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1958-03-04 第28回国会 衆議院 建設委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月四日(火曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長 西村 直己君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 大高  康君 理事 荻野 豊平君    理事 久野 忠治君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    荒舩清十郎君       池田 清志君    井原 岸高君       木崎 茂男君    薩摩 雄次君       徳安 實藏君    堀川 恭平君       松澤 雄藏君    井谷 正吉君       中島  巖君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         建設政務次官  堀内 一雄君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁財政局         財政課長)   柴田  護君         大蔵事務官         (主計官)   松永  勇君         建設事務官         (道路局路政課         長)      三橋 信一君         専  門  員 山口 乾治君     ――――――――――――― 三月四日  委員馬場元治君辞任につき、その補欠として井  原岸高君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 二月二十八日  台風襲地帯に対する特別法制定に関する請願  (田原春次紹介)(第一一八九号)  同(福田昌子紹介)(第一一九〇号)  同(伊東岩男君外二名紹介)(第一二二三号)  同(簡牛凡夫君紹介)(第一二二四号)  同(稲富稜人君紹介)(第一二四一号)  国道三号線三太郎峠改修促進に関する請願(池  田清志紹介)(第一二八九号)  一級国道鹿児島県内整備促進に関する請願(  池田清志紹介)(第一二九〇号) の審査を本委員会に付託された。 三月三日  六角川及び牛津用直轄改修に関する陳情書  (第五九三号)  木造低家賃住宅建設に関する陳情書  (第五九六号)  公営住宅建築基準単価引上げ等に関する陳情書  (第五九七号)  市費河川防災事業費国庫補助に関する陳情書  (第五九八号)  被戦災都市整備特別措置法制定に関する陳情書  (第五九九号)  江東地区恒久高潮対策事業促進に関する陳情書  (第六〇一号)  道路整備促進に関する陳情書  (第六〇二号)  公営住宅事業費全額融資制度確立等に関する陳  情書(第  六〇三号)  大井用改修工事施行等に関する陳情書外一件  (第六〇四号)  台風襲地帯に対する特別法制定に関する陳情  書(第六〇五号)  大火等被災者に対する災害融資法制定に関す  る陳情書(  第六〇八号)  海岸及び河川堤防整備に関する陳情書  (第六〇九号)  大阪市内及び周辺の道路整備促進に関する陳情  書(第六一四  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  農林水産委員会との連合審査会及び地方行政委  員会との連合審査会開会に関する件  日本道路公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第八九号)  道路法の一部を改正する法律案内閣提出第九  七号)  道路整備緊急措置法案内閣提出第九八号)  建設省関係重要施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 西村直己

    西村委員長 これより会議を開きます。  連合審査会開会の件につきましてお諮りいたします。当委員会におきまして審査中の地すべり防止関係法案について、農林水産委員会より連合審査会開会の申し出がありました。つきましては、明五日水曜日午後一時より建設委員会農林水産委員会連合審査会を開会するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西村直己

    西村委員長 御異議なしと認め、さように決します。
  4. 西村直己

    西村委員長 次に建設省関係重要施策に関する件につきまして調査を進めます。質疑の通告がありますから、これをお許しいたします。三鍋義三君。
  5. 三鍋義三

    三鍋委員 定員外公務員、すなわち常勤労務者または常勤的非常勤労務者、こういう実にわけのわからない名称がいつの間にかついているのでありますが、これらの方々定員化に関する問題は、当委員会におきまして与野党を問わず一致したところの一つ結論が出ておったように思うのであります。また大臣も、この問題につきましては非常に御熱心でありましで、就任なされて早々からこの問題に真剣に取り組んでいただいておったと思うのであります。大臣の発言の中にもその強い御意思が現われておったと思うのであります。つまりこれは公務員制度全面的構想がまとまらない、こういった理由で、さらに遷延するということは許されない問題である、こういった観点から、岸総理大臣に対してもいろいろとお話しなさった関係からだと思うのでありますが、総理大臣も、これは早く何とか善処せなければならない、こういった意思を明らかにしておられるのであります。また閣議におきましても、公務員制度の問題が間に合わない場合においては、別個に定員として処置すべきであるということを了承しておられるのであります。こういった当委員会における与野党一致したところの一つ見解、そして大臣熱意によって首相を、そして閣議を動かして、一つ結論的方向へ何とか妥結せしめなければならないという意図のもとに努力されてきた、その結果がどうなっているかというと、大臣熱意にもかかわらず、また当委員会与野党一致しての要望にもかかわらず、あまりにもみじめな、意外な結果が生まれてきておることは御承知の通りであります。  この定員外のいわゆる準職員補助員といった方々は、建設省関係におきましては二万二百三十六名いるのであります。これに対しまして建設省当局といたしましては、何としてでも一万八千二十人くらいは定員化しなければならない、こういう強い要求がなされたと聞いておるのであります。ところがこれが行管におきまして、うんとその数が減らされて、一万人という数字が出たやに聞いております。こういった、次から次とその要望が低くなって、削られていく段階において、最後の大蔵省決定したところの、いわゆる予算化されたところの、繰り入れの定員化される人員というものは四千五百五十三名、こういうことになってきておるのであります。私たち大臣の御努力は十分了解できるのでありますが、これではあまりに当委員会意思を無視し、また全体の関係当局の考えている意思がじゅうりんされている、こう感ぜざるを得ないのであります。これらの点につきまして、どうしてこうなってきたかという話の推移と、どこに隘路があるのか、どこに問題点があるのか、今後この問題を実際にどう取り扱っていこうとされているのか、まず大臣の御所見を承わりたいと思います。
  6. 根本龍太郎

    根本国務大臣 ただいま三鍋さんから御指摘のありましたごとくに、いわゆる非常勤労務者、あるいは常勤的非常勤労務者という非常に変則な地位に置かれている人々のためにこれは是正しなければならないということで、私は就任間もなくから閣議においてこの問題を取り上げ、関係閣僚の御了承を得、また総理の御賛同も得まして、基本方針といたしましては、公務員制度全面改正の際にこれは処置すべきであるという態度を従来とっておりました。政府はもとよりその基本的態度は同じでありますけれども、しからば公務員制度全体をにわかに全面的に改正する準備ができておるかということになりますると、担当者に向きますと、そういうわけにもいかない、こういう事実が明らかになりましたので、そういう場合におきましては、公務員制度全面改正を待たずとも、定員化の問題として取り上げるという方針決定したわけであります。そこで現実の問題としてわれわれといたしましては、先ほど御指摘にありましたように、一万数千名のこれらの職員定員化する要求を出しておるのでございます。ところが、御承知のように定員化の問題を直接担当しておりまするのは行政管理庁でございます。行政管理庁といたしましては、すでに当委員会におきましても関係政務次官並びに事務当局を招致して御審議になりましたように、現在の各職場におけるこれらの非常勤労務者並びに常勤的非常勤労務者職種並びに現在実施している事務実態について調査の上、国家公務員と同等の責務並びに待遇を与えなければならないという現実調査のもとにおいてこれは査定する、こういう態度を明らかにしたわけでございます。われわれの見解と若干違う点はありましたけれども、行政管理庁は御承知のように、この問題については一々たんねんに調査した結果査定した、こう言っておるわけでございます。その結果査定されたのでございまして、われわれの方では、これでは不十分であるという意見表示はいたしましたけれども、全体としてそういう方針でこれが査定され、しかも前提条件としては、今回定員化されない人々につきましては、これは公務員制度改正の際において全面的に検討する、こういう前提のもとに、まあ第一段階としては、四千五百五十三名で必ずしも十分とは言えませんけれども、やむを得ないということで、この点をわれわれも承認せざるを得なかった、こういう状況でございます。
  7. 三鍋義三

    三鍋委員 行管の細密な調査資料によって、とりあえず少いけれども四千五百五十三名というものをのまざるを得なかった、定員化の問題は依然として、根本的には全部定員に繰り入れなければならないという考え方は持っておる、そこで行政機構改正の時期において、この問題を根本的に解決したい、このように御答弁なさったと了解するのであります。これにつきましてはいろいろと問題があるのでありまして、行管あるいは大蔵主計局、これらの方々をお呼びしてお聞きすべきであるとも考えておりましたが、この問題はもうあまりにも明白に大臣意図も私たち了解しておりますし、繁雑を避ける意味におきましてこれを省略したのであります。それで私はこの定員化されようとしておるところの四千五百五十三名、この内容について若干お尋ねしたいと思います。これは官房長でよろしゅうございますから御答弁を願いたい。つまりこの四千五百五十三名の職種別内容です。事務技術技能、これらにわたりまして、この四千五百五十三名をどのように配分されようとしておるのか、これをお聞きしたいと思います。
  8. 柴田達夫

    柴田政府委員 今回定員化すべき数といたしましてきめまして予算に計上いたしております数は、先ほど来お話がありましたように、建設省全体で四千五百五十三名でございます。その内訳といたしまして、所属別に申し上げますと、公共事業関係すなわち地方建設局関係が四千四百八十八名でありまして、そのほかは本省付属機関等行政部費関係といたしまして、本省が二名、土木研究所が八名、建築研究所が五名、地理調査所が四十五名、建設研修所が五名、この行政部費関係のもの合計六十五名、合せまして四千五百五十三名ということになっております。この数を出しますにつきましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、行政管理庁等におきまして実態調査に基いて、相当基礎を持って、各省比較勘案いたしまして拾い上げたわけでございますが、これを建設省といたしまして実施いたします段階におきましては、この数の範囲で、さらにその査定基準を尊重いたしますけれども、一そうの公平を期するように、任命権に基きまして処置いたしたいと考えております。従いまして職種別の詳細はまだ決定はいたしておらないわけでありますが、大体の考え方を申し上げますと、地方建設局の本局とそれから工事事務所等出先機関におきます管理事務用地事務、つまり事務関係仕事に従事いたしております主任者主務者程度のものを拾いたい、それからこれらの事業施設の中の技術者の方におきましては、測量、設計、試験等の業務につきましての主任者ないし主務者程度のものを拾いたい、それから工事現場のいわゆる技能者、この関係におきましては、一群の労務者を指揮監督いたしておりますか、または工程管理を行なっております主任技能者を拾うようにいたしたいと考えております。その事務技術技能内訳の詳細は、大体の概数は見当がついておりますけれども、詳細につきましてはまだ決定いたしておりませんので、御承知をお願いいたしたいと思います。いずれにいたしましても定員法が国会を通りまして実施する段階におきましては、今までの実態調査のさらに調査いたしまして、また行政管理庁査定基準にも従いまして、公平な立場から定員化の趣旨に沿うように善処いたしたいと考えております。
  9. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま官房長の御答弁によりますと、大体において事務技術技能関係主任級の方及びそれに該当するような中から拾い上げて定員化の中へ入れたい、こういう御答弁であったと思うのでありますが、その限界というものはなかなか困難な場合があるのではないかと思うのですが、これらの基準について、もう少し私たちの納得のいける線を御説明願いたい、こう思います。
  10. 柴田達夫

    柴田政府委員 もう少し詳しく御説明申し上げますと、この要求をいたしました際の実態調査といたしまして、職務内容、それから責任度合い、こういうことから一つの階級的に区別を設けまして、職務内容複雑性あるいは責任度合いが多少なり重い、こういうものからABCというふうに、それぞれの職種別に拾いましたものが基礎になっております。この点から申しますならば、この基準といたしましてはやはり職務内容責任度合いというものを、以前の調査基礎にいたしまして、さらに十分調査をいたしまして間違いのないようにいたしたいということが一つでございます。それから行政管理庁査定基準におきましては、そのほか勤務条件、つまり勤続年数でございますとか現在受けております給与でございますとか、そういう形式上の年数やあるいは給与号俸等によりまして表現されますものも基準にいたしておりまするので、そういう勤続年数給与等勤務条件もあわせて勘案いたしまして最終的に決定をいたしたい、かように考えておる次第であります。
  11. 三鍋義三

    三鍋委員 まず大ぜいの中からわずかの人を定員化しようとするのですから、何かやはりよりどころがなければならない。そのよりどころを御説明願ったわけでありますが、たとえば勤務内容とかあるいは責任度合いといったようなものを一つ調査基準にするといたしますと、これはだれがそういうことを判定してきめるのですか。この点を一つ承わりたいと思います。
  12. 柴田達夫

    柴田政府委員 実態調査をいたしております際に、各地方建設局におきまして、本省が示しました詳しい標準に基きまして、一応記入をいたしております。この表につきましては、さらに厳密に本省におきまして調査をいたして、調整を要すべきものは調整をいたしまして本省基準を示しまして、それに基いて各地方建設局において最終的な決定をいたすようにいたしたいと考えております。
  13. 三鍋義三

    三鍋委員 今、学校の先生方に対して勤務評定をやるとかやらぬといって、えらい問題になっておるのでありますが、教育の場合とは多少違って、何らかのこういったこまかい一つ基準によって結論が出ることとは思いますけれども、これはなかなかむずかしい問題だと思うのであります。ABC――AとB、BとC、CとDの境界線をどこに引くかということは、現場にいる人がこういうことを命ぜられたのでは、実に困難な立場に追い込まれることが目に見えるような気がするのであります。しかし現段階においてこういう数字が出た以上、これを何とか補わなければならない、定員化しなければならないという立場からいきますれば、こういう無理なこともあえてせなければならないでありましょう。この問題はなおいろいろと深く掘り下げていかなければならない問題でありますけれども、ここらあたりで一応省略いたしまして、次にお尋ねいたしたいと思います。  それは準職員四千五百五十三名の定員化によりまして、現在の準職員の数がそれだけ減るわけでありますね。ですから当然そのあとをいわゆる常勤的非常勤職員によって穴埋めする、こういうことが一応考えられるのでありますが、これに対してどのようなお考えを持っておられるか、官房長にお聞きしたい。
  14. 柴田達夫

    柴田政府委員 今回の措置は、準職員並びに補助員と申しております常勤的非常勤職員、両方を通じましての定員化の問題として出て参ったわけでございまして、大体におきまして定員化されまする数字は、準職員から定員化されるというふうになります。しかしながら、常勤的非常勤職員の中からもこれに準じまして、先ほど申し上げましたような基準に該当する者がおりますならば、これも何ら定員化することを差し控える方針を持っておるわけではございません。そういうふうにいたしまして、定員化する数四千五百五十一名を、予算の上におきましては全く定員内の職員同様に正式の俸給人件費を計上いたしておりますが、反面において準職員等からはそれだけの定数を落しているわけでございます。そういう関係になりますので、四千五百五十三名に当りまする数が穴になって、そこへ今度は補助員が昇格できるという形には実はなっておらないわけでございまするけれども、その間におきましてごく若干の数につきましては、準職員補助員から格上げできる者もあると思いますが、四千五百五十三名全体につきまして格上げするというような措置にはなっておらないわけでございます。繰り返して申しますと、準職員補助員のうちから定員化する者を定員化するという措置でございまして、準職員定員化され、その次は補助員が準職員に上ってくるという措置にはなっておらないわけでございます。これは補助員というものに対する見方につきまして、またやはり別な見解があるわけでございます。大蔵省等見解がございまして、定員化されることは直ちに準職員もまたふやしてやるということにはならない。しかし全体を通じて、先ほど来お話が出ましたように、定員化の問題が将来の問題として残っておる。順々に上っていってなるんじゃなしに、やはり全体として定員化の問題が将来に保留されている、こういうふうにお考えいただきたいのでございます。
  15. 三鍋義三

    三鍋委員 しっかりとわかりかねる点があるのでありますが、結局四千五百五十三名というものが定員化されるのは、準職員、それから補助員、これらを合せて、その基準に合った人を定員化する、こういうことになるのですか。
  16. 柴田達夫

    柴田政府委員 さようでございます。
  17. 三鍋義三

    三鍋委員 そうすると今度定員化されるのは準職員で、そうしてその穴になったところに補助員を入れる、こういうわけじゃない。準職員補助員を通じて基準に合った適正なる人を、職種別を問わず定員化していく、定員内に入れていく、こういうことでございますか。
  18. 柴田達夫

    柴田政府委員 後者の方でございます。準職員定員化される、そのあと補助員がまた準職員になるという順ぐりではなくして、準職員補助員定員化される対象になる。しかし実際問題といたしましては準職員か大多数を占めておるということになります。おわかりにくかったのは予算のことを申し上げなかったからだと思いますが、準職員予算定数がありまして、予算定数化をいたしまして、その中で定員化さるべき者の数につきましては、準職員予算定数を落しておりますから、それで補助員順ぐりに準職員予算定数でまかなえるものにならない、こういう格好になっております。従って補助員として残された者は依然として大多数は補助員として残らざるを行ない、こういう形になっておるわけでございます。
  19. 薩摩雄次

    薩摩委員 関連。定員化の問題は、私が建設官房長をやっておったとき非常に問題になりまして、当時も相当論議があったのですが、ただいま三鍋委員大臣官房長との質疑応答を承わっておりまして不可解な点が一、二ありますから、お尋ねしたいと思います。  大臣にお尋ねいたしたいのは、ことしは四千五百五十三名というものを行政管理庁において了承した、こう言っておられます。了承した以上、ことしふやせということはむずかしいと思いますが、ことしは四千五百五十三名でございますが、来年になればまた何千名か定員化することができ得るのかどうか、こういうことを大臣にお尋ねいたしたいと思います。それから官房長に対しては、補助員定員化される、準職員定員化されるということに対する基準、いわゆる何年以上在職しているとか、あるいは学識経験とか、あるいは勤務評定的な仕事の面における非常に卓越せる仕事をやったとか、あるいはまじめであるとか、どこにその標準があるのか、これを官房長にお尋ねいたしたいと思います。
  20. 根本龍太郎

    根本国務大臣 本年四千五百五十三名にいたしまして、来年はまた何ぼかずつふえるか、こういう御質問でございまするが、建前はそうなっておりません。建前は全面的に公務員制度をすみやかに改正して、こういうような変則なる職員を置かないということが建前でございまするので、従いまして総務長官におきましても、なるべく早く案をまとめまして、少くとも昭和三十四何度予算編成のときには公務員制度を全面的に改正するという建前をとっております。そういたしますれば、この定員増ではなくして、公務員制度全体の改正によって、この問題は根本的に解決すべしというのが私の主張であります。同時にまた総務長官もその方針でやると言っております。しかし今薩摩さんが言われるのは、そう言っても、おそらくまた三十四年度予算編成のときに公務員制度全面的改正案が出なかったならば、さらにまた定員をふやすというような事態にならないかという意味もお含みかと存じます。その場合は、当然これは要求しなければならないと思っております。しかし建前上は、こういう制度自身が不合理であるから、全面的に公務員制度改正という段階でありまするから、今のところ総務長官に対しては、私が来年は何ぼふやせということは、これは一歩後退になりますので、それは言っておりません。今は、先ほど申し上げたように全面的にこれは改正すべし、しかしもしこれが、三十四年度予算編成のときにそれができないという事態になれば、これは本年と同様に実態に基いて、三十三年度予算編成のときにはやむを得ず落ちついたけれども、主張すべきことは主張しなければならぬ、かように考えておる次第であります。
  21. 柴田達夫

    柴田政府委員 定員化に当っての実際の基準についてのお尋ねでございますが、これは最終的には先ほど三鍋先生にお答え申し上げましたように、地方建設局におきまして基準に基きまして選考を行うことになります。しかしこの定員化につきましては、できるだけ客観的な基準でやりたいと考えております。公平にやるためには客観的な基準によりたいと思っております。その際に勤務条件ということを申し上げましたが、まずたとえば七等級以上の者、それから八等級の者についてはこういう者、こういうふうに、これは定員外職長でございますが、公務員でございますので、何等級かの俸給を受けているわけでございます。七等級以上の者あるいは八等級についてはこういう条件の者、こういうふうにきめまして、それに基きまして選考をいたしたい、かように考えております。その際に、ただ全体として任命権者の恣意がそこに入ることがないように、公平にやるようにいたしたいと考えております。
  22. 三鍋義三

    三鍋委員 そこで公務員制度改正の問題が出たのでありますが、これはずっと延び延びになっていくのでありますが、大臣として、一体いつごろこれが案となって出てくるか、改正法案がいつごろ提出される運びになるか、お見通しいかがです。
  23. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私現在担当でありませんから、はっきりしたことを申し上げられませんが、御承知のようにこれはだいぶ古い問題でありまして、私が鳩山内閣官房長官当時、二年間これを間接にタッチしました。当時は給与担当国務大臣がこれをやっておりまして、私がいろいろと御協力申し上げたという形でありましたが、昨年の十月ごろ、今の今松総務長官相当突っ込んで私は話してみました。御承知のように、一応閣議では定員化はするといっているけれども、これは何としても、いわば暫定的な措置である、根本的には現在このような非職勤労務者だとか常勤的非常勤労務者とかいう変則のものを置くということは、それ自体おかしいことなんだから、しかもこれは公務員制度全体の改正のときにやるという一貫した方針をとっている以上、総務長官としては一体いつごろまで案をまとめる気持かということを、突っ込んでお話しいたしております。そのときには、できるだけ三十三年度予算までに間に合わしたいと思うけれども、何しろ非常に広範な問題が錯綜しておりますので、三十二年度は間に合わないけれども、三十四年度にはぜひこれはまとめたい、事務当局に対してもそのような方針のもとに指導しておる、こういうことを言っておりますので、私も今までの経緯からしまして、三十四年度予算編成までには何とか格好つくのではないか、かように思っておる次第でございまして、われわれも直接担当者ではありませんけれども、しかしこういう相当多数の職員を抱えておる関係上、さらに一そうこの問題を推進して参りたいと考えておる次第でございます。
  24. 三鍋義三

    三鍋委員 この作業が、今大臣の御答弁にもありましたように、いろいろ広範にわたっておりますから、なかなかむずかしいとは思うのでありますが、こういったものがずるずると引き延ばされて、一番困った状態に追い詰められていく、現在の常勤労務者とか常勤的非常勤労務者とか、こういった変則的な立場に置かれております人々のすっきりしない、身分の安定しない生活をなおこのままずっと続けていくということはどうしても許されないことだ、こういう感じを私たちは強く持つのであります。この問題は、直接担当大臣ではございませんけれども、一つ一そう閣議その他で御鞭撻下さいまして、早くこれが改悪でなくして、りっぱな改正になるように、この上とも大臣の御努力を期待したいと思うのであります。このいわゆる定員外職員の問題の根底は、もうここで何度も繰り返す必要もないことでありますが、同一労働条件において公共事業に働くところの職員、あるいは労働者を、定員法からはずして現業の職員とするか、どうしても定員法内で取り扱うとすれば全部定員化するか、私はこの二つの点だと思うのであります。少くともこういった臨時職員制度というようなやり方は、何といったって不明朗でありまして、すぐ撤廃すべきものである、これがこの委員会におけるところの結論なのであります。  そこで、これはこまかい問題でありますから、一つ官房長にお聞きいたしますが、先ほどの御答弁によりましても、技能労務者は他の職種と区別した考えを持っておられないというお考えのように私は承わったのでございますけれども、そういう解釈でよろしゅうございますか。
  25. 柴田達夫

    柴田政府委員 全く区別した考えは持っておりません。
  26. 三鍋義三

    三鍋委員 これは石破事務次官も、全建労の諸君の切実なる陳情に対してはっきりと申しておられたようでありまして、建設省では、この技能労務者は宝のように大事にしていかなければならぬ立場の人である、こういうことも言っておられるので、今官房長お話を承わりましても、ここに差別的な取り扱いはしないということが明白になりまして、私も安心しておるのであります。  もう一つ官房長にお尋ねします。これは主計局あたりにお聞きすればいいのでありますが、新しく定員となる人のために、職員給与の支出科目に建設工事事務費というものが設けられておりますね。この支出科目が設けられたのでありますが、今までの職員給与の科目と別個にこういう工合に取り扱われていこうとする理由がちょっとわからないのでありますけれども、御説明願いたいと思います。
  27. 柴田達夫

    柴田政府委員 定員化されましたものの予算の計上方式でございますが、これはお話のように、普通建設工事事務費というものを設けておりますが、全部が全部定員化されたものを工事事務費に入れるという趣旨ではございませんので、行政部費の方は、本省でありますとか、付属機関におりますものについてはそれぞれ本省の付属機関の行政都賀に計上しておりますが、何分その方の数が少くて、公共事業の地方建説局の中の、今までの工事事業費の中に盛った職員の中から定員化されたものが多かったものでありますから、その者につきまして、今までの工事事業費の中に置いておくのはおかしいので、新しい項を設けまして、工事事務費というものにいたしましたわけでございます。しからば、なぜそれを地方建設局に一括しなかったかということの御疑念があるかと思いますが、これは工事事務費を含めまして、現場仕事につきまして、地方分担金の対象になることに人件費が相なるわけでございます。そういう関係で、地方建設局の方に一括計上いたしますと、分担金の対象とする範囲が明確にならないというようなこともございまして、本局におるものについては地方建設局、それから本局以外のところにおるものは、別に新しい項を設けまして、建設工事事務費ということで計上いたしたわけでございます。それぞれそのおります場所で一人前の定員化するような予算の計上方式をとった、こういうことに相なる次第でございます。
  28. 三鍋義三

    三鍋委員 松永主計官がおいでになっておるようでございますが、今の新設科目が設けられたのでありますが、これによって新しく定員となる人の給与の支出、これはずっと今後続けていかれるつもりですか。
  29. 松永勇

    ○松永説明員 ただいま建設省官房長から申し上げました理由によりまして、地方建設局あるいは本省と区分して経理した方が今後の都合がよかろう。特に地方分担金をかける上において、その計算の根拠にならないものと、なるものとが一緒になっておりますと、計算上非常にむずかしくなって参りますので、今後もこういうふうに分けていくというようにいたしたいと思います。
  30. 三鍋義三

    三鍋委員 そこで最後のまとめとして、大臣に明快なる御所見を承わりたいと思うのでありますが、要するに、このたび二万二百三十六名という変則な定員外方々定員化の問題を通じて、当委員会で、また本日もいろいろと御質問申し上げておるわけでありますが、結論といたしまして、これらの方々のうちの一部が定員化されるということになるわけなんです。ということは、定員内に繰り入れられる人と、大部分の繰り入れられない人とがある、こういうことに結論的になるのでありますが、先ほどからたびたび申し上げますように、大臣の御苦心、御努力は私たちはよくわかるのでありますが、具体的にこういう問題か一つ出てきて、そうしてこの問題を冷静に考えてみますと、私は実に弥縫策であると思うのであります。これは人事管理の上からいたしましても、また建設行政を効率的に、そしてりっぱな仕事をするという立場からいたしましても、ここに一つの大きな溝といいますか、不明朗なものを現場に与える、このように考えるのであります。大臣といたしましては、一人でもよけい定員化しようと努力なされたことは、私たちはよくわかるのでありますが、その結果といたしまして、大臣の御努力にもかかわらずこういうことになったのでありますが、これが現場に及ぼす影響というものは、実におそるべきものがあると考えるのであります。現に地方建設局におきまして、同僚同士の中で今まで、いつの日にか自分たち定員化されるであろうと、お互いに現場において相なぐさめ、相激励し合って、そうして一生懸命に公共事業に従事してきた人々が、その結果といたしまして、その同じ立場におる、同じ憂えの、同じ不安定な生活の中におる人々の中から、一部の人だけが定員化されていく、こういう状態になるのでありますが、四千五百五十三名のこれらの定員化される人々が、果して喜んで、ああよかったといって定員化されていく気持になるであろうか、また取り残された多くの人々は、果してどういう気持になるであろうか、同じ思いで、きのうまで同じ立場できたときは、また同じなぐさめ合いができたであろうけれども、こういった多くの差別をされたときに、わずかの人のために現場に非常に不明朗な姿を残すのではないか、これが一体公共事業にどういう影響を与えるかというと、私はこれは実におそるべき一つの結果が出てくるのではないかと思うのであります。現に定員化されない、またされるかもしれない、こういった立場方々が、もし辞令がおりても、これはどうしても自分は受ける気持になれない、みんな一結に戦ってきて、みんな一結の気持できたのであるからして、みんなと一緒の行動をとりたいという気持になられるのは当然であると思うのです。このときに、もし選ばれた何人かの人が、現場において辞令をもらうという段階にきたときに、もらうに忍びないという気持からこれを返上する、こういったようなことになる心配があるのではないか。現に国会の正門の前において、何とかこの不合理な処置を是正してもらいたい、最後の段階にきておるというので、すわり込みをして自分の切実なる思いを訴えていられる姿を私けさ見てきたのでありますが、こういう言動に対して、大臣はどう考えられるのであるか聞きたいのであります。物好きで勝手にやっているとでも思うておられるのか、あるいは、あれはやはり無理はないとでも考えておられるか、場合によっては、お上にたてつくところのけしからぬやつどもだ、吉田さんに言わせれば、不逞のやからだ、こういった考えを持っておられるか、今修身教育の特設時間の問題が論議されておるのでありますが、腹を立ててはいけない、現在に満足しなさい、しんぼうしなさい、こういったかつての修身教育を是認されて、まあまあお前らの言うことはわかるけれども、ここらでおれも努力したのだから、そう腹を立てるな、がまんせよ、そういうすわり込みとか、そういうことをするものじゃない、こういった気持を持っておられるのか、この辺のところを、大臣の御所見を明確にお聞きしたいのであります。御答弁をお願いします。
  31. 根本龍太郎

    根本国務大臣 四千五百五十三名について、結果的にはやむを得ないと思っておりますけれども、これで満足していないということは、すでにあなた方も御承知の通りです。そこで二万数百名のうち四千五百五十三名だから、それでは、その定員化の中において公務員になれない人が非常に気の毒である。これは人間の情として自然の感情だろうと思います。しかし、それだからといって、オール・オア・ナッシングだというならば、やはり今日までのように、公務員制度全体の改正まで延ばすというようにならざるを得ない。それではいかないから、御承知のように、この問題は初めから定員の問題よりも、やはり公務員制度として検討すべき問題なので、それができないから、暫定的というか、次善の措置として定員化することになった以上、今日のようになるのはやむを得ないことだ、こう私は存じます。  ところで、話がだいぶん突っ込んでおられまして、せっかくこっちの方で定員化してやった。それで具体的にだれそれという人を今度正式に公務員に任命する場合において、どうしても御辞退なさるというならば、強制するわけにいきませんから、御辞退なさるならば御辞退になっても、それは幾らでも他にしてやらなきゃならぬ人がありますから、それまで無理に強権をもって任命するといっても、御辞退なさればやむを得ません。これはその人の信念でございましょうから、信念を曲げろという命令まで出し得ないと存じます。それから、現在非常勤労務者人々、官公労の諸君がいろいろ陳情あるいはデモをやっておる。これは合法的にしてかつ平穏に行われることは、これは許されておることでありますから、それらの真摯なる陳情もしくはそうしたところの要請については、私は耳を傾けて善処したいと考えておる次第であります。
  32. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまの大臣答弁をお聞きしまして、私ちょっと今までの大臣に対する認識を考え直さなければならぬと思う、そういう受け取り方をしております。今、おれだけいいことをして辞令をもらうわけにはいかない、そういう本人の意思まで拘束するわけにはいかない、こうおっしゃったのですが、これはあなた、あまりはっきりし過ぎておって、味もそっけもないですよ。そうでしょう。ここら辺のところで、私たち大臣にこの上とも願いたいのは、こういうことでは現場が混乱するじゃないか、これくらいだったらむしろもらわぬ方がいいのだといったくらいのかんばりを、おそらく大臣はやられたであろうと思う、その結果だと思うのでありますが、私たちは、こういうみんなの気持を大臣に訴えることによって、大臣がまたそれによって自分の腹がまえをしっかりと締め直していただいて、公務員制度改正の問題にいたしましても、その早期実現にいたしましても、またそれまでの暫定処置といたしましても、実際の予算の上においてそう大きな差額はないのでございますから、この定員化の数を、あなたが御要求なさった、ああいった線そのままにはいかないにしても、少しでもそれに近寄らせていただきたい、こういうふうにあなたを御激励申し上げるつもりで言っているのに、辞退する者があるなら仕方がないのだ、個人の意思まで拘束するわけにいかないという、こういう言い方では、これは今までの大臣の認識を――ちょっと言葉のはずみでおっしゃったことだと思って了解するのでありますが、私のお尋ねする真意はその辺にあるのだということを御了解下さいまして、この問題については今後とも一そう御尽力、御努力願いたいと思います。  最後に一つ官房長にお尋ねいたします。このたび北陸と四国に地方建設局ができると思うのでありますが、そうなりますと、職員の異動が必然的に出てきますね。そういう場合におけるところの旅費の支給の問題とか、あるいは住宅の問題とかいうことは、完全に処置をしていただけるものと思うのでありますが、どういう見通しでおられるか、どういう構想でおられるか、これを一つ最後にお伺いしておきたい。
  33. 柴田達夫

    柴田政府委員 建設省設置法をこの国会に御審議をお願いいたしておりまして、北陸、四国地方に建設局を増設することがございます。その際に、お話のように、相当の範囲におきまして、既設の地方建設局なりから、配置転換と申しますか、転任をしてもらうということはあると思います。お話のごとく、新設地建につきましては、私どもは赴任旅費のことと、それから職員の生活安定のための宿舎の、この二つを最も心配いたしておる次第でありまして、万全を期したいと考えております。赴任旅費につきましては、予算の上におきましても、新設二地建の予算が計上されておりまして、その予算は、いろいろなものを含めまして二千二百万のうちには、新設地建の方に転任される人の赴任旅費も計上されております。しかし、実際におきましてそれが不足することかないようにということについて、十分配慮いたしたいと考えております。宿舎の点につきましても、この法案の成立と関連いたしまして、いろいろと手配を進めて参りたい。かように十分配慮いたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。
  34. 西村直己

    西村委員長 松澤雄藏君。
  35. 松澤雄藏

    ○松澤委員 先ほど三鍋委員から定員法の問題でお尋ねがありましたが、二、三関連的な問題でお聞きしてみたいと思うのです。すでに今まで当委員会においても、内閣委員会においても、数回この基本的な問題を御質問いたしましたので、くどいようでありますが、基本的な問題で一、二申し上げるわけですが、第一番目に、こういうふうな現況になったことを、政府側としては十分に検討すべきものであると、かように私は考えるものです。従って大臣にお聞きいたしたいのは、先ほど公務員制度を全面的に改正してというふうなお話もありましたが、もともと公務員制度にはこういうものを作るというふうなことがなかったものが、現場の必要性からやむを得ずこういうものが出てきて、現段階においてはかような立場をとっておるというふうにわれわれとしては理解をいたしておるのです。ところが御承知のように、本年のように道路等が非常にふえて、かつ事業量が非常にふえて参る、またまたこの事業量のふえたのに従って、同じような気の毒な立場の人を作っていくということが考えられるような気がするのですが、こういうことに対して、一体現在の定員法による定員と準職員並びに補助だけでやっていける御自信があるのか、これをまず大臣からお聞きいたしたい、かように思います。  それから次は、お気の毒な方々がついこういうような立場で残らざるを得なくなってしまったのですが、この方々を、かりに行政管理庁なりあるいは大蔵省の方でどうであろうとも、現実において現場で働かしておるところの、その責任をとっておられる建設省大臣立場なり、あるいはまた地方建設局の局長の立場において、十分にある程度の保護を加えて働かせるというふうに、温情のある取り扱いをしなくちゃならぬと思います。先ほどからも何べんもお話があったようでありますが、同じ人間として、同じ現場で同様の立場で働いておるものを、一方は身分上において不安定であり、一方はちゃんと国家的に保障され、法で守られておるということは、事実人間の立場からお気の毒にたえないということは何人でもわかると思う。それをかりに法的に云々できなくても、何らかの方法でこれをある程度まで援助するというふうなお気持があるか。あるいはまた、そういうふうな方向をとっていくという考え方のもとに何か研究をしておる、たとえて申し上げますならば、現在準職員の取扱い要項というものがたしかあるわけであります。これによって共済組合的なものを編成してやっていくということもある。そういう方で、もう少しめんどうを見るというふうなお気持があるか、これが一つ。  もう一つは、先ほど三鍋委員からもお話がありましたが、大臣が、正直なことだか、あるいはまたそうでないお気持で言われたのか何か知らぬけれども、御辞退なさればやむを得ないだろうというふうなお話がありましたが、それも何かの口のすべりだろうと思うのですが、これは現実問題としてあると思う。同じ主任級の若がおって、同じ現場で、かりに小さな三十名、四十名の事務局を持っておる工事事務所の中に、こっちも主任だし、こっちも主任だ、ところが定員関係上、どうしてもこっち一人をしなくちゃならぬ、年数も同じだし、技術も同じだ、皆の信頼感も同じだし、あるいは勤務しておる状態も同じだというふうな場合に、片方だけやって、こっちが残る。これは定員からいった場合には、万やむを得ず起る場合があると思う。その場合をおそらく三鍋委員が御質問を申し上げただろうと思うのです。そういう場合に、そこで働いてもらっておる所長なりあるいは現場の主任なりが、やはり一緒に働いてきているのですから、何とかこっちもという気持に私はなると思うのです。一生懸命そこで働いている方々もそういうような気持になって、どうしてもこの方を何とかということになるのが私は人情であろうと思うし、当然そういう気持を起すだろうと思うのです。ですからそういうような意味で、おれだけがなるという気持がやはり現場においても私はあると思うのです。そのときに大臣の正直なお話のように、君、辞退するのか、辞退するならやむを得ないやということでは、どうしても私はうまくないだろうと思う。そういう場合に、やはりどうしてもさっき薩摩委員が御質問申し上げたように、来年は幸いにして全面的な公務員制度というものが確立されて、そして今の方々をそういうふうな立場でなく、国家がこれを保障するような身分上における安定感を与える法案ができ、制度ができてやっていくならば幸いだけれども、もしもできなかった場合はやはり一年間でも待ってくれというような意味の説明というものは、万やむを得ず現場事務主任あるいは現場責任者が、その方に納得を求める意味において、言わざるを得ない気持に私はなると思うのです。そういうような意味で先ほども御質問があっただろうと思うのですが、こういうふうな点等についてどういうふうなお考えであるのか、もう一度お聞きいたしたい、かように思うわけでございます。  こまかい点なり、あるいはもっと大きなところも申し上げたいのですが、先ほどの大臣お話では、私の所管外であって、行政管理庁が云々というようなお話を再三なされますので、私としては本日は関連事項的な意味において、以上三つを大臣及び官房長にお尋ねを申し上げるわけでありますが、ただ最後までお願いを申し上げたいのは、この四千五百五十三名という定員があなた方の御努力によってきまつた、これは少しでも現場の力に喜んで仕事をしていただくような、不公平でないということ――実際問題として今言ったような問題はありますが、いずれにしても不公平でなく喜んで働いていただけるような方式を考えて、そして実行に移していただくようにしてもらいたい。並びに公務員制度の全面的な確立をはかるように大臣みずからも大いに御尽力を願いたいという希望を添えまして、関連的な質問を終りたいと思います。
  36. 根本龍太郎

    根本国務大臣 現在の、この好ましからざる非常勤職員あるいは常勤的非常勤労務者をなくするということにつきましては、御指摘の通りわれわれも今日まで努力して参りました。ところで、しからば今回四千五百五十三名が定員化されて、一応これが格好がとれたにしても、本年は昨年に比較して相当事業量が多い、従ってやはり一般事業費みたいなところから、こういうふうな変則なる立場に置かれる人がどんどんまたふえてくるのじゃ意味がないじゃないか、これをふやすかということでございますが、これはふやさないということです。  それからもう一つは、これは事業がふえましても、監督の方法あるいは請負に出すいろいろの方法等、こういうものの改善によってできるだけ人員を少くして効率を上げるということが政府担当する者の任務であろうと思うのです。そういう点で十分研究して、事業がふえましてもこういう変則なる制度下にある人々をふやさない、こういう方針で参りたいと思っております。  その次には、これはいろいろ問題がある点でありましたが、要するに人情論からして、現在定員化を二万数千名に上る非常勤その他の者が要求しておる、ところがここに一つ窓が開けたと思ったけれども、配給すべきところのものが少い、かえってここに幻滅の悲哀を感ずる人が出てくるのじゃないか。そこで公務員として正式に任命されない人々についてはできるだけの温情を持って、これらの人々の精神的な安定とともに、事実上何らかの措置を講ぜよということであります。その点は十分尊重して検討いたしまして、長い間問題になっておるこの問題を一歩解決するために作りましたところの定員の増加が、かえって職員諸君の士気を阻喪するということに絶対になってはならないと思います。むしろ喜んでいただきたいところでありますけれども、今のような人間の感情としていろいろなことがありましょうけれども、そういうことはできるだけ円満にやるように、事務当局をして処理させたいと思います。  それからもう一つは、現実の任命の場合において、同じ条件下における人々はできるだけ平等な立場に置く。ただその地区における、その職場における定員というか、そういうものの関係上できなくなったために、一人は任命され一人は任命されなくなったのは非常に工合が悪いから、そのために、せっかく任命しようとしても受理しないというような者があってはならないという御心配のようでありますが、そういう場合には場所を変えるとか、いろいろな方法があるのでありましょう。これは具体的にケース・バイ・ケースで考えなければならぬものと思いますが、十分にその点は考えて、運用上の妙を発揮して御期待に沿うようにしたいと思います。先ほど私が、どうしても辞退する者はやむを得ないと言ったのは、まっ正面から、どうしても自分がなりたくないという者を任命するわけにはいかないという一般論を申し上げたので、決してそういう人々を歓迎しておる意味ではありません。ただしまっ正面から、辞退した者はどうするんだと言われれば、政府といたしましては、ああいうように言わざるを得なかったのであります。ただいまの関連質問、さらにまた先ほどの三鍋さんのあとからのお話も、問題はそういう場合がなるべく起らないようにせいというところの御注意と拝察しますので、運用の妙でそういう事態のないように十分考慮したいと思います。
  37. 薩摩雄次

    薩摩委員 関連質問というよりは、一つ建設当局にお願いをしておきたいのでございます。セメントや砂利でもって、仕事をやっても、よく失敗があるのでございます。従ってこういう定員化の問題は大きな問題になってきたのでありますから、大臣の誠意を信じて、来年度はあくまで公務員法の全面的改正をやっていただく、これに大臣は真剣に努力していただきたい。これを希望すると同時に、働いておられる人々に希望を持たす、先ほどから三鍋委員及び松澤委員の御質問も、すべてその点にあったのです。今回の四千五百五十三名という少い数で、現場においていろいろな問題が起きるだろうということで心配の質問であったのですが、それを心配じゃなくして、働いておられる若い人々に将来に向っての希望を持たす、こういう点に一つ定員化を有利に展開するように、建設当局は格段の努力を払っていただきたいということを御希望申し上げたい。  それから建設の仕事をやっておられる方々に対しましては、先ほど官房長お話を了承したのでありますが、この建設委員会のこの問題におけるかくのごとき盛んな質疑応答のあったことを、地建の人員を決定される人々に十分徹底さしていただいて、公平にして、あとから問題の起きないようなりっぱな定員化の問題を、親切な心でやっていただきたい、この二つを、質問じゃなくして希望でありますが、最後にお願いをいたしておきたいと思います。
  38. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま薩摩委員からも申し述べられましたが、私は大臣に先ほど申し上げたのは、いよいよ現場の中から定員化される人を、いろいろの基準でそれに当てはまった者を選び出さなければならないのです。この仕事をだれがやるかというと、現場の主任とか地方の建設局長さんとか、そういう担当者がやるわけですね。私は、この人の立場を考えて言っているのです。だから実際今まで一緒に働いてきて、これでは困るなあ、何とかしなければならぬといって、みんな同じ思いで来たのが、そのうちから何人か引っ張り出さなければならぬ、引き上げたければならぬ、その直接の衝に当る方の立場を私は考えたときに、どうしても大臣は、こうやってみんな一生懸命になってやっていただいたけれども、ここまでしかいかなかったのだ、もう一年待ってくれれば、あるいはもう半年待ってくれれば、みんなの希望に沿えるようになるんだ、こういうものを与えておかぬと、現場の直接衝に当る人が非常に困られるのではないか、こう考えまして、質問の要点はそこにあるのでございまして、この点は一つしっかり大臣御配慮をお願いしたい、これで私の質問を終ります。
  39. 井谷正吉

    ○井谷委員 この定員化に漏れる人たちの気持については、これは与町党を通じて同じ気持で心配をして、ただいま申し上げたのでありますから、これは大臣も十分御了解を願えると思うのであります。それでこの問題の内容相当詳しく申されまして、私どもの考えておりますことはほとんど述べられたように思いますから、私はこれでおきまするが、先ほど三鍋君の最後に述べられた中に、新しくできる高松の建設局の問題がありましたので、これについてちょっとお伺いをしたい。第一は、いつごろからこれはやられるか、それから高松に新しくそうしたものができるのか、あるいは現在ある広島から分けられるのか、それについて、現在広島で働いておられる人々がかりに四国出身といたしました場合、やはり郷里近くで働きたいということで高松に希望があるときには御考慮のうちに入れられるかどうか、さらにいま一つは、現在四国各地区でいろいろな仕事をしておる、その者がごっそりこの高松の方に入っていくのか、これはやはり将来非常に懸念のあることだと思いますので、その点一つ官房長からお答え願いたいと思います。
  40. 柴田達夫

    柴田政府委員 四国の例をあげてのお話でございますが、高松に地方建設局を作ることにいたしますと、高松に地方建設局の本局に当りまする職員が新たに必要になるわけでございます。四国地方四県にそれぞれ工事事務所がございまして、そこで働いておる人たちは、その工事事務所の所管が、今度は広島の中国四国の地建ではなくして高松に移る、所管がえになるというだけでございまして、原則的に工事事務所以下の職員につきましては、そのまま据え置かれるものと考えてけっこうでございます。高松に新しく置かれます本局の要員、これは約百名以上、百数十名というふうに考えておりますが、これにつきましては先ほどもお尋ねがございましたように、他の地建なりから転任して参るということになります。この全体に対しまする増員分はわずか二十名でございますので、二十名では足りませんから、その以外の者はほかから参るということになるわけでございます。従いまして、従来中国四国は広島で管轄いたしておりましたので、中国、四国の広島から行ってもらう方が多くなると思いますが、お話がございましたように、それらの者の配置転換なり転任なりの際には、郷里の関係その他希望等は、これは十分参酌いたしてやるようにいたしたい、こういうふうに考える次第であります。     ―――――――――――――
  41. 西村直己

    西村委員長 次に、日本道路公団法の一部を改正する法律案道路法の一部を改正する法律案及び道路整備緊急措置法案の各案を一括議題とし、審査を進めます。  質疑を行います。久野忠治君。
  42. 久野忠治

    ○久野委員 道路整備の問題につきましては、連日当委員会において質疑が行われたのでございますが、私は締めくくりの意味で二、三点重要な項目について、政府側の所信を伺っておきたいと存ずるのでございます。  今さら申し上げるまでもなく、政府は新長期経済五ヶ年計画を策定せられまして、その中で大きくうたっておられますることは、貿易の増大に伴う産業基盤の整備拡充を行いたい、そうしてさらに雇用の増大をはかることによって、国民生活の安定向上をはかりたいということをうたっておられるのであります。その中で一番隘路となりまする輸送力の増強をはかる意味から、三十三年度を起点といたしまして、道路整備五ヵ年計画を策定しよう、かようにいっておるわけでございます。ところがこの五ヵ年計画の内容そのものをいろいろと検討いたしてみますると、その財源措置その他について、今日まだはっきりいたしておらない点がたくさんあろうかと思いますので、そうした点等を含めて二、三お尋ねをいたしてみたいと思うのでございます。  まず建設大臣にお尋ねをいたしますが、道路整備緊急措置法案の中に、五ヵ年計画を策定をいたしまして、そうしてこの五ヶ年に行うべき道路整備の目標、種類、事業量を策定しよう、こういうふうにいっておられるわけでございます。この道路の種類と事業量との年度割の整備の目標と申しまするか、そういう費用の概算額を作りまして、そうして五ヵ年計画そのものの内容を充実するような案を作ることが、最もこの計画をりっぱなものにするゆえんであろうかと私は思うのでございますが、そうした点について、大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
  43. 根本龍太郎

    根本国務大臣 ただいま久野さんから言われたように、五ヵ年計画である以上は、単に概括的な事業量だけではなく、種別に、かつまた年度別に計画して、そうしてこの案の内容を明確にするとともに、その信憑性と申しますか、確実性を期すべきである、これはまことにその通りでございます。その意味におきまして、五ヶ年計画の内容については、閣議決定の際の附帯資料としてそれは明定して参る、こういう方針を持っておる次第でございます。
  44. 久野忠治

    ○久野委員 五ヵ年に国の負担において行うべき道路事業の総額が五千六百億、こういっておられるわけでございますが、本年度の一般道路事業の総額は六百七十一億二千万円でございます。さよういたしますと、あまりにも当初年度といたしましては少な過ぎるような感なきにしもあらずであります。特にその内容をこの予算の説明書で拝見をいたしますと、本年度は、前年度よりの増額分は百四十七億円、その内訳は、揮発油税の増徴分が六十四億、一般財源の増徴分が六億、さらに一級国道からの整備のための地方分担金が五十二億、道路公団からの補助金の肩がわりになったものが二十五億、合せて百四十七億円前年度より増額したのであるから、思い切った道路事業を行うことができる、かように説明をされておるのでございますが、揮発油税の増徴分六十四億というのは、当然ふえるべき性質のものがふえたにとどまっておると私は思うのであります。それから道路公団からの肩かわりの二十五億も、これは道路公団の一般会計からの繰り入れ分をこちらで肩がわりしただけのことでございますから、これは当然のものであろうと思うのであります。そこで問題は地方分担金からの借り入れ五十二億円でございますが、これはあくまでも分担金だけの借り入れを三十三年度はやっておるわけでございますが、将来三十四年度以降はこれ以外の一般借入金をやる御意思があるかどうか、そのことを伺っておきたいと思います。
  45. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘のように、五ヶ年間九千億、そのうち一般道路関係が五千六百億、その場合における本年度当初の年度における国費による事業量がはなはだ少い。従って将来相当大きな傾斜をしてやらなければいけない。その観点から立って、ガソリン税あるいは国道直轄維持に伴うところの地方分担金の借り入れのほかに、どうしても一般会計もしくは一般借り入れの措置も講じなければならぬように思われるが、一般借り入れの意思ありやいなやということであったと思うのでございまするが、これは法律の建前上、御承知のようにこれは大蔵委員会に道路整備特別会計が出ておりまするが、それにはっきり明定しておりまして、これが一般借り入れの道を開いておるのであります。そこで現実には、ここに一つ御説則申し上げておかなければならぬことは、何ゆえに、そういう道が開けているにもかかわらず、本年はしからば一般借り入れをしなかったかというところに一つ問題点があるのだろうと思います。御承知のように、本来ならば道路に最重点施策としてこれは指向したのでありますから、それをやってしかるべき理論的根拠はございます。しかしながら昭和三十三年度の経済情勢判断におきましては、かなり昭和三十二年に継続しまして経済界は変調を米たしておる、こういう変調を来たしておるときでありますから、たとい財源がありましても、しばらく財政による経済の刺激の結果インフレヘの道をたどることはしないということ、またそれを根拠として外貨事情の改善をするということが、最高の経済施策の指標でございまするので、従いまして御承知のように、一兆三千億の予算中にも四百幾らというものはたな上げしているという現状でありますので、本年は一般借り入ればいたさない。経済情勢の安定とともにこれは使い得る道に、いわゆる経済安定資金の方にある程度までこれは考慮して入れておると見ても差しつかえないのでございますが、当初の借入資金の道は本年はやらない。しかし制度自身としては一般借り入れの道を開くというふうにいたしておる次第でございます。
  46. 久野忠治

    ○久野委員 道路投資は、私は普通の産業投資とは多少意義を異にいたしておると思うのであります。道路投資をすることによって、即それだけ生産費のコストを切り下げることであり、いわゆるそのことによって輸出の増強をはかることができるわけでございまするから、私は道路投資こそ、この際思い切って財政資金を繰り入れ、またその他の一般財源をも投入することによってこの事業を飛躍的に進めることが、即私は日本の雇用の増大をはかり、産業基盤の整備拡充をはかるゆえんであろうかと思うのであります。さような意味合いから、三十四年度以降におきましては、でき得る限りこの道を切り開いて借入金を大幅にしていただけるように、大臣の御努力を切にお願いを申し上げる次第でございます。  次にお尋ねをいたしたいことは、道路整備といいましても、国の所管となるもの、あるいは地方の単独事業、あるいは有料道路等、一貫して総合的にこの事業が推進をされなければならぬものと思うのであります。しかしながらこの単独事業につきましては、その取扱いについて、はなはだ明らかになっておらないところがたくさんあろうかと思うのでございまして、その点を、自治庁からもおいでになっているようでございますから、少しお尋ねをいたしてみたいと思うのでございます。この単独の地方道路事業の財源でございますが、その財源の内訳数字がわかりましたら、明らかにしていただきたいと思います。
  47. 柴田達夫

    柴田説明員 事業費の細目は、現在建設省と打ち合せておりまして、まだ確定を見ておりませんが、事業量全部といたしましては、千九百億のうち、初年度分としては三百五十三億になっております。
  48. 久野忠治

    ○久野委員 その内訳は私ははっきりいたしておると思うのでございますが、いかがでございましょうか。たとえて申し上げますならば、地方道路税の収入分とか、あるいは軽油引取税とか、交付税の中に含まれている分とか、そういうものについての内訳をお尋ねをいたしたわけでございます。
  49. 柴田達夫

    柴田説明員 三百五十三億と申し上げましたのは、千九百億に見合うものでございます。地方財政計画に計上いたしております道路関係経費は、国庫補助負担金を伴いますものを除きまして、本年度五百五十二億円、この五百五十二億円はいわゆる道路橋梁の維持補修費と、それから国庫補助を伴わない道路橋梁の整備事業、両方に含まれているわけでございます。この二つを一括いたしまして、大体これに見合う額を地方交付税の算定上、基準財政需要額の中に織り込みまして計算をいたしまして、これと基準財政収入との差額を交付税として交付いたします。なおそのほかに残された軽油引取税と、それから地方道路譲与税がこの交付税に加わって事業をしていく。なお弱小団体におきましては若干の地方債も充てられる、こういう格好になるわけでございます。地方財政計画全体といたしましては、五百五十二億円を歳出に計上いたしておりますし、これに見合う歳入は確定いたしております。ただ、そのうちどれだけが地方道路税でまかなわれ、どれだけが軽油引取税でまかなわれ、どれだけが起債なり地方交付税でまかなわれるかという問題は、まだ確定はいたしておりません。と申し上げますのは、地方交付税の算定をいたします場合に、基準財政需要額を算定いたすのでございますが、その際に、単位費用は現在きまっております。ただ補正係数に対しまして、率につきましてこれを具体的に御定する、かような段階になるわけでございますので、具体的な数字は確定をいたしておりません。
  50. 久野忠治

    ○久野委員 地方道路税とか軽油引取税というものは、数字がはっきりいたしているんじゃないでしょうか。
  51. 柴田達夫

    柴田説明員 御指摘のように、軽油引取税と地方道路税ははっきりいたしております。この金額を申し上げますと、軽油引取税は六十四億九千三百万円、それから地方近路譲与税は百二十一億五千三百万円であります。
  52. 久野忠治

    ○久野委員 大体地方交付税の中には、どれくらい含まれておりましょうか。大体の金額でけっこうです。それから今の地方起債等もあろうかと思いますが、地方起債の金融。それからもう一つは、一般地方財源等で道路費に充てるものがあろうかと思いますが、これはどのくらい。たとえて申しますならば、自動車税等がこれに充てられていると思いますが、その数字を少し説明していただきたいと思います。
  53. 柴田達夫

    柴田説明員 一般財源がどれくらい充てられておるか、また受益者分担金等もあるわけでございます。起債の額でございますが、実は細目は、地方財政計画の現在の段階では、どれくらいという見当はまだつきません。ただ、地方交付税の額でございますが、大ざつぱに申し上げまして、地方交付税は百五、六十億にはなろうかと思います。百五、六十億円をまだこえるだろうと思います。起債につきましては、本年度は大体道路、橋梁につきましては、府県分につきましては大体起債はまずできない、ただ非常な長大橋でございますとか、あるいは特殊の道路、こういうものにつきましては、起債も認める、こういうことになろうかと思いますが、何分一般会計分の地方債のワクが非常に減っておりますので、道路、橋梁につきましては、府県分の事業につきましては、大体目的財源と一般財源でやる、こういう格好になろうかと思います。
  54. 久野忠治

    ○久野委員 さよういたしますと、先ほど示されました五百五十二億の差し引きをした残は、一般地方財源でまかなわれると見て差しつかえないでしょうか。
  55. 柴田達夫

    柴田説明員 五百五十二億円の中には、市町村分がございます。従いまして、全部一般財源とは申すことはできませんけれども、大部分は一般財源でまかなえるとお考えになりましてけっこうでございます。市町村の分のうちでは地方債がつくものがあるということでございます。
  56. 久野忠治

    ○久野委員 私は、大体単独の地方道路財源というものは、一年で三百億程度だというふうに伺っておったのでございますが、ただいま御説明によりますと、五百億をこえておるわけであります。相当大きな金額か地方の道路整備のために予定をされておるわけでございますが、果してこれだけの金額を投入いたしまして、そうして既定の日本の産業基盤拡充のための道路整備が行われておるかどうか、ここに私は問題があろうかと思うのであります。主としてこの金が使われますのは、一般改良事業に使われるのか、補修費に使われるのか、どちらでございましょう。
  57. 柴田達夫

    柴田説明員 私の申し上げました五百五十二億円のうち、補修費関係が三百十八億、残りが単独の改良事業費でございます。
  58. 久野忠治

    ○久野委員 もちろん最近の交通の量も激しくなったことであろうかと思いますが、維持補修か足らないために、各所で道路がこわれておるのであります。そういう意味合いから、このたび一級国道の直轄管理を行いまして、維持補修も行いたいというような案も出ておるわけでございますが、しからばこの維持補修費というものは、自治庁では一々厳密に奔走をして、そうしてその結果がはっきり道路整備に充てられておるということを確認しておいでになりましょうか。
  59. 柴田達夫

    柴田説明員 これは地方団体の国庫補助負担金を伴わない事業であります。地方財政計画上は、さような額が標準的な規模といたしまして、現在の地方行財政の現状から見て、それくらいの額が地方団体で道路費として使われることを期待する、それに応じた財源計算をして配分をいたしておりますが、地方行政の建前上、一々監督はいたしておりません。
  60. 久野忠治

    ○久野委員 ただいまの御説明を伺いますと、期待をするという言葉で表現をなさいました。そうしてこれははっきり、私たちは監督していないともおっしゃる。そうすると、せっかくこれだけ財源措置がとられましても、実際にはその効率を上げていないという結果になるのじゃなかろうかと私は思いますが、その点いかかでございましょうか。
  61. 柴田達夫

    柴田説明員 単独事業と申し上げますのは、地方団体が自主的に、自己の判断によって、やる仕事でございます。一々中央からの支配等は受けない。従いまして財政計画の建前からいいますと、地方団体の、明年度でございますれば明年度におきます財源のうち、この程度のものが道路関係の経費に使われることが望ましい、つまりあるべき行政経費の性格として、この程度のものが道路関係に使われることが望ましい、こういう形で財政計画でできておるわけでございます。それが地方団体の間に浸透して参りまして、地方団体がその趣旨に従って財源を使っていくわけてございます。従いまして、一々それについて、どれだけ使ったかということをやかましく、個々の道路につきまして言うことはいたしませんけれども、決算上の数字から申し上げますならば、今数字を持ち合わせておりませんけれども、地方財政計画にあげております数字以上に、道路関係に経費が使われております。
  62. 久野忠治

    ○久野委員 決算上の数字からいって使われておる、こうおつしゃいますが、その使い方が問題だと思うんです。はっきりとそれが、先ほど私が申し上げましたように、今度の道路整備の目標というものは明らかに、産業基盤の整備拡充という至上命令のために、思い切って道路整備特別会計をも設けよう、こういうのでございますから、一方において三十三年度に五百数十億になんなんとするような巨額の地方の単独道路整備財源が、その使い方がはっきりしておらないというようなことでは、私は道路整備の五ヵ年計画というものは、この一角からくずれるんじゃないかと思いますが、どうでございましょうか。
  63. 柴田達夫

    柴田説明員 道路整備五ヵ年計画に関連いたします単独関係の経費は、今私が申し上げました五百五十二億のうち三百五十三億円であります。三百五十三億円を除きましたものは、それじゃ何かということになりますと、地方団体が、道路整備五ヵ年計画の前提になりますもの以外の、たとえば部落間の連絡道路でございますとか、あるいは新市町村の建設に関連する道路の整備でございますとか、そういう経費かあるわけでございます。いずれも産業基盤整備関係があるといえばありますし、道路整備五ヵ年計画との関連では、直接には関連がないといった事業も含まれるわけでございます。地方自治の立場におきましては、そういうような事業に対しましても財源を与えるのが当りまえでございます。問題は三百五十三億円と道路整備五ヵ年計画との関係ということになろうかと思うのでございますが、この三百五十三億につきましては、事業の性格上は、地方団体の単独の意思でもって自発的にやるという建前のものでございます。従いましてその趣旨を明確にして指道して参るつもりではもちろんございますけれども、直接それにつきまして一々細部にわたって監督はできない、現在の制度上そういう建前になっております。地方団体も一時と違いまして、だいぶ財政的に中身も改善されて参りましたし、またその実際の要望も、実際の仕事の仕方も、研究精励を加えていろいろやっております。特に道路、橋梁の整備につきまして非常な熱意を示しておりますので、御心配のようなことはまずないと私たちは考えております。
  64. 久野忠治

    ○久野委員 その整備監督が不十分であって、それは御心配になるようなことは絶対ないとおっしゃるのですが、私はどうしてもその点が理解できないのでございます。せっかく九千億という五ヵ年計画の目標を立てたのでございまして、その中で千九百億からの単独事業分の額もきめられておるわけでございますから、これが有効に使われてこそ、初めて私は国民の皆さんの納付を得ることができると思うのでございます。その監督指導の責任もないから、多分これは使われるであろうと期待をしておるというような言葉で先ほど御表現になりましたが、そういうけしからぬ内容でこれだけ多額の金が三十三年度以降五ヵ年同使われるということは、私はまことに奇怪しごくだと思う。どうでございましょうか、大蔵当局にお伺いいたしますが、こういう資金の取扱いをしておって、大蔵当局はよくも黙って見ておいでになりますね。
  65. 松永勇

    ○松永説明員 地方財政は実は私担当しておりませんので、その点について直接お答えするのは適当でないかと思いますが、先ほど自治庁の財政課長から答弁がありましたように、国と地方というものは分離してそれぞれの主体において行われている。ただ全体的な調整ということはもちろん国として、はかっていくべきことがあると思いますけれども、単独事業の中身に至ってまで国か一々どうこうということは、現在はやっていないわけでございます。またそういうことをやることが適当かどうかということもいろいろ問題点がありますので、大蔵省としては全体の地方財政のあり方という点から、自治庁その他と全体の立場においてこれをやるという建前をとっております。
  66. 久野忠治

    ○久野委員 一貫した道路政策を進める意味からいきますならば、財源のはっきりいたしております地方道路税とかあるいは軽油引取税等々の収入財源等の道路費に使用する分については、やはりこれは国で十分監督指導をして、監督指導という意味は、むしろ個々にその事業にひもをつけるといいますか、個所等も指定することが道路行政の一元化からいって当然であろうと思いますが、その点について大蔵当局はそういう御意思がありましょうか。
  67. 松永勇

    ○松永説明員 御承知のように道路事業というものは現在の産業基盤の隘路打開のためにきわめて重要な段階にきており、また財政が財政として働く分野が、そこにある、こういう確信のもとに私たちは道路の関係を扱っております。その観点から、申しますとこれはやはり国全体の道路の問題でございますので、国が負担あるいは補助するものも、地方単独というものも、あるいは有料道路というものも、全体の道路政策というものが一つ方針一つの政策に沿って行われてしかるべきである、かように考えておる点は同感でございます。従って、今後の道路全体の投資をどういう方向に持っていき、どういう規模で、どういう基準で進めていくべきかという点につきましては、単独事業も含めた全体の道路事業のあり方に論点を集中していきたい、かように考える次第であります。
  68. 久野忠治

    ○久野委員 この点について建設大臣はいかようにお考えなさいましょうか。
  69. 根本龍太郎

    根本国務大臣 大蔵省とも連絡の上、万全を期してやっていきたいと思っております。
  70. 久野忠治

    ○久野委員 私はまだ納得するに至りませんが、将来政府側でこの問題については十分一つ検討をして、国民の税金によってまかなわれた金でございますから、これが有効に使われますように御努力をお願い申し上げたいと思うのでございます。  最後に一つ、有料道路の件についてお尋ねをいたしたいと思うのでございますが、この有料道路の財源の内容を拝見いたしますと、一般会計、財政資金、外資導入、この三つに分れておるようでございますが、五ヶ年間に千五百億の事業量を達成をするためには、三十四年度以降、相当大幅増額の必要があろうかと思いますが、その点についてどういう御構想で考えておるのでございましょうか。
  71. 根本龍太郎

    根本国務大臣 有料道路につきまして、政府資金も相当来年度はふやさなければならないと思っておりますが、また一面におきましては外資の導入の問題も考えているのでございます。先般の委員会における中島委員の御質問にも答えたつもりでございますが、世界銀行との間に今一応の予備折衝というか、糸口はついております。ただしこれが具体化するには、本年の暮れごろでなければ事務的に進まないという状況でありますので、これをまず第一に名神国道に使いまして、それから漸次世銀の対象になるものについては相当入れたいと考えておる次第でございます。なおその他外資導入によらずしても、御指摘のように有料道路についても相当大幅にやらなければなりませんので、その資金の確保については大蔵当局とも十分連係の上やっていきたいと考えておる次第でございます。
  72. 久野忠治

    ○久野委員 現在の有料道路事業を拝見いたしますと、主として観光関係に主力が注がれておるように思えるのであります。なぜそうなるかといえば、有料という原則に立っておりますから、でき得る限りペイするということが主要な眼目であって、そのペイするための資金内容を具備しておるところから着工しようとする、こういうことから、私は今日観光関係に主力が注がれておるように思えるのであります。しかし有料道路も一般道路と同じように、先ほど申し上げたように産業基盤の整備拡充に主眼点を置くべきだと思うのでありまして、さよういたしますと、これがペイできないような地域も政府におかれましてどんどん策定して事業に着工される必要があろうかと思うのでございますが、そうした点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
  73. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘の通り、従来は有料道路がややもすれば観光道路になりがちでございました。しかし今後においては、今の経済基盤の確立というところに最高の観点を置きまして有料道路も考えなければなりませんが、ただしその場合において、ペイしないところの有料道路を作るわけに参りません。そこで有料道路としても、長い一本の有料道路としてではなく、一部有料道路にするというところもある。橋梁にする。しかしまた一面においては、公共事業費でこれをやって、その間公団に迷惑をかけるようなことをしないで、しかも総体として有料道路と、公正事業とのバランスをとって、全体として産業基盤確立に当るというようにいたしたいと思います。  なお観光道路についても、これは場所によっては非常に外貨の獲得になり、同時にまたそれがその地方の産業基盤の確立になるという部面もございますので、全体としては産業基盤の確立という点に重点を置きますけれども、観光という面も、ただ単に観光なるがゆえに軽視するというわけにもいかない点があろうと存じます。
  74. 久野忠治

    ○久野委員 そのためには一般会計からの繰り入れを相当大幅にふやす必要があるのじゃなかろうかと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
  75. 根本龍太郎

    根本国務大臣 従来有料道路については補助金制度をとっておりまして、これは非常に変則的でございます。従来これは御承知のように、地方自治体で有料道路を作りまして、それが道路公団に移管された。その間において必ずしも採算制とか、そういうものが十分検討されずして作られたものもございますので、やむを得ず有料道路法に基くところの建前から、これは補助金を出しておったのでありますが、今後は補助金を出すようなところはやらないという原則とともに、一面におきましては、政府出資を多くいたしまして、それによって有料道路の整備が最も合理的にやれるようにいたしたいと考えておる次第でございます。
  76. 久野忠治

    ○久野委員 現在名古屋―神戸間の高速自動車道が着工されておりまして、その完成年度も三十六年でございますか、きめられて、この事業が着々推進されておるわけでございますが、これと並行して、他に新しい地域にこれと同じような構想の事業を進める必要があろうかと思うのであります。たとえて申し上げますならば、東京―名古屋間とか、あるいは東京―青森間とか、いわゆる本土縦貫の高速自動車道の建設も行うのが妥当ではなかろうかと思うのでございますが、その点についての御構想かあればお伺いをいたしたいと存じます。
  77. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘の通り、これは先般の委員会で中島委員といろいろ質疑応答があったときにも問題になった点でございまして、日本の道路が非常におくれておる。そのうち特に長距離輸送に画期的に道を開くということが最も大事な点で、一方において現在の国道から地方道も非常に行き詰まっておるから、これを改良し整備することも必要であるし、今御指摘のような大きな構想に基くところの長距離高速自動車道路というものと、それからまた縦貫開発道路ともいうべきところのものがある、こういうふうに考えております。そこで現在の五ヵ年計画の内部におきましては、本来ならばいろいろ考慮いたしまして、一番大事なというか、おくれておる高速自動車道路に重点を入れろという議論もございました。ところがこれには、やりたいことは山ほどありますが、非常に事業費が多くかかるということと、これに重点を入れますと、他の、現在地方において梗塞状況になっておる既存の道路の整備を全く中止しなければならない、こういう段階にありまするので、やむを得ず高速自動車道路については、名神間に最重点を置き、引き続いてこれの延長あるいはこれに連関するところのものについては慎重な調査を十分にやって、そうして次に移りたい。他の一般の従来の道路については、これは従前からいろいろの計画、あるいは五年計画あるいは三年計画、十年計画等を策定しておりますので、それをまず取り上げていく、こういう計画でございます。
  78. 久野忠治

    ○久野委員 たとえて申し上げますならば、東京―横浜間、京浜国道でございますが、この京浜間の一号国道も二号国道も、もうすでに交通が麻痺の状態になりつつあると私は思うのです。おそらくこの一、二年のうち、二年くらいの間には交通が麻痺状態に陥って、十分にその能力を発揮することができない状態に置かれるのではなかろうか、そういう意味合いから、新しく第三の京浜国道を作ろうというような御構想もあるようでありますが、でき得ることであるならば、東京―箱根間くらい、長距離輸送に便な地域を策定をいたしまして、まずこの地域だけでも私は早急に着工する必要があろうかと思うのでございますが、そういう構想がございましょうかどうか。
  79. 富樫凱一

    ○富樫政府委員 都市内の交通につきましては御指摘の通りでございます。今例をあげて申されたのでございますが、東京―横浜間に新たな道路が必要であるということは私どもも考えておりまして、検討中でございます。ただいまのお話の中にも、東京から箱根くらいをまず考えたらどうかというようなお話でございましたが、それも引き続き考えなければならぬと思います。ただ長距離のものにつきましては、道路網の構想といいますか、形成を先に考えておりまして、それに基いて具体的な整備計画を立てるというようにいたしたいと考えておるわけでございます。さしあたり東京―横浜間に新たな道路が要るということは、私もその必要を認めておりまして、検討中でございます。
  80. 久野忠治

    ○久野委員 私は、先日来当委員会でいろいろ他の同僚委員等からもこの問題につきましては貴重な質疑応答がなされたのでございますが、これらの質疑応答内容を十分参酌し、検討をされまして、画期的な道路整備五ヵ年計画がりっぱに完成をしまするように、御努力を切に希望いたしまして私の質問を終りたいと存じます。
  81. 西村直己

    西村委員長 この際お諮りをいたします。ただいま地方行政委員会より、当委員会において審査中の道路関係法案につきまして連合審査会開会の申し入れがありました。この際この申し入れを入れまして、来たる六日木曜日午前十時より、建設委員会地方行政委員会連合審査会を開会するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 西村直己

    西村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十九分散会