○松尾(泰)
政府委員 ちょっと具体的な問題になりますので、かわりまして
お答えを申し上げます。実は先ほ
ども大臣が御
答弁になりましたように、インドネシア、アルゼンチンにつきましては、いわば焦げになっておるのでありますが、その他の
地域につきましては、たとえば台湾、それからエジプトにつきまして、現に若干の
輸出超過、いわば貸し越しになっておるのであります。しかし、これらは、いずれも季節的な関係も手伝っておるのであります。たとえて申しますと、台湾につきましては、日本側の砂糖、米等の買付がおくれましたがために、現在のところ、なお二千万ドル以上も貸し越しになっておるのでありますが、今の見通しからいきますと、今の輸入計画が順調にいきますならば、近い将来、数カ月後には、大体スイング以内におさまってくるのではないかというふうに見ております。それからエジプトにつきましては、一時は千三百万ドル程度の貸し越しになっておりましたが、その後綿花、米、塩、燐鉱石等の買付が進捗をいたしましたために、もうすでにネットのバランスでは一千万ドル若干、千七、八十万ドルかと思いますが、現にその輸入についてのLCを立てているもの、それから向うから参っております
輸出のLC、それらを総合しました、いわゆるプロジェクト・バランスを見ますと、二百数十万ドルに現になっておるわけであります。従いまして、もう二、三カ月のうちには、この均衡状態にエジプトもなるのではないかと思うのであります。それから、その他のブラジル、トルコ、ギリシャについては、今のところ、それらの問題は起っておりません。
それと、今御
指摘の、過去の十六オープン・アカウント協定があったという場合と、今六つ程度に減った場合と、焦げつきがふえているのではないかということでございますが、このオープン・アカウントというものは、スイングの範囲内において、お互いに貸し越しをし合うわけでありますので、ある一定の時点をとらえますと、非常に借り越しが多い時期と、それからまた、貸し越しが多い時期とが出て参るのであります。インドネシアの方の焦げつき債権の方も、一億七千七百万ドルと申しますのは、もうすでに三年半前にさような金額に達したのでありまして、ここ三年半ほどは、厳重な
輸出入の一調整をやって参りましたので、そういう焦げつき債権の増加というものは、起っていないのであります。アルゼンチンについても、二年前に革命があって、
政府の交代に伴いまして、一時そういう債権のたな上げというようなことになりまして、これを今、十年年賦で、年間約五百万ドルずつ返してもらっておるような状況であります。従いまして、総じて見まして、絶対に過去の数の多いときと今少くなっている一ときと、焦げつきがふえているということは全然ない、かえって減っておるのではないかというふうに
考えております。ただ、理論的に申しますと、数が多い場合には、
輸出超過の国、それから輸入超過の国が、相殺される範囲が多くなりますので、あるいは借り越しを多くの国といたしておる場合と相殺をすれば、理論的には焦げつきが減るというようなことも
考えられるかと思うのでありますが、今申しますように、個別に見まして、今決して心配するような事態でもないのであります。こういうことであります。