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1958-02-18 第28回国会 衆議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月十八日(火曜日)     午前十時二十三分開議  出席委員    委員長 西村 直己君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 大高  康君 理事 荻野 豊平君    理事 久野 忠治君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    池田 清志君       井原 岸高君    高木 松吉君       徳安 實藏君    堀川 恭平君       廣瀬 正雄君    松澤 雄藏君       山口 好一君    中島  巖君  出席政府委員         建設政務次官  堀内 一雄君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君  委員外出席者         建設事務官         (河川局次長) 關盛 吉雄君         建設事務官         (河川局水政課         長)      國宗 正義君         建 設 技 官         (河川局治水課         長)      川村 滿雄君         専  門  員 山口 乾治君     ――――――――――――― 二月十七日  委員田中幾三郎辞任につき、その補欠として  森三樹二君が議長の指名委員に選任された。 同月十八日  委員馬場元治君及び森三樹二君辞任につき、そ  の補欠として井原岸高君及び田中幾三郎君が議  長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十七日  鹿児島、霧島間等道路整備に関する請願(赤  路友藏紹介)(第九六一号)  同外一件(池田清志紹介)(第九六二号)  同(床次徳二紹介)(第九六三号)  同(原捨思君紹介)(第九八七号) の審査を本委員会に付託された。 二月十五日  国道高知徳島間の建設工事促進に関する陳情  書(第三〇八号)  有料道路建設促進に関する陳情書  (第三一二号)  同(第三八七号)  河川改修費大幅増額に関する陳情書  (第三一四号)  砂防事業費増額に関する陳情書  (第三一五号)  地すべり防止法制定促進等に関する陳情書  (第三一六号)  長岡市に北陸地方建設局設置に関する陳情書  (第三一七号)  新潟県に北陸地方建設局設置に関する陳情書  (第三一八号)  防火建築帯造成助成費増額に関する陳情書  (第三一九号)  徳島県に四国地方建設局設置に関する陳情書  (第三二〇号)  土地区画整理事業促進に関する陳情書  (第三三二号)  国土調査法による代位登記範囲是正に関する  陳情書  (第三四三号)  地すべり地帯の防災及び救護対策に関する陳情  書  (第三六四号)  災害救助法による救助基準単価引上げ等に関す  る陳情書(第三八  八号)  土地収用法執行手続簡易化に関する陳情書  (第三八九号)  土木事業改良復旧費国庫補助に関する陳情書  (第三九〇号)  災害特別対策確立に関する陳情書  (第三九二号)  風水害襲地域災害復旧工事に関する特別法  制定に関する陳情書  (第三九三  号)  二級国道甲府熊谷線改修促進に関する陳情書  (第三九四号)  一級国道八号線敦賀、武生間改修に関する陳情  書(第三九五  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  水防法の一部を改正する法律案内閣提出第一  一号)      ――――◇―――――
  2. 西村直己

    西村委員長 これより会議を開きます。  水防法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。三鍋義三君。
  3. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま御提案になりました水防法の一部改正法律案に対する質疑を若干いたしたいと思います。この法案改正要点というものは、市町村水防責任をはっきりと打ち出したことと、水防事務組合設置によりまして、水防組織をできるだけ強化する、こういった観点から、具体的問題といたしましては、水害予防組合から水防事務組合へ移行していくという形をとられておるようであります。  そこで河川局長にまずお尋ねいたしたいのは、私たちはっきりとわからないのでありますが、現在の水防管理団体実態と、それがどのような活動を今までしてきたか、つまり今度これを改正しなければならない状態になってきた、その必要性の生じた理由といいますか、これを一つ説明願いたい、このように考えます。
  4. 山本三郎

    山本(三)政府委員 まず水防管理団体実態について御説明申し上げたいと思います。水防は、水防法規定いたします水防管理団体によりまして実際の行動が行われておるわけでございますが、水防管理団体の数は全国に三千三百九十八団体ございます。そのうち、指定水防管理団体水防法規定されておりますが、都道府県知事が特に水防管理団体のうち指定したものを指定水防管理団体といいまして、その指定水防管理団体は、特に水防計画を作ったり、特別に義務づけをされておりますが、その指定水防管理団体先ほど申し上げました三千三百九十八のうち、千四百六十三ございます。その内訳といたしまして、ただいまもお話がございましたように、水防管理団体は、水害予防組合市町村事務組合、それから市町村だけでやっております市町村別々のものがございますが、それらの数は、水害予防組合が二百四十九あります。そのうち指定水防管理団体となっております指定水害予防組合が百二十九ございます。それから市町村事務組合の数が七ございまして、そのうち指定水防管理団体になっておるのは三でございます。それから最後に市町村水防管理団体は三千百四十二ございまして、そのうち指定になっておりますものが千三百三十一市町村でございます。以上は団体の数でございますが、水防団の数は全体といたしまして三千九百七十二団体ございます。先ほど説明申し上げました管理団体の数よりも多少多いのでございますけれども、これは一つ管理団体の中に水防団が二以上ある団体があるわけでございまして、そういうふうな団体数を持っております。  次に団員の数でございますが、水防団員と申しまして、水防だけに従事する団体団員が約十八万八千人ございます。そのほかに消防団でございますが、この消防団消防法によりまして消防もやり水防もやることになっておりますが、その消防団の数が百四十五万人ございます。以上水防団消防団合計いたしますと百六十三万八千人でございまして、これが全国の正規に水防に従事いたします水防団員の数でございます。このほかに水防法によりまして、非常時には近隣の者は水防に応援するのでございますので、これらの水防団消防団を中核といたしまして水防が行われるというのが実態でございます。  以上水防組織実態を申し上げましたが、今回水防法改正する理由について簡単に申し上げますと、洪水高潮に際しまして水害を防御し、これによる被害を軽減する目的を持っております水防責任は、一般的には市町村にあることは従来から明らかでございまして、地方自治法におきましてもその旨を規定しておりまして、また実際の運用におきましてもその通りにやっております。しかし現行法はその点を必ずしも明らかに表現しておりませんので、実情に即するように、条文の形式的な整備の必要があるのでございます。従いまして先ほどお話がございましたように、現行水防法によりましては、水害予防組合市町村事務組合市町村の順序に水防をやる責任者が配列されておりますが、今回は市町村一般的責任があるということを法律で明定いたしたいという趣旨が第一点でございます。  次に、水防事務公共性及び特殊性にかんがみまして、水害予防組合区域水防を行う区域といたします水防事務組合が設けられる場合におきましては、広域的な水防が円滑かつ迅速に行われますように、水防の用に供せられる財産が合理的に引き継がれるようにしますとともに、水防事務組合の議会の議員選挙及び経費の分賦につきまして一定の基準を定めまして、水防事務組合が十分その責任を果すことができるようにする必要があるのでございます。それは水防事務組合がなるほど規定されておりますけれども、一方水害予防組合もございますが、水害予防組合の中には議員選挙とか経費の分賦等につきまして、実情に沿うた、あるいは法律で定められたような状況のもとに、経費の分賦等が行われていないというふうな不都合が生じておりまして、ぜひとも水防事務組合に移行したいというふうな希望のものが出てきております。そういうものが水防事務組合に移行しやすいように一つ規定改正してやりたいというのが第二点であります。  次は市町村合併等促進によりまして、市町村の規模が大きくなって参りました。また水防事務組合が設立されることに相なりますと、水防団体区域も広くなりますために、指定水防管理団体水防協議会委員の数をふやす必要が生じてくるということで、現行二十人以内を二十五人以内にふやしたいというのが、おもなる改正の点でございます。
  5. 三鍋義三

    三鍋委員 大体改正をせなければならぬ要点の御説明を願ったわけでございますが、私しっかりわかりませんけれども、何か非常に複雑、混淆しているといったような感じを強く受けるのであります。たとえば水害予防組合を、改正してなお残さなければならない理由はどこにあるのか、何か事務組合でやった方が効果的であるし、また系列的に非常に便利であるという観点に立つならば、事務組合一本にしぼっていくというような形の方が望ましいのではないか、こう思うのであります。しかし、それではやっぱり困る点があるのだというならば、現在の水害予防組合は長い、何十年の歴史を持っておるのでありますから、これを法改正によって育成強化していく、この方がかえっていいんじゃないかといったような感じを受けるのでありますが、今後どの方向へこの対策をまとめていこうとされるのか、これを一つお聞きしたい。
  6. 山本三郎

    山本(三)政府委員 お話通りでございまして、水害予防組合を完全に廃止いたしまして、水防事務組合を作らす方向に持っていくか、あるいは水害予防組合法改正いたしまして、これを実情に即するように持っていくかというような、方向を統一すべきものであるというお話はごもっともな次第でございまして、私どももその線に沿いまして当初検討を進めたわけでございます。しかし水害予防組合も、現在の市町村行政区画にこだわらない組合を作っておりまして、水防に際しましては非常に重大な働きをしております。従いまして水害予防組合によりましては、ぜひこのまま続けていきたい、運営がうまくいっているからこのままいきたいというものも、なるほどあるわけでございます。たとえば木曽川の輪中などというものは、行政区画に限らずに輪中ができておるものですから、ぜひ輪中の中で、水害予防組合でやっていきたい。ところがまた一方、たとえば大阪淀川右岸並びに左岸の水害予防組合がございますが、この組合は反対なのでありまして、水害予防組合のままでおると非常に困る。たとえば議員選挙をいたしますのに、その組合員が一々選挙をするような体制になっておる。そうすると、そのために非常に費用もかかるという点が第一点。これをぜひ何とか簡単な、間接選挙方法にでもしてもらいたいという希望が出ておる。それからまた組合運営に要する費用水防に要する費用等の問題でございますが、これは水害予防組合によりますと、組合員個人々々の負担でやるべしということに相なっておりますが、実情は、淀川附近などの状況を見ますと、根拠は一応そういうところに置いておりますけれども、ほとんど市町村——大阪市とかその他の町村がその費用を、寄付金として予防組合に出しておる。そういうふうな実態でございまして、水害予防組合法に基く運営がぴったりいっていないというふうな実情から、ぜひこれは事務組合に移行するような方法ができないかというふうな要望がございます。従いまして私どもといたしましては、ぜひ水害予防組合法改正いたしまして、実情に沿うようなものに持っていきたいということも考えたのでございますけれども、これは一つこの次の機会に検討することにいたしまして、今回の改正によりましては、水害予防組合が、水防事務組合に移行して、今困っておる議員選挙であるとか、経費の分賦等におきまして合理的に、実情に沿うようにできたらということで、この改正案を提案したわけでございまして、実情のみ申し上げましてまことに恐縮でございますが、そういう点から出発しておるのでございます。
  7. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまの御説明によりますと、大体において水防事務組合方向を目ざしてまとめていきたいというお気持が大きいようであります。しかし現在なお水害予防組合で相当の実績を上げているところまで、これを無理に吸収していくのは、現段階においては少し無理がある、やがては事務組合方向へ持っていきたい考えでおられる、こう了解してよろしゅうございますか。
  8. 山本三郎

    山本(三)政府委員 先生のおっしゃる通りでございまして、現状におきましてりっぱな行動をしておって、差しつかえないものはこのまま置きますけれども、今後の形態といたしましては、大体水防市町村なり市町村事務組合が本式のものとしてやっていくのだという方針に進みたいと思っております。
  9. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまの局長さんの御答辯の中にもちょっと出たのでありますが、水防を実施していく上におきましての経費の問題でありますが、現在の水防活動に対するところの国の責任というものを考えてみますと、水防施設費用には若干の補助金が出ておるのであります。しかし水防資材とか、あるいは訓練費とか、また組合運営費、こういったものは補助の対象から省かれているようであります。こういった予算処置に対する国の不十分さを各水害予防組合組合員、実質的には市町村寄付の形でめんどうを見ている、こういう形態です。これは私はやはり十分なる対策が立て得ない一つの要素をなしていると思うのであります。だから十分な対策をもって予防対策を打ち立てて、さあ何どきでも来いといった、そういう状態にはいきにくいとしても、出たとこ勝負で、行き当りばったりの形になりやすい弊害が伴うておると思うのであります。こういう観点からいたしまして、水防活動強化という問題は、今考えられているところ組織の体系を整備をするということももちろん大事でありますけれども、これと並行して大事なのは、財政の裏づけである、このように考えるのでありますが、これに対するところの国の立場としての考え方、現存の実情と照し合せまして、どういう方向にいかなければならないかという立場でこれを助成援助しなければならないか、こういったことにつきまして、もしお考えがございましたら承わりたいと思います。
  10. 山本三郎

    山本(三)政府委員 ごもっともな仰せでございまして、現在までにおきましては、御承知のごとく、水防管理団体水防倉庫を作る費用、それから洪水時に連絡用無線機を設備する費用というものを補助いたしました。また資材につきましては、今日まで水害期の前に予備金資材補助をいたしたこともございます。それから法律的には水防法によりまして、水防に要する施設に対して補助することができるという規定に相なっておりまして、その規定から倉庫無線機に対しまして補助をして参ったわけでございます。一方統計によりますと、全国水防管理団体水防に要する経費は、最近の資料によりますと、年間約十四億要しておるという資料が出ております。これに対しまして、それでは水防補助金は年々幾らかということでございますが、昨年が国費四千二十四万円の補助金でございます。
  11. 三鍋義三

    三鍋委員 ことしはどうですか。
  12. 山本三郎

    山本(三)政府委員 ことしは、水防無線機がだいぶ整備されたということで千万減額されまして、三千二十四万になっております。そういうふうな状況でございまして、十四億かかるところに三千万余の補助金ということでございまして、全国水防管理団体連合会もございまして、強い要望がござ  います。それでこの水防に要する経費は主として水防に要する資材費である。俵であるとか、あるいはくいであるとかいうものでございまして、一ぺん備えまして、来年の出水期までには俵が腐ってしまうというような問題がございまして、ぜひこれに対しましても補助をしてもらいたいという要望が強いわけでございます。毎年この点につきましては強力に要求いたしておるわけでございますが、今日までの努力によりまして、ようやく無線機補助が、昨年とことし、水防倉庫以外に認められたというような状況で、漸進的には進めて参っておりますけれども、まだまだ不十分の状況でございますので、私どもといたしましては、今後におきましては、こういうふうな面の強化は、水害を未然に防止する意味からいきまして重要であると考えますので、ぜひ強力に推進したいというふうに考えております。また今回の改正によりまして、市町村水防責任を第一に負うことに相なりますので、自治庁と連絡いたしまして、地方交付税の算定の基礎に考えてもらうように強く折衝しております。
  13. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまの予算上の問題をお聞きいたしましても、この水害予防活動というものは、実に根底の微弱な立場に立ってなされようとしているところに、やはり十分な水防ができない一つの問題が残されておると思うのであります。結果といたしましては、水防でいいましても、しょせんは水が出てから、さああれを持ってこい、これを持ってこいといった形でばたばたするということに、ともすればなりがちになるのではないか、こう考えるのであります。そこで、こういう観点からいたしましても、この水防管理者は常に自分の担当区域状態がよくわかっておるのでありますから、どうしてもここの地域が危険である、何とか応急対策をやらなければならない、補修の必要がある、こういうような観点に立った場合、これに対するところの国家的の補助というものを見てやるというところまでいかぬと、ほんとう水防の実が上らないのではないか、私はこう考えるのであります。もちろんこれには河川法とかあるいは海岸法とかの法律がありまして、いろいろそこに相錯綜する問題もありましょうけれども管理者がこれは最小限度において補修しなければならないという事態が常に起っておるわけです。これが予算関係から、なかなか思うようにいかない。これは危ないなあと思いながら、できない。そこへ急に高潮が来たり、あるいはふだんよりも少し多い雨量が来たりした場合に、予想されている水害災害がそこに必然的に起ってくる、こういうことを繰り返しておるのが日本河川及び海岸における実情でないかと私は思うのでありますが、これは先ほども申し上げましたように、海岸法あるいは河川法との関係もありますけれども、これでてきぱき早く処理していただければ、そういう維持費までめんどうを見てもらえる態勢になっておれば、もちろんそういう必要がないのでありますが、現在はそうなっていない。それで地方財政はなかなかそこまで手が回らない。これはもう明日にでも危ないんだがなあと思いながら手がつけられない。そこで予期した災害が起ってくる。こういうことは貧乏な日本の国におきまして、また地方におきまして、実にむだなことをやっているように思うのでありますが、こういう点につきまして、水防管理団体責任者が、何とかこれをやってもらいたいといった、そういう補助申請に対しまして即応することのできるような態勢を何とかまとめることができないか、今後そうしたいという希望でもよろしゅうございますが、これに対する政務次官の御所見を承わりたいと思います。
  14. 堀内一雄

    堀内政府委員 ただいまの三鍋委員の御意見、まことにごもっともでございますが、御承知のように国家財脚関係等もありまして、それが思うにまかせないというのが実情でございます。そこで建設省といたしましては、河川法改正というようなこと、並びに治山治水の五カ年計画というようなものを作りまして、それによって連の計画のもとにやっておるのでございますが、何分にも全般的な予算財政関係上、思うにまかせないというのが実情でございます。同時に、この水防直接の問題等につきましては、先ほど局長からも御説明申し上げた通りでございますが、予備費等の問題も考えまして、事の起りましたときにはこれに処置するというようなことが現実でございますので、今後この方面をさらに強化していきたいという考えで進んでおるような次第でございます。
  15. 三鍋義三

    三鍋委員 私のお尋ねしているのは日本財政があまり豊かでない。はっきり申し上げれば、いろいろ物入りが多くて貧乏である、みんな思うようにいかないのだ、こういう立場に立って申し上げておるのであります。であればこそ、なおさら小さいうちにほころびをつくろう、これがやがて大きなほころびとなることを防ぐ、大きなほころびになって、これを補修、あるいは修繕するということは莫大なお金が要る、だから財政がいろいろの面で支出が多くてなかなかむずかしいから、なおさらこういった面に積極的に予算措置考えることこそ、ほんとうの国民の税金を生かして使うゆえんである、こう思いますので、これに対する御所見をお尋ねしたわけこでございます。これに対しましては、もちろん今までも十分いろいろと御研究なすっている。とと思いますけれども、こういう点こそやはり強調していただきまして、適正なる予算措置を今後ぜひ考えていただきたいと思うのであります。  次にお尋ねいたしたいのは、公務災害補償の問題でございます。これはこの法案改正と直接関係がないようでありますけれども水防の業務を効果的に、積極的に遂行せしむる上から、こういう点も考えられなければならないのではないか、こう思いましてお尋ねするわけでありますが、現行法では、水防管理団体にこの公務災害補償責任を負わせておるのでありますが、これは何とか国家補償という方向へ持っていくことができないか。一ぺんにそこまでいかないとすれば、過渡期的な処置といたしまして、この補償に対する補助を国がしてやる、こういうことができないものか、考えてみられたことがあるのかどうか。と申しますのは、功労者に対しては国が表彰しておるのであります。これはまことにけっこうなんでありますけれども、しかし実際身を投げ捨てて水防に従事して災害を受けたこの災害に対して、もう少しやはりこれに対する国家的な処遇というものがなされて、初めて団員が奮起して水防事業に当れるのではないか、こういうことで、力を入れるとか入れないとか、そういう問題ではなくして、やはり功労者に対して表彰する以上は、災害を受けた気の毒な人に対して国がある程度まで責任を持ってやる、そういう態勢こそ好ましいのではないか、このように考えるのでございますが、政務次官の御所見を承わりたいと思います。
  16. 堀内一雄

    堀内政府委員 ただいまのことにつきまして、御承知のように消防の方においても同じでございますが、直接公務に基く災害が起きまして死亡または負傷したというような場合には、公務員と同じように取り扱うことになっておることは御承知通りでございますが、そういうようなことで現在のところ処置してあるわけでございます。なお、具体的な問題につきましては局長からお答えいたします。
  17. 關盛吉雄

    關盛説明員 ただいま三鍋先生からお話の、水防活動に従事するところ水防団員に対する公務上の傷害に対する補償制度の問題でございますが、これはきわめて重要な問題でございまして、昨年の国会において、消防団員等公務災害補償に関する制度の中に水防団水防活動に伴う行為によって傷害を受けた者に対しては消防団と同様の制度を講ずることにいたして、三十二年度から発足いたしておるわけでございます。従ってこの制度運用については、もとより国は分担金法律の定めるところに従って出しますと同時に、水防の方から申しますと、水防管理団体であるところ市町村が、人口割等、一定の定めるところに従って負担をいたす、こういう形で進んでおるわけでございます。  なお法律の定めるこの制度のほかに、ただいまお話水防団等は、やはり鼓舞激励によりまして水防活動の十全を期することができますので、団員の表彰等の処置を実施いたして今日まで来ておるのでございます。従って水防活動の万全を、期するためには、先ほどお話のございました補助金か一般財源かという問題がございまして、建設省といたしましては水防活動の十全を期する一つの方途として、水防になくてはならない主要資材に対する補助の道を講じますとともに、今回の改正によりまして一そうはっきりいたしましたこの種事務が、市町村の事務として法律的にはっきり明確化いたしておりますので、市町村から従来分担金寄付金の名目でもって財政援助をいたしておりましたものを、交付税の算定に当りまして、そのような実績のものを自治庁とも相談いたしまして、交付金の交付に関する基準財政需要額の算入に入れていただくことを相談をいたしておるようなわけでございまして、各方面から、お示しのような水防活動の充実に遺憾のないように期していきたい、財政的にもお説の通りに進むべきものだと考えておる次第でございます。
  18. 三鍋義三

    三鍋委員 この第三条について若干お尋ねをしたいのでありますが、現行水防法によりますと、水害予防組合市町村組合、そして市町村と、この三つの団体区域を明記して、そうして水防責任を明らかにしておるのでありますが、改正案によりますと、市町村の方の責任だけは明らかにうたってあります。しかし他の二者の責任というものは明記してないのは、これは表現上ちょっとまずいのではないか。もちろん間接的には組合責任というものはうたってあるのでありますが、法律としての取り扱い方から考えたときには、何かこうはっきりと二者の責任というものもうたっておいた方がいいのではないかという感じを受けるのでありますが、これに対してどのようにお考えになっておるか、お尋ねいたしたいと思います。
  19. 關盛吉雄

    關盛説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。お話通りに、法律の字句の表現から見て参りますと、確かにそのような御懸念をお持ちになるわけでございますが、市町村は、これは水防責任を持っておるということは、地方自治法に一般的に災害防除の事務として規定されておるわけでございますけれども水防法におきまして、その責任を十分に果すべき旨を明確にする必要があるのでございます。一面また水害予防組合におきましては、水害予防組合法でもって、水防を十分に果すことを目的として設立するという規定がありますので、これは本法のここで規定をする必要はない。それからまた市町村組合は、市町村の事務を共同に処理するために設けられました特別地方公共団体でありますから、これはもちろん水防事務組合が設立されますと、これも水防責任を果すということは当然でございますので、以上のように現行法の第三条において改正案のようにいたしましても、結局水防事務組合、それから市町村水防責任も、実質的には何ら変るところがないということでございます。ただ現行法の三条からは、水防責任が一般的には市町村にあることがはっきりいたしておりませんので、今回の改正案では水防事務の公共的な性格にかんがみまして、その点を形式的に明らかにいたした。これが改正案の第三条でございまして、水害予防組合法の第一条もこの趣旨を認めた規定でございますので、この点は法制的にも実質的な差異は全くない、こういうふうに解釈せられるわけでございますから、御了承願いたいと思います。
  20. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまの御説明によりまして、私の懸念している点が了解されました。  次にお尋ねいたしたいのは、第三条の四でありますが「ただし、数市町村にわたる水防上の特別の利害を調整する必要があると認められるときは」こうあるのでありますが、この特別の利害を調整する必要がある場合、これは一体どういう場合をさしているのか、実際そういうことをここで取り上げる必要があるのかということに対する疑問があるのでありますが、これに対する御答弁をお願いします。
  21. 關盛吉雄

    關盛説明員 ただいまの御質問は、第三条の四というのは、これは地方自治法の一部事務組合に関する規定の特別な例外規定規定いたしました一つの部分に相当する法律条項でございますが、その場合に、水防事務組合の議会の議員選挙をいたす場合の特例を規定いたしておるのでございます。その例外の条件に該当する規定といたしまして、ただいま三鍋先生の御指摘になりました条項がございまして、数市町村にわたる水防上の特別の利害を調整する必要があるときは、組合規約によりまして水防事務組合の議会の議員の構成につきまして特別の例外を規定いたしたのでございます。しからばこの水防法上の特別の利害の調整とは具体的にどのようなことを言うのであろう、こういう御質問でございまして、これはいろいろな場合が考えられると思いますけれども、特別の利害というのは、水防活動から出て参りますところの特別の利害ということに限定いたしております。従って、こういう場合を考えられると思うのでございます。一つは、水防活動というものが行われます場合におきまして、一定の河川の流域に従いまして数個の市町村が連檐しております、あるいはまた一つ市町村の背後に、災害を受けることが予想せられる市町村が存在しておる、こういうふうな場合におきまして、一つ市町村水害を受け、他の市町村水害を免れるというふうな場合、結局こっちで水害を受けると、あっちの市町村水害が助かる、こういうふうな場合が、市町村事務組合の構成員と、河川関係との地形的な関係で出てくると思うのでございます。そのような場合におきましては、一つ市町村の利益というものと他の市町村の利益というものが、水害という一つ災害を原因として考えますと、利害が相反するように見えるわけでございます。従ってそのような特別の場合ということの認定はもちろん当該市町村にあるわけでございますが、そのような場合におきましては、新たにできまする事務組合の議会の構成員につきましては、単に当該市町村区域の利益代表としての意見だけではなく、新たにできましたところの広い立場における利害の調整をはかっていただく必要があるだろう、こういう感覚で、またその実際の必要が、今日までの水害予防組合等の実務の指導から見まして、現われて参っておりますので、そのような場合におきましては、学識経験者であり水防に熱意のある人を、当該市町村の長が推薦した者の中から、全体の水防事務組合の議会の議員の半分までは認めてもよろしい、こういう規約に相当する特例を法律で明定することを考えたのでございます。その他、今の場合は市町村市町村関係について申し上げましたが、あるいは一つの水門の操作によりまして関係市町村水害を受けるところの度合いが激しいとか、あるいは激しくないとか、こういうふうな場合も考えられます。あるいはまた先ほどお話財政上の負担の問題、水害予防組合というものはもとより、今度できますところ事務組合等は、区域市町村のこうむる災害によって固定資産がどのような被害を受けるか、こういうふうなことを基準にして組合費の分担をきめるわけでございましょう。従って、都市がかったところと農村がかったところにおける組合費の分担区分というものについての問題と、この水防活動に伴う経費の負担等についての意見が対立するような場合が予想されます。そのような大所高所の指導を要する問題につきまして特別の規定を設けることが適当であろう、こういう考え方でございます。
  22. 三鍋義三

    三鍋委員 数カ市町村にわたる事務組合のことでありますから、そこにいろいろと利害が相反する、また財政上あるいはまた分担金の問題、これらに関しましていろいろと今後むずかしい問題が予想される。そこでそれを調整するために推薦候補者によって選挙して、二分の一以内までは議員を確保することができる、こういった特別処置をとられたわけでありますが、この議員候補者の推薦制を一部取り上げたその事由につきまして、大体今のお話でその根本的な精神というものは了解できたのでありますが、これはちょっとうがち過ぎた考え方かもしれませんけれども、何でも法律ができました当初はその精神を非常に尊重されて、誤まりはあまりないのでありますけれども、ともすると日数がたつに従いまして、それが変に悪用されていく場合がある。これは私たちの経験してきたところであるので、この問題につきましても、多少私どもといたしましては疑問点があるのであります。それは、この特例の推薦制の取扱い方に対しまして——まあこういうことはないと思うのですけれども、万一市町村長が自分の個人的利害関係のために、これが悪用されるようなことがあってはならない、こう思うのであります。たとえば社会党の市長さんが組合議員を二分の一以内、自分の党員から学識経験者を選び出しまして、そうして選挙に臨ましめる、こういうことになっても私はかまわぬと思うのだけれども、何か今年も選挙があるそうでありますし来年、再来年と、選挙はたくさんあるのですが、そういうところへ悪用される心配があるのでありますが、これに対して何か弊害のないような処置をどのように考えておられるか、そういう心配は全然ないか、これについてお尋ねしておきます。
  23. 關盛吉雄

    關盛説明員 これは少しくくどいようでございますが、法律の条文におきましても、「当該市町村の長が推薦した者のうちから」といたしておりまして、推薦そのものを、ぴたり選挙するという仕組みにはいたしておらないことが第一点でございます。要するに、これは一つ市町村からみますと、おそらく数名の部分になっております。その数名の方々を考えましたゆえんのものは、なるべく従来の経験をいかしていただいておりまする水防に熱心な方々がこの仕事に従事していただくということが、組織の変更に伴う人の入れかえがなくて済む、従ってただいまのような万一の御懸念がある場合におきましても、それは市町村長が推薦した者に全く縛られるという議会の選挙の権限ではございませんで、市町村長が推薦した者のうちから法律に定める範囲内で選ぶ、こういう形になっておるのでございます。もっともわれわれは、市町村長さんも選挙で出ておられるわけでございますから、これはむろん代表される人であろうと思いますし、また議会の議員さんも選挙で出ておいでになる人でございますから、一そう高いレベルの人を探していただくことが最も期待できるのではないか、こういうふうに考えておりますが、なお現実の御懸念等につきましては、現地に対しまして自治庁とも協議をいたしまして、適切な運営指導をいたしたいと考えております。
  24. 三鍋義三

    三鍋委員 適切な軍営指導ということは、どういうことを具体的にさして言っておられるのですか、なかなかむずかしいと思いますが……。
  25. 關盛吉雄

    關盛説明員 ただいまわれわれが御説明申し上げております趣旨は、全体の利害を調整するために推薦者の中から議会が選挙するわけでございますので、水防に関して熱心な経験者を市町村の長が選ぶことができるような指導をさして申し上げております。
  26. 三鍋義三

    三鍋委員 それは、御趣旨はその通りでありまして、こういうことを質問したり心配するのが、すでに間違っておるのかもしれません。しかし往々にして私たちの過去に経験したところであり、また今後予想されるところの疑問点を一応申し上げましたので——これはしかし法律的にこれに制限を加えるということは自己自体の、あるいは自治体自体、組合自体の教養の程度の低さをみずから認める形になりますので、これ以上のことを申し上げません。しかし残されたところの若干の疑問があるということだけは、やはり私ここで指摘しておきたいと思います。  その次にお尋ねしたいのは、同じく第三条の二と第三条の五について御質問したいと思います。これを読みますと、議員の数と経費の分賦について、受益の割合に応じて、防護すべき施設の割合を勘案して定めるということになっておるのでありますが、なかなか実際においてはむずかしいのではないかと思います。これはしろうとが考えるからでありましようけれども、受益の割合とは一体具体的にどういう点からきめられるのか、実際に可能かどうか、これについて明快なる御答弁をお願いしたいと思います。
  27. 關盛吉雄

    關盛説明員 ただいまの御質問でございますが、これは現在のいわゆる組合運営しておる実際の姿を法律に掲記したわけでございまして、従って水防活動によりましていわゆる水害を予防できる、そのような場合におきましはどれだけの利益があるかということを、各市町村水防活動費の分損をきめます場合におきまして考えておる基準でございます。それを今回は市町村段階に上げまして、関係市町村がA村、B村、C村を比較して、どのように受益度が高いか、こういう一つ基準でございますので、それがまたひいては防護すべき施設の割合との関連も実はあろうと思います。固定資産というふうなものも一つの受益の割合のファクターでもありましょうし、また人口の割合ということも一つの受益の要素として考えられると思いますが、そういったようなことはすべて、新たにできまする水防事務組合組合規約においてきめましたことを水防事務組合の議会においてきめる、こういう基準として考えておるわけでございます。
  28. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 三鍋君の御質問に関連しておりますが、まず私が第一にお尋ね申し上げたいのは、この水防法改正は各町村の自治制の上から、あるいはまた財政の上からも、いろいろ重大な関係を持っておるのであります。この法律を起案するに当りまして、全国の町村長会または町村議会議長会、こういうような町村関係の連絡機関といいますか団体、こういうものの意見を、諮問の形式か何かの形式でおただしになったのか。また、ただされたといたしましたならば、これらの団体はいかなる意思を表明してきたか、この点お尋ねいたします。
  29. 山本三郎

    山本(三)政府委員 お説の点につきましては、私どもも十分意見を反映いたしまして実情に合うようにやりたいという点に気をつけたわけでございまして、御承知のように、全国水防管理団体連合会というのがございまして、これは衆議院の中山榮一先生が会長をされておる連合会でございます。ここから数度、法案の作成途中並びに法案ができ上りまして後も、いろいろと意見を拝聴いたしたわけでございます。そういう点をしんしゃくしながらこの法案を作ったわけでございまして、お説のように水害予防組合におきましては先ほど申し上げましたように、現状のままでもうまくいっておる、当分はこのままやらしてもらいたいという部分もある。それから、ぜひ一つこういうような改正でもっていってもらいたい、これは大阪付近の水害予防組合で、すぐ事務組合に移りたいというものが全国で現在のところすでに十ぐらいございますが、そういうような意見もありました。そういうふうな意見を十分しんしゃくいたしまして作成したわけでございますが、地方財政観点、あるいは地方行政の観点につきましては、自治庁と十分連絡をいたしまして、その運営に遺憾のないようにはかった次第でございます。
  30. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 今御説明になりました事項では、果して全国の町村において強い希望を持っておるかどうかという点に明確を欠いておるようであります。大部分のものは希望をいたしておるような御説明でありましたが、果して心からの地方情勢に即した希望であるかどうかということについては、もっと真に国民の意思を代表するような町村議会関係の意見等も私は聞くべきじゃないかと思うのであります。大体この改正点の数点の中に新しく水防事務組合の議会の議員、こういうような制度については、三鍋君からも御指摘がございましたが、非常によくいけばこれはいいのでありまして、一たびあやまちますならば、これが他にも弊害を及ぼすということが考えられ、なおそういうことがありがちな世の中なのでありまして、そういう点に私は不十分な点がありはせぬかと思うのであります。そういう点の町村議会関係の意見はどういうようにしておるか、こういう点をお聞きを申し上げたいと思います。
  31. 山本三郎

    山本(三)政府委員 お説もございますけれども、私どもといたしましては、議会の意見を直接はお伺いいたしておりませんが、水防管理団体というのが水害予防組合にございますし、また市町村水防管理団体にございます。従いまして水防管理団体としての代表者の意見は聞いておる、また県を通しまして県の担当者ともいろいろ打ち合せいたしておりますので、その線を通じて市町村水防管理団体等の意向は十分反映できておるというふうに考えて、この法案を作成したわけでございます。
  32. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 次にお尋ねを申し上げたいのは、この水防法ができるときに、われわれは一般消防と相関連したことについていろいろ研究をいたしまして、水防特殊性を認めるべきである、こういうことから水防法制定にわれわれは賛意を表して参ってきておるのであります。消防関係とは性質も違い、管理の区域、範囲というようなものも違いますから、もちろん同一に論ずるわけに参りませんけれども、こうした地方には町村議会がございまして、そういうことの関連性についても、明治以来ずっと日本の自治制度の中において、水防にもお互いに自治的に従事いたしてき、やって参りました。ところが近代的な情勢から見て、これは独立した機関を作って、もっと積極的な水防設備を行い、水防に従事せしめるべきである、こういうことになったのでございまするけれども、大体において、地方住民の自治的な制度のもとに行われるべき性質なのでありまして、ちょうど町村議会の中で、そういうような権威者もおり、進んで責任感を持っておる水防熱心者もおることだと思うのであります。そういうところで、そういう民意をとってやるということもできると思うのでありますが、消防にはそういう制度がないのに、何ゆえに水防にだけ「必要がある」ということがいわれるのか。こういう点について起案者の御意見をお伺いしたいと思います。
  33. 山本三郎

    山本(三)政府委員 ただいまのお話でござでいますが、お説の通り消防組織法によりまして、消防機関も水防に従事するわけでございますが、消防並びに水防は、おのおのその運用におきましても、活動におきましても、違っておるわけでございます。消防団水防に従事する場合の組織及び活動につきましては、水防法規定しておるわけでございます。従いまして、消防団水防に従事する場合におきましても、この水防法によってやる。もちろん消防団にあらざる水防団は、これによって活動するということに相なっておるわけでございます。それから数市町村にまたがるような場合、また指定水防管理団体におきましては、十分水防計画であるとか、あるいは水防活動等におきまして重要な事項を審議させるために水防協議会というものを作っておりますが、これが今度の改正によりまして、二十人を二十五人に上げられたということになっておりますが、これはもちろん諮問機関でございまして、ただいまのお話にありましたように、水防に非常に熱心な方であるとか、あるいは水防に対しまして経験を持っておる人、その他学識のある人にその協議会のメンバーになっていただきまして、それの意見を参酌いたしまして水防計画なり、水防活動に資していきたいという考えをとっておるわけでございます。
  34. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 もう一点お尋ねいたします。この水防事務組合議員選挙についてどういうふうに考えておるか。いわゆる公職選挙法との関連性、そういうものとは別な罰則を考えておるのかどうか、そういうようなものは行われるおそれなしと考えておるのか、その点お尋ね申し上げたい。     〔委員長退席、内海委員長代理着席〕
  35. 關盛吉雄

    關盛説明員 公職選挙法を調べまして、お答え申し上げます。
  36. 中島巖

    ○中島(巖)委員 この水防事務組合の条項を見ていくと、これは地方公共団体とみなしていないわけでありますか、その点一つお伺いしたい。
  37. 關盛吉雄

    關盛説明員 その通りでございます。
  38. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 それではもう一つ伺いますが、「水防事務組合の議会の議員」という名前が掲げられておる。われわれは名前にあまりこだわることはないと思うのですが、議会の議員ということは、一般的な国民の常識の中には、やはり一応自治体であるとか、あるいは国会であるとかいうような政治色を持った議会の議員、こういうように感じております。従って従来、こういうものは何か協議会員とか、あるいはまた何々委員会委員とか、こういう名前を使っておったものなんですが、今この「議会の議員」という名前をつけておるところに、国民の中に——ほんとに議会らしいものならば、選挙法等についても、町村議会の議員、県会議員というようなものと同じような、いろいろな制度、機構を作らなければならぬのじゃないかということに勢いなってくるのじゃないかという心配を持っておるわけなんで、むしろこれはもう少し名前をお考えになったらどうかという感じがするのでありますが、しいてこの「議会の議員」というような名前を使われておるのは何か特殊な理由があってのことか、その点お聞かせ願いたい。
  39. 關盛吉雄

    關盛説明員 これは何も特殊な理由がないのでございまして、現在の地方自治法の第三章には、「地方公共団体組合」という条章がございます。そうしてその二百八十七条には、一部事務組合の規約についての事項が法律で掲げられてございまして、その第五号におきまして「組合の議会の組織及び議員選挙方法」、こういうことを法律できめておりますので、この条章に関することをここで掲記した、こういうわけであります。
  40. 内海安吉

    ○内海委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じます。御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 内海安吉

    ○内海委員長代理 御異議ないものと認めます。なお本案の討論、採決は次会にこれを行います。  それでは本日の委員会はこれにて散会をいたします。次会は公報をもってお知らせすることにいたします。     午前十一時四十四分散会