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1958-04-04 第28回国会 衆議院 商工委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月四日(金曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 小平 久雄君    理事 阿左美廣治君 理事 笹本 一雄君    理事 加藤 清二君       有馬 英治君    大倉 三郎君       川野 芳滿君    神田  博君       齋藤 憲三君    櫻内 義雄君       椎名悦三郎君    篠田 弘作君       中垣 國男君    村上  勇君       伊藤卯四郎君    佐竹 新市君       田中 武夫君    多賀谷真稔君       永井勝次郎君    水谷長三郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  前尾繁三郎君  出席政府委員         文部事務官         (社会教育局         長)      福田  繁君         通商産業事務官         (通商局長)  松尾泰一郎君         中小企業庁長官 川上 爲治君  委員外出席者         大蔵事務官         (大臣官房財務         調査官)    稻益  繁君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 四月四日  委員横錢重吉君辞任につき、その補欠として帆  足計君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一〇四号)  輸出保険法の一部を改正する法律案内閣提出  第六七号)(参議院送付)  国民金融公庫主務大臣に関し大蔵委員会に申  入れの件      ————◇—————
  2. 小平久雄

    小平委員長 これより会議を開きます。  まず、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  本案につきましては、他に質疑もないようであります。これにて質疑は終局いたしました。  引き続き討論に入るわけでありますが、別に討論もないようでありますので、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認めます。よって、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  4. 小平久雄

    小平委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  この際、阿左美廣治君外六名より、本案に対し、自由民主党及び日本社会党共同提案にかかる附帯決議を付したい旨の提案がなされております。この際、阿左美廣治君に発言を許します。阿左美廣治君。
  5. 阿左美廣治

    阿左美委員 私は、自民党、社会党共同提案により、本案に対する附帯決議をつけたいと思うのであります。  まず附帯決議の案文を朗読いたします。    中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   中小企業金融機関機構充実必要性は、独り中小企業金融公庫についてのみではないので、速かな機会に、特に国民金融公庫及び商工組合中央金庫機構(役員)についてもそれぞれ強化の措置を構ずること。 以上であります。  この附帯決議趣旨について、簡単に説明をいたしますと、商工中金には、現在副理事長というものは、定款に定めてあるのみでありまして、法律的に何もないのでございます。ただこれは、副理事長というものが、仮定的に定款に定めてあるだけでありまして、公けの上においての制度におきましては、副理事長というものは、現在ないのであります。しかし、これは今後、大いにこの業務を拡張いたしていく上におきましては、どうしてもこの制度は必要と考えるのでございまして、副理事長というものを法律の中に置きまして、そうして相当の権限を持って、すベての処理を円滑にしていくということが、現在の中小企業金融措置に対しますところの、最も適切な措置と考えるのでありまして、今回これを法文の上に改めまして、中小企業金融の円滑をはかるために、商工中金に副理事長制を法文化したい、こういう趣旨でございます。  また、国民金融公庫にいたしましても、最近非常に小口を扱うのでございまして、いろいろの事務が非常な煩瑣でございますので、理事増員をはかりまして、そして、すべてこの小口零細業者に対するところの金融を円滑にいたしたい、こういうことでありまして、それには、やはり理事の一名ないしそれ以上の増員を必要とする、またそういうふうに法を改める、こういうような趣旨におきまして、自民、社会両党の共同提案によるところの附帯決議をいたしたい、こういうわけでございます。  どうぞ御賛成を願いたいと思います。
  6. 小平久雄

    小平委員長 採決いたします。阿左美君の御提案通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際、前尾通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。前尾国務大臣
  8. 前尾繁三郎

    前尾国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨、まことにごもっともと考えておりますので、御趣旨に沿って速急に努力をいたしたい、かように考えます。
  9. 小平久雄

    小平委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  11. 小平久雄

    小平委員長 この際、国民金融公庫主務大臣に関し大蔵委員会申し入れの件について、阿左美廣治君より発言を求められておりますので、これを許します。阿左美君。
  12. 阿左美廣治

    阿左美委員 国民金融公庫主務大臣に関し大蔵委員会申し入れの件、その案を朗読いたします。   国民金融公庫貸付は、その九割近くが普通貸付分によって占められている。この普通貸付の対象となるのは、中小企業者特に零細企業者層であって、零細企業資金需要が、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫を初め、他の専門機関によっては充分に満たされ得ない今日、国民金融公庫の果たしつつある役割は、まことに大なるものがある。   このように、国民金融公庫中小企業金融上甚だ重要な地位を占めており、他方政府関係中小企業金融機関たる中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫主務大臣は、通商産業及び大蔵の両大臣となっているにも拘らず、現行国民金融公庫法においては、公庫の監督その他の規制事項に関しては、大蔵大臣の主管であつて、中小企業振興育成の施策にあたつている通商産業大臣が関与し得る規定がないのは、極めて実情に則さないきらいがある。   よって、国民金融公庫主務大臣を、大蔵及び通商産業の両大臣とするよう、速か  な機会に、制度改正を行うべく措置せられたい。 以上であります。
  13. 小平久雄

    小平委員長 お諮りいたします。ただいまの阿左美君の御提案通り国民金融公庫主務大臣に関し、大蔵委員会に意見を申し入れることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 小平久雄

    小平委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  15. 小平久雄

    小平委員長 次に、輸出保険法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑を継続いたします。佐竹新市君。
  16. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私は、輸出保険法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、輸出入の問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。問題は、昨年の十一月から十二月にかけまして、私が前尾通産大臣にもたびたび申し上げました韓国ノリ輸入の問題であります。これは日韓両国の会談が進められておるさなかでありまするし、向うの漁民の諸君の感情を阻害してもならない。なお、日韓問題は、重要な問題であるから、これをすみやかに処理してもらいたいということを申し上げまして、通産大臣は、さっそく処置するように考えるという御答弁でありましたけれども、その後、輸入業者並びに全南漁連韓国通商代表部日本通産省、それと生産者関係水産庁関係関係いたしまして、なかなかデリケートな問題が渦を巻きましたために、ついに本年に入って、先般通関がされたような事情でございます。  しかしながら、この一億枚を輸入したということだけで事足らずして、この問題と関連いたしまして、たしか昭和三十年か三十一年かに入れましたノリが、いまだに約二十万束ほど渋沢倉庫に置きっぱなしになっておるのでございます。これはどういうわけで置きっぱなしになっておるかというと、当然その当時に需給調整協議会で話し合われました一億のワクで、日本輸入業者が、韓国の窓口一本でありまするところの全南漁連というノリ組合に、日本通産省の方でLCが開設されたから、そこでわれわれは契約するという、この日本側業者と全南漁連との間に契約をして持ってきたものであります。しかし、ノリは、いつも私が申し上げますように、ごたごたもめます。国内に入ってくると、もめる。ちょうどそのときも、その契約に基いたノリを引き取れば、今日渋沢倉庫に、もろ四、五年もほったらかしてあるノリが残っていないのでありますが、そのときに、どうしたものか、韓国から成規手続は、向う出港証明は確かにとっておりますけれども、韓国の国のことでありますから、いろいろ税関を買収してみたり、あるいは係員を買収してみたりして、日本には密航で入ってくる。いわば出港証明はとっておるけれどもが、密航のような船がたくさん、ノリやその他のものを積んで日本の港に入ってくる。日本の方では、これが出港証明を持っておる限りにおいては、どうしても保税倉庫に揚げさせないわけにいかないから、通関手続はしないが、保税倉庫に揚げさせておる。こういうノリが、やはりその当時、三十一年にあったわけであります。これは、そういうことで来ておりますから、非常に安いノリである。そこで、全南漁連契約したノリよりは、その方が大体半値で買われるからということで、割り当てられた外貨を返して、無為替でもって入れたわけであります。これは伊藤忠を初めとする大手筋商社が、安いそういうノリを入れました。それがために、結局最初に契約して持ってきましたところの全南漁連ノリが、それだけ残ってしまった。ところが、ノリの問題は、いつも輸入しますときには、需給調整協議会で、生産者側と、ちょうど、昨年から本年にかけて非常にごたごたしたのと同じように、もめるものですから、いつもこれが通関にならない。おそらく四年くらい渋沢倉庫にこの品物があるわけでありますが、もとをただせば、一体どこに責任があるのであるかといいますと、私はどう考えてみても、そういう業者が、一たん契約をして持ってこさせておきながら、その契約を履行せずして、そうして密輸で入ったものを、値段が安いから買いたいということでそれを買った。こういうことで残っておるわけですが、この無為替輸入許可した一番の責任通産省にあるので、私は水田通産大臣石橋通産大臣、この両大臣の当時、委員会におきまして、無為替輸入の問題については、再三再四繰り返して答弁を求めておりまして、速記に残っております。無為替輸入はやらないということを、石橋通産大臣も、本委員会においてはっきり言明しておるわけです。そういうようなのに、業者から手が回るか、あるいは有力者が動いたかしらないけれども、そういうものを入れたために、残ってしまった、こういう形になって、いまだに残されておる。私は、この責任は、無為替輸入許可した通産当局の方にあると思いますが、そのいきさつについて、詳しく御答弁を願いたいと思います。
  17. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 この無為替輸入の問題でありますが、無為替輸入につきましては、ノリといわず、一般的には、非常に慎重な態度をもって臨んでおるのであります。御指摘の、この韓国ノリの、無為替輸入の問題につきましては、ただ単に、無為替輸入ということではないのでありまして、いろいろな事情で生じました韓国に対する債権回収であります。われわれといたしましては、債権回収につきましては、現金回収をするということが望ましいのでありますが、なかなか現金では送り得ない、あるいはノリ以外の商品についても、なかなか回収ができないということで、いろいろ時間もたちますし、結局、ノリでもって債権回収せざるを得ないというようなことになりまして、許可をしたのであります。なぜノリを選んだかということについては、この現金あるいは他の商品について、いろいろ再々指導してやらせましても、なかなかうまくいかぬということになったのであります。他方また、せっかくある債権を、そのままに捨てておくわけにもいきませんし、為替管理法建前からいっても、債権回収はいたさなければならぬことでありますので、やむを得ざる措置としてさようになった、こういう事情でございます。
  18. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 それは通商局長が、無為替という責任を負わない立場から、焦げつき債権に対する処理のために、そういう手続をしたといわれておりますけれども、しかし、この問題に対しては、三十二年の十一月十一日に、本委員会で、私が、今、通関手続をとっております韓国ノリの問題について、相当長い時間質問しました。それに関連しまして、ここにおります加藤清二委員が、関連質問をされておるのでありますが、このときにも、それでは、インドネシアやフィリピンでも、相当に焦げつき債権があるが、みなそういうようにして、無為替輸入でその焦げつき債権処理をするのであるか、こういう質問までしておるのです。それと同時に、あのときの、焦げつき債権という形にはしておりますけれどもが、それはそういうような形式をとっただけであって、実際には、あのノリの入ってきたときの実情は、私はよく知っておるのです。と申しますのは、これは、何も国際産業や、それから山口県の網元が関係をしたノリではないのです。持ってきたノリというものは、そういうノリではない。私の友人に、大矢省三君という人がおられまして、この大矢省三君の友人が、大池という日本名を持っております朝鮮人なんです。この朝鮮人の人が、ちょうどそのころ、密輸で入って因っておるのだ、向う出港証明をとっているが、困っておるのだ、一つこのノリの処分をしてもらいたい。大矢君はそういうことがわかりませんから、私のところへ言ってきた。私も、わからないと言っておったが、その大池君が言うのに、いいことをして入れることができます、それはどういうことであるかというと、日本へそういう無為替でなかなか入れるというわけにいかないので、一応、沖縄にそれを買いたいものがおって、沖縄へ送る品物を、沖縄では加工ができぬから、一応神戸の港へつけて加工をして、それから今度は沖縄へその加工品を持っていくというようにして、ある商社と、そうして沖縄の支店と連絡をとって、沖縄の方が買い入れる。こういう手の込んだ運動をして、そうして入れる。それで、揚げたものは、沖縄へは一部分送っておいたらいい。あとは加工したといっても、現場を監督するわけではないから、処理できる。こういうふうにすれば、多少運動にも金が要りますが、そういうふうに運動をしてもらいたい。こういう話であったから、私は、そんなことをしてつかまったら大へんだというので——大池君というのは、昔、社会運動にも関係をした古い人であります。日本に、もう何十年からいる。それから二、三カ月、私のところへ来なかったのです。ところが、とうとうあのノリの解決をつけましたよ、通産省へもいろいろ行ったり何やかやしてからに、とにかく無理じゃったんじゃが、東和商事の中村さんらが奔走してくれまして、そうしてある代議士、これは二人ほど有力な人です、この人が通産省へ行って話をして、そうして無為替にしてもらいました、まあ半分ばかり運動費に使いましたよ。こういうことですから、これはもう偽わりないところです。行政委員長をやっておった大矢君が、よく知っておるのです。そういうものを入れさせたのですよ。焦げつき債権でもなんでもないのです。そういうことをして、これを通したのです。その結果が、契約を破棄してからに、そうしてあの渋沢倉庫にほうっているのです。それで、私は、この処理をどうせられるかというので、局長にやかましく言うのです。こんなべらぼうなことをしておる。もう、四、五年もたてば、ノリとしての価値はなくなる。積んでおけば、しけてしまって、どうにもならなくなる。そうすると、その責任は、通産省にあるなら、倉庫料から保険料から、これに対する損害から、今の日本政府は、訴訟をされたときにはどうしますか。もし、これが勢い訴訟なんかになり、通商代表部なんかも怒って、こんなことをするならやるというたら、通産省は一体どうしますか、御答弁を願います。
  19. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 いろいろ御指摘がございますが、私も、あまり古いことは知らないのであります。業者契約をして云々というお話でございますが、今の為替管理法建前からいうと、やはり許可を受けてから取引をする。あるいは許可が確実だということで許可をするのが、当然の行き方じゃないかと思うのであります。ところが、今そういう問題の起りましたのは、いずれも許可を受ける前に、見込みで物を持ってきたということに原因をするわけでありまして、過去の例を若干見ましても、そういう前年度売れ残り分税関にあるという場合には、次年度で持ってくる場合には、調整をして向うは持ってきているというのであります。ところが、三十一年度におきましては、どういうわけか、あるいは連絡が不十分であったのか知りませんが、向うがそういうことをかまわずに持ってきたというところに、そういう売れ残りができたのでありまして、これは政府としては、関係のないことではないか。要するに、許可を受けずに、彼らが見込みで持ってきたものでありますので、税関でどうなろうと、われわれとしては、これはやむを得ないのではないかというふうに考えるのであります。また、無為替輸入につきましても、それぞれ債権回収としまして、大蔵当局の認可を受けているわけであります。従って、それが今、先生の言われるような擬装な債権であったかどうかということについては、われわれとしては、十分よく承知をしないわけでありまして、大蔵当局が、万全の調査をして、また事情を調べて、そういうことを許可をしたのじゃないか。われわれの方は、ただそれを受けまして、その債権回収を確保するために無為替輸入になった、こういう事情になっております。
  20. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 通商局長は、最近おかわりになったので、まだ日が浅い。アメリカにおられたので、あの当時のことは十分わからないです。われわれは、前に水産委員をしておったときに、前は全南漁連ではないのです。韓国海苔輸出組合という組合がありまして、これと日本インポーターとの間で契約の取りかわしをしておったのですが、その当時に、むちゃくちゃに東和商事ノリを入れる、そうして国内ノリが値下りになる。そうすると、生産者に非常に影響するというので、あの機関をきめまして、国内ノリを入れるときには、協議会において大体相談をして、今年度ノリのできが少いとか多いとかいうことによって、調整をとるというので、需給調整協議会で話し合ってやる。こういうようなことで、当時相当問題がありましたが、全国の生産業者農林水産委員会に押し寄せたり何かして、とうとうあの協議会というものが作られたわけです。従って、それから後韓国ノリ輸出組合というのはなくなりまして、それからは、ノリ生産する業者ということになってやるのであります。今、あなたは、許可をしてから契約云々と言われますが、今までの慣例は、必ずしもそうなっていない。政府が、本年度においてこれこれのノリ外貨の割当をやるということが公表されましたら、もうすぐ業者は、韓国業者、全南漁連契約をしたのです。これはその通りなんです。そういうのが慣例なんです。一億枚契約して、一億五千万枚持ってきたというなら、これは見込みで入れたということになる。あるいは一億二千万枚持ってきても、それは一つ見込みで入れたということになる。一億という数は、需給調整協議会で、今年度日本へ輸出するノリは一億ということがきまったので、一億のものを契約して入れたので、一億二千万枚持ってきたのではない、一億三千万枚持ってきたのではない、一億持ってきた。それを、横から今のように割り込んだから、契約したものを破棄した、そうして無為替であなたの方に入れることを許されたから、そこでずっと四、五年間残っておる。これは局長さん、その当時の事情を詳しく知らないのです。失礼ながら、ノリは、私の方がずっとやっておるから詳しい。ノリ博士です。バナナノリは、私の専門です。そういうことでやった。そこに問題があるわけです。それで、ことしもいけないということなら、いつ入れるかということになる。どういうように処理をするかというその処理方法を、何も局長さんや課長さんで頭を痛める必要はない。日本政府側落度があったものは、あっさり落度があったのだ。これはつっついていけば、ほこりが出ます。そこまでほこりを立てずに、これを政治的に解決する御意図があるかどうかということを、私は、局長さんでなしに、通産大臣にお尋ねしておる。御答弁願いたい。
  21. 前尾繁三郎

    前尾国務大臣 実は私も、従来のいきさつについては、詳細存じませんが、この問題がどこから起った、またどういうふうに解決すべきかということについては、検討して善処したい、かように考えております。
  22. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 これは、あえてこの問題だけではない。私は、再々この委員会で言っておるのですが、ノリというものは、ことしは、特に暖冬異変があって、国内生産が少い。少いところへ持っていって、ごたごたして入れたような形になっておりまして、奥さんなんかにお聞きになれば、ノリ市場価格末端価格がどのくらいしておるかということは、よくおわかりになろうと思う。これは米や何かの主食とは違って、年百年じゆうなければならぬものじゃない。しかしながら、非常に高い値段になっておる。ほとんど倍額になっておる。朝鮮から入れるのは八十セントで入れるが、これがだんだん高くなって、末端価格は一向に下っておらぬ。ですから、こういうものは、バナナと同じように、国が差益金を取って、そう暴利を業者にもうけさす必要はない。品物が少いのです。暖冬異変で、国内生産は非常に落ちておる、そこへ持ってきて、入れるのが一億という限度にしたものでありますから、国内ノリ不足なのです。そういう関係で、値段がべらぼうに高くなっておる。一例を申し上げますと、先般通関されたノリが八十セントです。その八十セントのノリを、どうしたものか——私も、きょう小笠君に出てもらいたいと言ったのですが、今度、国内通関手続をとって取り扱う業者は、いろいろなインポーターがおるわけです、それに直接取り扱わせたらどうか。通産省がそとまでテコ入れをして、中に入っていろいろなことをする必要はない。輸入業者に、勝手に保証金を積ませて、そして取るようにしたらいいのだというので、参考資料まで小笠君に出した。そしていろいろ話をした。いや、こんなととがあったとは、おれは初めて聞いた、初耳だ、それはいかぬということで、その書類を持って帰られたわけです。そうしたところが、今度どうかというと、一物一本にして、ほかの業者はみんな白紙委任状を書かして、それでもって一物が一手に代行した。そしてインポーターの仕切りは、何ぼで仕切っておるかといえば四百四十円。四百四十円で、インポーターはそこでもう利益をとっているわけです。これらに対する手数料とか、いろいろな諸掛りは、ほとんど全面漁連に背負わして、インポーターは、そこで十分な利益をとっているわけです。それを承知で、四百四十円で仕切ったわけです。今度一物が問屋に売るときは、何ぼで売るかというと、五百円で六十円、百万束あるから六千万円というものは、ことへ持っていってもうかるわけです。これは、問屋からすでに話をしておる。私は、小笠君に電話をかけて、やかましく言ったために、そんなことをしたら、幾らでもノリがつり上るじゃないかということで、今、一時、話が中断しておるような状態です。あなた方は、うしろで相談しておるが、あなた方は知っておられる。なぜ、それを知っておられるかというと、あなた方のところに業者が行って、その六十円をとるのはいけない、そんな高いのをとるのだったら、われわれの方に返してくれ。六十円は、一体何の金になるのか。うがった人間が言えば、その六千万円の金は、知らなかったら、どこやかしこに持っていって、分配されるのではないかという悪いうわさまで飛んでいる。そういうようなめちゃくちゃなことをして、通産省は、一向それをやりっぱなしにしておる。そんな、代行して一手でもって取り扱うようなことをやると、必ず前のバナナ加工組合のときの問題と同じような轍を踏む。そうして迷惑を受けるのはだれかというと、これを食べるところの消費者である。このようなことを、どうして通産省ではやりっぱなしにしておくのであるか。もちろん、通産省許可して入れさしたものであるから、国内値段は、そういうようなめちゃくちゃなことをしてはいかぬと思う。そういうふうに業者がもうかるものであったら、ここで差益金をとって——ノリは、いろいろ品種がどうだこうだというので、差益金をとるのはむずかしいが、国がとった方があっさりする。そんな大きなもうけがあるなら、バナナと同じようにとったらいい。ノリも、同じように解決される意思があるかどうか、この点を通商局長から御答弁を願いたい。
  23. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 えらくめちゃくちゃをやっておるというあれでありますが、決してわれわれは、そういうふうに考えていないのであります。あの当時におきまして、輸入を第一物産に委託をするという条件をつけましたのは、確かにわれわれの方でありますが、あの当時、韓国側からも、七、八十名のそれぞれの業者と決済するのは、非常に手間もかかるし、何とか一本で引き取ってくれないかという希望もありましたし、また、今、先生、るる御指摘のように、韓国側に対する支払いを迅速にやるためにも、ばらばらにやるよりは、一本にやった方が迅速にいくのじゃないかということで、業界の同意を得まして、輸入の委託を第一物産にさせたのであります。これは、あくまで本輸入段階までのことでありまして、入ってきたものの国内販売までも、第一物産に委託したわけではないのであります。従いまして、今、御指摘の四百四十円で輸入業者には仕切って、五百円でまた売って、六千万円云々と言われましたが、そういうふうな動きもあったように、私も承知はしております。しかし、これは需給調整協議会もあり、その中に輸入部会もありますので、輸入部会で、そういうことにしようという皆さんの同意があれば、われわれはけっこうでありますが、特定の人にそういう仕切りをするということは、若干問題もあろうかと思うのでありまして、従いまして、一括して特定のものに販売をするということにつきまして、輸入部会の総意がそうであるならばいいが、もし異論があるならば、それをやめた方がいいじゃないか。現物で引き取りを希望される輸入業者につきましても、それもいいのじゃないかというふうな点で、われわれの方は行政指導をいたしておるのであります。本来ならば、これは輸入物資の国内流通の問題でありまして、農林当局の所管かとも思うのでございます。農林当局とも相談をいたしつつ、輸入許可したわれわれの事務の延長というふうな意味で、そういう指導をいたしておるのでありまして、従いまして、六千万円を特定の社が一人占めにするということは、絶対許されないのではないかというふうに考えておりまして、今そういうふうな事情で、この輸入部会で、事実、相談をしておる最中かと思うのであります。  最後の、今税関に残っております約二十万束の処理につきましては、われわれとしても、いろいろな経緯は別といたしまして、こういうものが長く税関に残るということは、けっこうなことではないわけでありますので、できるだけ早く処理をしたいというふうに考えております。率直に申しまして、去年の秋に、今の一億枚というものが処理されておりましたならば、この二千万枚ももう少し早く処理できたかと思うのでありますが、この一億枚の分が、非常に引き取りがおくれて、四月以降に処分が行われておるというふうな状況でありますので、また、今御指摘のように、国内ノリの価格も非常に上っていることは事典でありますので、われわれとしましては、一日も早く農林当局とも相談しつつ、国内引き取りのできるように処置したいということで、目下農林当局と折衝中の段階でございます。
  24. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 局長は、需給調整協議会、あるいはその中の輸入部会というもので、これは話が円滑にいくというようにお考えになっておることは、私は、大体今まで考えてみると、あのごたごたして、いつももませたのは、需給調整協議会というものが、今年度国内生産がこのくらいだから、政府に対して、輸入に際しては、生産者国内値下りをさせてはいけないから、この程度にしてもらいたいというような、大まかなところをやるのである。しかし、今度ずっと、前尾通産大臣も御承知のように、昨年入ってきて、期日前に入れてきたノリがごたごたしたのは何かというと、要するに、八十セントでLCが出ておるわけですが、それを四十セントから六十セントに値切り倒そうとする相談ばかりしておった韓国側から持ってきた方は、漁民から預かってきておるものであるから、そんなに値切られてはいけないからということで、聞かない。それで日にちが過ぎてからに、ノリを入れてはいけないという時期に持っていって、入り込ましてしまっておいて、そこでまたたたこうという、こんな値段を、いかに何とはいいながら、相手の国のあることです。特に日本は、韓国から輸入するのは千二百二十万ドル、六千八百万ドルというものは韓国へ出しているわけです。それだから、日本側が輸出超過になっている。お得意先なのだ。そうしてまた、李承晩ラインとか、向うに拿捕抑留されている漁民とかいう関係で、政府は一生懸命、今、日韓会談を再開してやろうとしている。こういうやさきに、日本へ持ってきたものが値切り倒されて、期日はなにされている。これはみな、韓国側がその間の金利を負担しているのです。そういうようなことは一つもやらずに、ノリの問題なんかというと、もうけが荒いものだから、ごたごたもませ詰めている。こんなことをすれば、今、ちょうど向うは総選挙です。全南漁連理事長も立候補している。相当大きな政治力を持っているのです。対日感情というものは、ますます悪化してしまうということになる。こういう問題は、やはり需給調整協議会の行き過ぎである。需給調整協議会は、そういうごたごたを、そこを一つの根城として、そうしてやって、その結果、入れたものがどうなるかというと、国民の消費する値段が高いものにされている。いわゆる厳密な意味からいえば、物価のつり上げです。物価を倍にもその上にもして、どんどんもうけをとる。そうして物価のつり上げをしてしまっている。消費者は、高いものを食わなければならぬ。またこの問題が起きますと、同時に、ごたごたもめるのは、どういうことかというと、これは生産業者の側に立つ農林委員会の方から牽制されて、水産庁と通産省と話し合ったときに、どうも話が進まぬという、こういう形になる。だから、こういう問題は、委員長にもお願いしておきますが、商工委員会は、消費者の立場に立つ、中小企業の立場に立つ。向う生産者の立場に立っているのですが、今、一方的に、商工委員会は無視されてしまっている。そうして、農林委員会のごく一部の人が、ノリといったらきまっているが、そういう人が、農林省へ行って圧力をかける。そういうことによって、ごたごたして、不明朗なことばかりやっているということは、根本的に考え直さなければいけないと思う。だから、今の起きた問題は、そういうものがこじれて、ここに堆積されてきている。だから、私は、輸入課の課長にしても、係長にしても、班長にしても、あまり業者の中に介在し過ぎてはいけない。介在し過ぎる。あなた方が何ぼ隠しても、私はよう知っている。今度の問題でも、介在し過ぎている。一物に持っていってやらしたり、これは業者があなたのところに陳情に行って、こうしてくれといったのではない。あなたの方の指導によって一物に結びつけて、信用状を書かしている。そういうことまで介在してやる必要はない。あなたのところでは、ちゃんと与えられた行政措置によって監督していけばいい。介在し過ぎると、物価が高まったりなんかするようなことに、自然持っていかなければならぬような渦の中へ巻き込まれてしまう。それは、もちろんえらい人が来て、こうせい、ああせいと言われれば、それはやらなければいかぬでしょう。やらずにおれば、首にかかわるということがあるかもしれませんが、私は、大胆率直に、そういう考えを持たずに、与えられたことをやっていって、ここに不明朗な点があるといえば、上司と相談して——大臣や次官や、局長さんに話してみると、つんぼさじきに置かれてしまってわからぬ。こまかい問題だから、わからぬのかもしれないが、しかし、この商工委員会で、われわれが発言をしなければならぬようになり、こういう国会の問題になるということになれば、そんなことでは済ませません。責任を感じなければいけない。私は、みなまでここでは言いませんが、どの程度まで介在しているかは、私は八方から情報があるわけです。それは業者からもあれば、問屋からもある。韓国通商代表部からもある、全南漁連からもある。どこからもみな来ている。あなたの方でどういう話をしたために、こういうことになったのか、みな知っている。だから、この問題は、もはや公けの問題になっているのだから、今局長の言われるように、私が前に言ったように、そういうような横から割り込んで入ったのを許したという形になっているから、早急に政治的な解決をつけなければいけないと思う。もう一度通産大臣の御答弁をいただきたい。
  25. 前尾繁三郎

    前尾国務大臣 ノリの配給の問題につきましては、行政官庁も、農林省と通産省に分れております。また委員会関係で、国会の方々のおっしゃる点も、私の聞いておりますところでは、農林関係の方々の考えと、通産関係の方の考えと、食い違いもありまして、その間ごたごたしておるということは、いなめない事実だと思います。従いまして、これは根本的にやはり考えなければならぬのであります。また需給調整協議会につきましても、根本的に考え直さなければ、毎年こういうようなことを繰り返すということに相なると思います。従って、これらの問題を深く掘り下げて、今後の方針を考えますとともに、ただいま起っておりますような、倉庫にほうり込まれておるような問題につきましても、あわせて早急に解決するような方策を考えたい、かように思っております。
  26. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 ちょっと補足さしていただきますが、今、通商局輸入課の者が深く介入をし過ぎておるという御指摘でありましたが、私は局長といたしまして、そうは考えておりません。できるだけ個々の取引については介入しないという方針で、従来参っておるのであります。ところが、率直に申しまして、役所がある程度の指導をしないと話がまとまらないことは、先生も御存じの通りかと思うのであります。利害の相対立する者が需給調整協議会を結成しているということで、昨年来、価格の交渉について、いろいろな問題があったことは、十分御存じだろうと思うのであります。その際におきましても、いろいろ輸入行政官庁として、あまりにもだらしないじゃないか、少しも指導もできない。日韓貿易の重要性を説きながら、なぜ一億枚くらいのノリ輸入がやれないのかというような、おしかりもあったのであります。われわれは、許可している以上は、あまり個々の価格に介入してはいかぬということで、実は傍観しておったのであります。案の定、話がまとまらないということで、ここにおる韓国側の代表部からの強い要望もありまして、ある程度こういうことでどうだという調停役に入っただけであります。最初の段階におきまして、一物を一元的な輸入委託者にするという問題も、これをいたしませんければ、私は率直に申しまして、まだあの一億枚のノリ輸入の解決はしておらぬと思うのであります。こういうような方向によって、何とか早く解決をしたいという、われわれの誠意のところは、御了解を願いたいと思うのであります。深く介入して、何か業界と特殊のコネクションがあるような響きを受けましたが、ここに輸入課長も、担当の班長も参っておりますが、決してそういうことはない。われわれは、誠心誠意この問題を早く解決をする、また韓国側の希望にもある程度沿いたいということで、誠心誠意処置をして参っておるのであります。そのためには、ある程度一部の業界からは批判は受けると思いますけれども、全然われわれが拱手傍観しておれば、問題は進まない。だから、必要最小限度の介入をしたというふうに御理解と御了解を願いたい、こう思うのであります。
  27. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私は、何もとげを含んでそう言うのじゃないのです。もちろん通産省が指導監督されるととはいいのですが、必要以上に介入をきれるということは問題だ。というのは、今の四百四十円で仕切って、それが今度五百円で一物が問屋街へ出そう、出しておるという。私は小笠政務次官に電話をかけて、大へんなことをしよるじゃないか。一物も、もちろんインポーターの一人だから、これがみんな輸入して、相当な手数料の利益を取っておるわけです。取って、問屋へ卸すのに六十円というものをやったら、これはだれが分け前を得るのか。これは六千万円が宙に浮くという結果になる。だからこそ、あまりひどいことをするというので、輸入課の中西さんのととろへ輸入業者の連中が行って、あまり取り方がひどいからということを、強く陳情の形で言っておるということを聞いておる。そういうようなことは、一物というものに持っていって、白紙委任をさせて、そして第一物産が取扱いの代行をやるというよう形にしてしまうから、そういうことがなされる。これは、このごろであったら、おそらく五百円に売って、六千万円というものがここに浮いてきておる。六千万円を、一物一人で取るということじゃない。一物としては、何か腹があって、また次の品物をやろうという考えがある。そういうようなことを、業者みずから、あまりひど過ぎるというのです。この間も、松尾局長が言われたじゃないですか。もしそういうことがあるのであったら、インポーターの方に割り当てると言うが、私はそうじゃないと思う。そういう六千万円もなにしておったら、これはまた消費者に引っかかってくるのです。それで、市中のノリは、これから花見なんかで、巻きずしをこしらえたりするので、相当上る。そういうことなら、六千万円というものは厚生省へ持っていって、慈善事業にでも寄付したらいい。そんなものをもって消費者に引っかけては困るということを私が言った。そのくらいにしなければいかぬ。そういうことは、ここできれいな答弁をされますが、私は、介入にも指導監督にも、限度があると思う。役所のやるべきことをやったらいい。それを必要以上に入ってやるから、そういう結果になる。これは通商代表部が、韓国のいわゆる全南漁連から委任状をとって、それで今の韓国銀行が金を貸しておりますから、韓国銀行は代表部との話し合いになって、全南漁連は、これで販売権も何もない、代表部と話し合うということで、代表部と中西さんの方が話をされたのです。全部わかっておる。だから、そういうようなことについて、結局、こんな不明朗な問題が役所の中でうわさされるだけでも、よくない。そういうことをやらないように、ここで差益金を取る、それからまた、場合によっては商工委員会の皆さんにお願いして、この農林委員会決議をたてにとって、需給調整協議会でこんな不明朗なことをやられるのだったら、消費者の立場からも、商工委員会決議をとって、商工委員会と農林委員会と話をして、今後こんな不明朗なことはしてもらいたくないというふうにして、できるだけ末端の消費者価格を安くしてもらうという方向に持っていってもらうことが一番いい。だから、私は、こうなってくれば、今の需給調整協議芸とか、あの中にありますところの輸入部会とかいうものを、あまり信用しておれない。何をやっているか、わけかわからぬ。だから、そういう点について、今、通産大臣が言われましたように、もう、四、五年もほったらかしてトラブルを起しておるというようなことがないように、それから、もうこれからは、入った品物、たとい横から入ってきても、全南漁連というものは、窓口が一本になっておるのだから、そのほかのところから入ってきたものも、業者の背景に政治家が介在して、そうして圧力で頼むというようなときには、通産省輸入課が動かぬようにしてもらわぬと、問題が起ってくる。これは、今のあなた方の責任じゃない、前からずっと堆積された問題ですが、幸いにして前尾通産大臣がいろいろ農林省側とも話されて、ことしはノリが不足しているから、一日も早く入れてやって処理してやるというようにして、日韓会談なんかに悪い感じを残さないようにしていただくことを、特に申し上げまして、私の質問を終ります。
  28. 小平久雄

  29. 加藤清二

    加藤(清)委員 私は、この際、ただいま審議されております輸出保険法の一部を改正する法律案並びに参議院へ送付になっております日本貿易振興会法案等々に関連いたしまして、本日は、主として映画の貿易関係についてお尋ねしたいと存じます。  御承知でございましょうが、すでに本年度の上期の外貨割当が発表されております。その外貨割当、特に映画輸入の方針というものは、その目的が、外貨の流出を防止するという点と、共産圏映画の侵入を防止するということで、当初始められたわけでございますけれども、その結果は、今日では、アメリカ映画輸入の偏重となり、占領時代のマッカーサー政策そのままの継承、その発展は、やがて映画輸入に関しては、植民地扱いをされている、こういう感が深いのでございます。そこで、まず第一に承わりたいのは、この映画輸入をされる場合の外貨割当の基準と方針、次に、今年度の割当の金額は、一体どれほどであるか、これをぜひ明らかにしていただきたいのでございます。と申しますのは、すでに御承知通り、五六年度の映画入場人員を調査してみますと、まさに十億一千万人でございます。これは、前年度に比較いたしますと、一二・八%の増となっております。なお、その際の入場料を調べますと、これが八百八十二億ということに相なる。これまた、前年度比一一・五%の増と相なっている次第でございます。つまり、十億の入場人員ということは、日本国民が、少くとも一年間に十回以上は、入場料を必要とする映画館に入っているということでございます。一年に一人の人が十回以上接触するということは、これは国民生活にとって、重大なる影響を持ち、国民もまた関心を持っているという証拠である。そこから水揚げされる金額が、一千億になんなんとするということは、これは日本経済にとっても、また重大なる問題でございます。それが、巷間伝えられるところによりますと、輸入映画の割当方式なるものが、まるでマッカーサーの占領時代そのままの姿であって、独立した日本の姿は、どこにも見受けられない。こういうことでは、政府側としても、内心じくじたるものがあるだろうと思います。そこで、先ほどお尋ねいたしました諸点を、まず承わりたいのでございますが、これは主として大蔵省と、できるならば、外貨割当の基準、方針という点だけは、通産大臣にも御所見を承わりたいのでございます。
  30. 稻益繁

    ○稻益説明員 お尋ねの外国映画の輸入方針、割当方式でございますが、簡単に申し上げますと、現状は、前年の割当本数と配給収入というものを七、三の割合で按分して出しまして、それで各業者別の割当をやっておるのであります。ただ、一言申し上げたいと思います点は、御承知のように、これは昭和二十六年度に、司令部から大蔵省が引き継ぎまして、以来、今日までこの輸入方針、輸入割当方式でやって参っておるのでありますが、その間、全然変更がなかったかと申しますと、私どもとしては、私どもなりに、できるだけ実情に合うような変革は、行なって参ったつもりであります。たとえば、当初におきましては、国別に割当をいたしておったものを、現在におきましては、外貨予算によります通貨別に、いわゆるグローバルと非ドルというような割当方式に変えまして、グローバルと申します場合には、いずれの国の映画を輸入しても差しつかえないという制度に相なっておるわけであります。その他、本数につきましても、いろいろ外貨事情の窮屈になるに従いまして、若干減少いたしておりますが、こういう点も、どこの国の映画に最も多く響いたかという点は、実績的に見ますと、やはり米国映画に一番多く響いておるというような点も言えると思います。お尋ねの、根本的な割当方針というものが、こういう改革では非常に手ぬるいというお説は、大へんごもっともでありまして、私どもといたしましても、今回、この外国映画の輸入につきまして、いろいろその方針なり、割当の方式なりをきめますに当りまして、従来設けておりました外国映画の連絡協議会というものがございまして、その中に、輸入部会というものを設けておるわけですが、この輸入部会の委員は、従来は五名の方にお願いしておったのでありますが、さらに五名の方を追加をお願いいたしまして、実は本日午後、その第一回の会合をお願いいたしまして、いろいろ委員の皆様方の御意見を伺って、三十三年度の新しい輸入方針を決定して参りたい。その際に、ただいまお述べになりましたような点、また私どもとして、従来いろいろ反省すべき点、そういう問題点をあげまして、十分御審議をいただき、その御意見を尊重して新しい方針を決定したい、かように考えておるわけであります。
  31. 加藤清二

    加藤(清)委員 ことしの外貨の金額が抜けているのですが。
  32. 稻益繁

    ○稻益説明員 実は外貨予算は、貿易外の項目ごとで、映画だけとしては、決定的になっておらないのでありますが、大体、現在私どもが映画関係で一応予定しています金額を申し上げますと、上期の外貨予算で四百万ドルであります。
  33. 加藤清二

    加藤(清)委員 その外貨割当の基準と方針について、通産省の考えを……。
  34. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 映画につきましては、大蔵省所管でありますので、先ほど稻益財務調査官から御答弁通りでありますが、一般的に申しまして、外貨予算の編成に当りましては、そのときどきの為替事情によりまして、若干の変動はやむを得ませんが、根本の方針といたしましては、できるだけ貿易自由化の線に沿いたいと存じまして、AA制を拡大をする、また割当物資につきましても、グローバル制を拡大する。言いかえてみますと、国別等につきましての制限は、できるだけ撤廃をして参るということにいたしておるのでありますが、具体的なそれぞれの物資の割当につきましては、グローバルのものにつきましては、国別の制限を全然いたしませんで、どの国から入るのも、もちろん自由であります。もちろん、その通貨上の制約のあることはやむを得ないのであります。個々の割当をする基準といたしましては、大ざっぱに申しまして、需要者、すなわち、その輸入物資を原材料として使う製造業者に割当をするやり方と、それから、いわゆる輸入実績を持っておる輸入業者に割当をいたしますやり方と、両者を併用するやり方と、その三つを物資ごとに適当にあんばいをしてやっていくというのが、現状でございます。
  35. 加藤清二

    加藤(清)委員 この外貨割当を行うに当りましての基準、方針というものは、大体わかりましたが、それは一体条約で行われるのか、法律で行われるのか、それとも行政措置なのか。特にアメリカに対する割当というものは、法律、条約以外に、強制されるような趣きがうかがわれるわけでございますが、一体その割当を決定なさる場合に、何を基準として行なっておるのでございますか。
  36. 稻益繁

    ○稻益説明員 先ほどちょっとお答え申した中にありますが、前年度の実績、その中で映画の本数と配給収入、これをある割合で按分しましたその実績によって、業者ごとの割当をいたしております。
  37. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうすると、これは条約でもなければ法律でもない、こういうわけですね。行政措置で行われる、こういうことですね。
  38. 稻益繁

    ○稻益説明員 その通りであります。
  39. 加藤清二

    加藤(清)委員 それでは、次に承わりたいことは、今、あなたのおっしゃいました方針によって行われた結果、去年は大体外映が百八十本入っておるはずでございます。ところでメトロ、フォックス、パラマウント、ワーナーという、いわゆるメージャー系十社でもって百本の余を占めておる。六〇%以上でございます。ここが上げました収益は、千八百万ドルの余に相なっております。それが本国送金二〇%、蓄積円が八〇%ということに相なる。その蓄積円のふえた、やり場所のないものが、やがて電源開発に、すなわち、通産省所管にも、大きな影響を及ぼしているわけでございますが、一体、戦後米国から輸入されました映画の本数、米国の取得された外貨の金額、蓄積円の一覧と、その合計税収金額と徴税方法等の資料をお持ちでございますか。お持ちでございましたら、御提出願いたい。もし、なければ、後刻でもけっこうでございます。
  40. 稻益繁

    ○稻益説明員 ただいまここには持ち合わせておりません。後刻提出いたします。
  41. 加藤清二

    加藤(清)委員 それでは、本件の真相を熟知し、しかも、あなたのおっしゃいましたように、今までの方針の悪かったことを反省して、これを直そうという意図があるならば、ぜひとも今私の要求いたしました資料、これは、当然のことながら、検討をいたさなければならぬ資料でございますので、本委員会にも至急御提出のほど、この際要望しておきます。  次に、実績割当ということでございますが、これは前年度の実績に準拠する、こういうことに相なっておるようでございます。前年度に準拠するということは、だんだんさかのぼっていくと、マッカーサーが占領していたとき、すなわち、諸外国の映画フィルムを日本人が自由に購入できなかった時代の実績が、そのまま継承されていると思います。その結果は、アメリカ・フィルムを輸入する業者は、ほとんどアメリカ人で、日本人はごく少数しか加わっておりません。従って、アメリカ・フィルムの外貨割当の逐年増加は、やがて外人業者利益擁護と相なっておる。しかも、それは日本人に対する不利、不公平な待遇という結果に相なる。同時に、今や邦人業者の死活問題にまで相なっております。後ほど、その実例を詳細に申し上げまして、御了解いただきたいと存じますが、結局は、この前年度の実績に準拠するということは、ハリウッドの保護策ということになっておる。しかも、その結果は、その目的としておる外貨流出を防止するという方法の、全く逆の結果を来たしておる。また、とかく問題をかもし批判のある蓄積円は、ふえる一方であるが、この実績準拠という基本方針について、大蔵省としては、どのような感じを持っていらっしゃるのか、この点、承わりたい。
  42. 稻益繁

    ○稻益説明員 実は私どもも、実績基準が必ずしも最良の割当方法でないということは、常々感じておるのでありますが、こういう非常に特殊なものでありまして、一本の映画割当から、うまくいくと、かなり大きな収入が上るわけです。従って、そういうものについては、需要と申しますか、割当希望が非常に大きいわけです。そういうものを割り当てます際に、新たに理論的な基準を作ることは、はなはだ困難なわけでございます。従いまして、ある意味では便宜に出したという点は、あろうかと思うのでありますが、やむを得ず実績を尊重して参った。その間、若干それに影響を与えたと思います点は、たとえば、優秀映画を入れた場合に、ボーナスとして割り当てるとか、若干実績のみでない要素が入っておるという点を申し上げたかったわけであります。
  43. 加藤清二

    加藤(清)委員 私は、あなたの実績主義、特に本数実績主義というものが、占領政策そのままを継承され、それが逐年増加されているといわれているが、事実またそうなっているが、これに対して、あなたはどう考えていらっしゃるか、大蔵省としてはどういう考えを持っているか、こういうことを聞いている。
  44. 稻益繁

    ○稻益説明員 三十二年度までにやって参りましたことは、先ほど申し上げましたように、やむを得なかった措置であると思っております。
  45. 加藤清二

    加藤(清)委員 やむを得なかったということは、悪いということを知りつつも、いたし方なく実行してきた、こういうことでございますですね。
  46. 稻益繁

    ○稻益説明員 ほかによるべきよい方法がなかったということであります。
  47. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうではないでしょう。大蔵省にいらっしゃる人は、みんな頭のよい人ばっかしだ。全国で一番優秀な者が集まっていらっしゃるでしよう。しかも、お隣りにいらっしゃる松尾通商局長は、外割の方針がかくかくのごとくあると思って、すでに折衝を重ねていらしたでしよう。にもかかわらず、悪いと知りつつも——幾らばかでも、悪いと知ったら、これを改めますわ。ところが、十年この方それが改められず、逐年増加していったというかげには、何ぞあるような気がいたします。あなたたちの良心を、あえてまげてまでも、そうしなければならなかった理由が、一体あるかないか。あるとすれば、それを除去すれば改まるというても、改まらないだろうと思います。あなたの手で除去できなかったら、われわれの手で除去しなければならぬと思います。従って、その点をお尋ねするわけでございます。一体、あやまちだ、悪かったと知りつつも、なおほかに方法がなかったではない、あってもやらなかったという理由があったはずでございます。それはいかがですか。
  48. 稻益繁

    ○稻益説明員 ただいま申し上げましたように、私どもとしては、これが一番よい完璧な方法であるとは思わなかったということでありまして、これを決定するに際しまして、裏に特別の事情があったというようなことはございません。
  49. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうおっしゃりたいでしょう。けれども、かつてこの方針がややゆらいだ折に、某国からジョンストンという人がいらしたはずでございます。来られて、パーティーを五、六回おやりになりましたら、とたんに方針が変ったことを、私、記憶しているのでございます。まことに遺憾な記憶であります。そういう記憶は、早く喪失したいと思っております。喪失するには、やはり現在行われておる方法を改められることが、一番よいと思いますが、大蔵省は、よいとは思わないつつも、なおこの方法を続けようとなさいますか、それとも、近々のうちに改める用意がございますか、いかがでございますか。
  50. 稻益繁

    ○稻益説明員 先ほどもちょっと触れたのでありますが、新しい年度が始まるわけであります。新年度の割当方針といたしましては、今回、輸入部会の委員その他の増員もお願いしたわけであります。本日を皮切りに、数回御会合願いまして、各方面から公正な意見をいただきまして、その結論を十分尊重して、新年度の割当方針をきめたい、かように考えているわけであります。
  51. 加藤清二

    加藤(清)委員 実績の中に、本数実績というのと、ただいまあなたの御説明の配収実績というのがございますけれども、配収実績、これがまたくせ者なのです。しかも、この配収実績をとっておるということがやがて、先ほど申しました外貨流出防止と、全く矛盾した結果を生じているのでございます。この点、おそらくお気づきだろうと思いますが、たとえば配収が多い、つまり水揚げが多いと、来年の外貨割当がふえるということなんです。だれしもが、外貨割当は、より多くを望んでおる。より多く望むその希望の達成の基準が、上映した場合の水揚げが多いということになりますと、これは興行が目的ですから、従って作品の選択標準というものが、必然的に興行的に不安のないもの、つまり水揚げの多いもの、こういうところに基準が置かれていくと思います。その結果、文化的意義というものが二の次、三の次になってしまう。このことは、やがて芸術的価値あるいは教育的価値というものが喪失されていくおそれが十分にある。その結果は、安易であるところの西部劇、あるいはギャング映画、あるいはエロティシズムの映画が国内にはんらんする。このことは、やがて日本のフィルムにまでその影響を及ぼしております。日本のフィルムは、やはりそういう映画のイミテーションであるか、あるいは相似形のものが作られており、この結果は、やがて青少年の悪化を増加させるのみならず、奥様にまでよろめき族を招来する結果と相なっておる。そうしておいて、学校教育が悪いからというので、道徳教育をやろうといったって、学校の道徳教育は、全国民が十回も講義を受ける映画館、これは二時間たっぷりある講義なんです、これによって、はかなくも消え去っていくというこの具体的事実を、あなたは一体どう考えていらっしゃいますか。興行で水揚げが多くなれば、やがて本国送還の金もふえれば、蓄積円もふえていく。これは外貨の流出を一そう助長させていく、こういうことに相なっておるのでございますが、これについて、一体直接の責任者としては、どうお考えでございますか。
  52. 稻益繁

    ○稻益説明員 割当の基準といたしまして、前年の割当本数のほかに、配収実績というものを入れておるわけであります。これは、いろいろ見方もあろうかと思うのでありますが、お説のように、配給収入がよけいに上るということは、あるいは場合によって、俗っぽい映画だというような御批判もあろうかと思うのでありますが、私どもといたしましては、一応割当の本数だけを実績としてやっていくということ以外に、やはり観衆が喜ぶような、よけいにつくような映画というものが、そこに一つの基準として考えられるのじゃないかということで、この基準を実はとったわけであります。ただ御説のような点もありまして、こういう方式をとりました当初は、五対五でこれを見ておったわけでありますが、その後、若干配給収入の見方が多過ぎるのじゃないかというので、現在では七、三の割合で見るというようなことにいたしておるわけであります。
  53. 加藤清二

    加藤(清)委員 具体的にあなたの方でやっていらっしゃることは、私は知っている。そのやっていらっしゃるやり方ですな、配収に外貨の割当の増減をまかせるというこの方針がいいか悪いかということを、あなたはどう思っていらっしゃるかということを聞いておる。
  54. 稻益繁

    ○稻益説明員 先ほどからたびたび申し上げますように、いろいろな批判ができようかと思いますので、今回、連絡協議会輸入部会に諮りまして、こういう点の御意見を伺う。現在のところは私どもは、やはりやむを得ない措置であると思っております。
  55. 加藤清二

    加藤(清)委員 大臣が、やむを得ぬ用事があるようでございますので、それではこの際、系統的にずっと聞いていきたかったのですが、大臣のところに集約して質問をしたいと思います。  先ほど来、私が質問いたしておりますように、外貨は節約さるべきだと思います。特に外貨事情のバランスの悪化が、やがて金融引き締めとなり、金融引き締めは、やがて中小企業の倒産となり、そのことは、やがて日本の産業各部門にわたっての操短、その結果は、いろいろな社会悪をここに出来しておるのでございます。祖国日本の復興に当って、命の綱となるのは、何というてもドルでありポンドである。そのものがどんどん流出されるような方式がとられることが、よろしいのか。あるいは、もし、そういうことがいけないとするならば、通産大臣としては、どのような態度をとり、手を打たれようとするのか、この点について伺いたい。
  56. 前尾繁三郎

    前尾国務大臣 御承知のように、外貨を極力圧縮しなければならぬ、流出のないように努力しなければならぬということは、一貫した方針であります。その方針に従って、常にわれわれも外貨予算に臨んでおるわけです。ただ、いろいろ通商協定とか、そういうような問題の場合におきまして、ある程度こちらも輸入を促進しませんと、輸出ができないというような問題があるのであります。原則としては、極力外貨の流出しないようにというふうに考えておりますが、場合によりましてウイスキーを入れなければならぬとか、わずかなことで大きな効果が上るという場合におきましては、従来からも、いろいろ例外は認めてきておるわけであります。
  57. 加藤清二

    加藤(清)委員 私も、大臣の意見と、全くこれまでは一致しております。今の答弁は、ごもっともだと思います。ところで、御承知通り、アメリカと日本との貿易の帳じりを調べてみればおわかりの通り、年々歳々二億ドルの入超ということに相なっております。もちろん、あなたのおっしゃいましたように、イギリス、フランス等に向っては、貿易の帳じりを合せるために、バランス・シートを合せるために、買いたくないものも、ときには買わなければならぬということは、自分のホーム・グラウンドの毛織物で、身にしみて知っております。ところでアメリカは、年々歳々二億ドルの入超ということが慢性的になっておる。その上マグロ、陶器の関税値上げを手初めに、次から次へと日本商品に対する制限の手が打たれてきておる。この制限を撤廃するということは、自由党の党是の一つでもあり、と同時に、通産大臣が今国会の当初において述べられた基本方針の一つでもあるわけであります。繊維の方はリップル、サッカー、エバー・グレーズから別珍、コールテンに至るほとんどが、材料は向うのものでありながら、制限せられておる。それのみだと思うていたら、今日では毛織物までいかれておる。洋傘から洋食器、おもちゃに至るまで……。しかも、けちのつけようがおかしい。この絹は燃えるからいけませんとか、このおもちやは、毒がついておるからいけません。とんでもない話です。燃えない絹が、歴史古しといえども、世界じゅう五千年の歴史の中にありましたら、承わりたい。そういうけちまでつけられておきながら、なおかつフィルムに至っては、アメリカヘ、アメリカヘと、貴重な外貨が流出されるようにできておる。この施策というものが、果して正しい行き方であるか。あるいは、現在の状態に相マッチした行き方であると大臣はお考えであるのか。もし、そうでないとするならば、これを改むるにやぶさかでないのか、その点を一つ聞いておきたい。
  58. 前尾繁三郎

    前尾国務大臣 アメリカに対する貿易が、入超になっておりますことは、もうわれわれも、十分承知いたしておるわけであります。もちろんそのほかに、特需なり貿易外の問題がございます。それらを入れると均衡しておるじゃないかというような議論をされる方もあります。しかし、私はまだ、なおかつ輸入が多いというふうに考えておりまして、それにつきましては、極力切りかえてバランスのとれないところに持っていって、大体においてバランスのとれるような方向でいくという努力は、あくまでとっておるわけであります。  フィルムの問題につきましては、私、全然所管外でありますが、必ずしも私は、アメリカ映画がいいとは思っておりません。また、極力アメリカ映画に対する外貨の出ていきますことを押えるということにつきましても、われわれも考えておるところであります。ただ、一挙に、アメリカ映画はいかぬというわけにも参らぬと思います。その点につきましては、大蔵省の当局も、いろいろと従来から苦労はしておられると思います。さらに、ただいまのお話のように、今後の割当基準等につきましても再検討し、さらに、ただいま申し上げましたような方針で、いろいろ検討され、実施されるものというふうに期待しておるわけであります。その点につきましては、私個人としましても、今後努力をしていきたい、かように考えております。
  59. 加藤清二

    加藤(清)委員 大臣に、最後にお尋ねしておきたいことがございます。大臣は、二億ドルの慢性的な入超を改革するために、市場転換をあえてやるということを、本委員会の席上においても述べておられるのでございます。その言葉に間違いがあるかないか。それから、今、大臣のお言葉の中に、アメリカ映画が全部悪いわけじゃないというお話でしたが、それはその通りです。私も、アメリカ映画が全部いけないということを言うておるのじゃない、いいものはいい。ところが、問題は、世界じゅうどこにも産出するというものがある。そのものの六〇%以上をアメリカに仰ぐということがいいか悪いかということを聞いている。そういう外貨の割当の仕方がいいか悪いかということです。しかも、それは、大蔵省としては、悪いから改めようと言うておる。そこで、あなたにお尋ねしたいことは、あなたとしては、そういうことに対して、一体どう考えていらっしゃるか、こう聞いているのです。
  60. 前尾繁三郎

    前尾国務大臣 ただいま申し上げましたことは、そういう意味で申し上げたのでありまして、極力バランスするように切りかえていくという、私の従来から申しておりますことは、何ら変更ありません。また、ただいまのような、どこからでも入るというようなものでありましたら、極力輸出の拡大に役立つような方向にそれを使うということも、これは当然のことでございまして、先ほどの私の答弁は、その意味で申し上げたのであります。
  61. 加藤清二

    加藤(清)委員 次に、割当方式の件に戻りまして質問を続けたいと存じますが、先ほどの御説明の中に、グローバル方式というものをとったのだ。これはよいと思ってやったのだ、よりよくしようと思ってやったのだ、こういうことでございましたが、私はとんでもないことを考えていらっしゃるなと思う。今の答弁は実態を知らずに言うておるのならばいざ知らず、実態を知りながら言うておるということになりますと、よほどうそが入っておるのではないか、こう言わざるを得ないのでございます。なぜかならば、先ほどあなたも了解されたように、輸入がアメリカ映画が多過ぎるということと同時に、それを扱う商社がほとんどアメリカ人である。日本人は、そのおかげで圧迫を受けておりまして、今や死活問題にまでなってきておるという、こういう状況なんです。その折に、あなたのとられたところのグローバル方式でいきますと、アメリカ映画を輸入するところの業者は、アメリカ映画も輸入できるし、あるいは非ドル地域の映画も輸入できる、こういうことになったわけです。ところが、日本の非ドル地域のみの映画を輸入しておる側から見ると、このもらった外貨は、非ドル地域だけしか買えない。これがアメリカ映画も買えるということになっておれば、平等ということになります。しかし、アメリカ映画を買える人だけは、やがて権限が伸びて、欧州映画も、どこもみな買える、こういうことになります。欧州映画を買っておる方の人は、アメリカに手を伸ばすことはできぬ、こういうことになっておる。これで平等ということが言えますか。その結果、どういうことになったか、考えてごらんなさい。「素直な悪女」という映画があったでしょう。これはフランス映画です。「人間と狼」という映画があった。これはイタリア映画です。これは当然のことなら、非ドル地域の人が入れてしかるべきです。ところが、これは一体どうなっておるか、アメリカのメージャー系のインポーター日本にこれを入れて、これでかせいでおる、こういう関係になっておる。これで平等だということが言えますか。
  62. 稻益繁

    ○稻益説明員 私、先ほど申し上げた意味は、平等とかなんとかいう意味ではないのでありまして、割当方式として米国、英国、フランスというふうに、国別に割当をいたしておりましたものを、外貨予算上のグローバルと非ドルというふうに分けまして、従って割当を受けた業者は、グローバルであれば、いずれの国からの映画でも買ってよろしい、こういうふうにやったということを申し上げたのであります。
  63. 加藤清二

    加藤(清)委員 まことに異なことを聞くものだ。あなたは、前の割当方式がよろしくないということを是認していったのだ。にもかかわらず、このグローバル方式は、その悪いというのに、追い打ちをかけているじゃないですか。平等になろうとなるまいと、そんなことは勝手だという考え方ですか。日本業者が、死活問題で苦しんでおる。それを見殺しにしても、なおメージャー系を助けなければならぬ、そういう考え方ですか。大蔵大臣は、月給は一体どこからもらっておるのです。どこの国からもらっておるのですと聞きたくなります。その結果、一体どういうことになっておるか。日本向けの欧州映画は、非ドル地域のインポーターとメージャー系のインポーターとが競争するものだから、ますます日本向け映画の欧州値段というものがせり上っているのでしょう。松尾通商局長さん、ここをぜひ聞いておってもらいたい。なぜかなれば、あなたは今までも、商社の問題で常におっしゃった。商社の過当競争が、やがて日本向けの、購買するところの品物をせり上げていく結果になることは、日本にとっては非常に不利な問題であるということを、松尾局長は常におっしゃった。それを何とか修正することが、やがて貿易の帳じりのバランスを直す一つの手だてであるのだとおっしゃっておられたのですが、今や、欧州は欧州だけ、あるいはアメリカはアメリカだけ、こうなってきたときには、欧州映画買付の業者は、非ドル地域の人たちだけだ。ところがアメリカ映画買付の人にのみ、欧州映画も買い付ける権限を与えたのですから、ここでせり合いが行われることは当然でしょう。通産局長としては、そういうことを、よいことだとお考えでございましょうか。
  64. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 私は、映画のグローバルの内容は、よく承知をいたしませんので的確なお答えはできないのでありますが、われわれ外貨予算制度上グローバルといっております場合に、いわゆる全地域グローバルという場合と、非ドル地域グローバルという場合、二つのやり方があるわけでございます。そのグローバル制と過当競争という関連の問題でありますが、われわれといたしましては、国別にこまかい割当をせずに、できるだけ広範囲の割当をしておりまして、業者がその中で最も有利な買付をし、それを申請して参る、それを許可するという方法の方が、外貨の効率的な使用という点からいきますと、いいことだということで、そういう制度を漸次拡大して参ったのであります。世界の各国の為替管理制度の方向も、大体そういう方向に今向いておるようでございます。
  65. 加藤清二

    加藤(清)委員 あなたのおっしゃるグローバル方式ならば、それはけっこうです。ところが、このたび行われておりますこのグローバル方式は、一部の人にはオール権限を与える、一部の人には削減された、限られた権限しか与えられていない、こういうことなんです。あなたは、そういう方式がいいとお思いになるか。大蔵省に聞きたいことは、そういうことをなぜおやりになったか。もしそうだとするならば、欧州映画を輸入する方へも、なぜグローバル方式をとられなかったのか、なぜ平等な権限を与えられなかったのか。海外市場において競争する場合に、さなきだに日本人の競争力が弱いといわれておる今日、日本人にのみ制限を与え、外国人には勝手にふるまえるような方式を、なぜ与えられなければならぬか、理由が承わりたい。それでも日本人なのか。
  66. 稻益繁

    ○稻益説明員 ちょっと私の説明に誤解があるようでありますが、非ドルと申しますのは、極力米国映画を少くしたいという意図のもとに、非ドルというものを組んでおるわけでございます。グローバルと申しますのは、いずれの国の映画でも買ってよいわけでありますが、御承知のように、結果は、ほとんどが米国映画が買われておるわけであります。
  67. 加藤清二

    加藤(清)委員 とんでもないことを言っておっちゃいかぬ。あなたは頭がいいものだから、するりするりとこの場を言い抜けようとしておるが、そう言うておったって、ちゃんとつかまえますよ。最後に落ち行く先は、わかっているのだ。そこで、それなら承わりますが、今御承知でございましょうが、米国の映画産業というものも、不振なのですね。自動車産業、繊維産業、それから農業、すべてが不振なのです。生産の数量が、ずっと低下している。それをどうやってカバーするかということが、彼らのウエートになっている。米国は、自分のところのプロダクションから生ずるところの利潤ではやりきれないから、外国における利潤を重要視してきている。つまり、政策の問題だけでなくして、これを売買することによるところの利潤の追究に目を向けてきている。しかも相手方は、膨大な組織と巨大な資本とをもってやっているわけです。そういうものが一緒に競争させられた日には、ものにたとえれば、同じ土俵の上で、三役と幕下が一緒に相撲を取らされるのと同じです。相撲の世界は封建的であるといわれておるけれども、なお序の口と十両と幕内とは、別々に取るようにできておる。ましていわんや、日本の業界の保護、育成強化を目的とするところの本省は何がゆえに——こちらの権限ですぞ、こちらの外貨ですぞ、アメリカの外貨ではないのだ。アメリカで印刷された青券かもしれないけれども、使用権はこっちが握っておるドルなんです。それを与える場合に、なぜこういう不平等な結果が生ずるような割当方式をとられたのか。その点に焦点をしぼって聞いておるのですから、その点をお答え願いたい。
  68. 稻益繁

    ○稻益説明員 メージャー系が割当が多いということの御意見でありますが……。
  69. 加藤清二

    加藤(清)委員 割当が多くて、権限を一そう増加された、こういうことです。
  70. 稻益繁

    ○稻益説明員 後段の点でございますが、権限をとおっしゃいます意味は、グローバルをとったということでのお話であれば、先ほどから申し上げますように、米国映画のみを買うような仕組みよりも、割り当てた外貨によってヨーロッパ映画も買えるようにするということによって、米国映画偏重をいささかでも是正したいという考えでやっておるわけでございます。  それから第一段の、メージャー系に割当が多いじゃないかというお話は本数を申し上げれば、おわかりになりますが、先ほども申し上げましたように、これは実績で一応参ったものでございますから、かような結果になっておるということでありまして、この点についても、今回輸入部会で十分御審議をいただきたいというふうに考えております。
  71. 加藤清二

    加藤(清)委員 何でも輸入部会の方へ、輸入部会の方へとしわをお寄せになりますが、私は、輸入部会の御意見は、後ほど別途聞く用意もありますし、そういう道も持っております。今日は、私はあなたの意見を聞いておる。もしあなたの意見が全然ない、全部輸入部会の方にまかせるということであれば、その答弁でもけっこうでありますが、大蔵省としては、今後何も言わない、全部輸入部会の答申に待つ、こういう方針でございますか。
  72. 稻益繁

    ○稻益説明員 正直のところ、三十三年度の方針につきましては、白紙の状態でございます。従いまして、今回輸入部会の御意見を拝聴いたしまして、それを十分に尊重して、新しい方針を立てたい、かように考えております。
  73. 加藤清二

    加藤(清)委員 外貨の実権を握っておる大蔵省が、無方針であるなどということは受け取れません。しかも、日本の各省のうちで、一番最高の権限をふるうのが、大蔵省なのです。その大蔵省が無方針だ、そういうばかな答弁を額面通り受け取るほど、こちらもしろうとではございません。  そこで、引き続いて、グローバルの問題についての質問を続けますが、相手は、巨大な資本と、世界中にまたがるところの大きな組織を持っている。日本映画関係者は、まるで三役と幕下以下である。これを同じように競争させる。しかも、その材料たるや、日本の権利のあるところの外貨である。それを増量した上に、権限を与える。この結果は、欧州から日本に入るいわゆる教育的な芸術的な映画を、一そう時代のよろめきに合った映画に変えつつある。と同時に、それをやむなく見せられる日本人は、ほんとうにいいものを選択するところの自由を奪われた結果になっておる。自分の見たい映画、つまり、日本人の生活環境、風俗、習慣、そういうものにほんとうにマッチしたような映画、日本人の心のふるさとがほんとうに要求するところの映画、こういうものが、統計を見ますと、だんだん、だんだん少くなっておる。うそだとお思いになったら、これ見たらようわかる。このことについては、まことに遺憾だと思いますけれども、あなたの行われたところのグローバル方式というものは、営利主義だ。日本人の徳性がどうなろうと、日本の青少年がどうなろうと、そんなことは二の次なのです。その結果、識者のひんしゅくを買うような映画が、次々と上映されなければならぬ結果に相なってきております。こういう営利主義の手は、やがて興味本位となり、興味本位のはんらんは、先ほど申しましたように青少年の悪化、あるいはギャング化、なおまた輪をかけて日本映画の製作方針にまで、これが大きな影響を及ぼし、それはやがて太陽族がマンボとなり、ロカビリーと、こうなってきておる。これは文部省がどんなにかけ声をかけて、徳性が悪いの何のと言ったって、何にもならぬ。そこで、あなたにお尋ねしたいことは、このグローバルの方式を廃止する意思があるかないか。もし、廃止する意思がないとするならば、せめてドル地域と非ドル地域の二本建にするだけの用意があるかないか。こういう問題について、せっかく文部省社会教育局長が来ておられますので、日本の映画界に、道徳的に見て芳ばしくないという映画がはんらんすることについて、一体、どうお考えでございますか。
  74. 稻益繁

    ○稻益説明員 グローバル方式をやめる意図はないか、というお話でございますが、グローバル方式について、何か誤解をしていらっしゃるのじゃないかという気がするのであります。本来、ドルでもポンドでも、いずれの国の映画でも買ってよろしいというのが、このグローバル方式であります。役所の側から、ドル地域でなければいかぬとか、非ドル地域でなければいかぬとやかましく言いますことは、先ほど、通商局長からお話がありましたように、為替の非常に窮屈な、かたい為替管理をやります時期におきましては、そういう方式はやむを得ないのでありますが、だんだん自由化して参りますと、こういうグローバル方式による割当が、外貨の割当方式として一番いいのじゃないか、かように考えておるわけであります。普通のものについてさようでありますが、映画についても、また同様な考えが至当である。実はかように考えておるわけでありまして、私どもとしては、グローバル方式はいい制度だと思っております。
  75. 加藤清二

    加藤(清)委員 それは、前提条件というものを全然没却して考えれば、グローバルが外貨割当においていいに違いない。グローバルよりも、ほんとう言ったら、むしろAA制にすべきだ。ところが、アメリカにしても、イギリスにしても、日本よりはるかに外貨事情のよろしいと思われているところでさえも、なお制限が加えられており、自国の業者の保護育成ということについては、一そう考えられておることは、先ほど私が言った通りです。何でも自由でよろしいというならば、なぜアメリカは、日本の綿製品を禁止しなければならないのか。なぜ絹製品にけちをつけて、燃えるからなどと言わなければならないのか。冗談言っちゃいけませんよ。ふんだんに持っておる、ほとんど世界中のドルを集めて、世界を支配し得る能力を持っておるアメリカでさえも、なお、自国の業者の保護育成のためには、二億ドルの押し売りをあえて押えてまでも、それを回避しようとする日本の意思を押えてまでも、日本製品の輸入を禁止しているじゃないですか。冗談じゃありませんよ、何を言っているのですか。前提条件を没却したところのそんな基本理念なら、それは大学の講義です。今日の前提条件においても、なおかつ、この方式がいいと、あなたはお考えですか。
  76. 稻益繁

    ○稻益説明員 先ほどお答えしたつもりでありますが、問題の根本は、やはりどういう業者に割り当てるかというところにあるわけです。メージャー系か非常に多いということも、私が先ほど申しましたそういう前提のもとにおいては、現在、結果として現われておりますのは、メージャー系と申しても、ほとんど米国映画ですが、そういう結果が現われておるわけです。ただ、先ほどの先生の御質問が、グローバル方式そのものについての御質問だと思ったので、その点についてお答えしたわけです。
  77. 福田繁

    ○福田政府委員 ただいま御質問のございました、映画の青少年に与えます影響につきましては、私ども、非常に憂慮いたしておるものでございまして、たとえば、おあげになりました暴力映画、あるいは性典映画、あるいは太陽族映画等の出現によりまして、日本の青少年が悪影響を受けるということは、非常に憂慮さるべきものでありまして、日本の青少年をこういった種類の映画から守ることが、必要でないかと考えるわけであります。しかしながら、現状は、また現行法規のもとにおきましては、そういった面においての検閲がましいこと、あるいはまた必要な各種の措置が、なかなか講じにくいのであります。御承知のように、新映倫が発足いたしまして、昨年から映倫の自主的な統制のもとに選定を行いまして、極力青少年を悪い映画の影響から守っていこうという趣旨でやっておりますけれども、これが興行面に参りますと、いろいろな関係から、実際に青少年に対する影響というものが、完全に払拭できないというのが現実であります。従って、そういった点も、今後大いに是正いたさなければなりませんが、特に、新映倫ができましてから、先ほど来問題になっておりますところのメージャー系十社も、新映倫に対して協力いたしております。従って、そういう意味におきまして、新映倫が、自主的な統制によって今後やる度合、あるいはそのやり方によっては、多少の効果はあげ得ると思います。しかしながら、根本におきまして、国内映画につきましては、やはりそういった青少年に対する悪影響のある映画を製作しないということが、一番根本だと考えます。また輸入映画につきましては、大蔵省でもいろいろ御心配になっておりまして、たとえば、輸入部会等におきまして、これは、検閲はできないとは思いますけれども、何らか自主的な自粛方法がとり得ることが必要じゃないかと考えております。従って、今後、映画の内容につきまして、あまり青少年に悪影響のないような映画が入ってくることが望ましいわけであります。従って、私どもといたしましては、教育的な立場からものを考えますので、単なる娯楽本位の劇映画よりも、教育文化映画を今後入れてもらいたいということを、かねがね念願いたしておるわけでございます。そういった面につきましては、大蔵省とも、従前からいろいろ御相談を申し上げている次第であります。
  78. 田中武夫

    ○田中(武)委員 関連。  先ほど来、加藤委員から、外国映画の輸入の問題に関連し、あるいはその外貨の割当、それが及ぼす社会的な影響、こういうことについて、るる質問が行われております。ただいま、文部省の社会教育局長は、アメリカ映画の青少年に及ぼす影響、その社会性については、よくないということをお認めのようであります。従いまして、われわれもそう考えておるし、また一般も、そういうことが現在大きく批判せられております。そうなれば、貿易と申しましても、一般の雑貨や日常品を入れるのとは、映画は違うと思います。そういった社会性の問題、ことに青少年に対する教育上の問題、こういう点を、大蔵省は外貨割当に際して、あるいは通産省は貿易行政の指導面から、そういうことを考慮せられて今までやっておられたのかどうか。そういうことを考慮せられた結果は、そういった世論が高くなってきてから、どのように改められておるか、その点をお伺いいたします。
  79. 稻益繁

    ○稻益説明員 映画の内容についていろいろ批判がある点は、私どもも十分考慮し、そういういわゆる社会教育的な意味で悪い影響のある映画が入らないようにということは、念願するわけであります。ただ、私どもといたしましては、外貨割当をする際に、一々映画の内容を審査するというところまでは、実は参らないわけであります。従いまして、何らかこれの補完措置をとりたいというところで考えましたのが、優秀映画に対してボーナスを与えようということで、年間二回に分けまして、輸入される映画のうちで、優秀映画と思われるものを格業者から出してもらいまして、それを審査委員会にかけて、審査委員会委員の方々が判定して、昨年はたまたま年間四本になったのでありますが、従来は、八本だけ特にボーナスとして、優秀映画を輸入した人には割当をあげるというようなことで、補完をして参ったというようなことになっております。
  80. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 われわれの方の所管している物資には、そういう教育上云々という関係のものは、あまりないのじゃないかと思いますが、たとえて申しますと、書籍類があるいはそれに関連するかと思うのであります。これについては、従来から自動承認制でやっておりまして、役所の方で内容を何らチェックする制度になっておりません。これは制度建前から、やむを得ないわけであります。しかしながら、公序良俗に反する書籍類が入ってくるということでありますれば、これは為替管理の面ではなく、税関関係から、当然税関においてチェックをされるだろう、こう思うわけであります。ほかには、われわれの方ではあまり教育関係のものも実はございませんので、あまりそういうことの研究をしたことはないわけでございます。
  81. 田中武夫

    ○田中(武)委員 ただいま大蔵省は、そういうことは念願をしておるが、直接そういうことを取り締る権限もない。従って、間接的であるが、いわゆる優秀映画に対してボーナス制ということを考えておる、こういうことである。それから通産省松尾局長は、通産省の通商局として、所管のもので社会性を持つものは書籍等であるが、そういうものについても、制度建前から、十分そういう検閲というようなことも行われていない、こういうことです。そうすると、これは制度の欠陥の問題も出てくると思う。そこで、大蔵省にお伺いしたいのですが、念願することはけっこうですが、幾ら念願しておっても、念願だけでは、実効は上らないわけです。そこで、ボーナス制といって、いい方にボーナスを与えると同時に、悪いものについては制限する、あるいは、次には割当をしないとかいう罰則を設けるような措置は講ぜられないか、そういう点をお伺いいたします。
  82. 稻益繁

    ○稻益説明員 悪い映画と申します意味がなんでありますが、公序良俗に反するとか、いろいろな点で税関で検閲をやっております。また先ほど文部省からお話がありましたように、映倫の方でも、いろいろそういう検討をしておられるわけであります。それ以上に現在のところでは特別に、また私どもの審査委員会で、よくないという映画に対して削除するというようなことは、考えておりません。
  83. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほど来、加藤委員から、あなたは日本人か、どこから月給をもらっているかという質問もあり、あなたは頭がいいから、その場だけをのがれようとしているという詰問もありました。まさにその通りだと思います。あなた、日本人ならば、かつてやかましく言われていたアメリカの三S政策とか、四S政策とかいうことを御存じかどうか。それがどういう意思を持って行われたか御存じか。そういう観点から、外貨割当ないし、こういった外国映画の輸入という点についても、日本国民の公僕たる公務員ならば、そのくらいのことを考えて仕事をしていいと思う。そういうことはできない、考え方がないと言っておるが、今後、そういった考え方の上に立って、おかしなものを入れたり、日本の青少年に悪影響を及ぼすような、教育上由々しい映画を入れたならば、その罰として、次の外貨を割り当てないとか、あるいは外貨を削除することがでさるのかできないのか、はっきり言ってもらいたい。
  84. 稻益繁

    ○稻益説明員 十分検討したいと思います。
  85. 田中武夫

    ○田中(武)委員 十分検討したいということは、私の言ったことを了承の意味なのですか。三S政策は知っていますか、どういう意味を持ってやられたかということを知っていますか、もう一ぺんはっきり言ってもらいたい。
  86. 稻益繁

    ○稻益説明員 先ほど来申し上げますように、いろいろ映画の輸入について、御批判が各方面から出ているわけであります。従いまして、そういう問題は、全部この際輸入部会にお諮りして、各方面の御意見を伺って決定して参りたい、かように考えておりますので、ただいまお話しの点も、十分私どもとして、議題としてあげたい、かように考えております。
  87. 加藤清二

    加藤(清)委員 ただいま、ボーナス制の問題が出ておりますが、私も、全く今の質問者と意見が一致しております。そこで、私は、現在のボーナス制を、より強化するところの意思があるかないか、あるいはその具体的方策を持っているのかいないのかということを、お尋ねしたかったのですが、今の御答弁によりますと、目下のところは、ないようでございます。そこで、私が具体的に、この方法ではいかがかと思うものを出してみますから、今度は、あなたが批判する立場に立って批判していただきたい。  このボーナスと、それから輸出振興の立場をかね合せて考えますと、すでに輸出振興のことは、日本映画海外普及協会なるものができまして、輸出振興をはかっておられるようでございますが、私は、これは必要なことだと思うのです。その効果は、日本の文化の海外紹介にとどまらず、国際友好、文化交流、いいことばかりです。もっと言えば、映画が及ぼす影響ということから考えてみますと、映画の輸出は、日本の風俗習慣の紹介であると同時に、日本商品のよい宣伝になると考えます。この点、通商局長はどうお考えでございましょうか。そこで、この外貨割当を行われる場合の割当基準として、輸出をしたから、その輸出の実績に輸入外貨を割り当てる、こういう制度通産省では、すでにとられている方式でございます。こういう今のボーナス制を、より強化する、そういう用意はあるのかないのか。たとえば、日本の毛製品の輸入の権限は、毛製品を輸出した者のみにその実績によって割り当てられる、こういう実績ならば、輸出振興になると思う。こういう点どうか。時間がないようでありますから、まとめて承わりますが、これは松尾さんにもお尋ねしたいのでございます。  次に、青少年教育に有効なフィルム、文部省、映倫等が推薦になったものは、ボーナスをつけているということでございますが、この制度をもっともっと強化する意思はありやいなや。  次に、なろうことならば、これは文部省にお尋ねしたいのでございますが、映倫でさえもよろめく時代でございます。従って、でき得るならば、教育関係者あるは学識経験者等、日本の良識を代表するような人を選んで、それに、もちろんジャーナリスト、映画批評家もけっこうでしょう。そういう人を選んで、この人に採点をさせる。文部省も、勤務評定をつけることは、大へんお好きのようでございます。従って、映画の内容に対する勤務評定をやる。そうして今、田中さんの言われましたように、よいものにはほうびをつける、悪いものには罰則をつける。その罰則も、何も刑法的な罰則ではなくして、経済的な罰則、相手は経済家で、もうけ主義ですから、経済のみでくる罰則が一番痛いはずです。これを加味したところの割当方式というものを作る用意があるかないか。ほんとうに道徳教育が必要であり、その道徳教育が、映画によって破壊されているという事実を知っていらっしゃる文部省ならば、これはいち早く賛成していただけるこだと思いますが、まず文部省の方から御意見を承わりたいのでございます。
  88. 福田繁

    ○福田政府委員 ただいまの御意見でございますが、これにつきましては、現在、文部省で、教育映画の選定をやっております。これは日本で製作される、日本輸入される映画の全部じゃありませんけれども、そういった意味で、教育上価値ありとして選定したものにつきましては、地方にこれを普及いたしまして、あるいは場合によりましては、プリントを買い上げて回すというようなものもございます。そういった積極的な奨励方策を講じておりますが、たとえば輸入しますものについて、全部、これを今のような適当な機関にかけて選定するということは、望ましいことでありますけれども、あるいは、これは一歩誤まりますと、検閲というような問題も引き起さないとも限りませんし、趣旨はけっこうでありましても、そのやり方につきましては、非常にこれは注意をし、また検討を要する問題があるかと思います。従って、私どもとしましては、先ほど来お話の出ております、たとえば輸入部会等において、そういう権限はないのですけれども、何かそこらに適当な方策が考えられるかどうか、そういう点を、今後研究して参りたいと思います。ただ、現在やっておりますのは、大蔵省から、ワク外審査として御依頼のありましたものにつきましては、今申したような選定をやりまして、その価値判断をやって大蔵省にこれを通報する、こういうようなシステムを使っております。
  89. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 映画の輸出が、一般的な輸出振興に及ぼす効果の問題でありますが、これは、もう先生のお説の通り日本の映画の輸出によりまして、日本の風俗、習慣等を知ってもらうのみならず、日本に対する近親感というようなものを植えつける上におきましても、非常にいいことであり、これが一般的な輸出振興に大いに役立つということについては、私も完全に同感でございます。通産省は、映画を輸出産業として育成すべく、いろいろな努力をしていることも、先生、御存じの通りだと思うのでございます。最近、映画の輸出も、逐年増加をして参っておりまして、私、今、宙でよく覚えておりませんが、年間にいたしますと、百五十万ドル前後の輸出になって参っておるのではないかとも思うのであります。この映画輸出の振興のために、輸入の映画と結びつけてはどうか、こういう御説でございますが、今、大蔵省からも御説明がありましたように、ボーナス制として若干の輸入が認められておるのであります。この現在の程度より、なおよくするかどうかについては、私、ここで意見を申し述べるだけの知識もないのでございますが、輸出振興という点だけから考えますと、できるだけこの輸入映画をリンクさせることによって、輸出振興になると思いますが、これも、全般的にリンク制の採用ないし拡大ということにつきましては、国際的ないろいろな制約もあること、御存じの通りであります。これは程度の問題だと思うのであります。国際的に非難の起らぬ範囲におきまして、輸出振興のために、ある程度のボーナスをつけていただくことは、けっこうじゃないかというふうに思っております。
  90. 稻益繁

    ○稻益説明員 ただいまの邦画の輸出に対して、ボーナスとして外国映画の輸入を認める。現在、私ども、先ほどちょっと触れましたように、輸出ボーナス制というもので、これを採用しております。これも、当初八本程度でありましたものを、現在、三十二年度では、十五本というように、かなり大きくして参っておるわけであります。三十二年度で、外国映画の輸入が百八十五本あるわけであります。そのうち基本的な、先ほど来問題になりました割当が百六十六本で、優秀映画のボーナスとして四本、さらに日本映画の輸出に伴うボーナスとして十五本というように、私どもとしては、かなりな本数をボーナスとして計上しておるつもりであります。なお、御趣旨に沿いまして、こういう点も、いま一そう輸出なりあるいは優秀映画にボーナスをやる、あるいは、罰則というお話でありましたが、あまりよくない映画に対しては、次年度において削減するというような点も、十分検討したいと思っております。
  91. 加藤清二

    加藤(清)委員 時間がありませんので、あと、まとめて二、三点御質問して終りたいと思いますが、百八十五本に対して、ボーナス制度が十五本というお話です。そのボーナス制の精神たるや、全く私も同感でございますが、これでは、そのボーナス制をとっている精神を徹底させるには、不十分ではないか、もそっと数をふやすべきではないか。毛織物のように、全額を輸出実績に割り当てるということがいいか悪いかは、それは今、通商局長の言われた通り、国際情勢その他を勘案しなければならぬことは、よくわかります。しかしながら、一割にも満たないものということになりますと、これはどうかと思われます。小学校の優等生でさえも、文部省は一割以上お認めのようでございます。勤務評定の優秀は、二割程度お認めのようでございます。従いまして、その綿の輸出、毛の輸出その他について、すでにCリンク制をとられていることをよく御存じの大蔵省としては、この点を十分ごしんしゃく願いたいと存じます。  時間がないようですから、急ぐのでございますが、もう一つ、定額制買取契約の場合に、米国物が三万五千ドル、その他が三万ドル、これも改正の要ありと認めますが、これはいかん。次に、一体予算措置としてどうとられているか。これは時間がございませんから、資料として提出願えればけっこうでございます。  次に、大蔵省としては、先般来、広報関係の予算から、適宜助成をしておられるようでございます。輸出について、これを増大する意思ありやいなや。  通産省としては、宣伝用、PR用のパンフレット一括買い上げということを、おやりになっていらっしゃるようですが、これではまことに微々たるもので、不十分だと思いますので、でき得べくんばジェトロ等とよく連携の上、ジェトロに二十億も余分に予算のついた今日、映画輸出が他の商品の輸出に寄与貢献するにかんがみて、善処されんことをここで要望したいのでございます。  最後に、私がお願いしたいことは、占領中の政策であるから、いけない。だから、憲法をも改正しようとしているこの政府としては、占領中そのままの輸入方式であるこの映画はおそらくや改めるにやぶさかでないと思います。従って、至急にこの輸入方式、外貨割当方式を改められたいのでございます。また、その内容に至っては、今日、小学校、中学校の義務教育にまで、道徳教育を一時間ずつ設ける、こういうことでございますが、ほんとうに道徳教育に最も大きな影響を及ぼしているのは、映画の内容であると思います。従って、道徳教育が必要であるということを痛感されているならば、すべからくこの内容を検討されて、内容が一そう向上し、それが、やがて子弟教育に貢献すべく、格段の努力と抜本的な政策をここにとられんことを、文部省にも、通産、大蔵両当局に要望いたしますが、この返事は、一体色よい返事がいつごろいただけるでございましょうか。
  92. 松尾泰一郎

    松尾(泰)政府委員 それでは、私は私の関係だけ申し上げます。実は、映画の輸出につきましては、輸出産業としての育成につきまして、これは私たち通商局ではございませんが、企業局で、非常な努力をしておるわけでございます。この対外面につきましては、ジェトロにおきまして、従来もそうでありましたが、本年度におきまして、新しい法律として発足することになりますれば、この映画のいろいろな調査あるいは宣伝についても、もちろん努力をいたすと同時に、いろいろな、日本の映画自身の宣伝ではございませんけれども、日本の一般輸出品の宣伝映画を、かなり日本でとりまして、海外で展示することになっております。これは、ひいて一般商品の宣伝を目的としておるわけでございますが、やはり日本の映画技術というか、そういうものの宣伝に貢献をするのではないかと思うのであります。その他、映画そのものにつきましては、ニューヨーク等におきまして、展示会等を計画しております。映画の輸出につきましては、いろいろな面から、今後一段と努力をして参りたい、こう思います。
  93. 福田繁

    ○福田政府委員 私の方の関係のことを、簡単に申し上げますが、ただいまのようなお考えは、非常に私どもも示唆に富んだお考えと存じます。文部省といたしましては、先ほどもちょっと触れましたですが、優秀ないい映画を、子供たちに積極的に見せるという方針を、従来からとっておりまして、三十三年度からは、予算も取りまして、そうして、特に小さい子供、小学校の子供等におきまして、一般の映画館を利用した早朝興行を開設して、それによって、文部省の選定したもの、あるいは青少年に見せまして支障のないような映画に対しまして、極力近づけるという方策を考えております。また一方、映倫あるいは映画興行連合会等と協力をいたしまして、今後、二本立ての問題、いわゆる抱き合せ上映という問題を解決しなければならぬので、極力そういった面に努力して参りたいと思っております。従いまして、そういった青少年に対して、悪い映画から守る、あるいは悪い映画を青少年に見せないような方針を今後大いに努力したい、こういうふうに考えております。
  94. 稻益繁

    ○稻益説明員 お尋ねの定額制の問題でありますが、実は一ころは三万ドルで、一本やりできめておったわけであります。ところが、昨年でありますか、輸入部会でいろいろ論議がございまして、米国映画は、どうしても三万ドルでは買いにくいという活が出まして、そういう御意見を入れまして、実は米国映画を三万五千ドルというように変えたような、その後の情勢も私ども十分検討いたしまして、いま一度こういう問題も諮って研究したいと思います。
  95. 加藤清二

    加藤(清)委員 それでは、蓄積円の問題についてお尋ねしたかったのですが、これは今日は留保いたします。  そこで、外国映画審議会のメンバーをふやす、しかもそこにほとんど頼り切るという御答弁でございましたが、一体何人ふやされるか。しかもそれは一体どういう人を用意されているのか。しかもこれは四月上旬に大体発表される予定と漏れ承わっておりましたのですが、映画の外貨割当の諮問機関である外国映画審議会、このメンバー、何人にふやすか、一体だれだれの用意があるか、この点と、次に、映画の配給割当のみ大蔵省にあるようでございますが、ほとんどのものが通産省に、その輸入の割当あるいは輸出奨励策が行われているにもかかわらず、映画の配給だけが大蔵省にあるという理由が、ちょっとわかりかねるのです。まあ、その理由は別としても、もし大蔵省の方針がいつまでも改まらないということであれば、輸出輸入の関連の最も多い通産省にこの権限を与えられることが、総合的によいと考える。従って、私どもは、そういう決議案も、社会党としては出す用意を持っておりますが、この点について、大蔵省としては、どうお考えでございましょうか。至急に直してどこに——どの省が管轄しようとも、よい方法であり、よいことが行われるというならば、私どもはやぶさかでございませんが、どうも批判が多過ぎる。従って、総合的にバランスのとれるようにするには、やはり通産省にこれを持ってこられる方が、より妥当な方策が生まれるのではないか、かように思われますので、その管轄についてお尋ねいたします。
  96. 稻益繁

    ○稻益説明員 その前に、連絡協議会ですが、連絡協議会委員は昨年度までは、五名の方をお願いいたしておったのでありますが、さらに五名を追加いたしまして、十名で委員会を構成する。そのお名前につきましては、別途そちらに名簿を差し上げるようにいたしたいと思います。それから、所管の問題でございますが、これは、実は貿易と貿易外というふうに分れておるわけでありまして、貿易外のうちでも、直接貿易に伴うものは通産大臣の所管である、それ以外のものは便宜大蔵大臣で一括して所管する。そういう関係で、実は映画の外貨割当問題が大蔵省の所管になっておる、こういう事情でございます。
  97. 小平久雄

    小平委員長 本日はこの程度にとどめます。  次会は来たる八日午前十時十五分より開会する予定であります。  これにて散会いたします。     午後一時二分散会      ————◇—————