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1958-04-22 第28回国会 衆議院 商工委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十二日(火曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 小平 久雄君    理事 阿左美廣治君 理事 笹本 一雄君    理事 島村 一郎君 理事 長谷川四郎君       有馬 英治君    川野 芳滿君       神田  博君    齋藤 憲三君       櫻内 義雄君    佐々木秀世君       椎名悦三郎君    首藤 新八君       中垣 國男君    福田 篤泰君       南  好雄君    村上  勇君       佐々木良作君    佐竹 新市君       永井勝次郎君  出席政府委員         通商産業事務         官         (鉱山局長)  福井 政男君         中小企業庁長官 川上 為治君  委員外出席者         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 四月十八日  委員大倉三郎君及び村上勇辞任につき、その  補欠として加藤高藏君及び小西寅松君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員加藤高藏君及び小西寅松辞任につき、そ  の補欠として大倉三郎君及び村上勇君が議長の  指名委員に選任された。 同月二十二日  委員大倉三郎君、中山榮一君及び井手以誠君辞  任につき、その補欠として林唯義君、佐々木秀  世君及び八木昇君が議長指名委員に選任さ  れた。 同日  委員林唯義君辞任につき、その補欠として大倉  三郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月十九日  小売商業特別措置法制定促進に関する請願(横  井太郎紹介)(第三一〇二号)  同(木村俊夫紹介)(第三一〇三号)  同外二件(横井太郎君外一名紹介)(第三一〇  四号)  同(中垣國男紹介)(第三一三九号)  同(星島二郎紹介)(第三一八五号)  同(船田中君紹介)(第三二〇五号)  同外一件(竹山祐太郎紹介)(第三二三〇  号)  同(西村直己紹介)(第三二三一号)  同外六件(畠山鶴吉紹介)(第三二三二号)  同外五件(遠藤三郎紹介)(第三二六五号)  同外二十件(山下榮二紹介))第三二六六  号)  同外二十八件(横井太郎君外一名紹介)(第三  二六七号)  小売商振興のための法律制定に関する請願外二  十七件(本名武紹介)(第三一四〇号)  同(内藤友明紹介)(第三一四一号)  同(長井源紹介)(第三一四二号)  同(正力松太郎紹介)(第三一五九号)  同外七十二件(首藤新八紹介)(第三二〇四  号)  同(濱野清吾紹介)(第三二三三号)  同(廣瀬正雄紹介)(第三二三四号)  同外十六件(伊藤卯四郎紹介)(第三二六四  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  通商産業基本施策に関する件  小売商振興のための措置に関する件   請願  石油資源開発株式会社への国家投資に関する請  願(神田博紹介)(第八九号)  石油資源開発株式会社への国家投資に関する請  願(伊藤卯四郎紹介)(第二九〇号)  同(永井勝次郎紹介)(第三四六号)  第四次日中貿易協定即時締結に関する請願(細  迫兼光紹介)(第二九一号)  県営発電電力県内売電制度確立に関する請願  (吉川久衛紹介)(第二九二号)  政府系中小企業専門金融機関強化に関する請願  (吉川久衛紹介)(第二九三号)  第四次日中貿易協定即時締結に関する請願(田  中彰治紹介)(第四三五号)  日本製金属洋食器に対する米国輸入制限等に  関する請願大島秀一紹介)(第六二八号)  鉱業法改正反対に関する請願多賀谷真稔君  紹介)(第六八二号)  小売市場規制法制定に関する請願柳田秀一君  紹介)(第六八三号)  同外一件(菅野和太郎紹介)(第七四二号)  同(門司亮紹介)(第七六六号)  石油資源開発株式会社への国家投資に関する請  願(佐々木良作紹介)(第七六七号)  金属洋食器に対する米国輸入制限等に関する  請願野田卯一紹介)(第七九四号)  小売市場規制法制定に関する請願横井太郎君  紹介)(第八一九号)  金属洋食器に対する米国輸入制限等に関する  請願外五件(野田卯一紹介)(第九五五号)  鉱業法改正反対に関する請願外一件(淵上房  太郎紹介)(第九八四号)  同(多賀谷真稔紹介)(第一〇〇八号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願(淺  沼稻次郎紹介)(第一〇〇四号)  同(淡谷悠藏紹介)(第一〇〇五号)  同(川村継義紹介)(第一〇〇六号)  同(松井政吉紹介)(第一〇〇七号)  小売市場規制法制定に関する請願首藤新八君  紹介)(第一〇四二号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願(平  田ヒデ紹介)(第一〇四三号)  金属洋食器に対する米国輸入制限等に関する  請願外六十八件(野田卯一紹介)(第一〇七  三号)  更生保護事業競輪益金配分に関する請願(山  本正一紹介)(第一〇七四号)  中小企業育成振興に関する請願中馬辰猪君  紹介)(第一〇九七号)  輸入粗糖加工実需者割当増量に関する請願(  山本猛夫紹介)(第一一五二号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願(岡  田春夫紹介)(第一一八二号)  同(永井勝次郎紹介)(第一一八三号)  同(石山權作君紹介)(第一二三六号)  同(中原健次紹介)(第一二三七号)  同(森三樹二君紹介)(第一二八一号)  同(渡辺惣蔵紹介)(第一二八二号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願(石  橋政嗣君紹介)(第一四一〇号)  同外六件(松平忠久紹介)(第一四五一号)  琉球産のパイン輸入に関する請願床次徳二君  紹介)(第一四一一号)  発明考案者バッチ交付請願大野市郎君紹  介)(第一八〇五号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願外五  件(小山亮紹介)(第一八〇七号)  同外十三件(下平正一紹介)(第一八〇八  号)  同(横路節雄紹介)(第一八〇九号)  特許審査迅速化に関する請願平野三郎君紹  介)(第一九六七号)  小売商振興のための法律制定に関する請願(小  川半次紹介)(第二〇五  五号)  同(南條徳男紹介)(第二〇五六号)  同(菅野和太郎紹介)(第二一二七  号)  同(小川半次紹介)(第二一六八号)  特許法改正反対に関する請願足鹿覺紹介)  (第二二〇一号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願(片  島港君紹介)(第二〇九六号)  同(井岡大治紹介)(第二二〇二号)  同外十件(原茂紹介)(第二二〇三号)  東北電力株式会社電気料金値上げ実施延期に関  する請願石山權作君紹介)(第二二〇四号)  計量器販売制限撤廃に関する請願神田大作  君紹介)(第二二〇五号)  同(戸叶里子紹介)(第二二〇六号)  小売商業特別措置法制定反対に関する請願(原  茂君紹介)(第二二二三号)  同(岡田春夫紹介)(第二二六七号)  小売商振興のための法律制定に関する請願外一  件(椎熊三郎紹介)(第二二六八号)  同(植木庚子郎君紹介)(第二二四〇号)  同(北村徳太郎紹介)(第二二四一号)  同(田中正巳紹介)(第二三五五号)  同(前田正男紹介)(第二三五六号)  小売商業特別措置法制定促進に関する請願(牧  野良三君紹介)(第二二四二号)  同(椎名隆紹介)(第二二四三号)  同(今井耕紹介)(第二三五一号)  同(高橋等紹介)(第二三五二号)  同(野田卯一紹介)(第二三五三号)  同(林讓治紹介)(第二三五四号)  小売商業特別措置法制定促進に関す  る請願外一件(赤澤正道紹介)(第二三九一  号)  同外二件(井原岸高紹介)(第二三九二号)  同(小澤佐重喜紹介)(第二三九三号)  同(大野市郎紹介)(第二三九四号)  同(大橋武夫君外四名紹介)(第二三九五号)  同(簡牛凡夫君紹介)(第二三九六号)  同(木村俊夫紹介)(第二三九七号)  同外一件(小泉純也君紹介)(第二三九八号)  同外一件(小坂善太郎紹介)(第二三九九  号)  同外一件(小林かなえ紹介)(第二四〇○  号)  同(佐藤榮作紹介)(第二四〇一号)  同(坂田道太紹介)(第二四〇二号)  同(篠田弘作紹介)(第二四〇三号)  同(園田直君外一名紹介)(第二四〇四号)  同(田中久雄紹介)(第二四〇五号)  同(中曽根康弘紹介)(第二四〇六号)  同(灘尾弘吉紹介)(第二四〇七号)  同(野田卯一紹介)(第二四〇八号)  同外一件(馬場元治紹介)(第二四○九号)  同(福田赳夫紹介)(第二四一〇号)  同(福田篤泰紹介)(第二四一一号)  同(船田中君紹介)(第二四一二号)  同外九(件牧野良三紹介)(第二四一三号)  同外二件(早稻田柳右エ門紹介)(第二四一四  号)  同(有馬英治紹介)(第二四四九号)  同(愛知揆一君紹介)(第二四五〇号)  同(大平正芳紹介)(第二四五一号)  同(松本七郎紹介)(第二四五二号)  同(山本正一紹介)(第二四五三号)  小売商振興のための法律制定に関する請願(愛  知揆一君紹介)(第二四一五号)  同外二十五件(床次徳二紹介)(第二四一六  号)  同(福永一臣紹介)(第二四一七号)  同外一件(松浦周太郎紹介)(第二四一八  号)  同(亘四郎紹介)(第二四一九号)  同(愛知揆一君紹介)(第二四五四号)  同(草野一郎平紹介)(第二四五五号)  同(佐々木秀世紹介)(第二四五六号)  同(町村金五君紹介)(第二四五七号)  同(芳賀貢紹介)(第二四五八号)  同(大平正芳紹介)(第二四五九号)  小売商業特別措置法制定促進に関する請願(太  田正孝君紹介)(第二五六七号)  同(田中久雄紹介)(第二五六八号)  同(松岡松平紹介)(第二五六九号)  同(粟山博紹介)(第二五七〇号)  同(今松治郎君外一名紹介)(第二六一二号)  同(大橋武夫紹介)(第二六一三号)  同(川野芳滿紹介)(第二六一四号)  同(北村徳太郎紹介)(第二六一五号)  同(木村俊夫紹介)(第二六一六号)  同(黒金泰美紹介)(第二六一七号)  同(坂田道太紹介)(第二六一八号)  同(佐々木秀世紹介)(第二六一九号)  同外一件(篠田弘作紹介)(第二六二〇号)  同(田中武夫紹介)(第二六二一号)  同外一件(田中久雄紹介)(第二六二二号)  同(渡海元三郎紹介)(第二六二三号)  同(南條徳男紹介)(第二六二四号)  同(中垣國男紹介)(第二六二五号)  同(灘尾弘吉紹介)(第二六二六号)  同外一件(野依秀市紹介)(第二六二七号)  同(原健三郎紹介)(第二六二八号)  同(橋本龍伍紹介)(第二六二九号)  同(藤枝泉介紹介)(第二六三〇号)  同(古井喜實紹介)(第二六三一号)  同(松野頼三君紹介)(第二六三二号)  同(町村金五君紹介)(第二六三三号)  同(松山義雄紹介)(第二六三四号)  同(山手滿男紹介)(第二六三五号)  同(山崎巖紹介)(第二六三六号)  同外二件(山本友一君外一名紹介)(第二六三  七号)  同外十九件(横井太郎君外一名紹介)(第二六  三八号)  同外二件(加藤高藏君紹介)(第二六七七号)  同外一件(世耕弘一紹介)(第二六七八号)  同(渡海元三郎紹介)(第二六七九号)  同外一件(楢橋渡紹介)(第二六八○号)  同(中川俊思君紹介)(第二六八一号)  同(永山忠則紹介)(第二六八二号)  同(林讓治紹介)(第二六八三号)  同(前田榮之助君紹介)(第二六八四号)  同(松本七郎紹介)(第二六八五号)  同外四十八件(横井太郎君外一名紹介)(第二  六八六号)  同(内藤友明紹介)(第二七〇八号)  小売商振興のための法律制定に関する請願外二  件(古川丈吉紹介)(第二五七一号)  同外七件(芳賀貢紹介)(第二五七二号)  同(福井盛太紹介)(第二五七三号)  同(野田武夫紹介)(第二六三九号)  同(福永一臣紹介)(第二六四〇号)  同外九件(松浦周太郎紹介(第二六四一号)  同外三十三件(灘尾弘吉紹介)(第二六七四  号)  同(堂森芳夫紹介)(第二六七五号)  同(藤本捨助君紹介)(第二六七六号)  同(灘尾弘吉紹介)(第二七〇九号)  中小企業振興助成法に関する請願早稻田柳右  エ門紹介)(第二五七四号)  小売商振興のための法律制定に関する請願(加  藤常太郎紹介)(第二七三八号)  同外九件(林唯義紹介)(第二七三九号)  同外五件(門司亮紹介)(第二七四○号)  同外一件(楢橋渡紹介)(第二八六七号)  同外九十三件(首藤新八紹介)(第二八六八  号)  小売商業特別措置法制定促進に関する請願(中  井徳次郎紹介)(第二七四一号)  同(大村清一君外一名紹介)(第二七九九号)  同(北れい吉紹介)(第二八〇〇号)  同(小西寅松紹介)(第二八〇一号)  同(高橋等紹介)(第二八〇二号)  同(田中正巳紹介)(第二八〇三号)  同(田中龍夫紹介)(第二八〇四号)  同(中曽根康弘紹介)(第二八〇五  号)  同(中垣國男紹介)(第二八〇六号)  同(松田竹千代紹介)(第二八〇七  号)  同(福田篤泰紹介)(第二八六四号)  同外一件(松岡松平紹介)(第二八六五号)  同(松本俊一紹介)(第二八六六号)  大多喜天然ガスガス料金値上げ反対に関する  請願千葉三郎紹介)(第二八六三号)  小売商業特別措置法制定促進に関する請願(赤  澤正道紹介)(第二九四一号)  同外一件(加藤精三紹介)(第二九四二号)  同(竹山祐太郎紹介)(第二九四三号)  同外三件(濱地文平紹介)(第二九四四号)  同(八木一郎紹介)(第二九四五号)  同外一件(荒舩清十郎紹介)(第三〇〇八  号)  同(神田博紹介)(第三〇二八号)  小売商振興のための法律制定に関する請願(池  田治紹介)(第二九四六号)  同(首藤新八紹介)(第二九四七号)  同外一件(内藤友明紹介)(第二九四八号)  同(中村梅吉紹介)(第二九四九号)  同(薩摩雄次紹介)(第三〇〇九号)  同(有馬英治紹介)(第三〇二七号)  同(田中幾三郎紹介)(第三〇六九号)  東北電力株式会社電気料金暫定措置延長に関  する請願田中彰治紹介)(第二九五〇号)  小売商業特別措置法制定促進に関する請願(横  井太郎紹介)(第三一〇二号)  同(木村俊夫紹介)(第三一〇三号)  同外二件(横井太郎君外一名紹介)(第三一〇  四号)  同(中垣國男紹介)(第三一三九号)  同(星島二郎紹介)(第三一八五号)  同(船田中君紹介)(第三二〇五号)  同外一件(竹山祐太郎紹介)(第三二三〇  号)  同(西村直己紹介)(第三二三一号)  同外六件(畠山鶴吉紹介)(第三二三二号)  同外五件(遠藤三郎紹介)(第三二六五号)  同外二十件(山下榮二紹介)(第三二六六  号)  同外二十八件(横井太郎君外一名紹介)(第三  二六七号)  小売商振興のための法律制定に関する請願外二  十七件(本名武紹介)(第三一四〇号)  同(内藤友明紹介)(第三一四一号)  同(長井源紹介)(第三一四二号)  同(正力松太郎紹介)(第三一五九号)  同外七十二件(首藤新八紹介)(第三二〇四  号)  同(濱野清吾紹介)(第三二三三号)  同(廣瀬正雄紹介)(第三二三四号)  同外十六件(伊藤卯四郎紹介)(第三二六四  号)      ————◇—————
  2. 小平久雄

    小平委員長 これより会議を開きます。  この際、長谷川四郎君外六名より、自由民主党及び日本社会党共同提案による小売商振興のための措置に関する件について、本委員会において決議せられたい旨の提案がなされております。この際提案者趣旨説明を許します。長谷川四郎君。
  3. 長谷川四郎

    長谷川(四)委員 案文を朗読いたします。    小売商振興のための措置に関する件   小売商法案小売商業特別措置法案及び商業調整法案)は、目下当委員会において鋭意審議中なるも、本国会においてはその成立は期し難い。   よって政府は、来るべき国会において、中小企業振興審議会の答申及び前記二法案趣旨を充分に尊重した小売商振興のための法案を提出すべきである。  提案理由の御説明を申し上げます。  御承知のように、小売商振興法というのは、小売商にとりましては、非常に重要な法案であることは、論を待たないところでありまして、過日の中小企業振興法案とこの法案と、二つそろえて、完全なる中小企業振興が行われると思うのであります。これらの点から考えまして、今国会には、なかなか成立は期しがたいものと思いまして、来国会におきましては、ぜひともこの法案をわれわれは審議し、もって、よりよい法案として、小売商のために、この法案成立を期したいと考えておるのでございます。  何とぞ皆様方におかれましても、右案に対しまして、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  4. 小平久雄

    小平委員長 お諮りいたします。小売商振興のための措置に関する件を、本委員会決議とするに、御異議ありませんか。
  5. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、ただいまの決議参考送付その他につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  6. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際、本件に関し、川上中小企業庁長官より発言を求められております。これを許します。川上中小企業庁長官
  7. 川上為治

    川上政府委員 政府の方から出しました小売商業特別措置法案につきまして、今まで、長い間、いろいろその審議をしていただきましたことは、まことにありがとうございました。しかしながら、この法案がついに成立いたしませんでしたことは、私どもとしましては、まことに残念でございますが、私どもとしましては、ただいまの御決議趣旨を十分尊重いたしまして、この次の機会におきまして、さらによりよい法案を作りまして、国会提案いたしたいと考えておりますから、どうぞその際には十分御審議していただきまして、そういう法案が通過していただくように、お願い申し上げたいと思います。     —————————————
  8. 小平久雄

    小平委員長 次に、通商産業基本施策に関する件について、調査を進めます。  質疑を継続いたします。永井勝次郎君。
  9. 永井勝次郎

    永井委員 鉱山局長にお尋ねしたいと思いますが、水銀鉱石輸入について、従来AA制であったのをFA制に改めたということを聞くのでありますが、その改めた理由、それから改めた後における運営について、どのようなお考えであるか、これを伺いたい。
  10. 福井政男

    福井(政)政府委員 水銀につきましては、御承知のように、わが国は非常に生産量が少うございまして、需給率から申しますと、二割前後でございます。相当多量に輸入しなければ、まかない得ないというような状況でございます。鉱石につきましては、今までAA制度をとっておりましたが、ただ、これが非常に価格の差がございまして、輸入鉱石国内鉱とは、価格の開きがございまして、AA制度のままでございますと、せっかく育成いたして参りました国内の山の方が打撃をこうむる、こういう危険も感じられましたので、FA制度にいたしたわけでございます。ただ、輸入鉱石と申しますのは、水銀輸入いたします場合には、英語で鉱石の名前をスートと申しております。含有量から申しまして約七〇%以上の精鉱で、国内輸入いたして参るわけであります。従いまして、精鉱でございますので、本来銅鉱石等の場合でございますと、大規模な精練所精練をいたすわけでありますが、水銀の場合には、非常に簡単な装置で精練ができるというような事情にあるようでございまして、そういった面からも、ほんとう設備をしてないものでも輸入する、こういうようなことも懸念されましたのが、一つFA制度にいたした理由の一半でもございます。  そういう形態で入って参るわけでありますが、今後も、もちろん需給計画に基きまして、必要量輸入いたして参るわけであります。そういった精練設備を持っておりますところで、輸入実績を持っておりますところには、割当をいたして参るというような考え方で、運用していかなければならないだろうと考えております。
  11. 永井勝次郎

    永井委員 三十二年度の需給量、三十三年度の需給量の見通し、これを承わりたい。
  12. 福井政男

    福井(政)政府委員 三十二年度におきましては、生産量としましては四百九トンでございます。その四百九トンのうち、国内鉱から出ましたものが百六十七トンでございます。輸入鉱石から出ましたものが二百四十二トンでございます。消費といたしましては八百三十九トン、かように相なっております。
  13. 永井勝次郎

    永井委員 そうすると、AA制FA制に改めたのは、国内企業を保護するというような意図でそういう措置をなされた。こういうことを今伺ったのでありますが、そうしますと、この運用に当って、どの企業をどういうように守り、助長しようというのか。ただいまの局長の話では、実績主義によるのだ、こういうことでございますが、実績主義によるということは、既存の実績のある者の業態を守る、こういう意味なのか。あるいは、国内生産業者を守る、こういう趣旨なのか、その辺の点を、もう少し明らかに承わりたい。
  14. 福井政男

    福井(政)政府委員 輸入いたしておりますのは、精鉱でありますので、精練設備を持っております業者が、輸入いたしておるわけでありますが、国内生産業者は、数多くございませんで、最も大きい会社が、御承知かと存じますが、野村鉱業が最も大きい国内生産業者でございます。そのほか大牟田化学でございますとか、二、三生産業者がございます。輸入いたしておりますのは、国内生産業者が、従来大部分輸入いたしておりまして、水銀地金を消費いたします化学工業会社が、若干輸入を始めている、こういう実情でございます。
  15. 永井勝次郎

    永井委員 その実情はわかるのですが、そうすると、その割当基準というものは、どういう基準によるのか。FA制に基いて、実績ある者に割り当てるというのですが、その実績に基いて、どういう比率で、どういうふうに分けるのか。その割当における基本的な態度、こういうものをお聞きしたい。
  16. 福井政男

    福井(政)政府委員 化学工業の方で使いますが、またこの化学工業会社の方で、若干輸入いたしております。この方は、御承知のように、軽工業局が所管いたしておりまして、まだこまかい割当基準というものはできておりませんが、軽工業局と相談をいたして参りたいと存じております。ただ、大部分が、国内生産業者の方に参ることになるだろう。それはAA時代輸入実績等から見ましても、そういう結果になるだろうと考えております。
  17. 永井勝次郎

    永井委員 水銀国内資源というものは非常に少い。そうしてまた、これが未開発の分野も相当にある。これを国内資源開発し、それが国際競争力を持ち得るように育て上げるというのが、鉱山局の仕事でないか、こう思います。それが国際競争力を保持できるようになるまでの過程においては、これはやはり政府助長政策、あるいはその重要性とにらみ合せて、いろいろな施策が必要である。現在の一つの時点をとって、そうして、すぐこれを国際価格とにらみ合せて、国内企業を危殆に瀕せしめるような形において運営するということは、これは重大なことだと思う。  そこで承わりたいのですが、ほんとう地下資源の探鉱というようなことをみずからやり、あるいは何千という従業員を従事させて、長期にわたって生産に当るものと、単に外国の鉱石を入れてちょこちょことやって、そうして膨大な利益をとるような方式で経営するものと、同律に扱うような形においてFA制を適用するというようなことがあっては、これは重大なことだと思うのです。そういうことについての鉱山局長の考え方、その基本的な態度というものを、私は承わっておきたいと思う。そうでありませんと、単に実績に基いてこうするのだということでは、これはいろいろ内容にわたりますと、個々の問題についてあると思うのでありますが、ただ、そういう実際の地下資源を探鉱しながら、長期の計画のもとに生産に当っているものと、単に中間製品を扱っておるものとでは、これは助長政策の上におけるウェートというものが、違ってこなければいけないと思うのですが、その点における局長の考え方を承わりたい。
  18. 福井政男

    福井(政)政府委員 ただいまの永井先生の御説には、もちろん同感でございまして、非常に恐縮に存ずるわけでございますが、国内で長期に投資をし、しかも、非常に多くの従業員をもって経営をいたしております鉱山の方について、十二分の考慮を払って参りますことは、私どもの任務でありまして、その点につきましては、全く仰せの通りでございます。従いまして、この国内水銀鉱山を、できるだけ育成して助長して参るということにつきましては、今後十二分に努力して参りたいと考えております。ただ、国内の山の保護の問題、それから、ただいまお話に出ております外国からスートを入れます、これにつきましては、その割当そのもので、直接にそういった助長政策をすぐにとり得るかどうか、今後十分に検討して参りたいと考えております。
  19. 永井勝次郎

    永井委員 国内水銀生産における生産者の助長政策といいましても、これは、そうやたらにあるのではなくて、北海道の留辺蘂にあるイトムカの鉱山が主たる生産企業だと思う。これについては、私の郷里であり、私の隣でありますから、よくわかっておるのですが、今度FA制を実施するに当って、何か当局の方で、光化学あるいは日本水銀とか、こういったところに、相当量の割当をするということは、結局、国際価格は安いのですから、そこに相当の割当をすることによって、国内における水銀価格一つの引き上げが行われ、あるいは波乱が起る。あるいは国際価格が、直接国内価格に非常な影響を持つというような形において、今後割当制というものが運用されるというようなことになると、これはもう国内生産業者は、非常な不安定に置かれるわけです。この山は、戦時中に発見されて戦時中に企業を興した。軍があと先見ないで、とにかく増産せよということで、むちゃくちゃに勤労奉仕なんか入れて、山を荒らしほうだいに荒らして、どんどん当面の増産に当った。戦後、ストックは相当あって、価格は二束三文にたたかれる、山は荒れほうだい荒れている。これが再建については、四苦八苦だったわけです。われわれは、近くにいてわかっている。商店から借りたものは払えない、税金の滞納は非常にふえる、支出は膨大であって、これは運営することができないというような、こういう長い間の苦難を経て、最近ようやく生産が軌道に乗って、これからこの企業の合理化が期待されるというようなところまできた。これは、国際価格との競争の中で、このようなことが進むのではなくて、国内の唯一の生産として、地下資源開発として、政府の特別な措置のもとに、このコスト引き下げということは将来の問題として、現在は現在の企業における合理化というようなことを、強く推進する形において進めなければ、この企業というものは、私は成り立たないと思うです。ことに、どれだけの資源があるかということは、まだ十分にわからない。五年でなくなるか、十年持つか、あるいはそれ以上あるのか。従って、鉱員の収容についても、あるときは非常な整理が行われ、あるいは、今のところは一応の安定を得ているというような形で、非常に不安定な形で行われているわけです。このFA制が実施されることによって、企業者側からではなくて、われわれのところには、鉱員の方から、労働組合の方から、今後のFA制度の運営については、相当考えてもらわなければ困る。これが、生産者と競争するような形において需要者が直接に輸入して、それが生産者に大きな圧迫になるようなことになると、また戦後のあの混乱状態のような苦難を、われわれは味わなければならない。これについて、特にこの点を明らかにしてもらいたい、こういうことが、労働組合の方から強く要請されているわけです。やはり需要家が、そのときどきの安いもので、ちょこちょことやるのと、それから、しかも生産については、十分な施設をしないで、町のまん中でどんどんやって、そうして実際は、これは相当鉱毒があるわけですが、その鉱毒についても、十分な措置をしないでやっておる。山の方では、やかましい措置で、中毒患者がだんだん少くなってきておる。世界的にも相当の高い水準で、中毒患者をなくしてきたという実績で、世界の各国からも、そのデータを送ってくれというようなところまできておる。そういうところと、投げっぱなしでやるところとでは、これはコストが違ってくると思うのです。そういういろいろな点で、地下資源を、こういう不安定な基盤において、探鉱もみずからやる、そうして長期の計画でやらなければならないような企業を、不安定にするような措置で、FA制というものが運用されるということになりますと、これは重大だと思うのです。鉱山局は、こういう関係については、十分わかっているはずでありますが、これが最近は局長や何かのFA制に対する運営の態度というものが、非常に生産者を圧迫する形の方向へ動いているというふうに見られておるわけですが、その点について、この運営についてどういう考えを持っているのか、それからまた比率について、明確に一つ承わっておきたいと思います。
  20. 福井政男

    福井(政)政府委員 野村鉱業のイトムカ鉱山につきましては、私よりも、永井先生の方が非常によく御存じのようでございますが、イトムカは、国内でも、ほとんど大部分を生産しておりますといってもいいくらいの、唯一最大の水銀鉱山でございます。ここは非常に苦難の道をたどりまして合理化を進め、現在大いに生産をいたしておりますことは、私ども非常に敬意を表しておるわけでございます。もちろん、この水銀鉱業を育成いたして参りますのが、私の役目でございまして、先生の御意見と、全く同じことでございます。ただ、先ほど承わりました化学会社につきましては、私の所管でもございませんので、よく存じませんが、今後、もちろんFA制度の運用につきましては、国内鉱山との調整を十二分に考えまして運用いたして参りたい、かように考えております。  比率の問題につきまして、お話がございましたが、まださような細部まで、現在のところ方針ができておりませんので、御了承いただきたいと思います。
  21. 永井勝次郎

    永井委員 野村鉱業水銀生産技術というものは、国際的にも相当高く評価されております。フィリピンその他にも進出して、相当生産にも当っているようであります。でありますから、もしFAの割当をするならば、ここに一〇〇%輸入させて、そして国内の需要家の、公共性その他の事情によって、価格の点でいろいろあんばいするならば、行政措置によって、いろいろ今後措置していけると思う。どこまでも、国内の生産が阻害されないように、振興される形においてこれが運営されるということが、絶対の必要条件であろう、こう思うわけであります。このことについては、なお大臣その他とも話し合って、もう少し明確にこれを進めていきたい、こう考えるわけでありますが、何と申しましても、主管の鉱山局長の、これに対して取り組む意気込みというものが確立されておりませんと、これはくずれてくると思います。私はやはり国内の生産が——局長は二〇%程度と言いましたが、もっとでしょう、大体五〇%は国内生産であるように思います。それからまた海外から輸入する分についても、フィリピンその他は、日本から向うへ資本も技術も相当入れてやっているようでありますから、そういう面における投資というようなもの、あるいは開発というようなものも、日本の力でやっていると見て差しつかえないから、水銀技術は、国際的にも相当高く評価さるべきものだ、こうわれわれは考えておるわけであります。水銀産業というものは、開発されてから十四、五年、二十年にはならないわけでありまして、これからというところでありますから、やはり国が大きな助長政策をとっていくことが必要である。輸入については、一〇〇%ここに輸入させて、そしてこれの国内の振り向け、価格その他については、十分政府監督のもとに、あるいは行政措置によって適当に配分するというような措置が講じられてもいいわけでありますが、とにかく生産態勢が混乱に陥らないように、あるいは国際価格国内産業を圧迫しないような形における運用が必要であろう、こういうふうに思うのです。重ねて局長のこの点についての所信を承わって、それから、今後におけるそういう方向を確立するための局長としての努力について、どういうお考えがあるか、承わっておきたいと思います。
  22. 福井政男

    福井(政)政府委員 国内鉱山の保護の問題につきましては、今後最大の努力をいたして参りたい、かように考えております、輸入制度の運用につきましては、国内鉱山との調整の問題、そういった点を十二分に考慮いたしまして、今後運用いたして参りたい、かように考えております。  それから、国内生産の割合につきまして、ちょっとお話がございましたが、お話しのように、国内生産は約五〇%前後でございます。ただ、私が先ほど申し上げましたのは、需給度が二割前後と申し上げたわけでございまして、国内生産のうちの六割くらいは、輸入鉱石から地金を生産いたしております。従いまして、私が申し上げましたのは、国内鉱石から出ます地金の、消費に対するパーセンテージを申し上げたわけであります。地金の生産そのものから申しますと、ただいま先生のおっしゃったように、五割前後になっております。
  23. 永井勝次郎

    永井委員 大体、これで質問を終りたいと思いますが、私は、基本的な態度としては、国内における独占企業あるいは独占価格、こういうようなことを、私たちは排除していかなければならぬと考えております。しかし、流通分野におけるそういうものではなくて、国内地下資源、しかも国際的に見て貧鉱のようなものでも国内生産のものは、これを処理していかなければならない。あるいは、これを国の産業として育てていかなければならぬ。こういうふうに考えているのでありまして、この水銀生産のような場合は、これは唯一のものでありますし、国内企業としても非常に新しいもので、今後ここを中心にして、だんだん探鉱が進みますならば、私はもっと希望が持てると思う。あるいは現在のイトムカだけではなしに、アンタルマの方にも新しく鉱脈が発見されて、これが非常に有望な状態にあると聞いておりますし、国内における貧鉱は、あっちこっちにあります。そういうものを、中心の精練所があって、そこで処理していきますならば、国内の乏しい資源でありましても、相当量開発がされますし、わが国民経済に役立つような働きをしてくると思います。そうしますためには、どうしても現在の段階においては、ある程度の国家の助長政策が必要だと私は思う。その助長政策の過程において、ただ当面の利益の問題だけで、安い外国のものを輸入して、そして一部の業者の利益をはかることによって、育てていくべき国内産業をたたきつけるようなことは、断じてすべきでない。こういうふうに考えているので、私は国内の独占資本、独占価格、こういう企業を守るというのではなくて、その業態における一つ実情に即した政策が必要である。こういう立場において、局長の格段の努力をお願いしたい、こう思うわけであります。  私も、なお大臣その他とも、この問題についてはて、話し合いを進めいきたいと思いますが、主管の局長の一段の努力を期待して、私の質問を終ります。     —————————————
  24. 小平久雄

    小平委員長 お諮りいたします。ただいままでに本委員会に付託せられております請願は、合計二百十三件であります。この際、これらの請願を一括議題として審査に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
  25. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認めます。よって石油資源開発株式会社への国家投資に関する請願神田博紹介請願文書表番号第八九号外二百十二件を一括議題とし審査に入ります。  これらの請願の内容については、すでに請願文書表において十分御承知のことと存じますが、大部分は、目下審議中の小売商業特別措置法案関係であり、他は中小企業、貿易、鉱業、電力等各般にわたっております。先ほど来、理事の諸君とも協議いたしましたが、請願文書表番号第八九号、二九〇号、三四六号、二九二号、二九三号、六二八号、七六七号、七九四号、九五五号、一〇七三号、一〇七四号、一〇九七号、一四一一号、一八〇五号及び一九六七号の各請願は、いずれもその趣旨妥当と認められますので、採択の上、内閣に送付すべきものと決したいと存じますが、御異議ありませんか。
  26. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  他の請願の中には、その趣旨は妥当でありますが、付託議案の帰趨を待って決定するのが適当と考えられるものもあり、また、今後慎重に検討を要すべきもの等々の請願もありますが、これら請願につきましては、採否の決定を延期することにいたします。  なお、ただいま議決いたしました各請願委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこの程度にとどめます。次会は、来たる二十五日午前十時より開会する予定であります。  これにて散会いたします。     午前十一時三十一分散会