○
永井委員 国内の
水銀生産における生産者の
助長政策といいましても、これは、そうやたらにあるのではなくて、北海道の留辺蘂にあるイトムカの鉱山が主たる生産
企業だと思う。これについては、私の郷里であり、私の隣でありますから、よくわかっておるのですが、今度
FA制を実施するに当って、何か当局の方で、光化学あるいは日本
水銀とか、こういったところに、相当量の
割当をするということは、結局、
国際価格は安いのですから、そこに相当の
割当をすることによって、
国内における
水銀価格の
一つの引き上げが行われ、あるいは波乱が起る。あるいは
国際価格が、直接
国内の
価格に非常な影響を持つというような形において、今後
割当制というものが運用されるというようなことになると、これはもう
国内の
生産業者は、非常な不安定に置かれるわけです。この山は、戦時中に発見されて戦時中に
企業を興した。軍があと先見ないで、とにかく増産せよということで、むちゃくちゃに勤労奉仕なんか入れて、山を荒らしほうだいに荒らして、どんどん当面の増産に当った。戦後、ストックは相当あって、
価格は二束三文にたたかれる、山は荒れほうだい荒れている。これが再建については、四苦八苦だったわけです。われわれは、近くにいてわかっている。商店から借りたものは払えない、税金の滞納は非常にふえる、支出は膨大であって、これは運営することができないというような、こういう長い間の苦難を経て、最近ようやく生産が軌道に乗って、これからこの
企業の合理化が期待されるというようなところまできた。これは、
国際価格との競争の中で、このようなことが進むのではなくて、
国内の唯一の生産として、
地下資源の
開発として、
政府の特別な
措置のもとに、このコスト引き下げということは将来の問題として、現在は現在の
企業における合理化というようなことを、強く推進する形において進めなければ、この
企業というものは、私は成り立たないと思うです。ことに、どれだけの
資源があるかということは、まだ十分にわからない。五年でなくなるか、十年持つか、あるいはそれ以上あるのか。従って、鉱員の収容についても、あるときは非常な整理が行われ、あるいは、今のところは一応の安定を得ているというような形で、非常に不安定な形で行われているわけです。この
FA制が実施されることによって、
企業者側からではなくて、われわれのところには、鉱員の方から、労働組合の方から、今後の
FA制度の運営については、相当考えてもらわなければ困る。これが、生産者と競争するような形において需要者が直接に
輸入して、それが生産者に大きな圧迫になるようなことになると、また戦後のあの混乱状態のような苦難を、われわれは味わなければならない。これについて、特にこの点を明らかにしてもらいたい、こういうことが、労働組合の方から強く要請されているわけです。やはり需要家が、そのときどきの安いもので、ちょこちょことやるのと、それから、しかも生産については、十分な施設をしないで、町のまん中でどんどんやって、そうして実際は、これは相当鉱毒があるわけですが、その鉱毒についても、十分な
措置をしないでやっておる。山の方では、やかましい
措置で、中毒患者がだんだん少くなってきておる。世界的にも相当の高い水準で、中毒患者をなくしてきたという
実績で、世界の各国からも、そのデータを送ってくれというようなところまできておる。そういうところと、投げっぱなしでやるところとでは、これはコストが違ってくると思うのです。そういういろいろな点で、
地下資源を、こういう不安定な基盤において、探鉱もみずからやる、そうして長期の計画でやらなければならないような
企業を、不安定にするような
措置で、
FA制というものが運用されるということになりますと、これは重大だと思うのです。
鉱山局は、こういう関係については、十分わかっているはずでありますが、これが最近は
局長や何かの
FA制に対する運営の態度というものが、非常に生産者を圧迫する形の方向へ動いているというふうに見られておるわけですが、その点について、この運営についてどういう考えを持っているのか、それからまた比率について、明確に
一つ承わっておきたいと思います。