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井堀委員 御承知のように一割から一割五分、そして三割、五分ですから、そういう数字だけを拝見しておりますと、きわめて誠意のある順調な伸び方だということは言えるわけであります。しかし私は大蔵
大臣の
答弁であればそれでいい、見送った。しかし先ほど来
質疑応答の中で私の聞こうとするところもわかっておることであるし、多くは言いませんけれども、これはせつかくこの種の
保険を
改正案で出してきたのですから、これはすぐ次に質問しますけれども、この問題は一制から一割五分に上げたのだ、それを二割五分に上げたのだから前々年度より二割上ったのだ、こういうような言い方は、それはしろうとの議論であって、問題はその目的がどこにあるかということが先ほど来の
質疑応答の中で明らかになったので、そういうことを承知して今のような
答弁は私はまことに遺憾に思うのです。要るだけの
費用ならこれは五割伸びたって六割伸びたっていいじゃないですか。それを私が最初から言っておりますように、日雇い労働者の場合には公共団体の緊急失対
事業法の
精神をきょう時間があれば
労働省から
説明してもらって、それから
お尋ねすればむだの議論をしなくても済む。私の質問の仕方も悪かったわけでありますが、これは今日何回も繰り返すようになりますけれども、日雇い労働者の制度それ自身が社会政策的な
意味を持っておるのです。老齢であったり、病弱であったり、ただ単に就職の
機会が得られないという失業者とは異なって、要するに雇用の場所を奪われた、いわば人生の落後者でありますから、あなたの方の
所管にもありまするように、これは生活保護法でめんどうを見なければならぬ者です。生活保護法でめんどうを見るということになりますと、すべてを見なければならぬ。片方は幾分でも労働によって所得を得て生活を補おうとする。そういう
日本独自のこれは
一つの社会政策なんであります。それに拮抗するような
医療保険制度であるということを忘れてはならぬのです。それを、
国民保険に比べて、二割に対して二割五分、そんなことは
社会保障制度の理解のできないがりがりの保守的な大蔵
大臣の
答弁ならば許されると思う。長年社会
保険を手にかけてこられた、この問題に対しては一番知識の深い
局長の
答弁としては受け取れぬ。しかし努力をしたけれども力が及ばぬということになれば、それはもう何をか言わんやであります。今のような
答弁は私はまことに遺憾に思う。何も責めるのではありません。こういう問題についてもっと本質的な論議ができないものであろうかということがほしかったので伺ったわけであります。
時間がありませんから、次に
保険料の問題であります。これは答申案の中にも出ておりますし、また労働者の間からの強い非難にもなってきておりますが、これは非常にむずかしいところだと私は思うのであります。私は一がいに労働者の訴えをそのままうのみにするものではありません。
保険の性格を理解するということになれば、困難な中からも
負担をしてもらうということが
保険により関心を高めていくことです。ですから私は、苦しい
負担はするけれども、さらにそれよりも困難な状態、すなわち
保険者として反対給付を受けなければならぬというような仲間がおるわけでありますから、そのために苦しい中からもつ
保険料を
負担するということは大事なことだと思う。それは理解しておる。しかし今日の日雇い労働者の実態から見ていきますと、
政府も認めたからこそ単価の引き上げをしてきているわけなんです。しかし今度の単価の引き上げは米の値上りに対する補償なんです。米だけではありません。生活費全体が上ってきておりますし、物価の桁数を見てもわかりますように、私はああいう指数から見て低いと思うのです。しかしそれはそれとして、そういう点は他の政策で補い得ないのでありますから、これを
一般並みの
保険のように反対給付は増額する、要するに国の
負担がこういうわけで増額してきたから、それとつり合うようにという
意味であろうと私は想像する。この
負担の増額は、幾らかするのはいいと思う。しかしこの上げ方はちょっときびしいのです。それは三万も四万も給料をとっている者から比べれば何でもないことであります。先ほどもちょっと言ったように、今日の日雇い労働者の生活の実態を知っておる者は、そしてこれは考えなければいけませんことは、社会
保険に対する理解を深めることだと思うのです。反動的なものが出てきております。特に日銭をもらって生活をしている者の傾向として、宵越しの金は使わぬ、もらっただけは使ってしまうという傾向を持つ人も、理屈はいろいろありましょうけれども、
保険をやっていくのですから、そういう思想的にくる影響というものは私は非常に大きく評価していくべきじゃないか、ただ単に計数的なものでいくべきじゃない。どうもこの結論は計数的なものに
重点を置く。先ほど来の
答弁でも想像ができる。私はこういう
見解を持ってこの上げ方は適当でないと思うのですが、これに対する起案者の方のそれ以上の何か主張がおありであれば伺っておきたいと思います。