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津島国務大臣 お答えいたします。
ただいまの御
質問の要点は、今日のようなミサイル時代において
日本の防衛をどうするか、特にその点について米側から何らかの申し入れがあったか、また第四回日米安保
委員会における決定ないし新島試射場の
問題等についての御
質問でありまして、これを各
項目について簡単にお答えをいたします。
ミサイル時代において、わが国の防衛上、装備の改善をして、近代科学を研究開発をして、その増強をはかるということは当然のことでございます。その
意味におきまして、私
どもは、通常兵器によるこの装備を、でき得る限りこういったような研究開発の経過によって逐次質的の改善をはかりたい、こういう
考えでやっております。この点につきましてはすでに当
委員会においてもお答えしたのでありますが、さしあたり、各自衛隊の装備の改善、同時に基本的並びに当面必要とする技術の改善につきましては、
防衛庁の技術研究所においてあらゆる部面から研究を進め、また試作をやっておるわけであります。この点につきましては、三十三年度においては大体技術研究所の
予算十九億一千百万円の計上をいたしたわけであります。なお、陸海空自衛隊からのこれらの研究のために、大体十数億円の金がこの方面に利用される、こういうことに相なっておる次第でございます。御指摘の、米国側からミサイル
関係、防衛
関係においての
日本側に対する申し入れ、話がないかということでございます。これは、今までのところ、われわれは全然聞いておりません。そういった話し合いはいたしたことはございません。なお、御
承知のように、わが国の
方針が核装備はしないのだ、これは一貫しております。これは十分了承しておるわけでございまして、自然、こういった面について、NATO諸国その他の諸国との同様な
関係においてこの問題を取り扱うということはなされてないと私は了解しているわけでございます。
なお、日米安保
委員会第四回において、サイドワインダーの受け入れについての協議がございました。これは、この
委員会は協議機関でございまして、正式の受け入れをするということにつきましては、
日本政府と先方
政府との間に、受けるとすれば具体的の折衝を行う、そういうことになる段階でございます。これは、もうたびたび申し上げましたが、核弾頭等の装備が不可能なところの空対空の誘導弾でございます。核装備の問題とは全然
関係ない。ただ、F86等の飛行機の装備を強化していくという、効率を上げるための一種の武装機関銃の優良なる性能を持ったものと御
承知を願いたいのであります。来年度の
予算におきましては、これを約十発ばかり実射するというために約五千万円ばかりの
予算を計上し、
予算の通過を待ちまして先方と具体的にこの実行の話し合いを進めていく、こういうことになっておるわけでございまして、日米安保
委員会の協議というものが出発点でございますが、政治的には、正式のルートによる双方の協議による一種の実行の話し合い、並びにその結果を得たい、こう思っておる次第でございます。
新島の問題は、基地という言葉で御表現になりましたが、われわれはこれを試射場ということになっております。これは、諸外国で言われておるミサイル基地とか、その言葉に一種の
意味があるわけでございますが、そういったものでは全然ないわけでございまして、これは、技術研究所におきまして研究の結果得たところの試作品の空対空または地対空、それらの誘導弾またはロケットの試射をするわけでございます。現在の計画においては、大体三十四年秋から始めまして、月に一発か二発、約五分間でこの試射は終了するような程度のものでございまして、これを混淆してミサイル基地だというようなことは、非常な誤解を招く言葉であろうということを憂慮しているわけでございます。このミサイルの
関係におきましては、現状においてはこういった状況でございます。
なお、熊谷ということがございましたが、これも全然問題がない点でございまして、こういったミサイルをここで試射するとかいうようなことも、目下のところ想定しておらぬわけでございます。
以上のようなわけでございまして、今日の防衛のために、要すれば質的の改善をはかり、武装の刷新をはかるということは
内外の情勢上非常に必要なことでございまして、国防
会議におきましてもこういった
方針が立てられ、それに即応していろいろと工夫しておる、こういったことでございます。