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1957-11-14 第27回国会 衆議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月十四日(木曜日)    午前十一時二十四分開議  出席委員    委員長 門司  亮君    理事 亀山 孝一君 理事 永田 亮一君    理事 吉田 重延君 理事 川村 継義君    理事 中井徳次郎君       阿左美廣治君    青木  正君       加藤 精三君    川崎末五郎君       楠美 省吾君    纐纈 彌三君       灘尾 弘吉君    平野 三郎君       井岡 大治君    今村  等君       大矢 省三君    加賀田 進君       北山 愛郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 郡  祐一君  出席政務委員         警察庁長官   石井 榮三君         自治政務次官  中島 茂喜君         総理府事務官         (自治庁財政局         長)      小林與三次君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政局         行政課長)   降矢 敬義君         総理府事務官         (自治庁行政局         公務員課長)  今枝 信雄君         総理府事務官         (自治庁選挙局         長)      兼子 秀夫君         総理府事務官         (自治庁財政局         財政課長)   柴田  護君         専  門  員 円地与四松君     ————————————— 十一月十三日  委員青木正辞任につき、その補欠として宇田  耕一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員宇田耕一辞任につき、その補欠として青  木正君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員小澤佐重喜君、川島正次郎君、渡邊良夫君  及び片島港君辞任につき、その補欠として阿左  美廣治君、平野三郎君、灘尾弘吉君及び伊藤卯  四郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員阿左美廣治君、灘尾弘吉君及び平野三郎君  辞任につき、その補欠として小澤佐重喜君、渡  邊良夫君及び川島正次郎君が議長指名委員  に選任された。     ————————————— 十一月十三日  一、地方自治に関する件  二、地方財政に関する件  三、警察に関する件  四、消防に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査申出に関する件  地方自治及び地方財政に関する件  警察に関する件     —————————————
  2. 門司亮

    門司委員長 これより会議を開きます。  まず警察に関する件について調査を進めたいと思います。この際石井警察庁長官より発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。石井警察庁長官
  3. 石井榮三

    石井政府委員 本月五日の当委員会におかれまして、山田委員から御質問のありました件につきまして、当時お約束いたしましたように、調査員を派遣いたしまして調査をいたさせましたので、その結果をここに御報告いたしたいと存じます。  問題の第一点、佐野市役所公金流用問題について、警察捜査結果を文書発表することを新聞記者等から要請されたかどうかにつきましては、九月初旬、佐野警察署長室に八社の新聞記者が集まりまして共同会見をされました際に、記者側から、文書発表したらどうかとの発言がありまして、これに対し、署長も、本件については捜査過程において各種の報道にまちまちの点もあり、地元民においても種々憶測が行われている状況でありましたので、文書による発表を考慮する旨の回答をいたしておるのであります。また九月中旬以降、捜査係長に対し、やはり新聞記者側から、発表は口頭でなく、はっきりするよう文書でしてもらいたいというような要請がたびたびあったのでありまして、そこで文書発表することにいたしまして、県警察本部長了解を得て、十月十五日印刷物十五部を作成しまして、新聞記者諸君に配付し、発表を行なったのであります。また、新聞記者に対する発表がありますと同時に、記者の情報によったものと思われますが、同日午後、市役所及び社会党佐野支部から、印刷物を一部欲しいとの連絡がありましたので、それぞれ一部ずつ差し上げておるのでありまして、文書発表要請が行われたことは、今申し上げましたような事情にあるのでございます。  第二点の、寄付は自発的であるというが、事実に相違するのではないかとの御質問につきましては、この寄付は、佐野市、安蘇郡一帯としての安佐市町長会の席上で寄付のことが決定された模様でありまして、警察の方から寄付を求めたという事実はないのでございます。  第三の、寄付金経理については、寄付者である佐野警察署庁舎建築委員会は実際に関与しておらないのではないかとの御質問につきましては、寄付金経理は、すべて建築委員会書記が行なっており、調査員証拠書類を、同書記了解を得まして見せていただいたのでありますが、それぞれ会長、副会長、監事、委員の決裁を経ておりまして、寄付金経理は、名実とも委員会において行われておるのでございます。  第四点の、工事契約に不正があるのではないかとの御質問につきましては、県費予算に計上されました警察本庁舎工事につきましては、栃木県土木部において行なっておりまして、地元寄付関係工事につきましては、四百万円中、本庁舎に付随する工事二百十万余円は、佐野警察署庁舎建築委員長から栃木県知事あて文書をもって委託を行い、これも県土木部において設計、入札、工事、監督まで実施いたしておるのであります。その他の付属工事につきましては、直接建築委員長主体工事を請け負った篠崎木工建設株式会社との間において、随意契約をいたしておりますが、単価その他については不当な点は認められないのであります。なお工事設計変更は、土木部において実施した工事部分に二件ありますが、その他はございません。この二件の設計変更内容には、いずれも工事過程において生じましたやむを得ない事情によるものが認められるのであります。  第五点の佐野警察署庁舎改築工事は不要の工事ではなかったかとの御質問についてでありますが、古い警察本庁舎につきましては、建築後数回補修を加えておりますが、柱その他の主要部分がほとんど腐朽し、各所に雨漏りがあり、壁も脱落し、二階の訓授室のごときは床板が相当腐朽しておりましたために、床の抜けるおそれ等もありまして、訓授集会等多人数が集まるような場合に使うのには危険を感ずるような状況にありましたので、長い期間体育館を利用して訓授とか集会等を行なっておったという状況にあるのであります。また付属庁舎につきましては、従来の自動車車庫二棟のうち、一棟は新築工事のため車庫として不適当となつたので倉庫に改造し、さらに近く無線自動車の配分の見通しがあるので、この分の車庫一棟の新設を必要としたからであります。また体育館その他の補修は、雨漏り外部腐朽等がはなはだしかったため補修を行なったものでありまして、いずれも近く実施しなければならない工事でありますので、特に不要の工事ではないというふうに認められるのでございます。  第六点の署長に二号がある、この女性を通じて工事契約に不正があるのではないかとの御質問についてでありますが、署長に二号があるという点は、調査の結果全く事実無根であります。この御質問に氏名をあげられました方は、それが新聞紙上に伝えられましたので、まことに心外である、非常に迷惑をこうむっておる、何の必要があってこのようなことが言われるのかと、非常に憤慨しておられるような状況であるのでございます。なお工事を請け負った篠崎木工建設株式会社の社長は篠崎幸八氏でありまして、篠崎忠司市会議長は同氏の弟に当るのでございます。別個の会社を経営されておるのであります。また同議長は本年六月に議長に就任されており、工事契約実施の間には建築委員会委員となっておられませんので、工事契約には何ら関係をされておらないのであります。  以上調査の結果おもな点につきまして御報告申し上げる次第でございます。
  4. 北山愛郎

    北山委員 きょうは山田委員がこられませんので、ただいまの御報告につきまして私から若干お伺いしておきたいのですが、ただいまの「佐野市役所公金流用問題捜査結果について」という文書の中には、領収書架空水増ししてその金額を流用したという事件につきましては、相当具体的に書いておるわけであります。それでたとえばこの中に「架空水増をする場合の方法(イ)会議或は懇談会等により食糧費が不足した場合は、小島会計課長は、市長収入役と相談の上、消耗品費印刷燃料費等の項目より流用することとし、取引業者に、その実情を打ち明けて、水増架空領収書を作成させ、或は作成して流用していた。この点については、小島会計課長取引業者の供述が一致して居り、更に伊藤市長、谷前収入役小泉市長は何れも流用の事実は認めている。」、こういうふうに書いておるのですが、ところがその後小泉市長は、この流用の事実を認めたことがないのだというように否認をしておるわけなんです。ですからただいまの署長に二号云々の話もありましたけれども警察が出しました公式に発表した公文書に、今の小泉市長はその事実を否認しておる、こういうことがこの発表後において出てきておるわけなんですが、この点については長官としてはどのようにお考えでありますか。
  5. 石井榮三

    石井政府委員 捜査の具体的な事実の内容につきましては、なお現在検察庁において捜査をきれておる関係もありますので、私ども今回調査員を派遣いたしました場合には、この捜査内容については深くタッチをいたさなかったのでございます。その点につきましてはいろいろとまだ疑点も残されておるかと思いますが、栃木佐野警察署といたしましては、当時の捜査におきましてはこういう見解であるということで、捜査結果を発表したものと思うのでありまして、事案は目下検察庁において捜査段階にございますので、今私からそれについてかれこれ申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  6. 北山愛郎

    北山委員 たとえば今そういう例を申し上げたのでありますが、これが最終的な、捜査の結果もう動きのとれないようなものであるとして外部に出しておる。ところがその事実がここに書いてある当事者によって否認をされておるというようなことで、これは要するに、この事案捜査過程においてそういうことを出すことが適当かどうかということの反証になると思うのですが、検察庁としてはどうなんです。この事案に対してさらに捜査を続けて、あるいは場合によればここに書いてある事案についても、これは犯罪の疑いがあるというので起訴をするかもしれない、検察庁はどういう態度をとっておるのですか。
  7. 石井榮三

    石井政府委員 検察庁が本事案につきましてその後どの程度の捜査が進展しており、従ってまたその結果どういう態度をおとりになるかということにつきましては、私ども今のところ承知をいたしておらないのであります。いずれにいたしてもこうした発表形式をとり、しかもかつ事詳細に、また断定的と思われるような結論をあの段階において出すことは適当ではないではないかというお尋ねの点は、私もその点に関しましては、前回の委員会においてもお答えしたかと思うのでありますが、この形式による、これだけ具体的に詳細に内容を盛った捜査発表形式が果して適当であったかどうかという点につきましては若干の疑問がある、今後は十分そうした点については慎重な配慮が望ましいということを申し上げたつもりであります。そういう意味でありまして、現在検察庁における捜査進展状況、従ってまた検察庁態度というものにつきましては、今私遺憾ながら承知をいたしておりませんので、御了承願いたいと存じます。
  8. 北山愛郎

    北山委員 私はもっぱらこういう形式で、捜査の途中において対外的な発表をするということの当否、これは問題だと思う。今言われたように、検察庁がさらに捜査して、もしもここに書いてある佐野警察署署長発表と違うような結論が出た場合には、警察庁としては責任があると思うのですが、どうですか。
  9. 石井榮三

    石井政府委員 およそ捜査一般の問題といたしまして、警察捜査の結果と、検察庁に送致いたましてからの検察庁捜査の結果と合致することが一番望ましいことは申すまでもないことでございますが、数多い事件を取り扱っております場合に、警察段階における捜査においては、あるいは十分なつっ込みが足りないために、不備欠陥があり、それが検察庁当局の手によって捜査を進められて、その不備欠陥が発見されて、警察見解と若干異なる結論が出るということは間々あることでございます。これは先ほど申しました通り、両者の意見が完全に合致した結論が出るということが望ましいのであり、警察捜査段階においても、真実の発見にいささかもそごのない、遺漏のない、どこまでも徹底した捜査がなされなければならぬことは申すまでもないことでございますが、捜査係官が十分努力したにもかかわらず、神ならぬ身の、若干ミスをするということは、数多い事件を扱っておる上には間々遺憾ながらあることでございます。それが故意に、あるいは悪意によって、発見し得べき真実を発見し得ないで、事件を曲げて結論を出すというようなことであるならば、これは相当問題であると思うのであります。最善を尽してなおかつ気がつかなかったということであるならば、しいて深くこれを詮議追及するということはいかがかと思うのでありまして、要は、事件取扱い過程における捜査係官態度努力と申しますか、そういった点を十分究明して、その上で判断することにしたい、かように考えております。
  10. 北山愛郎

    北山委員 今長官お話は、これは当然のことなんで、捜査に当る者としても、ミステークがあり得る。問題は、こういう一つ事案について捜査をして、そうしてそれが最終的な結論をどこで得るかという問題なんです。それをその中間において断定をして、それが間違っておる場合ももちろんあります。ただ問題はその中間において結論的なものを外部に出すことがまずいじゃないかということなんです。こういうものを出しておいて、ここに指摘された小泉市長に、その事実がないと否認されたら警察はどうするのですか。さらに捜査をするのですか、面目まるつぶれということになる。そういうような問題がいろいろ起るんだから、こういうふうな捜査内容を詳しく書いて、しかも断定的なものは外部に出すべきじゃないんじゃないか、それが刑事訴訟法精神でないかと思うのです。それをこんなものを出すということはおかしいんじゃないかと思う。どこの警察においても、もしも新聞記者等から要請があれば、すべての事案についてこういうものを出すのですか。たとえば売春の問題についても、これは捜査機関が、捜査した中間報告をやってくれというふうに要請があれば、その全貌を出しますか、どうなんです。
  11. 石井榮三

    石井政府委員 個々具体的な事案によって違いますので、一がいに言えないと思うのでありまして、世間の関心が非常に高く、疑惑を招いておるような場合には、その疑惑を解くためにある程度詳細に事案内容、経過を発表することが時宜に適した場合もございましょうし、これは一がいに言えないと思うのでありまして、要は刑事訴訟法百九十六条でございましたか、要するに被疑者その他の関係者の名誉を害することのないように、また捜査秘密を漏らすことのないようにという、あの注意を十分に厳守して、こうしたものの発表の場合には慎重な配慮がなければならぬことは申すまでもないことでございます。
  12. 北山愛郎

    北山委員 大体長官お話を聞けば、このような佐野市の問題でこういう捜査結果を発表することは適当でない。こういうように長官は腹の中では思っておられるようだが、この点ははっきりしてもらいたいと思うのです。そうでないと、この発表が出た、すぐ地元新聞は、佐野警察としては市役所の方の市の汚職問題は白であると、大きな見出しではっきり書いてしまう。そうすれば佐野市役所の問題については、警察は何かしらそれに白であるという太鼓判を押したという効果がそこに出てくるのです。ところが実際には問題が検察庁に移って、さらに捜査をされる、あるいは起訴されるということになれば、警察署としても面目まるつぶれなんです。だからこそ公訴を提起する権限のある機関が最終的な結論を出すまでは、その捜査の途中において、若干の談話くらいはいいとしても、こういったまとまったものは出すべきではない、こういう原則はあると思うのです。今の刑事訴訟法上のその規定もそういう精神で書いてある。だからこういうものは適当でないと長官は思っておると思うのだが、その点をはっきりとお答え願いたい。
  13. 石井榮三

    石井政府委員 どうも私の内心をすっかり見抜かれたようであります。前会も申し上げたかと思うのでありますが、栃木佐野警察署としては、当時の状況やむを得なかったものと思われるのでありますが、今冷静に振り返ってみますならば、御指摘の通りこれだけ詳しい内容を、そうしてまた若干疑点の存するような、疑いを持たれるような表現で発表することは、決して適当でなかったと考える点があると思うのでありまして、従って今後はこの種の発表をしなければならぬ必要に迫られた場合におきましても、あくまで慎重に、先ほど申しました刑事訴訟法規定に照らしまして支障のない範囲において発表すべきである、かように考えます。
  14. 北山愛郎

    北山委員 長官の苦衷はよくわかるのでありますが、とにかく現地の事情は、市役所の汚職に対する疑惑と同時に、市役所警察がある程度結びついておるのではないかという市民の疑惑がある。そこへ持ってきてこういうものを出して、市役所当事者を応援するような報告書が出されたことに対する大きな疑惑があり、警察の威信に対してもそこに不安があるわけなんです。ところがこういうものを出した結果、はたしてうまくいったかと思えば、そうでなくて小泉市長がその中に書いてある事項と真反対なことを言ってその内容否認しておる。こういうことも出ておる。また検察庁が別な角度から捜査を始めるということも出てくる。そういう結果になるのですから、そこでこの問題は警察としてもこういうことはやるべきでない。やり方としては捜査状況をどんどん明らかにしていくという手もありますよ。やるなら全国的にどの事案についてもどんどんはっきりしてやってもらいたい。そうでなくてある場合には極端な秘密主義をやって、ある場合においてはこういうふうに堂々とプリントを出して、こういう二十ページにもわたるような結果を出すということはおかしいじゃないかという疑惑が起る。その点は一つ十分御注意を願いたい。  なお寄付金等の問題については山田委員がおられませんので私は申し上げませんが、長官警察に対する地元寄付金については、その抑制について非常な努力をされたということを私どもも十分認めております。認めておりますけれども、やはり実際各地においては、形はいろいろあるでしょうが、地元の金が相当出されておる。そこでこれは県の財政であるとかそういう財政問題、警察費予算の問題もあるでしようが、一つ今後とも警察というものが地元寄付によって施設をしたり運営をしていくということのないような方向へ進めらるべきじゃないか。なぜならば、ほかの施設と違って警察というのは権力的な機構でありますから、警察あるいは検察庁であるとかあるいは税務署であるとか、そういうものは特に、地元がかりに自発的に金を出しますといっても断わるぐらいでなければ、これはほんとうの中正な運営ができないのじゃないか、こういうふうに考えますので、この点については従来の方針をさらに強化して進んでいただきたい。われわれとしても警察がそういう寄付金なしでもやっていけるようなふうに、予算その他については政府考えてもらうあるいは地方団体考えてもらうとかいうことの方向へ持っていきたいと思う。そういう点を要望いたしまして、私はこの問題に対しての質問を終ります。
  15. 川村継義

    川村(継)委員 長官一つお尋ねしておきたいと思うのですが、率直に申し上げまして、民間婦人団体とか青年団あるいは労働組合、こういう人たち主催して映写会をやる。村とかあるいは町とか、小さくは部落とかで映写会をやるような場合に、警察の方で調査をするというようなことがあるわけですが、一体どういう目的調査をする必要があるのか、どういう場合に調査をやらなければならぬのか、そういうようなことはどういうふうにお考えになっておりますか。
  16. 石井榮三

    石井政府委員 青年団婦人会主催映写会警察調査するということは、何らその必要は認めておりません。私どもはそういうものを調査すべしという指示は何らいたしておりません。
  17. 川村継義

    川村(継)委員 私もそうでなければならぬのじゃないかと思うのですが、実は熊本市にあったことなんですが、それを私聞いたのです。本年の七月末、御承知のように佐賀県から長崎から熊本にかけて大きな水害があった。その水害の復旧には被害者人たちは非常に苦労をしている。そこで九月になりまして、熊本労働組合諸君が、しかも熊本会議員の人が中心になりまして、被害地部落で八カ所映写会をやった。その目的は、災害を受けて非常に苦労された人の慰問のための映写会であったわけですね。ところが大体八カ所実施したのですが、その場所を設定する場合に、これは部落々々回ったわけですが、初めにある中心地になるような家に頼んで、そこの前の庭に場所を設けてやるということで約束しておりましたところが、実施前になりまして、何か理由がはっきりしないのに断わられた。こういうことが数カ所あったわけです。そこでいろいろ事情を調べてみたならば、警察の人が来ていろいろと調査をした。それがいやになって結局場所を断わったので、また変更しなければならなかったということなども起っておるわけです。そのときの調査警察民間のそういう場所を提供しようといううちに行って聞いたことは、だれが借りに来たか、あるいは何と言うて借りに来たか、こういうようなことを中心としてこまごまと調査をしている。村のそういう人たちは何かしらんおじけづいたような気持でありましたでしょうか、断わったということころが何カ所かあった。だから主催者としては、場所をまた変更しなければならぬというようなことであったわけです。結局八カ所だけは慰問映写会を夜間に実施しているわけです。このような事実を聞いて私は非常に遺憾に思ったのです。これはもうそのままの具体的な事例でございますが、こういう場合に、警察として一体そのような必要があるのかないのか。今長官はそういう場合にそういう必要はないだろう、またわれわれとしてはそういうことを指示した事実はない、こう言っておられますけれども、実際こういう事実が起っているわけです。私は具体的な例を申し上げましたが、このような場合に、警察としてそのような調査をする必要が、何であったのか、またどういうような目的でそういうことが行われているのか、そこに非常に不可解な気持と大きな疑問を持つわけです。おそらくこれは一つの地域にあった一つ事例かもしれませんが、全国的に見てみると、あるいはこういうような余分なと思われる警察の干渉が相当なされているのではないか、こう思うのです。その点について長官のお考え一つ率直にお聞かせいただきたいと思う。
  18. 石井榮三

    石井政府委員 ただいま具体的に御例示になりました熊本における九月の映画会主催についての警察調査ということでございますが、私何もそうした具体的な事実の報告に接しておりませんので、おそらく川村委員がそうおっしゃるのですから、そういう事実があったこととは信じますが、警察がいかなる目的でそういう調査をしたかということにつきましては、私もちょっと了解に苦しむのです。早速よく事情を調べまして、もしそうした点に警察の本来あるべき姿よりも逸脱したものがありますならば、将来十分に注意をさせるようにいたしたいと思っております。
  19. 川村継義

    川村(継)委員 おそらくこういうような場合、長官の方でいろいろ警察側の調査をすることなど指示はしておられないとは私も思います。これは一地方に起った小さい問題かもしれませんけれども、先ほど申し上げましたように、このような警察が入り込んで手を加える、調査をするというようなことは、あるいはいろいろな場合に起っているかもしれません。福島あたりではスパイ事件ども新聞に大きく報道されておりますけれども、こういうような事件が数多いのじゃないかと推測するわけです。事件は小さいかもしれませんが、私たちとしてはこれを軽く考えてはいけない、こう思うのです。民主警察精神を忘れたような、いわゆる戦前の特高的な考え方がはびこって参りまして、一々こういうところにまで警察が手を伸ばしていくということは非常に残念なことだと思っているわけです。そこで、私が今申し上げましたことは小さいかもしれませんが、そういう点につきまして、やはり事あるごとに長官の方で各末端まで、そのような警察の行政の民主的な精神がよく通っていきますように御指導を願いたい、これを一つつけ加えておくわけです。
  20. 中井徳次郎

    ○中井委員 さきに戻るのでありますが、北山さんの御質問で大体済んでおるようにも思いますが、例の佐野事件であります。私は具体的なことはあの文書承知をしただけでありますが、あの文書を見まして、全体の印象としましては、市役所が税金の脱税なんかをやっておりまして、それをカバーするためにかなりひどい公文書偽造をやっております。職員にかわりまして市が金を立てかえをしておる、あるいは領収書を、先ほどのお話にもありましたように、相手側とも相談をして架空領収書を作ってつじつまを合わしている、そういうことを文書にはっきり書いてある。しかも犯罪を構成しない。それは小さいことのようでありますが、私は現在の警察が日本全体方々で、そういう意味の、何といいますか、つじつまを合わすために、少少のことをやってもいい、私腹さえ肥やしておらなければ犯罪にならないというような慣習的なものがあるんじゃないかという気がしてなりません。この問題について、まあそれは法律的に厳格にいえば、あくまで私は公文書偽造だと思うのでありますが、警察は、そういうことは今まで問わないというような程度であってよいものかどうか、これは全体の問題ではあります。日本の官僚といいますか、市町村や国の経理の実態を見まするというと、決算委員会においてはしばしばそういうことが問題になるのですが、とにかくそういうことがまま行われておる。そうしてそれが、また慣習的に見のがされておる。ひどいことを申し上げて恐縮でありまするが、警察自体などにおいても、年度末になると、少し金が余った、まあ一つ架空の出張でもしてというふうなことがあるのではないかと私は実は心配をしておるのであります。こういう問題を、ありましたならば、それはいい方向に持っていかなければならないにもかかわらず、ああやって堂々と文書に出して、これは明らかに犯罪であるが、まあ情状酌量するというのならいいのでありますが、犯罪を構成しないというふうな断定をするということは、どうも行き過ぎのように思うのであります。承わりますと、検察庁におきましては、さらにこれを取り上げられまして捜査をされたように伺っております。おそらく私は、やはり犯罪になるというふうなことで取締りが進むんじゃないかと思うのでありますが、そういう場合に、警察署長の責任といいまするか、そういうものについてどういうふうにお考えでありましょうか。どうも二号はないとかいろんなことは言いまするが、全体の質疑の中から私ども感じ取りますることは、どうも現場の警察署長として、あるいはその部下の連中といたしまして、どうも近代的な警察の職分として妥当なものかどうかということを、はなはだ私はその点疑問を持たざるを得ないのであります。いつも私は警察官の教養の問題をやかましく申しておるのでありますが、ここにもはっきりそういうものが出ておる。私腹さえ肥やしておらなければいいじゃないかというざっとした考え方、これは個人の、たとえば事業税の青色申告の問題とかいうふうなことになりまするといろいろありましょうけれども、いやしくも公共の機関において、市という名前のつくもので、市長なり助役なり収入役なりが税金を納めるのに、一々とるのはめんどいから、おれたちのところで領収書を作って適当にやっておこうじゃないかというふうなことであっては、私は近代的な感覚からいって、どうも首肯できないのであります。それを上回って警察はそういうことならいいじゃないかというようなことでは、旧態依然たる警察組織の印象を受けるわけでありますが、こういう点についてどうでしょうか、長官とされましてはもう少しはっきりと線をお出しになってやりませんと、あなたや首脳部が幾ら、たとえば寄付をとっちゃいかぬ、とらないようにすると言ったって下は聞きません。下は昔のまま旧態依然たる警察官根性と申しますか、そういうことで充満しておる。今の川村君の御質問のことなんかもそうだと思うのです。何か事情があって警察が調べたいと思う。ちょっと調べてみないかといえば下は猛烈に行って、だれに頼まれて、どうしていつから何時から始まるのだ、あなたはどういう関係だというようなことになるから、警察の意図が下へ行ってまるで逆な結果になって現われておる、こういう事態が依然として日本の警察に残っておるということ、こういう点について私率直な長官の意見をこの際聞かしておいてもらいたいと思うのであります。
  21. 石井榮三

    石井政府委員 旧来の陋習を打破するということにはなかなか勇気と努力を要するのでございます。警察は部外から寄付金を求めて警察運営の費用に充てるというようなことは、えてしてそうしたことから警察の公正なる執行を疑われるというおそれがあるので、これは断固として廃止すべきものであるということを私は実は長官に就任しました当初において、まずそれを考えました。昭和三十年の七月でございますが、警察外部から寄付金を求めるというようなことは今後絶対にやめようということを強く各都道府県に指示しました。それまで存在しましたもっぱら警察に対する財政援助を目的とする、いわゆる後援団体、たとえば治安協力会あるいは何々警察後援会というような、名称はいろいろありますが、そうしたものを一切廃止をするようにさせたのでございます。それ以来今日まで約二年半を経過いたしまして、大体私のこの方針は、全国第一線に相当浸透して参ったと思うのでございますが、先ほども申した通り、多年の陋習と申しますか、そういうものはなかなか簡単に抜け切れないのでありまして、そのためにいまだにあるいは末端においては私の意図するところに反して、あるいは部外の金品の寄付といったようなものを受けるものがあるかもしれませんが、私はそうしたことのないように、機会あるごとに反復強調いたしまして、この私の方針を末端まで徹底させたいと思っておるのでございます。微力ながらその点につきましては最善を尽しておるつもりでございます。結局これは先ほどお話もありました通り警察官の教養というところに帰着するのでございまして、その警察行政の重要性につきましても私は十分痛感をいたしておるのでございます。機会あるごとにあらゆる方法を講じて、警察官の素質の向上ということに努めておるのでございますが、これまた教育というものはなかなか一朝一夕にして実を結ぶものではないのでございます。地道な努力を長く積み重ねることによって、この目的が達せられるものと思うのでございまして、今日までの努力で、決して十分とは思っておりません。全国の警察官の中に、まだ遺憾ながらときたま非行事案を起しまして、世の批判を受けるようなことがいまだにあとを断たないことは、まことに遺憾に思っておるところでございます。今後そうしたことの絶無を期して、ほんとうに国民のための国民に信頼される警察官を作り上げるために、私は警察教養の点につきましては一そう努力を続けて参りたい、かように考えておるのでございます。
  22. 門司亮

    門司委員長 亀山君。
  23. 亀山孝一

    ○亀山委員 ちょうど警察庁長官がお見えになりましたので、一、二お伺いして御意見を伺いたいと思います。  第一点は、先般の交通安全週間で非常な効果をおあげになったことは大いに敬意を表します。ただ新聞紙その他の報ずるところによりますと、交通安全週間が済んで平常状態に戻った場合には、相当の交通事故が頻発といいますか、これによる死傷者も交通安全週間中に比べて意外に多かったということを耳にいたしておる次第であります。この交通安全週間のようなことを年じゅう続けていくことはむずかしいかもしれませんけれども、あれによってやられた教訓を生かしていくためには、私は相当交通警察の方の強化が必要ではないかと思うのでありますが、その点に関する御意見と、交通取締りというものの制度を、単に交通安全週間というような一期間だけにとどめずして、これを常時行うというようなことにして、交通によって起ります災害を防止していただきたい、こういうように思うのでありますが、それについての長官考えを伺いたい。
  24. 石井榮三

    石井政府委員 ただいまのお話通り、先般交通安全旬間を行ったのでありますが、この旬間中の交通事故発生の状況と、その旬間外の時期における交通事故発生を見ますと、お話通り旬間中の方が成績がいいのでございます。こうした結果に徴しまして、警察といたしましては事情が許しますならば、ただ単に旬間といったような限られた期間だけではなしに、絶えず交通の指導、取締りということに相当力を注ぎたい、かように考えるのであります。何分にも御承知通り警察力に限界がございまして、絶えず交通警察優先に精力を注ぐというわけにも参りかねるのでございます。他のいろいろ厄介な、あるいは急を要する事案がございまして、その方に警察力を注がなければならぬというような関係上、絶えず交通に旬間の際のような工合に力を注ぐというわけに参らない状況になっておるのでございます。この点につきましては、今後十分に私ども警察全般の仕事のやり方につきまして考え、少しでも現在より以上に交通警察の方に力を注ぎ得るように工夫をこらして参りたい、かように考えて、将来増員等の許されるような状況がありますならば、警察官の増員というようなことも考えてみたい、かように考えております。
  25. 亀山孝一

    ○亀山委員 先般のこの委員会で私から警察庁長官にお願いを申し上げた点について、その後の状況を伺っておりませんが、あの節強調申し上げた陸運局との関係において自動車の車庫のないと思われるもの、車庫の届け出があったかもしれませんが、路上に放置してある自動車が相当多いということを申し上げたのですが、この問題に対して陸運局と警察の方で何か御連絡があったのでしょうか。その後の交渉の結果を一つお伺いしたい。
  26. 石井榮三

    石井政府委員 今具体的な資料を、突然でございましたので用意いたしておりませんので、資料に基いてお答えはできませんが、抽象的には私ども陸運局とはきわめて密接な仕事の方の関係がございますので、絶えず緊密に連絡をとりつつ仕事をやっておるのでございます。先般当委員会におきまして亀山委員の御指摘もございましたので、この機会にまたあらためて連絡を一そう緊密にすることを申し合せまして、着々仕事の進捗をはかるように努めておるつもりであります。今後適当な機会にまた具体的な資料等につきまして御報告させていただきたい、かように存じます。
  27. 亀山孝一

    ○亀山委員 今度は別の問題でありますが、いわゆるヒロポン中毒と申しますか、麻薬の中毒に関しては数年来警察庁中心として厚生省その他が非常に努力しておられますので、幸いに麻薬中毒患者の数は減ってきたように思います。けれども依然としてこの麻薬の密輸入は跡を断たない。しかもこれが非常にいまわしき事件を起しておるようであります。ことにこの麻薬のブローカーと申しますか、むしろ中毒患者を作って、それによる不正の利益を得ようとしておる者も、まだ依然として跡を断たぬということが新聞等に出ております。私から申し上げるまでもなく、この麻薬中毒問題というものは亡国的なものでありまして、これは一つ手をゆるめずに一そう厳重にやっていただきたい。ことに麻薬は、御承知のようにモルヒネ、コカインからヒロポンに変って、それがさらにチクロパンなどに及んでおるというので、そういう点についてこの際はっきりと長官の御決意を伺いたい。麻薬中毒及びこの麻薬密輸入問題について、徹底的に一つお取締りを願いたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
  28. 石井榮三

    石井政府委員 いわゆる覚醒剤の取締りにつきましては、私ども警察といたしましては、ここ数年来非常に努力をいたして参ったのであります。覚醒剤の弊害についての啓蒙宣伝も相当効果が上りました。また警察の取締りと相待ちました結果と思うのでありますが、いわゆる覚醒剤事犯は、ここ数年来の取締りによりまして漸次よい傾向を続けておるのであります。しかしながら依然としてこの覚醒剤を愛好する者が、覚醒剤の取締りが強化されたのにつれまして、麻薬に移行する、あるいは麻薬を併用する、こういう傾向があるのでございます。特殊の地域あるいは特殊の職場においては依然として覚醒剤、麻薬を愛好するという者があるのでございます。警察の取締りが強化されればされるほど、これらの事犯を起す者が非常に手口が巧妙になり、地下的組織を持って覚醒剤あるいは麻薬の密売をはかる、こういうような傾向になっておるのであります。それだけに取締りをするわれわれの方も困難性を増しておるのでございますが、事の性質にかんがみまして、今後さらに継続して強力な取締りをやって参りたい、かように考えております。麻薬の密輸入事件等も、最近は国際的な背景のもとに、大がかりに巧妙に行われるという傾向にあるのでございます。それだけにわれわれ取締りに当る者といたしましては、非常に苦心を要するのでございますが、事の性質にかんがみまして今後とも当方として十分徹底的に取締りを継続して参りたい、かように考えております。
  29. 門司亮

    門司委員長 一時休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ————◇—————    午後一時二分開議
  30. 門司亮

    門司委員長 それでは休憩前に引き続いてこれより再開いたします。  この際閉会中審査に関する件についてお諮りをいたしたいと思います。  一昨十二日の本会議におきまして、地方自治に関する件、地方財政に関する件、警察に関する件及び消防に関する件の各件については、委員会の決定通り議長閉会中審査の申し出をいたしまして、昨日の本会議におきまして付託されたのでございます。さらに次の案件についてお諮りいたしたいと思います。寄付募集の規制に関する法律案につきまして、閉会中審査を議長に申し出たいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 門司亮

    門司委員長 御異議のないものと認めまして、本案につきましては閉会中審査を議長に申し出ることにいたします。  次に、地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、議長閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これについて賛成の諸君の御起立をお願いいたします。   〔賛成者起立〕
  32. 門司亮

    門司委員長 起立少数。よって本案につきましては、閉会中審査を議長に申し出をしないことに決しました。     —————————————
  33. 門司亮

    門司委員長 次に、地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  この際、亀山孝一君より発言を求められておりますので、これを許します。亀山君。
  34. 亀山孝一

    ○亀山委員 地方交付税の一・五%の引き上げにつきましては、前国会におきまして当委員会において附帯決議となっておりますこともありますし、なおわれわれ与党自由民主党においては、党議において決定をしていたのでございます。その後いろいろ内閣の更迭等もあり、世上いろいろの紛議がありますので、先般の自由民主党の総務会におきましては、この問題をはっきり昭和三十三年度より地方交付税率を一・五%引き上げる。しかもこの提案は政府提案とするという党議の決定を見ておるのでございます。この際、今きまりました日本社会党御提案の地方交付税率一・五%引き上げの問題につきましては、この自由民主党の党議決定の線に沿って、政府におかれては当然政府提案として次の通常国会において提案せられるものと信じましたがゆえに、われわれはこれを審議未了としたのでございます。この際政府の所見を国務大臣たる郡自治庁長官より、はっきりこの点についての御回答を聞きたいと思うのでございます。
  35. 郡祐一

    ○郡国務大臣 地方交付税率一・五の引き上げに関しましては、お話通り前国会において両院の御決議がございますし、また与党たる自由民主党におきましても、本臨時国会の直前、決議の趣旨の通り実施をいたし、所要の立法措置を通常国会においていたすことを決定いたしております。岸総理大臣からも、本臨時国会におきまして、すでにわが党としてもこの問題に関しましては意見を決定して発表いたしておりますし、国会の決議に対しては十分これを尊重して考えることが当然である旨の言明をいたしております。従いまして通常国会において所要の立法措置をとり、国会の決議並びに党の御決定に従って実施すべきものと存じております。
  36. 亀山孝一

    ○亀山委員 つきましては、この地方交付税率の引き上げの立法はできる限り通常国会においては早い時期に御提案をわれわれ委員会一同希望しておりますので、しかるべく御措置をお願い申し上げます。
  37. 北山愛郎

    北山委員 関連。ただいまの地方交付税率の引き上げの法案は、遺憾ながらわれわれが提案しましたのに審議未了ということになったわけでありますが、私どもとしてはこの問題はすでに前国会において与党、野党話し合いをして、そうして前国会における地方交付税改正法案、その修正案として共同提案できるというところのぎりぎりのところまで行ったのでありますが、これができなくて今まで延びて参った。従ってぜひともこの臨時国会においてはそれぞれ与党、野党決定の通りこれを法案として成立をさせるべきである、こういう見解のもとに提案をしたのでありますが、これが通常国会まで延びたということはきわめて遺憾に存ずるわけでありますが、ただ、しかし、ただいま自治庁長官からはっきりと通常国会においては政府提案としてこれを実行いたす、当然そうするのだ、こういうふうなお言葉をいただいて大へんけっこうでございますが、ただ私ども若干の疑問を持つということは、少くとも政府の国務大臣である自治庁長官が、予算委員会その他の委員会においても、はっきりとそういう方針を示されておるにもかかわらず、来年度予算のことについては、これは言明できないということで、大蔵大臣の方ではこの点ははっきりしておらぬのであります。これが私は大きな矛盾ではないか、こういうふうに思いますので、予算全体の方針は、これは次の機会にでも示される時期があるでしょうが、少くとも政府が交付税率の一・五引き上げをやるのだという以上は、その点については大蔵大臣も認めたってかまわないんじゃないか、こういうふうに考えて、実は非常に奇異に思うわけであります。この点について大蔵大臣としての意向、あるいは自治庁と大蔵省との折衝、これがどういうことになっておりますか。ただ大蔵大臣の方では努力するんだということを言っただけだというふうにも伝えられておりますので、その点を一つお伺いしたい。なお聞くところによりますと、一萬田大蔵大臣は、大臣にならない前に、地方交付税率を二七・五%に引き上げるという署名運動に署名をされておる、こういうことを聞いておりますので、どういう署名をしておるのか、長官の方で御承知であったならば、これをお伺いしておきたいと思います。
  38. 郡祐一

    ○郡国務大臣 大蔵大臣も、国会の御意思の存するところ、また与党の決定しておりますことは、自分もよく承知をいたしておるところでありますということは、しばしば繰り返して申しておることであり、私の考え方とさして隔たっておるものとは考えておりません。ただいまの署名の点については私、事柄をつまびらかにいたしておりません。
  39. 北山愛郎

    北山委員 これは交付税率に間接の影響を持つわけでありますが、最近来年度予算における減税の問題が出てきておるわけであります。大蔵委員会においても、この減税の決議をするとかしないとか、いろいろ論議がされておるようでありますが、法人税あるいは事業税というものの減税をすれば、これは地方財政にそれだけ歳入減をもたらすことは明らかである。そういたしますと、せっかく交付税の率を引き上げたにしても、その効果というものが減税によって失われてしまうということにもなるわけであります。従ってわれわれとしては、もしも減税をされるということになった場合において、地方財政に影響を受ける際には、その分についてはまた別に補てんをするような措置を講じてもらわなきゃならぬじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、地方財政に影響があるような法人税なり事業税の減税については、自治庁長官としてはどのようにお考えになっておりますか。
  40. 郡祐一

    ○郡国務大臣 仰せの通り、それらの税が直接間接に地方財政のきわめて重要な部分を占めておるのでありまするし、また事業税は累次減税をいたしてきておりまして、現在これを減税する必要、また余地というものは、地方財政の見地からいたしますと、ないと考えるべきではないかと思います。そのような考え方を全体といたして持っておりますし、さらに事業税のような重要な税金につきましては、これを減税するというようなことは、かわり財源が確実でありません限り、考えられないことと存じております。
  41. 北山愛郎

    北山委員 これも交付税に関係いたしますが、前の田中長官お話しになったわけでありますが、最近地方財政関係からいたしまして、教育その他当然公費でもって支弁をすべきものが住民に転嫁されている。そしていわゆる税外負担というものが大きくなっている。これを軽減したいというような御意向を前長官以来申されているわけであります。これの具体的方法、どういうふうにして一体住民負担を軽減するかということであります。先ほど継続審査にきまりました寄付募集の規制に関する法律案というのは、そういう見地からいたしましても、住民の税外負担というものを軽減したいという一つの措置であります。しかしながら地方公共団体の教育、消防その他の事業が予算的に窮屈であるという現状のままでいきますならば、やはり税外負担を軽減しようと思ってもこれがなかなか困難でないか、一方においてはそういう寄付募集を規制すると同時に、当然公費でまかなうべきものについての財源措置というものを考慮していかなければならない、これは当然のことであります。そういう意向を自治庁としては前長官以来持っておられるのですが、それをどういうふうな形で具体的に来年度はおやりになるというお考えであるか、これを伺わせてもらいたいのであります。
  42. 郡祐一

    ○郡国務大臣 仰せの通り、この問題はまず財源措置によってこれを可能ならしめ、そうして制度と相待って処理をして参らなければいかぬものであろうと考えております。
  43. 亀山孝一

    ○亀山委員 先ほど地方交付税の問題につきまして大臣より所見を伺い、また今北山委員からも御質問がありましたのですが、この際この委員会の意向として郡自治庁長官に要望を申し上げ、それに関する御所見をお伺いしたいと思うのでございます。地方交付税の税率の問題につきましては先ほど御回答がありましたので、これは避けまして、次に今北山委員から御質問のありました、減税によって地方公共団体の歳入に減少を生ずる場合には、その補てん措置を講じていただきたい。一一説明申し上げません。次は交付公債にかかわる公債費の利子補給を行ってもらいたい。先般来このことはこの地方行政委員会においては与野党一致した要望で、いろいろ質疑並びに希望を申し上げております。その次は、明年度地方財政計画の策定に当っては、行政水準の回復及び住民の税外負担の軽減をはかっていただきたい。最後に、地方公務員の年末手当〇・一五カ月分の増額に伴う所要経費について財源措置を行っていただきたいという以上四点でございます。何とぞわれわれの要望を達せられますように自治庁長官の格別な御努力を期待するのでありますが、この際長官の御所見をお伺いしておきます。
  44. 郡祐一

    ○郡国務大臣 ただいまお述べになりました諸点、地方交付税の問題と合わせまして五つの点は、いずれも地方財政の根本的な、また当面お話のような問題についての措置をそれぞれ講じなければ相ならぬ事柄でございまして、私といたしましても全くお話通り考えておる次第であります。従いまして、そのために全力を尽す次第でありますが、国会側ことに当委員会の絶大な御協力を得たいと切望する次第であります。
  45. 門司亮

    門司委員長 中井君。
  46. 中井徳次郎

    ○中井委員 今の問題でありますが、大臣の御返事がありましたけれども、しかし実際問題といたしましては、なかなかもってこの委員会における御答弁通りには、これまでは行っておりません。また逆の方向から見ますと、ここ二、三年来何といっても地方財政は、昔に比べるとかなり余裕が出てきたんじゃないかというふうな話が、ちらほら出て参っておるのであります。そうして特に私どもが心配をいたしますのは、そういう話が出ますときには、皆さんのごく身近かな、たとえば東京都であるとか、大阪であるとか、あるいは愛知であるとかいったような、富裕府県の一、二の例外的な事例を大きく取り上げまして、そして依然として停滞しております東北六県、北海道あるいは九州、四国地方、特に山陰から北陸といった面については、依然として放置されておる。そのことは、皆さん上手に御回答なさるが、現実に再建整備法の施行状況なんかを見ておりますと、ことごとくそういう形が出て参っておる。この間も聞いた話でありますが、皆さんにお尋ねをいたしますと、そうはやっておらぬと言いますけれども、たとえば職員の昇給の問題等にいたしましても、俸給の表などにいたしましても、現実には影響のないような俸給表でも、それはいけない、将来五年、十年あとには困るからいけないというふうなことで、どうも各部門に入って参りますと、押えつけられておるというふうな形が多いように私は聞いておるのであります。この間も北山委員から要望がありまして、上の方を押えるならば、下の方を上げたらどうだろうか、上の方はそのままにしておいて、というふうな非常に常識的ではあるが、しかし現実をうがったお話があったと思うのであります。そういう意味において、さらに自治庁あたりがそういうことを深く掘り下げて、じっくりと腰を落ちつけて御検討いただかぬと、単に一応の資料だけで大蔵省あたりと折衝して、勝てそうにもないような——私は非常にひやかすような質問で恐縮なんでありますけれども、どうもそういう傾向がある。現実の事態は、そんなに影響ないようなことまでやられてしまう。あるいはまた、大蔵省に向ってあげ足をとられてはいかぬというので、むやみと心配のし過ぎをやっているというような状況でございます。郡長官地方自治の権威ということになっておりますが、しかしこれは失礼な話だけれども、やはり戦前の形が頭の中にあるんじゃないかと実は私ども思います。ずいぶん変りましたから、そういう点も十分心して、今後私は御検討いただきたいと思う。今の亀山委員発言も実は原案は社会党で作りましたものであります。これは皆さんも当然だというふうなことでありますので、今さら賛成を申し上げるのもおかしなことでありますが、それくらい委員会はあうんの呼吸でよくわかっておるのでありまするから、十分その辺の事情もおくみ取りの上、私は御努力を願いたいと思います。その点を特につけ加えさせていただきます。なおほかにも問題がございますが、委員長、よろしゅうございますか。
  47. 門司亮

    門司委員長 どうぞ。
  48. 中井徳次郎

    ○中井委員 なおこの際ちょっと問題は離れますが、地方問題で一、二お尋ねいたしたいと思うのであります。  第一は、福岡県における県知事のリコールの問題でございます。これにつきましては、衆議院の地方行政委員会といたしまして、今月の二十五日から二日間ほど現地調査をいたしたいと考えております。それの予備知識といたしまして、一体現状はどんなふうになっておるものであるか。一応リコールでありまするから選挙部長の兼子君あたり御承知だろうと思う。それからさらにそれに関連いたしまして二、三日前に知事の方におきましても、職員を地方公務員法違反ということでもって首切りをいたしておるというふうな、やや泥試合の傾向を示しておるのであります。この二つのことにつきまして、自治庁においてわかっておる程度の現状を一つお話いただきたいと思うのであります。
  49. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 お答えいたします。福岡県知事のリコール請求事件につきましては、十一月四日に代表者証明書交付申請が提出されまして、同九日に選挙管理委員会が証明書の交付をいたして、現在署名の収集に入った段階でございます。かような報告を受けております。  それから次にお尋ねのありました職員の懲戒処分についてお答えをいたします。福岡県事務吏員友松正義は、別紙処分説明書要旨——別紙は後ほど御説明いたしまするが——の通り、地方公務員法第三十六条政治的行為の制限に違反しているので、十一月十一日付、地方公務員法第二十九条——懲戒の規定でございますが——に基き免職された。右の事実については目下事情調査中でありますが、十一月十三日、友松正義から福岡県人事委員会に対し、地方公務員法第四十九条に基いて、不利益処分の審査請求がなされました。自治庁としては事情調査中であり、しかも独立機関である人事委員会において審査されることでもあるので、この段階において事の当否を明らかにすることは適当でないと考えております。  先ほど申し上げました処分説明書の要旨でございますが、処分者の職氏名は、福岡県知事土屋香鹿、被処分者の氏名は友松正義、福岡県小倉渉外労務管理事務所勤務、福岡県事務吏員であります。処分時期は昭和三十二年十一月十一日、根拠法規は地方公務員法第二十九条第一項第一号、処分の種類及び程度は免職であります。処分の理由、一、リコール推進母体である県政汚職糾明県民協議会の結成に関与した、これが地方公務員法第三十六条第一項の規定違反。二はリコール運動に積極的に関与した、これが第三十六条第二項の規定違反。三が職員に対し政治的行為を行わない場合には報復として不利益を与えようと企てた、同条第三項規定違反。そのようなものでございます。
  50. 中井徳次郎

    ○中井委員 これは参考までに伺っておきたいのですが、大体知事級の男でリコールをされたというのは、これまでありますか。
  51. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 知事のリコールは今回が初めてでございます。
  52. 中井徳次郎

    ○中井委員 知事をリコールするということになりますと、兼子さんも御存じだろうと思うが、これは大へんなことだろうと思います。大体福岡県は人口はどのくらいで、選挙民はどのくらいおりましょうか。ちょっとそれを聞かしていただきたい。
  53. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 記憶に間違いがあるいはあるかもしれませんが、人口が三百七十万くらいで、有権者が二百二十万くらいであります。
  54. 中井徳次郎

    ○中井委員 有権者が二百万を突破するところでリコール運動をやろうということになると、私は詳しくは存じませんが、住所、氏名をずっと写し取って、それを全部判をとって歩くということになると思います。これはよほどの大事件だと思います。従ってリコール運動をやる場合においても、これはよほどのことでないと、こういうことは言うべくしてなかなか行われがたい。それをやるというのでありますから、何という知事か知りませんが、ずいぶんひどいことをたくさんやって、おそらく副知事が逮捕されたりなんかして、この前にも国会で問題になったあの事件に関連を持つと思うのでありますが、二百二十万も有権者があるということになりますと、これの署名の審査をいたしますのに、一体どのくらいの日数を要するとお考えになりますか。
  55. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 二百二十万でございますので、三分の一が約七十一、二万以上になるわけでございますが、この名簿の審査は各市町村の選挙管理委員会で行うのでございます。法定期間は二十日でございますが、人口の多い都市部におきましては、相当な困難を伴って参るのではないかと考えております。
  56. 中井徳次郎

    ○中井委員 リコールの手続は今わかりましたが、関連して、友松君というのが首になった、こういう報告書をあなたはお読みになったが、私の手元へ参っておりまするものと、どうも内容が大分違います。というのは、あなたが今御報告なすった、県から自治庁あてのものは非常に誇大に報告しているようなきらいがある。私の手元に参りましたものは、当人に渡された県の辞令の内容であります。それを見ますると三十六条一項に該当する、その理由としては、そのリコール運動を展開する団体の組織部長になった、それがいけないということになっております。ところが当人は組織部長になったこともない。具体的に言いますると、お前組織部長をやれと言われて、私は地方公務員であるから、そういうものにはなれないと言ってはっきり断わったそうであります。従ってこの問題は根本において錯誤から出発いたしている。その錯誤から出発した首切り、しかも百歩も二百歩、三百歩も譲って、もしこのことが事実であったといたしましても、首を切るというところまで行くのには幾多の段階があろうと思うのであります。それは首を切ることはできますが、二十九条ですか、戒告、減給、停職または免職というふうになっている。第一事実がない、錯誤である。そうして事前には何らの連絡もない。お前こういうことをやっているか、そういうことをしてはいかぬというふうなことももちろんありません。突如文書でもって死刑の宣告をやるということは、自治体の長として、はなはだ常識を逸脱していると考えるのでありますが、この点について自治庁の見解を伺っておきたいと思います。もし錯誤であったらどうするか、あるいは事実であるといたしましても——ここに戦力条を掲げておりますが、その中に一つばかり事実があるといたしましても、これは免職に値するものであるかどうか。事前に何もやらないでいて、突如文書をもってやるというふうなことは、まるっきり常識で考えられないことでありますが、この際見解を伺っておきたい。
  57. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 先ほど申し上げましたように、目下自治庁といたしましては調査中でございます。ただいまのお話にも私どもの申し上げましたことと違っている点があるという御指摘でございますので、自治庁といたしましては調査結果を待ちまして、申した上げいと思います。
  58. 中井徳次郎

    ○中井委員 これはどうせあとを引く問題でありましょうから、急ぐよりも慎重にやってもらいたいと思う。辞令書のようなものが出ておりますが、私が写しをもらっているくらいですから、これはあなたのところへ当然送られてしかるべきものであろう。県に指令を出されまして、この辞令書を一つお手元に取り寄せられて御検討が願いたいと思う。  第二に、参考までにこれに関連して申し上げてみたいのでありますが、この中を読んでみますると、こういうことがあります。ある会合に出まして、知事のリコールの議案が出た。それに対して質問があったから答えた。その答えたことがいかぬ。こういうことになりますと、組合運動なんかできないと思う。それは政治活動では断じてないと思う。議案の説明をしたのが政治活動であるというに至っては、まさに行き過ぎであろうと思うのでありますが、そういう点に対する公務員の政治活動の範囲、これについて伺っておきたい。
  59. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 公務員法の解釈でございますので、公務員課長からお答えいたさせます。
  60. 今枝信雄

    ○今枝説明員 ただいまお尋ねの点は、組合大会等において、提出されておる議案を説明することだけで政治的行為の制限の違反になるか、こういうお尋ねでございましたが、議案の種類がどういうものかちょっとわかりませんのですが、ただ単に議案の説明をしたということだけで、そのことがすぐに政治行為の制限に引っかかるかどうか若干疑問があると思います。ただ議案の内容なりあるいは答えられた答弁、説明の内容なりを具体的に調査いたしまして、判断をする必要があろうかと思います。
  61. 中井徳次郎

    ○中井委員 今の答弁は、これは課長さんに言うのはおかしいのですが、若干疑問があるどころではない。議案の説明は政治活動では断じてありませんよ。これははっきりしておいてもらいたい。この点はどうですか。
  62. 今枝信雄

    ○今枝説明員 普通の議案の説明ということだけで、そのことが政治活動になるということにはならないと思います。議案の性質なりその説明の仕方の問題ではなかろうかと思います。内容を具体的に承知をいたしました上で検討いたしたいと思います。
  63. 北山愛郎

    北山委員 福岡県のリコール問題は、おそらくこの前にこの委員会で扱った例の県の公金を第一相互に預託して、一千万円の裏日歩を副知事が取った、その資金の一部が知事の選挙費の補てんに充てられたという事件とこれは関連があるのじゃないかと思います。この事件については自治庁にもいろいろ調査をお願いして、中間的な報告はいただいたわけでありますが、問題は預託した一億円の金が戻った、ただしその戻った金は、また福岡県の台所から別な金融機関に預託になって、その金融機関から第一相互の方にこれがくるっと回って返還になっておる、こういうふうなことに報道されておるわけであります。その間の事情、大体もう結果は出ておるのですが、自治庁としてはどういう調査の結果になったのか、これを承わっておきたい。
  64. 小林與三次

    ○小林政府委員 ちょっと今資料がないので正確な記憶がございませんが、問題は福岡に信用組合がございまして、これは職員の信用、相互共助のためのいろいろな共済事業をやっておるのでございます。その信用組合の運転資金に従来からある程度余裕金があった場合に預託をしておる例がございます。本件の場合はそういう例でなしに、あそこにもう一つ住宅協会というのがありまして、この住宅協会が福岡県の住宅対策の一環として、住宅金融公庫から金を借りて、住宅建設をやって建売等をやっておる。その場合に頭金等の問題がありまして、それから公庫の金の来方がおそい早いというような問題があった場合に、県の余裕金があった場合に信用組合に預託をした。信用組合からもう一度住宅協会に金を貸す。こういう仕組みをとって従来から住宅協会に一時資金を流しておったのでございます。本件の場合はそういうことをする必要があるというので、県の余裕金を信用組合に預託をした。信用組合から住宅協会に資金が回ったかというと、どうも回った形跡がない。これは事実でございます。一方信用組合と相互銀行との間に、さらに資金の預金関係が行われた、こういう事実があるのでございます。信用組合から第一相互に何回かに分けて、合計一億円ほどの金が預金をされておる、これは事実でございます。そういう事実があったのでございますが、最近はもちろんその信用組合の預託は県に戻ってあります。そういう日も事実皆わかっておるのですが、今私記憶にございません。大体事実関係はそういう経緯でございます。
  65. 北山愛郎

    北山委員 長官にお伺いしたいのですが、この問題の全貌をまた蒸し返すのは時間がありませんから申し上げませんが、これはえらいことなんです。県なり市町村の公金をいろいろな金融機関に預けて裏日歩をもらう、しかも今お話しのように、信用組合に預けたものが、その目的外に使われておる、管理されておるということから派生してくる問題でありまして、この中には国の金もあるでしょう、それから自治体の金もあるでしょうが、地方団体の公金の保管なり管理なり、そういうものがルーズというか欠陥がある。こういう問題でそのやり方については、将来の問題として御検討、御研究を願っておるわけなんですが、少くとも福岡県の場合に、こういう事態が出てきたことについて、一番大事な府県の台所を見ている自治庁としては、正規の監査をする必要があるかと思うのですが、その点について自治庁長官としてはどういうふうにお考えになりますか。
  66. 郡祐一

    ○郡国務大臣 事柄をさらに究明いたしますこと、また関連して起つて参りましたリコールの問題については、先ほど中井さんからお尋ねのありました、処分を受けました者から、人事委員会に不利益処分の提訴も出ておるようであります。いろいろな方向からいろいろと検討し、さらに深い調査をしなければ相ならぬことでありますので、実態を十分究明いたしますと同時に、自治庁といたしましてもでき得る限り自治体の財政については、法律上まぎれのない措置をとらせますことと、また直接財政の監査等も、今後十分に自治庁の責任においていたすように心がけて参りたいと思います。
  67. 中井徳次郎

    ○中井委員 リコールの問題につきましては、いずれ私ども現地調査をいたしましてから、重ねて自治庁の見解等伺っておきたいのであります。  きょうはこの程度にしておきますが、たとえば先ほど法案の説明の内容というお話がありましたけれども、私のところへ参りました情報によりますと、公務員は行政区域外においては、全く制限を受けないでリコール運動をやってもよろしい。あるいはまた公務員の家族は、何ら制限規定がありませんから、一般人と同じような活動をやってもよろしい、こういう説明をしておるのです。ほかにもありましょうけれども、一、二の例をあげますとこういうことです。私はそういうものでもって懲戒免職などということになるとまことに大問題だと思います。この点については十分一つ積極的な御研究が願いたい、かように思います。  さらに、きょうは時間もありませんから次にお尋ねする問題も、あとを引くと思うのでありますが、例の東京都の渋谷の区長選挙の問題でございます。これにつきまして、現在自治庁で伺っておりますような経過を一応御説明が願いたい。
  68. 降矢敬義

    ○降矢説明員 渋谷の区長選任問題についての私たちがわかっております経過を御説明申し上げます。これは渋谷の区長の選任問題について、議会によって取り上げられたのが三十二年の七月十七日でございます。このときはどういう方法で候補者を選定するかということについて、議員がこれを推薦するということと、それからどういう人を候補者に選定するかの基準を公聴会を開いてきめております。公聴会の参会者は区選出の都会議員、各種行政委員会代表、民生委員代表、区議会議員待遇者代表、小、中学校長代表、区内法曹界、医師会代表、体育会、商店連合会、防犯協会、PTA連合会、青年会、各種婦人会、宗教界、区内政党代表、各組合代表六、七十名の公聴会を開いて意見を聞いております。それで選定の基準といたしまして、一、なるべく区内居住者、二、人格識見ともに備わり、公正にして政治力ある人、三、民主的にして責任感のある人、四、自治制度並びに特別区制に理解ある人、こういう基準をきめております。それで七月二十四日までに議員より候補者として七名推薦されております。それで七月三十日にただいま申し上げました被推薦者から議会において所見の開陳を聞いております。八月二日に臨時議会を聞きまして、現区長を候補者に決定しております。それで八月二日、七名の被推薦者につきましては一回、二回、三回と投票をやりまして、候補者を逐次しぼっていきまして、一番最後に三回目の投票で現区長が候補者に決定されております。それで直ちに八月六日に知事の同意がありまして、八月七日に現区長が選任された次第でございます。その後の経過は、私たちもいろいろ都を通じて照会いたしましたが、新聞に報道されておる程度しかつかめておらない状態でございます。
  69. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 渋谷区長の官選につきまして、地方行政委員会で監査したいということを申し入れましたものの一人といたしまして、その立場を申し上げまして、御当局にも協力をお願いしたいのでございます。  この問題は個々の行政事件や個々の刑事事件に対して、この行政委員会は関与しないことにいたしおりますので、そういう意味ではございません。犯罪事実の追及をするということは国会の職責ではありません。しかしながらとうとうとして流れておるところの現在のわが国の地方自治に誤まった自由主義の風潮がありまして、それがとかく悪貨が良貨を駆逐するというような傾向があるのじゃないか、それが地方の最末端の地方行政におきましても、とかくの利権と結びついたりするようなことが行われやすいということがあり得ると考えおるのであります。そういう地方行政の腐敗のような風潮と何らか今回の事件関係ないか、その温醸する環境を少し調べてみたい、こういうことを考えるのでございまして、イギリスの地方行政が、すべての地方団体の議員の待遇が無報酬であって、そして半日勤務すれば三百円とか、一日勤務すれば六百円とか、そういうような環境であるがゆえに無欲てんたん、ほんとうに社会奉仕という気持で自治制に尽しているという風潮を来たしておるのではないか、そういう点でわが国の地方行政ももう一回大きな反省をする必要があるのじゃないか。そういうような目から見まして、渋谷区の区政全体が現行法規に従って、まじめな気持で、奉仕の気持で行われているかどうかということを調べてみたいのでございます。なおこの東京都の行政区というものが、事務配分と財源との関係等の不自然なところはないか、またこの議会の選挙による区長の選出が果して適当であるのかどうか、そういう問題の立法論的考察にも踏み入ってみたい、こういう意味でございますので、これらの観点につきまして、あらかじめ行政監査します前に、行政当局としても御調査しおき願いたい、こう思っております。
  70. 中井徳次郎

    ○中井委員 今、加藤君からの御話の通りであります。この際ちょっと大臣に伺っておきたいのですが、東京都の区長は今の御説明のように任命制というか、推薦制というか、議会の同意でやっておりますが、そういうことが今日の事態を招いた一番大きな根本原因だと思います。区長の公選制を廃止いたしますときに、当委員会におきましてもずいぶん議論があったと思うのであります。私どもはあらかじめ今日こういうことのあることを予想いたして反対をしたものでありますが、どうもやってみると同じような状態であります。御案内の通り東京都は人口六十万というような大きな区もありまして、一府県、鳥取県なんかよりも大きな区があるのでありまして、こういうことになって参りますと、私はやはりもとに戻した方がいいのではないかというふうな考え方もちょっとするのでありますが、自治庁としましては、どんな見解を持っておられますか、参考までに伺っておきます。
  71. 郡祐一

    ○郡国務大臣 制度といたしましても、これは御承知のように原案、国会でのお扱い、いろいろの経過がありまして、今のような制度に相なっておるのでありまして、制度として研究すべき点もございますけれども、東京の二十三区の区長がそれぞれもうどのくらいでありましょうか、十数回ではないかと思いますが、区長の現行法による選任をいたしております。従いまして渋谷のような場合は一つのきわめて特殊な例と考えられますので、制度の問題でもありますが、運営の面でまた渋谷の区政そのものについて何か私ども考えなくてはならない点があるのではないか。ただいまはむしろ私どもは制度といたしましてよりも運営について一つよく調べもし、考えてみたいと思っております。
  72. 中井徳次郎

    ○中井委員 御意見はよくわかります。私も最初そういう気持ちで二、三の専門家その他の意見を徴しましたところが、中には、いや、もう金のやりとりは常識ですよ、こういう話を聞いておりますし、非常にびっくりしたのであります。私の狭い体験では、そういうことはなかったものでありますから、なるほど東京というところはひどいところだなというふうに思いました。今の大臣のお説もよくわかるのでありますが、私は今聞きましたような風説が事実とすれば、これは大変なものだろうと思います。さらにまた公選制を否定をいたしましたときに、一々選挙をしなくても、というようなことでありました。また実際民主主義の発展の過程にありまして、誰でもいいわいというようなことで非常に低調の選挙であるというふうなことでありまするけれども、きのうも十周年の記念日をやったのですが、だんだんと国民の意識も成長して参りました。今日東京都あるいは区の中のいろいろなスキャンダルの最も大きな原因は、大衆はあまりそういうものに何と申しますか、地方のように真剣な考え方をこれまでしていなかった。都の選出の代議士の名前は知っておるが、区会議員や都会議員に至ってはほとんど知らない。区長の名前もほとんど知らない。国会に直結しているような安易な考え方で、都知事の名前くらい知っておればそれでよいのだというようなことが、私はマンモスのような東京都がいろいろな問題を起す根本原因のように思うのであります。従いましてそういう面から言えばやはり区長というものは公選制にいたしまして——実際の生活に直結いたしておるものは何としても区政であります。そのことすらよくわかっておらぬ。道直し、どぶ直しでも国会議員のところへすぐ持ってくるというふうな現状を打破するためにも、私はむしろ公式論を言い過ぎるかもしれません、あるいは区長が公選になると一つの区と他の区との間に縄張り争いとかいろいろな弊害もあろうと思いまするが、根本的にはやはり民主主義の発達のために、住民本位の自治という建前からすると、もう一度もとに返して考え直した方がいいのじゃないかというような考え方も十分できるわけであります。従いまして今の運営の面でこれを直していくという御意見ごもっともでありまするけれども、どうもそれで行けるかどうか非常な疑問を持っておりまするので、この点はさらに自治庁とされましても慎重な御検討をお願いしたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
  73. 郡祐一

    ○郡国務大臣 確かに東京の区の考え方というのは、いろいろな面から取り扱わなければ相ならぬと思います。中井さんのおっしゃいましたように、確かにマンモスのような東京都ということが、これはいろいろと問題の起ってくる原因だと思います。首都というものがどういう形の首都がいいのか、アメリカのワシントンとニューヨークというようなものが分れて、それぞれの機能を営んでおる。そういうのに比べますると、東京都という首都はいかにもお言葉の通りマンモスのようであります。さてそれじゃ首都をどうしたらいいのかということになりますと、なかなかまた方向の違った議論も起ってくるわけであります。その中で一体東京都の住民だけにはどうも生きた根元というような自治体というものはない。区というものに何らかの考え方を変えていってみたら、そういう感じが果して出てくるか、またどうしてみても出てこないものであろうか。従って区というものをどう考え、区長というものをいかにして選び、どれだけの機能を営ませるかということは、おっしゃる通り非常に大事な問題であります。私どもよく一つ考えさせていただきたいと思います。
  74. 門司亮

    門司委員長 井岡君。
  75. 井岡大治

    ○井岡委員 時間もございませんから簡単に都市交通の問題でお尋ねをいたしたいと思います。  御承知通り現在東京にいたしましても、あるいは大阪、神戸、京都、名古屋にいたしましても、非常に交通が混雑をいたしております。そこで運輸省の方では都市交通審議会を設けて、昨年は東京都の審議が終って、本年は大阪の審議会をおやりになっておるようであります。そうして大体の結論というものは現在の都市交通の近代化、高速化をしなければいけないのじゃないか、こういうような結論がおのおの出て参っておりますが、口では近代化、高速度化ということが言えますが、実際上地下鉄を敷設するというようなことになりますと、莫大な経費がかかるわけであります。ところが昨年から公営企業の起債のワクを若干ふやしておりますけれども、実際近代化するに足る財源の手当はしておらない。しかしながら現実の問題としては交通は輻湊して、通勤等の混雑というものはこれは働く以上に大きな労働になっておる。こういうような点で自治庁はどういうようにお考えになっておるか、この点を伺いたい。
  76. 小林與三次

    ○小林政府委員 今お話通り都市交通を緩和するためには高速度の軌道、簡単にいえば地下鉄を整備するのが基本的な問題だろうと存ずるものでございます。それで現在東京と大阪と名古屋は一部着工いたしておりますが、現在のスピードではとうていこの急激に膨張していく都市の交通に即応できない、もっとフルスピードで地下鉄の整備をやらなければならぬ、自治庁もそういう見解を持っております。ただ現状を見ますと一応仕事をやり始めたところで、はっきり問題がきまっておらぬところもいろいろございます。私はきまった以上は都市の事業能力がある以上は資金を潤沢に提供して、最もすみやかに経済スピードででき上るような資金の手当をむしろ自治庁としても考えるべきだ、これが基本的な考え方、でございます。そこで明年度におきましてもここに大きな重点の一つを置きまして、起債のワクを確保いたしたい。財政金融対策上起債のワクにつきましてもいろいろ問題があろうと思いますけれども、自治庁といたしましてもこの問題に一つのポイントを置きまして、どうしても所要のワクを確保して、事業が円滑にできるように、最大限の努力をいたしたいと考えております。
  77. 井岡大治

    ○井岡委員 基本的にはそうでありますが、具体的に起債のワクを拡大するといっても、国の財政政策とやはり関連を持ってくると思うのです。従って大きな期待をかけるということは現実の問題としてなかなか困難であろうと思う。たとえば東京は本年度十億であります。それから名古屋は十三億、大阪はたしか七億六千万円だったと思いますが、たとえば大阪の十年計画は三百四十億、それから全線の地下鉄計画というものは七百三十五億という膨大な額に上っております。しかもこれをやらなければ現実の問題として交通地獄は緩和しないし、いわゆる路面交通の安全というものは確保できないわけです。従って具体的に進めていくという場合、郊外電車は増資をどんどん許しておることでもありますから、この際地方公営企業法の第二十二条にうたっておる許可なくして、その都市において公募債を募集することにしてはどうか。そのために付則の二項をこの際廃止するようにしてはいかがかと思うのです。これをやったからといって、地方公共団体がむやみやたらに募集をして次の財政計画なり、あるいは経営自体を混乱に陥れるというふうには、実際問題として考えられない。従ってそういう意思があるのかどうか、この点をお伺いをいたしたい。
  78. 小林與三次

    ○小林政府委員 公営企業債の起債の運営につきましては、今お話のような問題は私は研究題目の一つだろうとは考えております。しかしなおこれはいろいろ慎重に検討すべき問題もありますので検討いたしたいと思いますが、基本的には自由にさしてみたって結局公募債の消化を考えなくちゃいかぬので、これは現に東京都などもいろいろ苦労しておりますけれども、なかなかやはりうまくいかない。そこで公営企業金融公庫ができた機会に、むしろああいう大都市も公庫で引き受けるようにしてもらえぬかという要求もございますので、私はむしろ明年はそういう方向に公庫の活動も拡張してやりたい。さらにもう一つはやはり金利の問題もございまして、地下鉄の採算性を考えれば、やはり低利の金を導入しなければうまくいかぬと思います。これはどういたしましても、明年度の起債計画を考える場合におきましては、ことしのようなスピードでは、これは問題になりません。飛躍的にワクを確保しなければいかぬと思います。むしろ私は工事能力にあらん限り起債をつける、こういう基本的な考え方で、来年度の問題にはぜひ対処いたしたい、これはぜひ国会の方の御協力も得まして、そういうことを実現したいと考えておる次第でございます。
  79. 井岡大治

    ○井岡委員 これは高速鉄道をやっておるところはそういうようにお考えいただくと同時に、たとえば横浜の場合は、戦後まん中にアメリカの軍隊がおったために、町の復興が非常におくれておる。しかも各郊外電車のバス、あるいは電車が乗り入れてきて、現在非常に財政的に困っておられる。この間もちょっと調べてみたのですが、市中銀行から借りておるのが七億四千万円、公債が十二億、こういうような額に上っておる。従ってその年間の利子というものは莫大な額に上っておるわけです。もちろん横浜の交通局としても、何とかその切り抜け策として、一つは運賃の値上げをやってもらいたいという希望をお持ちのようであります。同時にまた組合に対しても、二回にわたって賃金カットを行い、同時に第一回は五十人の配置転換、第二回は今度二百名の配置転換を予定しておるようであります。それをいたしましても、なお年間に約二億円余りの赤字が出てくる。その赤字の大半は市中銀行から借りておる七億四千万円の利子から生じている。こういうような点について、何とか更生策を考える、そういう意味から地方公営企業法の第二十三条を適用して、そうしてこの際償還をしない公債を出してやる、こういう更生策も考えられるのではないかと思うのですが、この点はどういうようにお考えになっておるか、お伺いいたしたいと思います。
  80. 小林與三次

    ○小林政府委員 今お話の公債の方式は、公営企業、特に大規模の公営企業については、私は研究すべき問題だろうと思います。しかし具体的の横浜の問題になってきますと、結局現実に借りている高い金利のものをどうするか、こういうことの始末をしなければさばきがつかぬと思います。それからもう一つは、企業自体につきましても、合理化すべきものはやはり合理化してもらわぬといかぬので、これは市の当局もいろいろ御検討中だろうと思います。合理的な計画にのっとって、市の交通企業がうまく発展するように、われわれといたしましても、あらゆる面から手を打つことを考えなければならぬと思います。やはりさしあたりの問題は、そういう問題とともに先ほど申し上げましたような、公庫あたりで公募債を引き受ける形の道でも開かなければ、なかなかうまくいかぬのではないか、ぜひ公営企業金融公庫の活動を拡大して、その問題にも一つの大きなささえにいたしたい、こう考えておるのでございます。
  81. 井岡大治

    ○井岡委員 それでは現在の問題として当面直ちにとり得る問題は、公営企業公庫を拡大するということだと思います。現在の公営企業公庫のあり方というものは、起債を認めてもらって、そうしてその認めてもらった額をそこで引き受けてもらう、こういうような制度でありますから、なかなか政府財政政策等もにらみ合せて、そのワクが拡大されない、こういうような状態にあるわけでございますから、この公庫の拡大をする場合、認めてもらってということでなくして、今申し上げたような当面大きな支障になっているもの、それから当面都市交通としてやらなければならない近代化のために要する費用等に関する問題は、特別な考慮を払ってもらうというように、公庫を活用するための措置を講じていただくことを特にお願いをいたしまして、時間もございませんから、本日はこれで質問を打ち切ります。
  82. 門司亮

    門司委員長 ちょっと私から聞きたいのですが、福岡のリコールの問題ですが、非常に迂遠なことを聞くようだが、受けて立つ知事側で、リコールの理由、その他について反駁をする必要が出てくると思う。また現実にやっていると思います。それの費用は一体どこから出すことになるのですか。訴訟費というわけに私はいかぬと思う。県費でこれを支払われるとすれば、どこから出すことになりますか。
  83. 兼子秀夫

    ○兼子説明員 リコールを受けて立つ防衛の経費は、これは県の負担すべきものでなく、知事個人の負担すべきもの、知事を支持する団体か何かが負担すべき経費だと思います。
  84. 門司亮

    門司委員長 それではきょうは会期の最終日でありますので、委員会は一応休憩しておきたいと思いますので、さよう御了承願いたいと思います。一たん休憩いたします。    午後二時十七分休憩      ————◇—————    〔休憩後は開会に至らなかった〕