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田中国務大臣 ただいま議題となりました
郵便為替法の一部を
改正する
法律案の提案理由を御
説明申し上げます。
この
法律案は
電信為替による送金を迅速化し、その送金とともに
通信文を伝達する
制度を設けまして、
利用者の
利便をはかろうとするものであります。その
改正の要点について申し上げますと、第一点は
為替金の払い渡しにつきまして、現在の取扱いによりますと
電信為替証書を発行してこれを
受取人に送達し、その
電信為替証書と引きかえに
郵便局の窓口で現金を払い渡すことになっておりますが、この方法のほかに、差出人及び
受取人の
利便を考慮いたしまして、差出人の請求がありました場合は、
郵便局から
為替金の額に相当する現金を書留
郵便物として
受取人に送達することによりまして
為替金の払い渡しをする
制度を設けまして、送金の迅速化をはかろうとするものであります。なおこの取扱いをする
電信為替につきましては、その手数や封筒等の調整費を勘案いたしまして、現行の料金のほかに三十円の付加料金を徴収しようとするものであります。第二点は、
電信為替の差出人から
受取人あての慶弔その他送金の目的などを
内容とする
通信文を、
電信為替証書または
為替金に相当する現金とともに
受取人に伝達する
制度を設けることによりまして、
電信為替の
サービスの
向上をはかろうとするものであります。第三点は、
通信文の伝達を伴う
電信為替の
業務の一部を
日本電信電話公社に委託することができる道を開き、
利用者の
利便をはかろうとするものであります。
以上まことに簡単でありますが、この
法律案の提案理由及びその
内容の概略を
説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御
審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
次に
郵便振替貯金法の一部を
改正する
法律案の提案理由を御
説明申し上げます。
この
法律案は、
郵便振替貯金の
小切手払い
制度につきまして、
小切手の呈示があった場合に直ちに支払いをすることができるように取扱い方法を改めますとともに、
小切手払いの料金を廃止し、また簡易払い
制度につきまして、支払い通知書の制限金額を
引き上げまして、
利用者の
利便をはかろうとするものであります。その
改正の要点について申し上げますと、第一点は
小切手の支払いにつきましては、現在の取扱いによりますと、
郵便局において
小切手の呈示を受けた際、口座を保管する地方貯金局に支払い
資金の有無を
電報または
電話で照会した上、支払いをすることになっておりますが、この方法は支払いまでに時間がかかりますので、これを
加入者との予約によりまして、自動的に
小切手の支払いに充てる
資金が地方貯金局からあらかじめ
郵便局に通知されるようにしておき、
郵便局においてはその通知された金額の
範囲内で
小切手の呈示を受けた際は、直ちに支払いをすることができるように改め、
加入者及び
小切手の
所持人の
利便をはかろうとするものであります。第二点は、現在の
小切手の支払いにつきましては、自己を
受取人に指定して振り出した
小切手による場合を除いては、払い出しの料金を徴収するほか、
電報または
電話による口座現在高の照会の料金を徴収することとされているのでありますが、一般の
小切手取引の
実情にかんがみましてこれらの料金を廃止して、
加入者の要望にこたえようとするものであります。第三点は株式配当金の支払いなどに
利用されております簡易払いの支払通知書一枚の金額は、現在三万円以下と定められておりますが、この制限額を五万円に
引き上げまして、
加入者の
利便をはかろうとするものであります。
以上まことに簡単でありますが、この
法律案の提案理由及びその
内容の概略を御
説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御
審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
次に
郵便切手類さばき所及び
印紙売さばき所に関する
法律の一部を
改正する
法律案につきまして提案理由を御
説明申し上げます。
この
法律案は、
郵便切手類及び印紙の売りさばき人に対する売りさばき手数料率を改訂し、かつ買い受け月額の低い売りさばき人に対しても
一定額の手数料を保証いたしますとともに、
郵政大臣が、
郵便切手類及び印紙の売りさばきに関する
業務の円滑をはかるに必要な
事項について売りさばき人に対して指示等をすることができるようにいたそうとするものであります。
その
改正の要点について御
説明申し上げますと、まず売りさばき手数料の改訂についてでありますが、現行の売りさばき手数料率は、
昭和二十九年四月に
改正実施されたものでありまして、その後四カ年を経たにすぎないものではありますが、最近における売りさばきの
実情から見ますと、一般の労賃その他の売りさばきに要する
経費が若干
増加しているものと認められ、また印紙税法の
改正等に伴い百万円を相当上回って売りさばかなければならない売りさばき所もあり、これらのものに全く手数料を支払わないこととしておくことは著しく社会通念に反すると認められますので、これら諸種の事情を考慮いたしまして、買い受け月額一万円以下の金額に対する手数料率百分の六を百分の七に、買い受け月額一万円をこえる十万円以下の金額に対する手数料率百分の三を百分の四に、買い受け月額十万円をこえ百万円以下の金額に対する手数料率百分の一を百分の一・五に改訂するほか、従来手数料の対象とならなかった買い受け月額百万円をこえる金額にもその百分の一に相当する額の手数料を支払うことといたそうとするものであります。なお以上のように売りさばき手数料率を
引き上げましても、全国八万有余の売りさばき人のうち約四八%の者は買い受け月額が三千円以下であり、しかもこれらの売りさばき人は、農漁村等割合へんぴな地域において
郵便局の補助的
施設としての
機能を最もよく発揮しているものであるのにかかわらず、その取得手数料の平均額はわずかに百円程度というきわめて些少な額であり、また後に申し述べますように、新たに売りさばき人に対し売りさばき
業務を行うに必要な指示をすることができることといたします
関係上、
一定額の保証という意味におきまして、三千円以下の買い受け月額のものに対しましても買い受け月額三千円のものとみなして手数料を支払うことといたしております。次に売りさばき人に対する
郵政大臣の指示
事項等についてでありますが、これは
郵便局の補助的
施設としての売りさばき所の
機能を十分に果させるため、
郵便切手類及び印紙の売りさばき
業務の円滑を期する上に必要があるときは、
郵政大臣は売りさばき人の守るべき準則を定め、また売りさばき人に対し売りさばき所に設けるべき設備並びに常備すべき
郵便切手類及び印紙の種類及び数量について指示することができるようにするとともに、あわせて
郵便料金表の掲示を義務づけることといたそうとするものであります。さらに従来売りさばき所におきましては現金封筒の売りさばきをしていないのでありますが、
利用者の
利便をはかるため、その売りさばきができるようにいたそうとするものであります。
以上でこの
法律案の提案理由の
説明を終りますが、どうか御
審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
最後に、
公衆電気通信法の一部を
改正する
法律案について提案理由の御
説明を申し上げます。
この
法律案は、現在
日本電信電話公社が試行的に
実施しております
地域団体加入電話並びに
日本電信電話公社及び
国際電信電話株式会社が試行的に
実施しております
加入電信について、その提供
条件等を法定しようとするものであります。
地域団体加入電話は、いわば構内交換
電話の内線
電話機の設置場所を地域的に拡大したような形態の部落
電話的な
電話でありまして、
電話回線をできる限り共同で
利用して原価の切り下げをはかり、
農山漁村等における
電話需要に適合させ、
電話連絡が不便な
農山漁村等における
電話の
普及をはかろうとするものであります。また
加入電信は、
加入電話の
電話機のかわりに宅内装置としてテレ・プリンターを置き、電信
加入者が直接相手方を呼び出して
通信文を送受信することができるようになっているものでありまして、国内におきましては東京、大阪、名古屋各地区およびその相互間において、国際通信系にありましては対サンフランシスコ、対アムステルダム、対ハンブルグ間において試行的に
実施しております。
次にこの
法律案のおもな
内容について申し上げます。まず
地域団体加入電話は、一般の
加入電話と異なる特殊な
電話でございますので、その設置地域は、その居住者が社会的、経済的に相互に比較的緊密な
関係を有し、かつ
電話による連絡が不便な地域であって、
公社が
郵政大臣の認可を受けて定める基準に適合する地域に限ることといたしております。またその
加入契約を締結することができるものにつきましても、
公社から公衆
電気通信役務の提供を受けることを目的とし、かつ
利用の公平、
公社に対する代表者の選任等、本法で定める
事項を含む
組合契約を締結して設立した
組合に限ることといたしております。なお
地域団体加入電話の交換設備、
電話機等につきましては、構内交換
電話の場合と同様技術基準を定める等必要な措置を講じて、その
加入者たる
組合がこれを自営することができることといたしております。またその料金につきましては、
市外通話料は法定料金によりますが、その他の料金は
公社が
郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。その他の公衆
電気通信役務の提供
条件につきましては、おおむね一般
加入電話に準じて取り扱うことといたしております。
次に
加入電信について申し上げます。
加入電信に関する
業務は、もっぱら国際通信を行うものにつきましては
国際電信電話株式会社が行い、国内通信を主とするものにつきましては
日本電信電話公社が行うことになっております。その提供
条件につきましては、おおむね
加入電話の場合に準じて取り扱うことにしておりますが、次の
事項等につきましては
加入電話の場合と異なっております。すなわち
加入電信の設備の他人使用につきましては、
公社または会社と特に契約をした場合及び公益上特に必要がある場合であって
郵政省令で定める事由がある場合を除き禁止することといたしております。また
加入電信の端末設備の
加入者による設置につきましては、
公社または会社が
業務の遂行上支障がなく、かつ特に必要があると認められる場合であって、
郵政大臣の認可を受けたときは、電信
加入者がその端末設備を設置することを承認することができることといたしております。また料金につきましては
公社または会社が
郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。
以上が
地域団体加入電話及び
加入電信についての概要でありますが、なおこれに関連いたしましてその他若干の修正をすることといたしております。すなわち
公社または会社は、この
法律で定める公衆
電気通信役務以外の公衆
電気通信役務を試行的に提供することができる旨明文の
規定を置くこと、
公社または会社は、本法で定めた公衆
電気通信役務の提供
条件以外の提供
条件であって、
郵政省令で定める重要な
事項を
内容とする契約約款を定めようとするときは、
郵政大臣の認可を要することなどであります。
以上でこの
法律案の提案理由の
説明を終りますが、何とぞ御
審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。