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1958-04-11 第28回国会 参議院 議院運営委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十一日(金曜日)    午後二時二十五分開会     —————————————   委員の異動 四月八日委員仲原善一君、佐藤清一郎 君、植竹春彦君、久保等君、戸叶武君 及び鈴木強辞任につき、その補欠と して高橋進太郎君、柴田栄君、西田信 一君、光村甚助君、椿繁夫君及び横川 正市君を議長において指名した。 四月九日委員高橋進太郎辞任につ き、その補欠として林田正治君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安井  謙君    理事            斎藤  昇君            佐野  廣君            小酒井義男君            小林 孝平君            島村 軍次君    委員            大沢 雄一君            田中 啓一君            中野 文門君            西田 信一君            北村  暢君            柴谷  要君            椿  繁夫君            光村 甚助君            横川 正市君            杉山 昌作君         —————    副  議  長 寺尾  豊君         —————   衆議院議員    議院運営委員長 山村治郎君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君    参     事    (委員部長)  渡辺  猛君    参     事    (記録部長)  岸田  実君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  小沢 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   衆議院事務局側    参     事    (事務次長)  山崎  高君   衆議院法制局側    参     事    (法制次長)  三浦 義男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○議院運営小委員補欠選任の件 ○庶務関係小委員補欠選任の件 ○町村合併に伴う学校統合に関し、各  地に起っている紛争実情調査のた  めの委員派遣承認要求の件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  の一環として少年院運営等に関す  る諸問題の実情調査のための委員派  遣承認要求の件 ○国会法等の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○国会議員互助年金法案衆議院提出)     —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) 議院運営委員会を開きます。  まず、議院運営小委員補欠選任の件と庶務関係小委員補欠選任の件。  以上、二件を一括して議題といたします。
  3. 渡辺猛

    参事渡辺猛君) 自由民主党から、議院運営小委員補欠として柴田栄君、同じく西田信一君、庶務関係小委員西田信一君が選任されております。それから同じく社会党から、議院運営小委員補欠として横川正市君、同じく議院運営小委員補欠として、光村甚助君が選任されております。
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいまの報告通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、委員派遣承認要求取扱いに関する件を議題に供します。  委員部長から報告を求めます。
  7. 渡辺猛

    参事渡辺猛君) 文教委員長から委員派遣承認要求書が提出されております。  目的 町村合併に伴う学校統合に関し、各地に起っている紛争について実地調査を行い、もって義務教育学校施設費国庫負担法案審議に資する。  派遣委員 第一班、有馬英二君、高田なほ子君。第二班、三浦義男君、大和与一君。第三班、野本品吉君、湯山勇君。  派遣地 第一班、茨城県。第二班、群馬県。第三班、新潟県。  期間 第一班、四月十一日から四月十三日まで三日間。第二班、四月十一日から四月十三日まで三日間。第三班、四月十一日から四月十三日まで三日間。  費用 概算四万六千八百円でございます。  次に、法務委員長から、同じく委員派遣承認要求書が提出されております。  目的 検察及び裁判運営等に関する調査一環として少年院運営等に関する諸問題の実地調査派遣委員 青山正一君、棚橋小虎君、富城タマヨ君。  派遣地 群馬県。  期間 昭和三十三年四月十二日から同月十三日まで二日間。  費用概算 一万五千六百円。  いずれも配当予算の範囲内であります。
  8. 安井謙

    委員長安井謙君) 本件につきましては、原則として国会開会中のことであり、御論議があることと存じますが、休日を利用してのことであり、あるいは調査必要性等から見て、これは特に理事会におきましても、前例としない、今回限りの特例ということで承認してはいかがか、こういうことに決定いたしましたが、右の通り決することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  10. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、国会法等の一部を改正する法律案及び国会議員互助年金法案。  以上の二案を一括して議題といたします。  本日、衆議院議運委員長山村治郎君が出席されておりますので、山村委員長から提案趣旨説明をお願いいたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それじゃ、お手元に配付しております案によって、内容は一つ御賢察願います。  両案に関しまして、緑風会島村委員から一括質問いたしたいという申し出がありますので、これを認めることにいたします。なお、当委員会には、山村衆議院議運委員長及び山崎事務次長が参られております。
  11. 島村軍次

    島村軍次君 私は国会議員互助年金法案について、二、三の質疑をいたしたいと思うのであります。  第一は、今回の提案互助年金は、互助精神によって、議員国庫納付金によって、これをまかなうという建前になっておるようでありますが、本問題につきましては、かねて長い間、国会法第三十六条の規定でありましたか、退職金の支給という本則に従って検討を加えて参ったのでありますが、年金法それ自身は、いわゆる互助精神によるということで、率直に申し上げて、お互い同士醵出金によって、これをまかなうのだという建前になっておるようであります。そこで、世間あるいは多少の考え違いと申しまするか、誤まり伝えられておる点もあると思うのでありますが、今回、御提案によりますと、国庫納付金百分の三で十分まかなうことができる、ある新聞によりますというと、衆議院の場合におきましても、年六十六万円かの剰余金、黒字が出る、それから参議院におきましては、相当の本年度においては積立金と言いますか、いずれ特別会計的な扱いをされると思うのでありますが、その金額が相当残額を生ずる、こういうふうなことでありますが、果してこの考え方、すなわち年金互助精神で、自前でまかなうという考え方に立っておるのかどうかということに対して、立案者の御意見を承わりたい。
  12. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) お答え申し上げます。  この法案作成に当りましては、国会議員互助精神根本といたしまして、努めて国庫財政的負担に依存することを避けまして、議員全員の平等の醵出によって、長年在職した同僚の退職年金制度をまかなうことを基本方針といたしておりまして、慎重に検討を加えました結果、国庫納付金歳費月額の百分の三といたしますれば、ほぼその目的を達し得るという結論に到達いたしたのでございます。すなわち、本法案に添付してございまする「本案施行に要する経費」において示してありますように、昭和三十三年度においては、議員国庫納付金収入は二千七百九十八万余円、これに対しまして、この法律施行とともに支出を要する互助年金は二千百四十三万円程度と推定され、差し引きしまして約六百五十四万円の剰余額が見込まれまして、国庫実質的負担をかけることなく、この互助年金制度を発足し得る確信を得た次第であります。  国会議員は、一般公務員と異なりまして、一定の年令に至れば退職するものではなく、選挙という特殊の制度のもとで進退が決せられるものでございますから、在職者に対する退職者の比率、年金受給年数等年金制度計数的根拠一般公務員のそれとは異なる要素を含んでおりまして、いわば類似の前例に乏しい独特のもので、今日厳密な計数的推断を下すことはなかなか困難でございまして、従前の選挙経験等に徴しまして、そう大してくるいはあるまいと考えております。  なお、今後ともこの制度に基くところの収支の動向につきましては、十分に注意を払いまして、この制度の健全な運営を期したいと考えておる次第でございます。
  13. 島村軍次

    島村軍次君 そこで、将来に対する年金制度運営が、果して保険的な計算によって、うまく運営できるかどうかということに対しては、なお検討を要することだと思うのでありますが、この点については、ただいまの委員長お話によりまして、十分注意をもって運営をしていただくと同時に、この実際を扱われる恩給局等においても、なお格段の検討を加えまして、将来に誤解の起らないように、また納付金によって、大体財政的負担国庫にかけないというようなことを十分考慮していただきたいことを希望を申し上げておきます。  次に、この法律では、いわゆる在職十年以上の人に対する年金を認めておるが、一時金、すなわち十年未満の人に対しては支給しないということになっておるようであります。この件については、たとえば、アメリカの議員に対する年金制度等についても、やはり十年未満の者に支給しておる。あるいはイギリスにおきましても、利息を付して返済するというような制度もあるやに承わっております。かつまた先進諸国、フランスあるいはソ連等においても、相当なこれに類する制度が作られておるのでありまして、ただいま御発表になりました計算によりますと、一時金は支給しないということの結果は、やがて将来に財政的負担を来たさないということにも考え得ると思うのでありますが、この問題に対しては、提案者はいかなる御意見をお待ちになっておりますか。
  14. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) お答え申し上げます。公務員恩給等は例外なく一時金制度を認めておりまして、本法におきましては、一時金制度を取り入れなかったことは、ちょっと変ったような感じを受けますのは、ごもっともでございますが、われわれのこの建前が、退職金制度として異例のものであることは重々承知いたしておるのでございます。しかしながら、恩給等がその費用の過半を国庫負担によっておりますのに対しまして、われわれは、わが国の現状に考慮を払いまして、われわれ自身互助によって退職金制度を創設することといたしました関係上、一時金制度を取り入れるといたしますると、きわめて高率の国庫納付金醵出いたさねばならないのであります。しかし、過重な醵出を課することは適当ではございませんし、おのずから限度がなくてはなりません。他面、ひとしく政治に志して国政に携わる国会議員は、その在職の長短を問わず、私生活を犠牲にし、公けに尽すことに専心いたしておられますことは変りはございませんが、なかんずく、数次選挙労苦を重ねまして、長年にわたって議員活動に携わられた方々犠牲功績に対しましては、特に敬意を表さなければならないと存じます。しかも、外国におきまして幾多の実例が示しますように、これらの永年在職者の中には、数次選挙及び長年の議員活動のために産を傾け、余生の備えを顧みず、ひたすら公事に専念し、そのために隠退後、見るに忍びない逆境に陥り、あるいは遺族方々をして困窮に苦しむことを余儀なくさせることが往々にしてあり勝ちでございまして、われわれは本法案作成に当って、何はさて置き、長年憲政に尽された議員や、その遺族方々余生を保障いたしまして、いやしくも、ただいま申し述べたような不幸を生ぜしめないとともに、かくすることによりまして、全議員が後顧の憂いなく、長く議員活動に専念できるように、これを優先的に考慮すべきであると痛感いたした次第であります。短期在職議員は、結果的には掛金のかけ捨てと相なるのでございますが、以上申し述べましたことを御理解の上におきまして、全議員が欣然として互助の実を示されるように切望いたす次第であるのでございます。
  15. 島村軍次

    島村軍次君 あと数点について簡単にお伺いするのであります。  今回の制度によって衆議院議員在職期間に関しては、いわゆる公選建前をとって、旧帝国議会における衆議院議員有職年数通算をすることになっておりまするが、この点に関しましては、同じ公選の解釈には多少の疑義はありましょうが、いわゆる旧貴族院議員在職年数通算がない、こういう法案立案になっておりますが、この意については、認めなかったという理由はどういうところにありますか、その点をお伺いすると同時に、なお、これに関連いたしまして、御案内の通り、今回の法案そのものは、建前国会成立後の新憲法下における議員を主体にしておることはわかるのでありますが、新憲法制定当時の貴族院議員方々に対して何らの措置も講じてない。公選建前をとり、かつまた新憲法下における、制定後の議員互助精神でやろうという際に、なお、これらの制定当時貴族院在職者を除外したことに対して、どうも片手落ちではないかと、こう考えられるのでありますが、この点に関しての御意見を承わりたいと思います。
  16. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) まことにごもっともな御質問でございますが、この法案におきまして、旧帝国議会衆議院議員在職期間のみを国会議員在職期間通算し、貴族院議員につき同様の取扱いをいたさなかったゆえんは、この制度は、一般国民により公選された議員を対象にいたしたものであり、公選された議員でございませんところの貴族院議員在職期間通算することは適当でないと考えたからであります。本法律案国会法第三十六条の規定に基きまして、新憲法下主権者たる国民の直接選挙により選出された国会議員退職年金制度なのでございます。旧帝国議会衆議院議員は、選挙制度の変遷はございましたけれども、一貫して国会議員と同様に、国民の直接選挙によったものでございますから、その在職期間国会議員在職期間に算入することにいたしたのであります。要するに、建前の問題といたしまして、公選制に基かなかった貴族院議員の処遇を、この法案に包含することは筋が通りかねると存じた次第であるのでございます。もとより、われわれも常に皆さんと同様に、貴族院議員であられた方々、ことに憲法制定当時活躍された方々功績労苦に対しては、深甚の敬意を抱いて参ったのでありまして、適当な機会に、これらの方々功労に報いる道があればという気持においては、皆さんと異なるものではございませんが、このことは事の性質上、本法案とは別個に考慮されるべき問題であると考える次第であるのでございます。
  17. 島村軍次

    島村軍次君 ただいま提案者の御意見を聞きますと、一応の理由は判明いたしましたが、しかし、なお、同じように直接選挙ということだけの理由で、帝国議会当時の議員を、一は加え、一は加えないということと新憲法制定当時の貴族院在職者に対する道が講ぜられぬことに対しては、これは相当議論の余地があると思うのであります。いわんや貴族院議員方々におきまして、互選の制度でありましても、なお選挙制度をとってきたということが一つ、なお、勅選等考え方もあるようでありますが、しかし率直に申し上げれば、旧議員の年限を通算するならば、同様に扱うべきものであるという強いわれわれは意見を持っておりますが、しかし、たとえば新憲法制定当時の貴族院在職者に対しては、別途に考えるというような、ただいまのお話もあったようでございますが、これらの問題は一応御検討になった問題だと思うのでありますが、具体的には何ら出ていないようでありますが、一応、立案者の方でお考えになった具体的の問題があれば一つ伺いたい。
  18. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) ただいまの問題につきましては、私どもの方でも、今、島村委員が説かれましたような意見もだいぶございまして、何とかその意見通りに持って行きたいという動きもあった次第であるのでございます。しかし、先ほど御説明申し上げましたように、これらの功労者の方方に対しましては、別に適当な機会に、これらの方々に対する功労に報いる道があればという気持は変りませんけれども、今回におきましては、一応ただいま申し上げましたような案でもって実行することが適当だと考えまして、この案を作り上げた次第であるのであります。この点、御了承願います。
  19. 島村軍次

    島村軍次君 賛否の問題は別として、いずれ小委員会等検討を加えることであると思いますので、私は一応この程度にとどめておきますが、最後にもう一つ伺っておきます。  国会議員と国務大臣あるいは政務官等恩給上の兼職期間通算につきまして、この互助年金在職期間の算入については、一応この法律案によりますと、在職年数には、これらの兼職者年数は算入しないということに、はっきり規定されておるようであります。ところが事実問題になりますと、いろいろ幸、不幸が出てくる場合がある。そこで法律建前からいって、これを算入しないと、一方的にきめるということは、いかがかと思うのでありまして、むしろこの点は選択制で任意の選択によって、いずれも各人の自由にまかして、これらの関係者選択制をとるということが法律としては適当じゃないかと思うのですが、これらの点はいかがでありますか。
  20. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) お説の通り、たとえば公務員前歴のある国会議員大臣政務官等を兼ねた場合等には、その兼職期間恩給基礎在職年に算入する方が有利となることもございましょう。しかしながら、前に申し上げましたように、この互助年金制度は、国会議員全員互助精神に立脚し、余生生活保障の特に必要のある永年在職議員退職年金を、お互いの平等な負担において支給しようとするものでございますし、また、大臣政務官等への就任は、国会議員であることが前提となっておることをあわせ考えますれば、議員の過去の前歴の異なることによって、その扱いを異にするよりは、国会議員の地位に重きを置き、在職のみに着眼して、平等公平に処遇することが互肋の根本理念に合致するものであると考えまして、このような建前をとった次第であるのであります。
  21. 島村軍次

    島村軍次君 なお検討を要する事項もあると思うのでありますから、いずれ、長い間、庶務小で御検討なされたことだと思いますし、本日は質問はこの程度にいたしておきます。
  22. 安井謙

    委員長安井謙君) 実は御承知のように、きのうから、きょうにかけまして衆議院は非常に紛糾しておりまして、また、うちの委員会の開催時間も変更したせいもありまして、また、委員長はなるべく一つ時間をあれしたいというお申し入れもありますので、なるべく一つ簡単にお願いいたします。
  23. 大沢雄一

    大沢雄一君 今承わりますると、この法案性格は、どこまでも互助共済制度であるというお考えのようでございます。互助共済制度ということであれば、これは要するにその性格は私法的なものであると考えます。そう解してよろしゅうございますか。
  24. 安井謙

    委員長安井謙君) それで大沢委員にも申し上げますが、法律的な専門の見解になりますと、これはなかなか委員長では御答弁がむずかしかろうと思いますし、それからもう一つ、この法案自体につきましては、議院運営委員会の小委員会でも、それぞれの見解を実はただしておりますので、便宜上、当方ではこう解釈しておるものだということを、都合によっては庶務小委員長からも御答弁をしてもらいたいと思いますが、その点一つ御了承願います。
  25. 大沢雄一

    大沢雄一君 どなたでもよろしゅうございます。
  26. 安井謙

    委員長安井謙君) 斎藤庶務小委員長から、それでは便宜上お答え願います。
  27. 斎藤昇

    斎藤昇君 ただいま委員長からお話しがありましたように、庶務小委員会におきましても、前からも研究しておりました関係上、今度の法案につきましても、すでに若干の調査研究はいたしておりますし、衆議院側とも打ち合せをいたしております。いずれ結論は、さらに庶務小委員会で御審議を願わなければなりませんが、そういう意味から、ただいまの点について私の承知しておりまする限りで申し上げてみますれば、この法律は、なるほど互助精神に立脚はいたしておりまするが、議員互助というものを主にして作った法案であることは間違いありませんが、同時にやはり公的な性格を持っておりまして、この事務に要する費用国庫負担をいたしまするし、この事務を取り扱いますのは、国の機関で取り扱うということにいたしております。従って、これは公的なものであり、私法的な性質は持っておりません。互助というものを大きく浮かび上らせておるというわけでありまするが、ただ、互助機関で全部やるという仕組みではございません。
  28. 大沢雄一

    大沢雄一君 ただいまの御説明によりますると、事務的費用は国が負担するということでありまするが、本法二十四条によりますると、「互助年金に要する費用は、国庫負担する。」、すべて国庫負担するように法律としてはなっております。もし、これが事務費用をこえて国庫負担するようになった場合は、しからばどうするかということであります。
  29. 斎藤昇

    斎藤昇君 ただいま申しましたのは、事務に要する費用国庫負担をする、こういう建前になっておると私は申し上げたのです。
  30. 大沢雄一

    大沢雄一君 ですから私の申し上げたのは、事務に要する費用以外の給付に要する費用が、全部これは国庫負担するような条文の規定になっております。そうなった場合に、今の御説明あるいは立法趣旨と違うようなことに結果がなりまするが、その場合はどうなさいますかということであります。
  31. 斎藤昇

    斎藤昇君 この法律運営上必要な費用が全部国庫負担になるというようなことは、これはございません。われわれはこれに醵出をいたします以上は、そうして先ほど説明をいたしましたように、出す年金額と、それからわれわれの醵出金と比べると、むしろ醵出金が今の段階では少し残るのじゃないだろうか、しかし、あるいは将来少し足りなくなるかもしれない、時間的に、ある年は余り、ある年は足らぬということが起るかもしれません。そういう調節は国庫で願わなければならぬと思います。そうして大きく立案者考えと変ってくるような結果になれば、そのときに百分の三をどうするかという問題も起ってこようと思いますが、ただいまはこの程度で出発をしてみるよりほかに道がなかろう、こういうような提案者の御意見のようであります。
  32. 安井謙

    委員長安井謙君) 今の大沢君の御質問の要旨は、二十四条で「互助年金に要する費用は、国庫負担する。」とあるが、一体どうするのだという御質問だと思いますが。
  33. 大沢雄一

    大沢雄一君 全部を国が負担するのでなくて、一部分にしても、給付の金を国庫負担するように、もしなった場合にどうするかということなんです。全部国庫負担するということを申しているのではない、そういう結果になった場合には立法趣旨と違うし、どうするか。私は、なおそういう御質問をする真意をここで申し上げます。要するに、恩給法なり、あるいはもしこれが国会法の三十六条に基く退職年金制度であるといたしますれば、要するに国庫負担は、これは国民の血税に属するものでありますから、一人の公務員が二重に国家から給与を受けるということは、これは避けなければならない、公務員たるものは、さらに国会議員になった場合、これはどこまでも併給の建前になっておりますので、国が退職金を実際に負担するようになった場合には、恩給法上の公務員は、二重に国家からこれはその給与を受ける、こういうことになりまして、いかに長い間公務員が公務に従事しても、これは二重に恩給は受けられないようになっておる、これが公務員法での原則の精神であります。これが私はくずされるということがあるかないか、もし、そういうふうになった場合には、支出といたしましても、これは不当な支出になり、会計検査上の問題になる、こういうことを憂えまするので、その点を私は明らかにしておきたい、こういう趣旨でございます。
  34. 西田信一

    西田信一君 斎藤委員長から御答弁になりましたので、今それに関連して伺いますが、大沢委員の御質問、二十四条の「互助年金に要する費用は、国庫負担する。」と、受ける方は全部国庫負担するとありますので、そのバランスの問題ではなくして、受ける方は国庫で受ける、出す方は国庫から出す、こういう意味であるので、そのバランスの問題じゃないと思うのですが、その点ちょっとお答えを願いたい。
  35. 斎藤昇

    斎藤昇君 おっしゃる通り議員醵出金は全部そのまま国庫に入る、それから、出すのは国庫から出すというわけであります。私が申しましたのは、何と申しますか、内容において、事務費くらいは、あるいは国庫で打ってもらわなければならぬことにもなるであろうけれども、後段の趣旨は、事務費以外のものは、できるだけ醵出金でまかなえるような、保険金額と醵出金、こういう考えに基いて立案をされておりますということを申し上げておるわけであります。で、ときによって国庫から出す方が、醵出金よりも多いという場合も起り得るかもしれないという感じがいたしますが、それはやって見なければわかりません。その額が非常に多くなっておる、今、大沢委員が言われたように、これは不当であるというようなことは、今までの経験から考えれば、なるまいと、思いますが、万一なるというような結果が起ってくれば、そのときに百分の三をさらに考え直さなければならないような時期が来るかもしれないと、こう申し上げたのであります。
  36. 横川正市

    横川正市君 ちょっと関連で。国会法の三十六条にならって作られた趣旨であるということになりますと、私はこの法の二十六条の国会議員恩給法規定する公務員兼職した場合の期間通算が、二十六条にこれは私は読みかえられるもので、互助組織で作られる国会議員年金というのは、実は三十六条によらない立法ではないか、そうでないと、先ほど期間通算その他の問題で特殊な規定を行なっておりまするので、これは全然私は別個のものというふうに見なければいかぬと思うのですが、その点立案者意見をちょっとお聞きしておきたいと思います。
  37. 斎藤昇

    斎藤昇君 互助という精神に立脚はいたしておりますが、しかし国会法に基きましたものであると了解すると私は申し上げましたが、国会議員が長年、国のために尽したということで、一般の恩給と同じような考え方に立って立案をするということも、これは考えられまするし、また、国会議員の本質にかんがみて、互助という考え方を大きく取り込んでやった方がいいという考え方もあるわけであります。衆議院におかれましては、後段のような考え方立案になっておられます。しかしながら、純然たる互助機関互助だけをやるという考えではなくして、先ほど申しますように、国の機関を通じ、そうして、場合によれば、足らないときには国庫で補足をするということも、時間的には、ある年は足らぬ、ある年は余るということもありましょうし、そういう調節をやりますためには、やはり国の制度とした方がよろしい、従って、国会法精神もあり、また、これを生かす上において互助精神を大きく取り込んだ、こういう法意であると解釈をいたしております。
  38. 小林孝平

    ○小林孝平君 議事進行。本法案が完全無欠であるとは、われわれも考えないのです。非常に不備の点は多々ある。島村委員からも御指摘があった、いろいろの疑義の点があります。しかし、本法案を、これを適用するに当っては、先ほども島村さんからお話がありましたように、個人々々で、非常に、まあえげつなく言えば、もう一年で恩給の年限に達する、従って、これをちょっと手直しすれば非常に有利になるというような方もありますし、また、いろいろ、その他それに類似の個人的な問題を取り上げると、非常に複雑なものがある。従って、質問を幾らやっても、これはなかなか絶えないと思います。それで、われわれは、幾多問題がありますけれども、かねがね議院運営委員長には、できるだけ御協力を申し上げたいという趣旨運営をやって、比較的質問したいということも控えておるわけなんです。そういう点を勘案されまして、委員長においては、議事の進行をはかっていただきたいと思います。
  39. 安井謙

    委員長安井謙君) 申し上げます。ごもっともな御発言でありますので、最初からそのつもりでおりましたが、従って、先ほど申し上げましたように、山村委員長の時間の都合もあることでありますし、大沢委員も、一つ、内部でもいろいろ、これは議員同士の問題であるので、御検討になる機会もまたあろうと思いますので、特にこの御質疑ということで、これだけ聞かなきゃいかぬという点だけを簡明に御質問願いたい。御意見にわたる部分は、またあらためてお願いしたい。
  40. 大沢雄一

    大沢雄一君 私は、まだ意見を申し上げておりません。ただ、質問の点だけを簡単に申し上げておるのであります。  この、互助精神に基いた特例的な措置であるという、従って十年未満の短期の——短期とまあ言われるかどうか疑問でありまするが、短期の議員には支給しないということになります。しかし、今お話を伺いまするように、国会法の三十六条に基くものであるといたしますれば、これは、いやしくも国会議員である者は、短期、長期の私は別はないと思う。少くとも一期勤めた者は、当然この国会議員でなければならぬ。ことに、私は十年未満で、たとえば九年で病死をしたというような場合におきまして、この人の掛金が、十年以上在職してぴんぴん生きておられる議員にこれが回って、そうして支給される。それで、この互助共済精神であるということは、私としてはいささか納得いかぬと思うのでありますが、これについてはどうお考えですか。
  41. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) お答え申し上げます。  確かに、お説のように、国会法建前から申しまするというと、たとえ一期お勤めになっただけでも、これに対しまして、何らかの退職のおもんばかりをすべきであろうと思うのでありまするが、いろいろな事情を考えまするときに、互助建前をもって法案立案いたしますときに、どこかで線を引かなければならぬ建前になるのであります。あるいはこれを五年で切るか、十年で切るか、あるいは十五年で切るか、いろいろな点等もございまするが、われわれは、これを一応線を引く点は、十年が一応妥当な線と考えまして、一応十年という線を引いたのでございまして、どこかで線を引かなければならないので、この点はやむを得なかった次第であると考えるのでございます。
  42. 中野文門

    ○中野文門君 ただいまの衆議院の議運の委員長答弁を聞いておりますと、国会法の三十六条の規定は、全部年金であるというようなふうの御判断のようであります。その点、私は了解をいたしがたいのですがね。そして、ついでですが、ただいまもお話が出ておりましたが、この互助法案が、第一条において、国会法第三十六条を受けて定めたということに相なっておりますが、私はこれを通覧をいたしまして、この互助年金法の立法建前は、国会法第三十六条に全然よらざる立案趣旨と、こういうふうに了解せざるを得ぬのですが、その二点について御答弁願いたいと思います。
  43. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 私が申しますことは、国会法第三十六条の精神を生かしたいという意味でございまして、それも実際上、今申し上げたような問題になりますときに、いろいろ検討いたしますと、今回の法案のような結果に相なる次第でございますから、その点は一つ御了承を願いたいと思います。
  44. 中野文門

    ○中野文門君 どこかで線を引かなければならぬから、十年で線を切ったというあなたの御説明でございましたが、その線を切るという精神は、年金の場合であって、三十六条は年金のことをうたってない。議員であった者には、「別に定めるところにより、退職金を受けることができる。」、この場合の退職金というのは、年金を意味しておりません。それを互助年金法の一条において、三十六条をそのまま受けてきて立案したように御説明に相なることは、私はこれは非常に矛盾していると思うのです。
  45. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 先ほど来申しますように、私どもこの国会法の三十六条の精神はくみたいということを申し上げた次第でございまして、いろいろ醵出金等の点がございまして、出発といたしましては、この程度で出発いたしたいし存ずる次第でございます。
  46. 大沢雄一

    大沢雄一君 この国会議員公務員法上の公務員在職した場合のこの取扱いについて、先ほどお話しのように、これは選択制をとらせない、別個にということでございまするが、公務員のこの恩給を受けるという権利は、これは重要な公務員法上の公務員の権利です。これを互助年金精神によりまするこの法律で剥奪をするということは、同じく法律であるから、さしつかえないという形式論は、私はなり得ると思います。しかしながら、法の性格から申しまして、私はその点に非常に疑義があるのではないか。なお、たとえば公務員として十六年在職した、あるいは十五年在職した、国会議員となって、公務員として十年在職せずに六年なり七年なりで死んだというような場合になりますれば、公務員恩給受給権も消滅し、この共済金を受けることも、これもできない。これはその人にとって私は非常な、いわば財産権の侵害である。公務員恩給を受け得る権利、あるいはまた加算を受け得る権利、恩給の基本権の加算権、これはともに私は財産上の公務員の権利だと思う。これはいささか憲法に違反するおそれなきやいなや、憲法には財産権は侵すことができないという規定がありまするが、これをどうお解しになるか、私はお伺いしたい。
  47. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 御存じの通り恩給を受ける権利の発生いたしますときの、たとえば局長さんなら局長さんでもって恩給が発生した、その方が議員になった場合におきまして、そしてそれが大臣なり政務次官になりまして、その大臣なり政務次官として加算される分が、これが平等になるというのが、この法律趣旨でございまするが、実は、私率直に言いますというと、衆議院の一部には、今、国会議員であって恩給をとっておるものについては、これを辞退しろというような動きもある状態でございまして、この点につきましては、やはりあくまでも互助精神でもって立案されたという建前から申しまするときに、すべての国会議員が、やはり平等の権利のもとに、この法律案の恩典に浴し得るということを考えまするときに、やはり大臣あるいは政務次官になったからといって、それだけが条件にされるということを、これをかりにとるといたしましても、権利の侵害ではないと私は考えております。従いまして、あくまでも一つ互助建前という精神をおくみ取り願いまして、御賛成願いたいと思います。
  48. 大沢雄一

    大沢雄一君 この権利の侵害にならないというだけでは、これは私は御意見であろうと思います。私は恩給権あるいはその加算権、これを侵害するのではないかと、私は考える次第でありまするが、その点について法制局なり何なりの人に、もう少し責任のある御見解を伺いたい。なお私は、憲法にいわゆる財産権は侵してはならないとあるが、単に私法上の財産権だけではない、私はかように解するのでありますが、その点についてはどうですか。
  49. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 衆議院の法制局次長からお答えいたします。
  50. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 私から、ただいまの件につきまして、便宜お答えいたします。  御質問の点は、ごもっともな御意見だと思いまするが、この互助年金法案におきましては、すでに発生しました既得権、それからこの法律施行の際に、公務員在職しておられまする方で、その現在公務員在職しておられる期間通算すれば十七年になるとか、あるいはさらに普通恩給の権原が、十七年以上在職しておられまして、この法律施行の際におやめになれば、その普通恩給が改訂になると、こういうような方に対しましては、ただいまの御趣旨のような見地から保護しなければならないと考えまして、付則の方でそういう方々に対する保護の措置を講じてございます。しかしながら、将来の問題につきましては、これから発生——まだその年限に達しておられない方につきましては、いわゆる期待権と申すべきものであろうと思いますが、これはやかましい意味におきましての法律上の権利と申しますには、いささかどうかと考えられますので、それはこの互助年金法が成立いたしますれば、議員在職の方の期間通算されますので、それはそちらの方でその在職期間を見て行く、こういうことが建前になっております。
  51. 佐野廣

    ○佐野廣君 議事進行。まだ御質疑もあるようでありますが、慣例による理事打合会、それから議運の委員長の御発言等の打ち合せ等の次第もありまして、これはなお御意見も、討論にわたるかのような御意見の開陳も相当深刻にあるようであります。本日は、先ほども申し上げましたような次第で、議案の提案者でありました衆議院委員長にお出で願って、趣旨説明を開き、若干の御質疑をするという打ち合せになっておりましたので、小委員会に移されまして、いろいろ御意見の開陳等をされることを希望いたします。
  52. 安井謙

    委員長安井謙君) 今、佐野君から以上のような御意見が議事進行についてありましたが、実は委員外発言を八木幸吉君からも申し出られておりますが、今のような取扱いにして、庶務小委員会で従来も扱っておりますし、また、その後の検討庶務小委員会で、もう少し加えたいということに理事会等でもなっておりますので、そういう工合にいたしますことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 安井謙

    委員長安井謙君) それじゃ八木さん、お出でですが、まことにそういう都合で申しわけないのですが、もし何でしたら、一つ庶務小委員会の方へでもお越しを願いまして、またいろいろ御意見や御質問願いたいと思います。  まだ御質疑もある向きもあるかと思いますが、ただいま申し上げましたように、庶務小委員会におきまして十分検討いたしたいと思っております。御質問のある方、御意見のある方につきましては、庶務小委員外でも、都合で委員長の許可を求められて、やっていただきたいと思っております。従いまして、国会法につきましては、これは理事会でさらに扱い、それから互助年金につきましては庶務小委員会でその案を協議する、こういうふうにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。  本日は、ほかに御発言もなければ、これをもって散会いたします。    午後三時十七分散会      ——————————