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1958-02-03 第28回国会 参議院 議院運営委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月三日(月曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安井  謙君    理事            斎藤  昇君            佐野  廣君            小林 孝平君            島村 軍次君    委員            後藤 義隆君            柴田  栄君            田中 茂穂君            仲原 善一君            前田佳都男君            阿部 竹松君            北村  暢君            柴谷  要君            椿  繁夫君            光村 甚助君            横川 正市君         —————    副議長     寺尾  豊君         —————   国務大臣    大 蔵 大 臣 一萬田尚登君   政府委員    内閣官房長官  愛知 揆一君    法制局長官   林  修三君    大蔵省主計局長 石原 周夫君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君    参     事    (委員部長)  渡辺  猛君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  小沢 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   —————————————   本日の会議に付した案件昭和三十三年度特別会計予算参照書  中の正誤に関する件   —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは議院運営委員会を開会いたします。  実は、一昨日と本日の理事会におきまして、大体今後の議院運営委員会運営方針について各派の御協議を願ったわけですが、委員会といたしましては、さしあたりの問題になっております案件が三件ございます。一件は、前回委員会で御議論になりましたせんだっての予算案正誤に関する手続き上の問題につきまして、まだ完全な了解に達しなかったのであります。本日は、官房長官のほかに大蔵大臣及び政務次官、事務当局も列席いたさせまして、御疑念の点、御質疑の点がありましたら、十分聞きたいと、こう思っております。  第二件は、これも再三問題になっております人事案件でありますが、御承知のようにこれは衆議院では本日の本会議でこれを取り上げて承認する、こういう手はずになっておりまして、できれば人事案件でありますから、相呼応して参議院もやった方が、形からはよろしいかと思いますが、いろんなこちらの手続関係もありまして、多少延びたような形になっておりまして、本日本会議を開く予定になっておりませんので、できれば、明後日の本会議には上程できるという運びに、ぜひ取り運んでいただきたい、こう思っております。  次に、政府から提出予定法律案件につきまして、それぞれ政府側意向についてお質しをいただく、こういう段取りになっておりまして、きょうの委員会で、もしすべての案件が片づきにくいようでありますれば、明日議運をあらためて開きましてやりたい、こう思います。ただ明日は閣議の関係などもありますので、もし所管の大臣にというものがありますと、必要があれば、なるだけきょう中にそういうような関係のものは御質疑を願うなり取り運びをいたした方が、委員会運営としては便利ではなかろうかと思っておりますので、大体、以上のことをお含みの上、きょうの御審議をお進め願いたい、こう思う次第でございます。  政府は、もう間もなく来るという予定ですが……。
  3. 椿繁夫

    椿繁夫君 この間お願い申して、委員長からも善処していただくようにお願いしておりました、今国会政府から提案される法律案提出予定日一覧表並びにその説明等については、いつお願いできますか。
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) 提出予定日とその一覧表ですね。
  5. 椿繁夫

    椿繁夫君 そう。
  6. 安井謙

    委員長安井謙君) 委員長の方で承知しておりますのは、今予定法案についての一覧表政府が作っておるようであります。それで提出予定日とかということまで、明確に見当をつけておりますかどうですか。これはあらためまして、私の方からも聞き合せて御返事したいと思います。
  7. 椿繁夫

    椿繁夫君 この提出予定法案は、過般二十八日付でこれをいただいております。ただ毎国会で経験することなんですが、末期に、いつもこう法案が山積しまして、十分な審議ができないままで通過になってしまっておるという経験にかんがみて、今度は一つ提出予定日などを、これは、まあ二月の十五日ごろと言うても、そういうように実行できるかどうかは別としまして、大体の提出予定日というものを出してもらいたい。それによって院全体としての各委員会の進行について協力して参りますのが、この委員会の職責でもあろうと思いますから、非常に基本となるものですから、大切だと思います。ぜひ一つ委員長の方で善処してもらいたいと思います。
  8. 安井謙

    委員長安井謙君) 承知しました。今のお話、ごもっともでございますし、なるべく早く、政府からそういったものの提出できるように、私の方からも十分要望いたしまして督促します。  それから、きょう明日の委員会で、一応提出予定法案について政府説明を申し上げたいという場合に、なるだけそろうように努力はしますが、そろいませんでしたら、またあらためて御希望に沿うようにいたします。
  9. 光村甚助

    光村甚助君 大臣が来るまで……。  去年の八月でしたか、この国会は十二月に召集するのを常例とするということをこの前第二条で議論したのです——聞いていますか——ところが事務総長は、「常例とする。」 だからやはり十二月に召集しなければならないと、こう言ったのです、事務総長は。そうしたら、この前総理大臣は、予算案は十二月に出すのが常例になっているけれども、あれは常例だから出さなくてもいいんだ。一月でもいいんだ。こういうことを言っておる。そうすると、事務総長が去年私に答弁したのと大分違うのですが、事務総長、どうですか。
  10. 河野義克

    事務総長河野義克君) 「十二月中に召集するのを常例とする」と規定してありますから、十二月に、通常の場合においては召集すべきものだということを申し上げ、特に来年の一月でもいいんじゃないかと、予算案ができてから、したらいいんじゃないか、こういう御趣旨でありましたから、その点につきましては、憲法に、常会は、毎年一回召集するという規定がありますから、昨年の状態でいえば、まだ召集されてないわけですから、十二月に召集されなければならないと思いますということを申し上げたわけで、常例意味通常言われる常例、それが行われるのが、通常の場合ならば、それは当然だという意味に申し上げ、そうしなければならないという点については、憲法規定を引用してお答え申し上げたと承知しております。
  11. 光村甚助

    光村甚助君 それじゃ、毎年一回開いたらいいんだったら、十二月に開かなくてもいいんですね。臨時国会か何か、特別国会でも、一ぺん開けば、その年の十二月に召集しなくてもいいんですね。
  12. 河野義克

    事務総長河野義克君) 憲法の毎年一回召集することを要求しておる規定は、臨時会なり特別会を加えてのことじゃなくて、常会について要請しておりますから、臨時会がありましても、常会召集しなければならぬことははっきりしておると思います。ただ特別会は、特別規定で優先しますので、状態によっては常会規定召集できなかったら、特別会規定召集することはあり得ますけれども、臨時会を開いたから、その年は常会を開かなくてもいいということは、憲法規定からはあり得ないと思います。
  13. 光村甚助

    光村甚助君 かりにことしの五月かに解散をやって、召集しますね。そうすると、ことしの十二月は召集しなくてもいいんですか、常会を。
  14. 河野義克

    事務総長河野義克君) ことしの五月あたり解散があれば、憲法規定によって当然特別会召集しなければならぬわけでありますが、そういう場合には、十二月に常会召集さるべきものと存じます。それで、たとえば十一月ごろに解散をするということで、十二月の下旬あたり特別会召集し得る場合には、その格好召集されるわけであります。五月あたり解散されて、特別会召集されれば、別個に、常会は十二月に召集さるべきものと考えます。
  15. 光村甚助

    光村甚助君 十一月ごろ解散になって、すぐ特別国会が開かれた場合は、それを常会とみなすのですか、十二月のを。
  16. 河野義克

    事務総長河野義克君) 私が申し上げました十一月ごろ解散をしまして、十二月ごろ特別会の形で召集できる場合におきましては、国会法の第二条の二に「特別会は、常会と併せてこれを召集することができる。」という規定がございますので、この場合は特別会であるとともに常会である。常会であるという法律的な効果は、国会の会期が法定されて参ります、百五十日間。従ってその場合においては、特別会であり、かつ常会と、こういう格好になるのであります。
  17. 光村甚助

    光村甚助君 一年一回常会を開かなけりゃならない。そうすると、今開いているのは、去年の十二月に召集したやつの延長なんですが、それは昭和三十三年に開いているということにはならないのですか。もう一ぺんことしの十二月は召集しないのか。今やっているのは去年のものですか。去年度のものですか。
  18. 河野義克

    事務総長河野義克君) 召集期日が、暦年としては三十二年に属しますから、一応おっしゃった通りだと思います。それで、私が終始毎年一回開かなければならぬと思うというふうに言っておりますのは、憲法学説少数説だと思いますが、要するに、内閣がその恣意によっていつまでも国会召集しないという事態をなからしむる意味において常会を毎年必ず開かなければならぬということを要求しておるのであって、常会が一年のいずれかの期間に入っているならば、それでいいのであって、その暦年の中に必ずしも召集がなくてもいいという説もあるわけであります。実体的に常会が開会されておれば、この憲法の要請は充足されておるのだという考え方もあるようであり、立法の沿革的の趣旨には、そういうふうに考えられる節もございますが、やはり暦年のいずれかの期日召集日があるということが要請されておるというふうに解する方が国会立場からいっても、より多く常会召集が保障されるという格好になって望ましいのではないか。私は一応そう考えております。
  19. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは、ただいまの光村君の質疑は、その程度にいたしておきまして、大蔵大臣がもうすぐ来る予定になっておりまするから、その前に、前回会議に引き続きまして官房長官が今こちらに見えておりますので、もし官房長官の御質疑がございますならば、その方からやっていた、だいて……。  もうすぐ参ると思います。
  20. 小林孝平

    小林孝平君 まあいいけれども、大蔵大臣がお見えになると、また重複をしなければなり談せんからね。
  21. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  22. 安井謙

    委員長安井謙君) 速記を始めて。  大蔵大臣が御出席になりましたので申し上げますが、実は、予算案関係しまして政府から正誤表提出されました。この手続の件に関しまして、前回の当委員会におきまして、あの正誤表手続は、本質的にみて国会法五十九条によるところの議案修正に類するものではないか、もしそうであるとすれば、成規手続を経て院の許諾を求めなければいかぬ性質のものではないか、こういう御質疑があったわけであります。これに対しまして官房長官から、これはあくまで参考資料に対する正誤表提出であり、この手続上、そういった正誤を犯したという点については、全く遺憾の意を表するが、あくまで正誤表としてお扱いを願いたいという政府の見解を表明されましたが、時間の都合等もあって、十分意を尽すに至りませんでした。あらためまして当委員会大蔵大臣出席を求め、この点を明らかにしたい、こういう意向でございまして、少々大蔵大臣が御出席がおくれまして、今委員長が各委員からお叱りをこうむっている最中でございます。その点もお含みの上、一つ十分丁寧な御説明をお願いいたします。  それでは御質問をお願いいたします。
  23. 小林孝平

    小林孝平君 この問題は、最初衆議院で問題になりました。その結果、衆議院社会党からの追及で大蔵大臣釈明をされ、正誤表提出されるに至ったわけであります。そこで政府正誤表提出し、大蔵大臣釈明をされるに至ったことに関連しまして、衆議院ではこの訂正政府正誤表によって、修正されたのでありますが、この修正外為特別会計歳出入自身に直接関係するかどうかということに関連して追及され、この点はなお社会党といたしましては、衆議院におきましては疑義があるし関係するという考え方ではあるけれども、政府関係しないとおっしゃっているから、一応このままにいたしまして、先般のような措置がとられました。そこで衆議院においては、もし関係するなら、予算案の撤回、再提出の必要があるとして、この結果を将来に持ち越してあるわけです。ところがわれわれは、政府のこの正誤表による訂正修正が、こういうやり方だけでいいのか、これは合法的であるか、あるいは、単なる法律的の解釈ではいいと許されても、国会運営基本的な立場から、こういうことが許されるかどうか、こういう問題について、慎重に検討する必要があると思って、今お二人にこれから質問をいたします。  そこでこの誤まり——政府によって修正あるいは訂正されましたこの誤まりというものは、当初から政府はこれでいいと、当初お配りになりました貸借対照表、この数字でいいとお考えになっておやりになったことであることは明らかであります。従ってこれは正誤という観念から、ちょっと逸脱しているものだと思うのであります。それはあとから申し上げますが、それで政府は、ともかく当初はこれで十分検討されて、これは完全なものだと思って提出されたわけなんです。そこで私は、なぜこういうことを言いますかというと、この経過考えてみても、政府がこれでいいと考えたのは、インドネシアとの賠償に関する条約が、まだ批准されておらないから、批准されてから、これを訂正してもいい、一般会計から繰り入れる措置をとってもいいし、あるいは原資を少くするという措置をとっても、いずれにしましても、ともかく条約批准が済んでないから、これでいいと考えられたのだろうと思うのであります。  ところが、まずそういう考え方から、これは政府はその後訂正されたのでしょうけれども、条約批准が済まない場合あるいは法律が通らない場合でも、予算書にはどんどんこれも、批准されたもの、法律が通ったものとして予算が計上されることは、従来の例でも明らかであるから、これは政府は訂、正されたのだろうと思うのです。  それからもう一つは、この焦げつき債権の棒引きの分六百三十億、これは当初政府は、一般会計から外為特別会計に繰り入れるという考え方をとっておられたのでありますけれども、これはその後、いろいろ予算の編成が非常に困難になってきて、財源がないというのでおやめになった、こういう経過もありましょう。そこで今度は、そういうこともあるものだから、この条約批准されてないというので、このままお出しになったのです。ところがこの際も、このまま出そうというときでも、この貸借対照表をかえて、原資を変更して、減額して出すという考え方考えられたのでありましょうけれども、それは別個に減資処理法律案国会に提案して、これが通ったら、自然にこちらも解消するというような考え方に基いて、この表というものはこういう原案の通り出されたことは明らかであります。そういういろいろの経緯があったから、財政正誤表訂正され、そうして大蔵大臣も、全く異例の陳謝をされたのだろうと思うのであります。こういうふうに経過を辿って、明らかにいろいろの検討の末、この貸借対照表というものは出てきておるわけなんです。  そこで、当初からこういうふうに検討されて、こういうものが出て、大蔵省のこの予算書付属書類一切のその原本には、この訂正前の数字が載っているわけなんです。そうしてこの原本通りこれができてきた。ところがいよいよ追及されて、これに重大な誤まりがあるということを発見して、この数字を直したということは、これは従来の観念正誤とは、おのずと性格の異なるものであろうと思うのであります。こんなものが正誤なら、これは大へんなことになるおそれがあります。何でもかでも正誤でやる、こういうことになるわけです。それから正誤の意をちょっと別にいたしましても、これは明らかに修正であると考えられたればこそ、国会法の第五十九条の規定に基いて「内閣が、各議院会議又は委員会において議題となった議案修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。」こういうことを政府念頭におかれて、あるいは明らかに念頭におかれなかったかもしれませんけれども、少くとも潜在意識にそういうものがあったればこそ大蔵大臣は、この間、これは速記録を正式に見なければわかりませんけれども、あなたの御説明を聞きましたら、まことに遺憾であります、誤まりをいたしました、まことに遺憾であります。ここに正誤をいたしましたから何とぞ御了承のほどをお願いいたします。御了承のほどをお願いいたします。こういうことを言われたのは、正式に院の許諾を求める形式をとったものではありませんけれども、その精神にのっとって御発言になったものだろうと思うのです。また、愛知官房長官は、この前も指摘しましたように、その後当委員会において釈明をされたときも、誤まりをいたしましたから修正いたします。正誤表を出します。二回にわたってお話になりました。これは明らかに修正だと思っておるから、一片の良心がおありだから、そういうことをおっしやられたのだろうと思う。そこで私は、これはこの間も申し上げましたように、一ぺんお話になったら、これは間違いということもあるかもしれませんが、この責任ある官房長官が二へんにもわたって修正をいたします、こういうことをおっしゃったのは、明らかにその国会法第五十九条の規定に違反する、こういう立場から御発言になったのだろうと思うのです。、だから、当然これは政府立場から言えば、いろいろこれからまた御釈明になるでありましょうけれども、明らかに何といっても、修正であり訂正であります。そうしてさらに、この正誤とは一体何か、これは国会常識上あるいは世間の常識上、正誤というものは、原本に正しく書いてあったものが印刷の間違い、これは英語ではミスプリントであります、印刷の間違いでできたのを正すというときに正誤という言葉が使われておるのです。従来、ややともすると政府の部内においては、便宜上字句の一部修正等をこの正誤方法でやられるということも行われておりましたけれども、こういうふうに基本的な問題である、しかも、きわめて国際間の問題でもあり、こういう問題を、六百五十億にも及ぶこの経費、しかもこれは一般会計から補てんするという方法もあり、原資を削るという方法もある、こういういろいろの方法がある、このことを正誤でございますというようなことは、これは納得できぬと思うのであります。もし、かりにこういうことを認めますれば、今後これが悪用される結果になって、たとえば、衆議院で指摘しました——予算自身関係するとすれば——これは予算案を撤回し、再提出しなければならないと衆議院では主張されたのでありますが、そういう際に、こういう正誤表でもってやられるということになれば、こういう五十九条の規定すらも、これはじゅうりんすることはできると思うのです。そこで私はこの問題に対してどういうふうにお考えになるかということをただしたいと思うのであります。  そこで、この際ちょっとつけ加えますが、おそらく政府は、これは正確な予算案ではない、参考書類である、こういうふうにおっしゃると思うのです。この前も、官房長官はそういうふうにお答えになりました。しかし私は——事務当局はまだ資料を持ってごないが——過般、本会議が一月二十七日に開かれる予定が二十九日に変更になったときに、愛知官房長官に対して、この席上でお尋ねいたしました。どういうことをお尋ねしたかと申し上げますと、この二十九日には必ず一切の書類提出されますか。この政府のごたごたして、世上伝えられるように、圧力団体に屈して、重大なる政府最初基本方針と全く異なったような方向にいろいろ修正されて、予算案というものはできつつある、そういうような経過から見ると、二十九日までには間に合わぬのではないか、間に合いますかとお尋ねいたしましたら、必ず間に合わせるとおっしやる。その必ず間に合わせるとおっしゃったとき、私は重ねて念のために申し上げて、私は、予算案それ自体はもちろんでありますけれども、予算案に付属すべき一切の書類、これは従来、予算案提出されるとき政府提出された一切の書類を完備されますかと申し上げたら、いたしますと、官房長官おっしゃった。私はその際に、さらに、もしそれがいささかでも不備があったらどうします、二十九日の施政方針演説は聞くことはできませんがどうしますと重ねてお尋ねしたら、官房長官は、そんなことは絶対いたしません。さきに安井委員長は、そういうことはないと言われておるのでありますから、もしありましたら、その際あらためて私は善処いたします、こうおつしやった。ところがどうです。こういうことになった。この関係書類——私は念のために、こういうことが起るだろうと思って尋ねた。こういうことを言えば官房長官はおそらく、それは参考書だよ、こうおっしゃるだろうけれども、私は参考書であろうが何であろうが、一切の書類と申し上げた。しかもこの一切の書類と申し上げたけれども、これは財政法の第二十八条でございましたか、予算案に添付すべき参考書類として「左の書類を添付しなければならない。」という書類に該当すべき書類でります。従って愛知官房長官の先ほどの言明、これについては別に官房長官に責任をただしたいと思いますが、ともかく、そういう性格のものであります。それを単なる正誤表で一切をやる、われわれは、そういうことを認められません。しかも大蔵大臣は本会議で、何とぞ御了承のほどをお願いいたしますと、われわれに了承するかどうかということを尋ねられた。われわれはこれを、ただいまのところは、今後のことはわかりませんが、ただいまのところ、この御了承のほどお願いいたしますというあなたのきわめて御丁重の言葉ではございますけれども、了承できないのです。了承できません。了承できないと言えば、大蔵大臣は、これはただ念のためにちょっと言っただけだ、あなたがしなければ、しないでいい、こういうことをおっしゃるかもしらん。こういうことは、いやしくも了承して下さいとお願いしておって、しないと言ったら勝手にせいというようなことは、よもやおっしゃらないと思う。そういう態度は、やくざの態度に類似したものだと私は思いますから、これは御答弁まで私が言っておるようですけれども、安井委員長に申し上げますが、できるだけ議事をすみやかに進める必要があると、あなたが繰り返し言われるから、こういうふうな形式をとったのでありますが、今後御答弁があれば……。あらためて、私はこれだけ申し上げれば、おそらく大蔵大臣官房長官も、これはあらためて、修正だと、こうおっしゃると思いますが、念のため御説明願います。
  24. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 今のお話の点で、違っておると思われる点をまず申し上げます。  インドネシアの焦げつき債権処理につきましては、インドネシア賠償とも関連いたしまして、政府方針がきまっておりますことは御承知通りであります。従いまして大蔵省としても、この方針に従うことは言うまでもありません。ゆえに大蔵省としては、この焦げつき債権を引くということは、当初からきまっておったわけであります。私はそういうふうに承知をいたしております。ただ印刷の上におきまして、私、はなはだ恐縮なんですが、見ていなかった関係もありまして、そういうことになったのでございます。まあいろいろ検討が少なかった点から申訳なかったのでございますが、それは正誤表ということになったわけであります。(「聞えない」と呼ぶ者あり)  それからもう一つの点の、この一般会計からこの財源に入れておくということは、これは、私は当初から考えておりません。これは特別会計の中におけるこの資産の減額になるのであります。この特別会計の内部で処理をする、これは当初の方針通りでございます。この点は、今お話のありましたことでありますから、この点は明らかにいたして、御了承を願いたいと思います。  それからもう一つ国会法の点。これはまあ私、しろうとでかれこれ言っても、はなはだなんですが、この点について法制局で十分検討願っております。これはその結果でありますが、私自身は、これはこの議案参考書類、こういうふうに考えて、審議の対象になる議案とは考えていない。国会法規定には当らない、かように考えております。
  25. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 小林委員の御質疑に対しまして、大体前回申し上げたと同じことを繰り返すことになるかと思いまするが、その点をあらかじめ御了解を願うようにいたしたいと思いますが、前回も申し上げましたように、このただいま御指摘になっております事項は、この特別会計の予算書の中でも明瞭でございまするように、添付書類として、予算参考書として出しておりまする中の一部分の数字でございましたから、これを正誤をいたしたわけでございます。従って、ただいま大蔵大臣答弁されましたように、国会法の第五十九条に抵触するものではない、こういうふうに私は考えておるわけでございます。  なお念のためでございますが、小林委員の御指摘のように、この書類全体は、財政法第二十八条に規定されておるところの参考書類でございますが、第二十八条によりますると、「国会提出する予算には、参考のために左の書類を添附しなければならない。」となっておりまするその中の一つに該当する、ものであります。こういうふうに考えておるわけでございます。  最後に、前回、私そのときに直ちに訂正をいたしておりまするように、これは先ほども申し上げましたように、第五十九条にいわゆる議題となった議案修正ではない。私は修正という言葉を使いました点は、その際すぐに取り消して申しておりまするように、議題となった議案修正という意味を申し上げたわけでは毛頭ございませんので、その点もあわせて御了承願いたいと思います。
  26. 小林孝平

    小林孝平君 国会法の五十九条の議案、この解釈、これは非常に疑義があると思うのです。広義に解釈すれば、この財政法の二十八条によって添付書類としてつけなければならぬと、こういうことになっておりますから、広義に解釈すれば、これは議案の一種であることは間違いないと思う。これは法制局はどういうふうに解釈するも、それは法制局はあなた方の立場を守るために、そういうふうに解釈されるかもしらぬけれども、この解釈については、なお疑義があると思うのです。しかも今特に重要なのは、官房長官は、私はこの国会法五十九条の議案としての修正、これは後ほど速記録を見ないとよくわかりませんが、この国会法五十九条の議案修正ではない、こう言われた。だから少くとも国会法五十九条の、あなたの解釈に従って五十九条の修正ではないかもしらぬけれども、議案修正ではないかもしらぬけれども、あなたの説に従っても、財政法二十八条の規定による添付書類修正であることは間違いない。あなたはあくまでも、これを正誤とおっしゃっている。正誤というのは、従来の国会の慣例からいえば、このようなことは正誤でやった例はないのです。これは日本語でも英語でも正誤というのはこの原本にあったのを、印刷の間違いでやった場合にこれを訂正するのが正誤です。こんなことは明らかでありまして、これは従来やや悪用いたしまして、政府法案提案後、特にこれは進駐軍の関係があって、翻訳等の関係から、この法案の一部を後に修正しなきゃいかぬというようなことになったときに、ごくわずかのものについて行われた例がありますけれども、それも独立後は、そんなことはおかしいのです。進駐軍のおった当時でも、占領当時でも、こういう重大なことを正誤でやったことは例がないだろうと思う。現に昭和二十四年の十二月の十二日に、政府は公共企業体の労働関係法の第十六条の第二項の規定に基き国会の議決を求める件を提案いたしまして、その後この提案いたしました内容に不備の点があるということで十二月の十九日に内閣総理大臣から、これを訂正を求めているわけであります。またこれは当時衆議院先議になっておりましたけれども、内閣総理大臣から参議院議長に、この訂正を願いますということが正式に来ておるのです。そのときの訂正の部分よりも、今回の六百何十億のこの訂正の方がよほど大きい重大な問題なのです。こういう先例からみましても、明らかにこれは修正もしくは訂正の、この五十九条の規定によらなくとも、少くとも訂正ということで国会釈明をする必要はある。こういうことを許しますれば、今後、先ほども申し上げたように重大なるこれは国会運営に支障を来たす、混乱を来たす、こういうふうに考えるのです。その点いかがですか。
  27. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 先ほど来申し上げておりますように、要するに、これは添付書類の中で参考として提出いたしたものであって、そうして、しかもこの前回も詳しく御説明いたしましたように、外為特別会計予定貸借対照表の中の数字でございます。  それから、先ほど大蔵大臣の言われましたように、これは政府として、この点の数字印刷に間違いがあったというので、この数字正誤いたしたものでございますことは、たびたび申し上げました通りで、私どもの見解は、まあそういう経過に立っております点は、御了承願いたいと思います。
  28. 小林孝平

    小林孝平君 これは大蔵大臣官房長官の御答弁、食い違っています。大蔵大臣は、印刷の間違いでないと、自分が目を通さなかったから、これはこういうことになっておったのだと、こう言っている。官房長官は、これは印刷の間違いである。印刷の間違いじゃありませんよ、これは。
  29. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 私、ちょっと、今官房長官と食い違いがあるとおっしゃいましたが、これを落すことにきまっておった。だから、これはむろん印刷で落したところがあるのじゃないかと思うが、私が見るのがおくれまして、そういう関係から、正誤がおくれた。そういうふうに感じております。
  30. 小林孝平

    小林孝平君 それはおかしいのです。原稿が間違ってたことを認める。その間違った原稿に基いて、あなたは見なかったかもしらぬけれども、大蔵省政府としては、これは見ておる。そんなことを言いわけになりません。あなたが全部見るわけにいかぬじゃないですか——一々数字をこういうことでいいと。しかもこういうやり方も、政府としては先ほども申し上げたように、このやり方は、一般会計から入れる方法もあるし、これは、そういうことを考えなかったとおっしゃるかもしれませんが、こういうやり方もあるし、原資を少くするという方針もある。いろいろある。しかもこれでいいということで、これが印刷された。もしそういうことでなければこういうことにならぬのです。
  31. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 私の言葉が不十分でありまして、誤解を生じたようであります。  今度のことは、やはり原議と印刷との食い違いになっております。原議は間違いない。こういうことであります。
  32. 小林孝平

    小林孝平君 ちっとも聞こえませんよ。
  33. 安井謙

    委員長安井謙君) 聞こえないそうですからもう一ぺん言って下さい。
  34. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) それでは私の言葉が足りないために、誤解があるといけませんから申し上げておきます。  今度のことは、原議は正しいものが出ておりますが、原議と印刷が食い違っておる。こういうことであります。さよう御了承願います。
  35. 小林孝平

    小林孝平君 そんなばかなことはないのですよ。だれが印刷したか知りませんが、この原稿をこんなふうに印刷する、間違いをするということはあり得ないじゃないですか。しかもそういう原字と印刷したものを読み合せもしないで出したということなら、これは事務当局の重大な責任ですよ。こういう膨大な、重大な書類を読み合せもしないで、しかもこれは正誤で出されたものでないでしょう。そんな子供だましのようなことをいわれるなら、僕らも質問するのはやめます。もっと統一ある見解を、追及されたら、こういう重大なことなら、少くとも間違ったことでも、ちゃんと打ち合せてきてもらったらどうです。ここでいろいろメモなんかもらってやるから、そういうだんだんおかしなことになる。官房長官と二人の間で食い違う。さらに主計局長が——私は主計局長は、そういうことをいうと、あなたの進退にまで及ぶと悪いから、主計局長はこなくていいといったのです。とんでもないことをいうじゃないですか。これは原本が正しくて、そうして印刷が間違っておる。この印刷は一体どこでやったのです。こんなばかなことはだめです。委員長質問は、ばかばかしくてやれないじゃないですか。
  36. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 実際に扱った主計局長から一応……。
  37. 小林孝平

    小林孝平君 私は、主計局長から聞く必要ないですよ。これはあなた、今、自分が見なかったからと、こういうこれからいろいろやりますが、これはまだ序論なんですよ。これで、こんなにつまづいていれば、今後ことごとに何時間やってもきりがつかぬですよ。一体こういう無責任なやり方というものがありますか。原本にあって、これは印刷の間違いである。それは印刷屋に責任を負わせればいいということで、そういうことを考えたかもしらぬけれども、これは役所の書類印刷するのには、読み合せというものをやるじゃないですか。それすらもやらないで、そんなずさんきわまるものを国会に提案し、そんなものを審議せいとは、一体何です。
  38. 安井謙

    委員長安井謙君) 小林君に申し上げますが、議事進行の関係で、島村君と佐野君の発言が出ております。
  39. 島村軍次

    ○島村軍次君 ただいまの問題は印刷の誤りか、大蔵大臣はその印刷を見なかった、こういうところに論点があるように思います。経過について、この間の経過は主計局長が一番よく御存じでありますから、一応主計局長から経過を承わることをお願いいたしたいと思います。
  40. 佐野廣

    ○佐野廣君 私も同様、大蔵大臣官房長官の御返事に不満であるから、一応、島村君のおっしやる主計局長から、経過を聞かしていただきたいと思います。
  41. 小林孝平

    小林孝平君 私は、大体主計局長の出席を要求しなかったのです。またお話がありました当時拒否いたしたのであります、最初は。経過を聞くといっても、これは政治問題です。私は先ほどもいっておるように、国会法第五十九条の規定だって、いろいろ疑義がある。こちらからいっております。追及の仕方は、これに違反しておるというやり方とか、やり方はいろいろありますけれども、疑義があるということを認めて、政治的にこういうことは許されないというので質問しておるのであって、主計局長のいうことを聞いたってだめですよ。しかも主計局長が渡したメモは、——原本は正しかったが、印刷が間違った。——こんな主計局長の答弁を、ここで聞くのは反対ですよ。
  42. 佐野廣

    ○佐野廣君 そうおっしゃるけれども、私は話を聞いて、判断する上において、私はやはり聞きたいですね。
  43. 安井謙

    委員長安井謙君) 小林君に申し上げますが、小林君は、なるほどこの委員会においては、大蔵大臣答弁を求めるのであって、事務当局答弁を求めるつもりじゃないというけれども、やはりこういう趣旨お話が事前にあったことも事実であります。しかし事柄が、やはり実際上の手続に関する問題でもありますし、大蔵大臣を当然補佐する政府委員というものが、これは出席する方が便利だと考えまして、委員長は主計局長の出席も求めております。ただいま島村君や佐野君から、一応事の事情について、主計局長の事情の説明を求めたいといっておりますので、その発言を許したいと思いますが……。
  44. 椿繁夫

    椿繁夫君 議事進行についてですが、ただいま主計局長から大蔵大臣にお渡しになりましたメモ、それによってなおもって、ますます了解のできないような経過説明があったわけです。それから官房長官との話の筋合いもだいぶ違いますから、一つ政府の界解を統一してもらわぬと、これはどんなに当局から、事務的な間違いの起った説明を聞きましても、両大臣のこの本委員会に対しての御説明が、私どもちょっと納得ができませんから、一つきょうは質疑はこの程度にして、政府の見解を統一してもらって、そうして明らかにしてもらって、その上で質疑を続行するということに一つお取り計らいを願いたいと思います。
  45. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいま椿委員から、御発言のような御提案があって、政府部内で多少意見の食い違いがあっても、かえって混乱するから、できればこの際それを統一されたらどうかという御提案がありましたが、それに先だって島村、佐野両委員の御提議の、一応主計局長の御意見を聞いておきたい、こういう御意向もありますが、この点につきまして島村君、いかがでしょうか。
  46. 島村軍次

    ○島村軍次君 政治的なるがゆえに、これは、小林さんの言葉をつかまえるようですけれども、政治的な問題なるがゆえに必要ないということは、ちょっと当らないと思います。私はどこまでも食い違いがあるかないかということの判断をするために、これはやはり一応、主計局長に今日までに至った経過を事務的に、一つ釈明願うということは、その判断の上に、大いに役立つものだと、さように考えますので、さような提案をいたしました。
  47. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは鳥村君の御要求もありますので、この際、主計局長から、この正誤を出すに至った経緯につきまして、事務的な説明を求めます。
  48. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) ただいまお話のございます、インドネシアの請求権の放棄に伴います正誤関係につきまして申し上げます。  先ほど大蔵大臣からお話がございましたように、この請求権の放棄に伴いまして、外国為替特別会計の資金を減額して整理をいたそうという話につきましては、さきに御決裁を仰ぎまして、それで筋道をきめてるわけでございます。で、今度は、印刷の問題になるわけでありまするが、政府一般会計、各特別会計を通じまして、正式の歳入歳出、あるいはその添付書類にいたしましても、それは各担当の係において印刷の原稿を作るわけでございます。その印刷の原稿を作るときに、そういうような決定をみんな頭に置いて喜原稿を作りまして、それを印刷に回すわけでございます。その際に見落しがございまして、印刷局に回りましたところの原稿が、省議の決定を仰ぎましたところと食い違っておったと、それを後になって発見をいたしたわけでございますので、これを正誤の形で出しておる、こういう次第でございます。
  49. 柴谷要

    ○柴谷要君 今の主計局長の答弁と、先ほど大蔵大臣の御見解とは違うですね。原本が間違ってはいないが、印刷が間違っておったと、こういう……、いいですか、原稿は間違っておらなかったけれども、印刷が間違っておったと、こういう先ほどの御答弁。ですから、私どもの申し上げるのは、こういう先ほどの第二回の大臣の御答弁にならない前の見解で統一をされておるならばいいんです。ところがそうでなくて、第二回目には、また論旨の違ったことを言われておる。それが何かといえば、主計局長から渡されたメモによってやられた、ところが、主計局長が立たれたことになると、三様のことを言っておられる。これは速記録でよくお調べ願えばわかるが、三様のことを言っておられる。こういう政府の見解では、われわれは議論をいつまでしても始まらないが、一つ政府の見解を統一をして、政府は、こういうものだと、はっきりしたものを一つ議運に諮っていただきたい。私どもは、衆議院では議運に少くともかかって、大蔵大臣が議場で陳謝をされるということは、議運で決定されてやられた。ところが参議院は、そういう経緯をとっておらない。本会議冒頭に、これは議長権限でやられたと思うんですが、大臣発言を許して陳謝をされておる。議運にかかっておらない。ここにも私に言わしむれば、参議院軽視の傾向があるんじゃないですか。そこで私は、そういうものをあえて追及しようと思いませんが、少くともこういう大事な問題ですから、政府の見解を統一をして、どなたがお上やべりになっても同じことを言われるような、一つ統一した見解を議運に諮ってもらいたいと思う。私は議運の権威にかけても、そういう方向をとってもらいたい。そのためには、暫時の間休憩をして……。
  50. 安井謙

    委員長安井謙君) 委員長としてお答えをいたしますが、大蔵大臣が本会議釈明——陳謝をされましたことのいきさつは、当時御承知通り豪州議員団が来ておられて、そこで、議運にまで諮って十分な御意見を戦わすひまがないから、あらかじめこれは、午後からの議運で諮った上で本会議大蔵大臣の陳謝を求めちゃどうかという話も出たんでありますが、しかしこれは、こういうことは早い方がよかろうという理事会の御決定で、冒頭にあれは陳謝をしていただいたわけであります。  それからただいまの食い違いという点につきましては、あるいは大蔵大臣、または官房長官も、あるいは言葉が十分でなかったかもしれませんが、今のいきさつについては、主計局長のお話をもとにして考えれば、必ずしも行き違いはなかったように委員長は受け取っております。そこで、まあ御質疑があれば、もう少し続けてみたいと思います。
  51. 小林孝平

    小林孝平君 あなたは食い違いはないとおっしゃったけれども、これは重大な食い違いがあります。片方はそういうふうに言うんですが、もうきまっておったんだけれども、それは回さないで、そうしてこういう書類印刷に回した、その結果こうなったと、こう言ったんです。大蔵大臣は、これは印刷の間違いである、こう言われたんです。全然違います。  それから、もしかりに主計局長のおっしゃったようなことを是認いたしましても、これは重大なる問題ですよ。かりに将来、これは悪意を持ってだれかが、この重大なる予算案自身について、省議で決定された書類と違うものを印刷に回した場合も、こういうことを是認してその責任を追及しないというようなことになれは——将来起るかもしれない——そのために、政府が総辞職しなければならぬような段階になります。一人の官吏の手続の間違い、それが故意であるか、偶然であるかしらぬけれども、そのために内閣が、場合によれば総辞職しなければならぬというところに追い込まれる。そんなことを軽々しく、おそらく主計局長は苦しまぎれに答弁をいろいろ考えられてやられたことと思うのです。だからこういう主計局長に、心ならずもいろいろのことを発言させるのにしのびないので、私は出席を拒否したんです。これからさらにやれというなら、やればますます支離滅裂になるおそれがあるから、これではみんなが困るから、そこで暫時休憩して、もう少し統一あること、聞いてなるほど——僕らもそんなむちゃなことを言っておるんじゃないんです——なるほどと思うことを言ってもらえば、五分くらいで終るでしょう。だから休憩したら——。  何か委員長は強行しなければならぬことがあるんですか、理由が。
  52. 椿繁夫

    椿繁夫君 小林委員の御発言も、今回の正誤に関連して、これは単なるこれまでの社会通念としての正誤表ではない。従って国会法五十九条に基く手続をとるべきかどうかということについて、先ほどからの質疑があったわけです。ところが政府の御見解は、伺っておりますというと、どうもその十分お話し合いなさらぬままに、正誤表一点張りで、これは全くの正誤でございますということだけをつじつまを合わされて、こういうわけで、こういうことになりましたというお話し合いが十分両大臣の間についていないように思われます。従って別に他意があるわけではありませんから、十分に政府の方、主計局長をお加えになって、どなたが答えられても、一貫した、統一した見解で、われわれの審議を進捗するための御答弁をいただきたいと思いますので、どうか暫時、一つ休憩して下さい。  その間十分政府の見解を統一して本委員会に臨まれることを車ねて希望いたします。
  53. 島村軍次

    ○島村軍次君 一応私の発言で、主計局長の説明を聞いたんですが、せっかくの御発言もあるようですし、五分間休憩されたらどうですか、提案いたします。
  54. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいま島村君から、そういう御提案がありまして、ただ話の食い違いがあったままに休憩したということでいいか、あるいはもし大蔵大臣の方で、もう少し補足して、この際つけ加えておいた方がよかろうということがありますれば、御答弁願いますか、それとも、今のような御提案があるので……。
  55. 島村軍次

    ○島村軍次君 私の休憩の動議は、こういう問題を、見解を統一するとかどうとかいうことは、もう少し審議、検討を要すると思うのです。  そこで一応政府の方でも、休憩中に御相談になって、あらためておやりになるか、あるいはそのままで、今までの見解通りでおやりになりますか、そういう問題について、一応正式な休憩にしてお考えを願うということも、余裕を与えるゆえんではなかろうかと思いますので、五分間の休憩を提案したのです。どうぞ社会党の方も、そんな意味で御賛成を得たいと思います。
  56. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは、ただいま議論が錯綜したようでありまするから、しばらく気を抜くために、島村委員から五分ほどと言われましたが、  どうでしょうか。    〔「暫時休憩」と呼ぶ者あり〕
  57. 安井謙

    委員長安井謙君) 暫時休憩しまし  て、おおむね十二時半くらいにしますか。
  58. 椿繁夫

    椿繁夫君 暫時休憩にして、理事会  でお諮りを願って……。
  59. 安井謙

    委員長安井謙君) その前に、大蔵大臣から一言……。
  60. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) ちょっと今、さっき私が原議と言うたのを、大蔵省の決裁のことを、原稿とおとりになったのではないかと思いますが、さっき私は、原議と言いまして、これは、大蔵省の決裁と、印刷の過程が間違っておるというので、原稿と印刷が間違ったというわけではないのです。  一応訂正いたしまして、そのことを明らかにいたしておきます。
  61. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 今休憩でしょう。
  62. 安井謙

    委員長安井謙君) いまだ休憩前でございます。
  63. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それでは主計局長に、一分間だけお聞きしたい。  一つだけお聞きしたいのですが、あなたは局長になられるまでに、大蔵省に相当お勤めになったでしょうし、また今後も何年おられるかわかりませんけれども、最前小林委員や椿委員から申し上げた通り正誤というものに対するとり方が非常に違うのです。私どもとあなた方とでは違う。しかし、私どもにとっては一般会計とか特別会計とかは別にして、六百三十億、一億七千万ドルの金額ですから、こういうものを落したり、つけたりするのは私どもは重大な問題だと考えているわけなのです。大蔵省はこういうような多額な金額が間違った場合、今まで簡単に正誤表で直したり、今後もまた、正誤表で直せるとお考えなのですか、その点だけをちょっと伺います。
  64. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 役所は役所としての意見をきめますのに、先ほど大臣は原議という言葉をお使いになりましたが、何らかの決裁をもっていたすわけであります。それに基きまして、こういうような予算なんかの場合には、いろいろな数字がきまるわけでございますが、この場合に印刷をいたします原稿と原議とが常に照合せられ、それを頭に置いて照らし合わせて作られなければならぬのでございますが、御承知のように、本年は、相当事務が錯綜いたしたものでございますから、いろいろな条件で、相当にむずかしい仕事をやらなければならなかった。従いまして、今申し上げましたように十分に役所としての原議と印刷そのものとの聞の照合が足りなかったために、それが今回正誤表としてお願いいたした次第であります。  従来も昔から、正誤というのはできるだけ避けるようにいたしておりまして、戦前には、比較的時間の余裕があったものですから、正誤が少かったのですが、最近は、非常に努力はいたしておりますけれども、やはり正誤がふえる状況になるのでございまして、この点は、事務局として、はなはだ遺憾に存じておりますけれども、今回御指摘をこうむっておりますものも、そういうようなわけ合いで、時間的に相当急いだ仕事をいたしましたために、こういう正誤表のような事態に相なったわけであります。そのわけは、今私の申し上げたようなことでございます。
  65. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 重ねておそれ入りますが、私の聞くのは、そういうことじゃないのですよ。正誤表を出すなら、われわれは文字の間違いとか、あるいはテニオハの違い、こういうように解釈しているのですが、大蔵省は、今まで何十年、何百年間に、何百億という数字を記帳されなかったことがあっても、これは簡単な正誤表でもって、今までも解決しているということですか。将来もこういう何百億かの正誤をやって、大蔵省はあなた方事務官僚としておやりになるのですか。将来はどうなんですかということをお聞きしているのであって、今度の予算は、各省の泥沼試合があったから急がしくてと……、そういう弁解を聞いているのじやございません。
  66. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 数字の非常に多い予算処理のことでございますので、正誤をいたします場合に、相当な部分が数字正誤に相なるわけであります。その数字が、大きい場合もございますし、小さい場合もございますし、今申し上げましたような単純なミスプリントもございますし、そうでなくて、原議との照らし合わせが不十分であったという場合もございます。これはそのときによりまして、金額にはいろいろ大小がございますので、今どの程度の前例があったかということを頭においておりませんが、毎年正誤の数は、相当の数に上っておりますので、金額的には、ある程度大きい金額も従来あったかと思います。  いずれにいたしましても、今後正誤をたくさんするというつもりと申し上げているわけじゃございませんので、これからは非常に気をつけまして、数字正誤もできるだけ避けるようにいたしたいと思いますし、ことに大きい数字正誤は避けたいと思います。事柄の性質と申しますか、予算書は、数字が出るものでございますから、ときどきやや大きな数字に相なることがあるわけでありまして、将来のところは、そのときどきのケースによるわけでございます。
  67. 安井謙

    委員長安井謙君) 暫時、休憩いたします。  なお本会議の都合もございますので、なるべく早く再開したいと思います。おおむね十二時半にいたします。    午後零時七分休憩    ——————————    午後四時五十一分開会
  68. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。  先ほどの、休憩後の委員会で、衆議院の本会議もあることだから、本会議終了後直ちにということに申し合せをいたしまして、少し時間もおそくなりまして、大へん御迷惑をかけましたが、明日は大蔵大臣官房長官も都合がございまして、今これから始めていただきたいということに、私の方からも委員の皆さんにお願いをした次第でございまして、これから先ほどの、質疑を続行していただきます。
  69. 小林孝平

    小林孝平君 先ほども、これはあくまでも正誤だ、印刷の間違いであるというようなお話でありましたけれども、それは当初、大蔵大臣が、これは原稿がそうなって、印刷の間違いだとおっしゃったのだけれども、その後さらに訂正されて、今度は原議にそうなっておるというお話でありました。ところがこの原議という意味が、今回の関係書類の原稿を印刷に回す際に、その原稿を全体について決裁を仰いだものなら、それは原議でしょう。そうじゃないのです。その主計局長のお話はこのインドネシア賠償関係して、六百二十億のこげつき債権の棒引きの問題は、外為特別会計原資を減らすということで処理するという書類の決裁を大蔵大臣に仰いだのであって、何も原稿全部の原議ではないはずなんです。だから、その点からもおかしいのですけれども、そんなことを言っても仕方がありませんから、それよりも根本的に、一体正誤とは何だ、政府はどの点まで正誤というのか。先ほど申し上げたように、公労法の関係で議決を求める件のごとき、きわめてささいな問題でも訂正の正式の書類を出されておるのに、今回のこういうものは正誤表でやる。正誤とは一体何だ、政府がどう言おうと、国会がどういうふうに認めるかということは別個の問題であって、議院運営委員会として、正誤とは何かという統一した見解をやらなければいかぬと思うのです。これは委員長は非常にお急ぎかと思いますけれども、そうはいきませんよ。この正誤とは何かというのは、今、政府の見解も聞きますけれども、それとは別個に、この議院運営委員会において、正誤とは何か、どの程度のものは正誤と認めるか。こういうことをやらなければいかぬのであって、念のために申し上げますが、本日の間には合いませんから、そのお含みで議事を進めていただきたい。そこで政府の見解を伺いたい。正誤とは何か。
  70. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 正誤とは、前々から申し上げておりますように、今回の場合は、参考書としての外為の予定貸借対照表数字に誤まりがございましたので、これを正誤する。こういう意味でございます。
  71. 小林孝平

    小林孝平君 そんなことはわかっています。正誤とは一体どの程度のものを言うか。先ほど申し上げたように、正誤というものは印刷の誤植を正誤というのが正当でありましょうが、誤植でないものまで言うか、誤植の場合でもどの程度まで正誤と言うか。これを無限に拡大しておったら大へんなことになります。法案の内容、あるいは予算案の内容にわたるべきものも正誤だというようなことで、あとから幾らでも訂正できることになりますから。では、一体正誤とはどういうものであるか。
  72. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 正誤とは、今回の場合には正誤表提出いたしました。こういう場合に数字印刷に誤まりがございましたので、正誤するのを正誤と、こういうふうに考えております。
  73. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと官房長官、実は小林君の御質問は、政府国会なんかに書類提出されたあとの正誤ということを言われるが、この正誤というものは一般論としてどういう内容のものかということを聞いておるわけでありますから、その点、御答弁願いたい。
  74. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは法律案とか、あるいはそのほか何と申しますか、審議の直接対象になる部分で内容を変更するものについては、これは正誤を私はすべきじゃないし、できない、こういうふうに考えております。
  75. 小林孝平

    小林孝平君 それは全然問題が違いますよ。議案であろうが、議案でなかろうが、国会に提案されたものについて、正誤ということはどういうことを言っておるのか。それで官房長官は非常に警戒をされまして、いかにも今回出した貸借対照表というものは軽微のものである、だからどんなことをやってもいいのだ、煮ても焼いても切っても張ってもいいというような御説明であっておやりになろうとしておる。それはおかしいと思うのです。それだってこれは財政法二十八条に基いて、必ず添付しなければならない書類なんです。それを軽々しくあなたが取り扱おうとしておる。そうはいきません。また、そういうような取り扱いをするから、そういう考え方があるから、こういう誤植をやるのです。何でもいいものなら大蔵大臣は陳謝されなくてもいい。これはやはり重要な問題です。これは私の言っておるのは、正誤とは、  一体国会に提案するものについていろいろの書類について、正誤というものはどういうものと考えておるかということをお尋ねしておるのです。これはおそらく御答弁ができないと思うのです。御答弁ができないと思うから、明日まででいいから、はっきりとして、先例その他を調べて、何回も同じことを言わぬような回答をされたらどうですか。
  76. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは、ただいまのお尋ねに対しては私が御回答申し上げることは、要するに、何べんも同じことを申し上げて恐縮でありますが、参考として添付すべき書類の中で、そうして予定された貸借対照表の姿をお示しした、その数字に誤まりがございましたので、これを正すのを正誤とすることをお願いをしたわけであります。従って決して、何でもかんでも正誤がそれじゃできるじゃないかというようなお尋ねが先ほどございましたが、そういうふうには考えませんので、この場合のこれについては数字印刷に誤まりがございましたから、正誤をお願いした、こういうふうに考えております。
  77. 小林孝平

    小林孝平君 それは政府はそういうふうにお考えになるかもしれませんけれども、正誤をそういうように解釈をしておれば、今後重大な国会審議に支障を来たすと思うのです。そこで私たちは議院運営委員会独自の立場から、これを検討しなければならない。さらにこれを正誤として取り扱っていいかどうかということを独自の立場でやらなければいかぬ。そのほかに、これは印刷の間違いとまた言われましたけれども、印刷の間違いでないことは、先ほど繰り返し、繰り返しやっているじゃないですか。そんなことをまたやるということは私おかしいと思うのです。従って、委員長、こういうことではだめですから、ちょっと休憩をして、はっきりしたらどうですか。いいかげんの答弁ばかりじゃ困るじゃありませんか。
  78. 椿繁夫

    椿繁夫君 これはちょっとお尋ねするのですが、今の小林委員の御質疑中ではありますけれども、仮定として、百歩譲って、官房長官の再三の御説明のように、これは考えておったことと違う印刷であったから、まともに直したんだ、それを正誤というのだ。こういうふうにかりにとるとして、将来、正誤表を出されたときには、そのつど主管大臣がこの間のような手続を両院の本会議にとられるつもりで、正誤表であるからということを官房長官重ねて言われるのですか、どうですか。将来の御方針をちょっと聞いておきたい、関連して。
  79. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) まず第一に、こういうふうな正誤しなければならぬような事態は、できるだけ起さないように今後十分に注意をいたさなければならぬと考えておるわけでございます。それから、こういうふうな事態が将来起った場合はどうかというお尋ねがございましたが、私どもとしては、正誤いたしますについて、国会運営を円滑にやっていただくということの観点から、今回は大蔵大臣から議場におきまして釈明をさせていただいたわけでございますけれども、今後はこういう事態を、絶対にと申しますか、まあ絶対に起さないように、決心としてはいたしておるようなわけでございまして、こういう事態を再び起して、さらに御迷惑をかけるような事態は避けたいと、このように考えております。
  80. 椿繁夫

    椿繁夫君 ではこれから、あるいは絶対になくなるかもわかりませんが、これまではしばしばあったことです、正誤表をちゃんと政府提出文書の中に入れて配付されておりますことが。ところが今回は、単なる正誤であったにかかわらず、両院において大蔵大臣から、何と言いますか、陳謝の意を表明され、しかも御了解を願いたいという意味の御発言があったわけであります。これが将来、大蔵省ではなく、あるいは通商産業省の、あるいは防衛庁のこういう書類の中に、一たん提出したもので、あとで印刷の間違いに気がついたというような場合には、主管大臣が一々こういう手続をおとりになる御方針でありますか、あった場合。
  81. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私は先ほど申し上げましたように小さな正誤は別として、そのほかはこういう事態はなるべく起さない、絶対に起さない決意でおりますけれども、万々一にもそういうことが起りまして、国会運営上御支障をかけるというような場合には、私はやはり誠実な謙虚な態度でお願いをいたすべきものと考えております。
  82. 小林孝平

    小林孝平君 それならば、先ほど申し上げたように、公労法の問題で国会に議決を求める件を提案されて、それを訂正されて、ちゃんと総理大臣から書類を出されています。こういう手続をとったのは明らかに誤まりですか。
  83. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 今おあげになりましたものが誤まりとは私は言えないと思います。
  84. 小林孝平

    小林孝平君 そうすれば、あれは重要性においてこれより軽いのです。それなら今回もそういうようにやったらいいじゃないですか。
  85. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 先ほど来申し上げておりますように、今回の場合は、まあ御承知のような事柄でございまして、それから前の公労法の場合のはこれと相当違うのではなかろうか。その御提案をいたしましたものに関連する相当重要な事態の変更と考えて、その当時手続をいたしたものでございます。こういうふうに私は理解しております。
  86. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと小林君、法制局長官も来ておりますので、もし何でしたら、先ほどの御質問について一点御説明を聞かれたらどうでしょうか。
  87. 小林孝平

    小林孝平君 いや、私はただいま申し上げておるように、これは単なる法律の解釈とか、そういうものでない。そういうことをやるのでないということを私は最初に申し上げたのです。これはいろいろの解釈はあります。それよりも、むしろ政治的に考えて、今後こういうことは非常に悪例になるのじゃないか、また悪用されるのじゃないか、そういうことを防いでおかなければならぬじゃないか。これはえらい重要な手続が要るならば、それは困難ですけれども、これは簡単なんです。正誤というものはミスプリントなんだから、今回はミスプリントでないのですから、これは訂正しますという文書をお出しになったらいかがです。こういうことを言っておるのです。そこで、そういう意味合いから、私は主計局長や法制局長官の御出席を要求しなかったわけなんです。また、せっかく御出席になっても、けさほどのように主計局長が答弁することによってむしろ混乱を来たす、こういうことになります。そこで、先ほどからこれはさっぱり誠意がないのです、こういうことではね。さっぱりわからぬじゃないですか。もともとこれは印刷の間違いであると言うけれども印刷の間違いでないことも明らかです。それからこの正誤の解釈だってはっきりしない。また議院の方から言えば、この正誤表が来たとき、議院運営委員会として、この正誤でいいかどうかということは、われわれが判断しなけりゃならぬ、こういう重要な問題については。こういうことも今回は行われなかった。こういうことで、この議院の今後の運営の上からも、議院運営委員会自体として会議を開いて、これをどうするかということを研究する必要があると思うのです。政府出席は別にしましてね、われわれ自体として。そこで政府の御答弁も明らかでないから、一晩よく協議をされて、そうしてはっきりした御答弁を願い、また国会の方は、議院運営委員として将来こういう問題をどうするかということを討議する上において、明日までこの問題を延ばしたらどうか。また他の委員も御質問がありますから、それをおやりになった上でいいんですけれども、ともかくきょうこれは片づかないということを申し上げておかなければ、困りますよ。それからもう一つ最後に大蔵大臣にお尋ねしますが、先ほど申し上げたように、この間、本会議であなたは御了承願いますと、こうおつしゃいました。これはまあ先の問題でありますけれどもね。御了承願いますとおっしゃったのは、了承するかしないかはわれわれにまかされてある。で、われわれは今了承しないと、こう言っているのです。そうすれば、あなたはもう一度考え直して、このやり方が悪いのじゃないかということを当然、了承しないと言っているんだから、了承するようなやり方をやられたらどうか。それでもさっき申し上げたように、あれはちょっと口だけで言ってみたんだ、ほんとうはあなた方はしなければ勝手にせいという意味なのかどうか、一つ大蔵大臣の御見解を承わりたいと思います。
  88. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) これは午前のときにも申し上げましたのですが、インドネシアの焦げつき債権の補償につきましては、外為特別会計の減資をしまして、そうして処理するということをきめて、これは決定いたしております。ところが、この方針印刷の結果載っていないというので、正誤をお願いして御了承を得たい。かように考えて私は正誤をいたしておる。こういうように今考えております。
  89. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 先ほど小林委員お話がございましたが、政府側といたしましては、先ほど来、政府部内といたしまして、見解をさらに統一して答弁するようにというお話がございましたから、実は部内でさらに打ち合せまして、そうして伺ったようなわけでございますが、大蔵大臣の申し上げますこと、私の申し上げますことが、打ち合せの結果でございます点を御了承を願いたいと思います。  で、われわれの間に、午前中の会議で食い違いがあるというようなお話もございましたけれども、われわれの意見としては一致しておるわけでございますから、念のためそれだけ申し上げておきます。
  90. 横川正市

    ○横川正市君 これは議運の委員会で何時間か討論しなければならないという、私は大体むだを——どうしてもっと率直に政府部内では言わないのか。たとえば、正誤表をつけて、そうして、誤まりであったというふうに言わなければならない理由が一体どこにあるのか。それから、もう一つは、かりに正誤表をつける、つけないにかかわらず、これは政府考え方で行きますと、予算書の付属書とか、参考書だからという考え方のようなのですが、私どもやはり予算書に付属する一切の書類というものは、国会提出された重要な書類だというふうに認識しております。そうすると、五十九条は、その議題となった議案修正し、または撤回する場合に、その修正するあるいは個所、内容について、簡単にその文書を出して事を処理する規定があるわけです。なぜこれを生かして使わないのか、その点が私たちには納得がいかないわけですよ。何かそれをやってしまうと、とんでもない大きな責任が内閣か、あるいは事務当局にはかかるというふうに判断されておるのですか。それとも、そういうものではない、全然必要がないのだ、こういうふうにお考えになっているのですか。なお、こういうようなつまらない討論をする、つまり手数をかけてやるということは要らないので、ただ、この条文を生かして、手続上さっさとやってしまえばいいのじゃないかと私たちは思うのですが、その点はどうなんですか。
  91. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) その点は、先般来申し上げておりますように、国会法の第五十九条に規定されておりまする議案には今回の事項は私どもは違う、ここには該当しないという見解を私どもは持っておるわけなんであります。
  92. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、議案というのは、成規手続をとって、そうして、議運の委員会で、その担当する委員会へ配付されて、委員会委員会大臣ないし所管省から説明を受けて、初めて議案というふうになるのか。国会提出されたときに議案ということになるのじゃないのか。
  93. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私の申し上げたのはそういうことでございませんので、これは常識的な言葉かもしれませんが、両院に審議をお願いして、そうして議決の対象になるものというも斎私どもとしては華であると、こう解釈しておるわけであります。
  94. 横川正市

    ○横川正市君 私はここに出された議案予算書というものの持っておる性格と言いますと、たとえば、衆議院先議で、参議院が予備審議の場合であっても、当然重要さを持っておるものと思うのです。なぜなら、二十八日の日に予算書というものは配付されて、二十九日に首相の一般報告がありました。それから質疑が行われた。そうすると、全然そういうものがなくて、たとえば参議院の場合には、何も二十五日の日に首相は一般演説をやってもいいわけですね、こんなものはなくても。たとえば、これが全然必要のないものならですよ。しかし、一たん予算書というものが国会に配られて、内容というものが明らかにされた、その上で、首相は自分の所信を表明されますし、それから大蔵大臣は財政演説をされておる。そうすると、その予算書は、いわゆるすでに提出された、二十八日の十五時ですか、私たちが見たのは。そのときから議案としての重要さというものは十分備わったものだと考えていいと思う。それからその予算書に従って首相は演説をし、その予算書は従ってなされた演説に対して野党側からそれぞれ質問を行なった、こういうふうな経過処置をされてきて、今突然とここに訂正をするのだ、間違っておったから訂正するのだ。それは単なる正誤表でいいのだというような考え方というのは、だいぶちぐはぐなような気がするのです。そうではなしに、もう少し議案書あるいは予算書というものを出す立場から慎重に、そうして重要視したならば、間違いがあったら、その間違いというものは明らかにこれはやはり五十九条によって修正し、撤回する。あるいは議決を求めてくるというふうに、成規手続をとって出てくるのが私は本来の方針でなければならぬと思うのです。これは、このことだけならば、あえて私どもも何か過去の前例とか、何とか、いろいろなものを引っ張り出して、そうしてここで話し合った結果、正誤表でいいのだとか、悪いとかという結論がつくと思いますが、将来、これがこういう形の修正もある、あるいはこういうふうに間違った場合も出てくるというような、いろいろな悪例にならないとは限らないわけですね。ですから、ここではっきりしておかなければならないという、そのはっきりの仕方が、これだけのものならば正誤表でいいのだ、これからこっち側は修正で行くのだという、その全然けじめのつかない論議のままで、ここの審議をあいまいにするということは私は将来のためにもよくない。先例とするならば、もう少しはっきりと、前例をこういうふうにしますという何か基準なんというのは、おそらくだれの頭の中で考えてみてもつかないわけですね、これは。基準なんかつかないのに、それを一つの基準にして物事のけじめにしてくるというのは私はおかしいと思う。そういった点で、政府はこれはもう非常に軽い、まったくどこにでもありがちなあやまちなんだから、こんなものならば正誤表でいいのだという考え方に対して、私どもとしては納得がいかないということを言っているのですがね。もう少しその点をはっきりと政府の方で考えを明らかにしてもらわないと困る。
  95. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ちょっと私の申し上げておりますことが、どうも言葉が足りなかったかもしれませんが、私の申しておりまするのは、この国会法第五十九条に議案という言葉がございます。その議案という言葉だけを抽出してきました場合に、今の外為の予定貸借対照表というようなものが入っておるところの参考資料というものは、いわゆる議案というものの中には入らない、こういう解釈を政府としては統一しておるわけであります。従ってその議案とは、しからばどういう性質のものかと言えば、先ほど申しましたように、議案性格というものは、それ自体が両院の議決の対象になるものが議案だ、こういうふうに考えておりますので、議案ではない、要するに議決の対象になる議案ではございませんということを、この法律解釈として申し上げたわけであります。
  96. 小林孝平

    小林孝平君 愛知官房長官のおっしゃるそれは、あなたがそういうふうに御答弁なさると思いまして、私はかわりに午前中に申し上げておったのです。政はそういうことをおっしゃるでしょう。その議案の解釈はこういうふうに解釈する場合といろいろある。政府は、この議案は本来の予算書だけ、だとおっしゃるだろうけれども、これは疑義があるけれども、それは一応留保して、少くとも財政法二十八条の規定によって予算書に必ずつけなければならぬ書類、それをことさらあなたは軽々しく、これは参考資料でございます、参照資料でございます、つまらぬものでありますとはおっしゃらないけれども、そういう調子で、ことさらこれが軽いもののように御発言になっている。あなたのそういう御発言が、今後こういう例を引き起すまた元になるのです。こんなものは軽々しいものだ、こんなものは間違えてもいいのだ、あとから訂正すればいいのだというような、あなたの今の答弁が、やがて記録になり、事務当局がそれを見て、そういうものかと思うことによって非常に困るのです。あなたは苦しまぎれにそういう御答弁をなさっているのですけれども、これをこんなに、ことさらこれは軽々しいものだなんておっしゃる必要はないのじゃないですか。財政法二十八条にはっきりと書いてあるじゃありませんか。あなたもそれをあらためてごらんになっておりますけれども、ちゃんとそこに書いてあります。だから、今そんなことをいつまで言っていても仕方がないから、さっきから言っているように、問題を発展させないで、正誤の問題に限って論議をしよう、その正誤の解釈がきわめてあやふやである。正誤というのは、何とおっしゃっても、これは誤植ですよ。それはその原稿通りのものがここに印刷されているのです。それをはっきりしない限り、ここではいつまでたっても議論が尽きません。また議院運営委員会としても、はっきりとその点を政府の解釈とは別にしなければならぬ。事務当局から将来正誤表で来たような場合は、われわれは議院運営委員会において、これは正誤として取り扱っていいものかどうかという判断も当然しなければならぬ、今回はしなかったけれども。そういう点を申し上げているのです。それをあなたは軽々しくこれを取り扱って、ごまかすと言っちゃ悪いけれども、まあうやむやにしようとか、そういうようなことを言っているが、この五十九条の精神にのっとって、私は五十九条によってやれとは申しておりませんよ、その精神にのっとっておやりになったらいかがですか、これは痛くもかゆくもないことです。一片の書類をお出しになればいいことだから、それをおやりになったらいいでしょうと申し上げているのです。こんな簡単なことはおわかりでしょう。
  97. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これもくどいようでございますが、ちょっと申し上げておきたいと思いますが、先ほどもちょっと触れましたように、五十九条に規定されているところの議案というものは、私どもの解釈は先ほど申し上げた通りでございます。で、その議案修正が加えられるというようなことでございますれば、これは五十九条の規定によりまして、規定された通り手続を私はとるべきものだと思います。こういうふうな見解でおるわけでございますから、大体今までのいろいろの御論議につきまして、こういうふうに申し上げれば、大体御了解いただけるのではなかろうか、こう考えるわけでございます。
  98. 小林孝平

    小林孝平君 ちっともこれは了解できませんね。これはそういう手続をやらないで、正誤表などという異例なことであるから、大蔵大臣釈明されなければならぬ事態になったのです。これを成規書類でお出しになっておれば、おそらくこの参議院議院運営委員会では、大蔵大臣釈明を必要としなかったかもしれない、これはわかりませんが、おそらくしなかっただろうと思うのです。ことさら政府はそれを、こういう手続を避けられて、いいかげんにされるものですから、釈明をしなければならぬ事態に立ち至った。ちゃんと五十九条の精神にのっとって成規書類をお出しになれば、なるほどということで、この議院運営委員会でこれは認めるかどうかということで、事情を聞いて、おそらくそのまま認めたのではないかと、こう考えられるのです。だから、あなたがなまじっかいろいろ頭を回される結果、だんだん混乱してくる。今でもおそくないから、そういう手続をおとりになったらどうですかと、こう言っているのです。
  99. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) その点はお言葉を返すようですけれども、先ほど来申しておりますような解釈に基いておりますので、五十九条に違反するものではないと、かように解釈をいたしておりますので、この点は御了解願えるかと思います。  それから大蔵大臣釈明を申し上げたという点については、先ほど申し上げたように、ともかくこれは参考資料でありますけれども、数字に間違いがあった、これを正誤しなければならないという事態になりましたことは、まことに政府として申しわけもございませんので、国会の正常な運営ということを十分に考えまして、特にそういったような措置をとらせていただいたわけでございます。この点につきましては、五十九条の関係はないと私は考えておりますけれども、しかし、ともかくこういう印刷に誤まりをしでかしたということは申しわけのないことでございますから、これは謙虚に率直にお詫びを申し上げたい、こういう考え方で御了承をお願い申し上げます。
  100. 小林孝平

    小林孝平君 官房長官は、私が言わないことを、ことさらおっしゃっているのはおかしいと思うのです。私は五十九条にこれは違反するかどうか疑わしいけれども、かりに政府考え方をいれましても、この五十九条の精神にのっとっておやり下さったらどうですかと、こう言っているんですよ。これを五十九条に違反していると、はっきり言っていない、これは疑問がある。だから一歩を譲って、この政府の見解に従っても、五十九条の精神にのっとつてやるべきものだと言っているのに、ことさら五十九条に違反しない、違反しないと、あなたはおっしゃる、まずこういうことが私はまじめでないと、こう思うのです。
  101. 佐野廣

    ○佐野廣君 小林委員の言われることを午前中から拝聴しておりますが、私どもの解釈として、こういうふうに考えておるのですが、今、横川さんも言われましたように、数字正誤というふうなことになると、限界というものがかなり私はむずかしいと思うのです。一字違っても誤まりである、今回のように相当数の誤まりがあっても、これを正さなくちゃいけない。その限界は、それじやどこから線を引いて、正誤表でやっていいか、あるいは修正というふうに持って行くかというふうな限界というものは、横川さんもおっしやるように私も非常にむずかしいと思う。ただしそこに、常識という表現もまずいと思うのですけれども、まあ慣例その他を考慮して、この誤まりは相当重大であったということにおいて、これは参議院の自主性というようなことも、これまた問題になると思うのですけれども、衆議院の方ではとうとう話をつけられて、今までに例のないような大蔵大臣の本会議においての釈明というふうなことになって現われた、これだから重大だというふうなことを、また言い返せばこれは別ですけれども、非常に大きな誤まりであったから、これを例のない、大蔵大臣が両院において弁明、釈明をしたということにおいて、私どもに謙虚に了承を求めておられる、しかも政府自体は、その数字の取扱いについても方針を変えておられないということも私どもは認めておるので、以上のような点から、私はいつまでたってもこれはなかなか議論も尽きないところであり、正確な一線を引くことができないという点もあるだろうと思いますし、それから今、小林委員の言われるように、五十九条の解釈についても疑義があるとおっしゃっておるが、私もそうだと思う。そういう意味において政府方針を変えたものでもないし、それから重大な誤まりであったので、これを例のない、両院で釈明したということにおいて、今後警告をして、そうしてこれを了承するということにいたしたい、かように私は思います。
  102. 安井謙

    委員長安井謙君) 小林君、ただいま佐野君からそういうお話がありましたが……。
  103. 小林孝平

    小林孝平君 佐野さんは朝から私が申し上げていることを聞き違っているのですよ。それはね、私はこの数字が、一億だから正後でいい、百億だからこれは訂正をしなければならんというようなことを言っているのじゃない、私は問題の本質を言っておるのです。明らかなんです、正誤というのは何であるか。正誤というのは印刷の間違いである、印刷の原稿を間違ったときに直すのが正誤であって、それが何かそういう原稿の間違ったものなら、そういう正誤なら、私は今回は六百三十億だったけれども、これがかりに一千億でも私は正誤表で納得するかもしれない。それは非常に不謹慎だといって、これは納得したかもしれない。しかし、今回は正誤でないから、これは数字の問題じゃない、これは一億でも正誤でないのだから、正誤でないということでちゃんとした訂正にしたらどうか、こういうことを申し上げておる。あなたは私の議論が、これはあなただけではない、政府側もおそらくなかなか御理解がつかないのじゃないかと思うのです。いかないのです。いかないことをあなたがはっきり示したわけですけれども。そこで、これはあなたが幾らおっしゃっても納得できませんし、そうしてこれは別に私とあなたと議論するわけではない。これは政府がおらなくなってから、われわれ議院運営委員会としてどういう態度をとるかということは、これはまた別個の問題です。私はここで佐野さんと議論しようとは思いませんけれども、すべき性質のものではない、ただ、あなたが全く、朝から私が言っておることを全然理解されておらないということを指摘いたしまして、いかにこの問題が重要であり、今後のいろいろの紛糾のもとになるかということを申し上げて、ちょっと休憩をして、明日やったらどうかということを申し上げておる。さっきから提案しておるが、委員長は私が申し上げておる、本日はこの程度にして明日やろうという提案を処理されないのです。
  104. 安井謙

    委員長安井謙君) そこで委員長からちょっと申し上げますが、今、小林委員のおっしゃるのは、これは単なる正誤じゃないじゃないか、しかし、政府はこれを正誤だと言っておるが、一体、正誤とはどういうものなのかという御質問を当初からされておる。これは官房長官法律の専門家ではありませんので、政府法律解釈の最高の責任者である法制局長官も見えておりますので、一応法制局長官から正誤というものについての解釈だけはちょっと聞きたいと思います。  それで申し上げますが、法制局長官は途中でおいでになって何かもしれませんが、政府がよく国会などに書類を出します。そうしてそれにミスプリントがあったり、その他の理由で正誤表を出して、あとで訂正する場合がある、その正誤という意味はどういう範囲のものをさすのか、こういうお尋ねが当初からあったものですから。
  105. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 聞かれるのもけっこうですが、委員長が聞かれんとする法制局長官は参議院の法制局長ではないでしょう。それでは、今、政府と一生懸命耳打ちをしておったのですから、愛知官房長官も変りがないと思うのです、うしろについて。さいぜんから僕は見苦しいと思っておったのですが、長官も今のを全部わかっておるのじゃないのだから聞いても仕方がない、同じようなことを言うでしょう。どうせ聞くならば参議院の法制局の話を聞きたいのです。
  106. 安井謙

    委員長安井謙君) それはごもっともなお話でありますが、政府側法律上の解釈を、今一応ただされておる段階でありますので、必要によってはまた参議院の法制局長の話を聞くことも……。
  107. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それは委員長の裁量通りでけっこうですが、それじゃあまり見えすいておると思うのです。それはあなたも知っておる通り、さいぜんから話をしておるのです。そういう子供じみたことをやらないで……。
  108. 安井謙

    委員長安井謙君) いや、子供じみたことではなくして、今の正誤ということについての法律的解釈ですから、官房長官は代議士であって法律の専門家ではない。それで政府にはそういった最高機関がありますから、一応答弁を聞いたらどうですか。
  109. 小林孝平

    小林孝平君 議事進行。その政府に対する法律的解釈、私も法律の専門家じゃない、ほんとうのしろうとですが、正誤に対する法律的解釈を法制局長官に尋ねるのはおかしい。これは政治的の問題です。あなた、そんなことはおかしいですよ。僕は初めから言っているのだ。これは政治的の問題だ。お尋ねになるのもいいけれども、それは初めから申し上げているのですよ。これは事務的にはいろいろ僕は政府立場を理解して、政府はこういうふうにおっしゃる、こういう意見もあるということを前提にして述べてきている。しかもこれは政治的の問題であって、いたずらに時間をかけるのは悪いから、そういう事務的に処理すべき問題じゃないから申し上げておるのに、あなたはまして政府法律的解釈なんという、そんなものを法制局長官に聞いたって始まらぬです。まあ、あなた聞かれるというなら聞いてもいいですがね。それは議事の運営の仕方がおかしい。
  110. 椿繁夫

    椿繁夫君 これは、私どもも先ほどからよく政府の御説明伺ったわけですが、十分まだ納得できませんので、帰りまして会派にも報告をし、そして了解も求めなければならぬと思っております。そのためにも政府法律の専門家及び本院の法制局長の、今の正誤とは何ぞや、それから財政法二十八条、憲法付属法典である財政法の定めた当然提出をしなければならぬ書類は、議案とは関係ないのだというような官房長官の御意見などについても、疑義がございますので、あわせて一つお二人の法制局長官、法制局長からちょっと聞いた上で、それをまた私ども参考にいたしまして、会派に帰って——十分私どもが承知できぬのでありますから、なお、あるいは専門家に聞くと得心のいくような御説明があるかもわかりませんから、それを伺いまして、その上で一つ、きょうきめるということじゃございませんよ。そういう参考のために、今、委員長でお取り計らいのような方法をやってもらいたい。
  111. 林修三

    政府委員(林修三君) 今お尋ねのところでございますが、正誤というのは、実は、今法律的見解という仰せでございましたが、実は厳格に言えば法律上の問題とは、これは言えないと思うのでございまして、結局取扱いの問題であり、言葉意味の解釈の問題だと思います。正誤あるいは修正という言葉修正というのは結局今までの取扱いから考えれば、一たんきめたことをあとで直すということが、大体修正とい扱いでやられておるのじゃないかと思います。先ほど小林委員から仰せられました公労法の問題、あれは確かに一たんは不可能であるという理由で提案いたしましたものにつきまして、あとから可能になったということで、あれは理由の変更をお願いしたことだと思うわけでございます。  それから正誤は、これは観念といたしましては、先ほどからお話ございましたミスプリントももちろんその一つでございましょう。それからそのほかにも、原稿の書き誤まりというようなことももちろん入ると思います。要するに実体は初めから変っていない。ただ、それがどこかで書き誤まって間違った結果が現われた、意図したことと別なものが現われた、そういう場合に、今まで大体正誤の取扱いを私はしておると思います。これは法律的に、正誤とは何だ、修正とは何だということは法律上の観念じゃございませんので、直ちにそれは申されません。結局取扱いの問題である、常識的に解釈すべき問題である、こう考えます。今申し上げましたように、正誤というのは、結局本質的には前の実体は変っておらない。ただ、どこかで書き誤まりがあったということが私は正誤の本質的の内容じゃないかと、かように考えまして、先ほど来、官房長官が言っておられることで、私は政府の今度の取扱いは間違っていないと思うわけでございます。  それからもう一つ、今、委員長からの御質問にはございませんでしたが、椿委員からのお話がございましたので、その点もちょっとお答え申し上げたいと思いますが、御承知のように、今度のこの外為会計の予定貸借対照表は、予算そのものではございませんで、予算の付属書であり、参考書類でございます。添付すべき書類でございまして、私ども議案というのは、やはり先ほど官房長官から御答弁がありました通りに、国会における議決の対象となるものでありまして、それによって政府予算執行が拘束されるものが、私は予算の場合であれば議案の内容だと思うわけであります。この添付書類は、一応そのときの状態等を表わした参考書類で、これ自身を議決するものではないと私は思うわけであります。そういう意味においては国会法五十九条で言っておる議案ではない、かように考えるわけであります。国会法五十九条は、これは手続をとるに由のないものであると思います。
  112. 小林孝平

    小林孝平君 参議院のあれをやる前に、ちょっと法制局長官答弁の中で、公労法のあれは、初め可能だと思っておったのが不可能になったとか、その逆のことをおっしゃっている。そうじゃない。前文の書き方が不明確であったから明確にしただけです。それは全然考え違いです。それからあとは、法制局長官がみずからおっしゃったように、これは法律的解釈でないという、そこまででいいんです。それをやって、勝手に官房長官のあれが正しかったとか何とかということは要らぬことです。委員長質問したこと以外のことを答えて、要らぬことです。
  113. 安井謙

    委員長安井謙君) それは委員長としては要らぬことだとは思いません。これは政府の専門家として答弁をしているのですから。
  114. 小林孝平

    小林孝平君 これは法律的解釈でないから、法制局長官答弁なんか必要がないのだけれども、一応、政府の問題として聞くとおっしゃったじゃないですか。それをそんな、おそらく要らぬことになるから、私は初めからそれを拒否している。五十九条の問題だってはっきり言っているのです。これとは別に財政法二十八条の規定によって必ず添付すべき書類であるということを繰り返し言って、そんなことはわかっているのです。だから、次をやられたらいいです。
  115. 椿繁夫

    椿繁夫君 ちょっと参議院法制局長の見解を一つ
  116. 斎藤朔郎

    ○法制局長(斎藤朔郎君) ただいまのお話にございました正誤という言葉の解釈、正誤とは何か、修正とは何かということにつきましては、法律的にはっきりした基準を与えた規定はございませんで、結局われわれがその言葉から受ける文理の解釈を申し上げるよりしようがないかと思います。私自身といたしましては、修正というのは、一つの意思決定の変更だと思います。修正というのは、原案がございまして、原案を提出するには何らかの意思決定があった。それに対して修正をする。これは原案を出した人が修正することもありましょうし、また原案を審議される側で修正することもございましょう。いずれにしても原案にはない内容、また原案と違った方向の内容を与えようというのが修正だと思いますから、だから、これは意思決定の変更ということにならざるを得ないと思います。  正誤というのは、そうではなくて、意思決定そのものがあるのだけれども、客観的にはあるのだけれども、それを表示する、言葉で言う、あるいは文書に書き表わすという、表示とか、表現の過程における誤まり正誤最初から意思決定そのものは変っていないのである。その意思決定の表示が不完全だというのを改めるというのを正誤と、抽象的議論といたしましては、そこまでしか言えないと思います。具体的の場合には、どれが正誤に当るかどうかということは、いろいろ事情を加味した上できめべき問題だと私は考えます。
  117. 椿繁夫

    椿繁夫君 今のここに出ております外為会計の貸借対照表正誤表として出されておりますこの数字は、でたらめな数字ではないのですよ。架空の数字ではないのです。あるべくして出ておる数字なんです。これを一たん御提出になったのです。経過から言いますと、それが衆議院の方で指摘されて、ははあ、これではいかぬのかということにお気づきになって、意思を変更されて、そうしてこう出されたものであるから、正誤表では私ども得心ができない、こう申し上げておるわけであります。今の斎藤局長のお話を伺っておって、だんだんこう自信ができたのですが、そうでしょう。斎藤さん、そういうふうにお考えになりませんか、本件は。
  118. 佐野廣

    ○佐野廣君 これは私も今、椿さんから言われて思いつきの、そうかと思ったのですが、その点で、今の意思決定の過程において、数字が誤まってあそこに出たというふうに思うが、いかがですか。
  119. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは私がお答えするよりも大蔵大臣から申し上げた方がいいと思いますが、大蔵大臣から先ほど御答弁申し上げました通りでございますから、これは私は今の法制局長の御答弁に対して、とやかく申し上げるべきではないと思います。ああいうふうな経過でございましたわけです。大蔵大臣から御説明した通りの状況なんでありますから、それによって御判断願いたい。
  120. 北村暢

    ○北村暢君 私は今の意思ということだけれども、意思を変更されたものが修正で、それから意思は変っていないのだけれども、何かの違いでこれをまあ正誤でいったと、こういうようなこと、意思が変っているときには修正だと、こういうふうな意見だったのですがね、まあそれはそのようなのは法律解釈でも何でもない解釈で、そういう考え方をとられるというのは、私はそれはそれなりにいいと思います。それで私どもは、それじゃ政府の意思がどこにあったかということを、私ども国会議員が議案をもらったときに、これはこういうことを政府考えておったのだけれども、それが出ておらなかったということは、そういうことまではわからないはずです。この議案をもらったときは、この議案を出されたことは、これは政府の意思である、これが意思である、こういうふうに私どもは理解するのです。ですからその後における修正というものは、六百何十億というものが全然なかった、この議案書にはなかったものが出てきたのだから、これは政府の意思がまあ最初の、何ですか、大蔵大臣最初出す原議になっておったとか、ならないとかいうことは私どもの知ったことではない。やはり国会に出されておるものを私どもは政府の意思としてとるよりほかないと思うのです。ですから、その意思のきまり方が、法制局長官は閣議か何か、あっちの方でなされたものが政府の意思と心得るし、私どもはそういう意思とは考えないので、国会に出されたものが政府の意思であると、こう解釈する。そうなれば、その解釈の仕方によって、また変ってくるのです。ですから、あくまでも私はここに政府説明されたものに対する解釈の仕方、私どもの解釈の仕方では、どっちもはっきりしないものが出てくる、こういうことは言い得るのじゃないか。ですから、これは非常に水かけ論のようで、政府の解釈というものについて、私どもの方は少くとも正誤表処理すべき問題ではないと、こういうふうな考え方というものを、幾ら法制局長官のその説明を聞いても、なおかつ私どもには理解できない疑義があるわけです。ですから、これは簡単にここで私どもがそれを政府の言うことを了解するというわけにはいきませんから、椿委員も前から言っておりますように、これはやはり持ち帰ってやらないというと、ここできめようったってきめようがないだろうと思うのです。ですから委員長、その空気を察せられて、一つ、幾らやってても同じですから、大体意思も聞いたようですから、この辺で議事の取りまとめを次回に延ばすなり、何なりして、打ち切ってもらった方がいいと、こう思います。
  121. 島村軍次

    ○島村軍次君 関連して。ただいまの法制局長官、法制局長の説明によりますと、大体正誤とは表示、表現の不完全なるもの、こういうお言葉があったようです。それから、修正とは意思決定の変更というお話があったんですが、そこでちょっと伺いたいのは、意思決定の変更ということは、審議の対象となるべきものに対する意思決定の変更と、こういうふうな御説明があったように聞いたんですが、そういうふうに確認してよろしゅうございますか。
  122. 林修三

    政府委員(林修三君) 先ほど私のお話いたしましたことと、今、島村委員の御質問関係でございますが、実は問題が二つあるわけでございまして、ただいわゆる修正正誤関係いかんというお話と、もう一つ、今の議案修正かどうかという問題と、実は二つあるわけでありまして、先ほど、私は、実は修正正誤のことを申し上げました。もう一つは、議案修正であれば、国会法五十九条の問題になります。いずれにいたしましても、この問題は議案の問題ではない、参考書類の問題であるということを申し上げたわけでありまして、その点は、二つに区別してお考えを願いたいと思うわけでございます。
  123. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで、今回の場合における修正なる言葉は、審議の対象となるべきものに対する解釈であって、その意思決定の変更の場合には、修正として扱うべきものだと、私、法律上のことはよくわかりませんが、そういう解釈を、ただいまの御説明では二つあるというお話でしたが、この場合の解釈としては、そういうふうに、繰り返して申し上げますが、審議の対象となるべきものに対する意思の決定の変更の場合が修正であると、こういうふうに解釈をいたしたいと思うのですが、もう一ぺん、一つ念のために。
  124. 林修三

    政府委員(林修三君) 今、島村先生のおっしゃったことでございますが、いわゆる議案修正かとおっしゃれば、もちろん議案修正ではないわけでございまして、その点は、先ほど申し上げた通りでございます。もう一つは、議案以外のものの修正かという問題がございますが、議案以外のものの修正でもないと考えてよかろうということは、先ほど申し上げました。二つのことを申し上げたつもりでございます。議案以外のものについても、もちろん正誤修正という問題はあるわけでございまして、先ほど小林委員から仰せられましたような公労法の理由の変更というのは、議案そのものではございません。それについても修正ということはあり得たわけでございまして、議案以外のものについて、やはり修正正誤という問題はあり得るわけでありまして、議案についても、正誤という問題と修正という問題と二つあり得るわけであります。かように考えます。
  125. 島村軍次

    ○島村軍次君 先ほど、公労法の、二十四年ですか、何年でしたか、わかりませんが、二十四年かにお出しになった書類は、いわゆる審議の対象となる場合における可能、不可能の問題という説明がありましたが、むしろ、意思の変更であったが故に書類を出した。従って、やはり審議の対象となるべきものの意思の変更であったと、こういうふうに解釈すべきじゃないかと思いますが、その点はいかがでございます。
  126. 林修三

    政府委員(林修三君) 今の公労法の問題でございますが、公労法においては、過去にたしか一ぺん、政府からお出しいたしました公労法の関係の承認を求める件の理由等を変更したことがございます。これは全部、政府としては、当然これは正誤ではなくて修正として考えていたものと思います……訂正でございます。訂正として考えていたものと思います。それは、当然初めに可能であったものが不可能になり、あるいは不可能であったものが一部可能になったというような問題で、そういうことで訂正いたしました。しかし、これは訂正でございますけれども、いわゆる国会法五十九条の問題ではない、議案修正ではないという考えで、たしか国会の御議決は経ていないはずでございます。従いまして、これは議案以外のものでありますから、かりにこれは修正という形でありましても、国会の御議決は経ておらないと、かような手続であったと私は記憶しております。
  127. 島村軍次

    ○島村軍次君 あらためて私から提案申し上げます。大体の取扱い上の問題については、政府側説明なり、法制局側説明も聞いて、これで十分だと思いますので、この取扱いを議運としていかにやるかという問題については、理事会に諮って、理事会の決定に従ってわれわれの態度を決定するということのお計らいを願いたいことを提案いたします。
  128. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいま島村君からお聞きのような提案がございましたが、それに対して……、
  129. 小林孝平

    小林孝平君 政府のあれは十分だとは思いません。大蔵大臣は忙しいから、これは忙しくてもそう大したことはないのだけれども、非常に困るなら、まあ大蔵大臣は、ほかの委員の方はどうか知りませんが、私は場合によればいい。しかし官房長官については、明日、理事会でやると言いましても、これはちょっと困りますよ。それで、この議運でもう少し官房長官にお尋ねをしたい。  さらに、もう一つ、ちょっと委員長に議事進行促進のため御注意申し上げますが、われわれはできるだけ早くこの結論を出したい、こう思っているのです。そこで、法制局長官にいろいろお尋ねになったのはいいけれども、法制局長官法律の解釈その他については非常に練達であり、また、その御意見は傾聴しなきゃなりませんでしょう。しかし、先ほどみずからも言われたように、正誤の解釈なんというのは、法制局長官の範囲外のことなんです。範囲外のことを尋ねてみても……いや、それも必要があるというなら、これは参考に、大学の教授その他これに非常によく理解しているであろうと思われるような者も当委員会に呼んで、そうして意見を聞いたほうがむしろいいのです。法制局長官は何でも知っているなんて、これは本人のためにもなりませんよ。何でも自分は知っている、わしが出て行けば片づくなんということを考えるから、いろいろおかしいことになってくるのです。けじめけじめというものは大事ですよ、ものは。かりにそういう意見があっても、委員長としてはけじめをつけてもらいたい。念のため申し上げておきます。
  130. 安井謙

    委員長安井謙君) 私は、政府説明が不十分だから、よく相談して出直せという小林委員の御発言でありましたから、明確な答弁を求めましたところが、結果はお聞きの通り委員の皆様も筋道としては御了解いただいたと思うので、これは問題じゃないと思うのです。
  131. 佐野廣

    ○佐野廣君 明日、大蔵大臣、お出かけ願えるかもしれませんが……。
  132. 安井謙

    委員長安井謙君) それは無理だということで……。
  133. 佐野廣

    ○佐野廣君 願えないとすれば、一つちょっと最後に念を押しておきたいと思って大蔵大臣にお尋ねしますが、さっき政府の意思の問題がかなり論議されましたのですが、これは正誤表によって誤まりを正して出されましたところの数字が、最初から政府考えておった方針を変えない、その最初から考えておったところの意思のある数字であったというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  134. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) よろしゅうございます。
  135. 斎藤昇

    斎藤昇君 先ほど島村委員から、この後の扱いを理事会において取り計らわれたいという動議でありますが、御意見を御発表になったと思いますが、先ほどから相当時間をかけて、質問のあるお方の御質問、それに対する政府答弁、私はほとんど尽きたように思います。これ以上はほとんど同じことを繰り返すだけだと思います。従って政府の解釈も明瞭になったと思いますので、島村委員の御意見のように、今後の扱い、これはわれわれ議運できめる問題でありますが、理事会において取り計らうという動議に私は賛成いたします。かように取り計らっていただくことをお願いいたします。
  136. 椿繁夫

    椿繁夫君 先ほどからいろいろ伺いましたけれども、まだ十分に納得し得ざるものがございます。なお委員会に出ておって得心もいっておるのでありますが、私どもが会派に帰りまして報告をしましても、この空気そのままを伝えるわけにはいきませんから、なお多くの疑点を持っておる諸君には私どもはどんなに緻密に詳細に報告をいたしましても、十分納得し得ざるものがあるんじゃないかと、こうおそれまして、いろいろの各方面の意見もお伺いしたわけでありますが、これで委員会質疑を打ち切って、そうして理事会に御一任をするという島村先生のお話でありますが、これはちょっとそういうふうに割り切らぬようにしていただきたいと思うのです。なお私どももそういう御意見も十分伝えまして、そして善処方を理事に大体おまかせするようにはしたいと思いますけれども、十分会派で納得せざる場合は、なおわれわれ委員の方で、十分この委員会で御質疑の時間を与えていただくように意見を付して、ただいまの理事会の方に一任するということを、意見を留保しながら御一任するようにいたしたいと思います。
  137. 安井謙

    委員長安井謙君) 委員長もいろいろ御意見を拝聴いたしましたが、明日の議運をまたやりますにつきましては、これは当然の措置として理事会でいろいろ御相談もしなければならぬ、その際に、また当然こういった問題の扱いも一応検討されることは当然だと思います。しかし今、島村君の提案によりますと、これは理事会専門に移してはどうかという御意見で、私も賛成しようかと思いましたが、今、椿君その他の御発言によって、いろいろ必要もあれば、またこれは議運でもやらなければならぬ場合があるかもしらんから、そうきめてしまうなと、こういうお話のように伺いますが、島村さんその点につきましては御提案者としてどうでございましょう。
  138. 島村軍次

    ○島村軍次君 暫時五分間休憩。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  139. 安井謙

    委員長安井謙君) では五分間休憩いたします。    午後六時三分休憩    ——————————    午後六時九分開会
  140. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは休憩前に引き続き会議を開きますが、先ほど島村委員から、この本問題につきましては理事会に一任してはどうかという御提案がありました。賛成の方もかなりあるようでありましたが、社会党の側の委員の方から、理事会一任だけでは困る、必要によっては、やはり委員会を開かなければいかぬという強い御意見もございますので、これだけじゃありませんで、問題は明日はほかに人事案件、あるいは法律案説明等もございますので、そういった扱いは理事会で相談いたしまして、まあ本日は、ここで理事会一任というような形は、このまま撤回していただく、こういうふうにしたいと思いますが、本日は時間もおそくなりましたので、このまま散会したいと思います。
  141. 島村軍次

    ○島村軍次君 ちょっと。あす審議される場合に、確認しておきたいと思うのですが、小林さんの発言は、大蔵大臣は閣議がございますので、それもあわせて御勘案の上で今のはお願いしたいと思います。
  142. 安井謙

    委員長安井謙君) 念のために申し上げますが、大蔵大臣は閣議その他がございますので、官房長官出席を求めることにして、なおほかに、今のような細目の必要があれば、それはまた御相談いたしますから、そういう扱いで、本日はこれで散会いたします。    午後六時十一分散会