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1958-02-21 第28回国会 参議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月二十一日(金曜日)午 後二時二分開会     —————————————   委員の異動 本日委員後藤義隆君、仲原善一君、松 岡平市君及び鈴木一辞任につき、そ の補欠として吉江勝保君、西岡ハル 君、江藤智君及び大倉精一君を議長に おいて指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    理事            大谷 贇雄君            相澤 重明君            大矢  正君    委員            稲浦 鹿藏君            井上 清一君            江藤  智君            勝俣  稔君            手島  栄君            永野  護君            増原 惠吉君            大倉 精一君            岡  三郎君            島   清君            相馬 助治君            竹中 恒夫君            岩間 正男君   政府委員     法務政務次官 横川 信夫君    法務省刑事局長 竹内 壽平君    建設政務次官  堀内 一雄君    建設省河川局長 山本 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明委員    建設省河川局次    長       關盛 吉雄君    会計検査院事務    総局第三局長  石渡 達夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  (内閣提出) ○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  (内閣提出) ○昭和三十年度国税収納金整理資金受  払計算書内閣提出) ○昭和三十年度政府関係機関決算書  (内閣提出) ○派遣委員報告     —————————————
  2. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更を報告申し上げます。  本日、後藤義隆君、仲原善一君、鈴木一君、松岡平市君の辞任に伴いまして、吉江勝保君、西岡ハル君、大倉精一君、江藤智君が補欠として選任されました。     —————————————
  3. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 次に、昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書議題といたします。  本日は太田川の改修工事に伴う補償金に関する件について審議を行います。  まず、先般当委員会が行いました委員派遣について、派遣委員から報告をお願いいたします。
  4. 江藤智

    江藤智君 太田改修に伴う漁業補償問題については、三十二年十月二十七日から三十一日まで五日間の日程で、大倉、常岡各委員と私が参加し、現地調査を行いました。  以下のそ概要を申し上げます。詳細は、後ほど提出いたします報告書によって御了承願います。  第一に概説的に申し上げます。  本調査ではまず前回実地調査以後の経過につき、中国四国地方建設局広島県、広島市の各当局から説明を聴取し、また太田改修草津対策委員会代表並びに本件配分不満とする公平配分組合及び配分刷新同盟代表者から参考意見を聞き、その他現地において関係漁民一般の意向も聞きました。  まず、本件のその後の経過概要を申し上げます。  昨年八月十二日に革津対策委員会総会において、補償金配分要綱が確定され、それに基く配分決定額一億三千七百二十二万五千円につきお盆の時期から配分を始め、九月三十日までに九千百十三万八千余円が配分されました。  なお、予想される種々の不満処理するため、地方建設局は、広島県、広島市とも協議して、十月十六日草津地区漁業補償問題苦情処理機関を設けさせ、苦情処理に当らしています。しかしいまだ具体的処理を行うには至っておりません。  また本件補償金二億六千六百万円が決定されるまでの経過において、県当局から二億九千八百万円の金額が提示されたこと、この金額地方建設局でも検討され、補償区域の査定により二億六千六百万円が決定されたとの説明がありました。  前回実地調査において草津対策委員会代表要望しました事項につき、その後努力のあとは認められます。すなわち配分要綱を確定して配分を進捗しており、また対策委員会経理を公正明確にするため公認会計士を委嘱したりなどしておりますが、地方建設局や県、市当局指導を十分受けていないこと、漁民に対する周知処置も徹底していないことなど、いまだ不十分な点が認められます。また地方建設局、県、市各当局はその後相協力し、かつ漁民及びその代表者指導啓蒙する方向に進んでいることは認められますが、さらに強力に実行する要があると認めました。  第二に、各事項概要を申し上げます。  一、配分要綱について申し上げます。昨年一月十八日配分基準案作成について対策委員会側地建側が事務打ち合せを行なって以後、配分要綱起草委員が選出され、数回の起草委員会開催し、さらに地建広島県、広島市の当局も加わり、包括的草案ができ、三月二十六日弁護士の法的意見も得て、四月二日地建広島県、広島市との最終協議会要綱決定を見、のり、採貝、かき、漁撈各部総会で承認を得、七月二十二日及び三十日の配分委員会で四部門間の配分率決定するための大割配分比率(その内容は後述します)を協議し、各部門において個人配分を算定するための小割配分比率も八月十日の晩に決定されたので十一日配分委員全員総会で総確認をなし、十二日の総会漁民千三百十八名中千八十名出席)で決定したものであります。ところが十日の晩に決定された配分比率につき、草津対策委員会幹部においては、事前に地建広島県、広島市各当局に連絡することもなく、十一日は日曜のため連絡せず、十二日総会当日の朝に総会立会方を要請したものでありますが、県庁、地方建設局とも対策委員会処置不満とするとともに、早急のため責任ある立会者出席させることができず係長、クラスの者が出席したのみであります。  また、総会における決議の手続は、要綱案の配布も行わず、要綱を朗読して賛否を拍手に求めた程度でありました。  かく早急に処置したことにつき、対策委員会幹部は、三十二年こそはお盆の時期までに配分しなければ、漁民が騒ぐことを心配したためと言っていますが、配分基準の重点をなす配分比率の数字は、最後のどたんばで早急にきめられ、また、漁民に対する内容周知徹底を欠いたため、地元漁民は、これら一連の手続について不満を訴えているのであります。  なるほど、右の諸点は、派遣委員も遺憾の意を深くしました。  次に、配分要綱内容を申し上げます。大割配分の各項目の比率は左の通りであります。イ、生産高四五%、ロ、被害度二五%、ハ、資格者指数一四%、二、漁場面積一四%、ホ、組合費負担額二%、計一〇〇%、また、各部門における小割配分は、資格者指数損害指数合計指数をもって算定します。資格者指数は、正組合員を最高八万円とし、以下資格程度に応じて漸減し、最低四千円までであります。  各部門ごとの大割配分額から、まず、資格者金額を引いた残額につき損害指数を適用します。  損害指数は、生産高指数漁場指数に分れ、両指数間の比重は、各漁業種目によって若干の差があります。  生産高指数は、二十九年五月十五日を基準とし、その以前五年間の生産高の変化を考慮し査定します。  漁場指数においては、漁場面積は、二十九年五月十五日現在を基準とし、行使の実態で計算します。ただし、のりは株数、漁撈部生産高で算定します。漁場の位置により被害度に差異があるときは、五〇%から一〇〇%の間に適宜査定するのであります。  この大割小割を通じて、漁民不満は、生産高の多い者に厚くなることであり、大割については漁撈部、採貝部不満があり、小割については採貝部不満があります。また、資格の有無及び高低について漁業実態と異るとの不満もあります。しかし、この配分要綱について、大割については県当局初め、当局側はおおむねあの程度だろうとの説明でありました。  なお、本配分比率不満に関連して、補償総額二億六千六百万円を決定したときの基準配分に適用できないかとの論議も起り得ますが、地建当局説明によると、補償総額決定は、包括的な区域別生産高及び被害度によっており、個人別基準額から集計したものではなく、個人配分基準については、後日別個に県、市に一任して定める旨を協定に規定することも考えたが、広島県、広島市とも、これに同意しなかったため、規定にはしなかったとのことでありました。  二、苦情処理機構について申し上げます。  対策委員長の行う個人配分が、公平に、かつすみやかに完了することをあっせんするため、三十二年十月十六日に苦情処理機構が作られました。  革津地区漁業補償金配分苦情処理委員会がその主体であり、委員は、広島県、広島市、広島漁業協同組合地方建設局漁業調整委員会から各一名選出されます。  この委員会は、個人配分金額等不満申出を検討審議し、その正否を適正に判定するものであります。草津対策委員会及び苦情処理委員会は、右の目的達成のため、各部ごと個人配分基準金額等納得のいくように説明し、なお、異議ある者があれば苦情申出書を一週間以内に苦情処理処提出させ、この芳情に対しては、対策委員会がまず処理しますが、それにもなお苦情ある者については、処理処は、苦情者申出書と対策委員会説明を付して苦情処理委員会へ回送し、ここで判定が行われます。  この機構及び運営に対し漁民不満は、要綱比率等を理解していないため不満点が発見できないこと、処理処には対策委員会役員多数が立ち会うため、恐れをなして不満の真実を表明できないこと、従って、処理処不満を表明しないから、処理委員会まで事案が回付されない。また、申込書用紙人手等も円滑でないこと等を訴えていました。  この機構及び運営については、派遣委員も遺憾と認め、要綱比率及び各人分の計内算容を明示説明して納得に努め、かつ実情に沿うよう機構の改正あるいは芳情申出期間の延長をすること等、円滑な運営を勧告しました。  三、対策委員会経理  昨年八月公認会計士を委嘱した後は経理適正明確化が期待されますが、その以前分については遺憾の点が多かったのであります。  しかし、対策委員長竹本四方一氏が横領容疑として起訴された六百五十万円は、起訴前の三十一年六月すでに対策委員会に返済されたとの説明でありました。  また、経費総額補償金の一割に改め、約二千万円を予定しているのは役員七十八名の二十一年以来の努力に対する謝礼(一人当五万円か十万円ぐらい)と、本件終局予定時期たる三十三年度までの各種事務費を考慮したものであるとの説明でありました。しかし、漁民は、経費の使途、ことに飲食費その他に冗費が多いことにつき不満を訴えました。  役員に対する報酬等は、将来を持たずとも、規約を改正し適正額予算科目に計上し、明確な支払をするのが適当と思われます。  以上のようにして、現地調査を終るに当り、左の要望を発しました。  一、中国四国地方建設局広島県、広島市の各当局は、補償金配分が円滑に行われるようさらに強力に指導勧奨を行うこと。  一、本件補償金配分に関する現在の不満状態が解決され、配分が円満に行われるめどがついてから事後の分の支払を行うこと。  一、草津対策委員会は、各般の事項につき関係漁民に対し、さらに周知徹底をはかること。  一、草津対策委員会は、その経理内容を明確にし、疑点なきようすること。  一、広島漁業協同組合は、その地区及び組合員等現状にかんがみ、再編成を考慮する余地があると認める。  右のほか、派遣委員から、関係者は相互に信頼を深めるべきであり、抱擁力をもって、せっかくの国費による補償金を喜びをもって受けるようにありたいとの希望が述べられました。  以上、口頭報告を終ります。
  5. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) ただいまの報告に対しまして御質疑はございませんか。
  6. 大倉精一

    大倉精一君 私も派遣委員の一人でありますけれども派遣報告は今報告になった通りでありまするが、ただ私はこの際建設省の方にお伺いしたいのですが、われわれが派遣されていって、非常に私遺憾に思ったことは、ほんとうのことが、どうも聞けなかったような気がする。つまり前日に聞いたことと、翌日に聞いたことが違うような場面もありましたし、あるいはまたどうもあいまいなところがあったのでありますが、それはそれといたしまして、今報告されたようなことで派遣を終って参りましたが、その後におけるところの現地状況はどうであるか。さらにまた、建設省並びに県当局地建、あるいは市、そういうところの、現地におけるところの指導はどういう工合におやりになったか、その後の現地における経過について御説明を願いたい。
  7. 大谷贇雄

  8. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) ただいま御報告のございました現地調査以後の経過について御説明申し上げます。  昨年の十月二十八日から三十一日にかけまして行われました、太田川の放水路改修工事に伴いまする漁業補償問題につきまして、その後の経過を御報告いたします。  建設省といたしましては、当委員会現地におきましての御趣旨に沿いまして、その後補償金配分円満解決努力をいたしておるわけでございます。すなわち私も同行いたしまして、帰って参りまして、すぐ三十二年の十一月四日付の書類をもちまして、中国四国地方建設局長に対しまして、太田改修工事に伴う漁業補償費につきまして、おおむね次のようの指示をいたしました。第一番目といたしましては、すでに支出した補償金個人配分が公正円満に実施される目途がたつまでは、今後の補償費の支出は差し控えるようにする。第二番目は、補償金配分につきまして、漁民のうちには相当不満がある模様なので、地方建設局としては、広島県、広島市等と協力いたしまして、さらに漁民一般苦情を聴取できるような方途を講じまして、個人配分基準苦情処理方法等につきまして、漁民方々によく周知徹底ができるように、公正円満な配分が行われるように指導する。それから第三番目といたしましては、対策委員長に対しましては、対策委員会経費に関しての収支内容等を明確にするように指導せよというふうな指示をいたしました。  その指示によりましての具体的の今日までの経過を御報告いたしますと、第一番目の補償金支払いにつきましては、現在までその後の補償金支払いはいたしておりません。  第二番目の補償金配分内容周知徹底ということでございますが、これにつきましては、先に定められました漁業補償苦情処理要綱、これはこの前の委員会のときに差し上げてございますが、それに基きまして広島県、広島市、広島市の漁業協同組合、県の漁業調整委員会並びに地方建設局の五者で構成いたしまする苦情処理委員会を十一月の六日から現在までに八回開催いたしております。そういたしまして、補償金配分経過配分要綱配分実情等を検討いたしまして、対策委員会に対しまして各関係漁民周知徹底をはからせるように指導いたしました。それに従いまして対策委員会関係漁民に対しまして、今までに国から代理受領者支払った補償金経理内容や、個人配分金をどうして決定したかということを説明する打合会開催文書で通知いたしまして、この打合会を十一月の二日から十六日にわたりまして、各部会ごと開催されました。そうしてこの説明納得のできないものは、対策委員会の中に設けられました苦情処理処、これは草津地区漁業問題苦情処理要綱というので対策委員会の中に苦情処理処というのが設けられておりますが、この苦情処理処にその苦情申し出申出用紙を渡しました。その結果、現在までに補償金受領者のうちから苦情処理申し出のありましたのが十八件ございます。それでその方々苦情処理処でいろいろお話いたしまして、十三件は了解点に達しました。残り五件は目下検討中というところでございます。それから現地視察をお願いいたしましたときに、個人配分がおくれておりましたかき部配分は十二月の二十六日に円満に完了いたしました。  それから第三番目の経理内容につきましては、対策委員会から毎月報告書提出さして経理の適正を期すように指導しております。別途資料を差し上げてございますが一月三十一日の対策委員会からの報告によりまする漁業補償経費明細書というのがございます。これが一月三十一日現在の明細書でございまするが、こういうのを提出させまして経理の適正を期すように指導いたしております。その結果を申し上げますると、本年の一月末現在までの経理内容は、受け入れ金額が利子を含めまして一億七千二百八十万三千百二円ということに相なっております。一方支払いの内訳は、配分金額が一億五千七百六十二万五千円でございまして、委員会経費は一千七十二万五千六十一円でございまして、残金が四百四十五万三千四十一円で、これは広島銀行等に預金するといたしまして、最後資料にございますが、保管しているのが現状でございます。  以上経過を御報告申し上げます。
  9. 大倉精一

    大倉精一君 それで現地は大体配分については落ちつきを取り戻しておるのか、あるいは依然として相当混乱を繰り返しているのか、どういう状況になっておりますか。
  10. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今の金額を受け取ることになっておりまして、それに対して不満のある方々は十八名申し出がございましたがそのほかには申し出がございません。それからそのほかに実は公平組合という名前でこの前現地視察をお願いしたときも参られた方がありましたが、先月の二十九日に公平分配組合代表者が約三十名、苦情処理委員会に参りまして、代表をわれわれはきめるからそれと交渉してくれというお話がございました。それで、それでは補償要求の具体的な資料とかいうことで、苦情処理委員会から提出をお願いいたしましたが、まだ資料提出はないそうでございます。その他の方々からはそういうふうな不満なりというようなことは、こちらの報告としては受けておらんのが実情です。
  11. 大倉精一

    大倉精一君 公平組合のことは今お話があったのですが、そのほかに不満会刷新同盟というようなものが新しく結成されておるはずですが、この団体はどうなっておりますか。
  12. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その後はその方々当局の方には申し出がございません。
  13. 大倉精一

    大倉精一君 今の報告の中で周知徹底をするために説明会を開いた。そして苦情処理に関する申し出用紙を配ったというのですが、これは全員に配ったのですか。
  14. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 苦情を申し入れる方々には用紙を差し上げまして、それによって苦情内容等を書いていただきまして出していただいたわけでございます。
  15. 大倉精一

    大倉精一君 それがこの前も問題になったのです。現地においては問題になったのですが、私どものその当時の要望としましては、苦情のある人に用紙を渡すのではなくて、漁民全部に用紙を配れ、こういう要望をしたはずなんです。というのは、いわゆる苦情処理機関というものが一応設けられて、いかにも苦情処理ができるような格好になっているように見えるのですが、現地実情はそうではなくて、いわゆるボス連中がずらっと並んでおって、その面前へいくと、こわくて何もいえないというのが実情である。こういう実態をわれわれは見て参りましたので、いわゆるそういうようなせっかく機関を作ったならば、だれでも自由に苦情のある者は申し出ることができるようにする、こういうことでもって全部配れという要望をしたのですが、そういうことはできていなかったのですか。
  16. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) この前のお話のときにも、そういうお話がございましたが、ここに先ほど御説明申し上げましたように、打合会開催文書で通知いたしまして、いろいろこちらからも御説明申し上げまして、不満申し出たいという方に対しましては、用紙を便宜上差し上げたわけでございますが、その提出する際に圧力が加わるということがあってはいけないということで、当局も立ち会いまして提出させたというのが実情でございます。
  17. 大倉精一

    大倉精一君 各部説明会模様を、できればもう少し詳しく御説明願えませんか。たとえばわれわれ現地へ行ってみて、一番大きな関心であったのは会合の持ち方なんです。会合の持ち方が非常に問題になったわけです。つまりこの報告にもあるように、総会を開いて決定をした。しかも千何百人中千何人が集まって総会を開いて決定したというのですから、形式は一応整っている。ところが現地へいってその実情を聞いてみますというと、その一部が報告されておりますように、地検も全然知らなかった。県の方も知らなかった、こういうことで、特に県の方におきましては、公文書でもって、こういう総会開催は遺憾である、であるから出席できないということをちゃんと意思表示しているはずなんです。しかもこの総会模様は、千何百人集まるというと相当大きな集会になって、なかなか声の通るということはむずかしい状態にあったと思うのですが、にもかかわらず、マイクも何もなかったというのが当時の実情なんです。しかも配分要綱決定するについて、配分要綱を知らせる方法は何もとっていない。たとえば会場において黒板に掲示をするとか、あるいはあらかじめプリントを配布するとか、あるいはまた部落会ごとに何か徹底する方法とかは全然とっていない。そしてもうわあわあという間に総会が開かれて、そうして後の方は聞こえないから騒ぎ出す、騒ぎ出すというと前の方から何を言っているか、ということでまた聞えない、こういうことでもって退場する者も相当ある。こういう況状のもとに、異議ありませんか、異議ない人は拍手して下さい、ぱちぱちと拍手して、これでもって決定いたします、こういうことになった。この事実は確認している。ですから今御報告にあったように、部落ごと会合を開いて云々というので、形式は非常にいいと思うのですが、その会議が開かれた模様についてお話願いたい。これが大事なことだと思う。形式を整えて会合を開いただけではどうも納得できないと思う。
  18. 關盛吉雄

    説明員關盛吉雄君) ただいま御質問になりました各部会ごとの打合会開催模様でございますが、今お話のように、まず対策委員会といたしましては、関係漁民に対しまして、打合会議題内容をよくあらかじめ通知いたしまして、その議題としては補償金というものが、個人配分決定されておるけれども、それはどういうわけで決定されたかということを説明します。それからまた、補償金配分のうち、経理内容等についてもあらためてはっきり説明いたしますから、こういう会合を何日に持つから、関係者の方は御出席して下さい。こういうふうな格好で通知をいたしまして、各部会が十一月の二日から十六日までの間におきまして打合会開催せられたというふうに報告を受けております。特にその結果、各部会におきましては適宜開催いたしたのでございますが、それぞれ三十名内外の人はこの部会の打合会に参画した事情を聴取しておる。その機会に、先ほど局長からお話しがありました、いわゆる苦情申し出る人々に対しまして、その際の説明納得のいかない形で苦情処理申し出るという方々がありましたときには、申し出用紙を渡しまして、それに対するその後の相談に乗った、こういうことでございます。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 私、実は現地派遣方々の当時の模様を、速記録をちょっと読ましていただいたわけですが、これは現地派遣に行きまして、私ども参議院派遣委員がどなたも言っておることは、どうも配分等についての内容がはっきりしない。むずかしくてわからん。こういうことをみんなが言っておるわけでありますので、今のお話しの次長の報告によりますというと、部会をもって説明をしたというのでありますが、その説明をしたというのは、配分のむずかしい内容を一体説明をしたのか。それとも、その後何かはっきり物のわかるようなことを文書か何かで出して、そうして説明をしたのか。その説明の仕方、内容というものは一体どういうものなんですか。
  20. 關盛吉雄

    説明員關盛吉雄君) ただいま申し上げました内容と申しますのは、大割配分から始まりまして、小割の個人配分という形で漁民補償金が支給される事柄を説明するわけでございますから、従って、その算出の基礎になっておるものは漁場面積である、あるいは生産高である、あるいは資格者の関係において、どのように補償金配分要綱がきまり、その結果こういうような補償金額が決定されたか、こういうことの説明を中心に、いわゆる今おっしゃいましたわかりにくいことをわからせるようにする説明会、こういうふうに聞いております。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 今、相澤君の言うたことを聞こうと思っていたのですが、現地に行ったわれわれとしては、あなたの今の報告によると、わずか十八名くらいのものより不満の分子がないように聞こえるのですが、私はそうは納得できない。なぜかというと、今、相澤君が言ったように、あの配分の方程式なるものは実にむずかしい。われわれは黒板に書いたってわからない。ましてや漁民諸君にわかりっこないと私は思う。端的率直に漁民の人は自分は何万円もらった、隣りの人は何万円もらった、同じ条件でおかしいじゃないか。これが漁民の率直な不満なんです。もう一つは、自分の関連しないことで、隣りの何のだれべえは何にも理由がないのに金をもらっておる、これはおかしいじゃないか。それは本人は苦情処理用紙は出せない。そういうものは出しません。この前われわれが現地に行って非常に重大に感じたことは、いわゆるあそこの組合の役人や、そういう頭株の連中は、今まで草津地区に住んでいなかったものを急に引っぱってきて、これを権利があるかのようにして配分を与える。あるいは死んで亡くなってしまったものまで配分を与える。それはほんとうかうそかわからないけれども現地では言っておる。そういうようなことを一体この説明会でどうやって説明するのか。そういうことをほんとうにやっておるとするならば、わずか十八名とか十三名ではないはずだ。そういう点はどうでしょうね。どういうふうになっておるでしょうかね。
  22. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) なるほどこの配分要綱でございますか、これも私も現地へ一緒に参りまして御説明を聞くと、計数を掛けたり割ったりいたしますので、なかなかむずかしい話でございまして、納得させるのは非常にむずかしい。このままいきますと、むずかしいわけでございますが、苦情処理に出ておる実例を見ますと、やはり、自分は隣のものよりも漁場面積が多いのに少い。あるいは、自分は生産高、もっととっておるのに、もっとくれるべきだというふうな意見が出ております。従いまして、結局自分の額の多い少いもありましょうけれども、ほかの人の比較というような問題があるわけでございます。しかしお説もありますけれども苦情処理が出ておる点から考えますると、やはり面積等をよく説明いたしまして、おれはもっと広い面積をやっておるのだ、あなたたちのいうのはもっと狭いように見ておるけれども、もっと多くやっておるのだというふうなことを言ってきておるのでございますから、その点については私はよく説明したものだというふうに感じております。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 この点は私の方でも一応現地へ照会しまして調査することにして、今ここで言っておっても、どうもこれはわからぬと思います。  もう一つお伺いしたいことは、この苦情処理委員会というのは、個人のそういう不平不満は、これは説得もし、処理もできるでしょうけれども、団体の不満ですね、いわゆる公平組合なり刷新同盟という、一つのそういうこれに反対するグループがあるのですが、そういう団体の不満というものはどういう工合に処理をされたか、現地において。おわかりになっておったら御報告願いたいと思うのです。
  24. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、団体あるいは一団となって申し出がありましたのは、公平分配組合というのがございます。この方々が三十名ばかり苦情処理委員会に参りまして、われわれも当然受けるべきであるというふうなことを申されたのでございますので、苦情処理委員会といたしましては、具体的に一つ補償要求の根拠、資料等を御提出いただきたいということをいってあるわけでございますから、団体として参りましても、あるいは個人ごとに参りましても、いずれも漁業の実体は個人でございますから、これを集めてくるのがまとまった団体ということになりましても、やはり基礎は個人の問題になって参りますから、そういう形になりますれば、それを具体的に一つ苦情処理していこうというふうな考えでおるわけでございます。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 私の質問の要旨がちょっとわからぬかもしれませんが、個人の苦情の場合には、これは、おれの方が少い、隣の方が多いじゃないか、不公平じゃないか、こういう不満が出てきておると思うのですが、団体の場合にはそうじゃなくて、竹本四方一というものが資格があるかないか、あれは不信任だ、ああいうものにまかしちゃいけないのだという、そういう不満が団体としてはあると私は思う。そういうものを調整しなければならぬ。これはやはりおやりにならぬというと、なかなか現地状態はおさまらないと私は思うのです。先ほども局長からのいろいろの表現の中で、現地においてもそういう表現を使われたのですけれども公平組合とか刷新同盟というものは、何か問題にされないというような口吻がちょいちょい見られるのですけれども、しかしこれはどういうグループ、団体にしましても、現実にある——現実にそういう団体が草津地区の小さい町の中に、この対策委員会でやっておるのは反対だ こういうのは信頼ができないのだ、こういう団体があるのだからして、こういうのをやはり説得をし、処理せしめるという努力を合せてしないというとおさまらないと、こう思うのですが、そういう問題はどういうように処理をなさっておられるのか、こういうことをお聞きしておる。
  26. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その点につきましては、やはり自分らは当然補償を受けるべきものだというふうなことを申し出てきておられるそうです。委員長が不信任であるというようなことは、地方建設局あたりに申し出る事柄ではないかもしれませんので、そういう点は申してきていないのでございまして、補償を当然受けるべきものだという申し出でございますので、その具体的な損害補償を受ける——おれはこういうふうにやっているのだ、あるいはおれは資格があるのだというふうな資料を一つ持ってきていただけば、これを公平に一つさばくようにしようということで、お話をしているわけでございます。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 現在の段階では、局長からはその程度の御報告より伺えないわけですね。あとお尋ねしても、今わかっている程度はその程度なんですね。今、現在ではそういうことに関してあなたからさらにつけ加えて御報告いただけないわけですね。
  28. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 公平組合につきましては、現地からの報告は今の程度でございまして、資料提出があれば、一つこちらでも、苦情処理委員会としても、これを公平に扱いたいというふうに言ってきているわけでございます。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 この点についても、私の方としても、現地に行って調査をしたいと思うのですが、その次に、現地において二億六千六百万円の合計金額、これに対して各免許漁場別、免許番号別の補償金額、こういうものを一つ出してくれぬか、こういうようなことを申し上げましたところが、これはいろいろ論議もありまして、メモ程度のものならば出せるというお話があったのですが、いまだに手元にいただいておらぬのですが、これはどうなったのですか。
  30. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) この問題につきましては、先般来、委員会におきましても、いろいろ申し上げたわけでございますが、現地状況から判断いたしまして、配分がまだ進行中でございますし、また問題もありますので、提出をごかんべんいただきたいというのが実情でございます。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 あなたのおっしゃる、意味するところのものは、よく私はわかると思うのだ。しかし現地において、私の方としてもいろいろな判断の資料にしたい、こういうことで、公表はしなくてもいいから、そういうものがあるとすれば、メモでもいいから手渡してくれぬか、こういうようなことをいろいろお話しされた経過において、あなた方の方のどなたでしたか、メモ程度のものならばそういう資料があるということで、メモ程度のものならばいいじゃないかということでもってわれわれも了承しておったと思うのですが、それはメモ程度のものでも出すわけにいきませんか。
  32. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) ただいまも申し上げましたように、この点につきましては、もう少し話の順調に進みました上ならばと思いますが、現在の状況におきましては、ごかんべんいただきたいと思います。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 それでは、ごかんべんしてくれということになれば、これは結局各漁区別の数字というものはあるのですね。あるにはあるのですが、出すのは工合が悪い、こういうことですね。
  34. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 算定二億六千六百万円の基礎づけいたしました資料はございます。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 各漁区別にそれはお持ちになっているわけですね。
  36. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 漁種別、漁区別に算定をいたしまして、それを積み上げたものが二億六千六百万円になっているわけでございます。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 そのお持ちになっている資料を今お出し願うということは工合が悪い、それはどういうわけで工合が悪いのですか、簡単でいいですから……。
  38. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 渡しました補償金は、諸種の例をみまして、現在までは内部の問題でございますので、自主的に配分をいたしてもらうのが、いずれもの立場でございます。ことにこの問題につきましては、今お話の、非常に先生方にも御心配いただいているように、配分が問題を起しまして、いろいろの御努力をいただきまして相当程度進んでは参っておりますけれども、この際、これを出しますことは、また混乱を倍加するおそれがあるわけでございまして、その点にかんがみまして、ぜひこの際は提出を見合わさしていただきたいというのがほんとうのところでございます。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 これは見解の相違になるかもしれませんけれども現地配分が混乱をしておるということは、おのおの利害が錯綜をして、思惑が混乱をしておるのですが、現地の一部の声では、初め二億六千六百万円がきまったときには、こうこう、こういう計算の基礎であった、この第何号は幾らであった、第何号は幾らであったというのがあるはずだから、それを出してもらって、それによって配分をしてもらえば、何もこんなに混乱はしない、こういう声が私は現地ではたくさんあったと思う。それを、そういうものは全然度外視をいたしまして、二億六千六百万円というワクをきめて、そのワクをどの漁区には幾ら配分するかということを、現地においててんやわんやで相談をしておるものだから、ますます混乱をし紛糾をしてくると、こういうふうに私は聞いておったのですが、私もさもありなんと思っていたわけです。でありますから、もし初めから、どの免許漁区には幾らであったということが、建設省の方として原案があるとするならば、その積算が建設省においてあるとするならば、それを基礎にして配分をしてやれば、何もこんな混乱は起らない、それによってするすると配分していけば差しつかえないというふうに、私はしろうと考えで考えるのですが、そういうわけにはいかないのですか。
  40. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その点に関しましては、先ほど御報告の中にもございましたが、渡った金は、一つ県、市等におきまして、責任をもって配分に関与してもらうようにしようじゃないかという話も出たのでございますが、その当時強い要求が、県、市並びに対策委員会からございまして、これは一つそういうことは自主的にやらしてもらいたいという申し出もあって、ああいうふうな協定書になったというふうに私は聞いております。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 自主的に配分をやらしてくれということはけっこうであるし、御了承されたこともけっこうだと思うのです。ですが、その結果がこういうことになってきた、でありますから、当初においてはそれでけっこうだと私は思うのですけれども、その自主的にやらした結果が、こういう工合に大へんな混乱になってきて、せっかくの二億六千六百万円という多額の国の金が、喜んでもらえるべきはずの国の金が、まさに血の雨の降るような金に変ってしまった、こういうことになっておる現在でございますから、この際においては、そういうような紛糾を避けるために、国の金を出した当局としても、やはり格段の措置を講ずる必要があるのじゃないか、こう私は考えるわけです。でありますから、せっかくそういうものがきまっておるとするならば、これは一つ各漁区に示して、こういうふうにきまった、大体こういうような計算の基礎であったのだから、これを基礎にして、現地においては円満に配分、解決をされたい、こういうふうにやっても差しつかえないと私は思うのですが、それはいけないのですか。
  42. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) お話もございますが、何べんも同じことを申し上げるようでまことに恐縮でございますが、この点は先ほどからるる申し上げておりますが、お話もございまして、初めからそういうふうなことをすれば、もっと早く片づいたというお考え方ももちろんありますわけでございますが、現在の段階におきましては一つ御猶予をいただきたいというわけでございます。
  43. 岩間正男

    ○岩間正男君 ずいぶんこの問題について、今まで当委員会で審議してきたのですが、やはりただいまのような、依然として何かこう秘密的なやり方、こういうことではこの問題は私は解決つかないのじゃないかという感じを持つわけです。大体今日の紛争を起したのは、そういうところにあったわけですね。さらにまた、これの配分については、ほとんどこれは適切な指導監督が行われない。そこであなたたちが乗り出したことになるのですが、依然としてやはり秘密主義で、ほんとうに関係者納得させるという立場で、この問題を解決するという態度をとっておられない、こういうふうに考えざるを得ないのでありますが、これでは先に行って、果してうまく当事者がみな納得して、そうしてしかもこういうような補償によって、これは全部が償われないのかもしらぬけれども、一応公平な分配がされたということで納得する、そういう確信があるのですか、どうですか。あなたの方にこの点ただしておきたい。
  44. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その点につきましては、先ほども説明申し上げましたように、十分納得をいたすように説明をいたしまして、そうしてそれに対して、さらに、自分といたしましては、こういう点に不満があるのだという方々に対しましては、その不満のある実情を聴取いたしまして、それの不満を解決してやろうということで進んでおるわけでございますので、この方法によりまして近く解決が得られるというふうに私どもは期待しておるわけでございます。
  45. 岩間正男

    ○岩間正男君 あなたたち納得するように努力されたという、それでいろいろ会合を開いてやった、そういうことだったら、これは何にも隠す必要もないんじゃないでしょうか。隠したことから問題が起ったのでありますから、この際はもうその実情をほんとうにこれは民主的に公開して、そういう点でみんなを納得させる立場をとらない限り、この問題についての根本的な解決は私はあり得ないと思うのです。依然としてそういう問題についてやはり何か奥歯にものがはさまったようで割り切れないものがあるのです。だからこういう形では、私は非常にまだ監督の立場としても不十分じゃないか、こういうふうに思うのですが、この点、委員長、やっぱりもう少しこれに対するはっきりした態度をここで示してもいいのじゃないかと思うのです。こういう点について要求してもらいたいと思います、委員長を通して。当委員会として当然の私は要求だと思うのです。
  46. 江藤智

    江藤智君 この私の報告にもありますように、二億六千六百万円というものは、個人々々に配分するような計算の基礎を積み上げたものじゃないということは、私らの報告ではっきりしているわけです。要するにある範囲の区域の損害を集計して、総額をとにかく出しておるわけです。それを今度は配分するについては、十分に県や市と協議して配分をするように条件にもつけようというのだけれども、県や市の方では、それは自主的にやってくれということでやらなかった、こういうわけでありますからして、われわれが現地調査したところでは、その全体の被害というものを出したのであって、個人個人のものを出しているわけじゃないというのが十分に確認されておるわけです。ですからして全体を出すものを、今ここでぱっと出したならば、またそれをもとにして現地が混乱するということも十分考えられるわけであります。でありますから、よほどこの問題をよく検討してやっていただきたい、こういうふうに私は思います。
  47. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは自主的にやって、それが問題が起らなければ私はその通りでいいと思うのです。ところが実際はこれはなかなかおさまりがつかないようなところに問題が起ったわけです。従ってまた自主的にやらしてくれといっても、それで一体信用できるのかどうか。それこそは当委員会の責任問題になりますから、これに対する指導監督が加わるとすれば、あくまでもこれが明快で公平に分配ができる、こういう点をわれわれはここでやっぱり信用しなければならないわけですから、そういう点での資料は出せないと、向うの関係者から、自主的にやらしてくれと頼まれたから仕方がないという形で、あくまでも紛争には非常にこれはとにかく関係があり、責任のあるそういう人たちだけを信頼するという立場だけでは、当委員会運営というものは公平だと私は考えられない。ほんとうにこの問題は民主的に、公平に処理するという立場にはなり得ない。そういう点から、どうも私はその点がわからないのですけれども、これは事前の、とにかく最初の場合にこういう問題を起さなかったならば、われわれは信用してもいい。ところが問題を起した刑事事件が発生しておる問題なんです。これに対する不満がごうごうとして起っておる。これを解決するにはどうしても公平な立場に立って、一点の曇もないような立場でなければ解決することができないというのがわれわれの考えです。それに対してどうも向うから頼まれたからやむを得ないということ、そのこと自体がおかしいのじゃないか。われわれはそういうことは了承できない。これは委員長からやっぱりその点を明快にするように要求してもらいたい。
  48. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 岩間君から当局に対して、今まで努力をされたけれども、こういう紛争を起しては信頼することができない、こういうことでありますが、当局側としてはこういう紛争の起る事態になったことがはなはだ遺憾である、従ってこの遺憾な状態に処して十分に善処をする、こういう山本局長の御答弁でありました。十分に、今後紛争が起らぬように、目下善処しつつあるという御答弁でありますが、そういうことに了承をして差しつかえないか。また、あなたの方の御所信を明確に御答弁願いたいと思います。
  49. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今までにおきましては、いろいろと自主的にやって参りましたが、私も一緒に参りまして、十分個人々々に徹底がしてないという点、あるいは経理内容の明確になっていない点というような点につきましては、私どもといたしましては、もっとこれはしっかりやらないとうまくいかないということは感じたわけでございまして、その点につきましては、先ほども申し上げましたように、漁業の全般的の監督を、一般的に監督いたしております広島県それから漁業協同組合のあります広島市等と一緒になりまして、この問題の処理につきましては十分な指導をいたしまして、配分が公平に行われるようにやっているわけでございます。漁業補償の問題につきましては、発電のダムによる漁業補償、その他埋め立ての問題につきましても、いろいろ漁業補償の問題につきましては、全体の金額がきまる点はもちろんのことでございますが、個人個人の配分につきましては、なかなかもめるととがございます。しかし多少の時間はかかりましても、やはり内部的に解決されておるのが実情でございまして、この際こちらから、お前の方のやっておることは間違いだ、おれの方はこういうふうなことでやっておるということを出しますと、かえってこれは民主的のいろいろの、せっかくやろうとしておりますものを阻害するようなおそれも考えられますので、現在のようなやり方で、なお一そうの努力をしたいというのが私どもの考えでございます。
  50. 大倉精一

    大倉精一君 これは私は一つ非常に遺憾の意を表したいと思うのだが、先ほどもちょっと申し上げた通りに、現地に行っても、ほんとうのことを聞けなかったといううらみが非常に多かった。きのう聞いたことときょう聞いたことと違うという点がたくさんありましたが、今の問題でもそうなんです。今の問題でも、現地において私はずいぶん、速記録にもあるのだが、実は速記録には相当大事なところが抜けておりますけれども、そういうのを追及しますというと、漁区別の積算金額はないのだ、そういうものをもってやったわけじゃないのだ、こういうような説明で終始しておったわけです。そうじゃなくて、大体区域の損害でもって算定し云々、専門的な言葉でもっていろいろ説明されましたけれども、それがだんだんと話を聞くというと、いわゆる漁区別の数字もあったようななかったような話に変ってきた。さらにいろいろお話し申し上げている過程におきまして、メモ程度のものならあるであろうときました。あるなら、メモ程度のものでも出してくれぬかと言ったら、あなた方がひそかに相談をされて、メモ程度のものなら出してもいいじゃないかという御答弁があったわけです。でありますから、それをちょうだいするということで期待しておったのですが、ない。きょうお伺いすると、あるとおっしゃる。明確に漁区別の金額はあると、こうあなたはおっしゃる。この問題一つについても、もう三転、四転と変っておる。しかも向うで、速記録にもございますけれども、たとえば不満を言う人が来て、われわれが質問いたしましたときにも、こういうことを要望しております。これがいい、悪い、当、不当は別ですよ。別ですが、こういうことを言っている。大浜という人が、いわゆる建設省の出し方を徹底さして、大割、小割をきめるのならばいい。すなわちライン内の免許番号別に補償されているのが、これが守られておらない。大割と建設省の出した金とを合せれば文句ありません、こうなっている。こういう人も出ておるのです。それでありますならば、こういう数字があったのだということをもしあなたの方がお示しされて差しつかえないならば、現地の問題は一ぺんに急転直下すると思います。  そこで問題は、現地漁民不満というのは何が不満かというと、これは一つ現地へ行かれない方もお聞き取りを願いたいと思うのですけれども、個人々々の配分不満もむろんこれはあります。ありますが、そのほかに、お国から下ったこの金を、莫大な金を一体どこへどういう工合に使ったのかということが現地漁民の非常な不満なんです。私は、あとで資料を要求したいと思っておりましたけれども、このきょうの報告を見ましても、建設省からのこの書類の報告を見ましても、いわゆる収入額において、利子も含んで一億七千二百万円、そのうちで経費として支出しているのは一千万円以上あるわけなんです。一千七十二万五千六十一円というものを経費に使っている。ただこれは、この報告で見ますというと、何月幾日に何百万円払った、何月幾日に何十万円払ったということだけであって、だれに、どこに、どういうものに一千万円使ったかということが書いてない。私は、これを一つ資料を要求したいと思っているのですけれども、こういうものに対して現地漁民というものは非常な不満を持っているのですね。ですから、いわゆる個人配分不満と同時に、こういうものに対する不満を持っておりますから、非常に現地状態がこんがらがってきているわけなんです。でありますから、おそらく建設省がお困りになっていらっしゃるというのは、たとえば今漁区別の金額を出せば、あるいはその出時折衝された方の面子その他の問題もあって、あるいは何らかの約束もあるかもしれません。そういうものに対してお困りになっているということもあるかもしれません。あるいは一千万円というものをどこの漁区からどれだけ出すか、これもお困りになることかもしれません。そういういろいろなことがあるとしましても、私は、常識から考えて、いわゆる漁区別の積算金額があるとすれば、その金額を一応示して、その基準によって相談してやりなさい、こうすれば解決が早くつくのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。これは、きょうは大臣おいでにならぬのですが、いかがですか、次官、一つお答え願えんでしょうか。
  51. 堀内一雄

    政府委員堀内一雄君) ただいまの御質疑に対するお答えは、局長が申し上げた通りでございますが、私考えまするのに、皆さんよく御存じの通り、その総額を算出いたしまする場合には、いろんな条件ももちろん算出の基礎として考えるのでございまするが、大体区分的なものが相当大きく分けられているのじゃないかと思うのでございますが、これを個人に配賦いたしまするときには、そこに非常な複雑な事情が起ってくると存ずるのでございまして、そういうようなことにつきましては、対策委員会が非常に努力をいたしており、また、皆さんから現地でもいろいろな御指導等をいただいて善処するようにいたしておることでございまするから、その辺の事情もお考えいただきまして、もう少しこちらの方で努力さしていただきたいと考えている次第でございます。
  52. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっともう一つだけ内容的なものについてお伺いしておきたいと思うのです、念のために。各免許番号別の漁区ごとに数字があって、それを積算したものが二億六千六百万円ということになっておるのですね。これは間違いないですね。
  53. 堀内一雄

    政府委員堀内一雄君) そうです。
  54. 大倉精一

    大倉精一君 間違いないですね。それでは、現地に行って調査して、現地の人々の言うには、他の地区にもこの補助金を出してあるとこういうように言うのですが、他の地区の数字も積算の中に入っているわけですか。
  55. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 例の二キロという範囲がございました。円をかきましたあの中に含まれておる漁区は、全部二億六千六百万円の中に入っておる……。
  56. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、他の地区へ渡した金額というものは、これはあなた方の方で初めから持っておられた数字とおおむね合っておりますか。
  57. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 大体合っておるわけでございます。
  58. 大倉精一

    大倉精一君 そうすれば、草津地区の漁区の方についてもそういうことはおやりになって差しつかえないと思うのですが、やはりさっきの御答弁と変りませんか、もう一回念のために。
  59. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 何べんも同じことを申し上げて申しわけありませんが、先ほど申し上げたように、草津の内部の問題が、今配分が進行中でございますので……他地区は問題ございませんので、その点は御容赦を願いたいと思います。
  60. 大倉精一

    大倉精一君 それでは、一つ最後にこの件についてお伺いするのですが、この補助金を取り扱った建設省としては、草津地区におけるところの現在の事態を円満に解決をさせる。ほんとうにみなが満足をして解決するようにするにはどうしたらいいか、あなた方としては何か方策を持っておられるか。やはりこれは現地の五者会談なりなんなりにまかして、現地で自主的にやるならばということだけでやるか、あるいは建設省として、特に方策があったらお示し願いたい。
  61. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) そういう問題があるようなお話でございますが、問題のある点は、やはり補償金が少いとか、あるいは補償金にあずからない者が、われわれもあずかるべきだといって来るのが片づけば、私どもは問題は解決すると思いますので、そういう点につきましては、一つ苦情処理に言って来てもらいたい。あるいはまとまって、われわれも当然配分にあずからなければならぬという人であるならば、具体的にあれはこういうふうな被害を受けたのだぞというふうなことがはっきりいたしますれば、それを端から片づけていけば、私どもといたしましては、問題が自然に解消できるというふうに考えております。
  62. 大倉精一

    大倉精一君 これはもう何回ここでやりとりしておっても認識の点が全然違うと思う。さっき申し上げます通りに、配分に対する個人の不満と同時に、二億六千六百万円、今まで収入であるところの一億七千二百万円、この経理内容がはっきりしないわけです。これに対するところの不満というものは非常に大きい。もっとわれわれはもらえるべきはずのお金が、いわゆる役人の家の普請に使われてみたり、あるいは野球場に使われたり、そういうことを部落民は知っておる。あそこに何とかという野球場がある。岩沢参議院議員、あるいはまた何とかという県会議員、何とかという市会議員、そういう人をずっと連ねた名前の手ぬぐいを配ったその費用も、この補償金の中から出しておる。そういうことを言っておる。そういうふうなことを部落民は知っておるから、これに対する不満というものを、皆さん方が全然気がつかないようなことじゃこれはためだ。個人の配分の金が少い、これだけだから、これが片がつけば現地で片がつくのだという、そんな簡単なことを考えておったのではこれは解決しませんよ。認識が全然違うのだから。でありますから、認識の違いは違いといたしまして、そこで報告にあるところの、昭和三十三年一月三十一日現在、こういう会計報告書の中にある一千七十二万五千六十一円というものの内訳の資料をお出しになることができますか。
  63. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その次のページに書いてあります委員会経費の内訳書というのがございますが、これは一千七十二万五千六十一円の内訳でございまして、これをこの前御提出申し上げましたのと比べますると、そのときからふえておりますのは当然ふえるべきものでございます。たとえば事務手当金、委員手当金、交通費、消耗品費、配分委員会費、対策委員会費、雑費、法律顧問料とか事務所の費用、実態調査費、人夫賃、印刷費等が若干の増加をしておるわけでございます。
  64. 大倉精一

    大倉精一君 私の言うのは、このガリ版刷りのこんな簡単なものじゃわからない。もっと詳しくいうならば、この元本を持ってきて見せてもらいたいということですね。私は、この前、現地に行ったときに、ある年のある月のものでございましたが、そういう帳面になったようなものを写したものをもらって来ましたが、それはほんの一部でございまして、こういうような費用の内訳の出るもとになった元本の写しを出してもらいたい。こういうことなんです。たとえていうならば、たとえば実態調査費百六十万円、どうしてこんなになるのか。配分委員会の費用百七十万円、何でこんなに要るのか疑問の点がたくさんあるのですから……。しかしこういうものはおくとしまして、この内訳の元本を一応出してもらいたい。
  65. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  66. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 速記起して。
  67. 大倉精一

    大倉精一君 私が資料を要求する一つの理由は、去年の六月でございましたか、五月でございましたか、この問題が取り上げられて報告されておったときの経費は七百万円程度だと私は記憶しておる。それが一年たらずの今日において一千万円となった。どうしてそういうことになったか、こういう点が疑問になるわけです。これは今局長がどの項目とおっしゃっていただけばと、こういうお話がありましたが、大体こういうようなものはこちらからどの項目がといわなくても、あなたの方が専門的に、これはおかしい、これはおかしいと思ったものは、積極的に資料を整えて、これはこうだ、これはこうだといって説明して下さるのが至当だと思う。でありますから、これはわかると思うのですが、あなたの方で、この費目の中でたとえば消耗品が六万四千円、こんなものをもらってもしようがない。でありますから、あなたの方でこの膨大な一千万円以上の経費、この内訳の重点的なものを出してもらいたい。これはあなた方の良心によって十分選択ができると思うのですが、どうですか。
  68. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) お話の趣旨はわかりましたので、委員会に連絡いたしまして、どの程度のこまかいものになるかはわかりませんが、これよりももっと詳しく、できるだけ実情のわかるものを取るように交渉して参ります。
  69. 大倉精一

    大倉精一君 私は、詳しくという、そういう趣旨ではないのでありまして、こういう合計数字が出た中身を知りたい。こういうのですから、これは一つ、単なる詳しくという意味とは違いますから、念のために申し上げておきます。
  70. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は派遣団にちょっと伺いたいのですが、これは当委員会の問題で分配の公平問題が行政面で問題になりました。もう一つの問題は、ただいま問題になった一千万円の経費ですね。その中で、ことに謝礼金の問題というのが問題になったと思う。現にこれに対して疑惑があるという議員の名前まで出されて問題になったのですが、当然委員会はこの問題についてあすこで実情調査して報告されるものだと私は思っていたわけです。ところが先ほどの報告の中には一つもそういうことがないのですが、現地に行って当委員会のもう一つの大きな課題でありますこの問題を、一体調査されたのかされなかったのか、この点派遣委員の、ことに報告者に伺いたい。それからもしこれを調査されないとすれば、なぜ調査されなかったか、この点を伺いたい。
  71. 江藤智

    江藤智君 お答えします。われわれは三人で、この経費の内訳やなんかにつきましては十分に原本なども見て調査いたしました。しかし、事実また謝礼金というようなものは、これは今後の問題であって、帳簿の上で謝礼金幾らというものは載っておらないのです。
  72. 大倉精一

    大倉精一君 これは別に江藤さんのあれと違うわけじゃありませんけれども、この点に関しましても私は非常に遺憾な思いをしたわけなんです。派遣第二日目におきまして、私はこういう質問をし、要求をしておるんです。速記録がありますけれども、これは公式の速記録じゃありませんから、信頼がないといえばそれまででありますけれども……。私が、  ○大倉 なにか草津地区の野球場開きがあったと聞いていますが、その野球場開きの時の費用を使われたのですか。  ○網岡 はい。  ○大倉 岩沢さんが、その時出ていたと聞いていますが。  ○網岡 はい。  ○大倉 岩沢の名前の入った手拭を配ったと聞いているが。  ○網岡 はい。  ○大倉 それは、どんな事なのですか。  ○竹本 草津地区の者に支持を得ようとしたのだと思います。  ○大倉 収支の費用の中にその金は入っているのですか。  ○網岡 はい。  ○大倉 その事は帳簿に出ていますか。  ○網岡 はい。  ○大倉 運動資金を出した貸したの出人も明らかになっているのですか。  ○網岡 はい。  ○大倉 委員長が(竹本さんのことですが)六七〇万円をかえしたものも、出ていますか。(これは帳面に出ておるかという意味であります。)  ○網岡 はい。  ○大倉 苦情処理機関を作られたのは非常に結構だが、個人は云々。  これはまあ別のことなんですが……。  そこで、こういうことがありましたので、こういう帳面を一つ私は見せてもらいたい、よろしゅうございます、こうなったわけです。ところが一番最後の日の冒頭に、きのうの要求に対しまして、私はこういう工合に言っておる。私が、    今日は経理内容について資料を出していただくことになっているのですが、今日間に合いますか。  ○竹本 お答えいたします。昨日ちゃんとしてあると言ったのですが、今日御提出することは……私、昨日公聴会の席にも行かぬくらいに、私の私用で出ていたのでございますが、九月三十日までのものは、局の方に報告してございすから、十月末が今日になっておりますから、早速整理して、速達ででもお送りしたいと思います。  まあ、意味がちょっとあいまいかもしれませんが、速達で送ると、こういう意味のことを言われた。私は、せっかく現地に来たのですから、そういうものを送っていただくとして、取りあえず現地で原本を見せてもらえませんか。その原本の中で、全部はたいへんだから、昨日私が質問したときに、市会議員、県会議員の選挙費用の出入り等も帳簿の上ではっきりしている。六百五十万円返ったことも、帳簿の上ではっきりしている。あるいは野球場開きの点もはっきりしている。見てもらえばわかるということであったのでございますが、そういう分について見せてもらえますか。  ということで、ずっと私が要求したんですが、これがついに見せてもらえなかった。それで、まあこれはあとは長いからやめますけれども、前日には、そういう金の出入りというものはきちんと帳面に書いてある、であるからあしたお見せしましょう、ということをお約束したんです。翌日になるというと、間に合いませんから速達で送りましょうと、こうきた。で、私が、せっかく現地に来たんだから、書いてある部分だけ見せてくれ、こう言ったところが、いや、実は間違いでございました、書いてありません、こうくるんですね。  でありますから今さっきの、そういう書類をお調べになったかという岩間君の御質問に対しましては、われわれとしてもそういう工合に見せてもらうことができなかったと、こういうことなんです。
  73. 岩間正男

    ○岩間正男君 当委員会から派遣されまして、実は私たちも要請したのでありますが、その当時は人数の都合ということで、われわれの要望は入れられなかったわけです。それで一応これはやむを得ないとして、当時の実情から考えまして了承したわけなんです。しかし、われわれは行けないんですから、しかも当委員会ではこれは問題になった。わざわざ刑事局長や次官、それから法務大臣まで出席を要求してこの問題についてのこれは調査を依頼したわけです。そうして現にこういうものが、一部分でありますけれども報告なされておるようなわけであります。従って当委員会の一つの大きな課題じゃなかったか。さらにまた岩沢参議院議員の名前を出したことによって当委員会相当混乱もしたことがあるのであります。そこで何か陰で取り消させるためにだいぶ努力されたという動きの仕方があったこともわれわれははっきり覚えているんです。そういう一つの重要な案件になっている問題を、一体調査団がやはり努力されないで、それが報告として残っていないという点については、われわれ非常にこの調査の片手落ちになっているのじゃないか。今まあ全部努力しないではなかった、大倉委員から努力はされたが、最後の段階で切られたということを聞いて、さすがにそうだったろうと思いますが、この点について、どうしてもこの問題を解明するには、やはり一つの背景になっている問題も明らかにするといったようなことは、私は必要だと思うんです。こういう点から、これと関連しまして、先ほどの資料要求が大倉委員から出されておりますが、われわれもこれはぜひいただきたいと考えます。また、その一部はすでに建設省の方にも報告されるというふうに先ほどの読み上げられたその速記録にも出ている節があるのでありますから、それほど困難な問題じゃないと思うのです。  もう一つこれと関連いたしまして、これは法務次官にお伺いしたいのでありますが、ここにいただいた資料に関する説明を政府にこれは要求したいと思います。これに関する、あなたたちが当委員会から要求しましたところの問題につきまして調査をされ、その後このような書類で出されておるわけでありますが、この経過についてそのような、この前問題になりました岩沢参議院議員の見舞金の問題並びにそれをめぐった刑事訴訟事件の中でのそういう問題、これについて一応次官から御説明を承わりたい。
  74. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) この問題はすでに現地では裁判も決定して結審になっている問題でございますから、詳細につきましては、刑事局長から御説明申し上げます。
  75. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 昨年の九月十一日の当委員会におきまして、調査方の御質疑がございまして、早速調査をいたしたのでございますが、御答弁申し上げる機会が今日までなかった次第でございます。そのときの問題は、あるいは簡単に書面で御返事を申し上げておったかと思いますが、なお、重ねて申し上げることにいたしたいと思います。  まず第一は、網岡登氏の証言の点でございますが、被告人竹本ほか一名に対する業務上横領被告事件の第四回公判、これは昨年の四月十七日でございます。この公判におきまして網岡証人が岩沢議員のことに関連した事項の証言をしておるのでございますが、現地からの報告のありました点を申し上げますると、自分は、これは網岡証人でございますが、自分は昭和二十五年以来太田改修工事対策委員会委員ををしておるのであるが、補償金問題が未解決の状態にあった昭和二十八年八月ごろから岩沢議員が、委員会建設省当局との間に入ってあっせんの労をとるようになった。昭和二十九年の五月ごろ中央と交渉をするために委員数名が上京をいたしまして、同月七日ごろと思われるが、岩沢氏立ち合いのもとに建設省当局と交渉をいたしました結果、同氏のあっせんによって二億六千六百万円を五ヵ年間に出すということにきまった。そこで委員の間で岩沢氏その他世話になった人に、補償金の一割ぐらいは礼に出さぬばならないだろうというようなことを雑談的に話し合ったが、その相手方、日時、方法金額などは委員長にまかすことになった、というような証言をしております。なお、そのあとの方へきて、これは報告にはカッコに入れて書いてございますが、網岡証人はのちに一割というのは必要経費を含めて一割という意味であるというふうに供述を変更しているということがカッコの中に人っておるのでございます。こういう報告が参っております。それから、御質疑の第二の点でございますが、竹本、高木の両名が共謀の上百五十万円を横領した事実、これは起訴状の第一の事実でございます。これは十一月二十一日付の第一回の起訴状の第一の事実についての御質疑でございましたが、本件の百五十万円は昭和三十年四月四日借主大畑春一、保証人高木美之外二名の名義で広島市信用金庫草津支店から百五十万円を借り受けまして、そのうち百万円を森沢県会議員に、五十万円を増村市会議員に贈与したものでございます。同年八月中旬ごろ高木から竹本に、何とか補償金を流用して返済したいと持ちかけたところ、竹本もこれを了承しまして、同月三十一日広島市農業協同組合に預金していた補償金三百万円を担保に、竹本名義で百五十万円を同農協から借り出して、右個人債務の返済に充当したものである、こういうふうな事情になっております。  次は、竹本が単独で百五十万円を横領した事実でございますが、これは昭和三十一年十一月二十一日付起訴状の第二の事実でございます。本件の百五十万円は竹本個人が昭和三十年九月三十日同人が代表取締役をしている草津食品工業株式会社の北洋物産株式会社その他の取引先に対する支払手形の支払いに充当したものでありまして、もっぱら個人的な商取引に流用したものと認められる金額でございます。  最後に、竹本が支出した個人的見舞金五十万円、これは第二回目の起訴の昭和三十一年十二月三日付起訴状の別表10の事実でございますが、その個人的見舞金の使途についての御質疑でございました。竹本が昭和三十年七月四日個人的な見舞金に使ったと称せられる五十万円は、同人が千葉県船橋市の岩沢議員の自宅に持参して、同氏の夫人に対する病気見舞として贈与したものである、というふうに認められる金額でございます。  これが御質疑にかかる事項の御説明になるわけでございますが、先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、本件は昨年十一月二十七日判決がございまして、ただいまお答え申し上げました検事の認定と若干食い違ったところがございますので、あわせて御報告申し上げておきたいと思います。  十一月二十一日付の起訴状第一の事実、これは県会議員、市会議員にお礼として贈与した百五十万円の分でございます。それと十二月三日付起訴状記載の別表10の事実、五十万円を岩沢夫人に病気見舞として送ったという事実、この二つの事実につきましては、無罪という判決が下っております。その無罪となりました理由につきまして判決は相当詳細に理由を掲げておりますが、これを要しまするのに、補償金決定いたしましたことに関して先ほど申し上げました県会議員、市会議員並びに岩沢参議院議員の方々にあっせんの労をとっていただいたということにつきまして、それに対するお礼として補償金額の三%の範囲内でお礼を出すことは、総会において承認せられたものであるという認定をいたしておりまして、判決の言葉をそのまま借りて申しますならば、「このような補償金額の決定が陳情、折衝いわゆる政治家の介在等により左右されることの当否、また補償金が前記のごとき支払方法であることが、行政措置として当を得たものであるか否かは、これはしばらくおき、被告人らがこれらの人たちに機を見て何らかの方法により謝礼をすることを考慮したことは、深くとがむべきでないと言わねばならない」、こういうふうに論断をいたしております。従いまして、さらに判決は言っておりますが、「要するにこれらは被告人らが選挙を機会に、病気を機会にそれぞれ従来の右草津対策委員会に対する尽力に対してその謝礼として送ったもので、運動資金の事実にほかならず、被告人らに不法領得の意思があったものとは認められない」ということで、横領の犯意を否定いたしまして、主文のごとき無罪の判決をいたしております。  以上が本件の結末の概要でございます。
  76. 岩間正男

    ○岩間正男君 第一に、私は事務当局がどうやったかわかりませんが、委員長に伺いたいのですが、第一に、網本証言ですね、それについて検事局の方でお出しになった文書、これは私は入手をしていないのですが、この点についてはあとで委員長からただしてもらいたい。私は入手した覚えがないのです。
  77. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 私の記憶違いがございましたので申し上げますが、今私が御説明申し上げたことは、すべて口頭で、近い機会に御説明をするお約束でおったと思うのでございますが、その後だんだん日がたちまして、実は今日に至ったわけでございますが、その間、若干でも資料にしてというような御要望もあったかと思いまして、証言の点は、実は口頭で申し上げたいと思って留保いたしましたので、あるいは証言の分だけはきょう新たに申し上げた、こういう関係になっております。
  78. 岩間正男

    ○岩間正男君 その点はわかりました。私は今の御説明の中で、ぜひお願いしたいと思いますのは、判決文の今の理由ですね、これはちょっと、何か謄写していただけますか。これは、検事の認定につきましてはいただいたわけです。それから網岡証言についての、やはり謄写したものと、それからもう一つは、今の判決文の主意、無罪、第一の起訴状第一の要件、うち起訴状別表10の事実、この二つに対する無罪の理由という点を、一応私たち検討する必要があると思いますので、これをいただきたいと思います。
  79. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) これは、すでに公判廷におきまして述べられたことでございますので、決して秘密のものではございませんが、謄本そのままの形で、訴訟関係人でございませんので、出せますかどうか、ちょっと研究さしていただきましてお答えしたいと思います。
  80. 岩間正男

    ○岩間正男君 ぜひその点、これもこの前申し上げましたように、実はわれわれの同僚議員に対して、そういうような疑惑が加えられ、しかも現地におきましては、ほとんどだれ一人知らないものがないという事実、当委員会ではあまり知られなかったという事実なんでありますが、この問題、やはりもっと明確にする必要があると思う。私たちは、そういうような判決については、研究すると同時に、これはまた政治的な問題があると思いますので、この点は、当問題を解決する上に、やはり相当重要な要素になっているのじゃないか、こういう点から、これはぜひそういう便宜を計らっていただきたいと思うのです。先ほどの視察団の報告にはこれはなかったのでありますが、やはり当委員会で、何回か問題になった問題でありますから、この問題についても、一応やはり明快な当委員会としての態度は、決定されておく必要があるのではないか、こういうふうに考えますので、委員長の方でも、この問題にある程度の明快な結論を与えるために努力されることを要望する次第です。
  81. 相澤重明

    相澤重明君 関連して。ちょっと刑事局長お尋ねをしておきたいのですが、昨年当委員会で、建設省から出された資料ですね、今の告発事件の問題、資料をちょうだいしておるのですが、その資料によりますと、刑事事件の内容が、今のあなたの御報告されたことからみると、ちょっと違うのですがね。当時の刑事事件の内容として、「内容及び起訴年月日については左記起訴状のとおりである」ということで、昭和三十一年十一月二十一日、広島地方検察庁検察官検事松田政夫として出してあるのには、今のような内容が書いてないのですがね。これに書いてあるのは、公訴事実は、「被告人竹本四方一は太田改修草津対策委員会委員長、被告人高木義之は同委員会委員であり被告人竹本四方一は広島市の天満川河口西方より佐伯郡井口村八幡川河口北方迄を外張孤線で結んだ内側の漁場漁業(のり業、あさり業、かき業漁撈)者で建設省直営の太田川水路開さくに伴い実害を受ける者」、まあこういうふうな形でずっと文章が書いてあって、第一は「被告人両名」としてあって、これは竹本と高木ということだと思うのですがね。第二は「被告人竹本」ということで、第一の中には広島市農業協同組合において定期預金して保管中の補償金三百万のうち百五十万をほしいままにしたということと、第二は同じく九月末定期預金中百五十万円を満期に払い出して保管中、広島市草津東町七十番地草津食品工業株式会社において自己が代表取締役をしている同会社の用に充てた、着服横領と、こういうことになっておって、ちょっとこの文章の内容と違うような気がするのですが、どういう関係になっておりますか。
  82. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) ただいまお尋ねの点の、全く同じでございまして、その記載は正確だと思います。私がただいま申しましたのは、ただいまお読みになりました第一と第二の事実につきまして、第一の百五十万円を、個人の債務返済のため、借入金の担保に供して横領したのであると、こうある、その担保に供したとは、どういういきさつで、そういう事情になったかということの御質疑に対するお答えを申し上げたわけでございます。  第二の点は、百五十万円を、自己が代表取締役をしている会社の用途に充てるため、着服横領したものであるが、「会社の用途に充てる」と言っているのは、どういう内容のものであったかということの御質疑に対して、ただいまお答えしたのでございまして、起訴状の第一の事実に対するお答えと、第二の事実に対するお答えと、それぞれ申し上げたのでございます。
  83. 相澤重明

    相澤重明君 それから今の、きょうもらったあなたの方の御答弁の、これを集約しますというと、第一が百五十万ですね。森沢県議に百万、増村市会議員に五十万ですから百五十万、第二に竹本が単独で百五十万、第三が岩沢参議院議員に対する見舞金五十万、そうすると合計三百五十万ですね、これでは……。ところがこの公訴事実の記載の中には、こういうことになっているのですかね。「別紙犯罪表記第一の通り昭和二十九年十月二十五日頃より同三十一年二月一日頃迄の間十九回に亘り広島市草津東七〇番地の草津食品工業株式会社において右補償金中合計三百五十五万五千円を擅に同会社の用途等に充てるため着服横領したものである」、「罪名」としては「業務上横領、刑法第二百五十三条」、こういうことで、いろいろな内容が書いてあるのですがね。これとの関係はどういうことなんですか。
  84. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) ただいまの御質問の点は、昨年の九月十一日に、公訴事実の内容を、詳細、私、御説明を申し上げまして、その中で今の三点につきまして、その内容をさらにもう少しこまかく説明せよという御質疑があったわけで、その当時資料を持ち合せておりませんために、その内容の詳細にわたって御説明ができませんでしたので、それはのちに調査をした上でお答えをするということになっておりましたが、調査した結果が、ただいま申し上げたことでございます。
  85. 相澤重明

    相澤重明君 わかりました。そうすると刑事局長の言うことは、これがまあ最終的なものであると、こう理解してよろしいですね。
  86. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) さようでございます。
  87. 岡三郎

    ○岡三郎君 わしはようわからぬけれども、聞いているというと、やはりちょっと聞いておきたいと思う。私の聞きたいことは、いわゆる国の補助金というものをもらうときに、大体こういうふうなことをやっているのが通例かね。補償金の場合でもまあいい。この前北陸電力の問題が起ったときにもやはり該当しているところの議員が相当金をもらったということから内紛が起きて、その当事者がいろいろと苦労をしたということが出ておるが、まあ補償金とか、こういう問題についてはもらったときにどう分けるとか何とか、少数のボスが集って、そうしてそれがだんだんととれる額をふやすに従って、いろいろ操作したことが大体いろいろと出てくるということになるんだが……、会計検査院おりますか。会計検査院はこういうことについて一体こういう補償金とか、こういう問題、こういう対策委員会というものを作って金をじゃんじゃん使ってきたやつをどんどん弁償していくと、こういうやり方ですか、大体通例は。補償金や何かもらってること調べて、あなた方が実検をしてみた結果——ちょっとそれを教えてもらいたいと思うんだが、どうも私はわからぬ。ブローカー組合みたいな気がするから。
  88. 石渡達夫

    説明員石渡達夫君) 検査院としましては、前に何度も申し上げておりますように、この協定をした金額の二億六千六百万円、これは国がある種の債務を負担しておるんでありますが、その債務の金額がいいかどうか、協定の金額の二億六千六百万円が正しいかどうかという検査と、それからこの協定に基く、毎年支出をしておりますが、この支出が現在まで約一億六千万円、これを四回に分けて払っておりますが、その支出の場合に正当債権者に国が支出しているかという点でございますが、この間違った債権者に払っておれば、その支払いは無効になりますので、国の大きな損になるし、形式上相当な委任を受けた受領代理人に対して正当な金額を払っているということになりますれば、その支払いは有効な弁済、国の支出はそこで終ってるんであります。そこで検査院の権限としまして、その支払いを受けた相手の組合がどういうふうに経理するか、ここまでは検査院の権限としては追及できない建前になっておりまして、会計検査院としましては、さっきも申し上げました二点につきまして、二億六千六百万円という金額が正しいかどうか、それから個々の支払いの契約あるいは受領、これが適法に正しく行われているかどうかという点まで検査をしまして、それから先に組合がどういうふうに経理していくか、補償金の組合における経理、これは検査院の権限外になっておりまして何とも言いようがない、権限としては見ようがないということになっております。
  89. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、補償金とかというものは、これは会計検査院でいうと対象外というか、権限外の部面が相当多いというわけだね。
  90. 石渡達夫

    説明員石渡達夫君) 補償金の国の支出に至るまでの過程においては検査をいたします。補償金を受けた団体がこれをどういうふうに経理するかということは、検査院法におきまして権限がございませんので、ここまでは権限は見ることはできないというわけでございます。
  91. 岡三郎

    ○岡三郎君 重要な問題だ。そこでこの問題が起ってくるんだから、そういう点については会計検査院法を直す考えがないかね。そこまで補償金というものがどうなってるんだかさっぱりわからぬということになっていたんじゃ、会計検査院一体何を検査しているかわからぬじゃないか。その点について検査院法を直す考えはないかね。もうちょっとやりたくないかね、この点ちょっとお聞きします。
  92. 石渡達夫

    説明員石渡達夫君) 今のお言葉ですが、私ども一事務官としまして、法規の権限の範囲において検査をしておりまして、院法の改正ということになると、もっとさらに大きな問題になりまして、私個人としてはちょっと意見を申し上げかねると思います。
  93. 岡三郎

    ○岡三郎君 個人として申しかねるというけれども、あなたが検査院の事務官として検査した場合、いわゆる隔靴掻痒の感というむずかしい言葉がありますけれども、ある所までいくと、これから先は自分の権限外だというところで引き揚げてこなければならぬけれども、たまたまこれは刑事事件にならないと出てこない、こういうふうなことで補償金というものがどんどん払われていくということになれば、国の経費というものが一体どうなっておるかという最末端についての会計検査院の検査というものがなければ、これは私は非常に困ると思って、これは会計検査院の方の検査官なりその他に質問をすることにして、今度私は建設省に言うが、こういうふうなやり方で補償金とか補助金とかいうものを払っていくということについて、あなた方はどういう見解を持っているか、こういうことはしばしば問題が起るけれども
  94. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その点前からいろいろ御説明申し上げておりますが、漁業補償は漁業権に対しまして支払いをいたす。従いましてこれを受領いたした個人は、漁業組合長から委任を受けておるわけです、補償金の受領につきまして。でありますから国は個人には払っておりますけれども漁業組合に払っておるわけでございまして、ただ実際に金を渡す人が委任を受けた個人ということでございますから、正当な受領者に支払っておるわけでございまして、私どもといたしましては、支払いにおきましては通常そういう方法をとっておりまして、組合長が受け取れば一番いいわけでございますが、その委任を受けておる者ならば正当な受領者でございますので、それに渡しておるのでございます。
  95. 岡三郎

    ○岡三郎君 そういう形で、その行為は適法である、適法であるかどうかという問題は……私の聞いているのは、そういう形でいわゆる委任を受けておるという、その委任を受けておるということは適法であるが、しかしそういうことがたまたま多くの問題をいろいろ発生さしておる、こういう事実に立ったとき、国の方としてはそういうふうなことを、適法であっても別途の方法を講じて、こういう問題については遺憾のないようにしなければならぬ。私はあなた方、いわゆる当局者は考えなければならぬと思うのだが、要するに漁業権の問題だから、それに相当する金を国で払えば、あとはどうしても摘法の権限を受けておればいいんだ。実際はちょろまかされておる。そういう事実がわかったとき、そういうことを繰り返さぬように、あなた方の方できちっとする責任は私はあると思う。逆に言えば、あなた方が法律という問題についてのみ、これは委任を受けておるから適法だからそれでいいんだ、そういう甘い考え方だからそういうふうにルーズになってしまうのではないか、こういう論も成り立つのです。それについて建設省等においては、何か考えていることはないかと聞いている。要するに今までのやり方について法律的に言えば間違ってないから、金を払ったが、払った金はどうも運用上工合が悪い、こういう所にきているわけですから、それに対するあなた方の今後における措置。
  96. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これは漁業を営みまする個人々々が集まりまして漁業組合というものを持っております。従いましていずれも組合長を相手にいたしまして漁業の損失なりを計算いたしまして、漁業者である漁業組合長と契約をいたしまして支払いたします。やっておるのが電力会社におきましてもあるいはほかの埋め立て等におきましても、通例はいずれもそれでございまして、個人々々を相手にしてやったという例はないのでございます。それで内部の配分等につきましては、やはり問題を起しているのもほかにもございます。しかしこれは内部の話し合いでちょっと時間がかかったのもございますけれども、大体におきましては解決していっているわけでございます。
  97. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは建設大臣の実は出席を要求したいところでありまして、事務官僚の話を聞いていてはらちがあかない問題だと私は思う。ただいまのような問題につきましては当委員会で何回論議したかわからない問題です。しかしいつでもこれは事務当局形式的な答弁で明らかにならない。私はあらためて建設次官がおられますから、とにかく政治的な責任において御答弁を願いたいと思うのでありますが、大体、たとえば先ほど問題になりました刑事事件の判決が出たわけです。その中で五十万という金は見舞金としてこの事件に関係し、しかも非常にあっせんの労をとった……、私たちのこれは手にしている情報でありますから、この真偽はまだ確定はいたしておりませんが、当初一億一千万円の建設省側の補償金支払いのものが、実は県会議員やそれから先ほど申しました人たちのあっせんによりまして二億六千六百万ですか、二倍以上にこれがはね上ったという事実があるんです。そうしてしかも見舞金であろうが何であろうが、五十万円という金を、このあっせんをやった人が受けておるという事実がある。その点は少くとも裁判で確定を見ておる。無罪であろうが何であろうが、政治的問題としては、問題は別であります。法的形式問題は、われわれは今から検討しなくちゃならぬのでありますが、これはしばらくおくとしても、政治的問題としては重要な問題です。つまり国民の血税がこのような形でとにかく一部これに関係したところに食われているということをこの問題は物語っているわけだ。これに対して建設次官としましては、この補償金支払いについて建設行政の面から果してこれをどういうふうにお考えになるか、こういうところに非常に私は実は今まで私たちが論議し、またただいまも岡委員から質問されたような補償金を野放しでとにかくある代表に渡せば、それであとは野となれ山となれ、われわれの知ったことでないというほおかぶり答弁を何十回となく受けておるのでは、当委員会納得できないのであります。この点については、これは行政面から考えて非常に重大な問題です。そういうものと関連しまして、政治的責任の立場においてあなたはどうお考えになるか。これは法務大臣なり、岸総理の私は明確なこれに対する答弁をあとで要求するつもりでありますが、ことにもう綱紀粛正ということをうたっておる岸内閣の立場として、果してこういうことが許されるのかどうかということを私はお伺いするわけでありますが、取りあえず今次官おられますから、次官から御答弁願います。
  98. 堀内一雄

    政府委員堀内一雄君) ただいま岩間委員の御質疑に対しましては、まず第一といたしまして裁判所の判決の内容にありますような点については、私は正しいと思います。  なお、あなたから岸総理並びに大臣から聞くというお話でございますので、この際、政務次官としてそれにお答えするのは僣越と存じますので、その機会まで待っていただきたいと思います。
  99. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はあなたからお答えいただけなければ残念ですけれども、私は法的な判決が正しいとか何とかいうことを申しておるのじゃありません。この問題は、一応私たちはその判決は判決として、それで別、別個の問題です。しかし国家の、とにかく国民の税金によるこういうふうな補償金が、関係者によってとにかく食われてしまった、こういう事実に対して綱紀粛正の問題とも関連して、今後の建設行政の立場から考えて、あなた自身はどうお考えになるか、あなたの御答弁を、できましたらお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  100. 堀内一雄

    政府委員堀内一雄君) ただいま申し上げましたように、岸総理並びに大臣からのお答えに譲ります。
  101. 岩間正男

    ○岩間正男君 従って建設次官からお答えありませんから、建設大臣並びに岸総理のこれに対する政治的見解を私はお伺いしたい。この点保留します。
  102. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 岩間君に申し上げますが、きょうは実は建設大臣はぜひ出席を求めまして、御本人も来るということでありましたが、予算委員会関係で、自分としてはぜひとも出る、こういうことでありましたが、いまだにおいでにならぬので、予算委員会の都合かと思います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  103. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 速記を起して。
  104. 大倉精一

    大倉精一君 最後にちょっと一つ、私念のためにお伺いしておきたいのですが、先ほどの法務省からの御答弁の中で、岩沢氏に対して一割程度の謝礼金を出そうかというような話があった。ところが、金額並びに出し方については委員長に一任をする、こういうこと、これは私は前からそういうことを聞いておりました。おりましたが、この一任された金額の支出については、その後その事実についてはおわかりになっておりませんか。一割程度の金の問題ですね。
  105. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) それは証言内容でございますのですが、先ほどもつけ加えましたように、カッコの中に入って報告されておるように、一割というやつを……
  106. 大倉精一

    大倉精一君 諸経費を含めて……。
  107. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 含めてというふうに直しておるのでございます。
  108. 大倉精一

    大倉精一君 その支出状況はわかっていないのですか。建設局の方ではそういう支出についてわかっておりませんか。今の経費を含めて、一割程度その金額並びに支出については委員長に任せると、こういうことなんですけれども、それを委員長に任された金額の支出について、あなたの方ではわかっておりませんか。あるいはこの会計報告の中の、項目のどっかにこれが入っておる、それがおわかりになっておったら……、おわかりになっておらなければけっこうです。
  109. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 総会で一割程度の雑費と申しますか、そういうものは認めたということは聞いておりますが、ただその中にどういうものが入っておるかというような点は私どもは聞き及んでおりません。
  110. 大倉精一

    大倉精一君 これは今お聞きするのは無理だろうと思いますので、私の方でも調査をするとしまして、きょうはいろいろお尋ねしましたけれども、結局結論的な要領を得ない御答弁で終ったように私は思うのです。それでたとえば免訴漁区別の数字等につきましても、この取扱いについては私どもとしてもさらに研究をしてみたいと思いますから、この問題についての質問は、これで保留しておきたいと思います。さらにまたきょう建設省、法務省の御答弁等に対しましては、こちらの方としても調査をしなければならぬ内容もありますので、さらに調査をして質問を保留する、こういうことにしたいと思っております。さらにまたさっき岡君の言っておりましたいわゆる資格の問題ですね。あるいは適法であるか適法でなかったかという問題、これは非常に大事な問題で、実はきょうもう少しお尋ねしたいと思っておりましたが、きょうは保留して、この次までに最後に私の要求しましたところの資料を誠意をもってお出しを願いたい、こういうことを要求申し上げて、以下私の質問は保留をいたします。
  111. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) ほかに御質疑ございませんか。  河川局長、先ほど大倉委員からの御要求の資料につきましては、できるだけ誠意をもって御提出をお願い申し上げます。
  112. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 先ほどの御要求の資料は、経費内容と了承しておりますが、それにつきましては、対策委員会と連絡いたしまして、できるだけ御要望に沿うようにいたしたいと思っております。
  113. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  114. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 速記を起して。  それでは、これをもって委員派遣報告につきましては終了いたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) それでは、さよう決定をいたします。  なお、提出されました詳細な報告書は、これを会議録に掲載することにいたします。  また、太田川の件についての取扱いは、委員長及び理事合会に一任することといたしたいと思いますが、この点御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 大谷贇雄

    理事大谷贇雄君) 御異議がなければ、御異議ないと認めまして、さように決定をいたします。  なお、先般の農林中金の事件につきましても、委員長、理事におまかせをいただきましたので、今日は委員長もおりませんから、至急相談をいたしました上で、再開をいたすことにいたしますので、御了承を願います。  今日は、これをもって散会をいたします。    午後四時二十一分散会      —————・—————