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1958-03-07 第28回国会 衆議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月七日(金曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 坂本 泰良君    理事 井原 岸高君 理事 田中伊三次君    理事 田中 彰治君 理事 山本 猛夫君    理事 吉田 賢一君       加藤 精三君    堀川 恭平君       八木 一郎君    淡谷 悠藏君       小川 豊明君    細田 綱吉君       山田 長司君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村三之丞君  出席政府委員         運輸事務官         (大臣官房会計          課長)    佐藤 光夫君         運輸事務官         (船員局長)  森  嚴夫君         運 輸 技 官         (港湾局長)  天埜 良吉君         気象庁長官   和達 清夫君         気象庁次長   太田九州男君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  八木 利眞君         会計検査院事務         官         (第三局長)  石渡 達夫君         会計検査院事務         官         (第五局長)  上村 照昌君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道常         務理事     久保 亀夫君         日本国有鉄道参         与         (電気局長)  關  四郎君         日本国有鉄道参         与         (管財部長)  安田 正三君         日本国有鉄道管         財部次長    杉野 信吾君         日本国有鉄道監         察局監察役   氷室 史郎君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 三月七日  委員上林與市郎君辞任につき、その補欠として  細田綱吉君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書  昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十一年度政府関係機関決算書      ————◇—————
  2. 坂本泰良

    坂本委員長 これより会議を開きます。  ただいまの理事会におきまして御協議願ったのでありますが、一昨日の委員会におきまして御決定を願いました歳入歳出の実況に関する件についての参考人中オリエンタルエキスポーター商会東京支店長クレバノフ君は、現在日本にいないようであります。また香港上海銀行東京支店長ブッチャー君は、就任後間もないので、本件につきまして実情を知らないと思われますので、この両参考人につきましては出頭要求を取り消し、新たに参考人として、オリエンタルエキスポーター商会東京支店支配人中島幸三郎君、財団法人立川研究所理事高松栄太郎君、元通商産業省通商局農水課長日比野健児君の出頭を求め、実情を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 坂本泰良

    坂本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお一昨日御決定を願いました参考人中香港上海銀行東京支店柴田君は柴谷重夫君に、千葉精糖株式会社社員久保田君、金子君はそれぞれ久保田顕三君、兼子善一君と訂正いたします。また日取りの件につきましては、立川参考人高松参考人日比野参考人を十一日午前十時より、中島参考人柴谷参考人を同日の午後一時より、鈴江参考人宇井参考人兼子参考人久保田参考人日比野参考人は十二日午前十時にそれぞれ出頭を求めるようにいたしたいと存じますから、御了承願います。     —————————————
  4. 坂本泰良

    坂本委員長 昭和三十年度決算及び昭和三十一年度決算を一括して議題といたします。本日は右両件中運輸省所管及び日本国会鉄道関係につきまして審査を進めることにいたします。  それでは昭和三十年度決算につきましてはすでに説明を聴取しておりますので、昭和三十一年度決算検査報告一五九ページより一六五ぺーに至る報告番号九二二ないし九三一、二〇八ページより二三七ページに至る報告番号一一〇五号ないし一一二一号につまましてそれぞれ検査院当局より説明を聴取いたすことにいたします。石渡第三局長
  5. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 それでは御説明申し上げます。一六〇ページの昭和二十九年、三十年両年度検査報告掲記事項事後処理状況について申し上げます。  三十年度決算検査報告掲記した補助金不当事項のうち、一工事二十万円以上のものが十件ありますが、そのうち当局において国庫補助金返還または減額するものが四件、それに補助金返還または減額にかえて手直しをするというものが六件ございます。この返還すると運輸省がきめておりますもののうち四件、それから二十九年度決算検査報告掲記したもののうち、まだ返還処理がとられていないもの一件につきましては三十二年六月現在全部処理済みになったのであります。すなわち三十年度掲記のもの全部と、それから二十九年度のものでなお未処理のもの一件については全部処理済みになっております。ただ二十八年度掲記されたもので補助金返還するというものが一件なお未処理で残っておるものがございます。それから手直しをするもののうち、三十年度掲記のものは六件ありますが、そのうち五件については実地検査をしました。また二十九年度検査報告掲記したもののうち二カ所が処理未済でありましたが、それについて実地検査しましたところが、これは全部工事が完成しております。  次に一六一ページの「公共事業に対する国庫負担金等経理当を得ないもの」これにつきましては毎年実地検査をしておりますが、本年度におきましても国の事業個所千六百七十カ所のうち、その七四・七%に当ります千二百四十八カ所を実地検査いたしました。ところが当局指導監督の強化あるいは事業主体自覚等によりまして、従来に比べて相当改善の跡が見られますが、なおそのうちには出来高が不足している、あるいは補助対象外経費を含めて精算している、また表面上は実施計画通り工事を請け負わしたとしておりますが、実際はそれよりも低い、安い金額請負に出しておりまして、事業主体が当然負担すべき分を負担していないというものがなお見受けられます。こうした点はなお一そうの努力を今後においてもされまして、こうしたケース絶滅を期せられたいと存じます。  改善されました跡を振り返ってみまして、その改善の跡をパーセンテージでちょっと申し上げますと、三十一年度分につきましては実地検査をいたしました千二百四十八カ所分の工事費が五十一億四千万円になっております。そのうち除外すべき金額がここにあがっておりますように十四工事について三百八十五万円となっております。そのパーセンテージを出しますと、金額におきまして〇・〇五%、この工事個所におきましては千二百四十八カ所見まして、この除外すべき金額の含まれた工事が十四工事でありますから、この比率が一・一%になっております。この検査をいたしました個所と除外すべき工事費の含まれた個所比率が二十九年度は五・二%、三十年度は一・三%、三十一年度は今申し上げました一・一%、こういうふうに改善の跡が見られます。  なお検査をいたしました工事費総額と、不当工事が含まれていまして除外すべき分がある、その除外すべき分の工事費との比率が二十九年度は〇・五%、三十年度は〇・一二%、三十一年度は今申し上げました〇・〇七五%、こういうふうに改善の跡が見られます。  この十四工事事態別工事数金額は折り込みの表になっておりまして、この表をごらん願いたいと存じます。このうちの国庫負担金を除外すべき額が一工事二十万円以上のものを上げると九二二号から九二九号まであがっております。八件二百九十六万二千円のものが表になってあがっております。この中で大阪のものが少し金額が大きいのですが、大阪ケース国庫補助金を受けて大阪港の浚渫をやっておるのでありますが、この補助対象浚渫工事に使わなかった浚渫般修繕代、これは大阪市の港湾単独工事に使っておるのでありまして、この単独工事に使った浚海丸の修繕費補助対象に含めていたというケースであります。  次に九三〇の「災害復旧事業費査定額減額させたもの」これについて御説明いたします。これも昭和二十八年度以来毎年検査をしておりますが、工事が始まって、完成後に注意してもなかなか手直しその他がむずかしい、むしろ着工前に御注意をして減額すべきものは減額するという措置をとった方がよいと思いまして、三十一年度も引き続いて検査をしたのであります。その検査をいたしました対象は三百三十八工事、八億三千六百万について実施したのでありますが、この中で改良その他国庫負担対象としてならないものが十五工事、二百五十万四千円、設計が過大であるもの、これが六工事、六十三万三千円ありまして、運輸省に御注意しましたところが、運輸省の方で査定額減額されたのであります。これにつきましても、運輸省では毎年被害個所実地調査を励行する、机上査定にかえまして実査を励行するというような態度をとられまして、改善の跡が顕著に見られるのであります。  ちょっと振り返ってその改善あとを数字でみますると、こちらが検査をしました個所に対して減額すべきものが含まれていた個所比率が二十九年度は一一%、三十年度は七・七%、三十一年度は六・二%、また調査をしました個所工事費の全体に対して、減額されるべき工事費金額比率が二十九年度は二・五%、三十年度は一・六%、本年度は〇・三八%というふうに改善の跡が見られます。  次に九三一号について申し上げます。職員不正行為により国に損害を与えたもの、これは福島測候所で三十一年五月に県前渡官吏補助者によりまして前渡資金をほしいままに領得されたのでありますが、その補助者は、この四十一万五百円を拐帯逃亡する目的で、小切手書損をしたという扱いにしまして、上司の目をくらまして小切手を勝手に作りまして、日本銀行の福島支店にその偽造の小切手を出して四十一万五百円を受領して逃亡したのであります。その後つかまりまして、現在訴訟係属中になっております。以上。
  6. 坂本泰良

    坂本委員長 次は上村第五局長
  7. 上村照昌

    上村会計検査院説明員 三十一年度の日本国有鉄道に関するものについて御説明いたします。三十一年度の検査報告掲記事項は、不当事項十六件、不正行為一件、合計十七件でありまして、前年度の三十三件に比べ約半数となっております。  次に各個別の案件について御説明いたします。  まず、一一〇五号の予算経理としての給与総額超過の問題であります。三十一年度における国鉄職員に支給する給与の総額は千二百九十億二千七百余万円で、支出決算額千二百八十九億四千三百余万円、不用額八千三百余万円となっておりますが、この決算額のほかに鉄道経費所属の職員が建設工事または改良工事の業務に従事した場合等に、当該職員のその従事期間に相当する職員給扶養手当等四億九百余万円を鉄道経費等当該科目から建設費等職員給などの当該科目に振りかえないで、工事費に振りかえて支出しているものがあります。これを考慮しますと、職員に対して支給する給与総額を三億二千六百万円超過して支出した結果となっておりますので、予算経理上考慮を要するものであります。  次は工事のうち「予定価格積算が過大なためひいて工事費が高価となっているもの」として一一〇六号から一一一〇号の五件でありますが、一一〇六号は、東京電気工事局で千三百四十二万余円で請負わせられた栗橋—久喜間架空送電線路鉄塔新設その一工事予定価格積算の問題でありまして、工事は利根川の州に鉄塔一基を井筒型基礎によって新設するものでありまして、井筒沈下工費を四脚で六百十二万千余円と積算しております。この脚の沈下深さが平均一四二六メートルでありますから、メーター当り沈下工費は十万七千四百九十四円となっておりますが、三十、三十一両年度に施行した他の同種工事沈下工費積算が、沈下深さ一〇メートルの場合、調査例中高いものでもメーター当り四万円程度となっております。本件工事は、他の工事調査事例よりも経が短いので、メーター当り堀さく量が少ないことなど有利な点が認められますが、他工事より沈下深さが深い点もありますので、これらの点を考え、かりにメーター当り四万五千円としますと、約三百五十五万円が過大と考えられます。その他工事用資材等運搬費も過大な点もありまして、契約価格に比べ約三百九十万円が高価と考えられます。  一一〇七号は、大阪電気工事局で七百二十万円で請け負わせた加古川架空送電路新設その一工事予定価格積算の問題で、一一〇六号と同様に井筒工費積算運搬費積算が妥当でなかったため、約二百七十万円工事費が高くなっているものであります。  一一〇八号は、大阪電気工事事務所で二千二百余万円で請負に付せられた横大路、山科間架空送電線路新設その工事についての運搬費等予定価格積算の問題であります。工事に使用するセメント骨材その他重量約二千五百五十一トンをトラック取りおろし場所から建設現場までの平均距離二百五十四メートルを人肩によって運搬するものとして、トン当り二・八人を要するものとして計四百五十余万円を積算しておられますが、この程度の距離の場合人肩運搬歩掛りが一般に〇・七人程度であり、過大と認められ、かりに 〇・八人とみましても約三百二十万円が過大な積算と考えられ、また飯場から工事現場までの往復時間がいるということで、作業地点割増として八十三万余円を積算されていますが、平均距離が一キロ程度、所要時間として十五分ぐらいでありますから、積算の必要はないものでありまして、両者をあわせて請負額が約四百万円高いと考へられます。  一一〇九号は大阪電気工事局ほか三カ所で三千二百余万円で請負わせた既設レールボンド熔接ボンドに取りかえ、または熔接ボンドの取りつけを主体とする三十四工事予定価格の問題で熔接ボンドの取りつけ費用を、五十キログラムレール用六百三十四円から七百五十六円、三十七キログラムレール用五百五十四円から六百九十五円と積算しておられますが、各局とも取付労務費が過大に積算されており、また東京鉄道管理局及び東京電気工事局では主要材料である溶接ろう所要量を過大に見積られているため、請負額に対して総額約四百五十万円高価となる計算であります。  一一一〇号は、新橋工事局で請け負わせられた白棚線の路盤工事工事用砂利採取地選定の問題であります。この工事は、旧路盤を自動車専用道路にするため延長十一キロ余にわたり、切込砂利を搬入し、転圧する路盤工を主体とする工事でありまして、予定価格の算定に当り、切込砂利一万四千二十立米、その全量を平均運搬距離一七・一キロの阿武隈川の双石から採取するものとして、立米当り八百六円と積算し請け負わせて施行していましたが、工事途中砂利の数量をさらに四千二百四十五立米分増すこととし、この分は平均運搬距離六キロの黄金川から採取するものとして、立米当り六百三十七円として、この分を増額したものであります。しかし本件工事は、切込砂利が大量で、工事施行延長も長いのでありますから、できるだけ施行現場に近いところに砂利採取を選定し、経済的に施行する配意が必要と考えられます。従って、当初から距離の近い黄金川からも採取するということで、予定価格を立てられたならば、工事費が約四百七十万円は節約できたものと考えられます。  次は、「工事施行が設計と相違するもの」で、一一一一号から一一一四号の四件であります。一一一一号から一一一三号までは、大阪、仙台、札幌各鉄道管理局で請負に出されたいづれも電気関係工事でありまして、通信用木柱の取替工事、あるいは照明用鉄塔新設工事でありますが、いづれもその基礎が設計と異なるでき上りになっている事態でありまして、その後これらに対しては業者の負担において手直しまたは補強を行なっておられます。  一一一四号は、札幌工事事務所で二千七百余万円で請負わせられたのり面防護その他工事外三件の工事におきまして、設計通りできたものとして検収しておられますが、のり面防護編さく工の編さく高等の施行が設計と相違しており、約八十九万円が出来高不足となっている事態であります。  右のように工事施行が設計と相異する事態の多いのは、工事施行に当って関係者指導監督が十分に行われず、また検収が適正に行われないこと、任意に設計と異なる施行を指示することなどによるものでありまして、設計と異なる工事をする場合、強度にも影響がありますので、今後十分の留意を御願いしている次第であります。  次は物件関係に移ります。最初は、予定価格積算の問題で一一一五号と一一一六号の二件であります。  一一一五号は国有鉄道資材局信号器材株式会社からレール絶縁金物L型鈑継目板を単独またはP・L・F絶縁物等と組合せ購入せられたものについてでありますが、この購入はL型鈑及び継目板については、右会社製造設備がないのに、会社の特許品であるP・L・F金物と大部品は組合せて購入せられたものでありまして、検査院で同会社からL型録及び継目板を下請している製作業者について調査しますと、L型鈑については、購入価格はこれを使用する軌条によって異なりますが、大体五千十三円から六千三百六十五円に対し、実際は三千八百六十九円から四千八百三円となって相当の開きがあります。これは特許品と組み合せて購入する扱いをするなど価格の算定及び購入処置が適切でなかったものでありまして、製作の実情に合せて購入したとしますと、約五百十万円は節約できたと考えます。  一一一六号は、北海道外地方資材部三好式車両用保温帯を、種類によって単価は異なりますが、五十二円から百九十円、総額千八百二十余万円で購入されたものについてであります。その予定価格積算を見ますと、主要材料である石綿リボン価格が、所要量を多く見過ぎたり、原料を低価品を併用するのが通常であるのに、高価品のみで見込んだり、実情に沿わない過大のものとなっております。その結果約三百二十万円は高価となっている計算であります。  次は資材の調達に当り購入規格の選定が適切でなかったため不経済となったものとして一一一七号と一一一八号の二件が記述してあります。  一一一七号は、資材局信興産業株式会社から銘柄指定により千六百余万円で購入せられた殺虫剤フジサイドについてでありますが、本品採用の経緯を見ますと、国鉄における総合比較試験の結果、駅舎散布用剤としては、フジサイドのほかにガンマー乳剤強力ネオヂクロン等同等品として選ばれましたが、あと二つについては毒性が強いとか、仕様書試験規格を作るため試験品を再提出させたところ、さきに比較試験のとき提出した試験品と違っているという理由で排除し、フジサイドを採用されたものであります。しかし、当局で行なった総合比較試験毒性試験の数値から見ますと、採用されたものがかえって毒性が多いということになっており、また試験品がさきに提出したものと異なっていたものについては、再提出させることもできたと考えられます。従って本件の品だけを採用する理由は乏しく、排除したものを含めて競争させれば有利と考えられ、そのような処置がとられれば約八百万円は有利に購入できたと考えられます。  一一一八号は、北海道地方資材部外五カ所で高価な削成製品を指定して分岐器用タイプレートを千六百余万円で購入しておられますが、分岐器用タイプレートとしては、削成製品のほか使用上優劣のない鍛造製品がありますから、これを購入せられるようにせられた方が購入事例から見て約四百七十万円は有利であったと考えられるものであります。  次は、一一一九号の古ボイラーの売却についてでありますが、これは鷹取工場で三十一年度中機関車ボイラー取替工事で発生した古ボイラー二十三基を解体切断して鋼くずとして売却せられたため、ある姿で売却した場合に比べて、約三百四十万円が不経済になった事態であります。  次は、一一二〇号の東京鉄道管理局における高架下使用料の決定についてであります。土地建物等使用料については、従来著しく低廉であったので、二十九年度に従来の料金を当局が時価相当と認めた料金に改定しましたが、その際改定料金が従来の料金に比べて、著しい値上りとなるものについては、二十一年度において改定料金に達するように漸増する扱いとし、二十九年度に実施料金を定め、三十年度においては当初の予定の漸増料金によらないで、二十九年度分実施料金に据え置いたため、改定料金に比べて著しく低廉に決定せられたものであることについては、昭和三十年度の検査報告に記述した通りでありますが、東京鉄道管理局においてはさらに実施料金がなお一部に値上りが著しいことなどを理由とする値下げ陳情納入拒否等の抵抗がありましたので、継続使用者についてはある程度の補正による軽減処置をとることが、社会慣行にも合致し、不能収入確保の上からも適当であるということから、二十七年度以前から三十一年度十一月まで引続き同一名義人に使用承認している三百四十六件、使用名義人鉄道弘済会外二百七十四名の使用料について、二十九年度に設定した改定料金から三割相当額を減額した額を基準として、二十九年度から三十一年度分の使用料を改定することとし、二十九年、三十年度分については既往にさかのぼり千七百余万円を減額し、三十一年度分については、三十年度減額前の料金より八百余万円を減額することにされたものであります。しかしもともと減額前の料金は高額であったとは認められないものでありまして、二十八年の従来の料金に比べて実施料金が大幅の値上りとなりましたのは、従来の料金が低廉に過ぎたからでありまして、本件減額処置は適当とは考えられません。しかも当局の調査によって見ましても、減額の条件の継続使用は名義だけで、実際は当局の使用承認条件に反して他に使用させているものが少くなく、また料金負担能力も十分あると認められる会社等も多数含まれている状況であります。  最後は一一二一号の不正行為でありますが、特に説明することはございません。  以上申し述べました個別事項のほか、最初の方に概説としまして、部内発生石炭がらまたは古軌条を工事に使用する場合、経済性を考える必要のあること、本社運用工事機械の運用について改善の要がある点、あるいは船舶の岸壁接岸用補助汽船の運営を適切にする必要のある点などを述べておりますが、これらについては国鉄において対索を講じておられることと考えられます。  以上で説明を終ります。
  8. 坂本泰良

    坂本委員長 次に運輸大臣及び国鉄総裁におきまして、補足説明があればこの際これを許します。運輸大臣中村三之丞君。
  9. 中村三之丞

    中村国務大臣 昭和三十年度並びに昭和三十一年度決算不当事項について、私から申し上げます。  当運輸省不当事項は、昭和三十年度十七件、昭和三十一年度十件と逐年減少しているとはいえ、いまだ相当数に上っておりますことは、まことに遺憾とするところでございます。地方公共団体施行いたします港湾工事に関する不当事項の防止対索といたしましては、災害工事についての机上査定を極力排除いたしまして、実地査定を行い、さらに中間検査を励行する等により、最近は相当改善されてきたものと考えますが、今後も一そう努力いたしまして、これが絶滅を期する考えでございます。  次に陸運事務所における不当事項につきましては、指導監督を強化して再びかようなことのないように注意いたします。また通信教育用教材の購入につきましては、今後綿密に調査の上、見通しについても誤まりのないよう十分注意いたします。  次に昭和三十一年度気象庁福島測候所において発生いたしました職員の不正事項につきましては、まことに遺憾に存ずる次第でありますが、公金取扱いにつきましては一そう注意を厳にいたしまして、再び同種事故の起きないよう留意いたします。
  10. 坂本泰良

    坂本委員長 次に、国鉄総裁補足説明は簡単に願いまして、あと委員の質疑にお答え願いたいと思います。国鉄総裁小倉俊夫君。
  11. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 簡単に概括的な御説明を申し上げたいと存じます。  毎年会計検査院から御指摘を受けておりますので、私どもなお一そう努力いたしましてこの種御指摘を少しでも少くいたしたいと努力いたすつもりでございます。  三十一年度につきまして、第一に工事についてでございますが、工事施行に当りましては、監督及び検収に厳正を期するとともに、予定価格につきましては、積算基準の確立に努めるほか、契約審査役及び契約課を設置するなどいたしまして、今後とも十分に適正をはかるよう努力いたすつもりでございます。  第二に、資材の調達及び管理並びに運用についでございますが、資材の調達管理運用につきましては、常に検討を加え、その改善に努めて参ったのでございますが、購入規格及び仕様については、使用物品規格調整委員会を設けてその審査に当らしめておりますし、また予定価格積算につきましては、積算基準の整備並びに積算内容の統一に努力するとともに、なお市況の把握に一そうの努力を払って参りたいと考えております。  次には、固定財産の管理運用でございますが、固定財産の管理運用につきましては、その後関係規程の整備を行いましたし、また使用料等の評定基準を改訂し、料金の値上げを三十二年四月にいたしたのでございます。特に高架下につきましては、管理組織を整備充実しまして、その実態を把握するとともに、なお一そう貸付関係の適正化をはかるために努力しております。一方学識経験者等をもって組織した高架下管理刷新委員会を設け、各角度から検討を尽している次第であります。  以上概略でございましたが、一々の内容につきましては質疑にお答えするといたしまして、なお今後とも一そう努力する旨を披瀝いたしまして説明にかえたいと思います。
  12. 坂本泰良

    坂本委員長 それではこれより両年度あわせて質疑を行うことといたします。淡谷悠藏君。
  13. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 小倉副総裁に質問いたしますが、ただいま会計検査院から報告がございました三十一年度決算経過報告の二三四ページ、一一二〇の項でございますが、「高架下使用料料金決定が適正でないもの」、これは昨年当委員会におきまして副総裁に強い要請をしておった案件に関連するものであります。今検査院からの報告の中に、一たん値上げしたものを特に減額処置を講じたことは適正な処置とは認められないとあったのであります。その値上げしましたものを減額した原因として、値上りが著しいことなどを理由とする値下げ陳情納入拒否等の抵抗があったので、東京地方土地建物等評価委員会にこの取扱い方について諮問したところ、継続使用者についてはある程度の補正による軽減処置を講ずることが社会慣行にも合致し国鉄の収入確保上も適当である旨の答申があったのでという理由減額されたように今伺いました。しかしそれはもともと特別に安い料金社会慣行に一致していなかったという前提条件がございますので、単なる値下げ陳情あるいは納入拒否等の抵抗によってこれを減額する必要はないと思う。これをあえてこういう陳情や抵抗に屈して減額したという理由がどこにあるのか、表面に表われましたこれだけの理由ではどうしても納得ができませんので、その点の御説明を願いたいと思います。
  14. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 ガード下につきましては、前に御指摘もございましたので、適正料金をいろいろな角度から検討いたしまして、一たん値上げを考慮いたしたのでございますが、そこにもただいまお読み上げのように、それが非常に急激な値上りでございまして、中には十倍以上の値上りにもなるというような事態も生じましたので、それにつきましては大体の観念といたしまして、値上げする場合には一挙に数倍というふうな値上げというのはこれは社会通念上からもどうであろうかということで、それを小刻みに上げていくという方針をとったのでございます。なお土地評価委員会にお諮りいたした際も、一挙にはなはだしく上げるということは、やはりこれは一方賃借人の側からも考えてみなければならぬ。ガード下はいろいろな業種に貸しておりますが、大体におきまして庶民的な性格を持っておる業種が多いのでございますので、一挙に上げるということは少し無理だろう、こういう御指摘もございましたので、順次上げることにいたしました。三十二年に上げましてまた三十三年にも修正をしていきたい、こう考えております。
  15. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは、副総裁もすでに御承知の通り、また貸しが非常に多いのであります。結局この値上りによってまた貸しとの間のマージンが大へん減るということが抵抗の最も大きな原因じゃないかと想像されます。従ってあなた方の最初料金が、本来からいえば適当に値上げされたのでしょうけれども、その抵抗によっていろいろな理由がくっつけられてまた屈したというふうにしかとれない。この値下げ陳情納入拒否等がどういう人々によって行われたのか、この的確な資料をお持ちですか。
  16. 久保亀夫

    ○久保説明員 今納入拒否あるいは陳情等の具体的資料、こういうことに拝承いたしたのですが、ただいまここに何のだれそれがいついっかどういう陳情があったという資料までは実はただいま持ち合せがありませんが、当時の資料で申しますと、いろいろ団体行動もございましたし、個々の陳情もございましたし、具体的内容は別といたしまして、件数で申しますと二百六十件に該当する方々がいろいろな方法で、あるいは団体行動、あるいは個々の陳情等で反対がいろいろとありました。その具体的な形につきましては当時の資料を別途整理いたして、もし必要があれば御説明いたします。
  17. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 去年東京都内におけるガード下の使用のまた貸し事件について当委員会が追及した場合に、小倉副総裁はこれを直したいと思うのだが、いろいろな強力な抵抗があるので手がつかないということをおっしゃっておられる。私は国鉄の中にそういうふうなものを仕組むように今日来たっておるということに、非常な大きな責任をあなたに感じてもらいたい。昨年は国民の非常な抵抗があったにもかかわらず国鉄運賃の値上げは断行しました。国民全体に非常に大きな影響を与える運賃の値上げは強い抵抗があってもあえてやっておいて、いわば不正なことを直すためにはわずか二百六十件くらいの陳情があったからといって、せっかく出した値上げ案を引っ込めるなんてだらしないことは許せないと思う。従って私はこの二百六十件の内容、この陳情をした団体、その方法、これに対する精細な資料を要求いたします。即刻お出しを願いたい。それからなおここに指摘されております二十七年以前から三十一年十一月まで引き続き同一名義人に対して使用を承認しておる二百四十六件、使用名義人鉄道弘済会外二百七十四名、この名簿も出していただきたい。さらにこの減額する前の適当だと思って出された値上げの料金、これなども的確な資料をお出し願いたい。その上においてさらに私は質問を続けます。ただし、あわせて副総裁にお尋ねいたしたいのは、高架下使用がまた貸しにまだ残っておる例がたくさんございますか。それもほとんど直接契約をして貸し付けておりますか、この点の御答弁が願いたい。
  18. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 数字はただいま調査さしておりまして、すぐお答えできると思いますが、また貸しにつきましても鋭意これを排除することに努めております。御指摘の通りに、前回の委員会におきまして強い御指摘を受けましたので、私ども、総裁からもはっきり覚悟のほどを申し上げまして、ガード下の刷新をするとお約束いたしまして、その後着々いたしております。ただ、ただいま申し上げましたように、刷新委員会というものを作りまして、部外の方々にいろいろ御指示を仰いでおりますが、前にも申し上げましたように、ガード下につきましての一番の根本問題は、これが借地借家法の対象になるかならぬかというふうなことが非常にむずかしい点でございまして、これはまた結論が出ましたら特殊立法もお願いしなければならぬかということではございますが、それを待つということだけで日を送るつもりはございませんが、また貸しのものについてはそれぞれ手を打って、直接の名義人に直接の契約をするというふうに進んでおります。
  19. 久保亀夫

    ○久保説明員 数字で補足させていただきます。ただいま副総裁が申しましたように、昨年来また貸し等の正常化等につきましては鋭意努力いたしておりまして、もちろん今日なくなっておるとまでは参っておりませんが、一、二数字を申し上げたいと思います。たとえば譲渡転貸いたしておるもの、これは東京管内だけの例で申し上げますと、当時ございましたのは三十四件、そのうち二十二件は処理済み——処理済みと申しますのは、たとえば実際に入っている者が適当な資格ありと見ればそれに名義変更をして、古いものは切ってしまう、逆にまた実際入っている人をいわば追い出して、名義人を正当に入れるといった、個々に違いますが、そういうことをいたして、まだ十二件は現在残っております。それから建物譲渡のため使用権が転貸されておる、つまり高架下の中に一種の建物、永久構造にいたしましてそれま貸しておる、そういった例で、これも三十二件のうち十九件を処理いたしまして、十三件が残っておる。それから目的外使用をいたしておりましたのを、百五件のうち九十九件処理をいたしております。それから実はまだそのほかにもそれに類するもの、たとえば共同経営と称するものとか、あるいは業務委託といったようなものが、見方によれば転貸ともとれますし、また法律上正しいと思うようなものもございますし、これはただいま副総裁からも申し上げました、高架下刷新委員会でそういった問題について、法的の考え方あるいは具体的処理について、答申が遠からず出ることになっておりますので、そういう趣旨を体して処理して参りたい、かようなことで、相当むずかしい問題ではございましたけれでも、鋭意処理には努力はいたしておるという数字をただいま申し上げたわけであります。
  20. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 処理の残っております原因は、一体どういうことに原因するのが一番多いのですか、これも抵抗、陳情等によるものですか、それとも法の不備によるものですか、どっちです。
  21. 久保亀夫

    ○久保説明員 これもいろいろ態様はございまして、一がいには申せませんけれども、この中には、本来の名義人と事実上入っておる者、これとの間に訴訟関係があるとか、私どもは側面からそれの解決を促進するように努力しておるわけでございますが、そういった例とか、いろいろ場合によりますと名義人が行方不明だったというようなものもございまして、個々でございますが、一つずつ克明に当って折衝を目下続けておるわけでございます。
  22. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 昨年鉄道運賃の値上げに際しましても、こうした国有鉄道の持っております財産の適当な処理が行われれば、あえて必要ないのじゃないかという議論さえ出た。これを、中間において国有鉄道の土地の貸賃のさやをとっております連中を排除しました場合に、これが与える国の利益は非常に大きいのです。刷新委員会等もその際作られたことは伺っておりましたが、その後、何か刷新委員会の中に不詳事件が起ったというようなことは、聞いたことございませんか。何か刷新委員会委員の入れかえ等行われませんでしたか。
  23. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 そういうことは全然ございません。
  24. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それでは現在の刷新委員会の名簿並びにこの処理の経過等についての資料を御提出願いたい、それによってさらに検討を進めます。  さらに私別な問題に移りますが、この報告書の二十三ページ、工事に関する件のさっきの総括の御報告は、国有鉄道の不当事件というものもだんだん数が減って、三十三件のうち十七件に減った、大へん喜ばしい傾向のようにお話がございましたが、私はちっとも喜ばしい結果は出ておらぬと思うのです。この工事の内容を、一ぺん副総裁はよくごらん下さい。一一〇六、これに指摘されました「架空送電線路鉄塔新設工事積算が過大なため工事高価と認められるもの」これは日本電設工業株式会社に関する問題です。さらに一一〇七、この同じ項目の不当事項は、やはり日本電設工業株式会社です。一一〇八の事項がまた同じく日本電設工業株式会社です。一一〇九の事項がまた日本電設工業株式会社です。それから一一一一、これは工事施行設計と相違するもの、これがやはり日本電設工業株式会社になっている。一一一二がまた日本電設工業株式会社です。一一一三が、これは新生電業株式会社となっているが、新生電業株式会社日本電設工業株式会社との関係は、おそらくこれは副総裁も御存じだろうと思う、非常に関係の深い会社です。これくらい、残った十七件がことごとくといっていいほど、日本電設工業株式会社に関する事案である。しかもこの会社は三十一年度のみではない。三十年度、二十九年度、この両年にわたる会計検査院の報告で指摘された事項が非常に多くて、当委員会においてもしばしばこれに対し警告を発したほどであるが、一向に減ってないのです。全体の件数は減りましても、この会社不当事項は決して減ってない。そうすると何かここに単なる会計検査院の注意くらいでは直らないような深い根拠があるように私は考えますが、その点副総裁はどういうふうにお考えになりますか。
  25. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 御指摘の通りに、批難事項につきまして、日本電設が数多く指摘を受けておるのを私どももはなはだ遺憾に存じます。それでありますからして、私どもとしましては、特に日本電設の会社に対しまして、再三再四きびしい警告も発し、その自粛自戒を促して参りましたし、また指名のいたし方なども再検討いたしまして、現に日本電設に片寄らないような方途も講じて参りましたし、また部内につきましては、特にこの電気関係工事について適正を保つように十分留意しなければならぬということを再三再四通達をしておりますので、これははなはだおこがましいと仰せになるかもしれませんが、今後は各段にこの種の日本電設に関する不当工事は減少いたすものと、あるいは皆無にさせたいものとこう考えております。
  26. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 副総裁、あなたはそういう御答弁をなさいますけれども、日本電設には仕事をやらなければならないようなもっと別な事情があるのじゃないですか。大体今日本電設が請け負っております電気工事は、全工事量の何%を占めておりますか。
  27. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 三十一年度の電気工事の総契約高のうち、日本電設は四五%新生電業は一四%の割合を占めております。
  28. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 三十年度はどうでした。
  29. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 お答えいたします。昭和三十年度におきまして、日本電設は五〇%、それから新生電業の方は一四・二%になっております。
  30. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 もう一つ、二十九年度もお願いいたします。
  31. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 二十九年度につきまして申し上げますと、日本電設は四八%、それから新生電業は十三%になっております。
  32. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 副総裁は、日本電設と新生電業ですか、この会社の内部関係を御承知ですか、あるいは全然お知りありませんか。
  33. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 契約高も大きいのでございますからして、詳しいことは別といたしまして、およそは承知いたしております。
  34. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 実際において、日本電設と新生電業とは切っても切れない関係にあることは御承知ですか。
  35. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 切っても切れないという、程度は私は存じませんが、とにかく同じ電気業者でありますし、また国鉄の指名を受けておる会社でございますし、あるいは人的なつながりもございましょうし、そういう点でまるっきり他人という会社ではないと承知しております。
  36. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 大体御承知のようでありますが、そうしますと、二十九年度はこの新生電業と日本電設と両方合せまして、全工事量の六一%をこの二つの会社でやっている。三十年度は、六四%と上っていっています。三十一年度は五九%、ほとんど半分以上がこの二つの会社でやられ、しかもこの日本電設が最も不当なる工事をする会社である。さっぱりここに改善の実は上っていないのです。私、この日本電設というものの内情を調べてみた。私の調べが違っておりますと大へん大きな問題ですから、一々あなたに確かめたいのです。日本電設工業株式会社というのは、昭和十七年十二月十五日に戦時統制期において軍の要請に従って、鉄道電気工事株式会社として発足したという事実がありますが、これは間違いありませんか。
  37. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 その通りでございます。
  38. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 当時この会社は資本金が百万円で、従業員は四十一名、会社の役員には国鉄の技術官僚がだいぶ入っておるように伺っておりますが、そういう御認識はどの程度でございますか。
  39. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 国鉄職員相当入っておることは承知いたしております。
  40. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 前会長の、現在退職しております内田さんは一体どこの御出身でございますか。
  41. 關四郎

    ○關説明員 お答えいたします。内田さんは大正四年ごろに鉄道へ入りまして、昭和九年ごろにおやめになりました。それから本沢組という会社に入られました。約十年ばかりそこに勤めておりまして、それから日本電設の創立に当っております。
  42. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その前には国鉄におったんじゃないですか。
  43. 關四郎

    ○關説明員 先ほど申しましたように、たしか大正七年じゃなかったかと思いますが、それから昭和八年から九年まで国鉄におられました。
  44. 坂本泰良

    坂本委員長 地位は。
  45. 關四郎

    ○關説明員 多分電気局の電気課の技師だったと思います。からだをこわされまして長らく休んでおりました。
  46. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 現社長の岡さんはどうです。
  47. 關四郎

    ○關説明員 岡さんはたしか大正十三年に鉄道へ入られまして、その創立当時にやめたと思います。その職はよく覚えておりませんが、たしか電力課の技師じゃなかったかと思います。
  48. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 やっぱり国鉄出身ですね。  それから日本電設の前専務の寄藤さん、現在千代田工業の社長をしておられますが、この人はやはり国鉄ですか。
  49. 關四郎

    ○關説明員 さようでございます。
  50. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 日本電設株式会社は、その後国鉄の外郭会社として逐次発展しまして、資本金は二十九年八月に九千万円どなっております。全従業員は昭和三十一年四月現在で、約二千二百八十五名といわれておりますが、そのうち五分の三以上が国鉄の退職者で占めておるといううわさが入っておりますが、この事実はどうですか。
  51. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 手元の資料によりますと、昭和三十三年一月現在でございますが、総員が事務員、技術職員を合計いたしまして一千九百四十七名、ざつと二千名でございまして、そのうち国鉄から入りました者が九百三十二名という数字になっております。
  52. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 三十一年はどうですか。私今申し上げたのは三十一年の四月です。私の調査も決して間違っていないとは言いませんから、この問題に対する前提をはっきり小倉副総裁と合せておいてから、私はこの問題の究明をしたい。
  53. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 ただいま申し上げた最近の数字だけでございまして、三十年あるいは二十九年の職員構成の数は手元に持ち合せておりませんので、後刻調べまして御返答いたします。
  54. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私は別に国鉄の退職者を入れて悪いとは言わないのです。上級の国鉄の幹部がやめましてから、こういう会社に入って、外郭団体として全工事の六割を占める。そこでさまざま会計検査院から不当事項を指摘されるような状態であっては、私は国鉄一家というものに対する世間の批判は決して許しておかないと思うのです。この前専務の寄藤さんが日本電設をやめましてから、一体どこに行かれた。千代田工業の社長になった。この千代田工業というものに対して、あなたの方では請負業者として指定していますね。この事情を一つお知らせを願いたい。
  55. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 これは電設につきましてのいろいろきびしい批評もございましたので、電設自身が考えまして、あまりに自分の会社に集中しておるという御非難があるから、この集中を分散いたすために、会社を分けるということで分けたのでございまして、多分昨年分割したことと承知しております。それでこれが資格をとりましたいきさつは、この千代田といたしましては新しく創立されたものでありますから、もちろん過去の経験はございませんが、その分割しました理由理由でございまして、もしこれがすぐに電気事業者として一本立ちになれないということでありますれば、これは分割ができなかったのでございまして、そういう点も勘案いたしまして、私どもはあらためて請負工事の指名及び審査委員会というものにお諮りをいたしました。これは部外の方々で構成されておる委員会でございまして、どういう業者を相手にして国鉄は契約をしたらいいかというふうなことの御判断を願う委員会でございまするが、そこで千代田は分裂した趣旨が趣旨であるし、経験者が全部そろっておるのであるから、これはすぐ指名の資格を与えてもいいという御判定がありました。これは東京ばかりでなく、地方の委員会におきましても、全部その御意見が一致しておりましたので、千代田を指名の資格に加えたわけでございます。
  56. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 昭和三十年十月の、行政管理庁の運輸大臣に対する勧告の中に、鉄道工事は保安度に重点を置き、列車の運行に支障なく施行する等の特殊性から見て、直営能力を有し、過去の実績のある信頼すべき業者に、ある程度片寄ることもやむを得ないと考えられるが、外郭団体的な業者に能力以上の仕事を与え、中間搾取させるがごとき不合理な固定化は、断固排撃すべきである、という一項のあることは、副総裁も御承知でしょうか。
  57. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 承知しております。
  58. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 今あなたの御答弁を聞きますと、日本電設に対して工事が非常にたくさん割り当てられるので、独占性に対する世間の非難もあったから、それを緩和する意味で千代田という会社を立てたといっておられる。私こういう考えが非常に問題を晦冥ならしめると思うのです。それならば、なぜ民間団体にこれをやらせないのですか。行政管理庁も指摘している。民間にも電気業者はたくさんある。これにやらないで、世間の目をごまかすために、前専務を社長にして、同じような性格の会社を作らせるという態度は、私は根本的に間違った考え方だと思う。これはどうなんです。
  59. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 これは私どもがやったのではなく、会社が自発的にやったのでございますが、たとえば戦後の例を見ましても、大きな会社が集中排除法によりまして分散いたされました。そういう場合に、やはり一つのものが二つあるいは三つに分れて、その人的なつながりは当初はございましょうが、育ったあとを見ますと、お互いに非常に激しい競争をいたしております。これはやはり会社が別になれば、会社として独立して他と競争をするということになりますので、この電設と千代田の関係にいたしましても、分れればやはりそこに十分なる自由競争をいたしまして、技術の向上、あるいは値段の競争をいたすことになりまするので、そういう面におきましては決して悪いことではない、こう考える次第でございます。なおその前に、どうして日本電設に工事が集中しておったかということを申し上げませんと、説明が足りないのでございまするが、鉄道がいろいろ電化して参ります上に、どうしても十分なる知識、経験をもっておる電気工事会社が必要でございまするし、また特に鉄道のような特殊の電化工事というものにつきましては、やはりそれの専門家が必要でございまして、そういう面で私どもの方は、日本電設ばかりでなく、そういうふうな経験を持っておる人につきましては、指名に参加してもらっておる次第でございます。ただ、電燈、電力というようなことだけでありますれば、しいて鉄道プロパーの知識は要らないのかもしれませんけれども、電化と申しますのは特殊の技術も要しますし、また非常に列車の回りのきわめて頻繁なところで工事をする、危険を伴うというようなこともございまして、やはりそれ専門の技術を要するのでございます。それからまた日本電設は、これは申し上げるのはどうかと思いまするが、実は鉄道の電化につきましては従来非常な功績がございまして、ことに架線の碍子取りかえ装置というものを発明いたしまして、それが今回鉄道が交流電化に切りかえできました場合の重要な因子にもなっております。しかしこういうことがありまするから特に偏愛するというようなことはしておりませんで、前々から御指摘も受けておりまするので、私どもは部内に厳重に申しまして、決して指名回数が日本電設に片寄らないように、同等の技術を持っておるものは、日本電設であろうが、従来の民間の業者であろうが、同じ指名回数を与えなければいかぬ、その結果競争によりまして、どちらを取るかということは別といたしまして、指名回数だけは同じにしなければならぬというきつい達しをいたしましたので、ここにも資料は持っておりまするが、昨年の十二月からこの二月の末までの指名回数を取りますと、全く私どもが考えました通りに、指名の公平化ということが行われておりまするので、今後こういうことを持続して参りたいと強く考えてる次第でございます。
  60. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 だんだん日本電設と国鉄との関係がはっきりしてくるようでありまするが、私がお伺いしたいのは、日本電設もそうですが、これから分離した千代田工業の話なんです。一体国鉄が資格を与えております工事者というものは、なんぼあるのですか。入札資格者はどれくらいありますか。
  61. 關四郎

    ○關説明員 ただいま正確な数字を覚えておりませんですが、それから国鉄全体というものはわかりませんが、電気関係では八業種に分れておりまするが、その延べで申しますと、約三千くらいになると思っております。
  62. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 日本電設と競合するような、電線その他の——特異工事といってるようですが、こういう工事に入札資格のあるのはなんぼありますか。
  63. 關四郎

    ○關説明員 日本電設に匹敵するような鉄道特異工事をやる業者というものは、ただいま正確な数字は知っておりませんですが、たしか五、六社あるかと思っております。
  64. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 五、六社ならば、名前がわかってるはずでございますが、入札のとき指名せられるのはどういう会社でございますか。
  65. 關四郎

    ○關説明員 特異工事と申しますと、鉄道電化工事とか信号工事でございますが、これの日本電設に匹敵します会社と申しますと、電化工事で申しますと電化工事では匹敵するものはほとんどありませんが、A級、B級と分けておりまして、Aクラスで電化工事をやれる業者というのは、東京付近では双電社、東光電気そのほかに二、三社あると思いますが、ただいま電化工事をやれる業者というのは非常に少いのであります。これは特殊な国鉄だけに限られておりますから、一般業者ではほとんどいないわけであります。私鉄の方では電化工事をただいまやっておりませんから、私鉄の方はふだんの保守作業を分担し合うとか、ちょっとした改良工事をやるという程度業者はございますが、国鉄以外に電化工事をやっているところはほとんどございませんので、今のところ電化工事は特異工事で、おもだった業者というのはあまりないのです。それから大阪付近ではちょっと今名前を覚えておりませんが、御必要なら後ほど資料で差し上げたいと思います。
  66. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 国鉄日本電設に発注した工事金額昭和三十年度は一体幾らございますか。
  67. 關四郎

    ○關説明員 昭和三十年度は三十三億一千百四十六万一千円であります。
  68. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 三十一年度は幾らありますか。
  69. 關四郎

    ○關説明員 三十一年度は三十億九千二百六十六万三千円であります。
  70. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは大体全工事金額の五割近い額と聞いておりますが、この五割に近い工事をやらせる場合に、入札を指名する会社の名前ははっきりわからぬということはふに落ちない。これは資料を出さなければわからないほどふだんはあまり出てこない会社でしょうか。しょっちゅう入札に来ておったらわかると思うのです。一体入札指名はどういう会社に行なっておるのですか。
  71. 關四郎

    ○關説明員 入札は全部地方の管理局とかまたは工事局でやっておりまして、本社でやっておりませんが、もしも例が御必要でしたら、ちょうど御指摘を受けました一一〇六号でございますと、入札に参加しましたのは日本電設、東光電気、関東電気工事、新生電業、この四社でございます。それから一一〇七は日本電設、栗原工業、新生電業であります。
  72. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 今伺いますと三社か四社でございます。そこでこの非常に少い入札資格者の中に千代田工業というものをこしらえて、これはいわば今の副総裁のお話によって日本電設の子会社みたいな状態でできている。この会社昭和三十二年の四月にあなた方は工事の資格を与えられている。これは資格にもいろいろあるようですが、どういうふうな資格を与えられたのですか。
  73. 關四郎

    ○關説明員 日本電設から約四分のばかりの技術力が分れた。また私どもで請負業者資格及び指名中央審議会の答申をもとにいたしました規定の中に、局所長は、確認書の交付を受けた者について、その営業の譲渡、会社の合併、会社組織の変更、会社代表者の変更等があったときは、その旨を届出させるものとする。この場合資格確認の継続については、調査の上これを許否することができる、こうなっております。それで、この場合に技術協力と資本協力、両方を勘案してその判定をするということになっておりまして、この電気関係工事は全体で八種目ございます。これにAの確認を与えました。
  74. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 Aの確認と申しますが、A級の特異工事の資格というのは、一体どういう工事を許されるのでありますか、内容をお聞きします。
  75. 關四郎

    ○關説明員 特異工事と申しますのは、鉄道の運転に直接関係ある鉄道特有の工事という意味でございまして、八種目の内訳を申し上げますと、電気信号保安、機械信号保安、それから発電配電室、電灯電力、電車線、通信機器、通信線路、送電線路、これだけでございます。
  76. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっとこの機会に資料だけ要求することにして、運輸大臣以下運輸省関係は質疑を次会に譲りたいと思います。  三十二年度の予算執行の状況につきまして、できるだけ最近の状況がわかるような資料をお出し願いたい。残余は、文書ですぐに提出しますから、次会までに整うようにお願いいたします。
  77. 中村三之丞

    中村国務大臣 承知いたしました。
  78. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 このA級の特異工事の資格を持っております会社は、何社くらいあるのですか。
  79. 關四郎

    ○關説明員 ただいま資料を持っておりませんので、正確な数字は申し述べられませんが、延べで申し上げますと、A級の特異工事会社は十数社かと思っております。
  80. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 あとでもけっこうですが、その名簿の提出を要求します。
  81. 關四郎

    ○關説明員 後刻名簿を提出いたします。
  82. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 中央審議会の答申書に、請負業者の指名基準を定めるについて、国鉄には今次戦争中に国鉄工事施行する責任を担当するために設立された業者——これは日本電設をさすことだろうと思います。業者国鉄工事に深い経験を有し、特に災害時の応急措置に協力しているものがある、これは日本電設をさしておるもののように思われますが、副総裁はどういうように見ておりますか。これは中央審議会の答申書です。これに基いていろいろな資格がきまるといいますが。
  83. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 どういう御意図か、はっきり私わかりません。
  84. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 非常に大事な入札資格を定めるための指名基準なんです。しかも中央審議会の答申書です。ですから、国鉄には今次戦争中に国鉄工事施行する責任を担当するために設立された業者で、国鉄工事に深い経験を有し、特に災害時の応急措置に協力しているものがあるという、中央審議会の答申書の内容が、あなたにはおわかりにならないはずはない。
  85. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 日本電設はそれに該当するものと考えます。
  86. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そのあとに、これらの業者に対する指名が、他の業者に対する場合に比較して多くなることはある程度やむを得ないと思われる。しかし他面において契約締結がとかく安逸に流れ、技術の進歩向上を阻害する傾向があるから、十分注意する必要がある。特に公共団体たる国鉄としては、市場における公正なる競争を排除して、特定の業者に独占的利益を与える結果を来すことのないよう、その指名には慎重を期すべきである、こういう答申書のあったことはお認めになりますか。——そこで実際においては、この日本電設に対してあまりに落札の数量が多いので、あなたもやはり考えて、たまたま千代田工業株式会社というものが分離したので、これに資格を与えられた。資格を与えられるについても、いろいろな資格の条件があると思うのですが、この千代田工業株式会社というものがA級の資格をとるだけの十分な理由があるということは、一体どこにあるのですか。この点をまずお聞きしたい。
  87. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 先ほども申し上げましたが、この資格につきましては点数制度でありまして、請負業者指名並びに資格審査委員会におきまして、その点数を積算してきめるのでありまして、もし千代田がA級ということでありますれば、その採点がA級に達したからA級の指定を受けた、こう解するよりほかございませんで、私どもは一々、資格並びにその級をつけます場合には、資格指名委員会のお指図、御決定に従っておる次第でございます。
  88. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その請負者の資格を与える場合に、工事の発注の資格でございましょうが、一般の官庁というものは大体建設大臣が登録したことが基準になっておるようであります。国鉄には別な資格の条件があるように聞いておりますが、何かございませんか。
  89. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 ただいまの御指摘の登録は、もちろん資格を獲得する前提となっております。しかしながら先ほども申しましたように、A、B、C級、あるいは業種にいたしましても、電燈電力だとか、あるいは通信線路でありますとか、そういう仕事が分かれておりますので、それぞれにつきまして、やはりその点数をつける基準というものは設けられてあります。
  90. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 二カ年間の工事実績を持たないものにはその資格を与えないという条件があるやに伺っておりますが、これはございませんか。
  91. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 一般的にはございません。ただその資格を審査いたします場合に、国鉄に従来工事を納めておった経験がございますれば、それはやはりそれだけ国鉄の仕事になれておるという点で、その経験についてはウェートをつけてございます。もう少し別の方面から申し上げますと、たしか百五十点満点でございまして、そのうちの百点の方は、とにかく一般の、どこの工事でもいい、工事をした成績でありますとか、あるいは技術者の数であるとか、あるいは設備能力等につきまして、百点を基準として点数が査定せられ、また鉄道の過去の経験につきましては、五十点を満点として査定されるわけであります。ただ特異工事につきましては、これは非常に専門な関係がございますので、委員会におきましてきめられたことでございますが、やはり二カ年間の経験がなければ御遠慮していただく、こういうことになっておると承知しております。
  92. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 二カ年間の工事実績というものは、私鉄その他民間の仕事の実績でよろしいんですか。それとも、国鉄工事に二カ年間の経験を持たなければ資格が与えられないというのですか。非常に微妙な点ですから、的確にお答えが願いたい。
  93. 關四郎

    ○關説明員 これは国鉄工事ということになっております。
  94. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 おかしいじゃないですか。国鉄工事は入札によってやらせるんでしょう。その入札の資格を与える場合に、国鉄工事の実績がないということが資格の喪失の原因になるとすると、新しい業者は永久に資格がとれないことになるが、この点一体どうなんです。
  95. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 それは多分国鉄が、列車の運行の間とか深夜に工事をいたすとかいったような、私鉄では考えられないような工事をいたすようなことがございますので、特に国鉄としたと思いますが、これはただいま研究して、直すつもりでおります。
  96. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私はこの点に非常に大きな原因があると思うのです。国鉄工事は入札によってやらせる、その入札の資格は、国鉄工事二カ年間の実績を持たなければ与えない——できないじゃないですか。今までのこの資格を決定する規約とか規定等があるでしょうから、これをまず出していただきたい。そんなインチキな、詭弁みたいな規定を作っておいて、そうして特異工事だとか何だとかいって入札資格を制限するようなことが、日本電設に数々の不正工事をやらしている根本的な原因だと思う。その資料を御提出願いたい。
  97. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 どういう資料なのでありますか、もう一回。
  98. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 入札の資格の規定です。
  99. 小倉俊夫

    ○小倉説明員 承知いたしました。     —————————————
  100. 坂本泰良

    坂本委員長 この際お諮りすることがあります。先ほどの理事会におきまして御協議願ったのでありますが、歳入歳出の実況、防衛庁におけるくつの調達に関する件につきまして、井上工業所、井上信貴男君、白木興業株式会社代表取締役、小沢直矩君、同大阪工場製造課長、酒井定一君の諸君に対し、参考人として、それぞれ三月十四日午前十時に出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 坂本泰良

    坂本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  午前中の審議はこれで休憩いたしまして、午後は引き続き日本国有鉄道関係についての審議を進めます。しばらく休憩いたします。     午後零時二十九分休憩      ————◇—————