○岩間
正男君 私は日本共産党を代表しまして、ただいま発せられましたこの
警告決議案の効果を見守るために、この
決算案に対しまして、
賛成するものであります。それにつきまして、二、三の
要望点について、私は付け加えておきたいと思います。
第一に申し上げたいのは、今大竹
委員からも話がございましたように、この
決算委員会の
審議はもっと生きた
審議でなければならない、この結果については十分にこれは政策面に反映しなけばならないと思うのであります。結局三年前、二年前の問題は過ぎてしまった、当時の
責任者もいない、それでこれが
承認されたんだから、ほおかぶりだ、こういう
態度では、この
決算審議の意味というものは、非常にこれは弱くなると思うのであります。従いまして、われわれは幾多の三田事件を追及する、しかしその根底にはあくまでもこれを現実の政治面に大きく取り入れて、そうしてこれによってものを正すという
態度でなければならないと思うのでありますが、そのような面が非常に欠けている。われわれがどのような
警告を発し、また真剣な討議をしましても、これがこの
決算の
審議が終った瞬間に
関係者の頭から消えてしまって、やれやれといったような
態度では、実際
決算委員会の
審議そのものが軽視されているという結果になるのでありまして、この点について、ここで具体的な例はあげませんけれ
ども、十分胸に問うて、
関係者はこれらの
決算委員会のこの
審議過程に照して、今後の政策を明らかにしていただきたいと思うのであります。
第二に、私は先ほどからも
指摘されましたように、三十年度におきましても、二千件以上の膨大な
不当事項が
指摘されておるのであります。これは世の中で汚職と呼んでおります。この汚職の根源はどこにあるかという問題につきまして、二十九年度の
決算の
討論を今振り返って見ますると、やはり政治の根源を正さなければならない。一方において日本の政治に曲ったものはないのか。ことに、もうアメリカとの
関係におきまして、行政協定、安保
委員会治下におけるところの日本政治の中には、現実の
国民生活とすでに合わないいろいろな食い違いが生じておるのじゃないか、そのような点からなかなか憲法も正しく文字
通り守られないというような面で、たとえば自衛隊の問題のごときが
発生しておるのであります。そういうことをそのままにしておいて、たとえ
綱紀粛正上を叫んだとしても、これは全く本末転倒でないかというふうに私は考えるのであります。従いまして、岸
内閣に対しましては、ことにもう三悪追放ということが昨年の、二十九年度
決算が
通りましたあとにおいて、一つの政策として掲げられたのでありますけれ
ども、しかしその具体面におきましては、今の基本的な日本の政治態勢を正すという点において、はなはだ不十分である。こういう態勢でほおかぶりしておっては、これはどうしてもその根源からもろもろの諸悪が
発生するという
事態を私はなくすことができないと思う。こういう点を論議いたしたのでありますが、今やはり同じようなことを繰り返さなければならないということは、非常に当
委員の残念に考えるところであります。われわれはこういう点で
予算の
執行の面において、この日本の
根本的な政治態勢との関連を明らかにすべきだと考えます。
第三の問題でありますが、この
決算を振り返って見るに当りまして、この
予算の
執行された方が非常にやはり
国民大衆の、ことに勤労者大衆、あるいは貧困者というような人たちに恩典が浸透するように行われているかという点について、非常に疑問なきを得なかったのであります。私はこの一年間の長い
審議の期間に、一方においては二億、九億というような大きな不正にはあまり鋭いメスも当てられないで過ぎてしまった。それにもかかわらず、一方におきましては、たとえば生活保護者のごときは非常にその後厳格な規格によって律せられております。一日五十四円という、これは野犬狩りの食糧にも足りないような額を与えられている。そうしてこの生活保護の適用を受けている人が非常に多い。ボーターラインを加えたときには一千万をこえるという
事態に対して、ますます厳格になり、そうして半面におきまして、非常に大きな資本に対しましては見逃しがなされているということを、つくづく感ぜざるを得ないのでありまして、ここにも日本の政治の根幹を正すべきことが起っているのじゃないか。民主主義政治などと言っても、このような
事態が放置されておって、
決算がこのような形で行われているということについては、非常に今後われわれとしては
反省をし、また
関係者に深甚なこれは
考慮を促すべきだと思います。
最後に申し上げたいことは、
内部監査の問題であります。
会計検査院から
指摘されましたこの二千件余りの問題というものは、しかし、これは
会計検査院の能力、
機構の
関係もありまして、まことに
不当事項の何分の一にも過ぎないものであり、この底には膨大な氷山の底が残っているはずだ。この問題を徹底的にやはり追及するという体制が、自粛体制が一体官庁内部にあるのか、こういう点で、われわれはこの
審議の過程におきましても、やや詳細に調べて見たのでありますけれ
ども、しかし、どうも非常に
内部監査の体制というものはゆるんでいる。そうして馴れ合いが多いという
事態があるわけであります。しかも、これを総合的に
政府がこれに対して
監督をする、指導をするという
機構が、この
責任の所在が不明確であります。このことも明確になったわけでありまして、これは当
委員会の課題としまして、実際の実情を調査し、そうしてこの問題についても、これは一つの課題として今後追及していただくことを私からも
委員長に
要望しておったのでありますが、この点でもっと系統的な、そうして真にそのような
内部監査を有効にして、膨大な
検査院の目の届かないところに自粛の光を当てるという体制を今後確立するために、
検査院、
決算委員としては、十全な
努力を今後継続しなければならないのじゃないかということを考えるわけであります。
以上の点を述べまして、私の
討論を終ります。