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石田国務大臣 これは滝井さんあるいは中原さん、皆さんお触れになった問題でございまして、私はもうすでに四回ぐらい同じことについてお答えをいたしておいたことでございますが、冒頭におっしゃったことにも関係いたしますので、もう一ぺん明権にいたしておきたいと存じます。それは第一、
労働大臣が純粋に任命できるのは
会長だけであります。その初代
会長の任命については、たびたび繰り返して申します
通り、私は良心にかけて公正な人を選びます。そうしてその初代
会長に他の
理事その他の任命はおまかせをいたします。形式的には
労働大臣が承認をすることになっておりますけれども、実際上はおまかせをいたします。そうして
構成された
労働協会というものは
一つの性格を作り、それぞれの役員は監事においては二年、
理事いおいては四年間の任期を持っておるわけであります。それはその間において
労働省の首脳はどうかわろうと、その任期は続くのであります。ただそれが交迭せられる場合は何かというと、十六条の二項においてなるほど
労働大臣や
会長はそれぞれ自分の任命権を持っておるものを任期の途中においてかえることができるのでありますが、そのかえるのには
二つの絶対条件がある。それは「心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。」これについても心身の故障というのは一体どういう状態でやるのか。昔錦織それがしという人はちゃんとした常人であったにかかわらず、気違いといわれて気違い病院に入れられたようなことがあったが、そういうことが起りはしないか。これは本
委員会においてはお医者さんもたくさんいらっしゃいますが、現在においてはそういうようなことは行われない、必ず医師の診断を必要とするのでありますから、これは科学的に立証される場合に限る。それから第二に「職務上の義務違反があるとき。」これは刑事上あるいはその他の訴追を受ける事態がこれに伴ってくるわけでございます。こういう要件が伴わないと、
労働大臣は勝手に任期中の役職員をかえるわけにいかない。それだけの制限が明確に設けられておるわけであります。それから他の
業務上の監督権は、こういう特殊法人について国の財政を使ってやる場合におきまして、
政府の通常持たなければならない義務的な監督権であります。しかし本
協会の持っております性格、その
中立性を維持いたしますために、通常の特殊法人の
規定のほか、
中立性を
確保するための
規定を特に加えておるということでありまして、これは
労働省あるいは
労働官僚というものが、この
協会の
運営というものを途中においてゆがめるというような事態はございません。それから一たん任命をいたしますと、その
協会の性格が作り上げられ、それが社会の認識となります。その社会の認識を、いかなる権力をもっても、今日のデモクラシーの世の中においては勝手に変えられるものでは実際上ないのであります。私どもはそういう事実の上に立って、この
協会の
中立性確保というものについて十分の自信を持っております。