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1957-11-08 第27回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月八日(金曜日)    午前十時五十九分開会     —————————————   委員の異動 十一月七日委員坂本昭辞任につき、 その補欠として藤原道子君を議長にお いて指名した。 本日委員藤原道子辞任につき、その 補欠として坂本昭君を議長において指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森田 義衞君    理事            石井  桂君            岩沢 忠恭君            西田 信一君            田中  一君    委員            稲浦 鹿藏君            小山邦太郎君            中野 文門君            大河原一次君            坂本  昭君            北 勝太郎君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    行政管理政務次    官       榊原  亨君    行政管理庁行政    管理局長    岡部 史郎君    大蔵政務次官  白井  勇君    建設大臣官房長 柴田 達夫君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    北海道開発庁事    務次官     池田 一男君    大蔵省主計局主    計官      松永  勇君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設諸計画に関する  調査の件(建設省及び北海道開発庁  関係職員等定員化に関する件)     —————————————
  2. 森田義衞

    委員長森田義衞君) ただいまより委員会を開会いたします。  委員変更の件を御報告申し上げます。十一月七日、坂本昭君が辞任され、補欠として藤原道子君が指名せられ、本日藤原道子君が辞任され、補欠として坂本昭君が指名されました。     —————————————
  3. 森田義衞

    委員長森田義衞君) それでは建設省及び北海道開発庁関係職員等定員化に関する件を議題に供します。  政府より建設大臣根本龍太郎君、行政管理政務次官榊原亨君、行政管理局長岡部史郎君、建設大臣官房長柴田達夫君、北海道開発庁事務次官池田一男君、大蔵省主計局主計官松永勇君、北海道開発庁総務管理官中平榮利君がそれぞれ出席されております。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  4. 田中一

    田中一君 まず最初官房長に伺いたいのですが、これは松永主計官もよく聞いておいていただきたい。前回委員会で、事業場廃止等による職場の配置転換に対する旅費の支給というものがどういう程度に進捗したか知らないが、そこで、十月二十日現在でも、中国四国地建調べて見ますと、約百十万の未払いが残っておる。これは、中国四国地建の一年分の予算を全部投入してもまだ足りないというような現状であります。政府は、これは大蔵省予算の組みかえ流用というものを認めないから、いまだこれが解決されないのだというような答弁をしておるように聞いておりますけれども、これはどういうことになっておるのか。それをお伺いいたしたい。
  5. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) ただいまのお話の点につきましては、前回田中委員からお話がございましてお答えを一応いたしましたが、さらに、実際の状況調査いたしまして、前回御提出いたすはずのところおくれまして本日赴任旅費につきましての調べを差し上げてございます。ただいま、中国四国地方建設局についてのお話がございましたが、これは、九月三十日現在で調査をいたしたのでありますが、支出をいたしました赴任旅費について九月三十日までに支出いたしました額を、地建局別に出しております。なお、まだ支出が済んでいないけれども支出しなければならない義務額を同時に掲げてございます。その合計を掲げてございまして建設省関係の六局合せまして、千六百五十二万二千円ということになっておりまして、本年の予算総額が千七百二十四万七千円でございますから、今、中国四国割当分だと、義務を生じている分ですでに全体の配分をオーバーしているのだというお尋ねがございましたが、配分につきましては、若干の保留も持っておるわけでございます。従って、それは配分の方法の問題でございますが、結局総額におきまして、九月三十日までに、一千七百二十四万七千円の予算のところ、すでに義務を生じておりますものを入れて千六百五十二万ということでございますから、百万は余っておらない。全体としてオーバーするには至っておりませんが、やがて十−パーするのではないかというのに近い数字に、九月三十日までになっておりますので、今後、転任等赴任旅費所要額のいかんでございますが、この趨勢から見ますならば、例年よく生じますように、やはり大蔵省流用をお願いしなければならない事態になるかと思います。そこで、お答えは、前回いたしましたと同じように、この義務を生じておりますところにつきましては、既定の予算の中で適当に配分をやりまして、なお不足を生ずるものにつきましては、大蔵省折衝いたしまして、流用措置を講じなければならない、かように考えております。大蔵省の方もその事情をよく了解してもらえますならば、流用に応じて下さるものと信じております。
  6. 田中一

    田中一君 総額の点は、それで一応残金があるということになりますけれども各地建ごと流用というものは現在行われて、職員が負担しておるところの旅費等は全部支払い済みになっておりますかおらないか、その点の実態はどうなっております。
  7. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) それもこの資料でごらんいただきますとわかりますが、下の方に義務額として書いてございますのが未払い額になるわけでございます。これだけはまだ支払わない額でございます。合せましてこれだけが赴任旅費としてすでに支出を要する額でございます。
  8. 田中一

    田中一君 その支払いは済んでおるのですか。現在支払いつつあるのですか。
  9. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 現在支払いつつあるわけであります。
  10. 田中一

    田中一君 大蔵省に伺いますが、こういう実態であって、おそらく年度末までに相当な配置転換等が行われると思うのですが、その際に、一応百万に満たない残金しかない場合、どういうような措置をとるつもりか、また、今官房長は、大蔵省はこれを理解して流用をすることに承認してくれるだろうと言っておりますけれども、現在の見解はどうですか。
  11. 松永勇

    説明員松永勇君) 先ほど柴田官房長から答えられた通りだと思うのであります。私たち事務的に予算を扱っております者の考えといたしましては、足らなくなればすべて流用する、幾らでも流用する、こういうような考えではございませんです。本来、旅費というような性質のものは、国会の審議を経て定められた予算の範囲内において支出するというのが原則でございます。しかし、その原則通りになかなか行かないという実情がいろいろあるわけでございましてそういう場合には、流用という道も現在開かれております。過去におきましても、建設省関係でも、昨年もそうでございましたが、実際年度末に至って流用したという例はございます。今回は、まだすでに使い切ったというわけでもございませんし、第四・四半期においてどの程度必要性があるかどうかということも見まして、その実情に応じて流用を必要とするかどうかは検討する、こういうことになろうかと思います。
  12. 田中一

    田中一君 たとえば、九州などを見ましても、やはりもうオーバーしているというようなことになっておりますけれども、この点は、柴田官房長はどういう工合に大蔵省折衝しようとするお気持ちでありますか。また、大蔵省はこれに対してどういう見解を漏らしておるか、伺いたいと思います。
  13. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) この総額で申しますと、支出いたしましたのは一千七十三万でございます。予算は千七百二十四万でございますので、約六百五十万という金がまだあるわけでございます。それに対して義務を生じておりまする総額は五百七十九万円でございます。この内訳は今九州では非常に多いという御指摘があったのでございますが、この残りの六百五十万というものを、現在のこの義務額に応じました配分をいたしまして、支払いをいたす考えでございます。支払いをいたしつつあると申しましたのは、そういう考えで、第三・四半期においてやるのでございます。大蔵省からお話がございましたように、まだ総額としてオーバーしておらないから流用相談を受けておらないが、オーバーする場合には相談があると思うが、その場合に、事情を見てやむを得ぬと思う場合には今までもやったことがあるというお話でございましたが、そういうふうに、総額不足を生じませんと、流用相談はできませんわけでございます。総額不足を生じまする事態が生じますならば、こういう赴任旅費性質で、事業の遂行上、転任、事務所の配置がえというようなことでやむなきものでありますわけですから、大蔵省事情説明をいたしまして流用了承を得るという考えでおる次第でございます。
  14. 田中一

    田中一君 次に、根本建設大臣には、再々当委員会で言明を願っておって、またここで蒸し返して、もう一度考え方を示していただきたいというのは、大へんおっくうでしょうけれども、幸いきょうは大蔵省並びに行管、あるいは内閣制度調査室長も見えるはずになっておりますものですから、この際、現在大蔵省並びに行管に対して要求しております補助員、準職員等、一万八千二十名の定員化主張、これに対する信念をもう一度御迷惑でもお述べ願いたいと、かように考えるわけです。
  15. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 前回も繰り返して申したように、非常勤職員定員化の問題は、公務員制度改正に伴いまして、全面的にこの問題を解決するということが内閣方針でございまして、これに基いて措置するということになっておるのでありまするが、その後いろいろと公務員調査室あるいは行管連絡しておりますところ、あるいは通常国会までにそれが成案が出ないかもしれないと、こういうような空気が出て参りましたので、だいぶ前の閣議の席上において、私の方から、そうした場合において、これは公務員制度全面的構想がまとまらないという理由をもってさらに遷延することはこれは適当じゃないと、すでに石橋内閣の当時、あるいは岸内閣になりましてからも、この問題について本委員会あるいはその他の委員会において、当時岸総理からもこれについては善処する旨をはっきり示しておるから、内閣として、この問題にはっきりと態度をきめなければならない旨を私の方から申し出たわけであります。しかるところ、閣議空気におきましても、これはもし公務員制度の問題が間に合わない場合においては、別個に定員として措置すべきだということに閣議了承を得てその方向で現在進んでおると、こういう状況でございまして、われわれとしては、願わくば通常国会には公務員制度全部が解決できて、この問題が全面的に解決することを現在も望んでおりまするが、もしそれができない場合においては、定員化だけ一でも別個にこれは処置していきたい、かように考えておる次第でございます。
  16. 田中一

    田中一君 同じようなケースとしてきょうは北海道開発庁長官石井国務大臣においでを願ったのですが、多用で出席できないというお話なので、池田事務次官から伺いたいのですが、現在六千名近くの定員化要求を出しておりまするが、これに対する石井長官意思というものをあなたから代弁をしていただきたい、かように考えます。従ってこれは庁議として決定をしたものというふうに私は理解いたしますから、その点、要求をしておる現在、これに対する信念と申しますか、考え方を明らかにしておいていただきたい、かように考えます。
  17. 池田一男

    説明員池田一男君) ただいまの御質問でございますが、北海道開発庁としましては、六千余名の常勤職員常勤的非常勤職員定員化要求中でございます。そうして大蔵省行政管理庁その他に説明中でございまするが、この要求を出すにつきましては、石井大臣とも十分連絡をとりまして要求を出しておるのであります。しかしながら、これは同じような公共事業を執行している建設省運輸省農林省などの、同じような職員歩調を合せまして定員化に努力するというような態度で私どもの方はやっておるのでございます。できるだけその実現に努力して参りたいと思っておる次第であります。
  18. 田中一

    田中一君 庁議として石井長官はどういう意思を反映するか。今あなたがおっしゃっているように、他の各省歩調を合せて要求するというものなのか。現在の北海道開発庁実態から見ても、当然これは定員化さるべきものであるという主張をなすっていらっしやるのか。今私は、根本建設大臣態度は見上げたものです。そういうような信念がなくては、実際の末端の職員をも把握して、完全にまかせておりますところの公共事業というものを推進できるものではない。従ってあなたの場合はあいまいですけれども、その点は開発庁長官として庁議をきめて六千何名を要求する場合に、どういう信念を漏らしておったか、これをお伺い−たいと思うのです。他の省との歩調を合わしてということじゃないはずです。前回にあなたが答えたのもそういう答弁ではなかったはずです。これは次官としての御意見かもしらぬけれども、ただいま質問しているのは、庁議をきめるに当っての石井国務大臣意思というものを明らかにしていただきたい、こう思うのです。
  19. 池田一男

    説明員池田一男君) この要求に対しましては、北海道の事情につきましては、御承知通りこちらの各省と比較しまして非常に職員が過重の労働をやっておるということがわかって去りますが、これも石井長官も十分承知しておりますので、これはぜひ定員化してやらなければ気の毒だという信念を持っておられるのです。それで予算要求のときの庁議としては、これはぜひ実現したい、こういうような考え方要求しております。
  20. 田中一

    田中一君 そこで、大蔵省白井政務次官に伺いますが、今建設省並び北海道開発庁要求しておりますとろの定員増による国の負担というものはどういう程度になるものか、まず最初に伺いたいと思うのです。
  21. 白井勇

    政府委員白井勇君) 私からお答えして間違うといけません。数字の問題だけは事務当局から一つお答えいたさせます。
  22. 松永勇

    説明員松永勇君) 建設省から要求になっておりますところでは、このために経費の増になりますのは七千五百万円、約七千五百万円の増になるという要求が出ておりますが、まだ私の方として幾らになるかということは現存査定中でございまして、結論を得ておりません。
  23. 田中一

    田中一君 建設省の方は一万八千二十名に対して経費の増は幾らくらいかかるかという点。
  24. 松永勇

    説明員松永勇君) 先ほど申しましたのは建設省でございます、建設省が七千五百万。
  25. 田中一

    田中一君 開発庁は。
  26. 松永勇

    説明員松永勇君) 開発庁については、特にそういう計算を出してきておられませんので、幾らにふえるかということはわかりません。私の方現在わかっておりません。ちょっと開発庁はわからない状態です。
  27. 田中一

    田中一君 池田事務次官に伺いますが、あなたの方ではこの六千十二名の増による予算の増はどのくらい要求しておるのですか。
  28. 池田一男

    説明員池田一男君) ただいましっかりした数字を持っておりませんが、大体一人あたり四千円程度の増になるかと思いますが、詳細は調べまして後日御報告申し上げます。
  29. 田中一

    田中一君 今現在、予算折衝中だと思うのですが、そういう内訳を示しての要求でありますか。それとも、そうじゃなくて組みかえで可能だという考え方でやっているんですか。ただ予算の裏づけが伴わない要求をしたのでは松永主計官の方でも、これは熱意がないのじゃないかというような気持になって、なかなか真剣に考えないと思うのです。従ってこれは急速に、今もし事務当局でおわかりになっていらっしゃるならば、どなたかでも電話ででも連絡をとって要求されている予算内訳を当委員会にお示し願いたいと思うのです。
  30. 池田一男

    説明員池田一男君) 予算内訳でございますが、全部の金額で十四億五千四百六十四万の増になります。全体としての人件費を計上しておりますものですから、これだけ出してございませんので、ただいま申し上げませんでした。
  31. 田中一

    田中一君 それでは一つ六千十二名増に対する——むろん事業費その他に、よって支弁しておるところの賃金でありましょうから、これは組みかえでもって相当のものはなされると思うんです。従ってその旅費とか、あるいは共済組合費とかいうような面を入れて、この六千十二名増のためにどのぐらいかかるかという内訳を、十二日にも委員会持ちますから、それまでにお知らせ願いたいと思う。  そこで、行政管理庁岡部さんに伺いますが、こういう要求予算要求と伴って現在大蔵省の方に提示され、同時にまた行管の方にも折衝があることと考えております。そこで行管としては、この当委員会としては建設省並び北海道開発庁のことを言っておりますけれども、他の部局——われわれが調査室でもって調べましたところ、現在非常勤職員、いわゆる定員外職員というものは、各省合せて大体十七万人程度いるんじゃないかというような予想を立てておりますが、これらのもののうち、今度建設省並び北海道開発庁から要求されているケースのもの、それからそうでないものとを分けて、同じようなケースに当るものはこの十七万のうちでどのくらいあるか、それから現在予算要求に伴う定員化要求というものは各省どのくらいあるか、一つまずお示し願いたいと思う。
  32. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) お答え申し上げますが、御承知通り定員法が規制しております六十四万何がし以外の定員外職員といたしましては、第一の種類といたしましては常勤労務者というものがございます。これがことしの予算からはその名称が、常勤労務者というのは処遇上おもしろくないというので、まあ仮の名称でございますが、予算上正式に常勤職員とこう名づけておりまするので、まず常勤職員について申し上げますが、常勤職員予算各省を通じまして六万六百名おります。六万六百名のうち公共事業に従事いたしますものが約二万一千名と承知しております。そのほかに、公共事業以外に農林省関係で約一万二千名おるわけでございます。そのほかの数が各省に所属しておりますので、各省所属常勤労務者の数を今申し上げてもよろしいかと思いますが、その数を念のために申し上げましょうか。
  33. 田中一

    田中一君 どうぞ。
  34. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) それでは念のために各省所属常勤労務者内訳を申し上げますと、総理府で二千六百十三名おります。それから法務省で千八百二十一名おります。外務省が二百六十六名、大蔵省が千四百二十六名、文部省が四千二百四十名、厚生省が三千九百五十七名、農林省が二万一千六百五十六名、通産省が三十五名、運輸省が三千七百七名、郵政省はございません、労働省が三千三百九十七名、建設省が一万一千五百六十五名、その他ありまして合計各省が五万八千九百八十四名でございますが、このほかに都道府県に勤務している国家公務員で、常勤労務者に該当いたしますものが一千六百四十七名おりますので、その総計といたしましては、先ほど申し上げました通り六万六百三十一名というのがその予算上の総数でございます。これが定員外職員の第一種でございます。  それから今田中委員が仰せられた数で約十万と仰せられたのは、そのほかに、非常勤職員の中に属するものでありますが、非常勤職員がどれくらいおるかと申しますと、これも御参考のためにその数字を申し上げますと、これは人事院の調べによるわけでありまして非常勤職員というものはそのときによりまして変更いたしますから、固定したものではございませんが、今年の四月一日現在の調べでは、全国の各省非常勤職員総数二十八万二千四百二十一人ということになっております。この非常勤職員の態様はきわめて千差万別でありますが、このうち、たとえて申しますと、公共事業に使用される非常勤職員で、すなわち日々雇い入れられる職員のうち、だんだん固定化して参ったのが俗に常勤的非常勤職員、あるいは通年非常勤職員と言われるものでありまして、この固定化の度合いによりまして、これが別に制度化しておるわけではございませんので、その総数制度上把握することは困難でありますが、これは各省の、ことに公共事業関係につきましては、それぞれ各省固定化したものをつかまえておるわけでございます。この総数が大体三万余ということを私ども確認しております。  まだお答え漏れした点があったかと思いますが、それでこれらの常勤職員及び常勤的非常勤職員定員化の問題につきましては、これの発生及び処遇につきまして、いろいろ多くの問題があり、その抜本的解決につきましては、先ほど根本大臣から仰せられました通りに、公務員制度改正を待ってこれを処理したいというのが政府根本方針であります。しかも、その日限といたしましては、石橋内閣以来、次の通常国会、すなわち第二十八通常国会においては、これを実現し得るという見通しのもとに考えてそれぞれ方針を立てておるわけでございますが、もしも諸般の事情によりまして、それが間に合わない場合におきましても、必要な手直しを次の通常国会においてやるという方針お答え申し上げておりましたので、もしも公務員制度改正が間に合わない場合におきましては、次の通常国会におきまして、これらの定員外職員定員繰り入れにつきまして定員法改正によりましてその手直しを行いたい、こういう方針で準備をし、作業をいたしておる次第でございます。
  35. 田中一

    田中一君 もうこの現在の常勤的非常勤職員の中の固定化されたもの、並びに今岡部局長が言っておるような常勤職員等は、もはやここであらためて議論する余地がなく、歴史的に見ましても固定化されておって事実定員法定員と同じ職務と同じ経歴と、それから同じような実態に従事しておるということは明らかなんです。私ども調査室調べさした第二十二国会以降のあなたの答弁、それから歴代の建設大臣答弁等、ことに大蔵省答弁もあわせてことごとくこの実態に対しましては、もう議論する余地がない。ただ今まであなた方政府は、ことに行管では、制度改正の問題と一緒にこの問題を解決しようというところに終始しておったのです。ところが、建設大臣は、幸いにして長期鳩山内閣官房長官として、事実各行政を知悉しておるところの建設大臣が就任されて、そして歴史的にみても、この際これを一挙に解決しなければならないんだと、ことにもう二十二国会において当内閣委員会では付帯決議をつけ、二十六国会におきましても同じような趣旨の付帯決議をつけておる。これに対しましてあなたの御答弁も、それから松永主計官答弁も、あるいは岸総理答弁も、同じように、この実態からみた場合には、もはやこれを定員化するのが当然であるというような印象をわれわれはこの際受けるわけなんです。根本建設大臣の今一応閣員の一人としての発言で、いわゆる制度改正の問題と一緒にやるということになっておるけれども、現在の実態としては、とうていそれがこの三十二年度の年末、あるいは年度末等には起らないであろうと、実施されないのではなかろうかということから、強い主張として一万八千二十名の要求が出されたのかと思うのです。そこで、今ここで増子室長が来ておりませんから、何とも言えませんが、おそらくあなたとは十分連絡をとってやっておると思うのですが、現在の調査室制度改正に伴う作業というものがどういう程度に進んでおるか、あなたが御存じならば御説明願いたいと思います。
  36. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) ただいまのお尋ねの点につきましては、確かにお示しの通り、この問題を政府全体といたしまして重要視いたしまして関係方面連絡もし、いろいろ作業もしておるわけでございまして、公務員制度改正進捗状況及びそれが次の通常国会における関係等につきましても、行管首脳部総務長官ともしばしば打ち合せておるような状態でございますので、これは、その方針につきまして、政府部内といたしても一致しておる点がございますが、そういう点につきましては、あるいは総務長官からお答えするのがよかろうと思いますが、行管の首脳としての政務次官から、そういう点お聞きしていただいた方があるいはよろしいかと思います。
  37. 田中一

    田中一君 じゃ榊原務次官から御答弁願います。
  38. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) たびたび先ほどから政府考えといたしまして述べました通り、この国家公務員法の改正ということが、次の国会に間に合わぬといいます場合におきましては、暫定措置といたしまして、約束通り一応の手直しをするというふうに私ども考えておるわけであります。
  39. 田中一

    田中一君 手直しって何です。
  40. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 手直しと申しますのは、やはり公務員はどういうものだということは、公務員法がはっきりいたしませんと、不明確な点も現実の面においてはあり得るのであります。そういう点から申しましてことに問題となっております公共事業につきましては、行管といたしましてもいろいろ実態調査をいたしまして今その集計をやり、またそれを検討しているのでございまするが、そういう点を十分考慮いたしまして、そうしてそこにおきまして応急措置としての措置を講ずる、この意味を手直しと申し上げたわけであります。
  41. 田中一

    田中一君 概念的な手直しというと、まあ一応是正しようという意味なんですか。
  42. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) さようであります。
  43. 田中一

    田中一君 そうすると、それには何ら数字的な含みはないわけですね。
  44. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 数字的含みはただいまその手直しという意味にはないと私は考えております。
  45. 田中一

    田中一君 それではっきりしたのですが、もう手直し手直しという言葉を聞くと、何によって手直しか、手直しとはどういう行為を示すかわからなかったのですが、何ら数字的含みなくして、この現在置かれているところの常勤的非常勤職員並びに常勤職員実態からみて当然これは公務員として定員法の精神にのっとって定員化しなければならないという実態がつかめるならば、これは当然定員化すべきだというような御意思のように了解いたします。  そこで建設大臣に重ねてお伺いいたしますが、何か今までの閣議において総ワクと申しますか、今るる岡部さんから御説明伺ったので、大体において常勤職員、非常勤、常勤的非常勤職員実態と数というものは把握いたしました。そこでこれらに対して、閣議で何か総ワク的な話し合いが持たれたことがございますか、たとえば政治的にこれはまあこの数字の半分でいいかとか、あるいは一割にしぼろうかとかいうようなふうなことが、閣議において出たことはございましたか。または今松総務長官との間にも、そういうような政治的な割切りをしようというような話し合いがあったかどうか、まず伺いたいと思うのです。
  46. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 私が出席している閣議の席上では、そういう腰だめでどれだけのワクにするかということは、議題になっておりません。
  47. 田中一

    田中一君 柴田官房長に伺います。事務次官がみえてないから、あなたが大てい代弁されると思いますが、事務次官会議、または根本建設大臣が前委員会で言っているように、今松総務長官行管、それから大蔵省等との折衝の中では、やはりそのような政治的な解決の方法というものを座談的にも話し合ったようなことがございますか。
  48. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 建設省といたしましては、定員要求とそれに伴う予算要求をいたしておりますので、要求につきましてはいろいろと話し合ったことはございますけれども次官会議等の席上で、員数をどうきめるかというような問題につきましては、まだ話が出たように次官からも承わっておりません。
  49. 田中一

    田中一君 大体私の質問は、今までで大体の建設省並びに北海道の開発局が要求しているところの定員化の員数というか、実態というものは、正しく御理解になっているように見受けられました。これは行管といたしましても、大蔵省といたしましても、正しくその数をそのまま受け取って折衝してゆくように見受けられているので、非常に幸いと思います。  そこでもう一点榊原さんに伺いたいのは、本年の十月二十四日に行政管理庁決定として、極秘の通牒を各省に出しております。これは大体定員外職員取扱要綱というのが出ておりますが、これは建設省並び北海道開発庁は、この極秘の通牒をお受け取りになりましたか。
  50. 池田一男

    説明員池田一男君) 北海道開発庁はまだ受け取っておりません。
  51. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 建設省も今のようなお話のものは受け取っておりません。
  52. 田中一

    田中一君 榊原さんに承わります。ここで長いけれども読み上げた方が、お受け取りにならない役所がここに二つありますから、読んでみますけれども、これは建設大臣も受けていないようですから、急いで読みますから、一つお聞き願いたいと思います。   定員外職員取扱要領三二、一〇、二四行政管理庁決定  一、近年、行政機関職員定員法の規制をうけない定員外職員が累増する傾向にあることは、人事管理上及行政事務の能率的運営に種々の障害を生ずることになるので増加を厳に押えること。  二、(定員外?)職員は(公共事業量の?)増加によって生じたものであるが、定員の規制並びに公務員の意義及範囲が適正を欠いたきらいによることが大きいから定員の算定を合理化することに勉めると共に、公務員制度に関する調査会の答申を極力尊重して公務員制度改正を行い、公務員の範囲を明確にすることによって、定員外職員の発生を根本的に防止する措置を(とるべきである?)。  三、公務員制度改正案が今期通常国会に間に合はないときは、左の方針により暫定として定員法改正を行う。   イ、公共事業に従事する定員外職員のうち、実地調査資料に基きその職種内容が相当に複雑、その責任も高く当該事業施設の基幹的官職を占めていると判断されるものは原則として定員化する。   ロ、公共事業以外の行政事務に従事する定員外で、職務内容と責任がイに定めるものに相当すると確認されるものについては、別途特別の考慮することとするが、それ以外のものについては公務員制度改正をまって措置することとし、この際は定員内に組み入れしない。   ハ、明年以降の予算における新規事業の増大に伴う要員の算定については、原則として必要最小限度の定員職員を確保し、定員外職員によってこれをまかなうことを防止する。   ニ、事務運営の合理化及び職員の素質の向上を図ることによって極力政府職員の膨張を抑止すること。  四、定員法改正によって定員規制の合理化を図るとともに、臨時または応急の事業に従事する賃金要員の固定化による定員外の発生について、これを防止する措置を厳に講ずること。  こういう通牒が出ておりますが、これらの通牒は行政管理庁の権限に基いて、法律的な権限のワク内において各省に発されたものでございますか、それともこれはどういう範囲まで配付したか、詳細に御報告願いたいと思います。
  53. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) ただいま田中委員がお読みになりましたような通牒を出したことはございません。
  54. 田中一

    田中一君 そうすると、これは今榊原務次官がはっきり申されたので、これはあなたの庁内でこうした立案をしたこともないという答弁ですか。
  55. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 田中委員の御質問は、こういうことを各省あるいは一部分の各省にこういう通牒を出したことはないかという御質問でございましたから、そういう通牒を出したことはないと、こう私は申し上げた。庁内におきましてはいろいろ先ほどからお話し申し上げておりますように、とにかく応急措置といたしましても、あるいは公務員法に設置するかせんかは別といたしましても、何とかしてこの非常勤職員の方々をできるだけ定員化するということを研究しておるのでありますからして、その間におきましては、いろいろな検討が行われているということは事実であります。今お読みになりましたようなことは、あるいはそういう検討の間におけるところの経過的書類ではないかと私は思うのでありますが、庁といたしましては、そういう書類を各省に出した覚えもございませんし、またそういう通牒を出した覚えもないということをはっきり申し上げておきます。
  56. 田中一

    田中一君 今政務次官お話を伺いますと、庁内でこういうような意味の討議、討論をしたことはある、しかし外部には出したことはない、こういう御答弁であります。白井政務次官に伺いますが、大蔵省はこのような内容を盛り込んだ行政管理庁の立案等は何らかの形で耳にしたことがございますか。
  57. 白井勇

    政府委員白井勇君) 私の方は何の連絡も受けておりません。
  58. 田中一

    田中一君 行政管理庁の設置法の権限は、このような意思をむろん各省に通達をして意思を伝えることは、そのワク内に入っておるものでございましょうか。
  59. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) そういう意思各省に伝えるというような私ども意思を持っておりませんから、一応私どもの庁内におきましては、いろいろ甲論乙駁、検討はいたしておるのでございます。これは庁内の問題でございまして庁外に対しましてさような通牒を出すようなことは全然ないということは、さっきお話し申し上げた通りでございます。
  60. 田中一

    田中一君 そういたしますと、先ほどまで伺っておる御答弁によりますと、大体行政管理庁としては、今私が読み上げたような定員外常勤的非常勤職員並びに常勤職員等に対します考え方というものは、これに載っておるところの精神が現在決定されたものか、あるいは論議の途中にかかるような意思が交換されたというように解釈しておるのか、その点を明らかにしてもらいたい。これはもしもあいまいなことを申されますと、あなたの方からきずのある方が出るといけませんから、その点は政務次官としても十分腹を据えて御答弁願いたい。
  61. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 先ほどから再三お話しておりますように、この問題は公共企業体の実態調査をいたしまして、それにつきましても十分検討いたしておる段階でございまするから、今田中委員がお読みになりましたような意思が決定しておるということは全然ございません。
  62. 田中一

    田中一君 はっきり御答弁を伺ったので、その点はこの程度にしておきます。  次に伺いたいのは、行政管理庁の長官としての石井国務大臣は、北海道開発庁長官を兼務しておる。従って北海道開発庁長官として要求する意思というもの、信念というものは、池田事務次官によって今ここで述べられました。そこで行政管理庁長官としての石井国務大臣意思は、建設省並び北海道開発庁要求しておるものに対しますところの考え方というものはどのように、われわれがきょうは要求したのですが、何か御用があって出られないではなはだ残念です。残念ですが、あなたが政務次官としてここにおいでになる以上、自分の意思はこうこうであるから伝えてくれというような意思表示はあったと思う。またああいう慎重な石井さんであり、こういうような神経のこまかい榊原さんということになると、そういう神経は使っておると思います。石井国務大臣の心境というものをここでもって御答弁願いたい。
  63. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 先ほど北海道開発庁長官としてのお考え方次官からお述べになりました通りでございまして、石井長官北海道開発庁長官としての立場をお話しになったと思うのであります。ところが行政管理庁長官といたしましては、これをどうとるかということにつきましては、先ほどから私が申し述べましたその方針にのっとってそうして長官の御意思もさようであると私は考えております。
  64. 田中一

    田中一君 行管方針は私はまだ聞かないのですがね、今ここにあなたは私が読み上げた定員外職員取扱要領というものがあなたの頭にぴっちりこびりついているから、私が読み上げたことの答弁をしているが、これが方針なんですか。私は方針を伺っておるのです。
  65. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 速記をお読み下さればわかるのでありますが、もう一回申し上げますというと、公務員法がまだ決定できない。あるいは次期国会までにこれが間に合えばそれによってやるが、間に合わない場合でも、お約束通り一つこの非常勤の職員につきましては、定員化するということに努力をする、こういう方針の意味のことを私は申し上げたのであります。
  66. 田中一

    田中一君 そうすると、まず一番身近に自分が担当しておるところの北海道開発庁の六千十二名というものの定員化は、これは人間というものは、そう自分の信念というものの使い分けができるものじゃございません。従ってこれは容認しようという態度にあることは、今の御答弁から見ても、そういうように受け取って差しつかえございませんね。
  67. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) さてこれをどの程度定員化するかという問題になりますと、先ほどから私がお話しいたしましたように、ただいま公共事業に対しますものの実態調査を、今ある程度の集計ができておりますが、これを検討してそういうところを参考にいたしましてこれをどうするか、こういうことに問題がなると思います。方針といたしましては、あくまでも定員化することに努力をするという方針でございまするが、さてこれを実地にやってみますと、言いかえますならば、きのうも私いろいろ陳情者の方に申し上げたのでありますが、空飛ぶものを全部公務員とするか、あるいは鳥だけを公務員とするかというようなことで、それじゃコウモリはどうなるのだというようなことになりますと、これは実際上いろいろ実態調査をしまして、実態調査の結果を参考にいたしまして、コウモリはどちらに入れるかということが実際上むずかしい問題になってくると思うのであります。そういうことは私ども通常国会までに割り切り方をいたしたいと思うのでありますが、ただいまの段階におきましては、まだそこまでいってない。けれども方針としては先ほど私がお話しいたしましたように、できるだけの努力をしよう、こういうことは石井長官も同じ御意見だと責任をもって申し上げることができると私は思います。
  68. 田中一

    田中一君 白井政務次官に伺いますが、今行政管理庁要求しておるところの建設省並び北海道開発庁、それからそれを受け取って、行政管理庁としてはそれに対して十分に実態を把握してそれ相応のものならば、当然定員化すべきものは定員化するのだという御意思だと思うのです。要するに三十三年度予算の編成も、おそらく今盛んに各省とも折衝してやっておるのです。松永主計官をここに引っ張り出すのもお気の毒なくらいあなたはお忙しいのだと思うのです。そこで行政管理庁考え方というものがここではっきりしている以上、実態調査というもの、いわゆる当然定員法定員のワク内に入るという考え方が確立したならば、あなたの方はそれをそのまま受け取るか、また大蔵省としては予算の編成権を持っておりますから、そこでもって何といいますか、チェックして考えるという考えをもっているのか、実際に榊原務次官と同じような考え方をされておるのか、その点を明かにしていただきたいのです。
  69. 白井勇

    政府委員白井勇君) 私のことを申し上げまして恐縮でありますが、私は前にいわゆる公務員と同じような立場にありまする常勤、またそれに準じまする通年非常勤と、こう申しますが、そういうような人たちと一緒に仕事をやって参りまして、あの制度のまことに不合理でありますことを私は身をもって体験して参ったのであります。従いまして、きょうは北海道開発庁とか、あるいは建設省とかいうふうなものをおもに取り上げているのでありますが、これは先ほど行管の方からお話ありました通り、各方面にわたりましてこういう問題があるわけであります。これにつきまして、公務員制度の結論が出ようが出まいが、とにかく次の国会におきまして必ず善処するからという政府の約束もあり、また大蔵省政府委員といたしましても、その約束をしているわけであります。今田中委員の御質問のありました点につきましては、とりあえず行管でいろいろ調査をなしているわけでありましてその結論が出ますれば、十分打ち合せの上に私どもの方におきましては予算措置を講じたい、こう考えております。
  70. 田中一

    田中一君 おおむね定員法改正という法律案が、大体昨年も三月初めごろに出たと思うのです。従って一応通常国会が持たれ、そして政府からわれわれ立法府に対しまして、三十三年度予算の規模というものをお示しになるときは、大体十二月中旬から一月中旬の間というように、今までの慣例といいますか、慣行はなっております。従ってそれまでに実態調査を終えないということを行政管理庁が言い、そして定員法改正法律案というのが提案されるのは三月と、今までの慣例通りになった場合、三十三年度予算の編成はそれらのものを大幅に含みをもった予算を立てまして、閣議決定されて当参議院、衆議院に提案されるつもりか、それがもし行管としてその実態がつかめない、定数がつかめない場合はどういう工合に国会に対して予算案の提案をするか、その点の心がまえをお知らせ願いたいと思います。
  71. 白井勇

    政府委員白井勇君) これは行管の方で一生懸命今やっておられるわけでありまして、政府におきましても、大蔵省におきましても、先ほど申し上げましたように、次の通常国会におきましては措置をするということにいたしております。その線に沿いまして善処いたしたい、こう考えております。
  72. 田中一

    田中一君 そういう微妙な立場にある三十三年度予算の編成なんです。毎年々々定員法改正というものは国会に提案されておるものなんです。従ってその定数が、三十三年度予算の総ワクの決定をする場合に、どこを押えてやろうとするかということを伺っておるわけなんです。予算を決定するにはどうしても一応それをきめなければならない。それと今言う通り建設省の提案されたところの一万八千二十名、あるいは北海道開発庁が示されたところの六千十二名ですか、それからほかの現業官庁、公共事業をやっている現業官庁、並びに先ほど岡部さんが言っているような各省から要求されたものが相当あると思うのです。これらのものを要求を一ぺんのみ込んだ予算の編成をしようとするのか。むろん今言った通り予算の増があるということを示している。予算の減ならば従来通りでいい。予算の組みかえならそのままでもいいだろうけれども予算の増があるということがはっきりしておりますから、それをどの辺までの数字で押えてもう日もない通常国会の当初に提案されようという予算案に対しては、どの程度数字を盛り込もうという意図か、あるいはそれまでに行管としては態度をきめるという気か、そういう点については一番心配するのは大蔵省です。予算の編成当局です。従ってその考え方はどういう態度をもって臨んでおるのか伺いたいと思うのです。
  73. 白井勇

    政府委員白井勇君) これは田中委員承知通り定員関係行管が一応所管でありましてまず行管におきましてそこのところを、各省その他の関係を勘案いたしまして、まずそこで数字が出てくると私は考えております。それに基きまして大蔵省はそれを予算化していく、こういう大蔵省の仕事でありますから、そこはよく田中委員承知通りのところであります。
  74. 田中一

    田中一君 そうしますと、行管が本年中国会予算案を提案するまでに実態調査ができない場合には、従来通り予算の編成をする以外にないというような答弁が裏にあるということをみての御答弁と理解してよろしゅうございますか。
  75. 白井勇

    政府委員白井勇君) これは行管としましてそういう調査ができないとか、数字が出てこないということはまずあり得ないと私は考えております。
  76. 田中一

    田中一君 じゃ行管の政務次官に、榊原さんに伺いますが、いつごろまでにその定数が、定数というか、あなたの解釈ですよ、行管の解釈というものが算定といいますか、認定といいますかができると考えておるのか、またその作業がどういう形で今進んでいるのか、一つ詳細にこれを御説明願いたいと思います。詳細にですよ。
  77. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 先ほどから御説明申し上げますように、必ず予算に間に合うように作業をいたしたいと思います。従ってそれ以上何月何日までというお話になりますと、これは部内のことでありますから、ここで私一人が申し上げましても、各省との交渉もございますので、必ず予算に間に合うように一つ作業をいたしたい、かように考えておるわけであります。またどこまでそういうことがいったかというお話でございますが、大体公共企業体を調査いたしました実態調査の集計は終っております。従いましてその集計に基きまして、それをどういうふうに解釈するかというその点がこれから今やろうというところであります。その程度でございますので、さようお答えいたします。
  78. 田中一

    田中一君 柴田さんに伺いますが、行管との話し合いは今のところどうなっていますか、あなたの方の要求されている員数に対して、定員に対してどういう折衝の過程ですか。
  79. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 定員要求行政管理庁要求説明はいたしております。説明に対しましてまだ行管の御意見は承わっておりません。
  80. 田中一

    田中一君 北海道開発庁はどうです。
  81. 池田一男

    説明員池田一男君) ただいまの建設省と同じようでありまして、説明してまだそれに対する行管意思は聞いておりません。
  82. 西田信一

    ○西田信一君 柴田官房長にお聞きしますが、あなたの方で定員化に伴う予算増七千五百万とこう見ておられるようですが、これは定員化されたとされないのとでは、実際仕事はほとんど同じことをやっておりながら、精神的に物質的に相当差異があると思うのです。七千五百万というのは一体どういう費用が七千五百万になっているのか、これをまず伺いたい。
  83. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 私の方では一万八千二十名常勤職員常勤的非常勤職員定員化要求いたしておりまして、お話のように純増額といたしまして七千四百五十四万一千円を要求いたしております。その内容はこれはいずれも人件費に関することでございますが、純俸給のようなものはこれは予算の組みかえになりますので、それらの給与の支払い全部が所要額になって純増になるということはないわけでございます。ただ定員内の職員ということになります関係上の増減の問題がございまして、増減の両要素がございますが、差し引きいたしますと、七千四百万の純増分を必要とするということで要求いたしておりまして、その内容は主として旅費でございます。旅費も一般旅費、日額旅費転任等をいたしますと、そういうものは転任になりますと、先ほど来お話に出ました赴任旅費等も払わなければなりませんので、それらの旅費が主たるものでありまして、七千四百万を純増分として要求いたしております。
  84. 西田信一

    ○西田信一君 池田事務次官にお聞きしますが、北海道開発の場合は大体一人四千円くらいの純増になるだろうという概算のお話がありましたが、やはり内容は建設省同様に旅費等が大部分でございますか。  そうしてこれは重ねて官房長にお聞きしますが、これは七千五百万というのは、恒久的にその年度予算として必要であると、こういうものと心得てよろしゅうございますか。
  85. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) さようでございます。
  86. 池田一男

    説明員池田一男君) 建設省と同じでございます。
  87. 西田信一

    ○西田信君 岡部局長にお聞きしますが、先ほどあなたの御説明で、各省常勤職員が六万六百名ある、それから非常勤職員が二十八万何がしおって、そのうちいわゆる固定化したものという言葉をお使いになったが、これはいわゆる常勤的非常勤の者と、こういう意味だと受け取ったわけです。そこでただいま建設省では一万八千名の定員化要求している、北海道開発庁の方では六千十二名の定員化要求しているということでございますが、あなたの御説明によりますと、総理府関係では常勤職員は二千六百十三名というのは、これはおそらく開発庁関係が大部分だろうと思う。それから建設省の方では二万一千五百六十五名だと、こういうことでありまして、いわゆる予算要求とは相当にその数字が開いておるのは、要するに非常勤職員が含まれておる結果だろうと思う。そこでお聞きをしたいのですが、各省からこういう要求が出ておると思いますが、要するに建設省開発庁と同じような定員化要求総数というものは幾らになっておるのか。
  88. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) お答え申し上げますが、これは先ほどの田中委員お尋ねとも関連いたしますが、三十三年度定員改正要求というのは、予算概算の要求とも密接不離の関係があるわけでありまして、従いまして定員に関しましても大蔵省行管が共同して査定をするというようなことになっておりまして、現在各省から来年度事業に伴う新規増加要求につきまして目下説明を聴取しておりますが、それが私どもといたしましては今説明の半ばでありますが、ただ今西田委員お尋ねの点につきましてお答え申し上げますると、来年度の新規事業あるいは事業の拡張に伴う各省の新規要求も、これもかなり膨大な数に上っておりまして、定員法関係でおそらく三万名を突破する状態でございます。これは定員法関係の純増で三万名を突破いたします。それからそれ以外に定員外職員定員組み入れの要求があるわけであります。これは四現業関係及び農林省関係から常勤職員、すなわち常勤労務者及び通年非常勤職員につきまして、ほぼその全員について定員化要求がございます。この数は先ほど申し上げた数でございます。
  89. 西田信一

    ○西田信一君 その数は幾らですか。
  90. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) その数は常勤労務者につきましては、公共事業につきましては二万一千で、それから農林省関係のそういう常勤労務者は一万二手おりますから、合せましてその数字要求されておるのであります。
  91. 西田信一

    ○西田信一君 建設省官房長と事務次官にお聞きしますが、そうしますと、今の行管岡部局長の答弁でわかったのですが、この定員外定員組み入れという要求以外に、つまり予算に伴うところの自然的な定員の増加というものが相当数あるということでございましたけれども、そうしますと、今の御要求の中ではいわゆる定員外定員組み入れという以外に自然増といいますか、当然この定員をふやさなければならないという事業量の、あるいは予算の拡大に伴う定員増が含まれておる。含まれておるとすれば、それはどの程度数字であるかということを一つ
  92. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 先ほど来申し上げました定員外職員定員化要求は一万八千二十名でございますが、これは現在もおります職員を、定員外職員であるのを定員内に入れるという、身分の切りかえに伴うものといたしまして、別途要求をいたしておる数でございまして、毎年事業の増加等に伴いまして新規に要求いたします分は、それなりにあるわけでございます。それは建設省といたしましては、約二千五百名ばかりを明年は要求をいたしております。二千五百名と申しますが、小さい数字の集積が多いのでございまして、一級国道の直轄管理等で千三百名というようなまとまった数がございますので、合計いたしまして今の定員化の問題以外に、新規の要求といたしまして、約二千五百名くらい建設省といたしましては要求をいたしております。
  93. 池田一男

    説明員池田一男君) ただいまの常勤職員非常勤職員定員化の問題は抜かしまして、北海道開発庁としましては、三十三年度予算要求に対する事業執行上必要な職員として四千九百三十人増員を要求しております。これは北海道の開発庁は、非常に現在の定員の三千百八十余名が事業の分量に対して非常に少いので、各個人に、職員に非常に重労を与えておりますので、それをある程度公共事業をやっておる普通のところ並みにならすと、こういう意味でこのくらいの人が要るということで要求しております。
  94. 西田信一

    ○西田信一君 岡部局長にお尋ねいたしますが、ただいまお聞きの通り定員外職員定員組み入れ以外に開発庁では四千九百二十名、建設省二千五百名の要求をしておる、こういう数字が出ております。しかも北海道開発庁の方の定員要求の理由として上げられたのは、非常に北海道の方が事業量に伴わない過小な定員であるということに大きな理由があるように述べられたのであります。私どももその点について若干聞いておるのですが、非常に何か定員不足のために病人が全職員の一割も出ておる。非常に過労である。全国平均は二%ぐらいですが、一〇%近い病人が出ておるということを聞いております。今度の定員化についていろいろ実態調査されたということでありますが、当然これは実態調査ということは、定員外職員定員組み入れという問題だけでなくて、もちろんこの定員のあり方、実態というものがどうであるかということに触れておられなければ、これは問題にならぬと思うのですが、そういう点触れておられると思いますが、ただいまお聞きの通り開発庁実態であるとするならば、これは非常に北海道開発の事業遂行上にも大きな問題であるというふうに考えるものですが、そういうふうな条件についてどの程度調査が行われており、これに対する行管としての考え方はどうであるかということについて調査の、点については一つ局長から、それからそれに対する政府考え方一つ務次官がおられますから、榊原務次官からお伺いいたします。
  95. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) ひとり北海道開発庁が担当いたしまする事業のみならず、公共事業全般に通ずる定員の適正な規模をどう規定するかということは非常に大きな問題でありまして、これが公務員制度改正一つの大眼目でありまするので、その点につきましては詳しく申し上げることは省略いたしますが、とにかく、他の職員に比べまして公共事業関係につきましては、定員職員に対しまして膨大な定員外職員が要るということが大きな問題で、これが解決を迫られている問題であるということは申すまでもないことでありますが、それと同時に、特に北海道開発関係公共事業に従事する職員の一人当りの業務量その他につきましては、これは内地における公共事業の業務量と定員量とに関しまして、また別個特殊な現象を生じておることはよく承知しておるわけでありまして、これにつきましては一概に内地とそのままの率で比較推定するということもできないこともこれは御了承いただけると思いますが、そういう同じ公共事業に従事いたしますにいたしましても、北海道と内地とは特色がある。北海道の方がいろいろ率が高いということでございます。またそれにつきましては、北海道におきましては機械化が進むとか、あるいは大規模な作業をやっているとか、あるいは請負形式が多いとか、いろいろな事情がございますが、そういう問題は十分北海道開発庁からも承わっております。大蔵省もわれわれもその点につきましての認識は持っておるつもりでございます。ただ、それにつきまして、このたび実態調査をどうしたかというお尋ねでございますが、実態調査につきましては、もちろんそういうことは念頭におきまして、今度は現在定員外職員実態につきまして主として調査いたしたわけでありますが、そういう今申し上げましたような事情がこのたびの約五千名の新規増員要求の中に含まれておるということは十分承知しております。
  96. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) ただいま局長が申し述べましたように、この北海道の定員につきましては、非常に公共事業につきましても、工事量に比して定員の数が少いということは御趣旨の通りなんです。この点につきましては、ことに今度の改正につきましては、よく考慮しなければならぬと私ども考えておるのでありますが、ただ北海道は御承知通り季節的なピークというものがありまして、内地の暖かい地方におきます定員と工事量との割合と、北海道は冬の間はほとんど工事ができないのでありますので、そういう特殊性があるということを特に考慮する必要があるのじゃないか。これにつきましては、先ほど申し上げましたように機械化を促進いたしますとか、あるいはその請負方式を特に強くとるとかということによって、それらの点をできるだけ克服するようにはいたさなければならぬ点もございまするが、なおそれでもどうしても不足するという場合におきましては、これはとくと北海道の特殊性を十分考慮いたしまして、この処置をしたいと私ども考えておるのであります。ことに三十一年度におきましても、この篠津泥炭地区の開発事業に対しましては、特に百名ほど増加したというようなこともあるのでありまして、そういうような考え方で、この問題を特に北海道につきましては割り切っていく必要がある、こういうふうに私ども考えておるのであります。
  97. 西田信一

    ○西田信一君 御趣旨どうも私のお尋ねすることに対してぴったりいきませんけれども、まあ北海道の実態に対してある程度の御認識をお持ちのようでございますけれども、ただ、いまお話のございました冬は何か遊んでおるというような、あるいはまたそれはそういうことはないかもしれませんが、お考えであるとすれば、これは非常に違うと思うので、そのために非常に一方において夏それだけ非常にウエイトがかかる。そうしてまた冬はまた冬の仕事があって決して遊んでおるということはないと、私は北海道でありますからよく承知しておりますが、たとえば定員不足お話がありましたから、申し上げないつもりだったのですが、一例を申し上げるならば、工事用の船舶が二百十九隻だかある、これが実際に、当然これは船を動かすには、必要な人員というものはおのずからだれが計算してもはっきりするのですが、八百三十何名必要である、ところが実際には定員内の職員が百九名ぐらいしかおらない、定員外職員を合せても全部で五百何名にしかならない、こういうことであって現在もう船を動かすには二百何名も足りない、こういう実態にあるわけであります。だから北海道の特殊条件もありますけれども実態が少いのだということを十分御認識を願う必要があると思いますから、申し添えておくわけでありますから、十分御検討を願っていただかないというと、北海道開発というものはせっかくあれしましても、むだな部分を生じるということになると思うのであります。どうかこの点御認識を願いたいと同時に、大蔵省一つお聞きしたいのですが、大蔵省もただいまの実態についてお聞きの通りであり、また大蔵省自身も実態を十分把握されておると思うのでありますが、これらの点について大蔵省としてはどうお考えになっておるか、一つどなたでもけっこうです。
  98. 松永勇

    説明員松永勇君) 開発庁定員が非常に少いという要求開発庁からよく聞いております。現に定員要求を受けておりますので、慎重検討いたしたいと思います。
  99. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 先ほど西田先生からお話になりましたことは、もうもっともで、私ども北海道の特殊性を十分認識いたしまして、特に慎重な考慮を払いまして、この問題を処理いたしたいと考えております。
  100. 西田信一

    ○西田信一君 北海道の問題はそれでけっこうでございますが、最後に私も一言定員外職員定員化の問題について、お答えは先ほど田中委員に対してなさっておりますので、くどくどしく申し上げませんけれども、これはもう非常に強い叫びであり、また当然この全く職務内容において変りがないにかかわらず、そういう状態におる、これはもう勤めておる者の立場からいえば、非常に精神的な不安でございまして、安定しない気持であろうと思うのであります。またそれがやはり能率に相当影響するということがございまして、十分この点は御認識の上に御検討を進めていただいておることであろうと思いますが、実際において旅費が若干ふえるという程度であって、実際にはそう大きな予算増にはならないのでありますならば、従来の国会における質疑応答においても政府が明確にされた通り、きょうの委員会におきましても明確にこれらについて御答弁がございまして私どもも了解できるわけでありますが、どうか次の通常国会には必ずこれが実現できるように、一つまず行管におかれまして、先ほどの明確な榊原次官の御答弁で安心をいたしておりますが、どうかこれが公務員制度の結論が出なくてもやるという先ほどの御説明一つ御実行に移していただきたいということをお願い申し上げますると同時に、大蔵省におかれましても、先ほど白井政務次官から、行管の結論を待って大蔵省はこれに対処する、こういう明確な御答弁がございました。どうかこれは今度一つ間違いなく実現できまするように希望を申し上げてお答えは一言でけっこうでございますから、これで質問を終り、また希望を申し上げて御決意を伺って打ち切ります。
  101. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 先ほどからお述べになりました通りのことを十分尊重いたしまして、ことに大蔵省からも白井政務次官がこの問題については非常に理解深いお方でございますので、十分そのような点もお願いいたしまして御希望に沿うように努力させていただきたいと考えております。
  102. 白井勇

    政府委員白井勇君) 私の方も行管十分連絡をとりまして、御趣旨に沿うように一つ努力いたしたいと思います。
  103. 坂本昭

    坂本昭君 定員化の問題について大臣に一言、先般来建設委員会の視察に二回ほど出ました。特に道路整備の実態を視察して参りましたが、比較的請負丁一事も行われておりますけれども地建の直轄工事におきまして、優れた技術と機械力によって非常にいい仕事がf、きているというふうに私は観察いたしました。ところが大臣は道路整備十カ年計画で最初の一兆八千億をさらに二兆三千億まで充実させて、十分な道路整備を行いたい御決意と聞いておりますけれども、この工事について将来請負付託の方向にお進めになるつもりか、それとも直営工事でやっていくようにするつもりか、その大臣としての御方針を伺いたいと思います。
  104. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 道路整備に重点をおいて参りたい。これに伴いまして、事業量の増かに対して従来のように直轄を主としてやりますと、非常に多くの定員を要する。しかし道路十カ年計画といたしましても、十カ年経過すればそれだけの人員がまた問題になる。そういう事情もありますし、また最近における土木業者の上におきましても、機械整備あるいは工法も相当進んでおりますので、請負によって政府が所期するところの事業も十分やれる、こういうような傾向にあると私は思います。そういう関係で必要最小限度のものは直轄でやりまするけれども、できるだけ請負によってその成果を上げるというような方法をもって進んで参りたいと思っております。
  105. 坂本昭

    坂本昭君 その必要最小限度という点が非常に問題だと思うのです。特にこれからの工事というものは機械化して参らなければなりませんし、そのために地建ではいろいろな機械化のセンターを作っておられますし、今日の非−常におくれた日本の道路建設の技術−の面においては、私は国として重点的に責任を直接持つ必要があるのじゃないか。そういう点でただいまの大臣の御意見を伺いますというと、国としてはできるだけやらなくて全部請負に回してしまうというふうに感じとられるのでございますが、この必要最小限度という限度をどの程度にお考えになっておりますか。
  106. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) どうも数的に申し上げかねるのでありまして、国で一級国道を管理する、これは管理事務はどうしても国家でやらなければならない。ただし建設する工作自体については、必ずしもこれはお役人でなければならないというものではない。むしろ請負に出した方が効率が上るという場合もあり得ると思います。そういう意味におきまして、管理の方面については、十分にその目的を達成するだけの必要がある人員だけは確保しておかなければなりませんけれども事業そのものについては、これは業者に仕事をさしてしかるべきではないか。私はそう考えております。
  107. 坂本昭

    坂本昭君 官房長に次に伺いたいと思います。ことしの工事量がたしかガソリン税の増加に伴って七割程度ふえたと思うのです。そしてそのために直轄事業として特に一級国連につきましても、ことしも千四百名くらいの増員の要求をされたはずですが、その実際はどうなったかということと、それから今のような大臣のお考えのもとに、事務当局としては、この道路整備十カ年計画について定員の増をどういうふうに考えているか、この点お伺いいたしたい。
  108. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 本年の予算の増額、ことに道路の事業量の増加に伴いまして、一面におきまして定員の増加要求はいたしましたけれども原則的には定員の増加は認め得られませんでした。その関係でこの事業量の増加につきましては、乏しい人員で遂行しなければならないという非常に重大な責任を課せられて、一生懸命やっておるのでございますが、方針といたしましては、将来の方向につきまして、ただいま大臣からお話がございましたように、事業量の増加に伴う分は極力これを請負に回していくという方針をとbましてその請負を監督する方面に、今までの直営工事に従事している一職員も極力振り向けていくというふう一に養成をいたしましたり、訓練をいたしましたり、転換をいたしましたりするような方法を講じまして、定員の増を伴いませんでも、事業量の本年までの遂行につきましては、とにかくやってきておるわけでございます。これから先の問題といたしましては、今大臣が一般的に申されました方針によってやりたいと思いますが、やはり若干の新規増員、ことに一級国道の直轄管理等につきまして、千三百人ばかりの新規の定員要求も先ほど来の定員化問題のほかに要求をいたしておる次第でございまして、さらに道路十カ年計画をやって参りますということになりますれば、この一級国道の直轄管理についての職員はどうしても必要である、それから今の定員化の問題も、その定員の数は増やさないけれども、能率を上げるという意味においてぜひ実現してただきたい、かように考えております。それと職員配置転換、あるいは請負の監督要員というほうに振り向けていくというような措置を講じまして、道路十カ年計画というようなものに対処して参りたいというふうに考えておる次第でございます。
  109. 森田義衞

    委員長森田義衞君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  110. 森田義衞

    委員長森田義衞君) 速記をつけて。
  111. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 この問題は数年前からの問題で、どうしても解決できなかったのです。幸いに根本大臣が非常な熱意でこれを解決しようとされていることは非常にけっこうなことです。しかし、いつも公務員制度改正だとか何とかいうことでお茶を濁されてほとんど実現ができない。今度はもうそうしているうちに三年、四年くらいたっている現在おる人間は、もうほとんど定員内に入れてもりっぱな人間ばかりそろっておる。たとえば建設省が一万八千人要求しているが、これが果して行管で全部のむつもりかどうか、それをまずお伺いしたい。大てい一割くらいでお茶を濁されて、その辺は全部とは言わぬが、相当やはり自信を持って建設省なり、あるいはほかが要求していると思う。だからこれを十分検討されて、そうして相当やはりこれの実現化をはかるつもりかどうか。大蔵省はそれについて予算に対して同意するか、それを聞きたい。毎年これをやっておっても、いつも毎度だまされておって未解釈に終っているのは非常に残念ですが、幸い大臣が非常に熱意を持ってやられていることは、われわれとしても非常に心強く感じておる次第です。その点をお聞きしたい。
  112. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) たびたび私がはっきり申し上げましたように、この問題につきましては、たとえ公務員法が改正されませんでも、一応先生方の御意見を十分尊重いたし、欲して、努力をいたしたいと考えております。ところがそれじゃ何割どうだとか、今要求しているものの何人を入れるのだというお話になりますと、具体的なことは、ただいま調査をいたしました基礎資料に基きまして分析をいたしまして検討中でございますので、何名とか、何割とかいうことはここで申し上げることができないので、はなはだ遺憾でございまするが、十分大蔵省ともお話し申しまして、将来先生方の御意思を尊重いたしまして努力いたしたい、かように考えておるのであります。
  113. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 大蔵省は、行管と所管庁がきめたそれに対しては同意される御意思ですか。
  114. 白井勇

    政府委員白井勇君) これは稻浦さんも公務員とされまして十分その辺御承知通り、これはまず定員から行管できめてかかるわけでありますから、その上で十分連絡をとりまして、先ほど申し上げましたように皆さんの御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。
  115. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 それから最後に、公務員制度の決定といいますか、確立といいますか、いつもそれが問題になっておるわけですが、なかなかそれが実現できない。大体どういう方針で今それの検討を進めておられるか、ほんの概要だけでけっこうですから御説明願ったら……。
  116. 榊原亨

    政府委員榊原亨君) 公務員制度のことにつきましては、これは私の所管ではございませんので、まあできるだけ努力をしていらっしゃることだと思いますが、ただこれをどういう方針で検討しているかということでございますが、この定員外職員をどういう基準をもって入れるかということにつきましては、実際の面につきましてたとえばどういう業務に従属している人で、どういう責任を持っている人はどうするというような、実際の面において検討いたしませんと、ただ規則で割り切るということはできない問題でございますので、そういうことを公共事業実態調査に基いた資料によって一つ一つ検討して行く、こういう方針をとっておるわけであります。
  117. 森田義衞

    委員長森田義衞君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。    午後零時四十一分散会