○本名
政府委員 ただいま提案になりました
繭糸価格安定法の一部を
改正する
法律案について、その趣旨を
説明申し上げます。
この
法律案は、生糸の輸出の増進をはかるため、輸出適格生糸についての特別買い入れの制度を拡充するとともに、この制度による生糸の買い入れ及び保管の業務を行う
日本輸出生糸保管株式会社を、
法律に基く特別会社に改組して、繭糸
価格安定制度の運営の円滑を期するための
改正であります。以下、
法律案の
内容についてその概略を申し上げますと、第一は、生糸の輸出
価格の安定をはかるため必要があるときは、輸出適格生糸について、
一定数量の範囲内で、
日本輸出生糸保管株式会社が買い入れ保管しているもののうち、所定の期間内に売主から買い戻しの請求のないものについては、
政府において、これを最低
価格に保管に要する経費を加えた価額で買い入れることがでる旨の規定を、新たに設けたことであります。
次に、右の特別買い入れの実務を行う
日本輸出生糸保管株式会社の事業の範囲及び同会社に対する
政府出資等について規定するとともに、その業務の運営等について所要の監督規定を設けることとし、この
改正に伴い、現に在する
日本輸出生糸保管株式会社を、
法律に基く、特別会社に改組するために必要な規定を設けました。
なお
政府が保有している生糸について、買いかえを行う場合の規定を加えることにいたしました。
以上が、
繭糸価格安定法の一部を
改正する
法律案の趣旨であります。
次に、
農林漁業金融公庫法の一部を
改正する
法律案の提案理由を、御
説明申し上げます。
農林漁業金融公庫は、その設立以来五年、その前身である農林漁業資金融通特別会計時代をも通算いたしますとすでに七年間にわたり、農林漁業の生産力を維持増進するために必要な長期かつ低利の資金を融通して参りましたことは、各位のよく御承知の
通りであります。この間公庫の貸し付けて参りました資金の総額は、千六百七十五億円に上り、その融資残高は、本年一月末現在で千百七十七億円に達しておりますが、
昭和三十三年度におきましては、前年度に引き続さ、重要農林漁業施策に即応して、上地改良事業、林道の整備、漁船の建造等農林漁業の生産力の維持増進及び農林漁業経営の安定に必要な資金の融通を行いますとともに、さきに国会に
提出されました経済基盤の強化のための資金及び特別の法人の基金に関する
法律案によりまして、公庫に設立されます非補助小団地等土地改良事業助成基金の運用により、国の直後または間接の補助の対象とならない農地の改良または造成にかかる事業に対する貸付金の利子を軽減し、もってこれらの土地改良事業の促進をはからんとするものであります。
今回この
農業漁業金融公庫法につきまして
改正をいたす諸点について、御
説明申し上げます。
まず第一に資本金の増額であります。
昭和三十三年度における公庫の貸付予定計画額は三百七十五億円でありまして、前年度に比較いたし二十五億円の増加となっておりますが、この三百七十五億円の貸付を行うための原資は、年度内の資金交付所要額等を勘案いたし、
産業投資特別会計からの出資金八十億円、借入金といたしまして資金運用部から三十五億円と簡易世生命保険及び郵便年金特別会計から八十億円及び回収金等百六十億円の合計三百五十五億円となっております。従いまして
政府の
産業投資特別会計から八十億円出資いたしますため、現行規定を
改正いたすものであります。
次に米麦に次いで重要な農産物であるカンショ、バレイショ等につきましては、農産物
価格安定法に某く農産物等の買い入れ
措置等によりまして、その
価格の正常な水準からの低落を防止し、もって畑作
農家の経営の安定をはかっているものでありますが、なお積極的にこれらの農産物等の新規の用途を開拓することによって、恒常的な需要を拡大することが必要と
考えられるのであります。
そこでこれらの農産物等を原材料とする製造または加工の事業で、その新規の用途を開拓することにより、消費の拡大をもたらすと認められますものを育成して参りますことは、この目的を達成する上に効果的な手段であると
考えられますので、今回新たに農林漁業金融公庫から、これらの製造または加工の事業を営む者に対し、長期かつ低利の設備資金を融通する道を開くため、所要の
改正を行うものであります。
最後に、以上御
説明申し上げて参りました公庫の業務の拡大や、
昭和三十三年度において予定されております
全国四ヶ所の支店の開設等に伴いまして、総裁を補佐するため、役員として副総裁一人を置くことといたし、
関係規定の
改正を行うものであります。
以上が、この
法律案の提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。