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1958-04-24 第28回国会 衆議院 農林水産委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十四日(木曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 中村 寅太君    理事 川村善八郎君 理事 助川 良平君    理事 原  捨思君 理事 芳賀  貢君       安藤  覺君    五十嵐吉藏君       石坂  繁君    今井  耕君       小枝 一雄君    中馬 辰猪君       丹羽 兵助君    松野 頼三君       村松 久義君    阿部 五郎君       赤路 友藏君    石田 宥全君       石山 權作君    稲富 稜人君       中村 英男君    細田 綱吉君  出席政府委員         農林事務官         (畜産局長)  谷垣 專一君  委員外出席者         参議院議員  小山 邦太郎君         農 林 技 官         (畜産局畜産課         長)      山本兵三郎君         専  門  員 岩隈  博君     ――――――――――――― 四月二十四日  委員今井耕君、大橋忠一君及び森三樹二君辞任  につき、その補欠として松田鐵藏君、中馬辰猪  君及び細田綱吉君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ――――――――――――― 四月二十三日  地方卸売市場法制定に関する請願中山榮一君  紹介)(第三二九五号)  同(淵上房太郎紹介)(第三二九六号)  同(宮澤胤勇紹介)(第三二九七号)  同(鈴木善幸紹介)(第三三九一号)  有明海干拓に伴う漁業者補償等に関する請願  (井手以誠君紹介)(第三三八八号)  米概算金区分精算に関する請願伊東岩男紹  介)(第三三八九号)  宮之浦漁港防波堤築造に関する請願伊東岩男  君紹介)(第三三九〇号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  養鶏振興法案参議院提出参法第九号)   請願  一 農協役職員年金制度実現に関する請願(稻    村隆一君外二名紹介)(第三五号)  二 同(相川勝六君外一名紹介)(第三六号)  三 同(五十嵐吉藏紹介)(第三七号)  四 同(大島秀一君外一名紹介)(第三八号)  五 同(植村武一君外三名紹介)(第三九号)  六 同(内田常雄紹介)(第四〇号)  七 同(川野芳滿君外と二名紹介)(第四一    号)  八 同(清瀬一郎紹介)(第四二号)  九 同(小坂善太郎紹介)(第四三号) 一〇 同(河本敏夫紹介)(第四四号) 一一 同(坂田道太紹介)(第四五号) 一二 同(笹本一雄紹介)(第四六号) 一三 同(周東英雄紹介)(第四七号) 一四 同(鈴木善幸紹介)(第四八号) 一五 同(竹山祐太郎君外三名紹介)(第四九    号) 一六 同(田中彰治君外二名紹介)(第五〇号) 一七 同外一件(福田赳夫紹介)(第五一    号) 一八 同(藤枝泉介紹介)(第五二号) 一九 同(松山義雄君外二名紹介)(第五三号) 二〇 同(福井盛太紹介)(第五四号) 二一 同(灘尾弘吉紹介)(第五五号) 二二 同(中垣國男紹介)(第五六号) 二三 同(渡邊良夫君外三名紹介)(第五七号) 二四 同(松村謙三君外五名紹介)(第五八号) 二五 同(唐澤俊樹紹介)(第五九号) 二六 同(山口好一君外一名紹介)(第六〇号) 二七 消費者米価値上げ反対に関する請願中馬    辰猪紹介)(第八五号) 二八 甘しよでん粉価格及び買上数量早期決定に    関する請願中馬辰猪紹介)(第八六    号) 二九 機船底びき綱漁船違反操業防止に関する請    願(中馬辰猪紹介)(第八七号) 三〇 鹿児島県の消費者米価丙地変更に関する請    願(中馬辰猪紹介)(第八八号) 三一 市町村総合土地改良開発事業実現に関する    請願和田博雄紹介)(第一二三号) 三二 同(笹山茂太郎紹介)(第三三七号) 三三 農協役職員年金制度実現に関する請願(芦    田均君外五名紹介)(第二二八号) 三四 同(池田清志紹介)(第二二九号) 三五 同(伊東隆治紹介)(第二三〇号) 三六 同(生田宏一紹介)(第二三一号) 三七 同(犬養健紹介)(第二三二号) 三八 同(遠藤三郎君外四名紹介)(第二三三  号) 三九 同(小笠原三九郎君紹介)(第二三四号) 四〇 同(大高康紹介)(第二三五号) 四一 同(大倉三郎紹介)(第二三六号) 四二 同(大石武一紹介)(第二三七号) 四三 同(神田博君外四名紹介)(第二三八号) 四四 同(加藤精三者紹介)(第二三九号) 四五 同(上林山榮吉君紹介)(第二四〇    号) 四六 同(亀山孝一紹介)(第二四一号) 四七 同外十五件(吉川久衛紹介)(第二四二    号) 四八 同(黒金泰美紹介)(第二四三号) 四九 同(栗原俊夫紹介)(第二四四号) 五〇 同(小西寅松紹介)(第二四五号) 五一 同(小金義照紹介)(第二四六号) 五二 同(小林かなえ紹介)(第二四七号) 五三 同(小島徹三紹介)(第二四八号) 五四 同(佐竹晴記紹介)(第二四九号) 五五 同(佐々木更三君紹介)(第二五〇号) 五六 同(杉山元治郎紹介)(第二五一号) 五七 同(竹谷源太郎紹介)(第二五二号) 五八 同(田中武夫紹介)(第二五三号) 五九 同(田口長治郎君外三名紹介)(第二五四    号)六〇 同(高橋禎一君外二名紹介)(第二五五    号) 六一 同(中馬辰猪紹介)(第二五六号) 六二 同(綱島正興君外二名紹介)(第二五七    号) 六三 同(床次徳二紹介)(第二五八号) 六四 同(渡海元三郎紹介)(第二五九号) 六五 同外一件(中曽根康弘紹介)(第二六〇    号) 六六 同(二階堂進紹介)(第二六一号) 六七 同(長谷川四郎紹介)(第二六二号) 六八 同(原捨思君紹介)(第二六三号) 六九 同(古川丈吉紹介)(第三六四号) 七〇 同(保科善四郎紹介)(第二六五号) 七一 同(松田竹千代紹介)(第二六六号) 七二 同(松澤雄藏紹介)(第二六七号) 七三 同(松浦東介紹介)(第二六八号) 七四 同(松永東君外二名紹介)(第二六九号) 七五 同(松原喜之次紹介)(第二七〇号) 七六 同(前田房之助紹介)(第二七一号) 七七 同(森下國雄紹介)(第二七二号) 七八 同(森本靖紹介)(第二七三号) 七九 同(山中貞則紹介)(第二七四号) 八〇 同(山本勝山君外二名紹介)(第二七五    号) 八一 同(横井太郎君外四名紹介)(第二七六    号) 八二 同(早稻田柳右エ門君外三名紹介)(第二    七七号) 八三 同(茜ケ久保重光紹介)(第三四三号) 八四 同(西村榮一紹介)(第三四四号) 八五 同(日野吉夫紹介)(第三四五号) 八六 同(野澤清人紹介)(第三六二号) 八七 同(中山マサ紹介)(第三六三号) 八八 同(橋本登美三郎紹介)(第三六四号) 八九 同(山本粂吉紹介)(第三六五号) 九〇 同(八木一郎君外二名紹介)(第三六六    号) 九一 繭糸価格安定法に基き玉糸の一般買入実施    に関する請願五十嵐吉藏紹介)(第二    七八号) 九二 同外一件(橋本龍伍紹介)(第二七九    号) 九三 秋田下国有林野行政処置に関する請願(    石山權作君紹介)(第二八〇号) 九四 中海干拓計画調査早期完結に関する請願    (櫻内義雄紹介)(第二八一号) 九五 乳価安定に関する請願吉川久衛紹介)    (第二八二号) 九六 園芸振興法制定に関する請願吉川久衛君    紹介)(第二八三号) 九七 凍霜害防止対策措置法制定に関する請願(    吉川久衛紹介)(第二八四号) 九八 優秀乳用種雄牛の設置に関する請願吉川    久衞紹介)(第二八五号) 九九 機船底びき網漁船違反操業防止に関する請    願(山中貞則紹介)(第二八六号) 一〇〇 消費者米価値上げ反対に関する請願(山    中貞則紹介)(第二八七号) 一〇一 甘しよでん粉価格及び買上数量早期決定    に関する請願山中貞則紹介)(第二八    九号) 一〇二 農協役職員年金制度実現に関する請願(    小牧次生紹介)(第三八一号) 一〇三 同(高碕達之助紹介)(第三八二号) 一〇四 同(西村力弥紹介)(第三九九号) 一〇五 同(戸叶里子紹介)(第四〇〇号) 一〇六 同外二件(平野三郎紹介)(第四〇    一号) 一〇七 同(有田喜一紹介)(第四三二号) 一〇八 同(神田大作紹介)(第四三三号) 一〇九 同(笹山茂太郎紹介)(第四三四号) 一一〇 木炭公営検査費国庫補助に関する請    願(櫻内義雄紹介)(第四二八号) 一一一 土地改良政策に関する請願田中彰治君    紹介)(第四二九号) 一一二 漁港整備促進に関する請願田口長治    郎君外一名紹介)(第四三〇号) 一一三 国有林野開放に関する請願山下春江君    紹介)(第四三一号) 一一四 漁港整備事業促進に関する請願山下春    江君紹介)(第四五〇号) 一一五 積寒地帯土地改良事業事業費増額等に    関する請願山下春江紹介)(第四五一    号) 一一六 農業協同組合整備特別措置法による指定    期限延長に関する請願山下春江紹介)    (第四五二号) 一一七 中海干拓計画調査早期完結に関する請    願(櫻内義雄紹介)(第四五三号) 一一八 木曽国有林権益擁護に関する請願(唐    澤俊樹紹介)(第四五四号) 一一九 繭糸価格安定法に基き玉糸の一般買入実    施に関する請願官澤胤勇紹介)(第四    七三号) 一二〇 農協役職員年金制度実現に関する請願(    犬養健紹介)(五〇六号) 一二一 同(唐澤俊樹紹介)(第五〇七号) 一二二 同(武藤運十郎紹介)(第一五四一    号) 一二三 同(永田亮一紹介)(第六二六号) 一二四 たばこ耕作組合共済組合法適用に関す    る請願床次徳二紹介)(第五七一号) 一二五 同(池田清志紹介)(第五七二号) 一二六 水協組役職員年金制度実現に関する請願    (遠藤三郎紹介)(第六一三号) 一二七 パン用外国小麦政府売渡価格引下げ    に関する請願淺香忠雄紹介)(第六一    四号) 一二八 同(遠藤三郎紹介)(第六一五号) 一二九 同(小枝一雄紹介)(第六一六号) 一三〇 同(河野金昇紹介)(第六一七号) 一三一 同(中村庸一郎紹介)(第六一八号) 一三二 同(福田赳夫紹介)(第六一九号) 一三三 甘しよ糖業振興に関する請願床次徳二    君紹介)(第六二〇号) 一三四 同(池田清志紹介)(第六二一号) 一三五 奥地製炭及び木炭公営検査に対する国庫    補助に関する請願床次徳二紹介)(第    六二二号) 一三六 同(池田清志紹介)(第六二三号) 一三七 畑地農業改良促進法期限延長等に関す    る請願床次徳二紹介)(第六二四号) 一三八 同(池田清志紹介)(第六二五号) 一三九 木曽国有林権益擁護に関する請願(吉    川久衞紹介)(第六二七号)一四〇 農林漁業団体職員共済組合法制定に関す    る請願高橋等君外一名紹介)(第六七四     号) 一四一 同外四十一件(阿左美廣治紹介)(第    六七五号) 一四二 同(村上勇紹介)(第七四〇号) 一四三 農協役職員年金制度実現に関する請願(    臼井莊一君紹介)(第六七六号) 一四四 同(内海安吉紹介)(第六七七号) 一四五 同(竹尾弌君外二名紹介)(第六七八    号) 一四六 同(中村庸一郎君外三名紹介)(第七三    八号) 一四七 同(荒舩清十郎君外一名紹介)(第七三    九号) 一四八 同(藤本捨助君外二名紹介)(第七四一    号) 一四九 水協組役職員年金制度実現に関する請願    (神田博紹介)(第六七九号) 一五〇 パン用外国小麦政府売渡価格引下げ    に関する請願亀山孝一紹介)(第六八    〇号) 一五一 長沼堰土地改良区の暗きよ排水工事施行    に関する請願松澤雄藏紹介)(第六八一    号) 一五二 市町村総合土地改良開発事業実現に関す    る請願中馬辰猪紹介)(第七〇五号) 一五三 たばこ耕作組合共済組合法適用に関す    る請願中馬辰猪紹介)(第七一五号) 一五四 同(小牧次生紹介)(第七一六号) 一五五 甘しよ糖業振興に関する請願小牧次生    君紹介)(第七三二号) 一五六 同(中馬辰猪紹介)(第七三三号) 一五七 畑地農業改良促進法期限延長等に関す    る請願小牧次生紹介)(第七三四号) 一五八 同(中馬辰猪紹介)(第七三五号) 一五九 奥地製炭及び木炭公営検査に対する国庫    補助に関する請願小牧次生紹介)(第    七三六号) 一六〇 同(中馬辰猪紹介)(第七三七号) 一六一 木曽国有林権益擁護に関する請願(松    平忠久紹介)(第七六五号) 一六二 農林漁業団体職業共済組合法制定に関す    る請願阿左美廣治紹介)(第七八六    号) 一六三 農協役職員年金制度実現に関する請願外    一件(助川良平紹介)(第七八七号) 一六四 同(高木松吉君外二名紹介)(第七八八    号) 一六五 同(林讓治紹介)(第七八九号) 一六六 同(八百板正君外四名紹介)(第七九〇    号) 一六七 同(吉田茂紹介)(第七九一号) 一六八 同(大森玉木君外三名紹介)(第八一七    号) 一六九 同(森下國雄紹介)(第八一八号) 一七〇 同(松浦東介紹介)(第八六一号) 一七一 秋田下国有林野行政処置に関する請願    (齋藤憲三紹介)(第七九二号) 一七二 森林資源開発育成等に関する請願(足    鹿覺紹介)(第八三六号) 一七三 山林荒廃防止事業費国庫補助増額に関    する請願足鹿覺紹介)(第八三七号) 一七四 黒鴨林道開設事業費全額国庫負担に関す    る請願松浦東介紹介)(第八六二号) 一七五 大野村の林野開拓反対に関する請願(山    本猛夫君紹介)(第八六三号) 一七六 座繰器械無免許かま整備に関する請願(    藤枝泉介紹介)(第八六四号) 一七七 日立郡下の治山事業費国庫補助に関する    請願世耕弘一紹介)(第八九二号) 一七八 高野町の治山事業費国庫補助に関する請    願(世耕弘一紹介)(第八九三号) 一七九 大塔村の治山事業費国庫補助に関する請    願(世耕弘一紹介)(第八九四号) 一八〇 湯川部落治山事業費国庫補助に関する    請願世耕弘一紹介)(第八九五号) 一八一 奥秩父中津川林道開さくに関する請願(    荒舩清十郎紹介)(第九四九号) 一八二 農林漁業団体職員共済組合法制定に関す    る請願木村文男紹介)(第九五〇号) 一八三 水協組役職員年金制度実現に関する請願    (西村直己紹介)(第九五一号) 一八四 農業共済組合評価員人件費等に関する    請願西村直己紹介)(第九五二号) 一八五 木曽国有林権益擁護に関する請願(原    茂君紹介)(第九五三号) 一八六 農協役職員年金制度実現に関する請願(    堀川恭平紹介)(第九五四号) 一八七 畑地農業改良促進法期限延長等に関す    る請願原捨思君紹介)(第九八一号) 一八八 甘しよ糖業振興に関する請願原捨思君    紹介)(第九八二号) 一八九 中海干拓計画調査早期完結に関する請    願(中馬辰猪紹介)(第九八三号) 一九〇 たばこ耕作組合共済組合法適用に関す    る請願二階堂進紹介)(第一〇九〇    号) 一九一 甘しよ糖業振興に関する請願二階堂進    君紹介)(第一〇九一号) 一九二 畑地農業改良促進法期限延長等に関す    る請願二階堂進紹介)(第一〇九二    号) 一九三 奥地製炭及び木炭公営検査に対する国庫    補助に関する請願二階堂進紹介)(第    一〇九三号) 一九四 農協役職員年金制度実現に関する請願(    三浦一雄紹介)(第一〇九四号) 一九五 総合的農林漁業政策の推進に関する請願    (中馬辰猪紹介)(第一〇九六号) 一九六 有明海沿岸漁業振興対策等に関する請願    (井手以誠君紹介)(第一一四八号) 一九七 狩猟法の一部改正に関する請願加藤鐐    五郎紹介)(第一一四九号) 一九八 同(春日一幸紹介)(第一一五〇号) 一九九 農業協同組合刷新強化に関する請願(    中馬辰猪紹介)(第一一五一号) 二〇〇 狩猟法の一部改正に関する請願助川良    平君紹介)(第一一八〇号) 二〇一 同(大高康紹介)(第一二七八号) 二〇二 同(小川半次紹介)(第一二七九号) 二〇三 同(久野忠治紹介)(第一二八〇号) 二〇四 同(志賀健次郎紹介)(第一三二〇    号) 二〇五 同(田村元紹介)(第一三二一号) 二〇六 昭和三十三年度林野関係予算増額に関す    る請願中馬辰猪紹介)(第一一八一    号) 二〇七 繭糸価格安定法に基き玉糸の一般買入実    施に関する請願荒舩清十郎紹介)(第    一二一八号) 二〇八 水協組役職員年金制度実現に関する請願    (大橋武夫君外四名紹介)(第一二一九  号)二〇九 農地農業用施設工事の借入金に対する    利子補給に関する請願牧野良三紹介)    (第一二二〇号) 二一〇 農地法の一部改正に関する請願牧野良    三君紹介)(第一二二一号) 二一一 千走漁港の第四種漁港指定等に関する請    願(正木清紹介)(第一二三五号) 二一二 中海干拓計画調査早期完結に関する請    願(永山忠則紹介)(第一二八三号) 二一三 農協役職員年金制度実現に関する請願外    三件(中村寅太君外一名紹介)(第一三二    二号) 二一四 中央卸売市場法の一部改正に関する請願    外一件(五十嵐吉藏紹介)(第一三二三    号) 二一五 同外一件(椎名隆紹介)(第一三二四    号) 二一六 同(中馬辰猪紹介)(第一三二五号) 二一七 同外十五件(林博紹介)(第一三二六    号) 二一八 水協組役職員年金制度実現に関する請願    (畠山鶴吉紹介)(第一三三三号) 二一九 農協役職員年金制度実現に関する請願(    木崎茂男紹介)(第一四〇七号) 二二〇 狩猟法の一部改正に関する請願保科善    四郎君紹介)(第一四〇八号) 二二一 同(横錢重吉紹介)(第一四〇九号) 二二二 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願外六件(石田宥全君紹介)(    第一四五〇号) 二二三 備前渠用水路改修促進に関する請願(荒    舩清十郎紹介)(第一五二六号) 二二四 狩猟法の一部改正に関する請願田中伊    三次君紹介)(第一八〇六号) 二二五 同(五十嵐吉藏紹介)(第一八八八    号) 二二六 藤田農協種子麦保管倉庫建設に関する    請願荒舩清十郎紹介)(第一八八六    号) 二二七 農協役職員年金制度実現に関する請願(    江崎真澄君外二名紹介)(第一八八七号) 二二八 狩猟法の一部改正に関する請願飛鳥田    一雄紹介)(第一九六〇号) 二二九 同(加藤高藏君紹介)(第一九六一号) 二三〇 同(小西寅松紹介)(第一九六二号) 二三一 同(塚原俊郎紹介)(第一九六三号) 二三二 同(横井太郎紹介)(第一九六四号) 二三三 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願外十一件(石田宥全君紹介)    (第一九六五号) 二三四 パンミルク値上げ反対に関する請願(    加藤鐐五郎紹介)(第一九六六号) 二三五 宮之浦漁港防波堤築造に関する請願(伊    東岩男紹介)(第一九七七号) 二三六 東海黄海漁業許可制に関する請願(日    野吉夫紹介)(第二〇九五号) 二三七 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願外三百三十八件(猪俣浩三君    紹介)(第二一二六号) 二三八 寒冷地農業振興対策確立に関する請願(    篠田弘作紹介)(第二一六六号) 二三九 同(川村善八郎紹介)(第二一六七    号) 二四〇 同(小平忠紹介)(第二一九九号) 二四一 同(芳賀貢紹介)(第二二〇〇号) 二四二 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願外十二件(稻村隆一君紹介)    (第二二二二号) 二四三 狩猟法の一部を改正する法律案成立促進    に関する請願外一件(大村清一紹介)(    第二二六八五号) 二四四 自作農貯蓄組合法制化に関する請願(    笹山茂太郎紹介)(第二二六六号) 二四五 北洋さけます漁業完全操業に関する請    願(助川良平紹介)(第二四四八号) 二四六 狩猟法の一部を改正する法律案成立促進    に関する請願芳賀貢紹介)(第二五六    五号) 二四七 同(松浦周太郎紹介)(第二六一〇    号) 二四八 同(三浦一雄紹介)(第三六一一号) 二四九 同(井上良二紹介)(第二六七〇号) 二五〇 同(灘尾弘吉紹介)(第二六七一号) 二五一 同(橋本龍伍紹介)(第二六七二号) 二五二 同(川俣清音紹介)(第二七〇六) 二五三 狩猟法の一部改正に関する請願早稻田    柳右エ門紹介)(第二五六六号) 二五四 農協役職員年金制度実視に関する請願(    松浦周太郎紹介)(第二六〇九号) 二五五 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願外二百六十二件(稻村隆一君    紹介)(第二六七三号) 二五六 繭糸価格の維持及び生糸の輸出振興策等    に関する請願助川良平紹介)(第二七    〇七号) 二五七 地方卸売市場法制定に関する請願外六件    (南條徳男紹介)(第二七一〇号) 二五八 狩猟法の一部を改正する法律案成立促進  に関する請願櫻内義雄紹介)(     第二七三二号) 二五九 同(井出一太郎紹介)(第二七五八     号) 二六〇 地方卸売市場法制定に関する請願外一     件(川村善八郎紹介)(第二七三三     号) 二六一 同(竹谷源太郎紹介)(第二七三四     号) 二六二 同外一件(塚田十一郎君外一名紹介)     (第二七三五号) 二六三 同(林唯義紹介)(第二七三六号) 二六四 同外一件(町村金五君紹介)(第二七三    七号) 二六五 同(木村俊夫紹介)(第二七六三号) 二六六 同外二件(篠田弘作紹介)(第二七六    四号) 二六七 同(町村金五君紹介)(第三八〇八号) 二六八 同(保利茂紹介)(第二八三〇号) 二六九 同(淵上房太郎紹介)(第二八六二     号) 二七〇 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願外六十六件(石田宥全君紹    介)(第二七五七号) 二七一 蚕糸業危機突破対策強化に関する請願    (井出一太郎紹介)(第二七五九号) 二七二 同(植原悦二郎紹介)(第二七六〇     号) 二七三 同(小坂善太郎紹介)(第二七六一     号) 二七四 同(松平忠久紹介)(第二七六二号) 二七五 同(鈴木善幸紹介)(第二七九八号) 二七六 農村漁業団体職員共済組合法制定に関す    る請願小澤佐重喜紹介)(第二七九四    号) 二七七 同(鈴木善幸紹介)(第二七九五号) 二七八 日ソ漁業交渉早期妥結に関する請願(    鈴木善幸紹介)(第二七九六号) 二七九 農馬及び速歩用馬の生産に関する請願(    鈴木善幸紹介)(第二七九七号)二八〇 未墾買収地にきり栽培に関する請願(八    田貞議君紹介)(第二八六一号) 二八一 地方卸売市場法制定に関する請願加藤    精三君紹介)(第二九二八号) 二八二 同外七件(川村善八郎紹介)(第二九    二九号) 二八三 同(木下哲君紹介)(第二九三〇号) 二八四 同(黒金泰美紹介)(第二九二一号) 二八五 同(芳賀貢紹介)(第二九三二号) 二八六 同(林唯義紹介)(第二九三三号) 二八七 同(平塚常次郎君紹介)(第二九三四    号) 二八八 同外一件(山崎巖君紹介)(第二九三五    号) 二八九 同(八木一郎紹介)(第二九三六号) 二九〇 同(町村金五君紹介)(第三〇二六号) 二九一 同(内田常雄紹介)(第三〇六六号) 二九二 同(原捨思君紹介)(第三〇六七号) 二九三 同(町村金五君紹介)(第三〇六八号) 二九四 農地改革による旧地主に対する補償反対    に関する請願猪俣浩三紹介)(第二九    三七号) 二九五 同外一件(石田宥全君紹介)(第三〇〇    六号) 二九六 同外二十件(三宅正一君紹介)(第三〇    〇七号) 二九七 蚕糸業危機突破対策強化に関する請願    (石坂繁君紹介)(第二九三八号) 二九八 同(田中彰治紹介)(第二九三九号) 二九九 日ソ漁業交渉早期妥結に関する請願(    田中彰治紹介)(第二九四〇号) 三〇〇 狩猟法の一部を改正する法律案成立促進    に関する請願小枝一雄紹介)(第三一    三五号) 三〇一 地方卸売市場法制定に関する請願(保利    茂君紹介)(第三一三八号) 三〇二 地方卸売市場法制定に関する請願(中山    榮一君紹介)(第三二九五号) 三〇三 同(淵上房太郎紹介)(第三二九六    号) 三〇四 同(宮澤胤勇紹介)(第三二九七号) 三〇五 同(鈴木善幸紹介)(第三三九一号) 三〇五 有明海干拓に伴う漁業者補償等に関す    る請願井手以誠君紹介)(第三三八八    号) 三〇七 米概算金区分精算に関する請願(伊藤    岩男君紹介)(第三三八九号) 三〇八 宮之浦漁港防波堤築造に関する請願(伊    東岩男紹介)(第三三九〇号)      ――――◇―――――
  2. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 これより会議を開きます。  ます請願の審査に入ります。今国会において、これまでに本委員会に付託になりました請願は三百八件であります。これより請願日程中第一より第三〇八を一括して議題といたします。まず審査の方法についてお諮りいたします。各請願の内容は請願文書表によって御存じの通りであり、また昨日の理事会において御検討願ったところでありますので、この際各請願について紹介議員よりの説明聴取等のことは省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  請願日程中、第二八より第三二、第九一より第九九、第一〇一、第一一〇より第一一五、第一一七より第一一九、第一二七より第一三九、第一五〇より第一五二、第一五五より第一六一、第一七一より第一七四、第一七七より第一八一、第一八四、第一八五、第一八七より第一八九、第一九一より第一九三、第一九五、第一九六、第一九九、第二〇七、第二〇九、第二一一、第二一二、第二二二、第二二三、第二二六、第二三三より第二四二、第二四四、第二四五、第二五五より第二五七、第二六〇より第二七五、第二七九、第二八一より第二九八、第三〇一より第三〇八、以上の各請願はその趣旨妥当と認め、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、第一より第二六、第三三より第九〇、第一〇二より第一〇九、第一一六、第一二〇より第一二六、第一四〇より第一四九、第一五三、第一五四、第一六二より第一七〇、第一七六、第一八三、第一八三、第一八六、第一九〇、第一九四、第一九七、第一九八、第二〇〇より第二〇六、第二〇八、第二一三より第二二一、第二二四、第二二五、第二二七より第二三二、第二四三、第二四六より第二五四、第二五八、第二五九、第二七六より第二七八、第二九九及び第三〇〇の各請願はいずれも議院の議決を要しないものと決したいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、ただいま決定いたしました各請願に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、その他の請願につきましては、その趣旨についてなお検討を要すべき点がありますので、いずれも採否を留保いたしたいと存じます。  なお、すでに御承知の通り、これまでに本委員会に参考のため送付された陳情書は、日本中央競馬会所有地返還に関する陳情書外百七件であります。右念のため御報告いたします。  暫時休憩をいたします。     午前十一時十五分休憩      ――――◇―――――     午前十一時五十七分開議
  6. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  石井農林大臣代理に出席を求めたのでございまするけれども、本日午後に赤城政府代表がお帰りになるということで、そのお出迎えをしなければならないということになりまして、本委員会には出席ができないことに相なったんでございます。従って明日赤城農林大臣の出席を求めて北洋漁業の問題について質疑をいたしたいと思います。従ってその手続等は委員長において責任を持って手続を進めます。     ―――――――――――――
  7. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 養鶏振興法を議題といたし、審査を進めます。  質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。赤路友藏君。
  8. 赤路友藏

    赤路委員 本法案について二、三御質問申し上げたいと思います。  本法の目的とするところは、鶏の品種改良をやり、生産を高めて農家経営安定の一助たらしめようとする趣旨だと解釈をいたしております。ただ本法案を見て参りますと、非常に簡単なんです。そこでまず第一点としましては、将来は知らず当面は、養鶏農家、すなわち百羽とか百五十羽とかというような飼育をしておる農家が主として対象になる、こういうふうに考えますが、その点はどういうふうにお考えになっておるか。
  9. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 お答えを申し上げたいと思います。この振興の対策は、必ずしもその規模の大きい養鶏農家ばかりでなく、小規模な養鶏農家にとりましても、お話のありました資質の改善、産卵能力を増強するとによりまして、おのずから収入を増す道を講じたいと考える次第でございます。
  10. 赤路友藏

    赤路委員 もちろんそれが本旨であろうと思いますが、そういたしますと、一般の養鶏農家といわれる大きな農家でなしに、零細な農家への普及をどんな方法でおやりになる考えでおられるか、この点お尋ねいたします。
  11. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 養鶏に対しての専門的な研究や、ある一部の技術の面から申しますると、世界の水準に決して劣っておるものではないようでございまするが、残念ながらそれがまだ普及されておりませんために、ある者は一羽から三百個の卵を生産せしめ、あるいはまだ百個ぐらいしか産まない。そうしますと、同じ労力と同じ飼料で、すなわち同じだけの生産費を使いながら、生産所得が非常に違う。これらの点は技術知識の普及に大いに努めたいという考えでございます。さよう御了承を願います。
  12. 赤路友藏

    赤路委員 実際上の問題として、現在この鶏の雑種が多いために非常なむだな経費を使っておると一面言えると思う。事実末端の農家へ入って参りますと、なかなかひなを購入してやるというような現金支出と申しますか、こういうことをいやがる傾向がなお相当あると思う。末端の小さい農家の諸君の養鶏というものは、雑種であろうと何であろうと、ほとんど自分のところで卵を抱かして、それでやっていくというのが今の大半のケースだと思うそういうような零細な農家に、それはむだなんだ、同じ飼料を使って、そうしてこれだけの収獲が上るんじゃないかということを啓蒙し、普及徹底させなければならぬ。この方法をどういうふうにして具体的におやりになろうと考えておるのか、この点をお尋ねいたします。
  13. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 ただいまのお話は、全く実情に即したお言葉でございまして、そのためにはこの法案の成立に御協力をちょうだいして、ここに掲げておりまする養鶏の技術、知識の普及、これがために講習、講話その他指導員の充実をはかるあるいはパンフレットの配布、いろいろの手を使いまして、いたしたいと思うのでございまして、養鶏はこれを集計いたしますれば非常に大きな産業であるにもかかわりませず、お話のように零細養鶏農家におきましては放し飼いで、そこらにこぼれておるものを拾ってやるくらいでおるものですから、あまり採算の面に重きを置いておりませんようです。しかしながら最近農家経済も一時農地法の利益を受けたようなものの、また何となく収入が容易でなくなって参りました。皆様のお力によって、おかげさまで酪農等である方面の収入をまたはかるということもできますが、これらに手の及ばない零細な人々にはいまだ自覚せられざる今御指摘のような点に一つ自覚を促し、啓蒙宣伝をいたして、そうして目的を産するように取り計らいたいと思う次第でございます。
  14. 赤路友藏

    赤路委員 ただいま私が申し上げました一般農家、現在ある養鶏農家といわれる方々以外の零細な農家への普及ということが考えられない限り、この法案の意味はないと思うのです。それを広く普及せしめていく、そうして品種改良をはかっていく、こういうことが最も望ましい姿だと思うわけです。それがための普及宣伝ということは簡単なものではないので、この点が十分でありませんと単に現在ある中農以上の養鶴農家のための法律にしかすぎないということになろうかと思います。そこで養鶏技術員であるとか、そういうような人たちの手で十分な徹底した宣伝、啓蒙を行わなければこれは意味がない。およそ当初法律でねらっておる全般の農家、持に零細な農家の経営安定の一助にしようとするその本旨がそこなわれていく懸念がある。この点十分一つ御留意を願いたい。そのためには相当な予算措置も必要だと思います。これがなされない限り私は率直に申し上げて意味がない、こういうふうに思いますので、この点は御希望を申し上げておきます。  次に養鶏の経営に助成措置を講ずるということになっておる。これは具体的にどういうことをお考えになっておるのか、この点をお聞きしたい。
  15. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 ただいま御希望として力強い、中小農家に対しこの考慮を十分に用いるように、全くこれは説明を申し上げましたうちにも、農家七割を云々と申し上げておきながら、その七割の農家に及ばないようでは看板に偽わりありということになります。それにいたしましても予算がないことにはどうにも動きません。従ってただいまのようなお言葉は、この法案が通過した上には運営上非常な力強い御注意であろうと思うので、私どももそういう御注意と御関心をちょうだいすることが、この法案を生かすゆえんであろうと思って大へんに喜んで伺った次第であります。  その助成の道は、これは放し飼いもございますけれども、漸次バタリーのようなものも、たとい規模が小さくとも、三十羽、二十羽を飼育する場合にも、そういうような設備をさせることもよろしいでございましょうし、それからさらに飼料の問題がむしろ大きな問題であろうと思うのでありますが、これはとてもこの法律だけで解決できませんので、まず小さき養鶴家が寄ってだんだん力を得て、その方面にまで及ばなければいかぬと思いますが、とりあえずはイモづるでありますとか、バレイショ、カンショのごときもの、その他牧草等こういった利用の点、こういった方面の施設に対しまして助成の道を講じたい。たとえばサイロのごとき、その一つであろうと思うのであります。
  16. 赤路友藏

    赤路委員 今の御答弁によりますと、飼料の問題等についても十分な考慮を払い、これをできる限り助成措置等もとれるものはとって、そうして養鶏の生産コストを下げていく方法を講じたいというお話だと思います。まことにけっこうだと思うが、単にそれだけでは私はなかなか普及は困難だと思います。まず当初三十羽であろうと二十羽であろうと、このひなを農家に飼育せしめるために渡すときに何らかの措置を考えてやらない限りは、言うことは簡単であるが、実際上伸びはそう大きくは出てこないのじゃないか、こういうふうに心配するわけです。だからそういう点についてお考えがあるのだろうか、何か具体的にお考えがあればお聞き申し上げておきたい。
  17. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 私どもこの提案をいたしました同士の間にもそんなような意見がございまして、具体的に申せば、この養鶏専門の農家と申しましても、大飼育をしている人は別として、零細農家に対しては、むしろ渡す場合に、そのひなについて幾らか助成をするような方法もよくはないかというような意見があったのですが、ことごとく予算と関係いたすものですから、今後それらにつきましては、いろいろな点があろうと思うので、いずれ実施に当っては審議会というようなものもできましょうし、審議会に出席する人はよし数は少くとも、その背後の養鶏業者のいろいろな声を織りまぜて御期待に沿うようにいたしたいものだと考えております。  それから一般農家にとって大かたの人が、自分で抱かせてやるのもありますけれども、近ごろの農家では、孵化業者から大多数持ってくるようになりました。その孵化業者が供給するひなが、ひなを見ただけで卵を生むか生まないか、ちょうど蚕の種を見ただけではわからないと同じです。従ってひなの生産者に責任を持たす。ひなの生産者が鶏の品種改善に協力をする。それがためにはこちらの方にあります登録制度をしきまして、一般的には病毒のない、伝染、遺伝その他繁殖機能に支障を生じておらないかどうかという検査を経て、それによって生まれた卵でなければ孵化をしてはならないというので、資質の上に一つのワクをきめておりますが、さらに設備その他一定の基準を作りまして、その水準以上のものは登録合格ということで、養鶏農家が安心をして優良なひなを持っていけるような措置を講じたいと考えております。
  18. 赤路友藏

    赤路委員 提案者の説明は、まことに詳細にわたって説明されるのですが、できるだけ時間をかけないようにするために、私が質問申し上げた要旨についてのみ一つ御説明願いたいと思います。  次に、品種が改良されますと、当然生産量が増加して参ります。この共産の高まりということと、それから需要の伸びについてどういうような見通しをお立てになっておるのか、供給過剰のために卵価が暴落するというようなことは予想されないのかどうか、この点を御答弁願いたい。
  19. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 この点は手放しで安心はできないと思います。幸いにこの法律が通りますれば、大体孵化業者を通じてひなが配分されますから、皆さんの常に御注意になっておる計画生産に入ることができようと思います。今年あまりに極端にひなが多くなるということは、やがて鶏、卵の数が多くなり、勢い下落するおそれもあるので、これを一つ調整しながらいく、それをどうして調整していくか、一方には需要の増進をどんどん宣伝する余地はないか、これは大ざっぱな話でありますが、ヨーロッパあたりのどんな貧弱国と比べても、日本の一人当りの鶏の飼育というものは非常に少いようでありますから、これを今増すように需要の増進を一方ではかる。同時に、さればといって極端にいけばどうしても下落いたしますから、生産の方、鶏の羽数の実態を握りながら参りまして、千四百の孵化業者にこれを徹底せしめたならば、あまり過不足のない、あったとしてもその間を調整することができはしないか。  いま一つは、極端に下る場合に、他の需要としては、マヨネーズの方にその道をどんどん開いていく、現にマヨネーズに使われる卵が年間十万箱から十五万箱くらいに伸びるような傾向であります。それでもなおいけないときには、貯蔵保管の道を考える。これはおよそ半年くらいはよいようでありますから、その保管貯蔵に対する費用の助成をいたすというふうにしたらいかがなものであろうかと思っております。
  20. 赤路友藏

    赤路委員 次にお尋ねしたいことは、要綱の第五に、鶏卵の需給の調整に必要な事業と書いてありますが、鶏卵の需給の調整に必要な事業とは具体的にどういうことをさしておるのか、これをお聞きいたします。
  21. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 これは冷蔵保管を主としてやって参りたい。
  22. 赤路友藏

    赤路委員 今度はしごく簡単な答弁でしたが、鶏卵の需給の調整に必要な事業というものは、冷蔵保管だけですか。それだけでは第五項に示されておるこの価格の安定をはかり需給の調整をするということは不可能だと思います。
  23. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 これもやはり予算に関係を持ちますものですが、それでもなおかつ卵価が非常に安く、維持できないというようなときには、あるいは学童給食の道もありましょうし、いろいろ考えて、要するに食生活の改善の方にこれを役立たせるように持っていきたい、それがためには若干の予算的措置をもってこれを助成するようにいたしたいというのがねらいでございます。
  24. 赤路友藏

    赤路委員 提案者に申し上げますが、この法律案の中で一番重要な問題は、要綱第五に示されておる鶏卵の需給調整の仕事だと思うのです。この線がぼやけますと、これは意味のないものになると思う。これが一番肝心かなめの中心の柱である。その柱が、この法律では、率直に申しますとぼやけておる。だからこの法案全体を見ますと、前段の線はまことにけっこうです。ただいままでいろいろ御説明願ったようにけっこうなことではありますが、この肝心なところで法案全体の中心が失われておるという感じがするわけなんです。ただばく然と鶏卵の需給調整という一片の言集で出されておるだけなんです。その点どうも私どもは腹へ入りかねる面があるわけなんです。肝心のところをぼやかしたのでは、法律を作ってみても意味がないのではないか。この点提案者はどういうふうにお考えになりますか。
  25. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 これは非常に大事な問題でございますが、やはり大きな柱としては卵価維持と需給調整のために新用途の開拓もいろいろありましょうが、当面の問題としてはやはり冷蔵保管というものが大きな柱になろうと思うのです。現在でも需要がだんだんふえておるにもかかわらず冷蔵保管は民間においても十万箱以上になっておるようでございます。それを乗り越え、まだ卵価が安いというようなときにはどうしても冷蔵でいくべきである。しかしながら、ほかの大家畜と違って調整が早くできますから、それでもまだというときには生産調整は初生びなの方で――卵価が安くてとうてい養鶏家の採算に合わない、また農家の小銭をかせぐにも親切な道でない、むしろこれはあまり安いようであるから、というのはつまり孵化業者の実態を握っておりますので、全体に早くこれを周知せしめて、過下足おのずから需給の調整をはかるようにこれを徹底せしめたいと考えておる次第でございます。
  26. 赤路友藏

    赤路委員 この問題は非常に重要な問題であります。法律が通過いたしますと、この法律を実施する責任は農林省にある。いずれあとで農林省の方の御見解を承わることにいたします。  次にお尋ねいたしたいことは、法案の十六条一項、「養鶏経営又は鶏卵肉の処理の改善」に関する補助、十七条、「指導又は普及の事業の実施」に関する補助、十八条は安定をはかるための需給調整事業への補助、二十三条が審議会の経費、そうして平年度一億六千万の予算、こういうことになっておるのですが、初年度の三十三年度はどうするのか、この点が一点。それからもう一つは、平年度一億六千万とあるが、これの今申し上げました十六条、十七条、十八条、二十三条に対する区分をどういうふうにされておるか、その点をお聞きします。
  27. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 お説の通り助成にはおのずから経費を要するもので、その総額一億六千万と計算いたしたのでありますが、残念ながら当年度の予算にこれを盛ることができておりません。そこで、それではどういう働きをするのかというと、これを行うのに若干節約して流用のできるものがあるであろうと思います。はっきり必要なものは審議会の費用でございます。審議会の費用はできれば何とか政府の間で都合してもらいたいと願っておるのでございますが、万一流用あるいは節約によってその費用を生むことができない場合にはと思って、四月一日までの間に政令で定むるといたしておりますから、その間に節約ができれば年度内に審議会を作り、その道を開くことができない場合には、この際通過をさしていただくことによって、四月一日から施行すると書いてありますから、その間に次年度の予算の通過を見越していたしておるわけでございます。  それから区分につきましては、大体一億六千九百万のうち、養鶏技術振興費といたしまして、養鶏指導員補助、講習、講話会費等がそのおもなるものでございます。それから飼料の効率化、先ほど申し上げましたように、経営の合理化という上から機械のようなものも必要であろうと思います。飼料貯蔵、機械器具その他で二百八十一万三千、それから養鶏経営改善費といたしましては、初生びなの購入補助、先ほどお話のありました零細農家の方に対して、バタリーの設備補助、サイロ、育雛舎の設置補助、こういうものを七千二百五十万円計上しておきました。それから優良鶏種普及促進の費用として孵卵場の登録費、これが百五十万円でございます。それから生産価格安定並びに消費流通改善費として計上いたしましたものが五千八百三十一万七千円、養鶏審議会の費用として五十万円を計上いたした次第であります。
  28. 赤路友藏

    赤路委員 今の御説明からいきますと、十六条の二項の後段にあります「その他必要な助成措置」ということは、補助金をも含んでの意味を持つものかどうか、この点……。
  29. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 これは状況によって資金のあっせんなどをいたしましても、あっせんをいたした資金が計画通り返還されないような場合もあって、従って据え置きあるいは延期の利子補給等もその中に入れて、そういうような種類のものをそこへ織り込みたいと思っておる次第です。
  30. 赤路友藏

    赤路委員 最初からそういうような損失補償的な意味を持つほど不安じゃ困ると思う。もちろん非常に大きな仕事をしようとするのですから、この法律の本旨を実施していく過程においては、あるいはそうしたものも出てくるかもしれぬと思いますが、しかしそういうことは望ましい姿ではないのでありまして、どうも先ほどの区分説明によりますと、そうした面があるように見受けられます。これはやはり補助をするなれば、補助をするという明確な他の十六条の一項なり十七条なりと同様にされることが必要ではないか。ただこういうふうに「その他必要な助成措置を講ずる」というところへ逃げ込んで、実質的には補助金を出さぬというようなことになると、これはどうも法文の体裁だけを作って、実質的にはそうでないのだというようなことにも一なろうかと思う。この点十分御注意を願いたい。  それから先ほどの御答弁にありますように、四月一日までの間に政令で云云ということ、そうすると最悪の場合は、来年三十四年の四月一日までは法律はできても何もしないんだということになる。それじゃ法律を作った意味というものはないわけなんです。もう  一点は、提案者の方でおっしゃいますように、本年度にはこれの予算措置がないわけですね。予算措置がされていないということを十分御承知の上で、従って1にあるように、施行期日が来年からだ、こういうことになっておると思う。もしそうだといたしますと、先ほど来から私が御指摘申し上げますように、この法律は必ずしも完全なものではない、率直に言いますと、不完全な点がなお多々残されておる。せっかくこれだけ農家のための法律を作ろうとすることであるなれば、もっと完備した、もっとりっぱなものとして出すことこそが私は必要じゃないかと思う。ただ拙速主義と申しますか、急いで作り上げて、しかもそれが実施されない法律案であるということになれば、決してこれは好ましいものでもない、こう私は考える。その点について提案者はどうお考えになりますか。
  31. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 ことごとくごもっともでございまして、いやしくも法律が出た以上は、すぐそこに裏づけとなる予算があって、活発に働けることこそ願わしいと思うのでございます。しかしながらまた一面考えてみると、養鶏事業というものは昨年やことし生まれたものではない、長い歴史を持っている。しかもその必要を認めたものが必ずしもこの提案者ばかりではない、今まで多くの人が零細ではあるけれども、一千億になんなんとする大きな事業であるということは、養鶏に少しく研究を進めればはっきりいたしておるのでございます。にもかかわらずこの種の、今お話のような完全なものができてこないというのはどういうことであるかというと、これは残念ながらあまりその仕事が小さいものだから、集計すれば大きいがその声が小さい。どうも声の少さいものはいつもうだつが上らない。去年あたりからわれわれが何とかしようと思ったけれども、なかなか政府も熱意を傾けなかった。そのときは無理もない、酪農で精一ぱいであったということがあったかもしれません。せめてここで頭を一つもち上げさせたいものだということで、お説の通り必ずしも完全無欠なものではない、まだ大いに補正、強化をさせていただかなければなりませんが、まず一応頭を持ち上げる、そして政府に先んじて国会において養鶏に熱意を傾けて下すったということになると、一般農民のこれに対する関心というものが非常に違ったものになるのではないか、こういうことだけでも大きな私は効果であろう、こう考えるのであります。その上にただいまお話のような力強い御希望を加えた御意見が、これが通ったときに今度その後生きて参りますから、これもまた生かしていただいて、今度の国会でも何とか一つ予備金利用でも、いろいろまた道もあろうと存じますので、御協力によりまして、その目的を達するように御鞭撻をちょうだいいたしたいと思う次第であります。
  32. 赤路友藏

    赤路委員 ただいまの御説明を聞きますと、一応もっとものように受け取れます。法律としては本年度は実施できたいのだ、しかしこれは長年の懸案のものであって、この法律が通ることによって、品種改良への農民の意欲がかきたてられるのだ、そういう意味1だ、こういうふうにお聞きするわけなんです。確かにその点もあろうかと思います。しかし常識的に考えてみまして、その法律は通したが、本年度は何もできない法律であるというのでは、これはいかにも選挙を控えて選挙運動のにおいが濃厚に出るということは、これはだれしもが考えることなんです。そこに私は非常な一つ欠陥があると思う。今提案者の説明のように、非常にけっこうなことではある、けっこうなことではあるが実施できない法律であるというところに、この欠陥が大きく現われてくる。しかもこれは提案者は与党の方でございますので申し上げますが、与党の方では政府と話し合って、予算の伴う議員立法は予算通過後はこれをなさない、こういうふうに打ち合せが済んでおると私は聞いておる。この法律だけが特別の取扱いがなぜされたか。実は先般当委員会でも問題になりましたが、水産事業振興法案は予算通過後の議員立法であるとして、これの提案は取りやめになっております。そうすると、一つの方は特別に扱い、一つの方はこれを無視するというこの取扱いはあまりにも片手落ちな取扱いではないか。水産事業振興法が単なる選挙運動を目ざしたはったりのものであったとすれば、これは別であります。でないといたしますれば、どうもこの取扱いには、与党としての立場がわれわれが了解に苦しむ点があるのですが、何かこの点について御答弁ができますようならば一つ御説明を願いたい。
  33. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 今の水産の問題については当路の一人でありますが、十分の事情を心得ておりませんので申し上げかねますが、この法律は先ほどの御意見のように、通った以上は予算がついて十分働かなければいかぬ、また働かしたいものだという御希望が加わっておるようで非常にありがたいことだと思います。これはぜひそう願いたい。しかしながらそれじゃこれはどうしても働かないのか、そうじゃないのです。非常に働くのです。その働くのは、ここに書いてあります通り、現在は各県において種鶏検査というものをしておる県もありますし、しておらない県もある。しておる県はすでにその潤いを農民が受けておりますが、しておらない県はそれを受けていない。それを今度はむしろ妥当な線に種鶏検査の規定をきめて、府県で行わしめるけれども国家統一でいこう。そしてどこの農民もよりよくひなの供給を受けて安心していけるようにしていきたいものだ。これはこの法律が通りますれば、この八月一日から施行になるので、これから準備をいたして全県に普及するようにいたしたい。これが本法律によって直ちに実行にも入らなければならぬ問題であろうと思います。  それから孵化場の点で、登録の方は取締りを主としておりません。助長政策でいきますから、任意登録になっておりますが、届出の方は強制いたします。なぜ強制するかというと、先ほどもいろいろお話がありましたように、需給調整の基礎をなすものは、やはり生産をよく見合って、一方の需要の関係を誤まらないように見通しをつけなければいかぬ。それがために、孵化場は一月一日から届出をする。それはなぜかというと、三十四年、合計年度からいえば当年度、三十三年度でありますが、その初生びなを、発足前に孵化場であらかじめ予想する生産高を届けるとかいろいろの育成をいたしまして、これによってこの法律が通過いたしますれば、直ちに計画生産の基礎を築き上げることができよう、こんなふうに考えております。  それから、そんなことを言っていいかどうかわかりませんが、できれば私は臨時議会がやがてありましょうし、特別国会でも何でも一つお力をちょうだいして、予算もとれるようにいたしたいと思いますが、もしとれない場合でも四月一日となっておりますから、もう四月には予算をもらってすぐ審議会ができる。しかし審議会ができる前には、民間にそれぞれの農業協同組合あるいは養鶏関係の組合がいろいろありますから、そういう方面の有志の方のお集まりをちょうだいして、そしてこの審議会にかけるようなことを民間の有志にも訴えて、この法律の万全な運営の上に準備をするということもできやしないか、こんなふうに考えておる次第であります。
  34. 赤路友藏

    赤路委員 大体法案についての提案者の御意見はほぼわかりました。  そこで農林省の方へお尋ねいたしますが、この法律ができて施行することに対して、農林省は責任が持てますか。
  35. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 予算をぜひとも伴いますものにつきまして、しかも三十三年度予算に予定をいたしておりませんものにつきましては、これは今後の財政的予算的措置を必要としなければやっていくことはできないかと思います。ただ先ほどお話になっておりますような種鶏検査あるいは届出あるいは登録の下準備等の、この法律の規定しておりまするものにつきましては、施行することができる、かように考えております。
  36. 赤路友藏

    赤路委員 先ほど提案者の方から説明がありましたように、種鶏の検査は都道府県がやる。これを都道府県がやる場合に、ただ農林省が一本の指令を出してそれでいけるのですか。それに経費が伴いませんか。その点どういうふうに処置されるおつもりであるか。
  37. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 本法が成立いたしますと、この法律によりまして種鶏検査その他に関しまする政令を公布してやっていくことになると思いますので、当然それはやれます。ただ、もしも御指摘のところがその経費等の問題でありますれば、これは検査をいたしまする手数料というものを、各県におきまする手数料条例等の制定によりまして検査料を徴収する、こういうことに相なろうと考えます。
  38. 赤路友藏

    赤路委員 そうしますと、今の局長の答弁からいきますと、種鶏を検査するときに手数料を取る、その手数料で検査員等の配置の経費はまかなっていける、こういう意味ですか。
  39. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 少し御説明が不十分で恐縮いたしますが、実は現在ほとんど大多数の県におきまして、伝染病その他のための検査――これは主として伝染病でありますが、そういう検査は県の条例その他で施行いたしております。これはただそういうもののやり方がいろいろと各県によりまして違っておるような状況はございます。そこで現在におきましても、それぞれの県の費用をそれに出して施行いたしております。あるいは検査をいたしまする手数料を取っておるものがございます。大体各県平均いたしますと、一羽につきまして二円ないし三円、高いところで五円ぐらいが最高でございますが、そういうので現実にやっておるような状況であります。もちろんこれをもっと強化いたしましてやって参ります場合に、国の経費その他をこれに流せばより万全だろうと思います。けれども当年度、三十三年度初めからやります場合に、よしんば国の経費を特別に予算補助等の形でやるにいたしましても、現在やっております県のそのワク内のところで考えていきますると、まずやっていくのに支障はないのじゃないか、かように考えております。
  40. 赤路友藏

    赤路委員 少しさかのぼりますが、一番私の方で問題にいたしておりまする要綱第五の鶏卵の需給の調整に必要な事業でありますが、この点非常に法律内容そのものは、ばく然とした表現でなされておる。このばく然とした表現でなされておるものを、実施官庁である農林省がこれを実施しようとするに当っては、非常に解釈の仕方等々によって伸縮は自由にされ得ると思うそこで農林省当局としてこの点について具体的にどうしたことをお考えになっておるか。少くとも実施官庁としては、法律に示された線は当然やる責任があるのですから、従って現在ほぼこれに対する大体の見通しなりあるいは具体的な推進の方法なりというものをお考えになっておると思う。この点について御答弁を願いたい。
  41. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 今御指摘の点は、やって参ります行政といたしまして、非常にむずかしい点だと思います。十八条にうたっておりますように「鶏卵の価格の安定を図るためにその需給を調整することが必要であると認めるときは、」云々、こういうことになっておりますので、通常の場合におきまする鶏の生理からくる、つまり春のいわゆる草卵が非常によけい生まれる、それが秋口から高くなってまた安くなっていく、こういう状況の通常の形におきまする卵価の高低、これは私は十八条に指定しておりますようなものではなかろうと考えております。従いまして異常な卵価の高低が行われ、またその需給を調整する必要がある、こういう場合であろうかと思うのでありまするが、そういう場合におきまする調整のやり方は、実施いたしました場合、私は非常に困難なものだと思います。先ほど御指摘がありましたような冷蔵保管の施設、またそういうやり力に対しましての補助の方法も、これは当然考えられる問題だと思います。あるいは、そういうために必要な施設に補助をするということも考えられるかと思います。またこの十八条の条文で直接読めるかどうか、これから私たち検討いたさねばなりませんけれども、御存じのように、一年間に大ざっぱに考えますと、鶏の更新というものは、約六割程度鶏がかわっております。春びなと秋びなというものの孵化の数というものが、今まではどちらかといいますと、鶏卵の相場におくれまして、秋に高い値があると春びなの生産がふえるという形において、少しずつ時期がずれて生産が行われている。しかもそれは、いわば全体を見通した形においての生産が行われていない、こういう格好であったわけでありますが、この法案の初めの方の状況からいきますと、孵化いたしまする数等が、それぞれ統一した形で割合に迅速にわかって参ることが可能であります。従ってそのような卵になる以前の形、孵化いたしまするひなの数というようなものが、計画的な形で行われ得る形がここに整うのじゃないか、そういうような意味での需給調整ということも、これは私は考えられてしかるべきではないか、かように考えておる次第でございます。  そのほかに、この需給調整をいたしましても、どうしても異常な状態が起きました場合には、あるいはミルクの場合におきまするような学校給食の方法あるいは買い上げまして、粉卵なり液卵なりという形における海外の輸出の面に対する何らかの方法というようなものも、考えられる問題としては考慮に上ると思います。ただこれは現実の需給の状況というものを考えまして、考慮すべき点ではないかと思います。できました卵という形でつかまえるか、卵以前の形でつかまえるか、あるいは消費の増大という形でこれをつかまえるか、十八条の問題につきましては、私たちもこの法案が通りましたならば、政府の方の責任にもなるわけであります。十分に種々な点を検討いたさねばならぬと思います。
  42. 赤路友藏

    赤路委員 需給の関係というものが計画化されてくると、これはもちろん問題ないと思う。で、それに至るまでは並み大ていじゃなかろうということは、これは考えられる。およそ何年といって見通しすらも立ら得ないというのが、これがほんとうのところだと思うわけであります。一面どんどん改良された面で日生産は高まってくる。しかし従来の雑種はそのことによってここ五年や六年で全部なくなるわけのものでもない。これはこれなりで出ていくということで、需要を上回るというような場合、保管措置ということもありましたが、卵を冷蔵いたしましても、これは澱粉のように何年。置いておくものじゃない、また置いておけるものでもない。特に生鮮であることが望ましいのですから、本来言うならば、冷蔵しない力が望ましいのです。そのまま消化されることが……。だからそうなって参りますと、これは非常に問題が出てくると思うわけなんです。この点に対する明確な一つ線が出ませんと、先ほども申しますように、この法律の一つの本質的な面がくずれ去るおそれがある、こう考えられる。今の局長の答弁から参りますと、これに対しては、なお自信が持てない、これから十分研究して対処していきたい、こういうお答えだと思う。ただ望みたいことは、せっかく作った法律が、たな上げにされたような形で何の役にも立たなかったということであるならば、これは意味ないのです。そのことのための、これはよほど態度を明確にして、そうしてこれと取っ組んでいかないと、この法律を作っても、ただ単に議員さん方がやかましく言うから仕方がないのだという考え方ならば、この法律は私はむだなものになると思う。そういうことなら、もうここで論議してやあやあ言って作る必要はない、こう思う。だから作る限りにおいては、責任官庁である農林省は、責任を感じてこれを完全に遂行していくということでなければ、私はならぬと思う。たとえば平年度一億六千万というこれにしても、取れるかどうかということは自信はないでしょう。現在のように年々年々総予算からパーセンテージが減ってくる農林予算からいって、取れる自信がありますか。よしんば百パーセント、一億六千万円が取れなかったとしても、これは何歩かは前進することですから、悪いことじゃありません。けっこうではありますが、私の言いたいことは、法律を通す限りにおいては、責任を持った形でこれの遂行に当ってもらわなければならぬ。いいかげんな考え方ではいけない。だから私はその最後の点は、責任のある次官なり大臣なりに聞きたいと思う。それでなければこんな法律を通す必要はありません。もう答弁を求めません。私はこれで質問を打ち切ります。
  43. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 十八条に関しまする問題として御質問がございましたので、十八条の問題に局限してお答えを申し上げたのでございますが、私の考えておりますことは、本法案全体の問題として考えてみますと、優秀な保証された種鶏または保証されたひなが各農家に入っていく。そこで生産面におきまする合理化が行われていく、これがやはりこの法案全体を通じまする一番大切なところであろうかと思います。御指摘のように、鶏卵につきましても、やはり生鮮食料品でございますので、こがれ価格調整をせざるを得ない、また非常に需給調整を必要とするというような形におきまして解決されるということは、これは望ましい形のものではない。消費のないところに生産はないのでありますから、そういう形におきまして生産面の合理化と消費におきまする需要の増大というものをはかる。またかたがた保存性の強い製品を伸ばしていく、こういう形におきまして逐次鶏の増産あるいは卵の増産をはかっていきたいと思っております。現在の日本の国民食料におきまする卵の消費量というものは、国民の所得がふえて参りますればもっと伸びていくべきものであると思いますので、これは生産面における合理化、消費の拡大の方策、あるいはその中におきまする国民所得の増大、中には鶏卵の価格を安くして消費を増大するところもあると思いますが、そういう形におきまして逐次これを増大していく、かように考えるのが本筋であろうと思います。十八条の正面の適用を受けて非常に価格が暴落あるいは高くなるというような形においてこれを冷蔵保管するというようなこと、それによって調整をはかるということは、生鮮食料品の建前から申しますと、これは本筋のものでない、かように私は考えます。従いまして先ほど十八条が通った場合にどうするかという御質問に対しましては、これは方法はあるであろう、しかし慎重にその事態と方法は検討する余裕を与えていただきたい、かように申し上げた次第であります。
  44. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 先ほど来私どもの願っておるようなことを当局に御質問をちょうだいいたしまして、提案者の一人としてまことに心強く感ずるわけでございます。この法案はかりに予算はなくとも、全般において相当の効果があろうと思います。通していただいた上におきましては、卵価の安定、進んでは――この間肉までやらなければならぬという御意見も社会党の方からございました。ぜひ通させていただいて、当路の役人を御鞭撻願うほかに、なお議員としての立場から、全くお話の通り、だんだん予算が減るようですから、ことに零細農家に対してはこんなものでもうんと予算を取って、大いにあかりをつけてやりたい、こう考えるので、お力添えを願いたいと思ます。
  45. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 芳賀貢君。
  46. 芳賀貢

    芳賀委員 二、三お尋ねしますが、第一点は提案者にお尋ねします。先ほど赤路委員の質問にもありましたが、本法提案の経緯、特にこの法案の提案者は、政府与党である自民党の参議院議員諸君がすべて提案者になっている。もちろん私どもは、国会議員の立場においても、また国会の立場においても立法府でありますから、法案の発議権とか提案権とかいうものをみずから圧縮しようとは考えてはおりませんが、通念的に言うと、政府与党の議員諸君のみが提案者となって法案を出される場合においては、これは建前からいえば、内閣提出の形をとるのが当然でないかと私たちは考えるわけであります。もちろん与党野党の共同提案の法案もありますし、あるいは全く根本的に現在の政府と対立している野党の議員立法等もあるのは当然ですが、ただ政府与党の議員諸君が議員立法を出さなければならぬという理由についてはいささか了承に苦しむわけです。ですから本来からいうと、内閣をしてかかる法案を提案せしめるのが当然だと思うのです。それができなくて議員提案をしなければならなかったその経緯、それを簡単に御説明願いたいと思います。
  47. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 思うに当局としては、あの限られた予算内においてとにもかくにも酪農を奨励しております責任上、その方に重点を置かなければならない。ほんとうをいえば、そればかりではない、この方に大いに力を入れていただきたいと思ったのでございますけれども、どうも予算に制約されてそれができないようである。そこで政府をして行わしめようとすれば来年になってしまう。来年まで待っておっていいか、来年まで待っておったら必ずなるか、これはなるであろうけれども、それよりもわれわれの熱意を盛り上げて、さらに養鶏農家にも一そうあかりをつけながら、そして政府に十二分の予算を取らしめよう、こう考えて一応政府で出すように要望したのですけれども、何やら手続上においても少し間に合わない。今おっしゃる通り、卵価安定の具体的方策については、その予算をどのくらい取って――これはやり方によっては相当金の要ることであろうから、われわれがみずから出すにはいま少し研究の時間をかしてもらいたいということで、研究の時間をかしておればこの議会には間に合わない、そこで一つお力をちょうだいしよう、こう考えた次第でございます。よろしくどうぞ。
  48. 芳賀貢

    芳賀委員 そこで率直にお尋ねしますが、私たちの承知している範囲では、これは参議院においてお出しになったので、今国会においては何とか参議院だけ通ればそれでけっこうである、参議院で一応通りましたという一つの足がかりができれば、これは将来政府としても養鶏振興に相当注意を払うであろうし、また総選挙後の特別国会か、あるいは通常国会等においてこれをもっと充実した法案として成立させるようにすればいい、こういう御意思で今国会に提案されたというふうにわれわれは承知しているわけです。その点はいかがですか。
  49. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 それは何かの誤り伝えられたことでございまして、いやしくも法律を出すからには、ぜひ一つ皆様のお力をちょうだいしたい、しかし先ほど申し上げたような事情で、まず参議院で研究してみようではないか、その研究の途上において、参議院の社会党の方にも三十部ばかりわれわれの研究と同時に御研究願いましたが、最後に、まだいま少しというようなことでこれを印刷するまでに間に合わなかった。いよいよ出したところが、速記録にもありますが、まことにけっこうな話であるから、必ずしも与党だけでなくて、みんなでやることもいいじゃないか、そういうお話でありました。それもけっこうだ、どのようにでもお願いしたいということで委員長におまかせいたしました。理事会なども開かれて、皆さんの御意向で、われわれの方は自分の出したと同じような強い要望をこの中に入れて通すということにしたから、それで通せということで通している。これはどうしても通していただきたいと思うが、最悪の場合でも、参議院で出したのだから参議院だけでも通れば、これはやはり全体養鶏家には非常に希望を持たせる、こう考えた。ところが仕合せに衆議院における同志が非常に熱意を持って、大いにやれということであるものですから、まことにありがたいことであると思うわけであります。この御熱意をもって衆議院を通していただきますならば、日本における四千二百万農家はもちろん、まだ手をつけておらないお百姓まで、養鶏に興味を持つようになるであろうと思うので何分お願いいたします。
  50. 芳賀貢

    芳賀委員 とにかく無事に参議院を通過したのですから、それで小山さんとしても一応の目的は達したと思うのです。もし真剣にこの日本の養鶏――養鶏というのは、これは天照大神の時代からあるのです。ですからほんとうに法律を成立さして、期待に沿ったものにするとすれば、これは先ほど赤路委員がしばしば指摘しておるように、もう少し中身のあるものを作って、そうして当院の方に回してもらわぬと困ると思うのです。ですから参議院だけ通ればいいということでこの法律はお出しになったのですから、こちらへ来るとなかなかこれは満足できがたい内容を持っておるわけですね。こういうところに私は問題があると思うのです。ですからいやしくも議員立法を行う場合は、どうしてもこれを成立させることは国家国民の利益になるのだという信念の上に立ってやっていただかぬと、せっかくねらいとするところの卵価の維持、あるいは需給調整等に対しては、何ら柱となるものがないということでは、法律だけは通っても農民の期待に沿わぬということにこの法律はなってしまうわけです。こういう点を私どもは率直に御指摘したいと思うわけなんです。
  51. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 非常に大事なことでございまして、お話の通り信念を持って、ぜひ国家国民のためにこれを通したいという考えでおります。そうしてそれにはどうしても予算が要る。予算がつかないなら通さない方がいいというようなのんきな考えはできないので、予算を取るのだ、予算を取るためにはまず下地をこしらえて、一歩々々進む。そしてひとり自民党だけでなく、社会党の力をもあわせちょうだいをいたしていきたいと思っております。先ほど来の御質問は、むしろ積極的に大いに振興をはかれというような意味においての御質問で、非常に力強く感ずるのでございますが、これをこのままにとどめておくと、委員会だけではわかりますが、天下国家に広くこれを知らしめるにはどうしても通していただかないとわからないようでございますので、何分どうぞお願いをいたします。そうしてその上足りないところは御注意をちょうだいしまして、もっとより完全なものに仕上げて、これは私一人の問題でございませんので、御協力を願いたいと思います。
  52. 芳賀貢

    芳賀委員 提案者の気持はわかるのです。与党の議員でありながら、自分の政府がこれをやらない。ですから政府に刃向うというわけにはいかぬと思いますが、とにかく政府の足らざるところを指摘してこの法案を出されたその気持は、十分われわれは評価しておるわけなんですが、そういう意味において、二、三点お尋ねをしますが、この要綱によりますと、第一には鶏の改良、増殖の問題、それから孵化業者の事業場についての登録の問題、あるいは養鶏経営の改善、あるいは助成等の問題について、これは非常にけっこうなことであるというふうに考えておるのですが、この程度のことを行うには、これは今の畜産行政の中において行政的な努力によって十分その趣旨が達成できるのではないかと私は考えるのですが、この点は局長にお尋ねします。法律がなければこの程度のことがやれないのか、法律がなくても熱意を持てば行政の範囲内においてこれはやれるのか、その点……。
  53. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 この法案全体におきまして、いろいろと法律がなければやり得ないところと、それからかりに法文がなくても行政指導で、あるところまではやれるところと、これはそれぞれ濃淡があろうかと思います。ただこの鶏の改良増殖あるいは孵化業者の登録等の問題につきまして、これらを統一的にやって参るということ、これはやはり行政指導としてやれる限度と、それからたとえば届出の強制であるとかいうような問題、あるいは種鶏検査の問題であるとか、あるいは登録は自由登録ではございますけれども、やはりその限度におきます一種の強制あるいは罰則のようなもの、これらは何と申しましても法律がなければできにくい問題であろうと思います。そのほかのいわゆる経済措置を必要とするようなものに対しましては、法律がぜひなければならないかどうかということにつきましては、これは問題があろうかと思います。しかしやはり何らかの統一的な国の意思表示というものが――行政指導をやります場合に、法律がありました場合には統一的な形ができる、これはやむを得ぬことかと、かように考えます。
  54. 芳賀貢

    芳賀委員 それでは畜産局としても、かかる法律ができることが望ましいわけですね。期待されているわけですね。
  55. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 私たちの方もこの法文の中の条文によりましていろいろと意見の濃淡があるのは御了解願えることかと思います。しかし全体を通じまして、三十三年度にすぐこういうことをやれといわれましても、ある部分におきましては、予算措置を講じておりませんので、これをお引き受けすることができない点もございます。しかし今後こういう法律がもし通過いたしますれば、予算措置その他につきましても、これは大蔵省当局とよく御相談をして、この法案の命じております趣旨が生きるようにしなければならぬ、かように考えておる次第であります。
  56. 芳賀貢

    芳賀委員 ただ申しておきたいことは、畜産局のなわ張りもだいぶ広いですから、大家畜から中小家畜、家禽に至るまで、あなたのなわ張りでやっているのですが、いろいろあれも必要だ、これも必要だということになっても、中心をどこに置くかということが明確にならぬと、今後畜産行政を強力に推し進める場合においても、鶏がふえたから、これは鶏の羽数からいうと、非常に多いですから、ここに今度は重点を置くなんということになれば、本国会においても問題になったたとえば酪農振興等の問題についても、これはおろそかにできぬ問題でありますし、特に酪農振興法の改正法案さえ出すことができなかったのですから、そういう点も十分考えの中に入れて、法案だけの成立を要求するよりも、むしろ私は畜産行政の範囲内において最大限にやり得る点は、やはり行政の範疇でどんどんやっていった方がいいのじゃないかというふうに考えるのですが、どうですか。
  57. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 従来とも各家畜別におきましても、畜産の行政を行います場合に、それぞれ順序があって、そのときの状況に応じてやるべきものだと思います。養鶏のごときものは、品種改良等の状況におきましては、日本における今までの歴史は、他の家畜の品種改良に比べますと、ずば抜けて成績を上げている方に属しております。それがそれぞれ農家に対します過程におきましては、まだ十分な点がないのでありますが、それぞれの状況に応じまして、重点を持っていくべきものであろうと思います。法律が通りましょうと、通りませんとにかかわらず、行政としましては、従来のごとく私どもとしては考えていかなければならぬと思います。ただ、こういうような法案が通りますれば、そういう国の意思がきまったことになりますので、そういうものをまた頭の中に入れまして、従来以上に重点を置いていく必要が生じてくる、これが国の立法の意思できまりますれば、そういうふうにしたい、かように考えております。
  58. 芳賀貢

    芳賀委員 次に提案者にお尋ねしますが、家畜改良増殖法という法律があるのですが、この法律があることは提案者は御存じですか。
  59. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 存じ上げております。
  60. 芳賀貢

    芳賀委員 この改良増殖法の中にはこの法案の前段に示したような点もうたわれておるわけです。家畜増殖法ですからこれは家畜まで対象にはなっておりませんが、たとえば種ですね。鶏でいえば種鶏ですが、種に対する改良等の問題も改良増殖法では規定しておるわけです。ですから既存の法律を改正充実するようなことによって、この前段の改良増殖等の目的というものはある程度果すことができるんじゃないかというふうにも考えておるのです。特に検査の問題等につきましても、これは国の検査員と地方団体に検査員があって、大臣あるいは都道府県の知事の任命によって検査等を行う、そういう機構もあるわけです。ですから今後の養鶏の改良増殖をはかるような場合において、この法律案の前段の目的を重点に進めていくという場合においては、これらの既存の法律の一部改正によっても、その目的の一部は達成できるんじゃないかというふうに私たちは考えますし、特に中小家畜の範疇に養鶏も入れて、その全体の統一した中小家畜に対する振興対策を進めていくということもむしろ効果的でないかというふうに考えておるのですが、その点に対してはどういうふうにお考えになっておりますか。
  61. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 私は一応その法律は拝見しましたが、実施の状況はまだこれをつまびらかにいたしておりません。お説の通り、あの家畜改良増殖法の方でも似通った仕事があるんじゃないか、これを充実すればよかろうという点もございまするが、とりあえずあれとこれで違うのは、大家畜の方では牛、馬、綿羊、ヤギ、豚とありますが、これは主として雄だけをやっております。この方では、この対象は鶏の雄雌全体に及ぶことでもございます。そういうようなこまかいことは別としても、大体こういうふうにやった場合に、行政措置で全部いくじゃないか、いけないとは行政管は言えませんが、しからばいけるんなら今までやっておればいいんで、なかなかいけない。それを鞭撻するにはやはりこういう単独な法律を作って、刺激と協力とをするというこことは、より効果的であろう。決して家畜増殖法とこれと矛盾するものではないと思いますその精神を拡大したものであろう、こんなように考えるのであります。
  62. 芳賀貢

    芳賀委員 その点は、この法律を見ると、前段だけは当然必要なことでもあるし、またこれは実施できるわけですね。実行可能なんです。ただその需給調整とか後段の方は、法律が通っても、このような法律の根拠によってその期待に沿ったような成果を上げることはできないのですよ、ですからその可能の分だけを生かしてやっていくということになれば、そういうことも考えられるわけです。もしも後段の方が、この法律を根拠にして、鶏卵の価格維持、あるいは需給面における調節が可能であるということであれば、これはまたおのずから考えも異なりますが、これは提案者の御説明によっても、鶏卵の需給調整あるいは価格維持等については全く自信を持っておられないようでありますので、前段と後段を合せて考えてお尋ねするわけです。
  63. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 前段についてはすでに御同意をちょうだいしておるので、これはこの上申し上げる必要もありませんが、後段の方はやや自信を失っておるというお話もございました。それは程度の問題でございまして、これならもう的確だというだけには、なかなかいろいろの方法を講じなければ、一本の道だけではその目的を達しない。いろいろの点から一つその目的を達するようにしたい、従って先ほども当面の責任をやがて持たなければならぬであろうと思う当局が、非常に困難だと言われることはもっともで、あろうと思います。しかし困難であればといっても、なお必要であって、ちょうど前の繭糸価安定法というやつをおこしらえ願いました当時、繭なんかをやることはとてもできない。糸ならまだ幾らかよかろうというので、最初は糸価安定法でできた、ようでございまするが、漸次なれて参りますると、もっと広い意味において繭にまで及べということで、これもなかなか困難のようでありましたが、あれができてから非常に恵まれて、蚕糸業界というものは、ほかの繊維界が非常なみじめにあるにもかかわらず、まだまだ同じみじめの間でも、徹底はしなくても、なかったならばもっと惨禍がひどかったであろうと思うものが、その程度を軽くしさしていただいた、非常なありがたいことだ。その意味から申しますると、あくまで徹底をさせるように努力はいたさなければなりませんが、困難ではあっても、ぜひこの道を開きたい、開くことがやはり正常に漸次養鶏を発展さして、消費者のためにもよし、また生産者のためにもよし、非常に困難なことではありまするが、この後半もぜひ一つお認めをちょうだいして、なお一段のお力を加えていただきたいと思うのであります。
  64. 芳賀貢

    芳賀委員 ただ問題は、この法案の内容を見ても、需給調整をはかって卵価の維持を行うということがあるが、具体的にどのような方法でやるかということが明らかになっていないのですよ。あなたの答弁を聞いても、そういうことは明確になっていないですね。ですからこの法律案を作った提案者自身が、この点に対してはどうするのだという確固たる方針とか計画というものを持っておらなくて、法律だけ通してくれれば、あとは政府が何とかやるだろうということでは、全く意味がないと思うのです。ですから、こういうようにすれば必ず需給調整が行え、法律の命ずるところによって政府が力を発動してこれをやるのだというような根拠がまだ明らかになっていないのではないですか。もしそれをお持ちであれば、それをこの機会に説明されたらいいと思うのです。
  65. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 先刻も申し上げましたが、まだ不十分かもしれません。その根拠としては、需給調整は、自然に放任しておくよりは、これによりまして、卵の生産の基礎である難の羽数をまず抑えるということに、よって、計画生産の基礎ができてくる。そしてこれに見合ったところの需要を起すようにして、それで、もときとして、また季節的に非常に安いというようなときには、その異常なる卵価の低落というような場合に、政府が助成をしてまでも、これの一時的な保管をする。大きなものと違いまして、卵などは長くは保管できないけれども、季節的な保管でその目的を達する。なぜならば、六ヵ月保管している間に、これはどうしても保管目しただけでは上りそうもないといえば、その後においても、初生びなを減らすということによってその目的を達することもできるが、これは自然に放任しておくよりか、この法律によって十分にその目的を達することができるように運営の上からなるであろう。それがためにはもちろん予算が必要でございます。予算のない間はから念仏のようになりまするが、予算をとるようにお願いをして、そうしてその目的を達するようにいたしたいと思うわけでございます。
  66. 芳賀貢

    芳賀委員 小山さんもしろうとではないのですから、この法律で果して計画生産、そういう計画化というものがやれるのですか。実際にひなの制限をやるとか、産卵に対する制限をやるとか、そういうことが私はこの法律を根拠にしては行えないと思ってお聞きしておるわけです。あなたはやれるということ言っておるのですが、これは何か考え違いをして言っておられるのではないか。いかがですか。
  67. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 現在のように自由放任にしておくよりは、この法律を通すことによって、一歩々々計画化に近づいてくる、こう考えます。
  68. 芳賀貢

    芳賀委員 この点は局長にお尋ねしますが、この法案が通った場合においても、今提案者が言った通り、ひなの計画的な生産の制限とか、産卵に対する一つの規制というものを加えるような措置を果して講ずることができるのですか。
  69. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 委員長ちょっと……。
  70. 芳賀貢

    芳賀委員 いや、これは局長に聞いておるのです。現在の全般の農業の生産の面に対して、そういう生産に規制を加えた計画生産を法律によって行なっているという事例はほとんどないのですよ。しかも今自民党の政権下においてそういうことがもし今後強く行われるとすれば、これはまた非常におもしろいことなのですがね。局長としてはどのようにお考えになっておりますか。
  71. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 この法案からは、そのような計画生産を規制するものは直接出てこないと思います。ただこの生産需給の関係をやります場合に、私はいろんな方法があろうと思うのでございますが、たとえばその生産物の需給の見通し、予想を出す。その予想がかなり確実な形で出て参ります。それを関係者がそれぞれ知って利用する。これはすでに農林省でやっておりますような長期予想の問題、それがもっと短期間の予想という形になって、たとえばミルクの、牛乳の生産予察、これは三ヵ月ごとに生産予察をいたしまして、それぞれ発表いたしております。あるいは今年度から豚肉の生産予察を、やはり短期間の見通しができるようにいたして参っております。まあこういうようなことがあるわけであります。これは各関係方面にそれぞれ御存じを願って、そして確実な形でそれに対する対策を考えていただく。これは何ら規制する強制的なものはないと思いますが、やはり計画生産、計画需給調整というと語弊がございまするけれども、その基礎になりまする一つの、ことにこういうふうに生産が非常に広い多数の諸君で行われておりますようなものには、そういうものも一つのまずやるべき方法でないかと思うのであります。このやり方で参りますと、確実な形で鶏の孵卵をいたしまして孵化いたしまするところのいわゆるひなの数が、これは確実に、しかもかなり早くつかめることに相なろうと思います。これはやはり関係各方面にそれぞれ御連絡をいたして、そして一つの重要な対策としていただける必要価値はある、かように考えております。それによってこの法案でどのような調整ができるかということになりますと、これはこの法案ではうたっておりませんし、できないことではないか、かように考えます。
  72. 芳賀貢

    芳賀委員 私どもの理解では、需給調整のおもなる仕事はやはり保管措置です。保管施設等を養鶏業者等が施設することによって季節的な調整をはかるという程度のことは可能でありましょうし、またそれを行うことによって年間の鶏卵価格の正平均化をはかるということは、これはどうしても努力をする必要があると思いますが、とにかく何百万戸の農家がそれぞれひなを育てる、そうして鶏が卵を産むということに対して規制を加えるということは全くのナンセンスであると私は考えたのでお尋ねしたわけなんですが、その程度と考えて差しつかえありませんか。
  73. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 御説の通りでございまして、計画生産という言葉が少しく当らないかもしれませんが、見通しをつけながら、需給の調整を見ながら、生産の計画を立てていくということには、この法律が役に立つであろう。決して強制もしくは規制するようなことは――指導の面でいきたい、こう考えております。
  74. 芳賀貢

    芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、この養鶏振興をはかるためには、ただ鶏卵の面だけ、卵だけこうなればいいということでは、私はそれで十分だとは思えないのです。やはり肉をも含めた鶏卵、鶏肉ですね。全体を含めてこれは養鶏というわけなのです。特に卵だけを切り離してここへ持ち出して、肉の面については何ら触れておらない。この点はどういうわけなんですか。
  75. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 肉の面になりますると、豚もあればいろいろありまして、これは一応われわれ提案者の間にも問題になりましたが、なかなか複雑である。一応取扱いの比較的容易であると思う卵から手をつけ、漸次それに及ぶべきではないかということでございます。希望はそこにありますが、この間の参議院においての委員会においても、やはり自野党、それから社会党の方からも強くその希望を持たれております。これが通りました上はなおその方面にも研究を進めてお方をちょうだいしたいと思っております。
  76. 芳賀貢

    芳賀委員 とにかく産卵の期間というのは鶏は短かいですね。せいぜい二ヵ年以内です。ですから自然廃鶏、これを処理するということもやはり養鶏全体から見ると重大な点なんです。ただ鶏卵だけに価格維持とか、そこに養鶏上のコストを求めるということであれば、非常に不安定になることでありますから、ほんとうの意味の養鶏振興を考える場合においては、いわゆる廃鶏、廃棄処理の問題もあわせてどうするかという点に対してもこれは十分やっていく必要があるのではないかと考えるわけです。  最後に一点お尋ねしたい点は、養鶏振興審議会を設置するということになっておりますが、この程度の法律を実施する場合、大げさに審議会まで設けてやるまでのこともないじゃないかと思うのですが、これはいかがでしょう。
  77. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 肉の問題は先ほど申し上げましたように、この法律の中に直ちに手はつけておりませんが、ただこの二十三条の養鶏振興審議会の中にそれらの問題もあわせ一つ研究をしてもらいたいと思っておりますし、それから肉の問題は十六条の「養鶏経営又は鶏卵肉の処理の改善に関し」というような方面で、あるいは共同処理とか鶏は、存外廃鶏供給者は安くて、それから市場での値段というものが相当高い、従って市場処理の点等についてなお検討の余地があり、これらもここに、入れて、そうして共同処理とかその他いろいろの研究に対して助成の道を聞いてもらいたい、こんなように思っております。
  78. 芳賀貢

    芳賀委員 審議会について……。
  79. 小山邦太郎

    ○小山参議院議員 二十三条の審議会におきまして、これは養鶏振興全体に対する振興の方策を樹立するのでございますから、ここで今の卵の問題及び卵とひとしく重さを持っております肉の問題等も一つ検討をわずらわしたいと思っております。
  80. 芳賀貢

    芳賀委員 では局長にお尋ねしますが、この法律が成立すれば、今度は農林省の中に設置法か何か知りませんけれども、こういう審議会設置ということになるのですが、その審議会とが置かれた場合、どういうことを諮問しますか。
  81. 谷垣專一

    ○谷垣政府委員 とくとこれら検討いたさなければならない問題でございますが、まず一番初めに必要があると思いますのは、登録をいたします一つの基準と申しますか、あるいはその内容の問題になると思います。登録をいたします基準は、一番先にまず仕事をやります上に、これをお諮りしなければならぬと思います。仕事の順序からいえばそれが一番先である。そのほかに養鶏と申しましても、ずいぶんいろいろと範囲が広い問題がございますので、重要な問題について御審議を願うことになろうかと思います。これをレールに乗せますならば、順序的に申しまして、そこらのところが一番先になる。それから追い追いと重要事項についてお願いをしていく、こういうことになるかと思います。
  82. 芳賀貢

    芳賀委員 いろいろお尋ねしたい点もありますが、大体大まかにお尋ねしまして、結局は前段の方は私どもとしても大体了承できるのですが、後段の方になるに従って、先刻赤路委員が指摘されたように、法律案に対してわれわれとして積極的な賛意を表しがたい諸点もあるわけでありますが、一応質疑はこの程度にいたします。
  83. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 他に質疑はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 川村善八郎

    ○川村(善)委員長代理 なければ質疑はこれにて終了いたしました。  暫時休憩をいたします。     午後一時四十二分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕      ――――◇―――――