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1958-01-27 第28回国会 参議院 議院運営委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年一月二十七日(月曜日) 午後一時四十四分開会     ————————————— 出席者は左の通り。    委員長     安井  謙君    理事            斎藤  昇君            佐野  廣君            小酒井義男君            小林 孝平君    委員            江藤  智君            柴田  栄君            田中 茂穂君            中野 文門君            仲原 善一君            前田佳都男君            阿部 竹松君            北村  暢君            光村 甚助君            横川 正市君            島村 軍次君         —————    議     長 松野 鶴平君    副  議  長 寺尾  豊君         —————   政府委員    内閣官房長官  愛知 揆一君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君    参     事    (委員部長)  渡辺  猛君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  小沢 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○常任委員長辞任及び補欠に関する  件 ○国務大臣演説に関する件 ○国務大臣演説に対する質疑に関す  る件     —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) 議院運営委員会を開会いたします。  まず、常任委員長辞任及び補欠に関する件についてお諮りいたします。
  3. 河野義克

    事務総長河野義克君) 本日、文教委員長秋山長造君から、文教委員長辞任いたしたいとのお申し出がございました。なお、秋山君所属の会派からは、補欠といたしまして湯山勇君を文教委員長に選任せられたいというお申し出がございました。  以上、御報告申し上げます。
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいま御報告通りでありますが、その通りに決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認め、御承認いただいたことといたします。
  6. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、官房長官発言を求めておられますので、この際、許したいと思います。
  7. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 先般の当委員会におきまして、二十九日、本会議総理大臣施政演説外務大臣外交演説大蔵大臣財政演説、この三本の演説をいたしたいということを申し上げたのでございますが、当委員会における小林委員その他の御発言の次第もございまして、経済企画庁長官経済演説もあわせてやらしていただくようにいたしたいと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いいたします。
  8. 安井謙

    委員長安井謙君) 以上、官房長官の御報告通りでありますが、特に御質疑がなければ、了承したいと思います。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 質疑ではありませんが、ちょっと官房長官に御希望を申し上げておきたいのは、先般われわれが河野経済企画庁長官演説を取りやめるということで、これは困るという発言をしたのでありますけれども、これは常識的に考えれば、だれが考えても当然やるのが当りまえのことなんです。そういう当りまえのことを、ことさらやらないというようなことを言って、平地に波乱を巻き起すようなことは、これは時間の不経済でもありますし、また国会正常化という立場から困ると思うのです。ことさら劈頭から混乱を拳き起すことを予想してやられたとは思いませんけれども、今後のこともありますから、私たちは何も無理なことは言いませんから、大体筋の通ったことを言っているはずですから、そういうふうに、あらかじめ取り計らっていただきたいと思います。特に官房長官にお願いをしたいと思います。
  10. 安井謙

    委員長安井謙君) よく心得ました。  それでは官房長官の御発言も御了承あったものと認めます。
  11. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、国務大臣演説に対する質疑順序でございますが、御承知通り前回の本委員会におきまして、理事会へ御一任を願ったわけでありますが、その後、理事会で協議をいたしましたところが、多数の会派は、従来通り与党であり最大会派たる自由民主党を第一位とすべき旨の意見がかなり強く出ておりました。これに対しまして、野党の第一党である社会党を第一順位にすべしという御意見も出ました。委員長としまして、この両者の調節に努力いたしたのでございますが、実はいまだ完全に意思が疎通して了解という線まで参っておりません。一致してから御報告すべきものでありますが、たまたま委員会がございますので、中間報告として、その間の事情を申し上げておきます。
  12. 光村甚助

    光村甚助君 自民党の人は、施政方針演説に対して何を質問するのですか。
  13. 安井謙

    委員長安井謙君) これは委員長より、自民党の方から。
  14. 佐野廣

    佐野廣君 これは、ただすということは、何も野党だけでなくて、与党といたしましても、提案された予算に対して、いろいろ政府の所信をただしておきたいことがありますし、従って今研究いたしておりますが、それぞれの質問する人において研究いたしまして、政府総理、外相、それぞれの提案理由を説明された人に質問をするということをきめておるわけでございます。何をということは別に申し上げることはできません。
  15. 光村甚助

    光村甚助君 自民党内閣で、自民党政策をきめて、その政策に従って総理大臣外務大臣大蔵大臣施政方針演説をやられる。あなたの方の党の政策をもってやられるのですよ。これは党の政策をきめてやられるのだったら これは党大会とか、いろいろなところで、みなそれぞれ発言を尽されるはずです。まして国会が去年の十二月二十日に開いて、二十一日ごろからどんどん本格的な議事を進められるならいいけれども、それもやらずに、一カ月休んで、また今度は二十七日にやるというのを二十九日にしておいて、今までも多数党の第一党がやったからといって、ただ私はこれは第一党としての面子だけだと思う。そういうことで私は時間をとるよりか、これは野党を第一陣に立てて、そしてほんとう与党野党とどこが違うかということを国民に知らせるのが議会政治だと思うのです。ただ形式にこだわって、第一党だから、やはりたださなくちゃならないという考え方は、将来、社会党もおそらく天下をとるでしょうが、私たちはそういうことはやりたくないと思うのです。もう一ぺん考え直していただくわけにいきませんか。
  16. 佐野廣

    佐野廣君 私、党の方の意見を調整して取りまとめて言っておるわけでありませんが、過去の実例を見ましても、与党の方が棄権したときもあります、それからやったときもあります。かれこれ勘案してみますと、時の情勢に応じて、質問をする必要があるときにはするし、今あなたのおっしゃるような建前において必要を感じなかったときにはやらないというふうなことがあったんじゃないかと思います。当時それを決定した人に聞いたわけでもありませんし、今回の問題については、あなたのような御質問にどういうふうに思想統一するかということを思案しておりませんから、一応そういうふうな見解で私どもは今回は質問をしたい、こういうふうに考えております。
  17. 阿部竹松

    阿部竹松君 自民党さんの議員の中で、自分の党の総理大臣がどんな施政演説をやられて、大蔵大臣がどういう財政演説をやって、経企長官がどういうふうな経済企画方針を発表されるか知らない力あるのですか、自分内閣がやっておって。
  18. 佐野廣

    佐野廣君 それは理屈でして、事実問題としてどういうことを言うか、一々各議員がみんな承知しておるというわけにはいかぬ。大綱とか何とか、これはわかっておるでしょう。が、個々の問題について、それはあなた方、政党人として、今度、鈴木委員長が何ということを言うか、そういうところまでそれぞれの議員が了承するまでに意が尽されていないと思う。ですから、従って聞きたいことはたくさんありますでしょう。ありますよ、それは。
  19. 阿部竹松

    阿部竹松君 鈴木委員長とおっしゃるが、私の方は党議でまとめて、党代表演説するなり、政策発表した場合には、そこでことさらに、これはどうですかと言って聞くような、おとなげないことはこれはやらぬと思う。将来のことですから、ここで断言できませんが、ただ私は新聞とか、ラジオで見たり聞いたりしまして、ことしはことさらに自民党皆さん方、あるいは皆さん方入っておるかどうかわかりませんが、政調会を中心にして、政府政策なり予算なりに相当大きな組立てに役割を果したように承わっておるのです。ですから、政府の原案というよりも、自民党皆さん方考え方が八〇%も九〇%も盛り込まれておるということになれば、ことさらにあなた方がそれを取り上げて聞かなければわからぬというようなことは僕はなかろうと思う。従って十分なる、とにかく政策なり予算を組み立てたのだから、まず野党である社会党とか、緑風会が特に時間をいただいて、多く問いただすべきが憲政常道でなかろうかと思うのです。
  20. 斎藤昇

    斎藤昇君 今お二方の御発言を伺っておりますと、与党施政演説に対して質問するのは、まことにおかしいというような御発言のようです。これは大体議会政治始まって以来、はっきり与党施政演説質問しているというのが例なんです。で、このたびは御承知のように、与党施政演説に対して質問をすべからずという御議論でしょう。(「すべからずとは言わない」と呼ぶ者あり)するのはおかしい。それは党と政府が、政党内閣ですから、これは大体意向が一致しておると、こう見ても差支えありますまいけれども政府政府、党は党なんですから、従って、党として、国民の前に国会議事を通じてはっきりと質問し、政府方針と党の方針というものが、そごするかしないかということを確かめるというのは、やはり議会政治として必要ではなかろうか。質問時間とおっしゃるけれども、そういう意味から質問時間は、この間、委員長から報告されたように、今までにない時間を要求しておるのです。私の力は時間をわずかにしておるということなんですから、今ここで何のために質問するのかということをおっしゃるのは、ちょっとどうだろうかと思う。
  21. 阿部竹松

    阿部竹松君 それで、私は自民党皆さん方は、政策なり予算決定に参画して十分知っておられるという前提条件で話をしておるのです。しかしお互い国会議員でありますから、自民党議員だからだめだ、社会党議員だからよろしいということを言っておるのじゃありません。一部幹部なり政府なりがきめてしまって、その他大勢が知らぬのだから、代表してどなたかが聞くのは、憲法や国会法には何ら反することでないから、斎藤君の説に賛成なんです。皆さん方全部は政策決定に参画しておられるから、知っておられるでしょう。だから知らない人に時間をくれということを言っておるのですから、五分々々で、その他大勢代表して聞かれるのは差しつかえない。そこで委員長、さいぜん、理事会におまかせ願ったことが最終的に完全な結論が出ませんでしたという御意見なんですが、どういうところが引っかかっておるのですか。あさってからやられるので、やはり一応質問者もきめておるので、やはり順番とか、その他のことについて、あしたきめる、あさってきめるということは、きょうここで、やはり理事会におまかせ願っても、まだはっきりしないということになれば、あなた自信があれば別問題ですけれども、どういうところが引っかかって、どこがだめなのか、ここを一つお知らせ願いたいと思う。
  22. 安井謙

    委員長安井謙君) 前回も御報告しました通り、持ち時間その他については一応決定を見ておるのでありまして、あと順序等細目等について、これは慣例として理事会できめるというので御一任願ったのですが、実は今この委員会を開きますまでの理事会におきましては、完全一致というわけに行っていないのです。と言いますのは、今の、社会党が第一陣でやるべきである、やりたいという御意見と、従来の慣例通り自民党が第一陣をやりたいというのと二つに分れた議論があるわけなんですが、私はこれを必ずしも絶対にあくまで並行線であるとも思っておりませんが、ただ、たまたまこの委員会があったわけですから、ここへ報告をいたしまして、皆さんのそれぞれの御意見を念のために伺って、そしてこのあとで開かれる理事会において最終決定をみたいと、こう・いうふうに考えております。
  23. 光村甚助

    光村甚助君 斎藤さんのおっしゃることはわかりました。さっき佐野さんのおっしゃることを聞けば、これはやはり質問したいこともあるだろうとおっしゃる。これは質問したいことはだれでもあるのです。ただ、斎藤さんの言われた通り政党政治なんです。官僚なり軍部内閣をとって、どっちもただしたいということじゃないのです。これは自民党決定した政策をあなたの方の総理大臣がなされるのです。これに対してあなたの方の代表が、個人じゃないのです、自民党代表なんです。自民党政策総理大臣が発表される、それをまた自民党幹部が、また自民党代表して質問するということは、これは私はそれがおかしいと言うのです。ただその場合でも、これはされてもいいのですよ。しかし国民が聞きたいのは、自民党政策というのは、総理大臣がおやりになり、大蔵大臣外務大臣がそれに続いておやりになるのだから、第一陣にはやはり野党が違う点を聞くのがほんとう憲政常道ですよ。第一党だからと言って、必ずおれの方が一番先にやらなければいかぬということ自体、今までが間遠いなんですよ。国民の聞かんとするところは、与党大臣がしゃべれば反対党が聞く、こうしてこそ、私は議会運営というものがうまく行くので、ただ多数党だから第一党が自分のところの総理大臣に聞かなければならない、しかもそれは下っぱがわからぬから聞くというのならいいけれども自民党代表が、大幹部が聞くなんということは、これはそもそもおかしいと思う。
  24. 小林孝平

    小林孝平君 議事進行。今論議されておる、光村阿部君から言われておることは、自由民主党演説を今回やることを否定するものじゃないのです。それに同じような発言がありますけれども、それはあなた方がすでに議運で確認しているように、三十分で一人やるということはわれわれも了承しているのです。ただ、論議を進めるための前提として話し合いをしているので、あくまでも話し合いをしていることは、社会党が第一陣としてやるのが至当であるということを言うため言っているのですから、あなた方はその根拠を取り上げて、そんなことはおかしいという議論をやっていると、いつまでも尽きないから、もし発言されるならば、第一陣として自民党がやるのが至当であるということをやっていただかぬと、ちょっと時間がとるから、議事の進め方についてちょっと……。
  25. 佐野廣

    佐野廣君 私もそれで、大体与党が出しておる政府だから、質問が必要でないのじゃないかというふうなことについては、第一番目にやらなければいけないということがいいか、悪いかということの二つ問題になる。そういうことを私が質問したかったことですけれども、それが混同されている。よくあなたの鮮明でわかりました。
  26. 小酒井義男

    小酒井義男君 私ども理事会でその問題を論議しているのです。なるたけ理事発言は遠慮して、委員の方に発言者のあるようにしたらいいと思います。
  27. 安井謙

    委員長安井謙君) 今のお話で、実は私も言葉が足りませんでしたが、これは理事会決定する性質のものでありますが、こういうふうに意見が対立したものでありますから、一応この委員会でもお話しまして、皆さんの御意見を伺いたいと思います。こういうような趣旨でこれは御報告しておりますので、前田さんどうぞ。
  28. 前田佳都男

    前田佳都男君 ただいま光村委員阿部委員の、自由民主党与党だから、よく政策はわかっておるじゃないか、従って質問一陣に立つよりも、見解の相違をただす意味において社会党質問した方がいい。これも一つ理屈が私はあると思う。しかし大体与党質問自由民主党質問というのは、質問という形式を通じまして政府施政方針を明らかにする、これもまた一つの行き方だと思うのです。従いまして、まず施政方針演説に続きまして、やはり質問を通じて政府見解を明らかにする、党の政策を明らかにするという意味において、これは明らかにしておいてから、野党であるところの社会党の御質問をお願いする、その方がいいのじゃないか、これが私の考え方です。
  29. 阿部竹松

    阿部竹松君 前田先生言葉を返すようですが、冗談を言っては困りますよ。そうなったら僕は質問しませんよ。総理大臣演説大蔵外務河野経企長官演説をあなた方のだれかが聞いて、なれ合い質問か、タヌキ質問でもやらなければ明らかにできぬということを自民党が言うならば、僕ら話にならぬ。だからわからない。さいぜん言ったことは、誤解しては困るけれども、ともかく皆さん方政府なんだから、全部皆さん方に御相談になっているから聞く必要もなかろう。しかしながら、お互い国会議員です。わからなければ聞くのもけっこうだ、その他大ぜいを代表して、つんぼさじきに置かれた議員もあるけれども、聞くのはけっこうだけれども、あなた方の政策はあなた方ははっきりしているのです。こういうりっぱな野党があることによって政府なり、与党なりが伸びて行くのです。野党を明確に一つ人格者として認めて行くということから、総理大臣演説に対して、やはりわが方ではわが方の代表を立てて、国会対立点を明確にするというのが趣旨で、あなたの言葉の端をとらえて言うわけではないけれども、あなた方が発言しなければ全然明らかになりませんということなら、そういうことがあなた方の本心ですか。
  30. 前田佳都男

    前田佳都男君 質問形式を通じて趣旨を徹底する。
  31. 阿部竹松

    阿部竹松君 そういうことをやらなければ総理大臣意思は明らかにならぬというわけですか。
  32. 前田佳都男

    前田佳都男君 そういう意味でも……。
  33. 安井謙

    委員長安井謙君) お互い議論はやめて……。阿部君の今の御反論もあり、いろいろ疑義はあろうと思います。  田中君からも発言を求められておりますから。
  34. 田中茂穂

    田中茂穂君 いずれこの問題は理事会決定になるだろうと思うのですが、先ほど来、光村阿部先生の御意見を聞いていますと、何か与党だから与党質問は要らぬじゃないかというふうにわれわれは聞くのです。しかし、ただいま理事からお話があったように、そうではない、認めるのだ。そうであれば、今も前田君が言いましたように、やはり質問を通じまして、参議院立場から質問を通じて、やはり国民政府のなさんとする大きな大骨を知らせるということは必要なんですよ。そのかわり与党は、皆さん方の御意見のように、こういう点もあるので一人にしぼってあるのです。皆さん方は党を代表して三人、そのほか各派二人、こういう顔ぶれなんです。ですから相当その点は尊重をしておると思うのです。しかし今までの慣例から言いますと、自民党の方が第一陣として慣例通りにやっておる。その慣例をなぜ変えなくちゃならないのかという点なんですが、どうもあなた方はあなた方の立場でおっしゃる、われわれはわれわれの立場で申し上げているんです。ですから、その点はなぜ今までの慣例をこの機会に変えなければならないかという点がどうもはっきりしないのです。
  35. 光村甚助

    光村甚助君 今までの慣例が悪いのですよ。
  36. 田中茂穂

    田中茂穂君 悪いとおっしゃるのはあなた方の……。
  37. 光村甚助

    光村甚助君 発言中。軍部内閣とか、官僚内閣時代なら、これは第一党、その次は第二党でいいのです。しかし私は何べんも口をすっぱくして言いますが、あなた方自民党員なんですよ。自民党政策を、自民党大会政審会、いろいろなものできめて、そうしておれの方の政党はこういうことをやるんだということを大臣天下演説なさって、それにまた付随して第一党がやらなければ、あなたの方はまだ宣伝不足なんですか。これは自民党政策天下に表明され、そうして今度は少くとも野党が一番初めに立って、そうしてこれはいかぬじゃないか、こうじゃないかといってこそ、初めて与党野党言い分というものが、見解が分れてくる。あなたの方が補足説明あるいは補足質問しなければ国民にわからぬということ自体は、それはあなたの方は、私に言わしたらへ理屈だと思います。それからもう一つは、全然質問したらいかぬじゃないかということで、私の言い分であなた方誤解された。これは取り消します。しかし極端なことを言いますと、鈴木さんが総理大臣になって施政方針演説をやる。淺沼さんがおれの方が第一党だといって淺沼さんが第一陣八百長質問をやるということは、これはほんとうにいいことじゃない。今までの慣例がそうだとおっしゃっても、これはあなた方は口と腹は違うと思います。だから多数党だと無理を押さないで、野党を一番初めやって、やりたければあなたたちの方はそれからやる。そうすれば国民もなるほどと思います。だからそういう横車はやめなさいと言ったのです。
  38. 田中茂穂

    田中茂穂君 横車じゃないので、だからあなた方もおっしゃっているように、衆議院とやはり参議院は違うのです。しかし政党政治である以上は政策が一貫している。しかし参議院としての立場から、衆議院野党が第一陣だから参議院も第一陣でなければならぬという理屈は僕は通らないと思う。だからそれはそれとして、参議院は従来の慣行で、しかも参議院としての立場から、やはりこの自民党が第一陣を承わるということについては、われわれはもっともだと思う。あなた方はそれはいけないとおっしゃる。これは言い合っても同じなんですから、いろいろわれわれの意見十分理事会の方々も尊重していただいて、理事会一つおきめ願うことにして、これはここで取り上げて多数決になればこっちは勝ちますよ。
  39. 光村甚助

    光村甚助君 やってもらってけっこうです。
  40. 田中茂穂

    田中茂穂君 そういうことはしたくない。
  41. 小林孝平

    小林孝平君 ここでおっしゃったことを理事参考にしてきめろとおっしゃるけれども、あなた方がそのような発言をされるから、われわれは、自民党に同調できない。これはだれが考えても社会党が初めにやるのがいいのです。いいのだけれども、それを拒む理理は、ただ従来の慣行にあったということであります。そこで私は委員長にお尋ねしたいのでありますが、この国会の最も大きい問題は国会運営の正常常に心配されて、各派の協力を求められて、あの重大な国会法の改正をもやろうとしているのです。そこで国会運営正常化ということは何であるかと言えば、これは十分にその政策の違いを本会議場委員会を通じてやることなんです。それは与党野党が激しく論戦をやるということなんです。これが国会運営の本旨なんです。そうしますと、この松野議長の精神を生かすためには、どういうことをやったらいいかと言えば、本会議場において施政方針が行われたあとは、野党社会党がこれに対して最初質問をやるということなんです。それをあなた方はただ従来の慣行によると言う、そしてその従来の慣行を守るという理由は何もない、ただ、今まで自由党が最初にやっていたのを今度やめれば、われわれ議運委員や特に理事は迷惑をする、これは社会党にやられたというようなことで、党内で特にあなた方理事をつるし上げるということが、理事としてわれわれの正論に冷静に耳を傾けさせないゆえんなんです。それを、本日わざわざこの議運をやったら、あなた方はこの社会党の両君の説に賛成するかと思えば反対する、この理事にハッパをかけるような言動をやられる、そしてあと理事会できめろとおっしゃっても、きまるはずがない。
  42. 安井謙

    委員長安井謙君) 今、小林委員から、委員長はどうするつもりかと言われたのですが、これはさっき申し上げました通り、これは委員会議論を本来すべき性質のものじゃないのですが、そういういきさつがあったので参考までに皆さんの御意見を伺った上で、後刻開かれる理事会決定されたいと思いますので、大体一通りの御意見を伺いまして、実はきょうは議院運営委員長と使節団との懇談の時間を控えておりますので、適当に皆さんの御意見を聞いて切り上げたいと思いますので、簡単にお願いいたします。
  43. 田中茂穂

    田中茂穂君 今の小林理事の御発言の内容は、われわれが従来の慣行がそうだから、その慣行通りを主張しておるのだというふうな意味にとられたのですが、われわれは慣行のみを固守しておりません、と申しますのは、お宅の方は三人お出になる、三人がそれぞれの専門的な分野からそれぞれ御質問なさるわけです。こちらの方は一人なんです。一人で、すべての内容につきまして、参議院側の党としての立場からいろいろ質問をしてもらうわけなんです。ですから、そういう意味でお宅の三人はそれぞれ責任を持たれて、専門的な分野の御質問をなさろうと予想するのですが、そういうことを考えました場合に、わが党の代表が一人でもってすべての広範囲にわたる質問をしようというのもどうもおかしいのです。ですから一応わが党としては一人の代表者によってすべての解明をする、そのあと野党立場からそれぞれの専門に分れての御質疑をなさる、これは何も私はおかしなものじゃないと思うのです。
  44. 安井謙

    委員長安井謙君) 先ほどから北村ら、理事の方はできるだけ理事会でお願いします。
  45. 北村暢

    ○北村暢君 今の田中委員与党である第一党が第一に質問をしてもおかしくない、これはかつての自由党、それから民主党、社会党も右、左に分れる、こうたくさんの政党があったときにきめるのにきめにくいから、まあ第一党からやろう、こういうことはそれはあったと思う、慣行として。その慣行が続いてきて、この前の国会あたりでも第一党が先にやられた、こういう慣行がある、こう言われるんですけれども、それはまあ慣行で来たと、私はそういうふうに理解するんですが、しかし今日やはり衆議院とは違うとはいえども緑風会もちろんあります、ありますけれども、とにかく二大政党対立下の政党政治としての一つの大きな形ができた。確かに参議院は違うかもしれない、がしかし、今第一党の自民党が大部分の広範にわたる質問をなさると言われるけれども、その広範にわたる質問趣旨というものは、大体、総理大臣なり、大蔵大臣なり、経済演説なりの中に自民党の方々の大綱の政施というものが出るわけです。党による政策というものが出るわけですから、質問があったにしても、私は広範といえども、それは基本的な問題についての与党内の対立というものを質問によって明快にしなければならないということは、私はやはり考えられない。やはり基本的な対立点の出てくるのは野党与党との間で、その中でやはり対立点というものがはっきり出てくる、これが一番明確だと思う。だからそういう意味からするならば、議員質問する権利というものについては、これは平等であるかもしれない、がしかし、平等であるかもしれないけれども、この限られた時間内に限られた質問をするわけです。もちろん三人もしますが、そういう中で国会正常化という点から行くならば、やはり与党質問よりも、政府野党代表との間で質問を明確にすることが、やはり私は国会正常化という意味からいって、これの方の理屈の方が正しい。これは田中委員がよく言われても、私どもとしてはどうしても田中委員の言われる理屈というものは……やはり今後、参議院といえども国会正常化し、二大政党下における国会正常化という点から行けば、これは私はどうしても理屈が通っておる、こういうふうに思うんですよ。ですから、こういう点からいって、今までの慣行はあるかもしれないけれども、これらの慣行はまた慣行にして、新しいいい慣行をさらに作って行こう、これには何にも反対をする理由も何もないんじゃないか、ここら辺であっさり第一党としての自民党が矜持をもって、ここで正常化に乗り出したらどうでしょうか。一つそれに賛成してもらいたい。
  46. 阿部竹松

    阿部竹松君 一つ要望があります。私はうちの同僚議員はどうか知りませんけれども、さいぜんから、委員長理事会でまた再度話をするということですから、私はそれでけっこうです。ただ僕は委員長にお願いをしておきたいことは、岸さんの内閣が超然内閣であって、社会党さんに片足を入れるか、自民党さんに片足入れるか、全然別個であるか。あるいは代表社会党から五人を出すのもけっこうです。ただ演説をやってきて、とこいく岸さんが政策を打ち出す、親ソ親米、反ソ反米で行くか、そういう大きなものを社会党としては出して首相と対決することになるわけなんです。しかし自民党の方はそういうことじゃなくて、財政投融資が少いとか、大きいとかいうことで、社会党演説よりもスケールが小さいと思うんですよ。大綱というものがきまっておりますから、あなた方は総理から聞かなければならぬというなら議員の資格はないんですよ。ですから、どうしても社会党と世界観が違うし、思想も違うんです。ですから、やはり社会党演説よりもスケールが違うと思うんですよ。しかしそうでないかもしれませんが、まあ、あさってを見ていて下さい。何のために社会党に長時間をやつたか、三人を認めたかというと、やはり野党ということで社会党に敬意を表したということで時間を多くくれた、人数を多くくれたと思うんですよ。ですから、私はやはりそういう趣旨から、第一回の質問社会党にやってほしということだけを要望して、あと理事会におまかせいたします。
  47. 安井謙

    委員長安井謙君) 横川君から御発言の要求があるようですが、実は時間か迫っておりますので簡単にお願いします。
  48. 横川正市

    ○横川正市君 大体皆さんが言い尽された点を私は私なりにお話するにとどまるかもわかりませんが、言われておるところの慣例というものなんですが、私は慣例というものを悪ければ直すとか、それから、いや、あるからそれを行うんだという、そういうものでなくて、慣例の生まれてきたのには起源があり、その内容というものがあろうと思うのです。ですから実際上主張される側が、慣例というものは一体どういうふうに今までとられてきたかについて明らかにしていただいて、その理由がはっきりすれば、社会党側としてもそれに賛成しないというものではないと思うのです。ただ私どもの考えからくれば、慣例ということで押されては、実際上納得する理由を説明してもらえなかったというところに問題があると思いますから、理事会委員長を含めてやられるときには、その点について十分一つ考えていただきたいと思います。  それから第二点の問題は、参議院の特色という問題ですが、なるほど緑風会さんを含めて、私は参議院というのは衆議院とは別個の性格というものを持っていると思うのです。しかし政策的に、あるいはその多数党が政権を握っているという建前から、ものを見た場合、やはり衆参両院のものの考え方というものはそう極端な違い方はない。そこで予想される問題を見てみると、先ほど前田さんが言われたように、与党考え方をさらに裏づけをするという立場、もう一つあると思うのです。それは予算の大綱が最初に発表されて、それから予算が、きめられるまでのその期間で、おそらくいろいろと圧力団体が加わって、予算の内容が全然違ってしまった、だからそういう違った形から質問をしたいというところもあると思う。そうなれば、具体的に言えば、私は参議院という、自民党さんの特色というのは、今度の場合の演説の主体は、いわゆる野党化した、いわゆる現内閣に対して野党化した建前から質問をするということも、これいただいて、今まで先ほどから言われているように、やはり二大政党ということになれば、衆参その性格を異にしておらないのですから、野党が先に質問をして、そうして内閣政策を明らかにして行くということが、私はこれは正常化、あるいは慣例その他いろいろな問題から考えてみても、当然なことではないだろうか、こう思うのでございます。
  49. 安井謙

    委員長安井謙君) 横川君の二点についての御要望と言いますか、御意見を十分拝聴して、理事会でやって行こうと、こう思います。
  50. 島村軍次

    ○島村軍次君 だいぶ時間も経過いたして、結局、社会党が第一陣にやるか、自民党が第一陣にやるかというのが問題のようです。すでに今回の委員会理事会に御一任になったのですから、それを確認して、本運営委員会一つ御散会を願いたい、こう思うのでございます。
  51. 安井謙

    委員長安井謙君) 自民党の方からもまだ御意見があるように見受けられまするが、この際、島村委員の御発言もある通りに、今後の決定理事会に御一任を願うことにしまして、各位の御意見につきましては、十分、委員長としても承わって、今後、理事会でお諮りしたいと思います。  では、本日はこれで散会いたします。    午後二時二十四分散会