部哲也

    政府委員南部哲也君) 建設省所管昭和三十一年度歳出決算額は千百六億三千八百余万円でありまして、治水災害復旧道路、都市、住宅営繕、その他の事業を遂行して参ったのでございます。これらの経費の執行に当りましては、いやしくも不当な支出や批難さるべき点のないよう日夜努力いたして参ったのでございますが、ただいま検査院から御説明のありましたように、補助事業におきまして、二十二件の批難事項がございましたことは、まことに遺憾にたえないと存じます。これらにつきましては、直ちに手直し工事または補助金減額還付の措置を講じましたが、今後とも貴重な国費の支出に当りまして、このようなことのないように十分に慎重を期するように、一そうの反省をいたしておる次第でございます。これがためには直轄工事におきましては、監察官制度を活用いたしまして、一段と綱紀の粛正、内部の監督強化を行わしめ、小業全般の適正なる執行を期することといたしまして、また補助工事につきましては、地方公共団体のうち特に市町村に対する監督及び検査機能の充実を行うために、補助金にかかる予算外執行適正化に関する法律に基く専務のうち、市町村工事に対する指導監督事務都道府県知事に委任いたしましたほか、各都道府県に対しましても、補助金及び負担金申請交付使用及び計算等に関する事務の適正な処理を行うよう指導して参っておるのでございます。ことに批難件数の多い公共土木災害復旧事業につきましては、査定官制度を活用いたしまして、三十一年度発生災害につきましては、九八%の実地検査を行いました。また重複査定防止するために農林省と二重採択防止覚書を取り定める等、補助金使用適正化に努めておる次第でございます。なお昭和二十五年度以降昭和三十年度までの会計検査院指摘事項につきましては、直轄工事件数は百二十四件でありますが、そのうち百二十一件を処理いたしまして、目下処理中のもの三件であります。同じく補助関係につきましては七百四十三件指摘されておりますが、そのうち七百二十件を処理いたしまして、ただいま処理中のもの二十三件でございます。これらの未処理の事件につきまして、一刻も早く処理を完了いたしますよう、関係職員当該市町村に派遣する等いたしまして、延納の督促を行うよう真剣に努力いたしておる次第でございます。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  6. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました。  御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお本件に関しましては、会計検査院から石渡第三局長建設省富樫道路局長町田計画局長根本建設大臣南部会計課長植田住宅局長櫻井営繕局長関盛河川局次長の諸君が御出席でございます。順次御発言を願います。
  7. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 三十年度から翌年度に引き継いだ直轄工事としては、金額としてどのくらい残っていたわけですか。未済の分ですね、翌年度に引続いてやっているもの……。
  8. 南部哲也

    政府委員南部哲也君) 三十年度から三十一年度一般会計の繰り越しは総額で九十億ほどございます。ただいまこの内訳を直轄補助に分れておりませんので、直轄分につきましては、直ちに調べまして御報告申し上げます。
  9. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それからもう一つ伺いたいのは、この直轄工事とそれから地方公共団体にまかす工事分野なんですが、これはむろんまあ金額が大きな基本になると思うのでありますが、どういうようにこれを分けられておるのですか。
  10. 南部哲也

    政府委員南部哲也君) 直轄補助の分け方でございますが、これは予算成立当時におきまして、治水事業以下おのおの事項別成立するわけでございますが、そのうち道路河川につきましては、直轄事業とそれから補助事業というふうに事業性質によりまして分れることになっております。たとえて申しますと、直轄につきましては、道路におきまして言えば、本年度から申し上げますと、一級国道の新築、改築、それから二級国道のうち大臣の指定した区間における修繕、こういうものは建設省直轄でやる。その他の事業につきましては、補助都道府県なり、市町村が行う。従いまして、たとえば地方道等におきましては、国が直轄でやるという事業は全然ございません。河川におきましても、同様に直轄河川につきましてのみ国がその工事を受け持つ。それ以外の河川につきましては都道府県市町村が行う。それから住宅のごときにおきましては、これは全部補助工事一で直轄はございません。さらに営繕におきましては、逆に補助工事は一切なくて、全部直轄で行う。こういうふうに事業性質によりまして、おのおの従来のいきさつ等もありまして、予算成立のときから、大体の直轄工事の区分というものができて成立しておるわけでございます。
  11. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから、私どもは、ときおり調査地方に出張した場合に、まあむろん建設省関係調査をいたしますし、各分野にわたってまあ調査をするのですが、そしてこの道の問題でもそうでしょうし、それから災害復旧の問題でもそうなんでありますが、実際われわれが現場などに行って見るときに、一体これは農林省管轄なのか、建設省管轄なのか、そういう点で非常にこれは何かもう少し一本に考えて、そしてまた一本でやったらいいのじゃないかというような点があるのですが、みんなこれは建設省建設省立場から、農林省農林省立場で、そのやるべき何ははっきりしておるのでしょうけれども、何かそういう点で、ことに災害復旧現場なんか見ると、非常にこんがらかっているような点が多いのでありますが、そういう点において建設省はこれは農林当局とそういう点は始終お打ち合せになっているのか、またそういった一つ連絡機関というものがおありなんですか。
  12. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) ただいま御質問のございました災害復旧等関係いたします建設農林両省採択の基準はどのようになっているかということでございますが、先ほど会計検査院の方からも御指摘のございましたように、公共土木施設の中で、特に二重採択が行われるというふうな傾向のあります部分は、農地関係と、それから林野関係、これが農林省関係では多いのでございます。そこで先ほども申し上げてございますが、この災害復旧の二重採択防止に関する問題といたしまして、建設農林両省におきまして覚書を終結いたしまして、特に河川関係で申しますと、この用水の取り入れ口河川の護岸との関係をどのように受け持つか、こういう問題。あるいはまた提防護岸と突堤との関係、それから山林の方に参りますと、渓流工事として砂防をやる部分と、森林の力の保安林の方の工事でやる分、それから林道と普通の道路との関係、こういうふうなところがまあ限界の問題になる、現地では多いのでございます。従ってこの実際の運用といたしましては、県には土木部それからまた農林部がございます。そしてその災害査定を申請いたします場合におきまして、農地関係林野関係土木関係でそれぞれこの部分をとるということを協定させまして、そして現地につきましては、それぞれのこの所管部分に従いまして表示を立てまして、そして現地で協議のととのわないというもし万一そういう場合があった場合は、ととのわない旨の事由を出させまして、そうして査定官が参りまして現地調整をいたす。これをまあ原則的な取扱いにいたしまして、実施をいたしてきておるのでございます。ただ、まだこれが第一線の市町村工事につきまして、百パーセントその二重採択防止がまだ根絶してないということは、これは先ほど検査院からも御指摘のあった通りでございまして、われわれといたしましては、この線に従って、過去のケースから見ますと、非常に減少しておりますけれども、まだ残っておりますので、そういう問題を完璧に整理いたしたい、こういうふうに考えております。
  13. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 その点はぜひ一つ今後調整に御努力を特に強くお願いするわけであります。  それからこの請負関係なのでありますが、そういう意味地方などに行きますと、やはり少しまとまった工事になると、結局まあ建設省のものも引き受け、あるいはまた農林省関係のものも引き受ける。そういう事実はこれは実際問題として相当多いのですか。請負師ですね。直轄でなく、地方公共団体がやる場合ですね。あるAならA組農林省関係のものもやるし、あるいはまた建設省関係のものもやるというケースはどうなんですか。
  14. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) これは補助事業等執行につきましては、都道府県または市町村実施をいたしますので……。
  15. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それはよくわかっている。
  16. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 従って、それぞれの建設業法によって登録を受けました資格条件の者に指名または競争入札でもってやっておるわけでございまして、必ずしも各省別にどうというふうなことはいたしておらないのでございます。
  17. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると、つまり両者のものどころでなく、あるいはまたよそのものもあるかもしれませんが、一つ請負者が各役所のものをやるという事実はあるわけですね。そう解釈してよろしいのですね。  それからなお伺いますが、これは前年度もお伺いしたと思うのですが、たしか直轄工事関係する請負資格者ですが、あれはたしか六万幾らとか何とか聞いたのですが、その数字を一応今お知らせ願いたい。直轄工事請負者資格ですね、登録されておるもの、建設省として。そんなものはすぐわかるでしょう。大体でいいですよ、大体で。
  18. 樫井良雄

    政府委員樫井良雄君) 建設業法によりまして登録をされておる業者は、ただいまお話のございました通り約六万ほどあるということでございますが、実際に建設省仕事をやりたいと希望して、建設省指名願いを出して、建設省の名籍に載っておりますものは、そのうちのまた一部分でございます。おそらく地方建設局を通じましてまあ概略でございますが、おそらく一千名くらいではないかと存じます。それからさらに工事を実際にやっておりますものは、そのまた何分の一かということになるのでございますが、これは毎年変りまして、時々刻々変っておりますので、はっきりした数字は申し上げられませんが、六万人のうちの大部分は非常に零細な業者でありますので、建設省仕事をやります者は相当資格を限っておりますので、ただいま申し上げた相当部分の者になっておるわけであります。
  19. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから、このいろいろ災害をなくすることは、治水事業とか、あるいはまた災害復旧工事を速急にするとかということは、これは問題ないことなのでありますが、そういう意味で、三十一年、それから三十二年、三十三年度治水事業費と言いますか、その予算ですね。それから並びに実際どれだけやったかということについて、ごく概略数字でいいですから、御答弁できましたら御答弁願いたい。もしすぐ御答弁できなければ、あとで資料を一つ提出してもらいたいと思います。
  20. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 治水事業の、昭和三十一年から今日までの、国の予算の上から見た場合の推移はどのようになっておるかということでございますが、この治水事業につきましては、昭和二十八年の大水害がありましてから、国の施策といたしまして治山治水の根本的な対策を立てまして、そうして実施をはかることにいたしてきておりますが、ちょうど昭和三十一年を契機にいたしまして、その中で緊急に経済効果を上げ、かつ治水目的を達成するということの必要な事業を選びまして、治山治水関係の緊急五カ年計画というものを作ったので、ございます。で、その五カ年計画に従いまして予算を要求し、またその事業実施をはかっておるわけでございますが、昭和三十一年度治水事業関係の国の予算額は二百八十四億円ということになっております。昭和三十二年度におきましては三百億、昭和三十三年度は約三百十億、これが治水事業関係の国の予算でございまして、先ほどお話にございました計画に対するこの予算は、それじゃどのようになっているかということをつけ加えて申し上げますと、全体としての緊急五カ年計画は約二千六百億円の事業を考えております。従いまして、それを五カ年間で速成するためには、おおむね現計予算——この過去の三カ年間の現計予算から、計上予算から見ますと、計画に対してはおおむね半ば程度の事業量になっております。従ってその計画に対する進歩率ということを申し上げますと、三十一年・度の予算では一一%、三十二年度が二二%、昭和三十三年度予算実施いたしますれば、おおむね五カ年計画に対しましては三三%から四%くらい、こういうふうな概況になる次第でございます。
  21. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから最後に、ちょっとこれはあなたの方の直接のあれじゃないのですが、例の道路公団のことで、自動車のあの料金の問題ですが、これは大体この料金というものは、まあ政府関係ですから、当然統一すべきものだと思うのでありますが、場所によってこれは違うのですか。
  22. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 料金場所によって違っておりますが、それは有料道路のやり方が建設費を償還していくということが条件にございまして、一定期間の中で建設費を償還するという建前になっております。そういうことから、それぞれの個所につきまして料金を算定いたしまして、運輸省と協議して定めておるのでございまして、個所によって料金が変っております。
  23. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 具体的な点を私一つ、二つ伺いたいのですが、例のいわゆる、戸塚ワンマン道路ですね。あれなどは、もう実にひんぱんとして車が通るのでありますが、これなんか実際問題として、総工費に対して——まあ今何年になるかわかりませんが、実際の収益金、このバランスはどんな状態になっておるのですか。
  24. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 詳しい数字あとで申し上げますが、戸塚道路は全国にあります有料道路のうちでは成績がよろしゅうございます。で、当初計画いたしました年数よりは早く償環ができやせんかと考えられます。
  25. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それでまあ私は特に戸塚をあげるということは、まあ御承知の通り、これはもう日本道路の悪いことは、もう内外の代表的なものなんで、従って少しくらい負担は重いけれども、とにかく料金を出しても、いい道路を通るというのは、これはもう皆自然のだれも願うことなんであって、そういう意味で私なんかは始終あすこを通るというと、まあ料金は惜しいけれども、まことにけっこうなものだと、こう思って通っているのだが、ああいう意味でどんどんこれからも一つ方々でやられると思うのですが、ところがまたこれはまあいろいろ政治的の問題があるかどうか知りませんが、岐阜県に木曾川という大きなあすこに橋があるわけですね。これはおそらく日本でも代表的な大きな橋じゃないかと思うのですが、これなんかがたしか二百円か三百円自動車はするわけだ、あの橋を渡るだけで。ところがさっぱり利用者がない。そして橋はできたけれども、橋に連関して当然作らなければならぬところの道路が、ごく最近は知りませんよ、道路が完備をしていない。まああの広い木曾川に橋ができたということによっては、これは非常に地元民は喜んでいるかもしれぬけれども、実際われわれ通ってみたって、ほとんどりょうりょうたるものなんだ、車が通っているのはですね。まあそういう意味において、どれだけの大きな工費を使ったか知らんけれども、これだけのことをするなら、もっとひんぱんと自動車の往復するところに道路なり、また橋なり、やったらいいじゃないかと、まあこういう感想を持つのですが、あの一つ木曾川の橋ですね、何と言うのか、木曾の大橋と言うのか何だか知らぬけれども、それをちょっと一つ説明を私は聞きたいのですがね。
  26. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) あの橋は濃尾大橋と申しますが、これは御指摘通りでございます。これはもともと県の事業として出発したものでございますが、当時県におきましては非常な要望がございまして、有料道路として取り上げたものでございます。お話のように、あれに続きます道路が整備されておりませんために、現在のところは交通料が少いのでございますが、道路整備計画の中にも、この橋につながり策して大垣の方に行く道路計画いたしております。これができますれば、濃尾大橋の利用は相当高くなると考えておるのでございますが、できるだけ早く実現するように努力しておるところでございます。
  27. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 すると、あの橋の工事というのは、建設省として支出したものはどのくらいですか、全体で。
  28. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) たしか六億ぐらいに考えておりますが、なお正確な数字は二取り調べましてお答えいたします。
  29. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 いま一点伺い虫ずが、やはり有料道路に関連してなんですが、たとえば箱根あたりはこれはむろん道路公団のできる前でもあるし、やはり何といいますか、西武系の会社が十国を初め方々にあれを持っておるわけですね。自家用有料道路というのかどうか知らぬけれども、自分のところで開拓をして、そうしてまあ会社の収入にしておる、まあこういうことが非常に問題になって、箱根登山と、あれは駿豆ですか、駿豆との間にこれはまあ非常ないざこざがあって何年かやっているけれども、しかしいまだに解決ができない。これは道路法か何かで——これは実際問題としては運輸省管轄になると思うのでありますが、せっかく道路公団ができておるのですから、将来建設省としてはそういう私設的な意味を狩った有料道路等の問題については、まあ私なんか考えるとすれば、道路公団にこれは併合すべきだろうと、こう思うのですが、実際問題としてそういうようなことが建設省の内部で今まで協議をせられたか、あるいはまたそういうことについて今後、今私どもが考えておるような方針に向っていく考えはないかどうか、それを一つお伺いしたいと思います。
  30. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 箱根の十国峠に有料道路がございます。これは道路運送法に基きます一般自動車道卒業ということで民間が事業として経営いたしておるわけでございます。この有料道路につきましては、料金が商いということも耳にいたしておるわけでございますが、われわれといたしましては、これらのものを一貫した有料道路にいたしたい考えはございます。道路公団実施しております有料道路は、建設費を償還すればこれは無料の通路になるわけでございます。国道、県道というものを有料道路実施いたしておるわけでございますが、こういうやり方で有料道路はやるべきものと考えておるわけでございます。で、民間の先申し上げましたような有料道路につきましては、今の規定からいいますと、買上げするということができないのでございまして、しかし、これはできればそういうものは買い上げて、国が道路公団実施しておりますような有料道路にした方がよろしいということを考えておるわけでございます。この問題につきましては、建設省でも検討いたしております。
  31. 相澤重明

    ○相澤重明君 今の大竹君の質問の問題に関連するのだが、道路公団有料道路を管則することについては、これはまあお互いに理解ができると思うのだが、有料道路なるがゆえに実際にその道路一本しかない住民は、朝晩の通勤にも、あるいは野らに出るにも料金を払わなければならない、こういうような道路というものを考えるということは、これは正しいか正しくないかどうかということを、あなたの方でどう思っていますか。
  32. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 有料道路の沿線の方々が使う場合でございますが、現存は自動車から料金を取っておりまして、自転車、歩行者からは取っておりませんのですが、また沿線で自動車を持っておる方が利用する場合には、特に公団が認めた者については無料にいたしております。
  33. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは神奈川県で江ノ高の有料道路を作ったのは建設省も御承知ですね。ところがどうしても住民は、片方は海なんだから、片方の山側に道路を作らなければ、有料道路を通らなければこれはどうにもならぬということで、騒ぎをやって、そうして、ようやくわきに少し小さい回り道を作ったんだけれども、ああいう形は、これはだれが何と言ったところで、住民は納得できないわけです。もっとやはり住民に親切な道路の管理というものを私考えていく必要があるんじゃないかと思うのですが、当時神奈川県なりあるいは藤沢市なり鎌倉市の強い陳情があって、建設省も努力されたと思うのですが、今後ああいう問題についてはやはり複線化の——いわゆるその一本の道路だけが有料道路であって、他に道路がないというような場合には、これは人家があるのに道路を、作らぬということ自体が誤まりだと思う。そういう点は今後やるつもりはないかどうか、一つこの際建設省にお答え願っておきたい。
  34. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 有料道路は原則といたしまして、迂回道路がなければ有料にはできない建前になっておるわけでございます。御指摘になりました江ノ島から片瀬に参ります有料道路は、これは御指摘通りでございまして、ああいったものを有料道路としてとるのがいいのか悪いのかという議論一がございます。で、ああいう場合にどうしても利用しなければならぬ道路を有料にするということは、これは適当でないと私も考えておるわけでございまして、将来におきましては、ああいった道路は有料では建設しない方針にいたしたいと考えております。
  35. 相澤重明

    ○相澤重明君 その次に、同じ有料道路でも今度は純然たる民間会社が経営、管理する場合ですね、先ほど大竹委員の言うのは、箱根の駿豆なりあるいは登山の競争の問題だったんですが、たとえば大船から片瀬へ出るところの京浜急行の有料道路がある。これも両側に遮断機を置いてしまして、まん中にたとえば国鉄なら国鉄の大船工場があって、その大船工場はそこを通らなければ鎌倉市へ出られない。こういうような場合に一々会社なり公社から出入りする車に対して、いわゆる料金を払わなければならぬと、こういうような場合も想定されるわけなんだが、こういう場合には一体建設省は、民間のものはもう民間がやるんだから、そういう点については一切おかまいなしということで、運輸省なりあるいは建設省と相談をする気はないかあるか、こういう点はどうなんですか。
  36. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これはそういった道路の全体の整備という点から考えなければならぬと思います。で、先ほどもお答え申し上げたのでございますが、民間の事業として実施する有料道路につきましては、先ほど申上、げましたような考えを持っておるわけでございますが、その点につきましては、運輸省とも連絡いたしまして善処いたしたいと思います。
  37. 相澤重明

    ○相澤重明君 それからいま一つ、この前私が決算委員会で、建設省に申し上げておいた戸塚の大踏切の問題については、その後建設省内ではどういう考え方を持っておりますか、報告してもらいたいと思うのですが、これは御承知のように、先ほど大竹君が言うように、このワンマン道路というのは吉田元総理が大磯から国会に通うのに、戸塚の大踏切で三十分も四十分も自動車を遮断されるということで、さすがのじいさん、かんかんにおこって、あの道路を作らせる動機ができたわけです。ところがワンマン道路は、一般の乗用車は確かにあれを通れば少しぐらい料金が高くても仕方がない、これは早いからといって喜ぶんだけれども、しかし旧国道を通らなければならない住民がおる、また現実にトラックをもって荷物を運ばなければならぬ商人もおるわけですね。そうすると、やはりあそこの国道をいわゆる国鉄の大踏切によって支障されて、実際にはやはり三十分から四十分もとまることがある。現に私が神奈川県を調査に行った場合にもそういう事態が起きた。これに対して一体あの大踏切をそのままにしておくのが国道を管理するところのいわゆる建設省立場でいいのかどうか、こういう点についてこの前は、だいぶ議論があったけれども、とにかく検討しましょうということになったわけです。その検討というのはどういう形で検討されたか、そのことを先に答弁を願いたい。
  38. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 戸塚の現在の旧道と申しますかの道路の踏切を、立体交差に変える問題でございますが、これは立体交差にすべきものであることを前回申し上げたわけであります。私どもは今道路整備五カ年計画を立てておるわけでございますが、この中に具体的にあの踏切の改良については考えたいと思っておりますが、どの時期にやるかというところまでまだ五カ年計画全体が決定しておりませんので、そういう観点でただいま検討しておるところでございます。
  39. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは今の戸塚の大踏切の問題については、さらに一つ検討、促進をしてもらいたいと思うのです。  それからその次に道路計曲五カ年計画について、もちろんまだ私ども国会においても自動車道法なるものを通過させて、その後当局においても促進をしておると思うのであるが、具体的に京浜なりあるいは阪神なりをつなぐ道路計画について、いま一つはこの沿岸を、いわゆる、重要港湾を持つ神戸なり横浜なり、こういうようなところの道路計画というものをどのように具体的に考えておるのか、もしここで発表できるものだったら私は発表していただきたい、こう思うのですが。
  40. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 五カ年計画をただいま作業中でございますが、この計画を立てます基本の方針といたしましては、将来の交通需要に応ずる道路整備ということを考えておるわけでございます。将来の交通需要の点からいたしますと、東海道線などは最も多い交通需要が要求されるわけでございまして、特に港湾との関係、都市との関係で、この地区の道路の整備を促進する必要がございます。この五カ年計画には有料道路もあわせて計画いたしておるわけでございますが、この有料道路の中にはほかの道路とクロスしない、ノンクロスのいわゆる高速国道計画いたしておるわけでございます。高速国道の中には名古屋から神戸に至りますもののほか、都市内の高速道路計画いたしておるわけでございまして、京浜地区におきましては、この海岸沿いに都市の高速道路を作ることをただいま計画いたしております。
  41. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから一つ冒頭に一決ってお尋ねしておきたいと思うのですが、建設省一般会計の中で、いわゆる千百六億三千八百余万円の災害復旧国庫負担工事費の中で、九十億八千二百余万円を翌年度に繰り越して、しかも五億七千四百余万円を不用額としておる。一体この五億七千四百余万円の不用額というものはどうして出たのか、まずその点を先に御説明いただきたいと思うのです。
  42. 南部哲也

    政府委員南部哲也君) 不用額について御説明申し上げます。三十一年度の不用額はただいま御指摘通りに五億七千四百二十六万円でございますが、このおもなものは荒川の総合開発事業、これが一億九千万円、それから天竜川の総合開発事業費が八千七百万円、それから河川災害復旧事業費におきまして五千二百万円、幾春別川総合開発事業費で三千百万円でございます。この理由を申し上げますと、荒川、天竜、両ダムの開発事業につきましては、工事が年内に進行しなかったために支出に至りまぜず、翌年度におきまして特定多目的ダム特別会計に切りかえられたために、繰り越しの措置が取られずに、一般会計といたしましては一応不用に立てて、その分は特別会計として新たにそちらの方に特別会計で計上するということになったために、この約六億近い不用額が出たわけでございます。その他の災害復旧工事等につきましては、工事の入札価格が予定より低かった、いわゆる入札差金の問題であるとか、あるいは工事契約が当初のものが変更になる、その結果予定価格が少くなったというようなものが積み重なりまして、全体でこの額が出てきたわけでございます。
  43. 相澤重明

    ○相澤重明君 質問を続けるわけですが、東委員がちょっと午後何かあるので、先に質問されるから……。
  44. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 ちょっと相澤委員に関連して質問、いいですか……。先ほど相澤委員の御質問の中に高速道路の問題が五カ年計画に関してあったわけですが、そうしてあなたの方の御説明の中にありました名古屋−神戸の道路の問題、これは昨年アメリカから道路公団の使節団が来てつぶさに視察並びに検討をして行ったはずですが、それはその後、どんなような進捗状況であるか、この際承わっておきたい。それからあわせて名神国道の状態はどうであるかを承わりたい。
  45. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 名古屋−神戸の高速国道に関して外資を入れたいということで、世銀と折衝いたしておるわけでございますが、昨年から世銀の調査団が参りまして実地調査をいたしまして、その結果を今ワシントンに持って帰っておりまして、この結論を本年中には出したいと言っておるわけでございますが、われわれとしては借り入れ得る期待を持っておるわけでございます。  それから名神国道お話が出たのでございますが、名神国道につきましては、本年から着工すべく予算措置をいたしております。本年度は用地買収が主になろうと思いますが、これもできるだけ早く開通せしめるように努力いたしたいと考えます。
  46. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 今の神戸−名古屋間の道路の問題は、世銀を期待しておるというお話ですが、これはもうすでに向うも十分調査、検討をしたと思うのですが、従って単なる期待をしておるということでなしに、十分の成算がある、こういうことでございますか。
  47. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 調査団が参りましたときに、その辺のことを打診すべく努力いたしたのでございますが、鋼管団としましては、帰って世銀の機関に報告して決定するのであるから、今は、言えぬということで帰ったわけでございます。が、従来のいきさつから考えまして、この名神国道については外資を融通してやろうという考えがあるように思うのでございますが、そういう点で期待しておるということを申し上げたわけでございます。
  48. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 そこで、これはすでに使節団が帰ってずいぶんなるわけですが、わが方としてそれに対しての積極的な工作なり折衝を続けておるわけですか。
  49. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 前に世銀の調査団が参りましたときに、この国道の線形でありますとか、あるいは土質の研究でありますとかいうことに対して、まだ日本は十分な経験を持っていないから、だれか適当な権威者に検討してもらったらどうかということをいって帰ったのでありますが、その後ドイツ並びにアメリカからそれぞれ一名ずつその問題に関する権威者を呼ぶように、ただいま公団の方では折衝を始めておるところでございます。
  50. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 これはまあ一つなんですね、極力早く促進するようにお願いしたいということと、今のそれに関連して高速道路ですね、中仙道を通るというのと、東海道を通る両案があって、それを、東海道にきまったというようなことを申した人があるというようなことで、だいぶ問題があったわけですが、それは一体どうなっておりますか。その経緯……。
  51. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 東京から名古屋の間の高速国道につきましては、国土開発縦貫自動車道建設法により策して、ただいま調査を続行中でございます。三十三年度においてあらましの結果が出ると思うのでありますが、その上に、それによりまして具体的な計一画を立てたいと考えております。ただ東海道線の力は、それとは別に、現在ありまする一号国道だけでは交通需要に対応できないということがございます。しかし現在の一号国道をただ広げるというようなことでは、これは交通能率の上からいって低いものになりますので、やはりやる以上は、高速国道式のノン・クロスの道路を作らなければならぬ、だろうということがいわれておるわけであります。しかしこれに関しては、港湾の整備とも関係いたしますわけでございますし、また国鉄の拡張計画とも関連いたすわけでございます。これらの問題につきまして閣僚協議会ができておりますが、今後この点について検討されることになるわけでございます。この東海道案につきましては、たまたま民間の産業計画会議というものが、松永安左衛門先生のところで作られておるわけでございますが、ここで、名古屋−東京間の高速国道につきまして、一つの勧告を出してきております。この勧告によりますと、名古屋−東京間は海岸線を通るべきである、こういたしておるわけでございますし、またその中の候補等につきましても特別の勧告をいたしておるわけでございます。そういう勧告を受けておりますので、その内容につきましてただいま検討いたしておるところでございます。中央道、いわゆる山岳地帯を通る中央道をやめて東海道をやるというようなことはございません。これは従貫自動車道建設法により額して、中央道の建設はその調査を進めておるわけでございますが、一方東海道にもそういう問題があるということでございます。
  52. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 そこで今の旧東海道ですね、名古屋、有松、鳴海、あの岡崎から向うへ行く道路ですね、あれはトラックが縦横無尽に走ってせっかくの広電の五十三次の東海道もまことに殺風景な状態、これはもうぜひすみやかに道迫距整備をしていただいて、交通緩和を一つお願いしたい。それについてお答えをちょっといただきたいと思います。
  53. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 現在の東海道線の改良は、三十三年度でほとんど大部分終るわけでございす。しかしこの改良も、いわゆる従来の混合交通を主体にした改良でございますから、なお、この上に改良が必要になろうと思います。やはり高速国道のノン・クロスの道路にすべきであるということで、この五ヵ年計画にはまだ具体的に入って参りませんけれども、将来はそういうことに推めなければならぬと考えておるわけでございます。
  54. 東隆

    ○東隆君 だいぶおそくなりましたから簡単に伺います。これは農林省あるいは建設省どちらかに関係があると思いますが、はっきりしないのですが、静岡県の沼津市の、市の中にある狩野川、その狩野川に放水路をこしらえる、こういうので、その放水路から出る水でもって内浦湾ですか、あそこの湾の漁業が非常にだめになる、こういうわけで、事前に補償を一、二億五千万円補償をしておる。ところがその補償された額が非常に不明朗な使い方をされて問題になっております。そこで、これは建設省関係されておる仕事かどうか、その点を最初にお伺いします。
  55. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) ただいまの御質問は、狩野川の放水路の掘さくに伴う漁業補償の問題でございまして、これは建設省直轄工事として放水路を計画いたしまして、それに伴う漁業補償というものを支払いをいたしております。
  56. 東隆

    ○東隆君 その二億五千万円の補償は、これは事前の補償のようでありますが、まだ放水路は掘さくを完了してないのじゃないかと思うのですが、どうですか。
  57. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 放水路の掘さくにつきましては、停水ができるように目下工事を進行中でございます。しかしながら漁業補償金は、ただいまお話のように約二億五千万円、二億四千五百万円という数字でございますが、これはほとんど支払っておりまして、ほんの一部がまだ未支払いになっております。これは権利補償でございますので、地元の知事と協定いたしまして、その支払いをいたしておるわけでございます。
  58. 東隆

    ○東隆君 その補償のいろいろな条件があると思うのですが、補償するときに、分配の条件その他そういうようなものには建設省はタッチしなかったわけですか。補償する場合に、それを、何といいますか、被害を受ける者がそれを分配されて、それを当然補償してもらわなきゃならぬと思うのですが、そういうようなことについて何か条件その他があろうと思うのですが、そういうようなことをお聞きしたいのですが、きょうは大へん時間がありませんから、何か書面でもってそういうような資料を至急ちょうだいいたしたい。委員長において取り計らいをお願いします。
  59. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) ただいま御質問のございました漁業補償金の使途の条件につきましての御質問でございますが、漁難補償金の終結は、これは地元でも非常に大きな問題であったのでございますので、静岡県知事が各漁業権者の委任を受けまして、そうして国と契約をいたしております。そうして、その配分の内容等につきましては、国といたしましては、直接指示をいたしておりませんけれども、これは現地承知いたしております範囲内で申し上げますと、漁業の転換資金等にも計画されておることでございますが、なお、詳細につきましては、お手元に資料を至急差し上げたいと思っております。
  60. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 東委員の資料を提出願います。
  61. 相澤重明

    ○相澤重明君 建設省に、先ほどの東海道線の道路改良について、大体三十三年度に、先ほどはほとんど終るというお話があったが、その中で、具体的にお伺いしたいのは、六郷から入って横浜の俗にいう鶴見線、鶴見の警察署から、国鉄の鶴見駅前から出てくる、あそこから現在の生麦という横浜市の交通局の市電の通っているところがありますね、あそこの道路を見てみるというと、ちょうどカメの甲のようになっている。まん中が高くなって両側が低くなっている、これを見ると先ほど大谷君の言うように、とにかくトラック等がすれ違う場合に、まん中が高く、両側が低いものだから、トラックはよけることができない。まん中を走る。乗用車は抜くことができない、これが両方がすれ違うというと、片側にかしいでしまう、こういうようなことで非常に危険になる、こういう道路を一体直す気があるのかないのか、三一十三年度で東海道線は直るというのだけれども、一体それはどうなんです  か。
  62. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話の京浜国道につきましては、一応改良済みということで考えておるわけでございますが、そういう個所につきましては、維持修繕等の工事で直していきたいという考えを持っております。お話の一区間につきましては、これは直轄で維持修繕する区間になるだろうと思いますが、そうなりますれば、その部分につきましては、適当の措置を講じたいと考えております。ただお話のように非常に横断勾配がきついといいますのは、前に市電がございまして、それが道路の上に裸で乗せられておったものを埋めたので、それでそういう格好になっておるわけでございます。根本的にやりますのには、掘り返しまして軌道をはずして舗装し直すということになりますか、あるいは両側を上げるという方法をとらなければならぬと考えます。よく調査いたしまして善処いたしたいと考えます。
  63. 相澤重明

    ○相澤重明君 善処するのはけっこうなことだが、しからばその次にお尋ねしておかなければならぬと思うのは、今局長が言うように、この区間は前に市電の軌道があって、連合軍が入ってくるというとガラガラやって埋めて、それで無理に道路を作ってしまって山になってしまった。この結果、横浜市では非常に交通の険路が生じて、交通局自体も赤字が出た。参考までに当時の状況を申し上げますと、これは着工したのは昭和十九年の五月五日なのです。それで竣工したのは昭和十九年の十二月二十五日、開通したのは昭和十九年十二月二十六日、こういうふうにして約二キロ三百四十メートルほどの軌道があったわけです。ところがこの軌道に要した建設費というものは、当時の金で、軌道費あるいは舗装費等を含んで八十万百四十八円からかかっている、こういうふうに横浜市は言っている。ところがその当時連合軍が入ってきたために急にじゃまであるというので、これを平らにしてしまえということで、今申し上げましたように、この区間をコンクリートでもってならしてしまった。それに対して横浜市ではこれでは困るというので、当時、地方公営企業の問題、いわゆる横浜市の交通局の問題でありますから、運輸省にそのことに対する補償額を要求した。ところが結論的に申し上げますと、昭和二十三年の七月三十七日に十八万七千六十円の補償額を出したわけです。国は地方の自治体が言ういうふうに八十万円もかけて作ったものを、連合軍が入ってきたということで、すぐこれはじゃまだから埋めてしまえというので埋めてしまった、その補償額を、十七万や十八万出して、それでいい、こういうことには僕はならぬと思うのです。国道の管理者である建設省御当局はどう考えているか、その点をちょっと参考にお尋ねしておきたいと思います。
  64. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路管理者として考えますと、そういう措置を講じたことによりまして、道路の構造としてはおもしろくない構造になったわけでございます。そういう点につきまして、そういう措置をとられたことは遺憾であると思うのでございますが、これの処置につきましては、先ほど申し上げましたように直轄上区間にいたしまして、これを改良することを考えたいと思います。
  65. 相澤重明

    ○相澤重明君 局長国道であるから建設省直轄工事をやる、検討しなければならぬのは、もちろんだと思います。もし横浜市でそこに前のように軌道を一つ入れてもらいたい、あるいは補修して直してもらいたい、こういうような場合に、建設省はそういうことの協議に応ずる考えがあるか。
  66. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 横浜市からそういう申し出がございますれば、建設省といたしましても、よく検討いたしまして措置いたしたいと考えます。
  67. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 相澤委員に申し上げます。運輸省鉄道監督局民営鉄道部逸見土木課長出席しております。
  68. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、建設省では横浜から具体的に申請があり、そしてこれらについて建設省自体として直轄丁半としてやる場合には、協議に応ずることもできるということになろうと思うのですが、もし建設省自体が検討してみて、どうもここに軌道をつけることはかえっていけないという答えが出た場合に、それらによるところの、いわゆる地方公営企業を持っている自治体に対する損害、あるいは何といいますか、赤字といいますか、そういうようなものについては関係省に話し合ってめんどうを見てやるという考え方を持っておりますか。
  69. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは具体的に検討いたさなければならぬのでございますけれども、かりにそういう申請を横浜市が出して参りまして、省は道路立場からそれは適当でないということになりました場合、それではどういうふうに補償するかということになるわけでございますが、と申しますのは、現在休止線になっていると思います。で、以前にその路線についての特許をとっているわけでありますから、そういう点に関して、どういう措置をするか、それは具体的にその問題が起きましてから検討いたしまして、結果を出したいと考えます。
  70. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは運輸省の民営鉄道部の土木課長の逸見君にお答え願いたいと思いますが、今建設省局長の言う通りに、既設線というものは埋められている。従って営業をしようとすればできるということになるのだが、運輸省の考え方は一体どういうふうになっているか伺いたい。
  71. 逸見正則

    説明員(逸見正則君) この問題につきましては、昭和二十年に戦災を受けまして、その辺一帯が焼失をいたしました。その当時といたしましては、直ちにこれを復旧することも非常に困難でございましたし、またその辺に対する交通需要ということに対しても方針がはっきりしておりませんでした。そういう関係でとりあえず運輸休止という形をとりまして、その後時勢の推移に伴いましてそのままに置かれたわけであります。で、ただいまお話のございましたように進駐軍関係で特別の舗装がなされたわけでありますが、今後もし交通需要に対しまして路面の工事をいたしまして軌道を復活するというふうな申し出があります場合には、新しい段階で、もちろんこの問題について善処していきたいというふうに考えております。
  72. 相澤重明

    ○相澤重明君 何ですか、今の答弁は新しい段階というのは、もうそれは連合軍が入った当時のことはやむを得ざるものであるという考え方に立ってすでに今までのことは御破算にして、新たにこの問題を提起されたと、こういう理解をしろということなんですか。
  73. 逸見正則

    説明員(逸見正則君) 今相澤先生のおっしゃいましたそういう意味ではございませんで、特許にはなっておりまして、その当時の事情としてやむを得ず休止の状態で現在に置かれておるということでございます。で、特許いたしました権利はもちろん継続しておりますし、ただ施設を新しく復活させることについて、以前に埋めてしまった軌道、施設、その他がもちろん新しく作られねばなりませんと思いますので、そういう意味をただいま御説明申し上げたわけでございます。で、休止ということにつきましては特許の権利を持っております。もちろんそれを尊重いたしまして新たなる交通需要の段階にこれを考えまして、その設備の状態なり、あるいは停留所の間隔とか、そういったようなことに対しましては、既存の権利を捗っておりますその軌道権はもちろん尊重いたしますが、市のお申し出に対しまして、それをよく検討して善処したいというふうに思っておるわけでございます。
  74. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますというと、さらにお尋ねをしたいのは、先ほど建設省からは、まあ市からそういう要諦なり陳情があった場合に具体的に検討するということは覆われたけれども、建設省自体として国道としていわゆる総合交通政策の中から考えた場合に、その軌道が生かされるということについては、あるいは困るかもしれぬと、こういう結論が出た場合には、運輸省立場はやはりそういうふうに考えていくということなんですか、その点はいかがですか。
  75. 逸見正則

    説明員(逸見正則君) その点に関しましては、私どもといたしましては、軌道の権利をすでに付与されておるわけでございますので、情勢の変化によって、もしただい京お話のございましたような段階が考えられるということでありますならば、横浜市御当局のその辺に対する御意見もよく尊重し、また建設省関係等ももちろん御相談をして連絡をいたしまして善処したいという考えを申し上げたわけでございます。
  76. 相澤重明

    ○相澤重明君 もともとの発端は当時の運輸省鉄道総局総務局長の三木正君から横浜市の交通局長に終戦処理についての問題が提起されているわけです。この文書については知っておりますね。
  77. 逸見正則

    説明員(逸見正則君) はい。
  78. 相澤重明

    ○相澤重明君 すると先ほど私が申し上げたように、いわゆる工事費としては八十万からもかかっているものが、実際に国で支弁しているのは十七万から十六万しか払っておらぬ。こういうことについてはいわゆる交通政策を担当しておる運輸省としては、当然地方自治体のその損害というものは何らかの処置をしてやらなければならぬということはお考えになりませんか。これはもうしょうがない、国が戦争に負けて連合軍が入ってきたのだから、これはやむを得ざるものだと、そういうことで、そのままでいいのか、それともいわゆる連合軍が入ったのちでも解除をされる、こういう場合においては、原形復旧費等の適用というものを考えていくことができるわけじゃないのですか、こういう点についてはいかがですか。
  79. 逸見正則

    説明員(逸見正則君) この問題はその当時非常に唐突の間に起りました問題で、私どもといたしましては原形復旧という問題につきましては特別調達庁の方で考慮をされていただくべき筋合かと存じますので、そういう問題につきましてはそういう問題を少し検討してみたいというふうに考えております。
  80. 相澤重明

    ○相澤重明君 特別調達庁の仕事の範囲というものと、今国道になっておるいわゆる建設省の所管になっておることとは、若干これは問題が違うと思うのですが、これは一つ建設省にお尋ねしなければいかないのですが、今のような場合ですが、終戦処理によってそれで被害をこうむったこれらの地帯に対する原形復旧ということは、国道に関する限り、建設省において行うことができないのかどうか。この点は局長どうですか。
  81. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 軌道につきましては軌道法によって処理されておるわけでございます。軌道法の方は運輸省建設省と共管でございます。
  82. 相澤重明

    ○相澤重明君 逸見土木課長にお尋ねしておきたいのですが、今建設省局長の話では、運輸省建設省の共管であるから、御相談ができるということになると思うのですが、これは先ほど特別調達庁にまかされる事項ではないかという御発言があったと思うのですが、その点はいずれがよいと思いますか。
  83. 逸見正則

    説明員(逸見正則君) 私どもといたしましては、軌道法に対してはただいま富樫政府委員お話のありましたように、建設省運輸省の共管事項でございますが、この問題につきましまては、先ほど説明いたしましたように進駐軍の電話命令によりまして、急に軌道の上に舗装を行なったという関係工事の一連から考えまして、これに対する補償その他の問題につきましては、特別調達庁で御考慮いただくことが至当であるかと存じております。
  84. 相澤重明

    ○相澤重明君 これでは建設省運輸省との意見の食い違いが出たように思うが、これはどうですか。
  85. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 軌道につきましては先ほど申し上げましたように、建設省運輸省の共管でございます。ただこの軌道を復旧するにつきまして、その費用をどこから出すかという問題になってくるわけでございます。この費用を出す段になりますと、これはこの軌道についての従来のいきさつがございますから、終戦処理処理されたものであるが、それをまた元へ腐すということでありますから、防衛支出金等で出されるのが適当ではないかというふうに考えられるわけでございます。そうなって参りますと、われわれの方では特別調達庁と折衝いたしまして、費用の負担について折衝をいたすことになるわけでございます。
  86. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは今の点もまだ意思統一も十分しなければならないと思う。運輸省建設省が相談をされて、特別調達庁とのまた話し合いもあるかと思います。従って具体的に本日はこの問題については、それ以上のことを私から質問を申し上げることもちょっと無理かと思いますので、調査をされて、そしてこれが特別調達庁によるいわゆる補償をすべきものであるか。あるいは原形復旧については運輸省建設省との協議によって行うことができるものであるかどうか。こういう点についても一つ相談をされて次回に報告してもらいたいと思う。  それから次には同じく国道で、実は横須賀の海軍ベースの前の問題についてお尋ねしておきたいのですが、これは今建設省が海軍ベースの前の立体交叉を計画をしておるようでありますが、非常にあのトンネルは、大東亜戦争の際に必要によって急にくりぬいたものですからトンネルの中が曲っておるわけです。それでしかも米軍の自動車を初め、日本の国民の需要も増大をしておりますから、この中が曲っておるために、非常に自動車の交通に危険を感ずるわけです。こういう面を考えて、建設省はトンネルの複線化というものを考えたことがあるかないか、この点はいかがですか。今ベースの前の立体交叉の踏み入れを、計画しておるようですが、複線化の問題を考えたことがあるかどうか、この点いかがですか。
  87. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話のトンネルは現在幅七メートル半でございますので、一応これを使っておるわけでございますが、交通需要に応じては、とうていこの七メートル半では持ちきれないことになると思います。よく検討いたしまして複線化を考えたいと思っております。
  88. 相澤重明

    ○相澤重明君 国鉄関係は来ておりませんか。……それで、建設省にちょっとその点をなおお尋ねしておきたいのですが、トンネルの前に国鉄の久里浜線が単線で通っておるわけですね、その国鉄の横須賀駅と、そのトンネルの方に出る間に一踏切道がある、この踏切道は非常に危険であるということで、実は国鉄当局はこれの閉鎖を考えておったようなんです。そうすると、ままますトンネルはいわゆる往来来がひんぱんになる、しかも非常にカーブがあるの、だから危険性が伴う、こういうことで、地元の横須賀市なり、神奈川県の方では非常に苦労をしているようです。できるならば、建設省でせっかくベース前の立体交叉を考えるくらいであるから、複線化というものは事故防止の上からも考えていく必要があるのではないか、もちろんあとで国鉄にこの駅舎の問題についてもお伺いをいたしますが、建設省として、そういう踏切道については、本国会にも運輸省あるいは建設省はともに踏み切り事故を防止するその対策の法案を提出する準備をされておると思うのですが、そういう関係から言っても、この踏み切りから出る事故というものをなくする、こういうことは建設省の本来のお考えだと私は思うのですが、その点についてはいかがですか。
  89. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは先生の言われる通りでございまして、この踏み切りをなくしたいというのが五カ年計画におきましても一つの目標でございます。お話の踏み切りにつきましてはよく実情を調査いたしまして、計画を立てたいと考えております。
  90. 相澤重明

    ○相澤重明君 国鉄当局に一つお尋ねしたいのですが、今建設省としては踏切道の問題や、あるいは自動車の交通需要に応じて検討をして、燧道の複線化も考える、こういう御答弁があったわけですが、今の横須賀駅は海岸に面していて、つまり横須賀湾に面しておって、非常に駅前通が狭いわけです。そこで一方の山側からくるお客さんなり貨物というものは、すべて今のS型のトンネルを回って、ロータリーを回って横須賀駅に入る、あるいは入ってはいけないという踏み切りを乗り越えて事故を起しても近道を通る、こういうようなことが実際に起っておるのですがそういうことを直す計画はあるかないか、たとえば今の駅舎のところをすぐ反対側に移転をするという考え方があるかどうか、あるいはまた、そういう根本的な問題はできないにしても、当面その踏み切りの事故をなくするために、反対側に跨線橋等を通して、旅客なり、荷物を扱うことができるよヶな方法を考えることがあるかないか、こういう点について国鉄当局のお考えを一つ伺いたいと思います。
  91. 五味信

    説明員(五味信君) お答えいたします。駅舎を移転する点につきましては計画はございません。ただし将来建設省からお話のありましたように、問題のトンネルが非常に復線化といいますか、拡大され、すべての交通がそちらに回るというような、道路交通の計画が変更になります場合は、その事態に応じて考えなければならぬ、当然考えるべきことだと存じます。それからまあ現在の状態におきまして、安全上もちろん何とか処置をしなくちゃならないわけでございます。お話しの裏駅を作るというような点につきましても、目下のところは考えておりません。ただし現在の踏み切りが非常に狭盆でありながら、かつ地元の方々がそれをお使いになるという事実につきましては、何としても安全確保をはからなければならないと存じますので、目下現地におきまして県市御当局等と対策を練っているところでございます。
  92. 相澤重明

    ○相澤重明君 対策を練っているといったところで、事故が起きてはこれは対策倒れになってしまう。従って早急にこの問題については、私は結論を出してもらわなければならぬと思う。幾ら政府が事故防止を、安全週間というものを計画をして発表したところで、協力してもらうには、やはりそれだけの施設なりあるいは考え方というものを、具体的に実行しなければ、これは協力してもらうことはできないわけであります。しかも国民の人命、財産というものは非常に貴重なわけであります。従ってそういう隘路の中に、あるいはまたどうしても通らなければならぬ、事故を覚悟しても通らなければならぬというようなものについては、あらかじめ私はやはり国鉄当局が、それだけのやはり方針というものを打たなければいけないと思うのです。そこで今建設省のお答えを私は大へん喜んでいるわけですが、建設省でそういう将来の検討をされるにしても、国鉄当局自体が、自分の踏み切りで事故が起きるのだから、国鉄当局が早急にその問題を処理すべきではなかろうか、国鉄当局としてもどうしても建設省と協議しななければならぬ、 こういうことについては、建設省と積極的な私は協議をしていくべきだ、こう考えるが、そういう考え方にあなたは立てるかどうか、その点を一つお尋ねをしておきたいと思うのであります。
  93. 五味信

    説明員(五味信君) 仰せのように積極的対策を立てて参ります。
  94. 相澤重明

    ○相澤重明君 それからこれは、あと建設省のいわゆるトンネルの複線化の問題とも関連いたしますから、この際お尋ねをしておきたいと思うのでありますが、国鉄は今の久里浜線を複線化する考え方があるかどうか、さらに、いわゆる最も長い間希望しておるところの三崎線の延長について、国鉄はそういう点を今まで考えたことがあるのかどうか、あるいは三崎線は、もうすでに社線でよろしい、こういう考え方に立って三崎線については、いわゆる民間会社にすべてをまかせて、国鉄はそこまで行かない、こういう考え方に立っているのかどうか、その点を合せて一つお答えいただきたいと思う。
  95. 五味信

    説明員(五味信君) 久里浜線の複線の問題につきましては、これは私ども申し上げるまでもなく、国鉄の先年御承認を得ました五カ年計画におきまして考えておりません。しかしながら今後該地区の発展に伴って複線の必要が生ずれば、当然長期計画はそういうような必要な修正を行なっていくべきものと存じます。三崎線の問題につきましては、実は君は答弁の能力を持ちませんので、別途御答弁をいたしたいと存じます。
  96. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 私から、ちょうど国鉄の停車場課長もおいでになっておるし、建設省にも関連していることと思いますので、今相澤委員の御質疑で思い出したのでありますが、停車場、特に大きい停車場、東京駅、新宿とか池袋とかというようなものを建設する場合には、これは国鉄だけでなくて、建設省関係もいろんな関係が出てくると思うので、十分御連絡協議の上になされると思うのでありますが、そこで建設省あるいは国鉄の方に伺いたいのは、現在のように汽車、電車の驚くホームが横広がりに、平面的に広がっていく、こういうことでなくして、ホームを立体的に作っていく、そしてまた東京駅のごとくごらんになればわかる通り、大勢の人間が歩いてあっちにぶつかり、こっちにぶつかりして流れていく、従って非常な混雑のときはけが人も出る、ますます混雑すると、こういうわけでありますが、もし、ホームの建設というものは、私はしろうとだからわからぬけれども、立体的に考える、人間はエスカレーターで運ぶ、こういうことならば、人間が歩かないのでありますから、エスカレーターで運んでもらえるのだから、私はけがも起らなければ混雑もここで非常に緩和されるのじゃないか、こんなしろうと考えを持つわけです。こういうことが、ほのかに聞きますれば外国では十分研究されたりしておると思うのでありますけれども、こういう点について、何か建設省あるいは国鉄の力で構想をお打ちでありませんかどうか伺っておきたいと思います。
  97. 五味信

    説明員(五味信君) お話しのような構想は、「私どもの職分といたしまして、ぜひ早い時期に実現したいという抱負は持っております。ただし御指摘のような駅の現状となっておりますことは、鉄道が長い発展経過を持っておりまして、いわゆる継ぎはぎ細工の増強、改良を行われてきたためであろうかと存じます。またそれと都市の発展に鉄道の発展が必ずしも追いついていないのではないかという考え方を私ども持っております。従って今後考えられる大都市計画が施行されるでありましょう。たとえば北九州の博多市等の問題につきましては、できるだけ近代的な駅舎を、考えていきたいということで目下いろいろ御相談申し上げておる次第でございます。
  98. 高野一夫

    委員長高野一夫君) ほかに御質疑はございませんか。別に御発言もなければ、以上をもちまして建設省の部の検査報告批難事項第千八十三号から第千百四号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 御異議ないと認めて、さように決定いたします。  本日の審議はこれをもって終了いたしました。本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後零時五十三分散会