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山口(丈)
委員 私は今の御答弁で当局側としての心境もよく承知をいたしますけれども、国鉄当局側としては今申されているように、
法規に示されている。その
法規に従って組合内部のいわゆる正常なあり方をまずきめてこいと言われることもよくわかります。その
通りで私は
法律外のことは決して申しません。けれどもそもそもこういう紛争の起ります原因というものは、私が最初に申し上げましたように、たとい国鉄の労使の意思によってこうしたいと思っても、いわゆる政府当局等の意思というものが大きく左右するために、いえば国鉄労使の紛争というものは悲劇だと私は思っております。少くとも
交通機関の労使というものは、表面は、外部から見たら非常に闘争をやっているように見えますけれども、その本質は決して他の産業の労使間に見られるようなものでありません。少くとも職場に対する愛情と申しますか、あるいはまた労使相互間におきます連係というものは、他の産業に見られない密接なものです。私は特に国鉄の
交通従業でありましたから、身をもって今日まで体験してきているところであります。ですから間違いがないと思うのでありますけれども、そのようにしてとにかく労使間のあり方を正常化しようとしても、それは国鉄の労使双方の意思をもってしては
解決ができない。うこに悲劇の原因がある。しかしながら
法規に反しているものについては、やはり管理者当局としては当然
法規に従って出直しておいでなさい、こういうふうに言われるのも当然だと思います。しかし一歩顧みますと、そういう悲劇を生んだ原因をなす政府が、果して公労法上示された
法規をそのまま守っておるかと申しますと、これは守っておらぬ。これは政府みずから言明されたように、今までは守っていなかった、これから守るのだ、これから守るから国鉄の労使双方は今直ちに
法規の示すところに従って正常に復すべきだ、こういう
意見を発表しておるわけです。そしてやたらに強い態度で石田労政というものが行われておると私は思うのです。ここに私は国鉄の労使双方に同情を寄せざるを得ません。従って今後こういう欠陥を是正することは当然の責務として、もっと政府もあたたかい目で
考えてやるべきであるし、所管省である
運輸省も十分この点については
考えて、労使間のこの問題がそれこそ正常に、当事者の意思によって
解決でき得るように援助を与えてやるというところに基点を置かれた
運輸行政が行わなければならぬと思うので、その点についても
一つ運輸大臣に見解をお伺いいたしたいと思います。
それから当局につきましては、今申まししたような
状態で、とにかく労使の自由意思によっては
解決し得ないいろいろの障害がある。これに対しまして今後正常な労使間の慣行を打ち立てるためには、一体どういう方策で臨まれるか、四角四面の
法規対策だけをもっていたしましては、労使のこの問題は
解決し得ない深刻なものがあろうと思うのでありますけれども、どうでしょうか、
一つ御
意見を伺いたいと思います。