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1958-03-20 第28回国会 参議院 運輸委員会交通事故防止に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十日(木曜日)    午後二時二十六分開会     ————————————— 昭和三十三年三月十一日運輸委員長に おいて本委員を左の通り指名した。            江藤  智君            平島 敏夫君            三木與吉郎君            大倉 精一君            柴谷  要君            高良 とみ君            市川 房枝君            岩間 正男君 同日運輸委員長は左の者を委員長に指 名した。    委員長     江藤  智君     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     江藤  智君    委員            平島 敏夫君            大倉 精一君            柴谷  要君            高良 とみ君            市川 房枝君            岩間 正男君   政府委員    運輸省自動車局    長       山内 公猷君   参考人    全国乗用自動車    協会会長    新倉 文郎君    日本乗用自動車    連合会会長   湯城 義一君    国産自動車協会    会長      寿原 正一君    全国旅客自動車    労働組合連合会    委員長     伊坪 福雄君    日本乗用自動車    連合会会長  藤本 威宏君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査の件  (交通事故防止に関する件)     —————————————
  2. 江藤智

    委員長江藤智君) これより運輸委員会交通事故防止に関する小委員会を開会いたします。  この際、お諮りいたします。本日の小委員会における小委員以外の運輸委員につきましては、特に発言の要求がありましたときは、小委員外委員として発言を許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江藤智

    委員長江藤智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、交通事故防止に関する件につきまして参考人各位より忌憚ない御意見をお述べ願いまして、今後の当委員の審査の参考に資したいと存じます。  まず、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中のところ当委員会のため御出席下さいましたことを厚く御礼申し上げます。当小委員会に関しましての概略につきましては、ただいまお手元にプリントで差し上げてある通りでございまして、交通事故防止につきまして、超党派的にその事故防止について何とかいい成果を上げたいというふうに努力をいたしておるわけでございますので、参考人各位におかれましても本日はそのおつもりで胸襟を開いてお話し下さるようにお願い申し上げる次第でございます。  なお、議事の進め方につきまして御了解願いますことは、最初に参考人方々から御意見一つ要点をかいつまんで御発言を願いまして、そのあとで各委員から、参考人方々に御質疑をお願いするという方法で進めて参りたいと存じます。  それではまず、全国乗用自動車協会会長新倉文郎君より御発言をお願いいたします。
  4. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 委員長から御指名でございますので、私から先に大要を申し上げます。  交通事故防止の問題は今に始まった問題ではございませんが、最近の世相から見まして、重大な問題として取り上げられて参りまして、私ども比率的に一番事故を起すであろうタクシーハイヤー業者といたしましては、まことに責任の重大なることを痛感いたしております。日夜一千の従業員諸君とともに事故を起さないようにということに努力をしておるわけであります。事故くらい悲惨なものはございませんし、また事故を一たび起しますれば、被害者はもちろんのことですが、従業員でも会社でも、いずれも重大な損害であります。従って、これを最小限度に食いとめるようにいたしますことが事業経営の根本だとも言えましょう。要諦だとも解釈いたします。努力はしておりまするが、あらゆる方面から事故というものが減って参っておるようではありますけれども、容易ではありません。タクシーハイヤーにつきましては、政府はつい二年ばかり前ですが、需給調整をいたしまして、その結果一二%くらい事故が実は減って参りました。順次よくなってくるやさきなんですけれども、他の道路関係、その他の諸般交通輻湊等から目に見えたような成果をあげませんことを遺憾に存じておりまするし、またあらゆる角度から指導等もいたしておりまするが、徹底はいまだしの感が深いと存じます。  そこでわれわれ業者として事故防止に対する心がまえをどうしておるか、またどういう対策を考えておるかという点が御質疑大要だと存じます。私は事故を起すものは一番大きな要素はたくさんあるが、そのうち重要な問題は車両と人だ、人とは運転手、こう存ずるのであります。車の問題につきましては、国産自動車がようやく完成しつつありまして、いつでも完全車両を得られまするから、不完全車両になってくるような傾向ならば、手入もさることながら、これをキャンセルすることができまして、おおむね車の問題はかれこれ昔日のような不完全な装備の悪い車というふうなことはないとは存じております。しかし、機械の物でありますから、毎日出ますときに車の点検を怠ってはなりませんので、その点は日常の当然の義務として朝飯を食べると同様に、車の出るときに車の性能の点検を、怠りないかということをやるべきだ、こう存じます。それよりも重大な問題は運転手の問題である、これは操縦する人ですから、操縦する人の問題がきわめて重要であります。そこで、どうすれば操縦する人に事故少い操縦ができるか、こう申しますと、まず第一には、安定を与えることである、安心して車を操縦することであると存じます。この安心するというのは、いろんな要素がございましょう。かりに朝出勤のときに、うちを出るときから始まっておりますから、前夜来何か家庭がおもしろくないとか、あるいは出かけにどなって出てきたとか、幾らかのいさかいがあったとか、不愉快のことがあったとか、心平らかでない姿で出てきましたときには、私はその日の仕事は不愉快であるのみならず、ややともすれば事故を起しやすいような心理的の状態になっておると思うのであります。こういう点については、家庭の協力というものが絶対必要でありますから、自分の大事な家庭の人、だんなといいましょうか、お父さんといいましょうか、それを送り出す家庭心がまえとしては、一日の仕事を終えて、そうして無事で気持よく帰ってきてもらうという、その姿を迎えるために家庭が心から協力してもらいたい、こういうふうに申しておるわけであります。  第二に、安定せる姿とは、まず従業員諸君給与の問題が取り上げられます。給与の問題につきましては、固定給中心とせる生活の安定でなければなりません。これは大会社等では、かれこれ理想とはいきませんけれども、それに近いものを実施するようにしむけておりますので、東京では必ずしも会社が大きくなくても、それが徹底している会社では、かなりの給与になっていると思います。これは固定給中心になりまして、固定給と、それから家族手当とか、あるいは交通費とかという別の給与と、このほかに今の能率ないし歩合というものを加えたものの三つになりまして、そして比率は、大体固定給と他の給与とが同様の比率になります。そして中間の固定的の家族手当、あるいは交通費というものがその一部を占めまして、合計したものが三万円から四万円というところに来ているのではないかと存じます。これが理想ではございませんが、そうした給与安定性を持たせることが、まず第一に指導せらるべきであるし、また、そういうふうにし向けることがかなり重要であり、急務であると存じております。同時に、従業員厚生福利施設と申しましょうか、その仕事がかなり長いものですから、途中で休む場所、仮眠するための仮眠施設であるとか、休憩所であるとか、あるいは談話室であるとか、娯楽室であるとか、そういうふうな施設営業所うちになければなりません。それは食事のために帰る場合もありますし、またガソリンの補給のために帰る場合もあります。そういうときはおおむね仕事のひまなときですから、その間に一服してもらう、幾分の休養がとれるような施設営業所に完備すべきであると、こう存じております。それについては、陸運当局はすでにこれをはっきりと報告をするように申しつけまして、おおむね報告済みだと思っております。それは詳細なその場所の写真まで添えまして、坪数から施設の態様まで調査をいたしているわけであります。これを見て参りますと、全部見たわけではございませんが、まだまだの感じがします。これには土地が狭いとかという場所の問題もございますし、金の問題もございまして、急速にはいかないでしょうが、これは何としても近く実施しなければならぬことになりましょうし、また当局も再三言っておりますので、業者もそれについて鋭意、場所を変えてもいいから、一つそうした施設を拡充しようとしているようであります。  それから勤労時間の問題ですが、労働基準法その他の点もありまして、これについては八時間とか、あるいは変則十六時間といったあり方がとられているわけであります。大体東京タクシーの大部分は変則十六時間になっております。正味のいわゆる運行というものは、そのうちの十三、四時間、こういうことになっております。このいずれがいいかということについては、これは身をもって基準法通り実施いたしました湯城会長が、その実績を示して、そして東京タクシー労働時間の問題を現状のごとくあらしめたわけでありますので、この点は体験者である湯城さんから御意見を願うことがいいと存じます。さような点から見まして私は労使区別があるのはおかしい。この事業営利事業でないということを経営者も徹してもらいたい。事業の存続安定こそ、この職場を守るのにきわめて重要な基礎条件でありますから、事業を危くしてはいけませんけれども事業の安定せることを条件として利益は働く者を中心として分けらるべき性格の公益事業であると存じております。これは大工場とかいう事業とは違っておりまして、交通事業ですから、間断なく、波がないわけです。波のない事業ですから、安定を中心として不当の利益があろうはずがございません。二、三割の配当をしようというような会社があるはずがないと私は信じております。私はこのように本質的にこの事業を見直しているわけであります。  そこで事故を起した場合のいろいろな処置等もございますけれども事故の問題について経営者運転手が別であってはならぬ。これは一運託生でなければならない。共同不可分責任において処理されるべきであると思っております。ですから、事故の問題及び交通諸般の問題に対しては運転手責任とか、経営者責任とかというふうな区別なくして、一緒平等連帯の全責任を、これは連帯保証責任である、連帯不可分責任である、こう存じております。ですから、経営者からいうならば、うちの子供がしてきた仕事は、あるいは事故を起すような問題は、それは親が全責任を負わなければならない。もし誤まって事故を起した場合においては、ほんとうに間違ったことをして済まなかった、いわゆる被害者には済まなかったが、お前はかわいそうだった。ずいぶん気をつけたのだろうがな、という一つの愛撫の気持を持ってこれを抱きかかえてほしいのであってその親子の関係においてすべてのタクシー界というものが律せられるべきであると信じておりまして、そういう線に一つモデル・ケースを作っていきたい、こう思って漸次やらしておるところもございますし、私の会社などは漸次そういうふうにしまして、ですから、定年その他でやめるような者に対しては、まあ退職手当は当然出しております。退職手当も不十分でありましょうけれども、二十年で五、六十万になる、これは基本給によって、それに累進歩合を、指数を掛けることになりますから、人によって違って参りますけれども、そういう退職手当を出すのですが、会社ではほとんどその全員が株主に近くなっておる。ですから、やめた人の子弟はこれは優先会社採用でありますから、親から子へ、兄さんから弟ヘとつながる形をとっておりまして大家族主義採用しておるのは、これがかかってタクシー事業経営の真髄だと考えておるからであります。それに徹することが交通事故防止に対する労使双方連帯共同責任だと存じます。ですから、固定給の問題、給与の制度を改善して安定せしめることのほかに、労働協約に基くところの退職手当金を至急に決定して希望と光明を得せしめるべきだ。むろん労働組合等に参加する資格を持ちました本採用はそれほどじゃございませんけれども新聞広告などいたしませんで、かれこれ間に合っておる、移動の少い私どもの統計から見ましてハイヤーにはほとんど一ヵ月一人も動きございません。タクシーは四百六十台ばかりの車両でどんな場合でも平均五十人の移動があります。やめていく人間と入ってくる人間と五十人の移動がある。そうしてやめていく人に、いなくなる人に、ちょっと待てなぜ君少し落ちついてやらぬかといいまずと、まあ若いうちだから、いいところを一回り回ってくるのだ、できればもうちょっとたって、もう二、三年たったらお宅のようなやわらかい、いい会社一つ落ちつかさしていただきたいと思うが、今はちょっと一回り回ってきたいのだ、こういってやめていく。それはどういうところを一回り回るのかというと、ねらっていて新車の入ったところを一週間くらいやってまた次に行ってしまう。腕はいいからかせぎ高はずいぶんかせぐのではないかと思うのですけれども、どっかにいいところがあるとみえて、順にいいところを流して行ってしまう。悪い言葉では放浪性といいますか、そういうところが東京タクシー運転者共通的動きとして今日あることは、これは事故防止の上から見ましても、今社会に問題になっております交通事犯の規制の点からいいましても遺憾千万だと思います。ですから、なるべく早く本採用にして、労働組合の仲間に入れて、それはわが子にしまして、もらい子でもいいから、途中から来たのでもいいから抱いてやるのだというような気持になりましてそこに安定して将来退職手当及びその他経営中心になるようにしてもらいたい。私どもとしましてはこの事業をかく考えておりますので、労働組合といい、また労働組合のそういったような区別をしておりませんから、たまたまある限界をもちまして、経営陣労組側と二通りに筋は引いてありますけれども人間には区別がありませんから、労働組合の中から、主任はもちろん組合員ですが、係長、営業所長、課長、こういう人が無数に出て参りまして、おおむね成績がいいようであります。ですから、労働経験者が一番この事業には適する資格者であるとも考えられまするし、労働経営であらねばならないということに思いをいたしておりますので、先ほどから申し上げましたような、いわゆる全員をしてほんとうにほとんど全部をあげて働く人にまかせておく仕事ですから、そこに重点的経営が行われ、そこには経営者と何ら区別ない、分けへだてのない、愛情を持った結ばれが必要である。ですから、多くの労務管理をどうするかということを私に質問する人が多いが、それに私は簡単に答えております。水の低きにつくがごとく淡々としてお客さんの求めるままに営業していく、何事も考える必要はない、求められるままに素直な営業をやる、しこうして、会社経営者としての社長、私は君らを信頼する、絶対間違いがない、ごまかしなどする人じゃないと信じているからそのつもりでお願いしたい。信頼はおのずから信頼を生かと信じております。それ以外に労務管理の要締はないと答えております。私の標榜する大家族主義、これこそタクシーの本義に徹したる経営あり方だと存じまして、かく指導したいと思っておりますので、今まで申し上げましたようないわゆる諸般の問題に触れまして一応要項を申し上げました。
  5. 江藤智

    委員長江藤智君) ありがとうございました。  それでは次に、日本乗用自動車連合会会長湯城義一君にお願いいたします。
  6. 湯城義一

    参考人湯城義一君) 大体新倉君からあらかたの事故の経過と、これから協会業者としていきたい方針については話がありましたから、これは省略をいたしまして、ほかの面から申し上げますと、一応世間におわびをしなければならぬことは、最近神風タクシーが非常に世間を騒がし、また全国的の問題になってきましたことについて、いろいろな非難批評もありますが、一切謙虚な気持でわれわれは反省して、不備なところは改善し、そうしてこの機会に官民労使一体となって、いわゆる事故防止についてこういう汚名を払拭したいという決心を持ちまして、これは東京業者全般にそういう気持が油然として湧きまして、そうしてわれわれ経営者としては、社会に対しては労働者から責任の転嫁とか、いろいろなことがありますが、これは一切われわれとしては申し開き、反駁とかいうことをせず、まじめに内容を反省して進みたいということにきまりました。ちょうど昨日も軍人会館都内業者全部集まりまして、これは約千人余り、数はおぼえておりませんが、とにかく満員で、非常な意気込みで明日から第一番に都内無事故週間として旗を車へつけたり、腕章を巻いたりして安全週間といいますか、無事故週間実施しようということで、業界にあります今の指導委員会が主体になりまして、それから三団体委員がこれに参加し、そして実施するということの業者大会といいますか、その趣旨ならびに今後いかなけりゃならぬ方針、またわれわれが反省して改めなきゃならぬとかいうことについての覚悟を披瀝しまして、国会議員先生方もおいで下さって非常に激励していただきました。官庁からも御出席をいただきました。大へんな意気込み業者は反省しているわけであります。私どもはこの間も運輸大臣から呼ばれて、われわれ幹部が呼ばれていろいろ意見を聞かれたときもそう申し上げておきましたが、世間にはもう全く謙虚な気持で、そういう申しわけはしませんが、これは簡単な、単にやれノルマだとか固定給だとかいうことだけに原因を持ってこられておるが、そんな簡単なものじゃない。それは総合的の問題であります。この際それこそ官民一緒になって総合的にこれを検討して、掘り下げてこれらの原因を払拭するのでなけりゃならぬということを申し上げた。従って運輸省やあるいは国会の方へお願いしたり、警視庁にも申し上げることは、世間に言いわけのために申し上げるのでなく、ほんとうのこの業界の実態を把握してもらうためにはある程度まあ申しわけ的の言葉になるかもしれませんがお聞き願いたいと、こう存じております。で、この事故原因の大きな要素一つとしては今の固定給という問題がございます。これは早速三団体対策委員会をこしらえまして、つい数日前にこしらえまして、これが固定給保証給といいますか、これらの検討をただいまやっております。  それからもう一つ厚生施設、こういう問題も休養といったような施設等に関するまだ不備なところが相当ありまするので、これらもその委員会において取り上げて改良実施に進んでおります。その他まだいろいろございますが、一応そういう方針東京の三団体が一致して進んでいきたい、これは過去、協会としましては相当これらのことは研究したりまた希望しておりましたが、御承知のように任意組合であったり、あるいは協会というものが強制力を持たないが故に非常に指導といいますか、業界指導をしておりましても実施がなかなか困難だ。たまたま非常にここに悪名を馳せて、世間の問題になったことは、言いかえれば非常ないい時期を与えられたものだと思っておりますのです。ぜひこれは官民合同でここで改革と申しますか、改善に進みたいとこう思っております。この事故原因については、今ノルマの問題としては御承知のように無監督、現場の職場において監督のない、たとえば会社商取引会社を代表して街頭においてやるこの仕事。これがつまり請負事業といったような形になりますので、どうしても全部固定給というわけにはいかねことは、もう御了承下すっておると思いますが、先ほどから話があったように、できるだけその固定給を多くし、そうして歩合給の方を少くしていきたいということで今検討してやっておりますが、たとえば今唱えられておる走行キロに関して、あまり経営者走行を強要するとか、あるいは水揚げを強要するという話もありますけれども、これは絶対にないとは申し上げられんし、これも改めていかんならぬ一つのあれでありますが、大体そういう無監督の半請負仕事だけに、あの標準作業標準作業量といいますか、出て行ったらある時間だけはこれは働いてもらう。だれもこれは監督していない。それがどの辺の点に置くべきかということ。つまり一日一昼夜に何百キロ作業をしてもらわんならんかということなんですが、この最近私どもは実際にその三十二キロ制限速度でそれで市内を走って、拘束十六時間で働きますのに一時間に十五分の客待ち時間、あるいは空車で歩いているというような時間を取りまして、それから休養時間を三時間というようなものを取って、これは大体実施してみましたところが、三百八十四たしかキロくらいの距離を一昼夜に走ることで、そう暴走したりせずに仕事ができるのじゃないかという、一応そういう線が最近出ております。  それからこれをどのくらいにきめようかということをこれから検討して、最も安全運転をしてもらうということと、それから固定給をきめること。それからもう一つ、これは過重労働である。重労働であると言われておる二交代制の問題、これが一応ノルマという問題になると思いますが、この二交代制の問題は御承知かもしれませんが、三十年と思いましたが全国的に全旅労連といいますか、乗用自動車全国の組織が二交代制つまり八時間制を唱えて労働基準監督署の方に働きかけた。私ども経営者側の方もこれの反対運動をしまして、そうして一時たしか国会に取り上げられたものと思いますが、このときにちょうど私のところでも三百台ばかりの車、それを全部基準局の言われるあれを具体的の表によりまして、交代時間から非常に詳しい企画を立てられて、基準局長の方から示されたその線に沿って労使相談しましてやってみました。これは一応われわれの想像では、事故が非常に減るだろうということ、それから収入はこういうことによって幾らか、一割くらいふえるんじゃないか、そのかわり人を相当量ふやさぬと実施できぬというようなこと、ただし収支はそう変りなく、楽に仕事ができて、事故がうんと減るんじゃないかということを労使とも想像をつけまして、そうしてこれは実施した。それを三十年の六月の一日から実施し、翌三十一年の十一月までこれを基準局のおっしゃる通りの計画に乗せてやりました。そうして、よければ業者全体にこれを進めたいと思ってやりましたのですが、遺憾ながら両方とも期待にはずれた。つまり労使ともこれをやるにはおそらく一割三分くらいの増収があって、そうして増員した人間、百何十人ふやした人間給与補給をして、それでいくんじゃないかということが一つ。  それから事故は、当時警視庁も言われた通り、おそらく八時間制で、二交代制をやったらば相当減るというような期待があったのですが、私どももそれを期待しておりましたが、どういう理由ですか、ちょうどその二交代制実施していきました間を前年に比べますと、同じ車両で同じなんですが、相当事故がふえたということ、それでこれは期待を非常に裏切られた。それから労務者の方がこれを実施してみますと、かえってあんまりからだの休養ができない、そうして仕事がやりにくい、いろいろな理由がありますが、その一つの大きな理由は、二交代制になった場合、つまり一昼夜制のときには、二往復営業所と自分の居住地とをすればいいやつを、八時間制になりますと、二交代、二往復しなければならない。片道に一時間を要したとしましても、今まで二時間で済んだ通勤時間が四時間にもなる、そうすると休養する時間が非常にかかる、それから交代をするのに八時間なるがゆえに、午後の四時から五時の間に交代する後任者、交代者が来ておるから四時に非常にあくせくと帰らなければならぬ、時間を縛られる、それまでに非常に気がせくということ、何かゆとりのある営業ができないというような気持なんでしょうが、もとの一昼夜勤務に運転手の方から戻してくれという希望が出ております。これは組合の方が会社はあまり関知しないでアンケートをとったらよかろうというので、組合自体が全従業員からアンケートをとりましたら、大体八割くらいはもとの一昼夜制に返りたい、二割ばかりがやっぱり八時間二交代制がいい、こういうことになったので、またそのまましばらく継続、両方置いて希望通りの勤務をさしておりましたが、ついに三十一年の暮れ、十二月ですか、全部がやはり一昼夜制になって、ただいまその後引き続き一昼夜、二十四時間交代という制度になっておるわけです。これも今事故の問題とともに非常に研究しているわけですが、これは組合に強要されたわけではなく、またわれわれの方もお互いに研究するという意味でやったのですが、あるいは何かほかに理由があってやり方が悪かったかどうかしりません。少くもこれは、こういうことを実施するためにはどこか郊外の方へ出まして、営業所も、それからそこの付近に居住する宿舎でもこしらえて、そこから通うとかいうことになれば、そういう点も一歩進んだことができ得るかもしれませんが、現在のような状態ではなかなか困難である。これがいわゆる当時は世間でもだれが、しろうとが聞きましても非常に賛成される問題で、これは一昼夜勤務するよりは、八時間二交代制の方がいいので、その方が安全だという、これはどなたが聞いても賛成される。私どもは観念論だと、こういうことを言っておったのですが、事実そういう結果に終ったわけであります。  それから総合的にいろいろと申しますと、現在の車両が、三十年の十月に私が運送協議会の委員をしておりましたときに、当時東京業者が三百二十くらいありましたが、非常に不況に襲われて、そのうち二百五、六十社が不渡り手形を出すというような状態で困った。それでいろいろこれを調べてみますと、当時東京の百八十たしか五社の総計の調査をしましたもので計算して参りますと、要するに車の数が多過ぎる。そのときに一万二千四百台ばかり、これは需給のアンバランスからくる不況であるので、どうしてもこれは減車せなければならぬ、もちろん増車新免はストップしてもらわなければならぬということで、逆算して説明をいたしまして、一割の配当をして健全経営でいくには、どうしても当時キロ当り二十円以上の水揚げがなければ困るのに、その当時は十九円幾ら、しかも、実車率、客を乗せて走る走行キロの割合が、五〇%がなかなかむずかしかった。四八から九%、つまり半分以上は空車で貴重なるガソリンを町にまいて走っていた、これは国家的な経済からいったってもったいないことであるから、ぜひ減らしてもらいたいというので、当時、逆算していきますと、千六百台減らすと二十円以上の、たしか二十一円くらいなキロ当りになります。実車率も五三、四%になるというところで委員諸君の御賛同を得まして、そういう需給調整を慎重に調べて行政処置をとって、そういう減車の処置もとっていいという決議まで受けたのです。それで現在台数はそのままでおりますが、自家用の方が非常にふえまして、御承知のように無制限に認可されるのですけれども、輻湊してきております。事故もこの上増車をいたしますと非常に関係のあること、それから経営の面からいきましても現在のいわゆる実車率は五三、四%であります、当時から見ますと。それからキロ当りが二十一、二円の状態でありますから、やや好転してきたという姿でありますが、まだほかの地方、ことに関西方面からみますと大へん実車率もキロ当りも低い。この上増車をいたしましてやったならば、競争状態が激しくて、おそらく需要の方はそうふえていないのに供給の方が多くなったらますます神風タクシーになるのじゃないか。一日の大体標準収入というものより多くの車で負うということになりますと、そういうことになるのじゃないかということを非常におそれているわけであります。これは一面、最近非常に業者の方も、キロ当りがあんまりよくなくて実績はよくないということは、三十年のストップした当時からみて実際には増車しているという姿も見られるわけなんです。ということは、あの三十年にストップしたときには実車率が稼働率で、つまり登録されておる一万二千四百というその登録の数のほかに、これは実働台数というものが当時はおそらく九千台くらい、稼働率が非常に悪く、これは車も御承知の欧州から小型、中型を輸入しまして、国産車も間に合わない。従って、相当古い車を無理に手入れして動かしておったから、稼働率が悪く、全体に八五%から九〇%の稼働率であった。今日は御承知のように、国産車が非常に性能がよくなり、また生産量も多くなって、日本の国内のタクシーは一台も外国車は要らない、国産車であり余っておるという姿になって、しかも、性能がよくて稼働率がいい。今東京業界がほとんど百パーセントで走っております。百パーセントだということは、同じ登録台数で稼働率がよくなったということによって、おそらく二千台から増車している。それに御承知の白ナンバーの営業とか、あるいは何とか近ごろの違法の営業のあのハンカチ・タクシーとか、ああいうものは何百台ありますかしりませんが、相当数稼働しておるということは、これは事実です。この上新免、あるいは増車ということになりますと、ますます神風が起ってくるのじゃないかということを非常に憂えているもんであります。  なおもう一つ。これは道路の状態等は、もうくどく申し上げぬでも御承知のようであります。広くなったわけではなし、そこへ自家用等が非常にふえてきた、非常に輻湊するということ。それから道路運送法等の改正もしてもらいたいということもありますし、あるいは就業免許証、これは簡単にいいますと、戦前には普通の免許証のほかに、タクシーハイヤーに就業する運転手は、地理その他特別の技術を持った、つまり免許証、就業の。これらの仕事に就業する免許証というものが別にあったんで、警視庁からこれは交付されておったんです。それが戦後なくなった。それで今日われわれはこの制度を復活してもらいたい、そうして適正な……これには、まあいろいろ接客上の問題がありますから、心理的検査、その他まあいろいろありましょうけれども、一応技術あるいは地理その他のことを、タクシー事業のようなものに、タクシーハイヤーに適するかどうかということの検査を合格した者に与える、前にあった就業免許証制度を貫いてもらいたいということが一つであります。  それからもう一つは、道路の交通の面を、対面交通というのはアメリカさんが来て日本にああいうものを強要していきましたが、現在あれでわれわれも困っておるのは、歩道のある所はいいが、歩道のない所で両側で人間同士の対面交通が行われている、つまり車左で人は右ということの看板は出ておりますが、だれもこれを現場で指導したりなにしている者はありません。小学校の生徒だけが校庭で先生に指導されておりますので、今は大人は左行、子供は右行というような姿で、これほどこも徹底していない。われわれは何十年来左行ということに習慣づけられて、もう無意識的にすぐ左行します。それがゆえに百貨店なりあるいは駅の階段とか、あるいは通路等をごらんにをなるとみんな左行しております。これはそのまま放置されておる。これはああいう所はいいのですが、歩道のない道路などは今までの幅員より両側とも倍にふえたと極端に言えば言い得る。両側とも左行の人と右行の人が交錯している。こういうことはもう徹底してもらいたいということです。で、私も前に警視庁の二代ばかり前の交通部長にこのことを問うたことがあるのです。アメリカさんに強要されたが、今ほったらかして、もう昔に復帰するのじゃないかと言ったら、そうでもないという話でしたが、できるならば、九千万か八千万か知らぬが、国民が何十年にわたって訓練された左行をそのままにして、ほかの交通機関を反対に回したらどうですか。これはごく少数で、ことに軌道の問題はまあ渡り線の何とかありましょうがすぐ直せるのと、それから車馬の方はわずかな数であるから、これは反対にされて、ほんとうの対面交通ならそうしてもらったらどうだ、この輻湊しておるときに東京なんかのあの姿は実にわれわれも困っておるということも申し上げておったのです。これらも一つ何とか研究を願って、解決を願いたい一つと思います。  いろいろ申し上げたいこともございますが、ただ東京タクシーという立場から言いますと、地方と違って立地条件が非常に悪くて、どうも中心の銀座の方に集中するという傾向がありますが、例を大阪の方からとりましても、私鉄のターミナルが発達しているゆえに盛り場がぐるりにあって、空車で走るという率が非常に少い。しかるに東京中心に集まるくせがあって、どうも盛り場を持たないという非常に不利な条件があるということもお含みおきを願いたい。  それから根本問題としては、台数がほかの都市から見て多過ぎる。たとえば大阪のごときは五百万人に対して現在四千台切れるかどうか、大大阪に対して。しかるに東京では大東京に対して一万二千四百台、現在確か一万二千六百台になっておる。これは多過ぎるじゃないか。だから戦前も戦後も実にわれわれ東京業者はほかの地方から比べて経営が非常に苦しくて成績が悪いという大きな原因は、地理的条件、それから需給関係がアンバランスじゃないかということがいわれるわけです。それこれ、私どもとしてはもっと経営がやりよくて、暴走しなくても済むような姿にみずからも反省して直しますが、諸般の点から研究して、そういう線にいくようにお願いしたいということを申し上げておきます。
  7. 江藤智

    委員長江藤智君) では次に、国産自動車協会会長寿原正一君にお願いいたします。
  8. 寿原正一

    参考人寿原正一君) ただいま新倉会長あるい湯城会長その他から御先輩の方々の御説明で大要あらかじめお話をしておるので、営業その他の問題についてはあらかじめ御批判、御説明申し上げておいた通りでございますが、私が大体業界で担当しておるのは、今東京旅客自動車指導委員会というのが大体私の担当部門になっております。この辺でいろいろ本問題について一般からの世論にこたえなければいかぬと、こういう問題で先ほど湯城さんからお話でありました業者大会を契機にして事故防止旬間をやろうというのがきのうの催しでございました。一般ノルマという問題について、あるいはこれの根本的な問題であるメーターの問題、あるいは事故防止のいわゆる業者の再認識の問題、運転者に関する教養の問題、こういう点について私が大体担当しておる部門でございまするが、先般警視庁当局から示されました一日走行キロが大体三百三十キロぐらいならばいいでないかというような数字が出ておりましたが、これもわれわれ業界といたしまして、いわゆる東京ハイ・タク事故防止対策特別委員会というところでいろいろ検討してございますが、まだその結論には達しておりません。大体三百二十キロという線を警視庁はどの辺からお出しになったか、その根本の線をまだ聞いておりませんので、わが業界の方で出し得る線とにらみ合せまして、今後この点については研究してみたい、走行キロの点については。いわゆるノルマといいましても、走行ノルマ、あるいは運賃のノルマ、いろいろノルマにも種類がございますので、どれが適切であるという問題については総合の施策をもってこれを検討していきたいというふうに考えております。  その次、事故防止の根本的な問題は、いわゆる業者の認識がまだそこまでいっておらぬということが考えられましたので、先般昨年の十月四日にわれわれ指導委員会の方といたしましては、各事業所ごとに一名ないし二名という程度のいわゆる事故防止対策部というものを設けまして、その事故防止指導委員というものを約四百名警視庁当局から任命を受け、各警察単位ごとに業者責任者、これは社長でございます。そのほか業務の担当の者、あるいはいわゆる一般、われわれの会社でいいまする配車その他の方々に明日くらいから東京全部にわたって地区別事故防止という問題を研究しようというような仕組になっておりまして、本格的にわれわれ業界に寄せられる神風タクシーという汚名を一掃しようじゃないかというように、業界指導委員会中心にしてこの案を立てておるような状態でございます。それで先ほど湯城会長から自家用の件がございましたが、この自家用の件については昭和三十年でございましたか、まだ三木さんが運輸大臣の時代でございました。業界で料金問題というあの大きな問題が取り上げられましたときに、私とここにおいでになる新倉会長二人が大臣室に呼ばれまして、あの料金問題を解決せよという御命令のもとに、これならば解決しようじゃないかという案を出したのが、いわゆる自家用の許可の乱発という問題を……私らが申し上げておりますのは、現在道路上を歩いてみますというと、車庫もなければ何にもない、印鑑証明さえ取れれば自家用がどんどんと許可されるという、いわゆる自家用の乱発ナンバーを発行されるのでは、われわれが幾ら一生懸命になって事故防止しようと思っても、これら自家用に起因する事故も相当多いということも御認識していただかなければならぬ。これと、もう一つ乗用車の自家用に伴い、あのスクーターあるいは三輪車の問題、こういうものが非常に事故の第一原因をなしておるということも、これはもう絶対に見のがせない事実である。またいろいろこの自家用に対しては先ほど湯城さんから話がありましたが、白ハンカチ・タクシー問題、これらの問題でも業界運転手諸君並びにわれわれ業界も真剣に考えておりますが、これらの取締り方法についても非常に運輸省当局のいわゆる道路運送法の不備とでもいいましょうか、本問題が根本的に解決いたしてもらわなければ、あらゆるところでこのタクシーという問題とこの自家用白ナンバー問題というものがトラブルを起しておるという問題を一つ取り上げてもらいたい。これは私が指導委員会の方から警視庁に再三すべての問題について打ち合せにいきましたときに、この白タクシー問題についていろいろお願いをし、警視庁当局が取り締っても、これが不正営業である、あるいは道路運送法違反であるといっても、運輸省当局では何らなすべき手がないというような現状でございます。これで道路運送法、この点だけはぜひとも改めて、取締りが一緒にできないのならば、いわゆる免許権、自家用に対するナンバー交付あるいはその他の問題を運輸省に取締りを一本にするか、あるいは警視庁に一本にするか、いずれかにしていただかぬというと、取締りと、行政、司法別々になっておる関係で、とてもこれはもう運輸省だけでは防止しかねる、いわゆる道路運送法の改正に当りますときに、完全に運輸省が取締りの権限を持つというように改めていただきたいというのが私らの念願なんでございます。警視庁当局も、お願いに行くというと、どうも運輸省がだらしがないのだ、こういうようなこと、また運輸省へ行きますというと、私らには取締りの権限はないのだ、こういうような、双方がそういうことであっては、自動車のいわゆる行政というものは完全に行き届かぬということをお含みの上、これに対する善処方もお願いしたいと思います。私の方でいわゆる業界の諸運動の実行面を承わっておりますので、明日より行いまする事故防止運動の結果を見まして、あらゆる問題、これは労務の問題であり、あるいは給料の問題であるというものは、政策方面は三団体協議の上にやっておりまするので、その点については先ほど以来よく御説明を願ってありまするので、くどくど申し上げませんが、一般の新聞の方々にも私はちょっとお願いがあるのでございますが、運転者を私らがいろいろ指導しております。指導教育をしておって、やや運転者が向上し、またいわゆる運転者として公益事業従業員であるという認識を持っておる。ところが、こういう運転者の諸君がせっかく向上しようという心がけになっておるやさき、あらゆる新聞で取り上げておるのは、あるいは雲助運転手だとか、あるいは神風タクシーだとかいうことのみを取り上げておる。運転手にも善行はたくさんあります。よい面はたくさんあって、いわゆる表彰に値する運転者諸君もたくさんあるということをお忘れになっておって、悪い面だけを書かれるから、せっかく向上しようと思った気持が、どうせそう言われるならば、われわれも努力したかいがないじゃないかというように、かえって反対の方向に向うというような結果にもなり得る。試みに、先般毎日新聞で取り上げておりましたトラックにひかれた学生さんの問題、この一番見出しに「心せよ神風タクシー」という表題がありました。これはタクシーが起した事故じゃない、いわゆるトラックが起した事故に対して、そういうふうな表題で、あくまで業界神風タクシーであるのだということを、一歩でも前進させるつもりでそういうふうにお書きになったのかもしれませんが、間違った報道だけはしていただきたくないということを私らもお願いしたいわけでございます。そういうことで、いろいろ交通問題で取り上げられる問題は私も交通安全協会の方も担当しているので、交通道徳の高揚という点、先ほど湯城さんお話がありましたが、対面交通の問題もよろしゅうございますでしょう。いろいろな運動はよろしいのですが、交通道徳、いわゆるほとんどの事故が車道でひかれているという状態が現在の事故の大半ではないかというふうに見ている。いわゆる歩車道の横断歩道のところで事故を起させたのはほとんどない、ほとんどが車道でひかれておる、こういう問題も深くお考えいただきたいということも御考慮の一つに考えてほしい。こういう問題で、あらゆる諸問題が、われわれ業界としては真剣に本問題については考えております。多分今月中には、いわゆる給与の問題にしろ、労働時間の問題にしろ、ノルマの件にしろ、あらゆる諸問題が、大体業界の諸問題が今月中に多分打ち出されるというような状態に現在はなっておる、こういうことを御報告申し上げます。  大体、私が担当しておりまする部門だけをあらかじめ申し上げまして、後ほどの質問にお答え申し上げます。
  9. 江藤智

    委員長江藤智君) 次に、全国旅客自動車労働組合連合会委員長伊坪福雄君に願います。
  10. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) それでは交通事故防止に関し、その発生の原因について所感を述べさしてもらいたいと思います。  警視庁当局の昨年中、昭和三十二年六月現在の交通白書によりますというと、東京都内交通事故数というものは二万二千三百六十五件、死亡が八百十三人、負傷者が一万八千六百五十五人、そのうちの自動車事故は全体の八三%を占めております。死亡の七五%、負傷者の八〇%までがこの自動車が事故を起している。統計を見ますと、自動車事故数のうちハイヤータクシー事故は三千八百八十一件で、全体の二一%を占めていて、大体第一位になっているわけです。自家用車、それから四輪自動車の三千三百六十件という数字も、私はこれは見のがせないところの数字ではないかと思っております。従って、事故防止に当っては順位などがあろうはずはなく、神風タクシー撲滅のみに焦点をしぼって、この面におけるところの総合的な防止対策を等閑視した場合においては、交通事故防止の、これは対策は成り立たない、このように私は考えております。従って私はこの事故の起きる原因として三つくらいに分析いたしまして口述してみたいと思います。  第一点としては、現状のように、運輸、通産、建設、警察庁等の関係官庁がてんでんばらばらわが道を行くという行政は無策もはなはだしいと言わなければならない。一例を上げると、道路と大型バス、トラックの関連、あるいは免許の認可、交通取締りとの関連、それから都市計画と道路、水道、ガス、電気、下水工事等の関連を統一する機関もなく、道路は常に至る所で掘り返されております。言葉をかえて言うと、権兵衛が種まきゃカラスがほじくる、こういうような形が今の道路の掘り返されている状態じゃないか、交通許容量の行き詰った現状では、至る所で歩行者も車も都心においては身動きができない混乱状態に陥り、文字通り交通地獄の現出であり、これが解決こそ都民生活や、交通事故防止の、保安対策の上からも重要な問題である。私はこれらの総合的な交通政策の欠陥が交通事故の起きる原因になっていることも否定できないと思う。自動車の増加も年々著しい盛況を呈しているし、街頭における深刻なる交通混乱の現状をつぶさに観察していただき、交通政策の抜本的対策を急速に確立していただきたい。  第二点としては、歩行者の交通道徳というものも残念ながらきわめて低調である。交通規則を無視して危険なところを平気で横断する人を街頭で多数見受ける。私は当局発表の事故件数のうち運転手のみに一方的に過失があるという件のみではなく、むしろ歩行者が交通規則を守らなかったという点にも事故の起きる原因があると考えております。従って、交通安全週間等のみではなく、常時一般歩行者に対する熱意ある当局指導も考慮願いたい。  次に交通標識と町の装飾ネオン等の関連も運転する者の目を眩惑し、事故の一因とも考えられるので、一言付言したい。  第三点として、神風タクシーの起きる最も大きな原因は、ハイヤータクシー労働者の置かれている不安定な労働条件と、ハイ・タク経営者の労基法の独善的解釈による労務管理と勤務体系、さらには歩合重点による刺激給や、下車勤等によるノルマの強制等が神風タクシー等の汚名を受ける最大の要因をなしている。このことは事故原因の白書を見ても、速度違反が千百五十五件で、二九・七%を占め、さらに、速度に直接関係のある優先交通権無視三百七十件、徐行不履行三百十件に次いでわき見運転、居眠り運転等になっているわけでございます。  さらに、事故と最も関連のある仮眠設備等の福利厚生関係に至っては、ほとんど不備なものであるといっても過言ではないほどであります。少くとも運転手の職務は、国民の生命なり財産というものを預かる貴重なる職務に従事しておるので、現在のハイヤータクシー労働者労働条件を全面的に改善さす行政措置等の諸対策を慎重に御配慮願いたい。  次に、私たち交通関係に携わる労働者として、以上述べた悪条件運転手の上にのしかかっていようとも、人命尊重の立場から、交通事故防止に最大の注意と協力を惜しむものではないが、警視庁当局の取締りの重点としている起きる事故の表面の現象のみをとらえて、運転者のみ一方的に多額な罰金と就業停止等の強硬な行政処分等は絶対に反対せざるを得ない。なぜならば、前に述べたごとく、運転者そのものの生活状態が不安定であり、罰金そのものは、全額運転者の負担であり、従って、過重なる処分は、それを取り返そうとしてまた無理な稼働をする、こういう悪循環の一因も事故の起きる要因になっていることを私は申し上げるわけでございます。  従って、以上大体本筋だけ申し述べたのですが、三会長言葉の魔術の中から相当調子のいいことを言っておりますので、逐条、簡単にその面に対して申し述べたいと思います。  第一番目に、さいぜん湯城会長が、業者事故防止の大会が昨日持たれた、官民一体となり、それから労使一体となって事故防止のためにやっていくのだ、まことにこれはけっこうな申し出だと思います。しかしながら、これは言葉だけであって、少くとも労使が一体となって事故防止のためにやるならば、なぜ、これは、労働組合の代表くらいはその事故防止の大会に呼んで、一緒になってやっていこうじゃないか、こういうところの熱意があって、初めて私は言葉が生きてくると思う。従って私は、これは言葉だけのあやじゃないか、こういうような解釈を持っております。  その次に、就業免許証を作ることによって何か事故が少くなっていくのじゃないか、こういうような面もあったのですが、私の記憶だというと、二十九年に参議院において藤原道子先生が労働委員長をやっておるときに、この事故防止に対する公述を私やったことがあるわけです。そのときに、この就業免許証の問題が出たのですが、この就業免許証の始まりというものは、業者としては御存じの方もあると思うのですが、今こちらに指導委員会委員長寿原さんがおりますが、指導委員会というものを作っておるその最初の出発は、警察官上りの方が十八人くらいで、エントツの防止だとか、その他不良運転手の摘発、こういうものを主として結成されたように私聞いております。この指導委員会にこの就業免許証の許可を認可してくれというようなことを最初はやっておった。私たちとしては、業者の作った私設機関にそのような権限をゆだねたら、これはとんでもないことになるのだ、従って、これは憲法違反にも抵触してくるのじゃないか、こういう面から反対したのです。今度は業者の方は肩がわりいたしまして、当局によってこれをやらせようというふうにしてねらいを変えてきた。従って私は、現行道交法の中において、年令も制限されておるし、経験年数もきまっておるのだから、さらに屋上屋的な就業免許証の必要はごうもないじゃないか、このように考えております。従って、この就業免許証は、何か底に含むものがあるのじゃないか、極端な言葉でいえば、労働組合でもやったやつは就業免許証によって締め出してしまえ、こういうような底意があるのじゃないか、こんなことも、うがった考えですが、考えてくるわけです。  それからその次に、走行キロの問題ですが、これは新倉会長がただいま走行キロの問題、どうも会社のいい面を相当述べられたのですが、私は、全国会長という立場からいうと、やはりみずからの会社あるいは二、三の会社の視野の面から大局を論じておるということは、ちょっと誤まりじゃないかと思う。私は大阪の資料も京都の資料も、帰ってきたばかりで、持ってきておりますが、大体東京と似たようなことをやっておるということなんです。走行キロの面でも、三月十日の日に毎日新聞において、紙上の座談会が持たれた。そのときに、陸運局の旅客の二課長も来ておったのですが、こういうところの発表をしておるわけです。三十二年度においては、走行キロ三百七十三キロ平均に走っておるということなんです、タクシーの場合、それから実車率は五四%三だ、一車当りは八千八百円稼いでおるんだ、それで大中小に分けて、大体大きな会社、四百台以上の会社は五つくらいこの東京にあると思うのですが、そういう会社は大体年間にして三万二千円近いところの平均賃金を取っておるのだ、それから中小に至っては二万八千円くらいの年間にして平均賃金、大きな会社においては三五%が固定給であって、中の場合が一七%、それから小の場合が一一%、平均すると大体一七%くらいの固定給しか取っていないのだ、こういうような数字を当局としては発表されておるわけです。従って私は、三百二、三十キロしか走っていない、こういうような面には相当誤まりがあるのじゃないか、私ここへ来る場合、ちょうど業界紙があったのでひょっと見たところが、こういうところの写真が載っておるわけです。これは湯城さんのところの協会の理事をやっておる方なんですが、新聞に載っているのです。暴露記事じゃない、業界紙に載っているから申し上げますが、荏原交通の社長磯安雄さんという人が、交通の問題に対して、事故の問題に対して談話を発表しておるのです。どういうことを書いておるかというと、「交通事故が起るのはノルマのせいだというが、そんなことをいう運転者は責任を回避するためにいっているので、ウチの場合でいうと四五〇キロから五〇〇キロ走っている運転者がいるが事故を起さない者は絶対に起さないネ、例えば五〇キロ」と書いてありますが、これは五百キロの間違いだ。「五百キロで走っていても真面目に走っている者は交通事故を起さない」、こういうようなことを書いている。そういう面から見ると、これは当局で発表したところの平均三百七十三キロというやつは、これは私は正しいところの数字である、こういうふうな解釈を、私この面からとるわけです。  それからもう一点は、現在基準法の面からいって、一人で一車の場合は二十六日、八時間、それから二人で一車の場合は十三日、週休制をとりまして十六時間、それから二人で三車をやる場合は——ハイヤーの場合あるわけです——ハイヤーは結局十七日稼働で、十二時間稼げばこれは基準法に抵触しない、こういう面でちゃんと届けができておるわけです。これは、私は、書類の届けだけです。現実の姿はこのような形になっておるか、そこに現在の協会報告に大きな私は矛盾性をはらんでおるんじゃないか、こういうことを申し上げたいと思うのです。  それからもう一点、これは二交代制の場合、これは私もたまたま湯城会長の社長のところの委員長をやっておるので、社長も病気を長い間やられまして入院しておいでになったばかりなので、病人をここでいじめるというのは非常にお気の毒だと思うのですが、この場合やむを得ないと思うので御了承願いたい。二交代制の場合ですね、こういう形が出たわけです。社長の申し上げるように、確かに東京基準局の指示した通りの制度を一年半にわたって、まあ二百八十台ばかりの車が実施したわけです。その結果どういう形が現われてきたかというと、さいぜん二交代にした場合、事故がふえた、これは社長の言うことが誤まりなんです。なぜといえば、二交代をする前のときと、二交代後におけるところの台数が、百台からふえたということを社長は忘れてしまった。これは私は全国的にプリントでもってこの前回したのですが、社長の方から実際の反駁もなかったので、これは是認されたものだと、このように思っております。ただ、社長としては、苦しいのは、これは二交代制にすると運転者が相当ふえますから、人件費が出るという面で相当はたからつつかれた、こういうところからやむを得ずしてこういうような発表をせざるを得なかったんじゃないか、このように解釈しております。それから二交代制を今になってどうしてやめたのか、この問題であると思うのですが、私は八時間二交代という制度は、これは交通労働者としては一番いい制度なんだ、しかしながら、業者が全面的にこの制度に対して協力願わない限り、これは実らないということが現実にわかってきておるわけです。なぜかというと、昼番の場合、八時に出勤いたしまして、四時半ごろ上ってきて、夜の番が五時から出ていく、これが非常に楽なんです。そうして今度は夜番に入る場合においては、これは週休制をとっておりますから、番によっては三十数時間も休みができてしまう、かえってからだがなまになってしまうというほど、まあ楽でしょうがないというのが昼番の運転手の方の言い分、夜の場合にどういう現象ができるかというと、夜は五時から出ていって一時ないし二時ごろ帰庫してくる。そうすると仮眠設備が私のところはございます。これは寝られるようにちゃんとできておりますが、この仮眠設備でもって二時間なり三時間寝て、そうして朝交代して帰って、夕方の四時ごろ出てくるということになりますと、もうどうにもならないのです。特に二時間ないし三時間仮眠して、それからまた寝ろといってもこれは薬か何か飲まなければ寝られない。私たちが汽車旅行をいたしましても、汽車の中で寝てしまうと旅館に着いても寝られない、こういうような状態が人間のからだとしてはできているわけです。こんなことを三日も続けると頭がふらふらになってしまう、そういう面から夜の番が非常に疲れるという現象が出てきた。従って、今度は社長に私はお話をいたしまして、それでは特別なものを除いては、帰ってきたら納金して帰そうじゃないか、これも社長としてはよろしい、こういうことでもって帰していただいたわけです。しかしながら、住居の関係で近い者は帰れるのですが、遠い者は帰られないで一番電車まで待って帰る、こういう現実が出ているわけです。そうなってくると、一番電車で帰ってまた出てくるわけですから、これはもう夜番の人はどうしても疲れるという現実が出てくる。従って、八時間二交代という制度は、交通労働者としては基本的にはけっこうな制度なんだが、住居の面に対して経営者ほんとうに協力しない限り、実らないというところの現実が出ておるわけなんです。従って、東京においては東京相互という会社は、最初からこのような制度において現実にりっぱに八時間二交代制でやっている。従って、この制度が悪いというのじゃなくて、業者自身がその住居の面も含めて御協力を願えるならば、私は八時間二交代という制度は何ら悪い制度でない、このように考えております。  その他、いろいろ給与の問題その他を含めて申し上げたいと思いますが、非常にこまかい面を申しますと長くなりますので、質問の中からその他の面はお答えしていきたい。以上をもって口述は終ります。
  11. 江藤智

    委員長江藤智君) では、これから質疑に入ります。参考人方々に御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  12. 柴谷要

    柴谷要君 まず、本日は、参考人各位から貴重な体験なり、あるいは今後のあり方についてお話しいただき、非常に参考になりました。特にこの際、委員長にお諾りを願いたいと思いますことは、御病気のいえたばかりの方もいらっしゃるようでありますから、かわって発言のできるように一応適当な方をお連れしておりますならば、かわって答弁ができるような処置をまず最初におとり願って、それから質問を展開したいと思いますから、よろしくお願いいたします。
  13. 江藤智

    委員長江藤智君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  14. 江藤智

    委員長江藤智君) 速記をつけて。  もし、そういう必要がありましたときには、そのときに参考人として出てもらって説明していただくことにします。
  15. 柴谷要

    柴谷要君 それではそのように。  私は二、三点についてお伺いをいたしたいと思います。その一点は、運輸委員会が小委員会を持ちまして自動車事故防止対策の問題を取り上げたのは、御存じの通り警視庁が自動車事故白書を発表されておりまして、われわれとしても、内容を十分検討いたしました。その結果、数字に現われておるように、営業車の事故数とそれから自家用車の事故数の開きのあることも十分承知しております。と申し上げますのは、自家用車が四輪車を初めとして軽自動車、自動二輪車に至るまで含めて起しておる総事故件数というものは、昭和三十二年に一万二千六百九十七、特に営業車は総合的に五千百三十件、こういう数字を示しておる、こういう数字を示しておるから自動車事故防止というものは、あえて営業車だけ防げば全般的に事故がなくなる、こんな錯覚に陥っているのではございません。そこで、われわれとしてお尋ねしたいことは、皆さん方は業界の代表でもあり、かつまた働く代表でもありますので、特にお尋ねしておきたいと思う点は、私どもが皆さん方に参考意見を述べていただく理由のものは、今日営業車が、新聞でも報道せられておるように、神風タクシーということでいろいろうたわれておる。その結果、自動車でいわゆる交通事故を起しているのはすべてタクシーだと、こういったような印象を国民に与えていることも事実でございます。やはりそういうものを今日放置しておくことには参らないので、国会としても重要視してこれを取り上げたわけでございます。特に営業車の問題については、専門家の皆さんにおいでをいただいて参考意見を聞きながらこれらの問題が絶滅できるならば次に打つべき手は自家用車であり、順次、これらに関連して深く掘り下げて本委員会としては事故防止対策を樹立して参りたいというのが本委員会の趣旨でございます。そこで、皆さん方にお尋ねいたしたいと思うことは、現在タクシーが、昨年度三千八百八十一件という事故を起しております。これを実はゼロにできるものかどうか、皆さん方の御努力によってこれがゼロになるものかどうか、こういう点がまず一点。それには先ほど新倉会長さんの御発言の中にあったように、全く、聞いておるというと、これは労使一体のかけ橋のもとに事故防止というものは立っていかなければ相ならぬ、そのためには、問題であるところのノルマの問題であるとか、あるいは固定給の問題、福利厚生施設の問題、勤務時間の問題、まことにわれわれが考えておるような問題点をずばりとお話しいただいてまことによい結果が望まれるような感じがいたします。ところが、お話を聞いておるというと、確かによい方向を打ち出されておるようでございますが、果してこれが三団体の協議によって、まさしく本問題が十分取り上げられて実行の方向に移せるのかどうかへこの点から一つお伺いしていきたい、こう思うわけです。
  16. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 御質問にお答えいたします。私の申し上げたのは、身近なところでやらせておる実際を申したので、まあモデル・ケースといったようなもの、小業者で行ける実態を握ってやらせておる事実を申し上げたわけでございます。これにはかなり将来の問題が含まれておりまして、御質問のそれがよいとするならば、これはできるかどうかということでございますが、これはそれをやって事故がゼロになるかというと、それではゼロにはならぬと思います。この交通の姿というようなものは、これはゼロは夢である、期待はいたしますけれども、ゼロにはならないと申し上げてよいと思います。減らすことである、できるだけ減らすことを考慮する、そして今のそれに即応するための諸般施設給与とか、指導とか、そういうふうなものについて言うていることを、どう実行に移すことができるかということであります。これにつきましては、私も今回自動車運送協議会の委員になっておりますが、当局がどういう趣旨の諮問をしてくるか、目下の急務である事故防止対策中心とせる諮問であることも想定できるわけであります。委員各位とともに、この点は率直簡明な答申をなすべきだと信じておりますし、責任を感じております。そうなりますれば、これにつきましては、伊坪君も説明しておりましたが、自分のいいところだけを言っておるということでありますが、自分のいいところだけを言っておるというのではなくて、自分みずからやっておる、やらしておるというケースには、今のような実績が何ら期待できないと申し上げておるのでありますが、そこで、それがいいとするならば、これに対して当局はそれに沿うべく具体的に、順次改善命令を出すべきだと思う。改善に即応しない事業に対しては行政処分をする、今までのようななまぬるい注意ということではなくて、事業の停止ないしは廃止をなすべきでなって、それによって他の小企業に分配してしかるべきだと考えておるのです。企業体のあり方としては、個人企業などはもってのほかで、さようなことはこの企業にはあり得ないのだということは、すでに結論済みだと思うのであります。しからば、どれくらいの程度の企業がいいかということになると思います。その基本を解決することが今の諸般の問題を遂行させ、責務を完遂させるところの基本条件になると思う。そこで、私は最低五十台くらいがタクシー事業としての諸責務を果し得るところの弾力性あるところの企業の基礎である、こう認定しております。これにつきましては、先般、二、三年前ですか、道路運送法の改正等の問題が論議されましたときに、私が参考人等で申し上げております通りその記録をたどってみまして今日申し上げておることと狂いないと思っておりますが、それは、おおむね専従者を一人くらい少くとも置いておかなければならない、これは労働組合を構成できる最小限度のことであろう、こういう説明をしております。この事業は、労働担当者の人のほとんど双肩にかかる事業でありますから、その方面の主張が経営者と十分に折り合いをつけるだけのあり方を見出さなければ、完全な企業にはなり得ない、そこに一体の協力が必要である、事故防止の根底に触れる問題であるから、それのできる企業とは、整備、施設、それから安定せる諸般労働問題、こういう問題を完遂できる企業体の最小限度というものが、帝都における企業体の基礎であって、それが先議されるべきであると思うが、今やっておるのを急にはできませんでしょうが、そういうことを助長する行政を行うべきである。今の、現状の企業者に対して、責務を果さざる者に向っては、勇敢にこれが改善を要求し、できなかったならば処分をするということでないと、今日としては間に合わないと思います。
  17. 柴谷要

    柴谷要君 大へんけっこうなお話を聞いて、ややともしますと、タクシー業界経営者というものは、労働組合あたりを非常に組織することをおそれて、非常に今日まで妨害工作が行われておったということもまのあたり見ておるわけです。ところが逆に、むしろ健全な労働組合の発展をこいねがいながら、その中における労使慣行というものの正常化をはかる、ここに一つのめどを求めて将来作っていこうという、まことにけっこうなお話を伺ったのですが、これは新倉さんの方の団体なり、あるいは所属しておりまする経営者はそのような方向に進むかもしれないけれども、他団体でありまする湯城さんの方の団体は、果してそのような方向に進まれる意図がどれだけございましょうか、それとも三団体がそういう点を打ち出されれば、あなたの方もそのような方向に鋭意努力をするというお考えでございましょうか、この点を一つお伺いをしておきたいと思います。
  18. 湯城義一

    参考人湯城義一君) これは三団体とも同じ方針で進むということを確約いたします。これは大体各団体団体長だけの指導精神でなくて、幹部同士が結合されたそういう組織で進んでおり、これはもう同じような方針で進むことにしております。
  19. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) なお、先ほどちょっと申し忘れましたが、柴谷先生の御質問のうちにお答えする内容が少しある。それは最近お調べを願ったうちに、車に乗られて、運転者諸君に、当該会社の状態を聞かれている、これは新聞その他すべてがそうです。一般のお客さんも関心を持たれておりますから、君の会社は、このしるしがある会社は一体どんなふうにやっているかということは、これはもう全部聞かれていると思うのですが、おおむね大部分が、会社経営者、特に社長の悪口を言うておるのが相当大きな部分、大部分じゃないかというような気がしておるのであります。これが私にはどうしても現在としては納得できません。そういう形の上において、交通事故労使一体で解決しよう、こういうことにはかなりほど遠いものがあると思う。ですから、自分が働いている職場指導者の悪口を言うていることが大きな部分であるということが現実であるとするならば、これはその点でも経営者にも目ざめてもらい、それから働く人にももう少し公正な意味において、その会社なり、指導者を一つ御批判願ったらどうか、これは両方とも目ざめなければ問題だ、何と申しますか、内輪の恥をさらしているというか、お互いに夫婦げんかをしているような、ボロを出している姿ですから、ほんとうに心からそれだとしたら、われわれ日常仕事ができないはずだと思うのですが、働く場所は幾らでもあるのだから、そこにおるはずはないと思うのですが、どうもおかしいと私は思う。私どもは、先般申し上げた理念から申しまして、株の多数とか資本力、金融力、金力、圧力によって、会社指導者などを社長初め作っておりません。株などというものは持ってはいない、私たちは持ってはいない、一番多くても一割に達しているものはないでしょう。そういたしますと、全家族であるところの二千の従業員諸君、これは職員も入りますが、働く人の世論から社長を作っており、重役を作っておるのでありますから、どうもそういうようなお話が出てくるということは、真のタクシー経営の精神というものからはあり得ない、そういう点を一つ十分改善するように仕向けていく、また、そういうふうな御指導を極力先生方の皆さんにお願いしたいと思うのであります。
  20. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっと先ほど新倉さんのお話によりますると、大体五十台でやっていけば安全経営はできるというようなお話だったと思う。われわれとしましては、いろいろ経営の内容を知りたいわけです。経営の内容を当委員会で検討しなければ、財政的にも経済的にも検討しなければそういう点はわからないのです。従って大体五十台でやっている会社があると思うのですがね、そういうところで一体収入ほどうなるのか、それからその中で労働者の賃金部分はどうなるのか、一体何%ぐらいになるのか、それから維持費がどうなるのか、それから減価償却の費用もあるでありましょう、株主の配当もあるでありましょう、そういう点で、はっきりしたやはり数字がなければ、われわれとしては検討できないわけであります。その五十台の根拠というものは、大体今あなたの腹づもりでもけっこうです。後日詳しいものは出してもらうにいたしましても、そういうものをお持ちですか。しかも、その中で私お聞きしたいのは、労働者に払っている賃金部分は、全体の収入のどれくらいになっておりますか、五十台では。
  21. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 四〇%に近いと思います、総収入の。
  22. 岩間正男

    岩間正男君 そのほかに、そうすると経営費ですね、それからそのほかに減価償却費とか、それから退職金の問題もありましょう、厚生施設の問題もあると思う、それから株主にはどれくらい配当しておりますか。
  23. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 一割から一割五分の間です。株主の配当は最低一割から最高一割五分の間だと思うのです。
  24. 岩間正男

    岩間正男君 労働賃金分は二〇%でしょう。
  25. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) いや、四〇%に近いです。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 それからどうですか、そのほかにその経営費……。
  27. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 経営費は相当大きな部分じゃありませんが、今の償却が非常に違うのでございます。これは車によって違いまするししますから、企業体によっては収入が多いだけに償却も多い車を採用する場合と、それからして車を低くして、そのかわり収入は少いというのを採用しておるところもございまするから、それは一がいに言えませんが、ことに経営費中直接経営費ですね、燃料、タイヤ、それから修理部品というたようなものは、ルノーのような小さい車はまことに直接償却費は安くできる、ですから選定する車両によっておのおのそのパーセンテージは違っておりますから、基本である財産保護の理由から、株主に対しては大体まあ金利最低一割を押えております。しかしながら、高いものは一割五分をこえぬという押え方で、車の償却というのは、車を買いますときに、車によって違いますから、それによって幾ら使う、八カ月でこの車をかえるか、十カ月でやるか、一年でやるか、一年半でやるかという、車によって違いますから、車の償却費というものが車の収入のどの部分を占めるかは経営体によって違ってきます。それからあとは直接と、いわゆる一般の管理費になります。その点はおのずからそこから答えが出て参ります。何でしたら詳しく数字でモデル・ケースの一、二をとりまして……。
  28. 江藤智

    委員長江藤智君) ちょっと、この経営内容の問題ですね、これもいわゆる経営規模に対する経営内容の何か代表的な内容ですな、それについて、きょう陸運当局来てなかったかな、今の問題は新聞で見たのですがね、陸運当局でも、何か相当の業者に対してそういう経営内容なんかの調べを出したというふうに聞いておるのですがね。われわれの方としては、その方からも取るし、もしも必要ならば業界の方からのなまの資料も皆さんの御希望があれば要求してもいいと思いますから……。
  29. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃ、まず業界の方でいろいろな型があると思いますよ、五十台やっている、二十台やっている、それから百台、二百台というのがあるだろうと思う。そんなのを三、四種類、代表的なものでお出し願いたい。それからこれについて労働組合の方でやはりつかんでいるものと思う情報ですね、この経営内容については、労働組合団体交渉なんかやる立場からこれはつかんでいられると思う。それでやはりそういう立場からお出し願いたい。それから同時に、運輸省ですね、運輸省関係でつかんでいるもの、ここのところがはっきりしなけりゃ指導ができないわけですからね、この三者からぜひ出していただきたい、このことです。
  30. 江藤智

    委員長江藤智君) それではちょっと三君にお諮りいたしますけれども、そういうような、きょうここで御説明願えば一番いいのですけれども、まあ数字的にわたりますので、お差しつかえがなければ出していただいたらいいんじゃないか。いずれ陸運当局からもわれわれは資料としてはもらいますけれども、まあそういう何と申しますか、根本的と申しますか、常識的な面でけっこうなのでございますが、もし出していただけるならば出していただきたい。
  31. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 承知いたしました。二、三十台、四、五十台、百台、二、三百台、五、六百台といいましょうか、そういう段階でございますね、基準となるものを出します。
  32. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 私の方は持ってきています。
  33. 高良とみ

    高良とみ君 新倉氏が大へん御心配になっていたようですが、運転者諸君が常に会社の悪口を言っているというふうには私どもとっておらないのです。私どもかなり数年前から気をつけて乗ると、出発する前に会社の名前をマークをとって、大和なら大和、そしてちょっと聞いておく、そして運転中に話しては非常に注意をそらしますから、事故のもとだと思うから、そのときにしゃべらないことにしている。それから向うへ着いてから、あなたの運転状態はどうであった、ついては、あなたは八時間労働しているか、家族手当はもらっているかというようなことを聞いたのでありますが、最近かなり自分の会社をほめている運転手諸君に会いまして、二、三、名前も知っておりますが、決してその点は御心配ない方がいいと、ともに、しかし、その不平の多い方たちも大部分だろうと思うので、そこで、労使一体とおっしゃる以上は、私どもはどちらの代表でもあるのでありますから、一つ声を一つにして、労使一体の声を国会にお出し下さり、あるいは経営の中身も出して下さればよくわかるのですよ。さっき委員長からも御注意がありましたが、私どもは官庁から皆さんの経営実態をつかもうと思っても、官庁は非常に遠慮しているんです。これは経営内容に立ち入っては、民法の何条に当るとやら、非常に心配して、はるかにこわいものをさわっておるような状態があります。しかし、ある会社のごときは、すべての費用を引いて七百万幾らですか、まあ大へんな利益があるというような、七百万の利益が小さな会社でもってあるというようなことで、それがどこへ行ったろうというようなこと、でありますから、一つガラス張りで御心配なく。それからまた、労働者諸君にも経営参加もさせて見せていただいたらいいということを、今大へん御心配のようでしたから関連して。
  34. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっと関連してお尋ねしておくんですが、今柴谷君の質問にお答えになった中で、あなたの方でね、私の方である労働条件でやってみて、よかったらそれを全企業でやらせるのだ、やらぬやつはびしびしつぶしてしまうのだというような御発言があったように私は思う。これは、私は実際は非常な重大問題は、いわゆる労働者諸君に、運転手諸君に非常に無理な労働を要求する、そうしないというと経営がやっていけない、そういう状態に対する陸運行政というものが非常にこれは問題だと思っているのです、自分は。しかしながら、現実はそういうことであるから、あなたの言を借りれば、いわゆるこの小さいものはどんどん抹殺してしまうというような、ちょっと極端な受け取り方をすれば、そういう気がするのです。そういう点がちょっと私心配になりましたので、小さな業者といえども、これは経営が非常に不健全だとしても、国家がよしと認めて認可しておる業者だ、そしてこれは従業員を持っておるのでありますから、あなたの方で大企業が中心になってそういうものは撲滅してしまうのだ、そういうものはほうり出してしまうのだということになると、非常にあなたの傘下業者が不安になるのではないかと思うのですね、それを私は心配する。  もう一つは、そういうような発言があるということは、こういう会合には必ず一流会社の社長が出てくる。私はもう少し小さい会社の人が来てほしいと思う。だから、あなたのところが、おれのところはこうやっているのだと言っても、あなたのような規模の会社は幾つありますか。それで事故というものはどんな小さな会社運転手事故を起しても、死ぬのは一緒だ、ですから、私はそう簡単におっしゃるけれども、こう一ぺんにやるのだとおっしゃるけれども、そうはいかない。そういう点について業者も非常に不安になるだろうし、そこに働いておる労働者も不安になるだろうと思うから、念のために一つ、あなたの真意を伺っておきたい。
  35. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 大倉先生のお話にはちょっと誤解があるようですから。私の申し上げたのは、今の固定給施設等の問題において、できる範囲のことはすべきなんですから、ある程度の結論が出まして、これは業者も出しておる、順次作っておりますし、当局でも目を通しております。そこで、その要求というものは、当局から出てくるはずである、そうした場合にには、それをやらなければ、改善命令をもって行政措置するということになりましょう、こう申し上げておるわけであります。だから、ただやったらどうだろうというようなことではなくて、最小限度の基本的なことはどうしてもやらせる、この際、事故防止のためには必要な行政になりましょう、こう申し上げておるわけであります。それから理想を申し上げて、最低五十台ぐらいが将来とも経営の基準としては望ましい、こう申し上げたのであって、まじめにやっている現行の二十台、三十台の事業者を抹殺する気持は、絶対にございません。むしろそれを育成したい、こう申し上げたのであって、その点は誤解のないようにお願いしたい。ただ大会社の方が統計がよく出ていますから、そこで、その資料を身近にとった、また四、五十台の会社でもやらしている会社はございますから、そうした資料はお出しいたします、こう申し上げておるわけであります。
  36. 湯城義一

    参考人湯城義一君) ただいま大会社の方が小会社を追い込むといいますか、買収していくというようなことについて、大へん御憂慮の点がありましたが、大体私どもは、ただいま新倉君のお話ししました五十台という線は、戦前に、このタクシー事業は何台の標準が最もいいかということは問題であったので、これまで五十台説と百台説があった。ところが、都市においてはなかなか場所関係その他がありまして、結局五十台がよかろうということにきめたんです。それで私どもが現在叫んでおりますのは、これは組合関係の諸君もおりますが、少くとも私は会長とし、かつ、大会社と称されておる末席を汚している立場もありますが、私どもが買収するということよりも、二十台、三十台が合併して、せめて五十台単位にみななってくれ、そうすると、将来これらのタクシー業界の運営が非常に楽になる、でこぼこがなくて百台か五十台単位、最低五十台単位になってくれということを、私はもう長年提唱しておるわけであります。従って、私のところなんか、ほとんど頼まれて、やむを得ず一社なにしましたが、好んで買収するということはしておりません。その点は個人営業に関連しますけれども、御承知のように、元来が戦前には七千人からの営業人がいたものを、警視庁で追い込んでこういう会社にしましたのですから、それが単位は、そのときは一警察単位に三十台ということをきめられました。それで東京じゅうが、会社に追い込まれた。その後そういう五十台にいかなければいかぬというので持っていかれた、やはり標準はそこにあったわけです。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 私は、今の問題は非常に大事な問題だと思うんです。なぜかといえば、確かに新倉さんがおっしゃるように、かりに事故原因なり、あるいは非常な超スピードで走る原因が、労働条件ノルマにある、あるいは賃金制度にある、こういうことですね。これはもうわれわれこれから探究していくわけなんですけれども、そうだとすれば、厳にこれを直さなければならない、こういう小さい会社といえども、そういう不合理な賃金体系は直さなければならない、それについては、できぬものは消してしまうのではなくて、幸いにして、内閣におきましても、事故防止対策の自動車部会を設けて本腰を入れられておるのでありますから、これに対する所要の政府としての救済措置を講じなければならぬと思います。財政融資なり何なり、緊急措置をやはり講じて、そういう裏づけが出なければ、こういうふうにせいといっても、今のような経済組織ではできますまい。私の今要望するのは、新倉さんのおっしゃることはけっこうなんです。小さな会社にやらせるものは、これはやめてしまうのではなくて、やらせる行政措置なり、政治的な配慮を、あなた方の団体の強い政治条件によって求めていく、こうやって傘下業者従業員も安定していけるような、そういう運動をやっていかれないと、私はこれは本末転倒しているんじゃないかと思います。そういうことを一つ申し上げておきます。
  38. 柴谷要

    柴谷要君 私は、重ねて三団体の行動について、これからお尋ねをしていきたいと思いますが、さきに東京ハイヤータクシー事故防止対策委員会というものを三団体でお作りになったということを聞いている。特にこの三団体の会合において決定された事項として、これは新聞で知ったのですから、確認をしてもらいたいと思いますが、まず第一に取り上げられましたのは、給与体系の改善、それから第二に勤務体系の検討、第三としては、休養施設の改善、ひいてはノルマ強制に対する考察というのが新聞に載っておりましたが、ノルマに対する考察もやる、それから時間制キロ制併用メーターの使用、これについても検討する、あるいは就業免許制度に関する考察、個人営業制の考察と、こう載っておりましたが、これが三団体で作られました特別対策委員会の御決定であるかいなか、この点を一つお話をいただきたい。
  39. 寿原正一

    参考人寿原正一君) 今の先生の御質問ですが、メーターの件については、先般以来、大体警視庁側と折衝しまして、いわゆる取締り方面から見たメーターが、時間制を併用したものがどの辺が適切であるかという問題を、ただいまメーター会社に命じて、大体こういう線で、ただいま発表の段階でございませんので、発表いたしませんが、大体時間制を加味したメーターを試作をしてくれ、そういうことで大体この試作に取りかかっておるということを御報告申し上げます。この期間は、大体試作品ができ上るのは四十五日間の日数を要する、こういうメーター会社からの答えがございましたので、ただいま検討中で、あと何週間もかからぬで本問題が解決の方向に向うということを御説明申し上げておきたいと思います。  それからノルマの件について、このノルマという言葉が、どうもうまくないかあるかわからぬのですけれども、どの辺が大体経営者として、会社を健全経営に持っていける数字であるかという問題については、現在検討中でございまするが、大体まあこれは間違っておるかどうか、陸運当局から発表されたと記憶しておりまするが、三百四十七キロという数字が出ております。これはこの辺ならばどうであろうという線が出ておる。それから警視庁からは、大体安全運転をし、いわゆる三十二キロという旧市内の走行制限のキロ数で走って、大体三百キロぐらいでないか、こういう線が出ております。この点については、協会のこの特別委員会でもって、政策面の方でこれを検討しておるわけでございます。  それから労務管理の面その他は、各会社によっておのおの異なる問題でございまするが、本問題も、先般以来、陸運当局からの御指示によりまして、写真あるいは書面その他によって御報告を申し上げて、われわれ協会の方の各団体からとしても、よく改善その他の問題には、全力をあげてやろう、こういうふうに協会からは業界各位に申し渡してある事項で、遠からず本問題については解決ができるだろうというふうに考えております。まあ施設の改善等の問題については、これはあるいは休養施設のない所はこれから作らなければならぬ、またあっても、まずいものはこれから直さなければならぬというようなことで、多少の期間は要する状態にはなるでしょうけれども、近々中に本問題は解決して、ただ一つ先ほど申し残しましたが、事故を一番起しておるという現状を見ますると、今放任されておりまするあの運転者協会というものが大きな問題になってきておる。この運転者協会というものは何か職安法に抵触するという問題で、これを解散しろという命令を出したとか出さぬとかいうことが新聞に発表になっておりまするが、現在会社に安定して生活を営んでおる、いわゆる勤務をしておる運転者諸君にはそれほど事故を起すという問題は見受けられませんが、たまたま運転者協会から来た運転者、これは一つの例を申し上げまするというと、非常に不良運転者が多いので、この運転者なるものは、ちょっと雇い入れた、雇い入れたとたんに車が事故を起し、その車を横浜に持っていって売ってしまった、そして会社は、車が帰ってこないがどうしたろうというようなあわて方をしておると、横浜方面から、お前の方からナンバー付で十二万円で買ったのだが、この廃車届の書類をくれというような、こういう例があったそうです。そういう問題でこの運転者協会なるものについても、本委員会としてもどうぞ一つお含みの上御検討願いたい、かように申し上げておきます。
  40. 柴谷要

    柴谷要君 給与体系の改善ということが決定になったということと、あるいはノルマの問題が検討される、勤務体系あるいは休養施設、全くその当を得た処置だと思うのです。ところで、ただ決定はしたものの実行方法というと、これは問題があると思うのです。そこで、一つ見解をお尋ねしておきたいと思うのですが、これは三団体給与を決定をして押しつけようとしてもこれは問題にならぬと思うのです。そこで、問題点になって参りますことは、三団体並びに働くものの代表という間に必ず話し合いが進められて、両者が納得しないというとこの成功は期しがたいと思うのですが、その取扱いについては、どのようなお考えをお持ちになっておられるか、その点を御質問申し上げます。
  41. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 私からも非常に提唱しておいたのですが、至急に関東同盟のいわゆる東京組織の労働組合経営者一つ協議をしてもらいたい、この議題になるものは各般にわたるけれども、そこである程度の検討をしてもらいたいということを申し上げたわけです。今、先生の御質問の対策委員会で決定をしますという場合には、固定給がどう、どういう給与にしてどういう体系でやるというふうにきめるか、そのきまったやつを押しつけるわけにいくまいという御質問のようであります。押しつけるのではなくして、三団体対策委員会がきめた場合には、全業者の態勢と人の意向を、実情を調査した上で決定をしておりますから、少くとも最低この線までは持ってこなければいかぬ、最低どこまでは引き上げなければいかぬということを決定するのですから、これは承知の上で答えを出すのですから、これは押しつけることではございません。ただ中に、大ぜいの中だから一人や二人何か横を向く人間があるとすれば、当然改善命令の処置をすべきじゃないか、こう申し上げておるわけであります。
  42. 柴谷要

    柴谷要君 新倉さんに御質問いたしますというと、みんな明回答していただくので心強いのですが、実はあなたの言葉を全部協会の意向としてとるには、今までの実績がそうさせないのです。そこで、特に私は例をあげて申し上げたいと思うのですが、実は昨日業者大会をお持ちになるということで、その業者大会に臨む前に、一つ経営者団体に組合側が申し入れをしたはずでございます。ところが、まあ一方を代表されておりまする新倉さんの方では快くきょうあたり会っておられるはずなんです。ですから、労働者の意向を聞いて対処しておられる、一方には申し入れしたけれども——一方といえば湯城さんの方の団体ですが、これは拒否しておるというのです。こういう事態では、今言ったように三団体がきめたからといって、これはそういうあなたのおっしゃるようにスムーズにいく問題でございましょうか。これが事故の最たる原因だといって新聞に書いてある、それにあなた方が答える意味において給与改善をやり、施設を直し、できるだけのことをやりましょうと、こう打ち出された。ところが、その問題以前の問題について話し合いをしようと、こう申し入れしてもお断わりしているという現実は、これはなかなかあなたのおっしゃるような方向に進まないと思うのです。そこで、まず大きな給与の改善、あるいは施設の改善という大きな問題に入る前に、まず、当面経営者労働者はどうあるべきだというこの話し合いの場面がないということは、私はあなたの理想とはるか遠いものがあるのじゃないか、私はこの点を非常に憂えるんですけれども、その点に対しても一つ団体が心を一つにして、さようなことのないように進んでいただくことがよりよい成果を得る、かように考えますが、この点はいかがでしょうか。
  43. 湯城義一

    参考人湯城義一君) それは話の行き違いだと思います。昨日その話を聞きまして、皆せめて行く以上は労務委員長と、それから会長、副会長等が行かにゃならぬ、できるだけ専務理事の方に話しまして、皆の都合のいい、できる日を打ち合せて会見しようということで、すでに月曜日に日がもう、あなたの方に申し入れてあるかないかしりませんけれども、けさ、そういうことにきまっているはずなんです。これは決してね、私の方は、日乗連としては、従来ILO、あなたの方と密接な会談をしているはずなんです。だから、これを避けるとか、そういう不明朗な気持は私の方の協会としては持っておりません。おそらくちょっとあとであなたの方へ打ち合せがありましたか、月曜日が皆の都合がいいがと、そういうことにけさたしか、まだ連絡はできていませんかもしれませんが、そういうことになっております。どうぞ一つ誤解のないように……。
  44. 柴谷要

    柴谷要君 私はね、別にひがんでものを言っているわけじゃないんです。というのはですよ、昨日業者大会が行われた、各国会議員のところには全部通知が来た、不幸私のところに来ていない。私は業者団体の方にちょっと声をかけたいと思った、活を入れたいと思った、ところが、私のところに来ない。その他の先生方は、けさ新聞を見ますと、だいぶ顔が演壇に並んでいるのを見て、やはりお呼ばれになったなと思った。従って、まあとかく口を開くというと労働者の代弁をするものだから経営者は拒否をしていると思ったから、きょうこそはいい場合だから一つやりましょうと思ったけれども、そうなるというと意地になりますから、本心に立ち戻って、真に事故がどうしたら押えられるかということについて一つ検討してみたいと思うんですが、そういう意味において、果して今のような話になっているかどうか、これは全旅労連代表として伊坪参考人が来ているようだから、一つ参考人にお尋ねしたいと思うんです。
  45. 寿原正一

    参考人寿原正一君) ちょっとその前に、柴谷先生、大へん申しわけございませんでした。私が昨日の大会委員長でございましたので、先生のところ漏れなく、運輸委員会の衆参両議員とも御招待を出すようにということを事務局長に申しておりましたんですが、その点大へんどうも確かめませんで、えらい御無礼を申し上げておりまして、大へん申しわけないんですが、今後そういうことのないように、努めて出ていただくようにしますから……。
  46. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 先生、どこのところですか。
  47. 柴谷要

    柴谷要君 あなたが新倉さんの団体とは話し合ったけれども湯城さんの方は返事が来ない、拒否しているというお話を聞いたものですから、その後の情勢についてどうなっているか。湯城さんのおっしゃったようになっているかどうか、それをお答え願いたい。
  48. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 私の方の事務局長が来ておりますが、三回催促しても返事がない、こういうような形です、日乗連の方は。
  49. 柴谷要

    柴谷要君 そういうことを多く突こうとは思わないんですが、少し話が違うんですね、湯城さん。そうなると、やはり三回も催促したけれども、あなたの方はお会いして下さらぬという、そういうことになると、やはりそこにみぞができると思う。それがいかぬと思う。そういうことのないようにやはり全乗協の方でございますか、この方はいついつか、あなたの方の都合、私の方の都合がいいということでお話し合いしましょうということで、きょうお会いになっている。ところが、あなたの方は三回も請求したけれども、拒否した、こういう事実の上に立っては、いかに三団体がいいものを出されてもだめだ、それを申し上げたいんです。そういうことが一番根底になる大事なことで、そこから生まれるところの給与改善なり福利厚生施設の改善というのは、両者が一体になって初めて世間にアッピールされるものになると思う。それが大事だから、その点をまず第一にこれは参考人の方に十分お考え願うということで、まあ次に入りたいと思うのですが、もう時間が……、たくさん質問者があるようでありますから、ただいままた貴重な意見を述べていただきましたことを十分われわれは資料にいたしまして、本事故防止のために全力をあげて、よい結論を出すように努力したいと思いますので、重ねてお願い申し上げる次第でありますけれども業者団体の皆さん、あるいは働く労働者の皆さんも世論にこたえて、ぜひこれから絶無になるように御協力を切に願いたいと思います。
  50. 高良とみ

    高良とみ君 ちょっと予算の委員会がありますから失礼してお先に二、三。このまあ両方とも一つ、今の線で大いに協力態勢で国会に要望して下されば私ども政府に向ってどういう要望でもしますから、その中が割れていたんじゃどうも何ともいたし方ないということだけを申し上げておきたい。そして申すまでもなく公安のために、あるいは公共の機関のために働いておられるのですが、最近は公害が非常に多いから世論の声が持ち上っていて、あらゆる委員会等、内閣にも運輸省にも警察にもいろいろな心配の委員会ができているということだけ御認識願って、責任は回避しないでいただきたいということは国民の一人として特にお願いしたい。そこで小さなことですが、私は心理的に見て一つノルマという言葉寿原さんさっきおっしゃったが、あれば非常に強制労働のにおいが強くて、またその意味からいうと、これは標準という言葉の意味なんです。それをどうしてタクシー労働者にのみ使うか、ほかの工場労働者にもノルマは皆あって、というわけじゃないのですから、一つこれを排除してノルマという言葉及びその制度を排除していただくということが一つと、それができるか、できないか。これは何もソ連に抑留された人ばかりじゃなく、これは非常な感情的なあれがある。その背景にある奴隷的な気持が国民を強く刺激しておるということを一つ外側の者として申し上げたい。  それから、激励基本給だの歩合だの、それから諸手当というのは非常に複雑な組織になっていることはよく存じております。しかしそれのほか、それは労使、中のことだからよくお話し合いいただきたいのですが、そのほかにむちに値するような下車勤というものがある。あるいはトップ賞というものがあって、それを数百の運転手方々でもって競争をする。どうしてもこのトップ賞にいかないと下車勤を命ぜられるというような罰則があるということが、これは奴隷化した形においてきているので、近代化したILOにつながる——今日、批准しようとしておる日本では非常に遺憾ではないかと思う。これは自動車労務者組合の方もこれと勇敢に戦っていただくものであり、経営者方々も、これは日本の国辱として一つそういう激励的なことは、優マークをつけるとか、よく働いたから少し金を、愛車手当とか整備手当とかということはいいのでありますけれども、どうなんでしょう。それを一つ、そういうむちのようなものをのけていただけないでしょうか。
  51. 寿原正一

    参考人寿原正一君) いわゆる刺激給といいまして、刺激をするというふうに目される月給ですね。いわゆる刺激給というものは廃止をしようじゃないかということで、先般申し合せになっておりまして、給与問題については、これが全部給料にしたならば必ず事故がなくなるんだというようなことではないだろうと思いますけれども、過分に事故の一半になっておるという観点から見て、こういう刺激給は排除すべきであるということで、大体本問題は御解決ができるだろうというふうに考えております。それで三団体事故防止対策委員会の政策部の方では、そういう申し合せになって、今月中には大体この問題は解決つきます。刺激給という問題については、大体避けるということが全般の空気にもなっており、またそうしなければいかぬということになっておりまするから、その点だけはお答えしておきます。
  52. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) ちょっと委員長、相当大きな問題ですから。何か先生のお話、聞いていると、労働組合がちっとも活動しないので、だらしがないように思われてしまうんですが、これは昨年から一昨年にかけて、東京におけるいろいろな産業があったと思うんですが、これはタクシーの企業が一番争議が多い。こういう面から東京都の——労働省の課長ですか、課長さんに社長さん方が三十人ぐらい呼ばれまして、私たちも何とか労使話し合いの中からこれをなくする方法はないか、こういう面をもってやったわけです。そうすると、極端な社長が、おれは労働組合は大きらいだ、労働組合を作るというとすぐに赤旗を立って給料上げろ、こう言う。それが私はきらいだと言ったって、企業あるところに労働組合ができるのはしようがないじゃないか、早く言えば子供がちょうどはしかにかかるようなものだ、これは軽くかかれば、早いうちにかかれば軽く済むんですが、これが大きくなってかかるというと生命にかかわるということを私たちは聞いておるんだ、従って労働争議の今までのいろいろの起きた現象を調べてみるというと、その企業ができてから、何年もかかってできたところに起きた争議は長期にわたって戦いを組むわけです。そういう面は一つ早いときはしかにかけてもらって、そうしてあらゆる企業の中に労働組合を作ってもらいたい、こういうところの申し込みをしたんです。なかなかこういう面が実現しないですね、依然として争議の件数も相当多かったということ、従って神風の問題も含めて当局なりあるいはこういうところの世論の中から御当局はこの問題をできるだけ早期に解消してもらいたい。ただ問題点になっておるのは、二千円のベース・アップをしてくれ、こういう問題でも協会としてはこぞって三団体がゼロ回答をよこしているんですね。何も私鉄労連や炭労のまねをしなくたって、私に言わせれば笑いがとまらないほどもうかっているんじゃないか。その一つの実例は結局架空のナンバー権が百八十万から二百万しているんだ。私は経営者がこれを買収するのにナンバー権だけで百八十万から二百万するんだったら、これはもうからなければ私はそんなものは買わぬと思うんですな。社長さん方、何かここにもうかるから買うんじゃないかと思うんです。もうかったら少しぐらい労働者の方にも分けてよこせということになって、これは労働争議は起きますよ。そういうような状態になったわけです。
  53. 高良とみ

    高良とみ君 わかりました。で、この間その三団体がお集まりになったときに、非常によいニュースだと思って見たのは、基本給つまり生活可能なる線に持ってくるということで、たしか新倉さんのお話だったと思うんだけれども、一万八千円のところへ持ってくると、すでに東京陸運事務所が出した一万五千円の線よりももう一つ上の六〇%のところに持ってくるという決心をしておるというような新聞なんでありますが、業界新聞ですが、果してそこまで持っていって下さる意思があるのか、あるいは陸運局の調査によりますとひどく低いのがある、基本給の三千円というのがある。それからもっと下のもあるし、それから大体、改善をするならばどれくらいしてくれるかというと、一万円というのが四一%、それでは五千円の差がある。それでそれはいろいろな、家族の構成状態もありましょうけれども、しかしもうかっていることはずいぶん一社でも水揚げは多いのに、どうしても五〇%か六〇%までのところへ持ってこられないとしたら、その会社は人道的な経営でないと思われるんですね、そこでこういう連合会を作っておられる方々一つ行政面の仕事として、ぜひ一つあなたたちの主張のような、五〇%以上、六〇%の線まで固定給を持ってきていただく意思があるか、先ほどのような強い御意思であると、三千円だの、そういう基本給のところは、それは事故原因とも相関関係が出ているようでありますが、それを排除していただけましょうか。
  54. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 今、高良先生から私の名が出ておったようですが、私は東京の旅客自動車協会という大きい団体がありますが、そこの会長を昨年やめておりますので、今一線の指導はしておりません。従って三団体対策委員会等にも出ておりませんから、そこでどういう話があったかわかりませんが、一万八千円云々ということを私が出した記憶はございません。皆さんで検討してもらうということになっておると存じます。それから、基本的な固定給の引き上げにつきましては、三千円や四千円でもたもたしておるということは、これは直ちに直さにゃいかんということは、もう間違いございません。全給与うち五〇%を基本給で占めるのがいいか悪いかということは、幾分の検討の余地があると思います。  それから、柴谷先生のお話しの、総評の皆さんが二十人ばかりきょうお見えになりました。これは全乗協としてお見えになりました。私が会長であるから、お会いしましたが、東京の問題につきましては、私は一線からちょっとどいておるけれども、所属団体を通して、三団体の諸君と、東京団体、いわゆる東京の地区の問題は、東京地区の経営者労働組合、関東同盟といういわゆる委員会ですね、その下部組織の協議にゆだねることに具体的にはしてもらいたい。それに対しては、直ちに両者の話し合いの場を持つように私から御配慮をしよう、こう言ってお別れしておるわけでございますが、そういう点には、何かちょっと行き違いがありますと、何か、みんな私が言って、私がやっているようにお考えになっても困る。どうぞその点は誤解のないようにお願いしたい。  それから、大倉先生、何かちっちゃなやつを抹殺しちゃうなんて、小さなやつを何とか仕上げてやろうという気持だけが一ぱいなんでございまして、それはございません。生まれた子は、かたわでもわが子ですよ。それを抹殺しようという気持なんかございませんし、それから伊坪君の言う、百八十万もナンバー権がしているじゃないかとおっしゃるが、家屋敷を売り飛ばせば高く売れるかもしれませんが、売らないと同様でしょう。私どもは、売った覚えも買った覚えもございませんから、さようなことはちょっとおかしい。借金して買った人が計算をどう出しておるか存じませんが、ここへ来ておりまする湯城君も私も、そんなものを買い集めたり買収をしたことはございませんから、絶対もうかって買った覚えもございません。それから同時に、われわれは持っております、それは何百台か。持っておりまするが、幾らするか、売って初めて金になるんで、今営業をしておるために必要な基本的なナンバーですから、これはナンバーから出るので、それによって笑いがとまらんほどもうかるなんてばかなことはございません。そういう一つの仮想のもとに、売ったらもうかるかもしれんという段階と、売らずに、われわれが長い間働く者と一緒に持っておる職場というふうなものを、それを評価をしてみて、それによってもうかっておるというようなことは、これは日常の収入支出の問題とは別であるというふうにお考え願いたい。
  55. 寿原正一

    参考人寿原正一君) 給与の問題について、ここに、私の方で組織しておりまする特別委員会給与問題だけを検討しておりまする委員が出ておりまするから、この者にちょっとお答えをさせることをお許し願いたい。それと、ナンバー権の問題ですが、私は最近会社一つ引き受けました。これは二十二台の会社です。これは、経営をどうしてもやっていけんから商売人でやっていただけんかと、こういうことで引き受けましたが、ナンバー権二百万ということではなく、これは大体、その会社が借金が約四千八百万ございました。二十二台で四千八百万借金があった。それで、大体一台当りにするというと二百何十万かになるはずでございますが、大体そういうふうなことで、借金をしなければやっていけんというような状態にまで追い込んで、結局、会社の整理をしてやる金が、一台当りの借金が二百万内外ということで、ナンバーの値段が二百万しているというような状態ではないことを、一つ御認識をしていただきたい、こういうふうに一つ……。
  56. 高良とみ

    高良とみ君 わかりました。しかし、常識として、ナンバー権が高いことは、だれだって、町の子も知っていることで、それは議論しません。問題ではない……。
  57. 寿原正一

    参考人寿原正一君) ちょっと、給与の問題で……。
  58. 高良とみ

    高良とみ君 私、大へん恐縮ですが、予算委員会で待っていますから、あとで諸先生によく……。  私、もう一点だけ、皆さんに、四人に同じくあれしていくんですがね。それは保険の問題なんです。事故もあります。必ず起る。それから、生き身ですから病気にもなる。それに対して、生きた人間を使われるのに、工場なら工場管理は雇用者の責任であり、労組の責任。ところが、道路なんというのは、これはこういう業態の工場なんです。その上で起る事故に対し、やはり責任があると思う。これは、国民もあります。通行者もある。まあ皆がお互いに交通事故責任は負いましょう。そこで、雇う人に対して、これは退職資金なんかの問題もありましょうけれども、ようやくこのごろ少しふえた、四〇%という線も出ていますけれども、やはり将来は事故に対しても、今までのように三分の一とかわずかなものを社が負うのでなくて、やっぱり共同責任にして話し合っていただくことが一つ。その次は、労働者の健康の管理についても、やはり職業病もあることですから、これにも雇用者が責任を持ち、組合がもっと責任を持っていただくような、けい肺なんというのは、やっぱり工場の責任でも、国家も援助しておりますから、そういう点を今後御考慮願いまして、日本人同士なんですから、人間並みの扱いをするように、あれは過労労働して胃潰瘍になったとか、結核になったとか、腎臓が悪いとか、もうそれを解雇という形にせずに、近代的な労使関係にしていただけば、国民が助かる。こういう点を、これは今の問題じゃありませんけれども、それだけ希望申し上げて、その答えをそのうちに出していただきたい。ことに協議会の方にお願いしておきたい。  あとは給与の問題は一つ……。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 私は二、三点お聞きしたいと思うんですが、第一に、高良さんの質問の中で下車勤の問題がありましたね。この下車勤制度というものについて、一応どういう制度なんだか、現状はどうなっておるのか、簡単に——実は議事進行の問題もあるのですが、時間もあまり長くなってはまずいと思う。当委員会は何回も持たれますので、その中で徹底的に問題を究明しよう、そうしてこの問題を解決しようというふうに動いておるわけですから、そういう点で、何回も持たれます。きょうは、その第一回目です。主要な点だけお聞きしたい。なるたけ私の方も短かく質問申し上げますから、そちらも要点だけお答え願いたい。下車勤の問題について一つ
  60. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) お答えします。ノルマと下車勤というのは、私は朝日新聞の記事を見て知ったのであって、意外に感じております。下車勤とは、何か車をおろしてそれで固定給でも払っているということなんでしょうか。下車勤という制度があるということは、最近実は私は聞いたんで、あまり多く東京にそういうのがあるとは聞いておりませんので、ありますとすれば、もってのほかだと思います。
  61. 岩間正男

    岩間正男君 新倉さん御存じない……いわば総元締だと思ってお聞きしておったのですが、非常に私たちもそういうことを最近聞いておるんです。従って、これは労働者の立場から伊坪さんにちょっと今の下車勤の問題をお聞きしたいと思う。いかがでしょう。
  62. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 新倉さんの方は、ここで押し問答してもしようがない、社内問題ですからして、私は触れないですが、全般的な面から言ったら下車勤という制度はあるわけなんです。すべての会社がこの制度を実施しているという形はとっていないですが、かりに五十台の車で百人の運転手がいた場合、百人いれば必ず一番から百番までつくわけです。従って、一番ビリになった者は下車勤だ、あるいは二番目までは下車勤だ、こういうような形が下車勤の制度です。私たちは、だれが見てもスペアの運転手がいてそうして出勤ただならずというような問題は、やはり労使の話し合いの中からこれは休養をとってもらうのもいいけれども、要は、九十九番目だから、百番目だから、といって下車勤にするということはノルマの強要である、こういう面から組合としては反対しておるわけです。新倉さんは大和自動車としての視野の中から述べられたと、このように私解釈しておるのですが、東京には三百近い会社のあるということを一つお忘れにならないようにお願いしたいと思います。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 今そういうお話ありましたが、きょうは、代表、会長さんたちなんでして、そういう現状を大から小までもうピンからキリまでつかんで実はお話しいただきたいのです。皆さんだけのいい経営で聞いておりますと、つんぼさじきに上るわけです。実際悪い経営を改善することなしにほんとう事故防止することはできない、こういう点から申し上げているのですから、ぜひ御協力いただきたいと思う。それで、これは何ですか、下車勤というのはノルマに達しない者は、これはその日は就業させない、こういう制度になっておるわけですか。
  64. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) そうです。
  65. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、大体私ども聞いたのですが、名前は申しませんが都内のある交通会社ですが、所有台数は五十八台ある。そこの運転手が百七十六人おる。大体一交代にすればこの車の二倍、つまり百二十人くらいの運転手、それに補充を入れましてもそんなに要らないのじゃないか。ところが実際は百七十六人というような三倍以上の運転手をかかえておる。しょっちゅう三分の一以上が下車勤の格好で、ノルマに達しない。そこの会社の場合のごときは、一日の水揚げが九千円では下車勤にされる、大体ノルマは九千六百円という会社のようであります。九千円の場合おろされてしまった。そうしてしかもおろされた人は何をやるかというと、そこらの掃き掃除だとか、あるいはマッチのペーパー張りだとか、ひどいところは便所掃除、そういうのもあるというのを聞いておる。そういうことになりますと、これは大へんなことだ。どうしても乗車勤になりたいから、今度は、次にようやく車に乗ったときはもう一生懸命になって運転をする、これが一つの大きな事故のもとになるんじゃないかというふうに考えるわけですが、こういう点を労働対策の面からあなたたちはどうお考えになりますか、率直な御意見をお聞きしたい。これについてまた社長さんたちの御意見もお伺いしたい。
  66. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) その問題に対しては、組合として、そういう下車勤の制度に対しては反対である。基本的な態度はきめてあるけれども、結局まあスペア運転手というものをかかえておる。こういう形の中から、こういうように仕組まれておる。ただし、私はこの制度は、すべての会社がこの下車勤制度を実施していると、こういうことを申し上げたのではない。しかしながら、三百近いところの会社の中には、そういうところの会社は相当あるということを申し上げたい。従って、私は実例としてそういう制度があるのだということで、調査を、ここに克明な下車勤制度の内幕なんかをここに持ってきておる。すべてにあるというのではない、相当にあるということです。
  67. 岩間正男

    岩間正男君 全体の中では、たとえばあなたの方の組合の中でそういう調査をされたことはありませんか。つまりそういう制度があるかないか、そうしてそういうような調査で、全体の何%になりますか。御調査がないとすれば、これはあとでもけっこうなんですが、これはやはり非常に一つの大きな原因になっていると思う。ある朝出勤してみると、自分の札は一番あとの方になっておる。そうして車に乗ることができない、こういうような態勢で、しかもなかなか今度は乗車勤になれない、そういう例も聞いておるわけです。五十八両というと、相当中型の、先ほど新倉さんの言われた標準型なんです。健康を維持する、安全な経営のできるところでそういう事態が起っているのです。従って二十台、三十台というような事態には、非常に私はそういうのが依然として残っておる。いわばこれはある意味では産業予備軍になっている。余分をかかえ込んで、しかもそういうところは固定給というものは非常に安い、そういうことで、いわば言葉は強いかもしれませんが、実は飼い殺しみたいになって、それによって実は競争をあおる、こういう事態になるとしたらこれは非常に重大な問題だと思うのですが、これはやっぱりタクシー営業の中に残っておる何かやはり近代的でない感じがするのですが、この点については新倉さんどういうふうにお考えになりますか。
  68. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) お答えします。先生のお話を聞きまして、私まだ納得できないのですが、伊坪さんの話によると相当数あるというのですが、その相当数の調査をさっそくいたします、私どもの方も。それでしっかりお答えしたいと思うのですが、私の意外だと申し上げるのは三百幾つという会社があるのですから、わずかな数にそういうものがあるかもしれぬ、それは私もお話しによってわかりましたけれども、どのくらいの数か、ごくわずかなものがあるとするならば、一小部分をもってすべてを律するわけには参りません。十分調査をいたしましてお答えいたしますが、今の下車勤制度ということとノルマとこれがつながっておりますことは不都合千万な話で、これは伊坪君が指摘しておりますように、昔軍隊が朝点呼の召集ラッパを鳴らしますね、そうして一番おしまいのやつはきっとひっぱたく、そうすると、二十人、三十人、おれば一番おそいというのが必ずある。そうすると、それが下車勤させられるというような不均等な話はあり得ないのですが、今先生のお話では五十八台の会社にある……。それと、もう一つ私が不思議なのは、連日の新聞を見ていると、日本交通とか国際とかの大会社その他がみなタクシー運転手募集というのが日曜あたりにはずっと出ております。私どものところは大したことないのですが、先ほど申し上げた通り出ている。それで、しっかりした会社採用になりさえすれば、固定給も相当つけるりっぱな会社があって募集しているのに、下車勤させられて、ろくな手当も出さないで、ふき掃除なんかさせられているところに、足りないで困っている運転手諸君が何かそこに釘づけになっている。何か親分子分みたいになって動けなくなっているんじゃないか、こういうほかの理由があるんじゃないかと私は考えております。
  69. 岩間正男

    岩間正男君 新倉さんは、先ほどのお話によりますと、あなたは労使平等だ、協調の面に立たれて、非常に仲よくこの問題を解決したいというような経営者の方でありますから、なかなか実情は当委員会に反映しないのじゃないか。従って、これは私たちの足をもって調べなくちゃならぬ、でありますから、これは委員長にお願いしておきたいのでありますが、こういう実態について、二、三カ所現状をやはりわれわれ自身が行って、こちらに来ていただくのじゃなくて、実情を、行って、そうしてこれを把握する、こういう努力をしてこの下車勤の問題も私は探求したいと思います。この問題についてまた労働組合の側からも、それから業者の側からも一つ御協力いただきたい。こういう現実を残して、暗箱みたいなところを残しておいて、そうしてそのままで問題を解決しようといったって、われわれ国会議員はつんぼさじきに上げられることになる。この現実、そういう状態の原因を徹底的に究明しなくちゃならぬ。つまり病気を直すには対症療法ではだめだ、やはり根源をつかむ努力をしたいという少くとも決意を私たちはしているのです。そういう立場からぜひ御協力願いたいと思う。  その次にお聞きしたいのでありますが、事故を起した場合、この負担は、先ほどこれも新倉さんのお話によりますと、これは子供のけがだ、この子供のけがを親が当然これは全部カバーするのは当りまえだ、こういうような御発言があったと思う。しかし、これについては必ずしも小経営の場合、あるいは過酷な経営の場合にはそういうふうにいっていないのじゃないか。なるほど一応それらの修繕費だとか、あるいはまた補償の金とか、こういうものは会社が立てかえて出すでしょう。おそらく労働者はなかなかそういう金の余裕がないから、一時会社は立てかえて出すかもしれぬ。しかし、そのあとの条件はこれは大へんなんです。結局これは、会社が全部負担するかというと、そういう建前になっていないところもある。そうして結局それが月賦で払わせられる、そうするとノルマの上にそういうような歩合が重なるとなれば、これはもう神風運転をやらなければならぬという条件がそこに出しくると思う。従って、こういうような事故を起した場合の補償というものはどういうふうになっているのか、これについてはもっとこの経営の内容の中ではっきりうたう必要があるのかどうか。できればやはりそういう点については、業者が負担をすべきものだというような前提をはっきり掲げなくちゃならないものであるかどうか。そうでないと、いつも弱い労働者にしわ寄せされるという事態では、この事故ほんとうになくすということは私は非常に困難になるんじゃないかと、こういうふうに考えられるわけです。これについて業者の方の御意見もありましょう、また労働者の方の御意見もあると思いますので、まあ両者の御意見を聞かしていただきたいと思います。
  70. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 御質問の点は明快に答えてあります。事故の問題は原則的に全部事業者負担であるべきである、はっきり申し上げます。してないところがあれば、これは漸次そういうふうに改善されていかなければならない。ただ休みであったとか、特別な就業時間でないのに、運転手としては、それを持ち出していってぶっつけたというような場合においては、いわゆる与えられたる職務上に起らざる陰の仕事はこれは制裁があると考えます。
  71. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) もちろん各社によっていろいろまちまちだと思う。労働組合といっても、三百近い会社うちに八十幾つぐらいしか結成されていないし、まあ登録は一万弱ですが、実際問題としては一万二千ぐらいの組織人員がいるわけです。従って、すべてをはかるわけにはいかない。まあ私の会社の例を引くと、運転手の不可抗力による場合には一銭も従業員は負担しない。これは会社が全額持ちます。それから運転手のまあ極端な不注意でやった場合においては、これは一割五分だけ引く。ただし、これは月三百円以上さっ引いてはいかぬ。これは運転手が泥酔運転やった場合とか、そういうような事故の場合……。従って不可抗力の場合には一銭も会社はとれない。こういうような形をとっておりますが、まあ全般的に相当運転手の方が負担させられている面が多いのじゃないか。特にそれは一回にはさっ引くことができないので、会社がそれをためておいて、やめようとすると給料から天引きする。だから、さっき言った意味の親分子分関係関係ではなくて、やめようとするとさっ引かれる、だからやめるわけにはいかない、ちょうど女郎屋と同じような形の面がある。こういう面は、資料でもってあとで提出してもよろしいと思います。
  72. 岩間正男

    岩間正男君 これは、実情についてお話があったわけですが、不可抗力とか、不注意というのは、その判別がむずかしいと思うのですね。不可抗力といっても、実際ノルマが非常に過大で不可抗力になっているという場合もあって、何ぼ注意しようとしてもこれは注意ができないというような事態もないとは言えない。従って、これについての補償の問題は、やはり明確にこれは今後の経営の中ではっきりしていく必要がある。従って、私がここでお聞きしたいのは、一体このような事故に対する資金のようなものを経営費の中に見ておられるか。たとえば、銀行なら銀行では貸し倒れ準備金というようなものを持っておるのですが、そういうような方法を当然考えなければ、これは安全経営にはならない。このタクシー経営の場合においては、事故の大体の率というのがありますから、そういうものとの関連において、そのような準備金のようなものが作られておることが望ましいと考えるのでず。そうでないとこれは大変なことになる。どうなんでしょうか、実際の経営の面でそういう考慮がされておるかどうか。
  73. 湯城義一

    参考人湯城義一君) 今、組合長が話しましたが、それにつけ加えますが、たとえば私の方の会社は保険に入っております。そうして今言ったように、ほとんど会社が負担して、特に重大なる過失があった場合に、その判定は会社がするのじゃなくて、労使同数の懲罰委員会がありまして、あれはたしか労働組合側と会社側とそれぞれ五人ずつの懲罰委員会がある。これが事故の判定をします。これもつまり労使協調でありますので、不平もなくやっておりますが、多くの東京会社も最近はそういう傾向になってきたと思いますが、特にひどいところは、先ほどあなたがおっしゃったように、相当の負担をかけておるようなことを聞いております。しかし、法律で大体月収の何分の一ですか、以上を取ることは許されないというようなことになっておりますが、その範囲を出ておるものはないと思います。
  74. 岩間正男

    岩間正男君 この問題につきまして、なおいろいろ私は調査しまして、これの事態を究明したいと考えておるのであります。  次に、退職金制度の問題ですが、大体タクシー運転手さんというのは、これは非常に過重な労働をされている。それでまあ変則的な生活状態だと思います。次の日は一日寝るといったってそう寝るわけにはいかない。中途半端なことになる。そうして次の日には二十四時間勤務。そうすると、それは実際統計に出ているのかどうか私はわからないが、実はこの統計を作らなくちゃならない。なかなか寿命が短かいのじゃないか。ですから、よく退職されてからぽっくり行くと、こういう例が非常に多いというふうに聞いているわけです。そうすると、退職後のそういう安全保障というものがはっきり確立していることが、非常にやはり安全運転という場合にはこれは必要だというふうに考えるのですが、現状はどうなっておりましょうか。この点についてお聞きしたいと思います。
  75. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 退職金の方は伊坪君から……。
  76. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 私の知っている範囲じゃ、三百近い会社の中で四十そこそこだと思いますね、退職金は。しかもそれは四十の中でも十社ぐらいじゃないですか、退職金らしいというのは……。あとはもうほんとに問題にならぬような退職金で、これはお調べになってみればわかります。
  77. 岩間正男

    岩間正男君 それから、大体計算して、何年ぐらいでやめるものでしょうか。これはまあ年令にもよると思いますけれども、そんなに長い人は、まあずいぶん長い人もあると思いますけれども、大体今のような四百キロというような運転でもやっていたら、大へんなことになると思うんですが、どうでしょうか。従業員の平均年令のようなものをお調べになったデータはございませんか。
  78. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 自分の会社はわかるが、全部調べていないですな。
  79. 岩間正男

    岩間正男君 この問題も、私たちはやはり等閑には付されない問題なんです。この点についても資料の御協力をいただいて、できるだけ今後やはりこういう点で、そういう科学的な基礎の上に立って、やはり労働者の生活安定の問題、これと関連して安全操業の問題、そうして当然安全経営の問題、こういう点を究明したいと思いますが、これはあとでけっこうでございます。  先ほどの問題の……。
  80. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 先ほどのは、運転手全体で、うちの場合三十四才でございます。
  81. 岩間正男

    岩間正男君 勤務のあれはございませんか。
  82. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) ハイヤーの人は特に長いですね。それは長く勤めますから。というのは、やめっこないのです。ですから、そうですね、ハイヤー所属の運転手の年令はぐっとふえております。停年がきましても、一応臨時の形で、停年の処置をいたしましてもなお職場に残るというのが相当多うございます。
  83. 岩間正男

    岩間正男君 この点につきましては、まあもっといろいろ詳しいデータを当委員会でも努力して集めるように、これは委員長にお願いいたしたいと思うのです。  その次ですが、柴谷議員からも先ほど質問があったわけですが、この給与固定給一万八千円の問題は、先ほど新倉さんからの説明がありましたが、あなたの方の御意向でないということなんですが、大体どの程度にお考えになっておりますか。そうしてその根拠はどういうことになっているのか、端的に一つ……。
  84. 寿原正一

    参考人寿原正一君) この給与の点についての審議をしている専門員がおりますから、これに御説明をお許し願いたいと思います。
  85. 江藤智

    委員長江藤智君) それではお諮りいたします。成規の手続を省略いたしまして、給与体系について、日本乗用自動車連合会会長藤本威宏君を、参考人として発言を許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 江藤智

    委員長江藤智君) それでは御異議ないと認めます。  藤本君にお願いいたしますが、どうぞ時間の都合もございますから簡略に一つ……。
  87. 藤本威宏

    参考人(藤本威宏君) ちょっと御説明申し上げます。この給与体系は、この問題が起きてから三団体が寄りまして、鳩首相談をいたしまして、改善策として打ち出している問題で、大体要点が二つになっております。一つは、最低賃金保障制度を実施して行きたい。もう一つは、固定給の総体アップをやってみたい、この二点でございます。  それでこの意味は、タクシーのような直接労務管理のできない企業というものには、どうしても歩合制度がつきものである。日本だけじゃない。アメリカでもほとんどが歩合制が中心になっているし、欧州のどの国でもそれが大体の例である。また、労務管理ができないような職業にはつきものである。従って、タクシーの賃金と歩合制というものは宿命的な関係にあるのだ。しかしながら、同時に生活不安ということがありましては、これまた事故の問題にも関連いたしますので、何とか改善いたしたい。そういった意味で考えましたのは、歩合制度は宿命的なものであるから、生かしながら、同時に最低賃金を保障しよう、ここまでは保障しようという考え方でございます。つまり十三日勤務した場合には十三日、労働基準法で定められているような出勤をした場合、たとえばそれが事故等によって免許証がとられてしまって就業できないという場合も含みます。要するに出勤してきた場合、こういった場合にここまで保障しようというのが、最低賃金保障制度でございまして、これに一万八千円というものを今のところ案として考えております。一万八千円までは保障しようじゃないか、いわゆる能率に関係なく保障しようという考え方でございます。これはまあ一万八千円はタクシー労働者から見ると安いというかもしれませんが、一般の産業から見ればはるかに高い最低賃金保障だと思っております。一万八千円を保障したい。  それからもう一つは、固定給のアップでございますけれども、これは先ほど言った趣旨から言いまして、これを月給のようにするわけにはどうしてもいかない。業態からいって無理がある。しかしながら同時に、今言ったように三千円とか、四千円というような固定給ではちょっといかにも生活不安定ということになってしまうから、これを大幅に上げたいと思っております。これを大体一万円見当考えてみました。いわゆる雑手当、家族手当とか、それから皆勤、精勤等を入れまして、これはまあ数にも入らないかもしれませんが、相当の額に上ると思っております。それで、このような制度に給与体系を変えていきたいのだ、こういう二本立の考え方をしております。固定給だけでもって生活安定さしてしまうことは業態からいって無理がある。従って、できるだけ上げるということにとどめておいて、あとは最低賃金保障制度でもって最低の生活は保障したい。こういうような考え方を現在研究しておりまして、これに付随いたしまして昇給の問題も織り込んでおりますし、万般にわたりまして給与の大幅の改善をいたしまして、それをモデル案として、これを今月中に大体業界案が全部今言ったことを骨子といたしまして完成いたします。当局にも出してみたいし、また業界全体にも指導してそれを実現を期したい、このように考えておる次第であります。
  88. 岩間正男

    岩間正男君 今検討されておるので、また私たちも意見をまだ差し控えなければならぬ段階でございますから、これはでさましたら、そういうデータがございましたらお出しをいただいて、当委員会でもいただいたらけっこうだと思います。ただ私は、この案をせっかくお作りになっても、これはどのようにして末端まで実施させるかということに柴谷委員もるる質問された重点がかかっているのじゃないか。なるほど経営のいい、安全のところはこの案でいった方がむしろこれは能率が上る。こういうふうにお考えかもしれない。しかし、実際二十人とか三十人で、しかも弱小資本でやっているというようなところは、そう考えてもこれでなかなかやっていけないという問題も発生してくるかもしれぬ。従って、皆さんが連合会をお作りになっていらっしゃるのですから、この連合会で、一応これは連合会の代表、それから労働組合全国的の代表、そういうところで話し合うという段階が必要でございましょう。しかし、実際個々の経営においてどういうふうにこれを実現するというふうに指導方針を立てられるのか、案だけは示しておいて、今国会でも問題になっている、官庁でも問題になっている、警察でも問題にしている、新聞が全部事故防止のために問題にしている。だからこういう案が作られた。しかし、この案は机上のプランであり、絵にかいたもちであって、日にちが三カ月過ぎた、四カ月過ぎた、そうしてこういう案でいくということで、一応この問題が下火になって、実際はそこのところに改善が加えられないということになるならば、これはやはり大きな禍根が残るということになります。従って、このような案をどういうふうに実施しようとお考えになっていらっしゃるか、そこのところ重要ですから、その点、伺います。
  89. 藤本威宏

    参考人(藤本威宏君) 申し上げます。この案は雲の上で業界の幹部だけがこそこそと作ったものではございません。この案はすでに下部に流して、それらの同意を得た上で成案にしております。これは私ども業界では総会に諮って全員これでいくのだという決意をしまして、決して上から押しつける案というものでない。今日の状況にかんがみまして、これがほんとうタクシーの正しい案であるという認識のもとに作っておりますので、そのような心配はないと思います。ただ、先ほど新倉さんのおっしゃった一、二の業者について何ぼ説得しても聞かぬというような場合については、これはまた別な方策をとることにしまして、これは官民合同いたしまして、これは実施したい、このように考える次第でございます。
  90. 大倉精一

    大倉精一君 多分最後の質問だと思いますが、いろいろ給与の問題、その他について各委員から質問がありましたので、私は若干違った方面についてこの際一、二お話を聞きたいと思います。今、岩間君から事故の損害賠償について御質問があったのですが、それと関連いたしまして、自動車の運転手交通取締りの面において非常に厳重な取締りをやられている。すなわち二重の処分というものをやられているのであります。これは現場の労働条件、雇用条件から見るならば、スピード違反をやらないとやっていけないノルマ運転手にある。つまりスピード違反というものは会社がやらしている。あなた方が優良運転手として表彰される運転手警視庁にいくと不良運転手になる。そういう性格があるのです。そこで本年度の予算を見ましても、交通違反の罰金をだいぶ予算によけい計上している。こういう面からいって、一般の人は何か事故防止だというと取締りを厳重にすればいいと思いましょうが、私は逆にそういうような重い罰金を課することによって、先ほど事故の罰則と同じように、運転手諸君はこれをカバーしょうと思ってまた無理をしなければならぬ、こういう悪循環がくると思う。これは、委員長伊坪さんから、交通取締りと交通事故関係について、あなたの体験から意見を御承わりたいと思います。
  91. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 冒頭において私それを申し述べたわけです。従って、私どもに言わせると、非常に不当といいますか、過重といいますか、当局のやり方というものは起る現象のみにとらわれて、これは処罰さえすれば事足りる、こういう考えを持っている。従って、皆ばらばらだとさつき公述したのです。そういう面で現在大倉先生の言われるような現象のもとに非常に違反なり、事故が起きているのですが、今まで業者の方で罰金を立てかえてくれたということを聞きません、運転手の負担です。こういう形です。過日私の会社の者が、出会いがしらにぶつかって、どっちが悪いのかわからないのですが、乗っていた助手が二カ月の負傷をした。そして両方とも一万五千円の罰金を取られ、そしてまた一カ月の就停です。これでは運転手は不安定の給与の上になおひどいものです。また当局は、今年は昨年より交通取締りによって十億よけい取ると言っている。こういうことになると、これはそのため事故の面にも憂慮すべき面が出てくると思います。ですから、タクシー運転手を責めるだけでなく、警察当局の方に対しても、やはり総合的の交通政策を打ち立ててもらって、一つすべてのしわ寄せが運転手に寄らぬように御配慮をちょうだいしたいと思います。
  92. 大倉精一

    大倉精一君 これは、経営者の方もあまり異存はないと思います。私は交通取締りを厳重にするということによって交通事故防止されるとは考えぬのです。あなたの方もそういうお考えだと思います。ところが、かりにスピード違反でもって罰金を取られた、こういう場合に、これは極端に言うなれば、スピード違反をやらなければ首になる、そういうノルマのあるためにやむを得ずやっている。先ほど新倉さんの筆法でいくならば、そういう事故を起したならば、おれが抱きかかえてやる。こういうことになると、スピード違反の罰金はあなたの方で持ってやらなければならぬわけですが、これはどうなのですか。
  93. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) お答えします。スピード違反の罰金をどちらが負担するかという御質問ですが、それはその実情によりましょうから、よく調べた上でということになりましょうが、スピード違反の行政処分、司法処分ということは、これは立法府の皆さんの方でもって、私どもとしては反対いたしておりまして、これは伊坪君と同様でありまして、これは国の法律がそうなっているものを直してくれるということを言っておる。だから、その点は私どもの方の責任じゃないので……。
  94. 大倉精一

    大倉精一君 共同闘争で……。
  95. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 共同闘争で一つお願いしたい。それから、今のスピード違反の罰金を事業者がみんな持ってしまえ、みんな持つということはどうかわかりませんけれども、今のようなやむにやまれずして起った問題というような点がかなりあると思います。それは今の、要求をしたからスピード違反をしたというような言いがかりではいけない。そういうノルマもなければかせぎ高や何物も要求していないのにスピード違反が起り得るはずがないと一方では言うし、ところが現実は、客が急がせる場合もありましょうし、また何でもない場所で、たまたま木の陰に隠れて見つけるスピード違反の場合もあります。そういうのは運転手がこれを負担するというのも気の毒なような気持もあります。これは実情を調査しまして、そういう過重負担がかからぬように格別に考えるべきだ、ただ違反をしたからこれには出してやりますという気持は、これは大ぜいを使っておりますうちにおいて直ちにお答えはできません。
  96. 湯城義一

    参考人湯城義一君) ただいまのお話ですが、これは何年前ですか、全国の組合それから経営者団体共同しまして、この二重処分を廃止してもらう運動をしまして、たしか国会の方にも出したと思います。そういう趣旨は今でも変りません。今おっしゃったスピード違反における過料とかそういう問題は、これはとり方によりますと会社が負担するということは、スピード違反でもやるぐらいな腕がなくちゃいけない、それでひっかかったら、おれの方でしょってやるといったような姿になるので、それでこれは私の方としては、会社が、これはまあ業界の方の各社いろいろありますが、私ども会社としては、これはやはりそう暴走しちゃいかぬという建前から、違反しちゃいかぬという建前から、無理をするなという建前からこれは負担してやっておりません。現実にやっておるところがあったわけです。現在でもおそらくあるでしょう。これは、私どもはむしろ抗議している方だ。会社がそういうものを承認して、むしろ違反でもしてやれ、それは会社が負担してやろうということ、その精神がいかぬということでわれわれは抗議しておるような状態ですから、今はそれまで会社が持ってやるという気持はありません。むしろこの二重処分をやめてもらいたい、この運動でいきたい、こう思っております。
  97. 大倉精一

    大倉精一君 その問題は、きょうは参考意見を聞くだけにとどめたいと思いますけれども、要するにあなたの会社はそうかもしれません。しれませんけれども、よその会社では四百キロ走ってこい、五百キロ走ってこい、こう会社が命令すれば、スピード違反をやらなければ首になる、下車勤ですか、あれになるわけです。でありますからスピード違反をやる。といって、見つかれば罰金を自分が払うのだ。またこれをカバーするために暴走運転をやらなければならぬ。こういう精神的なものも加味して非常に危険だと私は思うので、これは事故のためには非常に危険だということは、これは一致しておると思うのです。あなたの方が持つか持たぬ、これは大いに論議してやってもらってけっこうです。  それからもう一つ、この際寿原さんにお尋ねするのですけれども、実は警察庁の警ら交通課長さんが先般アメリカへ行って、いろいろ道路交通取締りに関するなかなかいい。パンフレットを出しておられるのですけれども、その中にこういうことを書いておられる、「自動車構造についても改善が行われ、単にスピードの上昇というような性能の向上だけでなく、操縦安全の見地、例えば居眠により注意力を失った場合等は自然に停止し、」ということが書かれておる。こういうことができるのならば非常にけっこうだと思うのですが……。
  98. 寿原正一

    参考人寿原正一君) メーターの問題ですか。
  99. 大倉精一

    大倉精一君 そうじゃなくて、自動車の構造自体に、つまり居眠り運転をやるような格好になって注意力が少くなってくると、そうすれば自然に車がとまるような構造を考える。これは今私ここに来て読んだのですが、アメリカに行っていろいろ見聞を広めて来られた人でありますから、その人が書いているのだから、あるいはどこかに可能性があるのではないか。そういうことについて私お尋ねするのですけれども、そういう可能性はあるのですか。
  100. 寿原正一

    参考人寿原正一君) 先般交通第一課長さんにお会いしましたけれども、その問題はちょっとまだ聞いておりませんでしたが、メーターの問題で始終私にお問い合せがあって、また向うの方でも検討している問題でもありましたので、四十キロ以上走ったならばメーターが出ないように、五十キロになったなら逆算になって逆に減っていくようなメーターを研究してくれぬか、これは必ずできる問題であるからそれだけは研究してくれ、こういう話がありましたが、今の居眠りをした場合に車がひとりでにとまってしまうということは、私らはまだ聞いたこともありませんし、また考えたこともないのであります。
  101. 大倉精一

    大倉精一君 けっこうであります。そういうふうに書いてあったものですからちょっと意見を……。どっかにあるのでありますから、こういうことは、私事故防止としてやはり研究に値すべきものではないかと思うのです。つまりこういうことは、うそを発見する機械ができている時代ですから、できないといえばできないのですけれども、こういうことも事故防止対策としては研究をする余地があるのではないかと考えます。
  102. 寿原正一

    参考人寿原正一君) 大へんいい参考意見を聞かしていただいてありがとうございました。われわれよく研究をさしていただきます。
  103. 大倉精一

    大倉精一君 それからもう一つ、大体時間がきましたから質問を終りますけれども、ふっと今気がついたことで一つ新倉さん、湯城さんにもお伺いしたいのですが、先ほどあなたの方の陳述で陸運行政の一本化ということを要望されておったけれども、これは同感だと思うのです。私も同感なんだ。そこで先ほどから聞いていると、労働組合との関係においてもあなたの方は二つ組合があるのです。両方別々に相談をしなければならないし、場合によると態度が違う、方針が違うということですけれども、あなたの方は一緒になれぬものですか、乗用車と一本になってできぬものですか。
  104. 湯城義一

    参考人湯城義一君) それは経営者の方ですか。経営者の方は今都内には三つあります。それから全国は二つに分れて、京阪地方二府六県と東京の方が私、あと全国、これは両方が一本になるべく今業者の間にだんだんそういう機運が醸成してきました。近いうちにそうなるだろうと思います。これは無理にしますとなかなかむずかしい、やはりかするに時をもってすれば、だんだんそういう機運に最近なってきておりますから多分でき上るのではないかと思います。
  105. 江藤智

    委員長江藤智君) それでは、一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、参考人方々には長時間にわたりまして、きわめて有意義な御意見を開陳していただきまして、まことにありがとうございました。ことにお話の中を通じまして、皆様方が労使一体になって交通事故防止のために非常に御熱心な御努力をしていらっしゃり、また御研究をしていらっしゃる御様子を拝承いたしまして、まことにありがたく存じた次第でございます。どうぞ皆様方におかれましては、その御決意をもってタクシー業界全般にその御決意が浸透して、事故撲滅が実現できるように今後とも御努力あらんことをお願いいたす次第でございます。  なお、えてして問題を国会で取り上げますというと、何かうるさいことのようにお考えかもしれませんけれども、私たちは事故撲滅のために党派を越えまして皆様方労使方々の御意見を率直に受けまして、これを政治の面にも反映するようにいたしたいという気持でいるわけでございますので、別に取締りをする意味ではございませんし、認可、許可をする立場でもございませんので、今後とも一つ御遠慮なく皆様方の御意見を聞かしていただきたい。また私たちも遠慮なく皆様方の方に参りまして、実情も拝見するなり、拝承するつもりでございますから、今後一体になって、ただいまわが国の重要な問題でございます交通事故の撲滅のために努力いたしたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。きょうはどうもありがとうございました。
  106. 新倉文郎

    参考人新倉文郎君) 私どもの方もまだ生まれたばかりのような会社が大部分でございますので、何かと不十分な点があろうかと思いますけれども、将来とも御指導を願いたいと思います。
  107. 江藤智

    委員長江藤智君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  108. 江藤智

    委員長江藤智君) 速記をつけて。  それでは、これにて散会いたします。    午後五時四十三分散会