○三鍋
委員 大臣の御
答弁によりますと、私の心配した点は払拭されたように一応御
説明になったのでありますが、私は必ずしも
大臣の御
説明に納得できないのであります。たとえば
道路整備の問題にいたしましても、五カ年
計画が立てられて、二十九年から三十三年度までにこれを実施することになっておったのが、十カ年
計画という
構想、一兆九千億が出てきた。これはえらい馬力をかけて、
道路行政の急激な進展ということからでもありますが、大へんいい
考え方で、
道路行政を進めていこうとしておられるこの意図に、私たちは非常に希望を持っておったそのやさきに、岸さんの御意向か何かで、そんなまだるっこいことではだめだから三カ年
計画でやれといったような姿が
一つ浮び上ってきて、新聞紙上をにぎわしたことは御
承知の
通りであります。そういったいきさつから、最後に決定されたのは新五カ年
計画ということになりまして、総
予算九千億、こういう
構想が出てきました。それは三十三年から三十七年までということになるのでありますが、ここら辺に何かぐらぐらしておった感じを受けるのであります。どうもネコの目のように変っていっておる。
一つの線を出す過程においていろいろ審議、検討されていくことは当然でありますけれども、結論からいうと、これは新五カ年
計画というよりも、前の
道路整備五カ年
計画とずっと通算してみると、私は九カ年
計画の
道路計画である、こういったような感じを受けるのであります。それはいずれにしても、新聞紙上に出ておったのを取り上げてとやこう言うのではありませんけれども、岸さんの
感覚ですね。ここに私たち納得のできない
一つの問題がある。何か後世に自分の名の残るような仕事をしたいようなことを言っておられたと新聞で読んだような気がするのですが、自分の名前を後世に残すために派手なことを短時日にやりおおせようという根本的な
考えのもとに、
道路行政が転々として移り変る、こういうことになると、私は、先ほど
前田委員が心配されましたように、果して
計画性があるのか、他の
交通機関と総合的な一貫したところの
考えのもとになされた結果であるかどうかということに疑問を持つから、
大臣に先ほどお尋ねしたわけなのであります。たとえば、小さい私たちの日常生活において目につく問題を
一つ取り上げてみても、東京には名物が数々あります。その数ある名物の中で、一番世界的な名物は私はやはり
道路工事だと思う。きのう竣工したものをきょう破壊している。こういった
一つの身近な例を取り上げてみましても、私は
道路政策一つ取り上げましても、どこに総合的、
計画的なものがあるかというところに疑問を持たざるを得ないのであります。
国民の税金が非常にむだづかいされているといった感じ、これは私たち日常身近に見るところの姿ではないかと思うのであります。おとといですか陳情を受けたのでありますが、あるいは
大臣の手元にもきておるかもしれませんが、調布と府中の補助路線の問題、旧甲州街道というものがある。現在十八メートル
道路ができておるが、それではどうも
交通上非常に雑踏して困るから、補助
道路をまた別にその付近に作ろう、こういうことであります。こういうことでも、一貫した
一つの
計画性かあれば、こんなむだなことをやらなくて済むのじゃないか。そこで今度は立ちのきとか補償とか、あるいは十八メートルの
道路を
中心としたところのいろいろの住宅あるいは商店の経営、こういうものが全然むだになってしまって、自分たちの生活を脅かすというところに、こういう問題が陳情となって現われてくる。こういうこまかい問題を取り上げましても、この
道路行政
一つを取り上げましても、もっと真剣なる総合的な
計画性というものが必要ではないか。もちろんそんなことはだれだってみんな
考えておることでありますし、当然のことであります。それ以上に急激な
経済発展によって、次々と初めの
計画が間に合わないようになっていく、これは私は理解できるのでありますが、十年、二十年先のことを見通しできなくて、どこに
道路行政があるかという、そういう
考え方も当然出てくるのではないかと思うのであります。
次に、住宅問題にいたしましても、あれほど喧伝されましたところの住宅問題は、今やその姿は実にさびしい姿でふるえておるといった、そういう形が
予算の上に現われてきております。ただいま
大臣のこれに対するところの内容の御
説明があったのでありますが、これは後ほどまた
住宅局長その他に詳しくお聞きしなければならぬのであります。
次に、災害の復旧にいたしましても、三十三年度はどうしても四百十六億円の金が必要だ、こういうのが三十三年度の
予算を構成される上における一応の
考え方であった、こう思うのであります。これを言いかえれば、これだけはどうしても必要である、これだけはやらないとまた災害を生んで大きな損害を与えるというところに出てきた数字であると思うのであります。ところが実際の
予算を見ますと二百二十七億五千万円と、昨年よりも四億二千万円も減っておるのであります。
私は以上二、三述べまして、何か一本のしっかりした筋の通ったものがないのではないかということを申し上げたのでありますが、しかしこの
道路整備というものを三大
施策の
一つに大きく取り上げられまして、そうしてこれに
予算処置も、またいろいろのこれを運営していく上におけるところの処置をとられたことに対しましては、心から敬意を表するのでありますが、どうも全般的に見まして、私は現在の
建設大臣がそういうことがあるというのではないのでありますけれども、何か
政府としてのやり方は、ぱっと
一つ目新しいものに飛びついて、人が一ぺん飛びついたものは、あとおれはもうそんな人の手をつけたものは知らないといって、また別のものを何か見つけ出して、それに飛びついていこう、こういった何か軽薄なものを感ずるのでありますが、私の
考え方は間違っているでしょうか、
大臣の御
所見を聞かせていただきたいと思います。