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1958-04-01 第28回国会 衆議院 建設委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月一日(火曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長 西村 直己君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 大高  康君 理事 荻野 豊平君    理事 久野 忠治君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    池田 清志君       薩摩 雄次君    徳安 實藏君       馬場 元治君    廣瀬 正雄君       堀川 恭平君    山口 好一君       井谷 正吉君  出席政府委員         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部長)  尾村 偉久君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君  委員外出席者         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部水道課         長)      田辺  弘君         建設事務官         (計画局総務課         長)      志村 清一君         建 設 技 官         (計画局下水道         課長)     岩井 四郎君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 三月二十八日  委員井手以誠君及び中島巖辞任につき、その  補欠として下川儀太郎君及び松原喜之次君が議  長の指名委員に選任された。 同月二十九日  委員河野金昇辞任につき、その補欠として逢  澤寛君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員逢澤寛辞任につき、その補欠として松村  謙三君が議長指名委員に選任された。 同日  委員松村謙三辞任につき、その補欠として逢  澤寛君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月二十八日  神代川河川改修に関する請願橋本龍伍君紹  介)(第二四六八号) 同月三十一日  一級国道十九号線整備促進に関する請願早稻  田柳右エ門紹介)(第二五九〇号)  国道二十二号線一宮、名古屋間補助道路新設に  関する請願早稻田柳右エ門紹介)(第二五  九一号)  美浜町西海岸侵食対策事業促進等に関する請願  (早稻田柳右エ門紹介)(第二五九二号)  藺牟田地区海岸堤防保全工事に関する請願  (池田清志紹介)(第二六四二号)  東橘町城北間連絡立体交差施設設置に関する請  願(荻野豊平紹介)(第二六四三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  下水道法案に関し地方行政委員会連合審査会  開会の件  都内高速道路及び東京名古屋高速自動車国道  建設計画について参考人出頭要求の件  下水道法案内閣提出第一四六号)      ————◇—————
  2. 西村直己

    西村委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りをいたします。先ほどの理事会において御相談、御決定を願ったのでありますが、東京—名古屋間高速自動車道に関する件並びに都内高速道路整備計画につきまして、参考人出頭を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西村直己

    西村委員長 御異議ないと認めます。なおその人選、日時につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 西村直己

    西村委員長 御異議ないと認めます。     —————————————
  5. 西村直己

    西村委員長 この際お諮りいたします。地方行政委員会より、当委員会において審査中の下水道法案につきまして、連合審査会開会申し入れがありました。この際この申し入れをいれまして、来る四月午前十時より建設委員会地方行政委員会連合審査会開会するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 西村直己

    西村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  7. 西村直己

    西村委員長 次に下水道法案を議題とし、前会に引き続き審査を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。前田榮之助君。
  8. 前田榮之助

    前田(榮)委員 下水道法について引き続いて御質問を申し上げますが、下水道法の中で、いわゆる従来の下水道すなわち都市下水路と、この法の適用外にあるところ河川水路、こういうものとの関連でございます。これがもし水害等災害をこうむった場合において、災害国庫負担法その他の災害救助に関する処置でありますが、この都市下水路と、都市下水路を含まないところ都市における河川水路、こういうものについていかなると区分を考えられておるか、また災害復旧についてはどういう区別を行うのか、こういう点をこの際明確にしていただかないと将来いろいろな問題が起ると思うので、この点を御説明を願いたいと思います。
  9. 町田稔

    町田政府委員 都市下水路に指定されましたものが災害にかかりました場合には、災害国庫負担法適用がございません。都市下水路に指定されない、いわゆる普通河川等災害を受けました場合には、災害国庫負担法による災害復旧負担があるものと考えております。
  10. 前田榮之助

    前田(榮)委員 公共下水道については、災害についてはいかなる処置をされるのか。今災害国庫負担法適用を受けない都市下水路、こういうものとの関連性はどういうようになるのか御説明願いたい。
  11. 町田稔

    町田政府委員 公共下水道及び都市下水路等災害を受けました場合には、特にこの下水道法ではこれに対して復旧費補助をするということが規定いたしてございませんが、従来から予算によりまして予算補助をいたしておりまして、この予算補助は、今後も災害を受けました公共下水道及び都市下水路には継続して実施をして参りたいと思っております。
  12. 前田榮之助

    前田(榮)委員 そういうことは法律建前に立ちますと、非常に不公平な処置になると私は思うのであります。大体こういうようなものに対する災害については、もちろんいかなる災害にあっても政府はそういうものは知らないというようなことはないことはよく承知いたしておりまするが、やはり災害についてはそれぞれの法文において、いろいろ一定の限度が明らかにされておるのが法律建前だと思うのでありますが、何ゆえにかような立法考えられたたか、この立案に当っての考え方を一つこの際明らかにしていただきたい。
  13. 町田稔

    町田政府委員 都市下水路及び公共下水道災害を受けた場合の復旧費負担につきましては、実は災害に関する国庫負担法改正の際に、そちらの方に規定するというように希望をいたしまして、財務当局とも折衝をいたして参ったのでございますが、まだこの点は負担法改正について決定をしておらないという実情でございます。
  14. 前田榮之助

    前田(榮)委員 そういたしますると、法的措置を行うべきである、行う意思を持っておる、下水道法では直ちに今規定をしてはおらないけれども、その災害に対する法的措置は行わなければならぬものであって、行う意思を持っておるということだけは明らかだと解釈して間違いございませんか。
  15. 町田稔

    町田政府委員 下水道関係を主管しております建設省及び厚生省としては、そういうように希望をいたしております。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それでは次に移りますが、下水道のいわゆる費用の問題であります。先般もお尋ね申し上げたのですけれども、この法律適用いたしまして、しかもこれを積極的に近代化することになりまするならば、相当費用を必要とすることは明らかな問題でありまして、従ってそれが国民にどういうはね返りになってくるか、これが問題であろうと思うのであります。この問題は国民に直接負担になる問題と、地方財政に及ぼす問題と、それから国庫負担すべき負担の増大になる問題と、三点になると思うのであります。われわれ立法にあずかっておる者といたしましては、ことに国民負担が将来いかになるかという見通しをつけなければ、この立法に当って決定しかねる点があるのでありまして、従ってこの際この立法が三十三年度にはどの程度になるか。三十三年度には、この法律が施行されましても国民負担にはそう影響しない、大体そうだろうと私は思っておるのですが、そう大した問題になるほどのことにはならないと思うのでありますが、三十四年度、五年度等の将来について、受益者負担の形になるか、いずれの負担の形になるか知りませんけれども、そういう点に対しての見通し一つお聞かせを願いたいと思います。
  17. 町田稔

    町田政府委員 下水道事業の国、地方及び各使用者負担割合の問題についての御質問でございましたが、非常に大ざっぱに申しまして、われわれは国の補助事業費の三分の一、それから地方負担が三分の一、それから使用者が大体使用料で他の三分の一を負担をするというように考えております。それで現在の実情はどうかと申しますと、国の補助地方下水を作りたいという要望に沿った程度にまで至っておりませんので、地方単独にやっておる事業がかなり多いのでございます。三十一年度におきましては国の補助は全部で五億ございましたが、三十三年度におきましてはこれが約倍になりまして、屎尿処理等も含めまして十億になっておりますが、それにいたしましてもきわめて国の補助はわずかでございます。これに対しまして三十三年度におきましては、地方債として一応四十億程度事業起債のワクを認めてくれておりますし、それに地方での単独費のつぎ込み等を考えますと、大体三十三年度は六十億程度事業ができると思っております。これは三十二年度におきまして、すべてを含めまして下水道事業が大体三十五億程度でございました。これはもっとも屎尿処理関係を含んでおりません。それから比べますと、一応三十三年度は倍近くの事業ができると思っておりますが、この三十三年度の事業のうち四十億程度起債でございますので、この起債に対する償還は使用料をもってまかなうということになると思います。そこで先刻申し上げましたように、全体の事業費の三分の一程度を今後使用料で徴収して参りますと、最高におきまして一カ月当り約二百円程度使用料を支払うことが必要になってくるのではないか、こういうように考えております。この割合は将来にわたって特に増高していくというようなことはないと思っております。
  18. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今御説明になりました三十三年度の六十億というのは国の費用だけですね。
  19. 町田稔

    町田政府委員 このうち国庫補助が十億、それから地方債が四十億、それで五十億でございますが、それ以外に地方が自己の単独費用を従来の例から見ますと十億程度つぎ込みます。それで、六十億で全国下水道事業を行う、こういうことでございます。
  20. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この地方債の問題は、やはり地方市民負担が残るのでいろいろ問題点があろうと思いますが、これは後ほどの地方行政との連合審査のときにもう少し詳しくお伺いすることにいたします。ただこの法律を見ますると、たとえば第二十一条の水質試験場等は、近代的な設備といたしましては相当なものが作られるのではないかと思うのでありまして、それをこの法律で常時検査をやるように規定をいたしますると、費用等についても相当負担を予想しなければならぬと思うのでありますが、これらに対するところ補助等はどういうようにお考えになっていますか。
  21. 町田稔

    町田政府委員 水質検査に要する費用は、維持管理費の中に含まれるものと考えるのでございまして、維持管理費使用料をもってまかなうことができる、こういうふうに考えております。
  22. 前田榮之助

    前田(榮)委員 その維持管理費を含めて一カ月二百円と御説明になっているのですか。
  23. 町田稔

    町田政府委員 さようでございます。
  24. 前田榮之助

    前田(榮)委員 その次に、これはやはり費用と将来関連すると思うのでありますが、全国都市における下水道改良計画、こういうものを今でいろいろお考えになっているように聞いているのであります。たとえば道路のごとき、あるいは十カ年計画といい、五カ年計画といい、いろいろ計画を立てられて、建設省のされる仕事は住宅であろうが、河川改修であろうが、大体において一応の計画を立てられておりますが、最近、町村合併によるところの、いわゆる市制のしかれているところが非常にふえて参りまして、従ってこれらに対するところ設備は急速にやらなければならぬと思うのであります。これに対してどういうように計画を進めようとされているのか、計画がありまするなら、また計画を立てようとお考えになるなら、一つそのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  25. 町田稔

    町田政府委員 下水道事業につきましては、計画局におきまして、下水道事業の今後の十カ年に関する見通しを一応立てまして、各地方行政指導目標といたしております。これらの計画は、実はまだ省議の決定をするとか、ほどに固まっておりませんが、下水道事業を今後大いに促進して参りますためには、それに所要財源等につきましても確たる見通しを立てておく必要がございますので、内容を今後十分検討いたしまして、適当な時期には閣議決定等にもしていただいて促進をはかって参りたいと思っております。ただその内容を十分固めますためにも、法律が新たに定まりまして、使用料等についでの規定法律的に確定いたしますことが必要でございますので、新しい法律が幸いに御可決いただけまするならば、それとあわせて確たる計画も立てて推進をいたして参りたい、こういうふうに考えております。
  26. 三鍋義三

    三鍋委員 関連質問。これはあとで大臣にお尋ねしたいと思っておったのですが、建築基準法の三十一条の現規定の「汚物処理設備を有する下水道を利用することができる区域内」、これが今度は改正法案によりまして、下水道法第二条第七号に規定する処理区域ということになりまして、必然的に、この場合にくみ取り式のものはやっていけないというふうに規定されておるわけなんですが、ここに一つ私は大きな問題があると思うのです。相当費用がこの設備のためにかかると思うのでありますが、五大市なんかでは二千円から五千円程度補助をしておるようであります。また建設資金の貸付も行なっておるようでありますが、それをもってしては私はこの水洗便所に切りかえるのに、とてもスズメの涙とも言われぬぐらいな程度のものではないかと思うのです。大体改良水洗便所にするために家庭台所汚水あるいは浴場の排水あるいは屎尿、こういったものを根幹の下水道まで導く費用、これはどれぐらいかかるのですか。     〔大島委員長代理退席委員長着席
  27. 尾村偉久

    ○尾村政府委員 大体東京の例を申し上げますと、普通の家庭で従来のくみ取りの主として処理槽、つぼでございますが、これを改善して、それから普通の家庭汚水もまぜまして、主としてふろ場それから手洗い水台所の用水、いろいろと合せて公共下水道につなぐ、平均いたしまして、大体一坪当り一万二千円程度でございます。この程度が従来実績でございます。それに対しまして、東京の場合には大体四分の一ないし三分の一を公共団体自身負担をいたしておった、大体さような状況でございます。
  28. 三鍋義三

    三鍋委員 そうですが。この水道協会下水道特集号、これによりますと、私はちょっと読んで見たのですが、三十五万円ほどかかるということを言っているのですが、だいぶ開きがあるように思います。
  29. 尾村偉久

    ○尾村政府委員 ただいまのお話のは、公共下水道に水で屎尿の形のまま流すのではなくて、いわゆる個人浄化槽を作りまして、どこへでも流していい状況にする、すなわち終末処理場を各戸につける、三十万円ないし三十五万円というのはこういう形であります。
  30. 三鍋義三

    三鍋委員 ところがこれを見ますと、くみ取り便所としてはならないと規定されております。そうすると今のところでは一万数千、それぐらいだったら各個人の家といたしまして、少し無理をすればできないことがないということも考えられるのでありますが、家庭によってはそれでも非常に負担が重いといったような場合、これに対する処置を実際これを推進していく上においてどのように考えておられるか、これをお聞きしたい。
  31. 尾村偉久

    ○尾村政府委員 現在までもそうでございましたが、今後も、ただいまのところでは国庫補助は一応予定しておりませんので、従来通り、できます都市については、できるだけ都市が一部の補助は、家庭状況によりまして一律でなく、さようなふうにしてもらいたい、これを希望をいたしておるわけでございます。なお東京都が一番促進実績を持っておりますが、東京都の場合にはその場合でも若干の猶予期間を置きまして、いきなりその地域にはもう糞便収集者は回さぬということは非常に困難でございますので、これは家屋の所有主との関連、それから生活保護を受けているような者が非常に入っておるような間借りの集団のような家庭という場合には、改造が非常に困難でございます。そういう場合にはやむを得ず、ごく少数でありますが地区に残った場合には、屎尿収集を人にあまり迷惑をかけぬように、最近は真空掃除車というのを創設しておりまして、これで迷惑にならぬように当分は収集して浄化槽等に持っていく、これはある経過期間だけを考えて、逐次機会を見てそういうものは変えていく、かような方法をとっておるわけであります。
  32. 三鍋義三

    三鍋委員 少し法律の字句にこだわり過ぎるように思うのですが、くみ取り便所としてはならない、こう規定してある以上は、やはりいろいろの改造に対するところの思いやりのある財源処置というものがほんとうになされないと、本法案の第一条の目的に沿わないのではないか、私はこのように考えます。これは便所水洗化整備計画というものも、ぜひこの法律にうたわなければならない重要な点だと思うのでありますが、ただいまの御説明によりますと、応急の処置でこれを処理して将来切りかえていく、こういうように御答弁を願ったのでございます。ただいまの御説明ほんとうは納得はいきませんけれども、これほどまでに政府が力を入れてやろうとする法改正をしようとするときには、こういった問題ももう少し力を入れていただかなければならない点ではないかと思うのであります。財源関係もあるからやむを得ないと思うのでありますが、こういう点につきましては、この改正法律案ができ上った後においても、当局といたされましても十分この実質的の効果と、その目的を達成するための財源処置というものも今後考えていただきたい、このように考えております。
  33. 前田榮之助

    前田(榮)委員 十カ年計画というものを一応前にお作りになったように聞いておるのですが、この新しい下水道法を制定するということによって、前にお作りになった十カ年計画というものはもう用をなさなくなって、新しくせなければならぬということではないかと思うのですが、いつごろそういう計画を進めて、どんなにやっていくかということを、もう少し何か具体的な説明ができればこの際しておいていただきたいと思うのです。
  34. 岩井四郎

    岩井説明員 わが国の下水道の現状は、大体現在市街地面積に対しまして下水道の敷設されている区域は約一二%であるのでございます。その下水道と申しますのは、ここで申し上げます公共下水道であります。それで私の方で今考えております十カ年計画としましては、この公共下水道が今後十カ年間において、十カ年後の市街地面積の約二五%まで整備されるように持っていきたい、その他水路の方の整備もやはり市街地面積の約一八%整備される、合せて十カ年後の市街地面積の四三%が公共下水道なりあるいは都市下水路によって整備されるように考えておるわけであります。これに要します費用は、初めの方に申しました公共下水道としましては大体千二百六十億、それから水路関係が七百四十億になっております。このほか、これは厚生省の方で五カ年計画をお立てになっておるわけであります。この厚生省の御計画によりますと、五カ年計画処理場が約百八十億ほど計上されております。大体こういうような計画を持っております。
  35. 前田榮之助

    前田(榮)委員 どうも建設省の何カ年計画というのは、あまり当てにならぬように思っておるのですが、私がそういうことを言うのは、穏当を欠くようにも思いますが、今の説明によりましても、大体公共下水道が十カ年で千二百六十億、それからその他の下水路が七百四十億というと、二千億ですが、そうすると十カ年でそういうものを行うことになりますと、一カ年に二百億という算用になるのですが、どうなんですか、今局長の、国、地方受益者の三つの負担からいっても、非常に軽微なように言われたのですが、そのことはどういう関係なんですか。
  36. 町田稔

    町田政府委員 御指摘のように、十カ年計画で立てた一カ年当り所要経費二百億と比べますと、三十三年度六十億の事業費は、きわめて少いのでございまして、これは計画の趣旨に沿わないこと、はなはだ遠いと思いますが、実は計画自体は、その目標としては決して過大ではないように考えております。この十カ年計画が完成いたしましても、改良下水道市街地面積の二五%にしか普及しないという状況でございますので、私たち今後せめて十カ年後には目標に達するように極力努力をいたしたい、こういうように思っております。
  37. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それは努力してもらわなければ大へんなことになるのですから、極力努力してもらわなければならぬと思いますけれども、私らが考えましても、近代的都市下水路いうものは画期的なものでなければならぬということから、十カ年におけるところの二千億円なんというものは、そう大して多い額だとは私は考えておらないのです。しかしながら、ただこの額を将来受益者の形で、国が法律である意味の強制をするならば——強制する方で適当な負担をするということでなしに強制すること自体は、非常に無理があるのでありまして、ただ受益者自分で受益するのであるから、また自分個人生活環境をよくするのであるから、当然負担することもわれわれは努力せねばならぬとは思いますけれども、しかし国が強制するものについては責任を持って、その負担をできるだけ多くして、国民負担の軽減をはかるべきであろうと思うのです。従って私はこの際、公共下水道やその他の問題についての補助というものは、ただ単に政令で定めるということでなしに、この法律で明らかにして、そうしてこの法律を制定するわれわれが安心して決議ができるようにすべきであると私は思うのであります。ただばく然と、御説明を聞きますと、一カ月受益者は二百円程度だ、こう言われますけれども、二百円であれば一年に二千四百円、算用はごく簡単であります。簡単でありますけれども、そういうような簡単な費用で私は済むものでないと思うのでありまして、こういうことにするためには、市民の方から申しますならば、自分家庭設備も、従来のような設備ではもう台所設備やその他の設備もいかないことになりまするし、相当費用も必然的にかかるのでありまして、その点で一つ、この補助等について、もっと明確にしなければならぬと思うのであります。その点明確になっておらない点と、あわせて将来に対するところの、国が三分の一、地方が三分の一、また使用者が三分の一と申しましても、そう簡単なものではないように思うのでありまして、十カ年計画というものを十分に考えた上で負担というものを考えなければならぬのでありますが、その点がきわめてずさんなように見受けられるのであります。そこでこの際、政府補助率等を上げるべきではないかと思うのでありますが、その点に対するところの御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  38. 町田稔

    町田政府委員 従来の下水道法におきましては、国の補助に関する規定はなかったのでありますが、今回三十四条におきまして公共下水道に関しまして補助規定が設けられることになりましたので、これは国の援助を明瞭にする意味におきまして、非常に有意義なことであると考えます。ただいま御指摘のございましたように、公共下水道以外の、たとえば都市下水路については、ここに補助規定はございませんが、その点は先刻申し上げました通りでございます。なお三十四条では特にただいま御指摘のございましたように、補助率等を明定しておりません。「政令で定めるところにより」というように書いてございますが、これは実は今後の下水道事業の進展その他情勢の変化等に応じて補助率等も変え得るというようにしておくことが適当ではないかというので、特に「政令で定めるところにより」というように規定いたしております。国の補助に関してはそういうことでございます。  それから次に地方負担の問題でございますが、地方負担は、御承知のように各都市におきましては都市計画税を数年来徴収することができるようになっておるのでございます。行政指導といたしましては、各都市において優先的に都市計画税を下水道事業に充当させるというように指導して参っておりますし、今後もますますそういう方面におきまして指導の強化をいたして参りたいと思っております。  それからなお起債に対する償還財源がはっきりいたしておりますが、今後起債を伸ばすのに特に必要でございますので、先刻申し上げましたように、各使用者から使用料を取りまして償還財源の確保をはかりまして起債を伸ばしていきたい、こういうふうに考えております。  以上申し上げましたような措置を相並行して進めて参りますことによりまして、画期的に下水道事業費が増大いたしますことを努めて参りたい、こういうように考えております。
  39. 前田榮之助

    前田(榮)委員 使用料については第二十条に「公共下水道管理者は、条例で定めるところにより、公共下水道を使用する者から使用料を徴収することができる。」こうありまして、「2使用料は、次の原則によって定めなければならない。一、使用者の使用の態様に応じて妥当なものであること。二、能率的な管理の下における適正な原価をこえないものであること。三、定率又は定額をもって明確に定められていること。四、特定の使用者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。」この第二十条を読んでみますと、まことにもっともにできておるのですが、しかし、どこをつかまえてどういうものであるかということがこの法律では明確でないと思う。「使用者の使用の態様に応じて妥当なものであること。」こんなことはわかり切ったことであって、妥当でないなんということはない。ただ問題は、これが実施の問題でありますが、この法律でこういうような、いわゆるドジョウを手で押えたような条文を書いておったのでは、妥当でないという標準はどういう標準なのか。また能率的な管理のもとにやらないと、これは市民が承知するわけはないのですが、そういうことの標準はどこに置くべきか、その指導はどうするのか、こういうことがこれには明確性を欠いておる。そこでむしろ、この法第二十条をもっと具体的なものに書くか、またそれは具体的な施行例等を作るのか。これでは、この法律ほんとうに生きた法律やら死んだ法律やらわけのわからないようなことになっておると思うのですが、その点はいかにされる御所存なのですか。
  40. 町田稔

    町田政府委員 使用料規定がきわめて抽象的で、これだけでは十分わからないではないかという御指摘はまことにごもっともと存ずるのでございまして、実は具体的に書けるならばなるべく書いた方がいいのでございますが、各市によりまして条例を定める際に、いろいろな事情によって内容等にかなりの差異がございますので、普通使用料等に関する規定の例文に従ったような書き方をいたしたのでございますが、ただいま御指摘のように、これだけではかなり不明瞭な点がございますので、条例を定める際の基準というようなものを考えまして、これを各地方に流しまして指導いたして参る、こう考えております。
  41. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま前田委員より、建設省の案として持っておられるところの十カ年計画に対して御質疑があったわけでございますが、所管庁といたしまして、一つの理想といいますか、私は言うべくもないと思うのでありますが、そういうものをもってその実現に努力されようとしている気持は十分了解できるのであります。しかしもう少しこの問題に真剣に取り組んでもらいたいと私は思うのであります。少くとも閣議決定ぐらいいたされまして、そうしてこれを法文化いたして、民生の安定のために、生活改善のために努力すべき——もうおそいのでありますけれども、もっと熱意を示さるべきではないか、こういう考えを強く抱いておるのであります。今さら申し上げるまでもなく、下水道というものは道路に優先するものでなければならない。道路はまた住宅に優先するものでなければならないということは、もう論議の余地はありません。ところが日本の現状を見ますとそれが逆になっているところに問題があるし、日本の貧困の姿をここで露呈しておると思うのでありますが、この際私は特に真剣に考えていただきたいのは、こういう順序を転倒したところに、乏しい財源の中からますます多くの出費を要求されるという結果になっておるのでありまして、この下水道を造成される場合におきまして、上水道との関係はどうなるのか、あるいは地下鉄を建設される場合に、それに関連してこれがどのように扱われるか、電線、ガスの線を引かれる場合においての関連性はどうなっておるのか、かりに具体的な問題といたしまして都市生活において水洗便所がどんどん普及されていったとした場合に、水洗するところの水のもとがしっかりと、上水道において確保されているのかどうか、渇水期におけるところの対策はどのようになされようとしておるのか、こういった問題を総合的に考え計画していかれないと、今政府国民の輿望にこたえて道路整備にうんと力を入れていこうとしておられるのでありますが、こういった問題と関連してどうなるのか、こういう点を考えますと、私はやはり総合的な対策がこの際どうしても必要だと思うのでありますが、この点につきましてどのようにお考えになっておるのか、これを一つ明確に御説明願いたいと思います。
  42. 町田稔

    町田政府委員 下水道事業を推進して参ります際に、他の事業との関連考える必要が非常にありますことは、ただいま御指摘通りであります。  まず第一に道路の舗装との関係でございますが、従来下水道に関する事業費が少かった関係で、下水道の必要なところに対しましても下水道を敷設することができずに舗装を先にしてしまうというようなことも多くあったわけでございますが、これらの不経済な事業のやり方を是正いたして参りますためには、舗装いたします前に下水道を埋設しておくことがぜひとも必要であります。それには必要な事業費の確保が何よりも先決でございますが、下水道事業については大いに事業費を確保していくということがまず第一に喫緊のことだと思うのでございます。  次にせっかく下水道等を地下に埋設する際に、舗装道あるいは道路を掘るわけでございますが、その際に電線、電纜、ガス等の工事を同時に施行することがきわめて望ましいのでございまして、問題といたしましては共同溝の問題がございまして、こういうものを同じパイプの中に入れるような施設をすることがきわめて必要でございます。ただ下水の場合にはこれは自然流下を考えなければならないのでございまして、自然に勾配のついたところ下水計画していくことが必要でありまして、共同溝を作ります場合には、必ずしもそういたしますことが他の施設にとっては経済ではありませんので、下水の問題はすべて共同溝で解決するわけには参りませんが、場所によりましては共同溝に下水を入れて同時に施行していくことも可能な場所もありますので、今後はそういう可能な場所につきましては共同溝をも同時に考えて参りたい、こういうように考えております。  なお地方庁に地下埋設物に関して総合的な、今御指摘になりましたような連絡を作らせるために、将来協議会等を設けて事業施行の適正を期していくというように指導して参りたい、こういうふうに考えております。
  43. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま御答弁を願ったのでありますが、一応構想としてのお考えは妥当であると思います。しかし要はこうしたい、ああしたいと思っておったって、結局予算がなければそれが実現できないのであります。こういう点を総合的に考えまして相当予算をこれに導入をしないと、非常なむだが積み重ねられて、国民負担をむだなところへ大きくかけなければならぬ、こういうことを心配するのでありまして、先ほども申し上げましたように、一番優先的になさるべきものは下水道であるという観点から、この考え方をしっかりと腹に持って計画を進めていかないと、過日の委員会におきましても道路行政に対しましていろいろ御質問申し上げたのでありますが、私たちが都内において道路の補修改装の工事を見ましても、長い間かかって、そして交通上不便を感じておって、どうやらこうやらでき上ったと思ったその次の瞬間においてまたその道路が破壊されているという、こういう現実を目のあたりに見せられて、私は都民が一体これをどう考えているのか、こういうことを考えましたときに、やはり政治に携わる者といたしまして大きな責任を感ぜざるを得ないのであります。これを局長さんにお尋ねしたって御無理かと思うのだけれども、いずれまた私は大臣に、こういう面についてもう少し真剣に道路行政と取り組まるべきではないかとただしたいと考えるのでありますが、この問題について局長さんはどのようにお考えになっておるか、もう一ぺん御説明願いたいと思います。
  44. 町田稔

    町田政府委員 ただいま御意見のありましたことはまことにごもっともでございまして、私も全く同感でございます。ことに今後下水道がだんだん促進されて参りますと、ますます道路との関連が深くなって参りますので、その施行に対しましては道路の舗装してない部分、近く舗装をする部分等につきましては優先的に実施するようにいたしたいと思います。今回の法律におきましてもその点を考えまして、下水道事業を認可いたします際には都市計画決定とか、都市計画事業の実施等を十分勘案して認可を進めるということにいたしてございますが、それもただいま御指摘のありましたような御趣旨に沿って規定いたしていくというふうに行政上注意をして参りたい、こういうふうに考えております。
  45. 三鍋義三

    三鍋委員 どうも都市計画事業といたしましても、こういった庁機関の連絡が不十分だと思います。それで局長さんに伺います。住宅公団は新しい市街地を造成されつつあるわけですが、これに対しまして、今申し上げたような下水道道路、住宅といったこの順序がしっかりと確保されて計画されておるかどうか、この実施状況を御説明願いたい。
  46. 町田稔

    町田政府委員 私、住宅公団の宅地造成の関係しか実は十分知らないのでございますが、宅地造成の関係では必ず下水道事業の中に入れておりまして、新しい宅地には下水道が敷設されるように実施いたしております。
  47. 三鍋義三

    三鍋委員 それは徹底しておりますか。
  48. 町田稔

    町田政府委員 新しい宅地造成には全部そういうふうにいたしております。
  49. 前田榮之助

    前田(榮)委員 最後に一つお尋ね申し上げたいのは訴願の問題であります。この四十三条で異議の申し立てができるようになっております。これは当該処分のあった日から三十日とありますが、普通これは六十日くらいです。訴願法の第何条であったかにあったと思いますが、それはどういう理由に基いて三十日という標準を立てたか。また訴願をしないで行政訴訟ができるかどうか、そういう点を明らかにしていただきたいと思います。
  50. 町田稔

    町田政府委員 四十三条で、ただいまお話のありましたように三十日となっておりますが、これは異議の申し立てについての規定でありまして、実は下水道法では異議の申し立てを認めておりますが、訴願は認めておりません。それで異議の申し立てをした後なお不服のある者は、行政事件訴訟特例法で訴訟するということになるわけでございます。特に訴願を認めなかった理由といたしましては、訴願法によりましすと、訴願は直接上級行政庁に訴願をすることになっておりますので、下水道法に関しましては、下水道工事の直接上級行政庁がございませんので、直ちに訴訟するということにいたしておるのでございます。なおこの三十日についての例は、たとえば都市公園法等におきましても同じようになっております。
  51. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それはやはり公益事業であるというので、訴願の道を開いておらぬということですか。
  52. 町田稔

    町田政府委員 下水道の管理事務は各市町村の個有事務でありまして、それに対して大体直接上級行政庁というものが考えられない。それで異議の申し立ては処分をした庁に対していたすことができますけれども、訴願の場合には直接上級の行政庁にやるわけでございます。それがございませんので訴願が認められない、こういうことでございます。
  53. 前田榮之助

    前田(榮)委員 最後にもう一つお尋ね申し上げておきたいのですが、今三鍋君からいろいろ下水道工事と道路改修関係との関連についての御質問があったわけなんですが、この問題について今御答弁によりますと、地方にいろいろ協議会的な横の連絡をするようにしたいということであります。これはきわめて適切なやり方だとは思いまするが、地方でやるということは、中央でそういうことが模範的に行われて、まず右へならへというように指導すべきであろうと思うのであります。そういう点で、水道は十カ年計画というようなことであろうとし、道路は自動車の発展に伴いまして、計画に十カ年計画をむしろ五カ年計画に縮めるという傾向なんです。今三鍋君からの御説明もありましたように、水道が先行すべきであるというのにもかかわらず、その方がややともすると計画があとになる。少くともこの工事をやる場合におけるところの方法は、いろいろないわゆる施工について連絡上うまくやるといたしましても、一応水道計画というものを都市に早く立てさせる。そうすると従って水道の工事を行わなくとも、水道の計画はこの線はこういうようになるのだということが明確になりますると、その線に沿うたところ道路計画というものも考えられる。先行すべきだ、こうことに相なろうと思うのであります。従ってそういうことを考えてみますると、中央において厚生省やあるいは建設省河川関係道路関係というようなものと合せたところの、すべての総合的ないわゆる機関が必要ではないと思うのです。そういうことについて、建設省内においては省議等において連絡はなされておると思う。なされておらなければ大へんだと思うのでありますが、厚生省やその他の官庁との連絡というものについて、何か機関を必要とするのじゃないか。地方に必要と同時に中央において必要なんじゃないか。こういうことの一つ御方針を承わりたい。  もう一つ最後に、せっかく厚生省がおいでになっておりますからお尋ねするのですが、最終的な処理場は、厚生省の所管事務は当然衛生やその他の関係でそうなってきたわけなんですが、こういう下水道関係というような近代的な一つのことは、やはり都市計画の上から、あるいは市街地の建設の上から、全面的に建設省に所管して一貫行政が行われるべきではないか。ただ衛生に関するところ水質検査というような医学、衛生等に関しましては厚生省が必要だと思うのでありますが、こういう都市の建造物等についてはもう建設省におまかせになる方がよいのではないか。おまかせになったからといって、建設省は横暴なことを私はしないと思う。やはり厚生省に合議すべきものは合議して、近代的な都市に遺憾なからしめるようにされると思うのですが、厚生省はそのお考えについて、一つ御所見を漏らしていただきたいと思います。
  54. 町田稔

    町田政府委員 地方に連絡機関を設けると同様に、中央にも何らかの機関を設けて、各関係機関の事業に総合性を持たすべきではないかという御意見はまことにごもっともでございまして、十分検討いたして参りたいと思います。
  55. 尾村偉久

    ○尾村政府委員 ただいまの下水道を行政の一元化でいくか、この終末処理のさしあたりの一番中心問題である屎尿を中心とした衛生行政の方でその部分を横に一元化するかというような御趣旨のお尋ねと存じますが、現在水道計画の、四十年で大体都市は全部おおうような計画を進めておりまして、従いましてこの水道計画が終っておりますれば、水洗化も全部水による水洗化は可能になるというような状況は将来予測されているわけでございます。ただ屎尿処理の方の計画、さらにその中に含まれております屎尿を中心とした終末処理計画では、いまだに都市人口の過半が残るようなさしあたりの計画。終末処理はさしあたり目標のできる六十都市を、五年後に終末処理によりまして大体従来の約二百万の屎尿処理、下水による屎尿処理を合せまして千二百万がわが国で屎尿処理が下水によって行われる、かような現在の目標でございますので、従って残りのいわゆる地方、いなかで処理しているものを除きましても、まだ四千万人程度の要収集屎尿が他の方法によってこれを処理されなければならない。最近におきましては、衛生問題の中心が大体この屎尿処理を中心とした設備による予防措置ということに壁がなって参りました。ほかの、患者中心に追いかけ回すということは大体行き詰りまして、もう処理そのものにあるということになって参った。従いましてこの下水による処理は、都市の美観それから文化生活ということを兼ねて、一番理想的な衛生処理でございますが、これを五年とか十年以内に全部下水処理によって屎尿の衛生処理を完備するということは、これはわが国で理想でございますけれども、莫大な費用とそれから土地その他の条件の整備が要するものでございますので、今建設省がお立てになっている下水計画の中で、屎尿処理がこれによってできる最大限度を選びましてやっているわけであります。従いまして当分の間は、やはり同じくこの市民屎尿処理を、ある部分は消化槽あるいは機械的なくみ取りによりまして極力文化的にやるけれども、最後はその他の処理によらざるを得ないという部面が大部分残りますので、当分の間はこれとにらみ合せて移行できるものは移行するという観点で実はやっているわけでございます。将来の基本方針としてはさようには考えておりませんが、当分の間はそれが実際に合うのではないか。かように両省でも話し合って連絡を密にいたしております。なお連絡の協議会的なものが常設になれば、一層今のような計画促進して、早く下水処理による屎尿処理を完璧にするということが望ましいことでございますので、これも省としては賛成しているわけでございます。
  56. 三鍋義三

    三鍋委員 先ほど総合計画について計画局長さんにお尋ねしたのでありますが、そのときにちょっと触れておりました上水道の関係です。これはずんずん便所あたりの水洗化が強く推し進められていくわけでありますが、上水道との関係、特に渇水期におけるところのこれに対するところの需要をどのように満たし得るかという問題、こういう点につきまして厚生省の立場から一つ説明願いたいと思います。
  57. 尾村偉久

    ○尾村政府委員 大体上水道の一人当りの使用量の問題にかかって参りますが、水洗を一人一日約二十リットルの水を最小限度要するということになりまして、これから積算いたしますと、現在の上水道の、ごく特殊な工業都市は除きまして、一般的には二百リットル大体市民が要求を持っておる。これが倍近く、そういたしますと約四百リットル、それは市民全部が水洗化した場合です。従いまして上水道の工事計画といたしましては一トンすなわち千立方メートルを二人半、一人約四百リットルということで将来計画考えておりまして、その計画からいきますと大体水洗化になりましても大丈夫、こういう計画を今、やはりこの点もかんがみまして立てておるわけであります。  それから渇水期の問題でございますが、この渇水期の問題は水洗だけに限りませず、実は今東京初め大都市の水源確保に非常に重大な問題でございます。単なる姑息的手段ではできぬような都市もございます。これはもうほかの工業その他日常生活自身にも困っておるわけです。これは水道の基本な解決策として個々の市について水源の獲得にいろいろと努力いたしておるわけであります。この点は水洗便所ももちろん困ります。さような場合に、しからば水洗についてはもうくみ取り便所をこわしてしまうわけであります。そうなると、あと困るわけであります。従来の例でございますと、幾つかの例がございましたが、それが長期間続きますと、もう何ともならずにぶち抜きまして、水洗でなくて、ある程度たまるとバケツの水でとにかく流す、かようにせざるを得ない。小都市の例でございます。あるいは専用下水道の例でございます。それまでは一応あの中に三日とか四日とかためて、これに救急車を回しまして、渇水期といいましても二カ月も三カ月も断水するということは少うございますが、一時の応急措置は当然便法を講じなければならぬ、かように存じます。
  58. 西村直己

    西村委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後零時二十三分散会