○谷垣政府
委員 今御指摘の点は、やって参ります行政といたしまして、非常にむずかしい点だと思います。十八条にうたっておりますように「鶏卵の価格の安定を図るためにその需給を調整することが必要であると認めるときは、」云々、こういうことになっておりますので、通常の場合におきまする鶏の生理からくる、つまり春のいわゆる草卵が非常によけい生まれる、それが秋口から高くなってまた安くなっていく、こういう状況の通常の形におきまする卵価の高低、これは私は十八条に
指定しておりますようなものではなかろうと考えております。従いまして異常な卵価の高低が行われ、またその需給を調整する必要がある、こういう場合であろうかと思うのでありまするが、そういう場合におきまする調整のやり方は、実施いたしました場合、私は非常に困難なものだと思います。先ほど御指摘がありましたような冷蔵保管の施設、またそういうやり力に対しましての
補助の方法も、これは当然考えられる問題だと思います。あるいは、そういうために必要な施設に
補助をするということも考えられるかと思います。またこの十八条の条文で直接読めるかどうか、これから私たち検討いたさねばなりませんけれども、御存じのように、一年間に大ざっぱに考えますと、鶏の更新というものは、約六割程度鶏がかわっております。春びなと秋びなというものの孵化の数というものが、今まではどちらかといいますと、鶏卵の相場におくれまして、秋に高い値があると春びなの生産がふえるという形において、少しずつ時期がずれて生産が行われている。しかもそれは、いわば全体を見通した形においての生産が行われていない、こういう格好であったわけでありますが、この法案の初めの方の状況からいきますと、孵化いたしまする数等が、それぞれ統一した形で割合に迅速にわかって参ることが可能であります。従ってそのような卵になる以前の形、孵化いたしまするひなの数というようなものが、計画的な形で行われ得る形がここに整うのじゃないか、そういうような意味での需給調整ということも、これは私は考えられてしかるべきではないか、かように考えておる次第でございます。
そのほかに、この需給調整をいたしましても、どうしても異常な状態が起きました場合には、あるいはミルクの場合におきまするような学校給食の方法あるいは買い上げまして、粉卵なり液卵なりという形における海外の輸出の面に対する何らかの方法というようなものも、考えられる問題としては考慮に上ると思います。ただこれは現実の需給の状況というものを考えまして、考慮すべき点ではないかと思います。できました卵という形でつかまえるか、卵以前の形でつかまえるか、あるいは消費の増大という形でこれをつかまえるか、十八条の問題につきましては、私たちもこの法案が通りましたならば、政府の方の責任にもなるわけであります。十分に種々な点を検討いたさねばならぬと思います。