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滝井小
委員 私はあなた方の出された
資料が大きなところから見て正しいかどうかということを今見て言っておるわけなんです。これは私流の、
滝井流で見て言っておるわけですが、とにかく大きいところが大体合っておれば小さいところは違っておってもそう大して問題にならぬだろう。しかし大きなところが何百億という
開きがあるということになるとこの信帳性は非常に少くなってくる。今の点で百三、四十億の
開きができてきておるということは一応お認めになって、もう少し理論づけを明白にしておいていただきたいというのが第二の宿題になります。
次に、三十三年度の
医療費、特に
社会医療は二千四百六十億、こうなってきたわけです。そうすると今度ここが一番ポイントになってくるわけです。二十七年以来ずっと積み重ねをやって
医師の一カ月の
収入が十五万九千六百三十二円に三十三年の六月を基準にしていくとなるのだということなんです。これは今と同じような
計算でやって
診療所の
取り分を見てみますと十五万九千円にかける五万五千かける十二、
診療所の
取り分は千四十九億になります。ここでも四割と見ると九百六十億くらいになりますね。これはあまり違っていない。四割と見ると千四十九億というものは四十億か
そこらですから。そうすると三十二年と三十三年度は相当違い方が違うということなんです。これはそれだけどこか本質的な内部的な違いが
医療の中に出てきたということのためにそういう違いがあるかもしれませんが、とにかく違うということは事実です。同じような差は出ていない。こういう違いが出ております。そこで一応
昭和二十六年以来の
日本の総
医療費の合計の動きをずっと見ていってみますと、二十六年から二十七年、二十七年から二十八年という
医療費の推移の
状態は三割ずつ
医療費が上っている。二十六年から二十七年は千百七十二億から千五百四十九億になっているから三割二分
程度上っていっております。二十七年から二十八年は二十七年の千五百四十九億が二千九十二億になっておるから三割五分上っております。ところがそれから急カーブに二
医療費の上昇は低下してきた。どういう形になっておるかといえば、二十八年は二千九十二億が、二十九年当初あなた方が
医務局から出された案は二千二百八十一億と出されてきた。ところがその後それを今度は二千四百三十八億と修正をした。そうしてその後さらに二千六百二十七億と修正した。二十九年の総
医療費というものが
医療費体系を中心に非常にやかましくなった一番頂上です。二十九年十一月に
医療費体系を
出したのですから、従って
医療費の取扱い、特に総
医療費は取扱い方が非常に慎重になってきた。そこで二転、三賦して二千六百二十七億の中でで約二百億経度のいわゆる
患者輸送費、間接費を入れた、こういうように
変化をしてきた。そして、この前いろいろ御
説明を聞きましたが、二十九年の総
医療費の取り方は二十八年、七年、六年と全く違った取り方をし始めた。それは統計
調査部にお聞きになるとわかるのですが、全く違った
計算の仕方をし始めた。ところが、ともかく
医療費の伸びは、直接的な
医療費、間接費をどけてみると、二千四百三十六でいくと一割四、五分
程度しか伸びていない。今まで三割伸びておった
医療費が、総
医療費が問題になり
出してから一割台という形になってきた。これには
からくりがあるかどうか知りません。しかしちょっと
からくりがあるような感じがするような疑いが持たれるニュアンスがある。しかし
医療費問題がやかましくなったために
医療費の引き締めその他が行われて、こういう
状態になったのかもしれない。さらに二十九年から三十年度の推移を見ると、当初に
出した
医務局案は二千二百三十億だった。ところが二千七百十五億に変り、二千九百億にこのごろになってから変った。
医療問題が一番やかましくなった二カ月前になって変った。これを見てみますと二十九年の二千六百二十七億から三十年の二千九百億になると一割しか
増加してない。こういうように
医療費の伸びは一〇%台になってきたということが言える。おそらく今度三十一年度でもそういう形になるだろうし、それから今
高田さんの御
説明になりました
社会医療が三十二年、三十三年、これは四百億伸びておりますから、ちょうど二割伸びておることになるが、おそらく他のもので調整されて、これはあるいはそんなに伸びてないかもしれませんが、ともかく最少に見積っても一割はずっと伸びていくという
推計が一応できるわけです。初め総
医療費は
国民所得の割合に比べて三%であったものが、今度は二十九年になりまして以来、
国民所得の伸びよりも
医療費の伸びが激しくなって四%台になってきております。従って私
たちが総
医療費を
推計する場合には、前年度よりも最小限に見積っても一割をこえる
増加があるし、
国民所得との
関係を見ればまず四%から四・五%
程度の
ワクの中で伸びていくだろう、非常に大ざっぱな
見方かもしれませんけれ
ども、そういう形をとるということは大体見当がつく。そういう見当でまず三十三年度の
医療費、総
医療費をずっと見ていってみますと、どういう形になるかというと、三十年度の間接費を除いた二千七百十五億、これは間接的な氷樋代とか
患者の輸送費が二百億入っておりますから、二千七百十五億になる。それで一割だけ伸びていったとすると二百七十億足せば、間接費を除いた総
医療費は三十一年度は二千九百七十億、こういう
程度になるわけですね。それをさらに今度は一割伸ばして三十二年度を出すと、二千九百七十億ですから、一割二百九十億、そうすると三千二百六十億、約三千三百億台となる。それにさらに三十三年度一割伸ばすと三千五百億になるわけですね。これは
日本の
医療費の伸びとしては最少の見積りの仕方だと思うのです。そうすると三千五百八十億というものが三十三年度の総
医療費だとすると、二十七年以来の
推計をずっと見ておりますと、大体総
医療費の七割五分というのが
病院と
診療所とひっくるめたものの
取り分になっているのですよ。従ってそれは二千六百八十五億です。そうするとあなた方の
社会医療の二千四百億と大体似ているのです。
医務局の専門家の意見によると総
医療費の誤差というものは大体プラス・マイナス二百億だ、こういわれております。いろいろの要素が加わってくるので二百億の上下がある、これが大体統計家の意見です。そうしますと大体こういう大きな問題のときには私は百億か
そこらの違いというものはそう文句を言いたくない。一応私の最少の
推計をもって言っても三千五百八十億になることはあなた方も大体
納得がいくのじゃないかと思う。総
医療費が伸びていくのですから、これより伸びることがあってもこれより縮むことがないというのは確実だと思うのです。そうするとここに問題が出てくる。どういう問題が出てくるかというと、二千四百億と六百億ですから、結果としては今あなた方より
推計では二百億だけ総
医療費がふえるという
見方になってきたのです。これを
病院と
診療所の六と四に分けると、三十三年度における
診療所の
取り分というものは千四十九億
——千億になるわけです。それから
病院の
取り分を六とすると千五百億になる。だから約二千五百億、もっと端数をどけていきますと大体あなた方のものに近づいていくことになる。
一体そういう
推計をした場合に、三千五百億から、あなた方の数字でもよろしい、二千四百億を引いた場合の一千億の金はどこへいったのかということです。だれが取るのだ。これは間接費をどけていますよ。千億の金の行方なんです。千億という金はどこへいったのかということなんです。
病院も取らないし
診療所も取らない、間接費もどけた。そうすると今まで国民
医療費の中で、薬剤師の
取り分として出てくるものは、ずっと過去の
医療の統計を見ると二百億ぐらいしか出てきていない。そうすると総
医療費というものは三千四、五百億になるのだが、あなた方の
社会医療費の二千四百億を引いても千億残るのだが、この千億の金はどこへいったかということです。これをまず探求してかかる必要がある。薬剤師は千億は絶対に取っておりません。薬剤師の
取り分というものは、三十年度の国民総
医療費の
推計の結果でも売薬にいく分が二百五十億です。それから二十九年では二百十二億です。これは変っていない。二百五十億から三百億の間を往来しているのです。そうしますと
医療費の取り方から、直接
医療費とそれから間接
医療費にした場合に、今言った間接
医療費の大物の物品費を含んだ
医療費というものは全部どけちゃったのです。氷嚢とか氷代というものは初めからどけちゃったのです。そうすると千億の行方がわからなくなった。
一体これはどこへいったかということ、この行方を探求するにあらざれば
医療費の問題というものは、
医者がどのくらい取っておるかどうかという信憑性というものがはっきりしてこない。これは出てこない。おそらくその結果は三十一年度についても三十年度についても今のような
計算でいくと総
医療費の中からどこへいったかわからない金が出てくるのです。だから
一体その金はどこへいったかを出すことによって
医療費問題というものは私は割合やさしく解決できるのではないか。もし変なところにいっておれば、いっているところをせきとめて、
医療内容の向上につぎ込み、あるいは
医師の待遇改善が必要なら待遇改善につぎ込むという方法が出てくるのです。ここら
あたりの数字の
からくりですが、これはやはり探求してみる必要があると思う。今あなた方と
納得ずくでずっと明らかにして積み上げてきたのですから……。