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茜ケ久保委員 質問はこれで終りますが、先ほど来申し上げますように、たとえばこれも問題となりましたが、三笠宮の紀元節に対する
意見発表等に対しまして、巷間非常にいわれておることは特殊の右翼団体とかが非常な圧迫をするということがございます。これなどはいわゆる
皇室を中心に
考える右翼団体の諸君が、何か
自分に都合の悪いこととなると、その
皇室に対しても暴力ざたに及ぶ、これはまことにけしからぬことでありまして、私は三笠宮がああいうふうにフリーな
気持でいろいろな信念を吐露されることはまことにいいと思う。それがたといいろいろな
意味において有利か不利かは別として、いずれにしてもかつてないことでありまして、皇族の一員たる三笠宮が
自分の研究、信念を自由に発表される姿は私は望ましいと思う。それに対して一部そういった圧力が加わっておることも事実だし、先般木村篤太郎氏でありますか、九州でこういうことをおっしゃっている。ああいうことを言うようでは皇族としてわれわれは処するわけにいかぬ
——あの人は紀元節復活会の会長であります。しかも国務大臣もした方が、皇族としてはまことにけしからぬ、そういうことは皇族の地位をと去ってから言ってもらいたいというようなことを言う。私
どもに言わせれば暴言であります。紀元節復活ということがこれに結びついてきておる。私はまことに残念であります。従って今後
皇太子なりそういった新しい
時代の
皇室関係の皆さんがすなおに伸びようとするのに、どうしてもこういう一部の復古的と申しますか、反動的な力がいろいろな
意味で働くと思うのです。それに対して
宮内庁長官は断固としてありのままの望ましい姿での成長に対して身をもってその姿を守ってもらいたいと思う。あなたは現在は
宮内庁正
長官でありますけれ
ども、かつては
日本の警察畑で育ち、いわゆる今の反動的な役割を果している
日本の
指導者階級の一翼であった方なんです。私はよほど
考えてもらわなければ困ると思う。従いまして私の申し上げるのは、
日本の悲劇を再び繰り返すことのないように、
皇室という
存在によって
国民全般が悲惨な
生活に追い込まれることのないように、私は
皇室のいわゆるあたたかい
存在を願うとともに、
国民がその犠牲になるような姿が、再現するということを非常に心配するのであります。その点はよほど
考えてもらわぬといかぬと思う。そういったことを、今後も
機会あるごとに
長官の御意向もただすし、いろいろの点についても御
意見を求めますけれ
ども、
一つそういった点を十二分にかみしめていってもらいたいと思う。
最後に要望を申し上げておきますが、これは先般瓜生次長にも言ったのでありますけれ
ども、徹底しないのでありますが、私先般
皇室関係の国宝的な文化財、たとえば
京都の桂離官とかその他のところを見まして非常に感動したのであります。ところがそれを見ながら、いろいろ説明をされる方に聞いてみますと、予算が非常に節約されて、あの重要な文化財の保存にはまことに苦労をしているのであります。当時私が桂離宮で聞いたのでは、年間二百万くらい仰げばもっと楽に、もっとりっぱな保存ができるということを聞きました。従ってああいうものは
国民の誇りであるので、それに対して
宮内庁長官はやはり思い切った処置をしていただく必要があると思う。そこで、苦しい予算でありましょうけれ
ども、もし必要ならば、われわれ喜んでこういった予算の増額に応じますから、ほかの方面の差しさわりもありましょうけれ
ども、ぜひそういった今後再び
存在し得ないものに対しては思い切った処置をしてもらいたいと思う。われわれも喜んで協力いたします。ぜひこういったものに対する処置をお願いしたいのだが、これは希望でありますけれ
ども、
長官はそういう
考え方をお持ちになってそれに従ってやっていただけるかどうか、これを最後の答弁としてお聞きして、私の
質問を終ります。