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1957-11-07 第27回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月七日(木曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 淵上房太郎君    理事 生田 宏一君 理事 畠山 鶴吉君    理事 濱野 清吾君 理事 松山 義雄君    理事 山本 友一君 理事 井岡 大治君    理事 松尾トシ子君       有田 喜一君    佐伯 宗義君       關谷 勝利君    中嶋 太郎君       永山 忠則君  早稻田柳右エ門君       池田 禎治君    下平 正一君       正木  清君    山口丈太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村三之丞君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      權田 良彦君  委員外出席者         運 輸 技 官         (港湾局長)  天埜 良吉君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         日本国有鉄道常         務理事     藤井松太郎君         日本国有鉄道常         務理事     小林 重国君         専  門  員 志鎌 一之君     ――――――――――――― 十一月六日  第五北川丸遭難者遺族援護に関する陳情書外七  件(第一二号)  直通特別急行列車尾道停車に関する陳情書外  四件(第三六  号)  関西経済振興対策のため輸送幹線強化等に関  する陳情書  (第六二号)  国鉄労働組合処分反対闘争に関する陳情書  (第八一号)  航空工業育成に関する陳情書  (第九六号)  観音寺港及び伊吹島航路標識整備に関する陳情  書(第九七号)  西瓜の運賃等級改正等に関する陳情書  (第九九号)  四国、本土間鉄道輸送力増強に関する陳情書  (第一〇〇号)  私鉄バス等通学定期券割引率適正化に関す  る陳情書(第一〇  一号)  伊丹飛行場国際空港化実現促進に関する陳情  書(第一〇二  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本国有鉄道経営等に関する件  都市交通問題に関する件     ―――――――――――――
  2. 淵上房太郎

    淵上委員長 これより会議を開きます。  陸運及び海運について調査を進めます。質疑の通告がありますからこの際これを許します。正木君。
  3. 正木清

    正木委員 私はこの機会大臣に一つ簡潔にお尋ねをしたいと思います。というのは、例の本年度から着工をいたしました国鉄五カ年計画の本年度予算ワクの中で、政府財政投融資引き締めの一環として、約百億程度繰り延べを強要しておる。初年度事業計画の中でこの百億が実際に繰り延べという姿になれば、国鉄の五カ年計画初年度から事業計画それ自体に大きな支障を来たす。そこで前回の当委員会においてもこの問題で私は大臣お尋ねをしたのでございますが、大臣から相当御確信のある、私の見解としては信用に足る御発言がございましたので、その後この問題に触れることを避けてきたのでございますが、実は率直に申し上げますと、「運輸」という機関離誌の前号に、運輸省現職国鉄部長である細田君が大きくこの問題を憂えまして、これに取り上げてございます。前回委員会で配付になった「運輸」でございますから、先月号であるかもしれませんが取り上げてございます。ことに民間人ではなくて現職国有鉄道部長がそうした問題を大きく取り上げており、かつまた本日は社団法人鉄道貨物協会の方もこのことを非常に心配をされて、当委員会陳情がございました。こういう経緯をたどってみて、前回委員会において大臣は相当自信に満ちた御答弁をされましたけれども、実際は大蔵当局運輸省事務当局との交渉の過程においては、非常に困難な問題にきておるのではないかというように私個人としても心配されますので、この機会大臣並びに監督局長の方から、その後の経緯等について一つ御説明を願いたいと思います。
  4. 中村三之丞

    中村国務大臣 今の百億円の投融資スローダウン、これは以前のこの委員会でも御質問がございました。これは仰せのごとく五カ年計画最初のときにこういう壁にぶつかったのであります。これを大幅に国鉄が譲るというようなことになりますると、五カ年計画大黒柱ひびが入るということは、これは両院運輸委員会において申し上げた通りであります。従ってこの大黒柱ひびが入らないように努力することも申し上げました通りであります。率直に申しますと、その後遅々として話し合いが進んでおらない。途中の経過につきましては鉄道監督局長からお答えを申し上げると思いますけれども、現状におきましては遅々として進んでおらぬということを率直に申し上げておきます。
  5. 權田良彦

    權田政委員 前回も御説明いたしましたが、すでに御承知通りに本年の六月十九日に財政投融資総額の一割五分を繰り延べするという方針についての閣議決定を見たのでございまして、この決定に基いて六月二十六日に大蔵省から日本国有鉄道に対しまして、百億円の繰り延べ方の要請があったのでございます。この内容についてはすでに御説明いたしました通り外部資金の中のいわゆる鉄道公募債の二百十五億円のうち百億、こういう申し出でございまして、これに対しては私どもは、今正木先生仰せられましたように昭和三十二年度国鉄としての五カ年計画初年度でございます。しかもその工事重点老朽資産の取りかえと輸送力増強緊急対策に置いておりまして、初年度においてはこういうものに重点を置いて、後年度根本的な大工事に入るという計画も立てておりましたし、またその後の国鉄におきまする工事進捗状況車両の実際でき上って入って参ります状況から見まして、このような大幅な繰り延べは困難であるということで、何とかその影響最小限度にとどめようということで、事務的には事務局間において折衝を重ねて参りましたが、はなはだ私どもの力及ばず、今日までまだ決定を見ておらぬというのが実情でございます。私どもの方は日もだいぶたちまして、いろいろ国鉄から工事状況車両入手状況も逐次報告が参っておりますから、それぞれこの影響するところがだんだんはっきりして参りますので、そういう点をもあげて何とか国鉄に限っては繰り延べをしないように、こういうことで折衝しております。一方同時に公募債でございますので、これは第一・四半期、第二・四半期計画に従って発行しなければならぬ。現在この公募債発行状況は、三十二年度十月までに発行いたしまして集まりました鉄道公募債は八十五億でございます。それで第三・四半期、第四・四半期があと残るのでありまして、第三・四半期もきめなければなりませんけれども、これで大体二百十五億と申しますと、約二十億ベースでありますから、一・四半期に五十億ないし六十億程度ずつ出していかなければならない。今のところは第二・四半期まででは八十五億でございますから、多少スローダウンしていることは事実であります。それで私どもは実際はこの問題が決定を見ませんと、公募債発行計画が事実問題としてずり押しになることを心配しておるのでありまして、この意味において、今までのところはそういう折衝をしておりますが、実は今日以降においてこの問題がさらに複雑になって参りましたのは、明年度予算ともからむわけでございます。明年度予算は目下国鉄原案に対して調整を加えておりまして、大蔵省とも協議に入る段階に近く参りまするけれども、この来年度工事費との関連も起って参ります。と申しますのは、端的に申しますと、本年度繰り延べ額がもしかりに幾らかでも確定いたしますれば、それは来年度工事費に食い込むわけでありますから、来年度工事費はそれを別ワクとしなければ、来年度の五カ年計画の第二年度計画工事内容が確保できないという問題がございます。さらにその根本を通じますものは、これが五カ年計画をくずしてしまうというものであっては絶対ならないという一点でございます。この根本点は私どもが堅持をしているところでございまして、これは大蔵省に対しましても、これが五カ年計画をくずすようなことは私どもとしては絶対納得できない。だからまだ今百億ともゼロと巻きまっておりませんが、ゼロを希望しておりますが、万一若干の繰り延べというスローダウン程度のもので、それが来年度予算ともからみまして、五カ年計画に、その工事内容影響しないものであることを私どもは庶幾しているわけでありまして、その点実は今までの自己資金外部資金——なお資金運用部資金予定通り八十億入って参りますから、これも近くその一部は入って参りますので、これらとあわせて今年度工事の実際の遂行状況というものをにらんでおるわけであります。ただくどくど申し上げるようでありますが、私どもはこの第三・四半期、第四・四半期公募債発行計画を実は心配しておるものでありまするから、この問題についてはもうきめてもらいたいということの意気をもって折衝はしておりまするけれども、何せゼロにするという点が私どもの希望通り参りませんので、要は額の問題でございます。額をどうするとかというところで、実は両方ともがそういった事情で今やっておるわけでありますので、できるだけ早い期間に私どもはこれをきめ、さらに来年度予算ともからんで、これが五カ年計画遂行には影響を与えないようにしたい。これは私どもの守る絶対の線だろうと考えておる次第でございます。
  6. 正木清

    正木委員 今監督局長が相当見通し等について自信を持って御答弁を願いましたから、私は数多くは申しませんが、どうしても私として実は政府並びに大蔵当局のとっている国鉄予算に対する繰り延べのこの百億については、納得しがたいものがあるわけです。前回委員会大蔵事務官出席を願って、相当詳細に私は意見を述べたつもりですが、感ずるところがございまして、そのときは私の意見大蔵事務官には言わない点が一点実はあったわけです。というのは、かりに財政投融資閣議決定がほんとうの閣議決定であったとしても、実は当委員会における前大臣の宮澤さんの答弁は速記を見ていただくとわかりますが、決して閣議決定ではないのだ、単なる申し合せ事項にしかすきないのだと非常に軽く取り扱われておる。かりに閣議決定が正式になされたとしても、国鉄のこの予算ワクの中で、大蔵当局を通じて国鉄が受ける財政投融資資金の一・五%を繰り延べろというのであれば、監督局長、ある意味では筋が通るのではないかと思うのです。ところがそうではないでしょう。今の大蔵当局国鉄に対する出方は、一千億の総工事費に対して百億を繰り延べるのだ、その百億の繰り延べ方法公募債の中から百億削るのだ、こういう出方になるわけですね。その点は私は筋が通らないのではないか。政府閣議決定で、国鉄が今年度政府から受ける財政投融資の総ワクの中の一・五%を繰り延べろというのであれば、私は前回委員会大蔵事務官に対してはこのことの理詰めの議論はいたしませんでしたが、三十億程度ではないかという言葉すら漏らしているのも理由はここにあるのです。ですから私は大臣に強く要望したい点は、かりに最悪の事態が来たとしても、この筋の通る取扱いさえしてもらえば、国鉄に関する限り私はそう悲観すべき繰り延べにはならないのではないか。ただいきなりっかみ金式に百億はお前のところは繰り延べだぞ、しかもこの百億の繰り延べ内容も、方法工事費でもって二百十五億のうち百億を切って捨てるのだ、こういう出方には何としてもこの閣議決定の精神からいって筋が通らない。そういう点は大臣は十分お含みの上でぜひ御善処を願いたい。以上申して私の質問は打ち切りたいと思います。
  7. 中村三之丞

    中村国務大臣 両院運輸委員会にも私は申し上げましたように、結局は私と一萬田大蔵大臣との政治的折衝とこれは私は決心いたしております。しかし今のところ事務当局がやっておりますので、私も最後には出ていきたいと思う。これは仰せのごとく総ワクはみなきまっておるのですけれども、個々の問題については大蔵省話し合いをすべきものでありまして、いわんや国鉄のこの五カ年計画仰せ通り内容でございます。内容にきずがつくというようなことになりますれば、全体の計画がくずれてくるということになりますから、との点は私も十分留意いたしておりま。
  8. 淵上房太郎

    淵上委員 井岡君。
  9. 井岡大治

    井岡委員 私は大臣が御就任なさったときに、大臣運輸政策に対する所信をお伺いしたわけですが、その中でいろいろありますが、特に今非常に問題になっておる都市交通の問題について、若干大臣の今後のお考えなり構想なりをお伺いしたいと思うのです。この前お配りいただいた「昭和三十三年度運輸省重要施策要綱」の十二ページに、「大都市鉄道高架化地下化」こういうことがございます。いわゆるバス問題等もございまするけれども、とにもかくにも戦争によって都心部が焼けて、そして住民が都市の周辺にいわゆる集団居住をやる、同時にまた国の政策住宅公団あるいは地方公共団体住宅等も軍団的な住宅政策がとられている。従って通学通勤に非常に大量の輸送が必要になってくるわけですが、これについて高架化あるいは地下化促進ということになっておりますが、非常にたくさんのお金がかかるわけです。従ってこういう問題をどういうようにお考えになっておるか、この点をまず一点お伺いしたいと思います。
  10. 中村三之丞

    中村国務大臣 交通の前に、やはり大都市大都市独自の、将来人口が何百万になる、それから経済がどういうふうに発展していくという、大都市計画というものから始まっていかなければならぬと私は思います。その大都市計画に始まって、もう東京とか大阪というものは超大都市だと思いますが、その超大都市計画に従って、やはり交通もそれに応じていく。大阪などは御承知のように最近リング・バーンというものを四十五億でございますか、そういうもので計画いたしまして、大体あれはできると思います。これに対して大阪市も鉄道公債を持っていきたい。東京地下鉄のようなものを計画しておる。それから大都市住宅の配置であるとか、あるいは衛星都市の問題こういうふうに何としても大都市交通都市計画にマッチしていく、こういうふうに私は根本的に考えております。
  11. 井岡大治

    井岡委員 しかしその大都市計画にマッチして交通政策をやるということでございますが、それはなるほどその通りでありますが、現実の問題は都市計画より交通の問題が先行しているのじゃないか、それを解決しなければならない段階にきているのじゃないか。従ってこの問題を解決するためにこそ、大臣はことしの自分の政策の一端として都市交通輸送増強、混雑の緩和、こういうものをお取り上げになったと私は思う。ところがそれについての具体的な話は、今大都市計画と相待ってやるのだ、こういうことでは、私は今日の問題とはよほどほど遠いのではないかと思うのです。従ってこの点をもう一度明確に御答弁をいただきたい。
  12. 中村三之丞

    中村国務大臣 マッチということは、妙な言葉を使いましたが、それに合っていくということです。これはやはり両方合っていかなければならないのじゃないか。その辺は、問題はやはりその計画の緩急というものもございますし、また運輸省としては都市交通審議会がございます。これの答申どもありますから、それの線に沿うてやらなければならぬ、またやることはやります。しかしながら、といって超大都市のそういう都市計画を無視してやるということもできぬのじゃないかと私は思います。われわれの方の担当の部門はこれはやりますとして、大きな立場から見ますならば、できるだけのところは運輸省としては大都市交通整備の理想を貫徹していきたい、こういうふうなことを私は考えておるのでありまして、最初一般原則論を申し上げたわけでございます。
  13. 井岡大治

    井岡委員 原則論だけでは解決しないのですよ。現実大臣はあまり電車なりあるいはバスにお乗りにならないかと思いますが、朝晩のラッシュ・アワーというものは、そういう原則論だけで解決できるような段階じゃない。もちろんそのため運輸省都市交通審議会を設けて、その審議会答申をお待ちになっておるようですが、しかしながら結論が出ておりませんから、私はその問題について批判を加えることは差し控えます。けれども昨年の東京審議会にいたしましても、本年の大阪審議会にいたしましても、約一年に及んでやっておりますけれども、この結論というものはなかなか出ない。しかも年々住宅高層化あるいは集団化によってふえてきておる。従ってこれが緩和方法として、各都市においてはおのおのの計画を持っておるわけであります。しかしながらこの審議会答申がないということで、この計画について運輸省はいまだ態度を明らかにしない、こういうことではなかなか今日の問題は解決しないのではないか、こういうように思うのです。従って審議会答申あるいは審議会で御討議願っておることは、私は大いに敬意を表していいと思うわけでありますが、当面の問題はやはり当面の問題として解決しなければならぬ。ですから大臣のそういう原則論はよくわかりますが、原則論でなくて、具体的にどういうようにお考えになっておるか、これをお聞きしている。
  14. 中村三之丞

    中村国務大臣 都市交通審議会答申結論は大体出ております。従いましてその結論によりまして、今お話のごとく具体的に実施しておるものもあります。しかしそれは鉄道監督局長から詳しく御説明申し上げた方がよく御了承願えると思います。
  15. 權田良彦

    權田政委員 少し具体的な内容を申し上げたいと思います。まず東京でございますが、東京につきましてはすでに都市交通審議会の御答申をいただきまして、国鉄に関しましては、大体その中で線路増設関係京浜線東海道線横浜線南武線中央線東北線赤羽—大宮間、総武線常磐線の一部、それから新線関係として武蔵野線根岸線、こういうものを具体的にあげておりますが、御案内の通り京浜線田町—田端間のいわゆる京浜、山手の分離というものは、これは完成いたしまして、すでに運転を行なって通勤緩和に大いに役立っております。それから東海道線東京—大船間の線路増設につきましては、これは横須賀線湘南電車線を分離いたしますが、国鉄五カ年計画の中に取り入れまして、これはその中で完成させる予定になっております。それから横浜線南武線中央線東北線についても同じく国鉄の五カ年計画に入っておりまして、それぞれの段階でこれは完成を見ることと存じます。特に中央線につきましては、とりあえず連結両数の増加はすでに実施済みでございます。なおまた新しい通勤輸送力増強に資する車両につきましても、すでに一部運行をいたしております。それから総武線常磐線の問題については、これは非常に大きな問題でございまして、これはいかなるルートでどこへ入ってくるかということを国鉄において検討中でございます。新線建設武蔵野線根岸線につきましては、過般の鉄道建設審議会でこれは着工線——調査線から、三十二年度から着工すべきものとして御決定願いましたので、これは近く着工段階に直るべく、国鉄でその詳細な調査を今いたしております。  それから次に国鉄以外の大きなものは地下高速鉄道であります。いわゆる地下鉄でございまして、地下鉄にはすでに御承知通りな各十一方面から都心に至りますルート決定せられまして、そのうち緊急に着手すべきものといたしまして、いわゆる四号線と申しますが、池袋から銀座へ出まして新宿に至るものでございますが、これは本年の十二月中には東京——西銀座間を開通する予定でございます。続いて西銀座——新宿間は三十三年度末には開通をいたす見込みでありまして、その資金手当をいたしておるわけであります。なお新たに本年度からいわゆる一号線と申します京浜品川方面から押上方面に至りますものと、それから二号線と申しまする祐天寺、恵比寿方面から北千住、南千住方面に至るもの、これにつきましては前者は東京都、後者は高速度交通営団において本年度から着工いたす予定でございます。資金計画といたしまして、本年度東京地下鉄には約七十一億の資金計画をいたしておるわけでありまして、内訳は交通営団が六十一億、東京都が十億でございます。  それからなお補助的交通機関といたしましては、いわゆるバスによってこれを補うということで、バス増強も御答申になっておりますが、それぞれに車両の増その他で整備を続けておるわけでございます。なおこの点についてさらに来年度も今申し上げましたような内容全般にわたりまして、いろいろこれを促進したい。国鉄関係は来年度予算におきまして十分この点を盛り込みたいと私ども考えております。地下鉄工事資金につきましては、これはいろいろ財政投融資の面が多うございます。具体的には例の資金運用部資金が主眼でございまするのと、東京都の地方債の問題がございますので、この点は関係方面折衝をいたしておりまして、少くとも本年度工事資金を相当上回るように私どもは努力したいと思っております。  次に大阪でございますが、大阪につきましては井岡先生もよく御存じのように、大阪部会というものがすでに十三回にわたりまして、実に有益なしかも具体的な精密な調査をしておられまして、今私どもの予想では大体今年内に御答申がいただけるのではないかという見込みで進んでおります。そういたしますれば、この御答申の線に沿っていろいろいたしたいと思いますが、私ども考えでは大体やはり国有鉄道の問題、それから都市通勤輸送に一番役立つ地下高速鉄道の問題と、それから補助交通機関と申しますか、バスの問題とについて御答申がいただけると思いますが、国有鉄道については、すでに西九條—今宮間、いわゆる西成線城東線を結びます大阪国鉄環状線の問題でございますが、これはすでに大阪市とも協議が整いまして工事に入っております。そのほか東海道、山陽本線、片町線、関西本線、阪和線西成線というものが増強せらるべきであり、これは御答申をいただき、なお来年度予算においては十分考慮をいたしたいと思います。  それから地下鉄の問題については、東京と同じくいわゆる交通網としてどういうものが必要であるかということを御検討願っておりますので、これは確固たる交通網が出ることを期待しておりますので、その交通網に従って措置をしたい。そのうちの重要なものは具体的には、大阪では特に東京とも事情の違う点がございますが、現在線の輸送力増強ということが、大阪地下鉄では大きな問題でございます。これについては私どもの方では大体大阪でいわゆる一号線と申しております梅田から難波に通っている動脈でございますが、この増強については連結両数をふやすことが最も必要だと思っておりますので、来年度においては六両運転を実施せしめたいと思っております。さらに岸里から玉出へ行きます三号線の問題、それから大阪港から本町に行きます四号線の問題、こういうものが比較的大阪では急いでくるべき問題ではないかと思っておりますので、本年度大阪地下鉄工事関係は大体十三億余でございます。これに対して御答申の線もはっきりいたしますれば、来年度はこれをもっと上回るものにして、工事資金としての力をつけたいというのが、私どもの期待しておる点でございます。  なお大阪ではそのほかに東京と違いまして、特に郊外私鉄が比較的環状的に突っ込んで参り、相当通勤輸送に持ちます数量的な比率も、東京より多いことが事実でありますので、郊外私鉄のそれに関します各区間増強というものも考えておる次第でございます。これも具体的に区間ごとに今検討しておりますので、その御答申によって措置をしたい。特に京阪、南海、阪急、近鉄というものの線路増設が問題になってくると存じます。  なおバスにつきましては、これは例の大阪におけるいろいろ相互乗り入れの問題、並びに駐車場の問題が大きく取り上げられておりまして、これも同じく大阪部会で適切な御審議が今継続されておりまして、御答申がいただけると思いますので、その線に沿って措置をしたい。  東京大阪に関します点におきましては以上申し上げました内容を、大いに重点施策として、今年度はもちろん、来年度以降も取り上げて参りたいつもりでございます。
  16. 井岡大治

    井岡委員 国鉄東京の問題は、すでに答申があってかなり具体的に説明をされましたので、私はその問題に関連して後ほどまたお伺いをします。  ただ大阪方面の問題で、国鉄の環状線等をめぐって、戦前すでに予定をいたしておりました天王寺—王寺間の複線ないしは電化というものが同時に考えられなければ、真に環状線の効用というものは発しないのじゃないか。同時にまた阪和線輸送増強が、当面非常に強く要望されておるにかかわらず、この問題がやや放置されておる。しかしながら御承知のように大阪住宅あるいは都市計画というものを考えてみると、阪和線輸送増強というものは早急を要する問題でございます。こういう点についての考え方をお伺いいたしたい。  さらにもう一点、これは部会においていろいろ御審議をなさっておりますので、深く立ち入ることは私も遠慮させていただきますが、当然考えられる問題は、私鉄企業と公共団体が行おうとしておるいわゆる競合路線というものが、かなり出てきておるように思われるのです。こういう問題に対する態度を明らかにしておかないと、今後の都市交通計画について混乱が起るのではないかと思います。従ってこういう点について、どういうようにお考えになっているか。  さらにもう一点、いわゆる資金問題でかなりお手当をいただいておるようでございますが、たとえば大阪交通局が計画をしておる十カ年計画では三百四十億、全線計画しておるのは七百三十五億という膨大な資金計画が必要なわけなんです。しかし今まで一番地下鉄化あるいは高速化というものを阻害しておるのは、私はこの資金の問題にあると思います。そこで資金の問題で、これは運輸省の関係ではございませんから、運輸省お尋ねすることはあるいは筋違いだというように申されるかもしれませんが、大臣の非常な御熱意がございますから、この点だけを一点大臣にお伺いをしておきたい。それは地方公営企業法第二十二条に企業債のことを明らかにしております。それは「地方公共団体が、地方公営企業の建設、改良等に要する資金に充てるため起す地方債(以下「企業債」という。)については、行政庁の許可を必要としない。」こういうように明確にしてあるわけです。ところが一方附則の第二項において「企債債については、第二十二条の規定にかかわらず、当分の間、地方自治法第二百五十条の規定の適用があるものとする。」ということで、打ち消してしまっている。そのためにいろいろ部会において審議会あるいは各方面からいわれておるが、実際問題として資金手当がないために建設ができない。従って大臣都市交通の高速化並びに大量輸送化、近代化、こういうようなために自治庁あるいは大蔵当局とこの二十二条の規定を生かすために、いわゆる附則第二項を取り消すために、努力をされる意思があるかどうか、この点をお尋ねいたしたい。
  17. 中村三之丞

    中村国務大臣 これはなかなかむずかしい問題でありまして、私がここで今申し上げることは差し控えたいと思います。しかし手当は運輸省として努力するということは当然だと思います。その規則は規則といたしまして、実際の手当はやるということは、これは大都市交通の完全にして——あなたのおっしゃるいわゆる通勤交通の困難を緩和するということには私も努力したいと思っております。
  18. 井岡大治

    井岡委員 問題はここにあるのです。大臣はここで申し上げることはできないと言われるけれども現実の問題として十億ないし十五億の金では一キロしか動かない。一キロのようなことでは現実の問題は解決しない。従ってかなり大きな資金手当をしてやらなければいけな、そのためにこれをはずすことはできないと言われるのであれば、特別な資金手当方法を別途考慮するようにしなければならない。これが具体的に現われてこないと、さいぜんの国鉄の話じゃないけれども、結局絵に描いたもちと同じようになってしまって、言うだけに終ってしまうということになるのです。ですからこの点についてもっと明確に御答弁をいただきたい。
  19. 中村三之丞

    中村国務大臣 私は今直ちにどうするということはちょっと言いかねるのです。しかしこれが仰せのように非常な障害になっておるということは私も了承し、また承知をいたしております。せっかくそういうことのないように努力いたして参りたいと思います。
  20. 權田良彦

    權田政委員 今お話のございました環状線にからみます国鉄の他の線路容量、その他輸送力の増強の問題、まことに御指摘の通りでございまして、私どもも関西本線の王寺—奈良間、それから阪和線の天王寺—鳳間、区間はここだろうと思いますが、これの線路増設は、先ほど申し上げましたこととあわせて考慮いたしたいと考えております。  それから次に仰せられました私鉄といろいろな並行区間の問題、これはおそらく都心へ入ります部分の地下鉄その他ととの問題だと思いますが、地下鉄整備については先ほど申し上げたような考え方でおりますし、また都心とのいろいろな連絡、輸送、直通運転の問題もあわせて考えまして、これらは競合する面もございますし、競合しない面もございます。従いましてこれは今具体的に大阪部会でも御検討中でございまして、多分十分御検討の結果適切な御答申がいただけると思っておりますので、これらも勘案いたしまして、いずれにいたしましてもこの郊外私鉄との相互間における直通運転以外に、またいろいろその中心部に対する乗り入れの問題というものを両方競合しないように解決していきたい、かように考えております。
  21. 井岡大治

    井岡委員 さらにいろいろお聞きしたいことがあるわけですが、問題は国鉄の環状線が予定としては三十五年に完成をするわけです。従ってその環状線ができてしまっても、いわゆる都心部内における高速鉄道化が整備をされないと、これまた非常に混乱が起ってくると思うのです。従ってその問題の解決のためのいわゆる適切な措置を講ずる。先ほど言われたいわゆる四号線の問題等を取り上げられておるようでありますが、こういう問題についてはできるだけ早くやらないと、せっかくこしらえた環状線が死んでしまう、こういうように考えるわけです。その点についてもう一度お伺いしておきたいと思います。
  22. 權田良彦

    權田政委員 今お話のございましたようにやはりこの国鉄計画、それから地下鉄計画郊外私鉄計画というものは相互に関連をいたします。従いまして私どもは、これは東京でやりましたときもそうでありますが、それぞれの計画年度割を作っております。それで両者の間の調整をいたしておりますので、大阪関係の解決についてもこの御答申を得ました上は、それぞれの計画をそれぞれの事業割、年度割というものも考慮いたしまして、相互にそごを来たさないように調整をした上でその実施の推進に当る、こういう考えでございますので、今特に御指摘の具体的な問題についても、十分そういう点を考慮いたして促進いたしたいと思います。
  23. 淵上房太郎

  24. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 簡単に質問いたしますが、本年の新線の着工線は鉄道審議会では十一線を答申をして着工されておるのでありますが、その中には直ちに着工するものと、それから予算の規模等を考え着工するもの、あるいはその沿線等の開発の進行とにらみ合せて着工するもの、この三つの種類に分けて勧告をし、輸送増強五カ年計画とにらみ合せて着工されておるわけですが、先ほどからの御答弁によりますと、これは百億の繰り延べで幾分スローダウンする程度で、輸送増強の五カ年計画とは関係のないようにしたいということでありますから、その点については了承いたしますが、新線の方の計画はどういうふうに進められておりますか。簡単でよろしいから一つ御説明願いたいと思います。
  25. 權田良彦

    權田政委員 昨日御説明いたしましたように、この鉄道建設新線の方は建設審議会の御決定を尊重していたしておるのでありますが、鉄道建設審議会の御答申では、三十二年度に以前調査線でありました十一線について、これを着工するようにという御指示がございます。そういたしますと三十二年度に実際工事をいたします線は、前年度から持ち越しております十五線がございます。従いまして二十六線が着工線となるわけでありまして、その内容を念のため申し上げますと、着工線になりました十一線は、北から申しまして美幸線、芦別線、白糖線、鷹角線、生橋線、武蔵野線根岸線、氷見線、神岡線、窪江線、小国線でございます。これに持ち越しております継続工事中の十五線が入りましたので、二十六線というものが鉄道建設付の工事費を消化いたします対象の線になるわけであります。これに対して、さらに建設審議会調査をしたらどうかという調査線というものに十六線が上って参ったのでありまして、これが名羽線、石狩—十勝連絡線、岩内線、気仙沼線、丸森線、野岩線、嬬恋線、佐久間線、飯田—下呂線、岡多線、宮守線、井原線、本郷線、西国東部循環線、篠栗線も北松線というものが調査線でありまして、これは昨日も申し上げましたようにも国鉄において調査をしろということで、その調査の結果と相待って、建設審議会においてあらためて、どういうふうにこれを取り扱うかということを御決定になるわけでありまして、この調査を今国鉄で継続中であります。しかしきのう実は年内に調査が完了すると申しましたが、これはちょっと誤まりでございまして、訂正さしていただきます。これは延長線がいずれも長うございまして、全国に散在いたしますので、ただいまのところでは、この調査はおおむね半分くらい国鉄の方で終了しているそうでございまして、まだあと半分くらい調査を継続しなければなりませんので、この調査の結果を待って建設審議会に報告したい、かように考えているわけであります。従いまして調査線については、まだ今のところではいつ着工するかということは未定でございます。着工を前提とした調査でございますけれども、未定でございまして、従って三十二年度工事費といたしましては、継続工事中の十五線と十一線に、着工いたします初年度分—この初年度分は、建設線は御承知通りそう大きな工事費は実際問題として消化できませんので、額としてはそれぞれわずかでございますが、つけてあるわけでございます。
  26. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 そこでお尋ねしますが、持越分の十五線の中には、この年度内に相当量営業を開始する運びになる、その工事の完成する部分があると思うのですが、その完成する分はどのくらいの数字になるか、一つお知らせを願います。
  27. 權田良彦

    權田政委員 その点は実は本年度内に完成するものをのけて十五線ございます。従って今申し上げた十五線は本年度工事線であると同時に、三十三年度に対しても継続工事と相なるものでございます。今申し上げました十五線には本年度に完成するものはないわけでございます。
  28. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 そうすると実際に現在工事の進行中のものは、この十一線を含めた二十六線のほかにあるわけですから、実際の工事量ははるかに多い数字になると思いますが、それは一体どのくらいの数字になりますか。
  29. 權田良彦

    權田政委員 本年度工事しておりますものは十七線ございまして、そのうち大糸線と小国線が開通をいたしまして、十五線が本年度工事し、来年度も継続工事になる。今年度工事費は御承知通り七十億でございます。
  30. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 そうしますと、今までに着工していた分の十五線の工事の完了は、大体これから後何年を目標にしておられるのか、それをちょっと聞かしていただきたい。
  31. 權田良彦

    權田政委員 それは線によって完成の目標が違いますが、十五線の中で早く完成いたしますものは、三十四年度に完成をいたします予定のものが二つばかりございます。三十五年度に完成をいたしますものが四つばかりございます。三十六年度に完成をいたしますものが一つくらいございます。三十七年度に完成をいたしますものが三つくらいございます。三十八年度に完成の予定のものが二つございます。大体線によって完成の度合いは違いますが、最初は御案内の通り戦後三十一線に手をつけたのでございまして、十六線が今年度までで完成して十五線が残るわけでございますが、この残ったものはいずれも距離も長く、工事もたくさんかかる線でございますので、どうしても完成年度が後年度にわたるものが残って参りましたので、今説御明したように十六線完成したような度合いでは、残った十五線はなかなか完成して参らないということに相なっております。
  32. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 今までにすでに着手していた十五線のうちでも、十二線を完成するのに三十八年度までかかる。そうすると今年度十一線をさらにそれに加えますと、なかなか工事の完成は容易のことではないと思いますが、これはよほど予算措置というものを強化しない限り、短時日のうちに完成はできない。問題は幾ら工事が大きなものでありましても、予算措置を強化しさえすれば年限は短縮できる、こういうことになるのですが、この二十六線の上さらに本年度調査をいたしまして、その結果緊急に着工を要すると思われる結果が報告されれば、それを着工線に加えていかなければならぬと思います。そうなれば一体来年度の新線の予算措置というものはどういうふうにお考えになっているか、鉄道審議会答申によりますと、これから収得毎年百三十億程度予算は、この工事を進展させるのにぜひとも必要な数字であるということを勧告されているように聞いておるのであります。私ども予算というものに非常に大きく注意を払っているわけでありますが、運輸大臣大蔵省に来年の新線建設予算要求をどういうふうにしようと考えておられるか伺いたい。
  33. 中村三之丞

    中村国務大臣 御指摘のごとく百三十億でございます。しかしこれに対してはやはり利子補給の道を講ずるということで、今要求しているわけであります。
  34. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 今公社制度にはなっているのですけれども、やはり日本国有鉄道の観念は少しも変っていないのですから、そうすれば私どもが常に言っているように、これは国家の投資でまかなっていくのが当然で、国鉄に対して国が投資をする、そして建設したものを国鉄にその営業を行わしめる、こういうような性格にしないと、実際には国有鉄道といういわゆる公共性を満足させることはできない。造船のように私企業であって、特別に助成しなくてはならぬものに対して、国家が投融資のあっせんをしもしくはその融資したものに対する利子補給を行う、そして助成をする、こういうものとはおよそ性格が違う。国鉄に金を貸してやったのだから、その貸した金に対して国が幾らかの利子補給をしてやるというようなことで、国鉄に大きな負担をかけるということは、これは造船などとは違って非常に無理なことであるばかりでなく、国が公共性を保障してやろうというその責めをのがれて、ただ国鉄に過大な負担をかける結果になりはしないか、こういう点については私は根本的に考え直す必要があるのではないかと思いますけれども、これは運輸大臣どういうふうにお考えですか。
  35. 中村三之丞

    中村国務大臣 公共企業体の財政をどういうふうに改めていくか、これは御指摘のごとく問題だと思います。今内閣でも公共企業体の審議会がありまして、意見が出てくるだろうと思います。しかし現在のもとにおいては、公共企業体の財政でまかなってもらって、一般会計において利子の補給をしよう、こういう建前を今とっておるわけであります。
  36. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 それが私企業であればよろしいけれども、そうではないのですから、実際には国鉄にこれだけ膨大な負担をさせて、営業をしても、鉄道というものは、大臣承知のようにあすから採算のとれるものではありません。いわんや国家的見地から見て大きく国民経済に寄与するものなりとすれば、これは国鉄本来の使命として、たとい採算の合わない線でもこれを開発して、そうして国民の経済に大きく寄与するという公共性に従ってやっておるものであります限りにおいては、私はやはり国がそれだけの責任を負ってやらなければ、国鉄本来の使命を果すことはできないと考える。でありますから、私企業の造船にすらあれだけ膨大な金を投じ、利子補給をして、その負担の軽減を行い、日本経済に寄与せしめておるのですから、そうなれば、国鉄はそれらとは全然性格が違います。何ぼどう言いましてもこれは国の鉄道です。そうすればそれ以上に巨額な国家補償をやって、国鉄の負担を軽減する。この国鉄の負担を軽減してやるということは、とりもなおさずその国鉄を利用する国民大衆の負担を軽減するということになる。すなわち大臣が反対をしておられるように、運賃の値上げ等は行わなくとも国鉄を運営することができるようになる、こういうように考える。一方においては国鉄に経理の全責任を持たせる。あるいは資本増加の責任は全部国鉄に持たせる。そうして採算線であろうと不採算線であろうと、これは国家的使命においてこれを行わしめる。そういうことをしておいて、経費負担ばかりを国鉄にさすということになれば、勢いどこへ転嫁させなければならぬ。転嫁させるということになれば、これは利用者にその負担を転嫁させるということにしなければ、何ぼ公社でありましても赤字続きでは経営はできないのです。それを押えるということになれば、一体どうなりますか。そういうことに対して大臣は一体どういうようにお考えになって、これを調整しようとしておられるか。いたずらに旧殻に閉じこもって、戦後の経営慣習にとらわれるということであっては、私は新時代の国鉄を経営することは不可能であると思う。私が国鉄の総裁であってもそんなことはできません。大臣はどういうようにお考えになるか。
  37. 中村三之丞

    中村国務大臣 現在の組み立てと申しますか、組織のもとにおきましては、国鉄は公共企業体として自主的経営をやってもらう、こういう建前が現在のところとられておるのでございます。これをどういうふうにして改善していくかということは、これは現在の公共企業体審議会意見どもどもは参照して考えてみたいと思いまするが、現在のところはそういう仕組みになっております。しかしながら仰せのごとく、この間も国鉄の決算書を見てみますると、終戦後の新線の赤字は三十億くらいに上っておるようでございます。これは何も国鉄の経営が悪いのではないのでありまして、新線には経済採算がとれない場合もございます。また国家としても、そういうものは赤字になっても、地方経済の発展、交通の便のためにやってもらわなければならないのでありますから、この点は私もこの間決算書を見て考えておりますが、さっき申しましたように、公共企業体としての財政を確立してもらう、そして一般会計などにおいては利子の補給などの程度にとどめておくと今のところは考えておるのでありますが、将来の問題として御提供下すったのでございますから、私どももよく考えていきたいと思います。
  38. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 根本的な問題については私はさらに議論を展開したいと思いますが、きょうは時間がありませんからこのくらいにして、今大臣答弁もありますので、公共企業体のあり方については一応考え直す必要があるように思います。その点は一つ御研究を願いたいと思います。  それからその次にお尋ねをいたしますのは、また新線に戻りますが、きのうも決議になりましたように、四国—本土の循環鉄道並びに青函トンネルによります鉄道建設というものは、国家的要請であって、今さら再説明をする必要もないのですが、このために昨日の大臣答弁では十億円の費用を要求する、たしかこういうふうにおっしゃったと思いますが、自民党の交通部会におきましては、十五億程度要求をして、そして早期に着工する予備調査をさらに一段と強化していく、こういうことをすでに地方においても発表せられておるわけです。私どもはこういう大工事を行うに当って、そしてこの鉄道を早期に完成させるためには、十五億でも足りない。もう少し強化をして、できれば二十億、三十億の金を通して、基礎調査だけではなく、もっとそれを出して、そして着工に至るまでの調査を一日も早く完了すべきだ、こういうふうにも考えるわけです。ところがその十五億が削られて十億になった、こういうのですが、その十億も大蔵省が認めるか認めぬか、まだわからぬのじゃないかと思いますけれども、これは一体どういうふうにお考えになりますか。前の宮澤運輸大臣は、両方の鉄道で二千億かかるとしても、十年計画でやればわずか二百億で済むのだ、こんなものは、われわれ日本の国民の鉄道を作るのであるから、日本の自力で必ず完成させるようにする、こういう工合に私ども力強いお答えをいただいておるわけですが、運輸大臣はこれを引き継いで努力をなさるつもりでありますか。実際に着工されるとすれば、いつごろからこれが本工事着工する見通しを立てておられるか、これについて一つお伺いしたい。
  39. 中村三之丞

    中村国務大臣 昨日も申し上げました通り、来年度におきまして、着工を目標として十億円の調査費を計上いたしまして、大蔵省に要求をいたしております。これは来年度必要にして欠くべからざる経費でございますから、われわれ当局といたしましては、大蔵省にそれを承認せしめるのに努力をいたします。今事務当局から聞きますると、この十億円というものは、あるいは機械の金であるとか、あるいは地質調査、ボーリング等の経費でありまして、まず十億円程度でこれらの仕事はできるということでございますから、私はこれを承認いたしておるのであります。宮澤前大臣の方針は私もこれを受け継いで参りたいと思いますが、いつ着工していつできるか、この技術の面につきましては、局長からお答えさせる方が的確じゃないかと思います。
  40. 權田良彦

    權田政委員 今大臣仰せられましたように、来年度の十億というものは、要するにこれだけの大工事でございますので、いわゆる技術的に可能か不可能かという調査段階は過ぎまして、これは私どもも技術的に可能であるという見通しに達しておりまするけれども、今度は、ではどういうふうに工事をするかというその調査が大事でございまして、これには今までと違った意味のボーリング、地質調査も要りまするし、それに要する機械も必要でありまして、それらで工事の下固めをするわけでございます。従いまして今の見通しでは、技術的には十年くらいでできるという見通しはつけておりまするけれども、その工事を前提とした調査の結果によりまして、来々年度からはさらに一そうこれに速度を加えまして、そこにおいて最終的には技術的に年度計画も立てたい。従ってまずその意味着工を前提とした調査にかかるには、十億円あれば必要にして十分だ、こういう考えで私どもは計上して要求したいと考えておる次第でございます。
  41. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 そうすると、今のお答えによりますと、明後年度あたりから着工計画を具体的に立てて着工が可能である、こういう見通しを持って、その目標で進んでおられる、こういうふうに解してよろしいか。
  42. 權田良彦

    權田政委員 その通りでございます。
  43. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 それから次にお伺いいたしたいのは、本年度着工しておりまする新線建設の問題と調査線の問題のうちで、私が行政視察に参りました地方についてみの一つ御質問をいたしたいと思います。  まず私が驚きましたことは、四国に参りまして、調査報告書にもありますように、徳島から牟岐を経て高知に入りましたが、この南四国といいますか、徳島南部から高知、愛媛南部の山間地帯におきます未開発状況であります。高知には明治維新以来りっぱな政治家、著名な方がたくさん出て、日本の政界にも大いに貢献をされたのでございますけれども、その地方に行きますと、全く未開発のままに放置されていて、実際は道路におきましてもあるいは鉄道等におきましても、ほとんど近代的な交通機関というものが見られないような状態であります。地方民はようやく目ざめまして、地方選出の国会議員にも政界にも大きく批判の目を向けつつあります。これは何としても私は地方民がこういう目を向けられますことは当然であろうと思います。  そこでお尋ねをいたしたいのは、こういうような情勢の中にあって、本年は牟岐—後免線が調査線にされたというので、この地方は非常に喜んでおります。ところがこういう鉄道をつけることになりますと、いずこも同じでありまして、あるいは南あるいは北にというように、その鉄道の敷設地の選定に当って大きな運動が行われる。あるいは政治線としてまっすぐにつけるべき鉄道がひょろひょろゆがんでいく。こういうようなこともうかがわれる。そういうことがかえって工事を阻害するような動きもある。すでに各地におきましてまのあたりにこれを見、また体験して参ったのでありますけれども、少くともこのような未開発の地域を早急に開発して、国家経済に寄与するようにしてやるということが、これはその地方の単なる利益を追求するというにとどまらず、大きく日本経済の発展するゆえんであると私は思うのであります。そういう意味から申しますと、牟岐—後免線というものは早急に着手すべき第一条件の線である。今まで放置されているということがむしろ不思議なものだと私は思うのですけれども、これについては運輸省当局はどういうふうに観察しておられますか、一つお伺いをしたいと思います。
  44. 權田良彦

    權田政委員 今仰せられましたいわゆる四国の東部循環線は、牟岐から室戸へ行きまして、室戸から後免へ至る線でありまして、これは木材、薪炭、魚類、促成野菜、その他資源の開発にも非常に重要な線でございまするし、また旅客交通の上においても四国循環線を東部において形成する重要な線でございます。従いましてこの理由をもって調査線にあげられたと存じますが、その地形は室戸——後免間は比較的に平易でございますが、牟岐—室戸間はきわめて地形は錯雑しておりますので、技術上いろいろ調査しなければならぬと存じております。よって国鉄で先ほど申し上げたように目下調査をしておるのでありまして、その調査の結果によりまして、そういう輸送上の必要、産業開発上の必要あるいは旅客交通上の必要性から、その経過地もおのずから明確になって参ると存じますが、いずれにいたしましてもその調査の結果を待ちまして、その調査を受けました上はこれを鉄道建設審議会にお諮りしたいと思っております。調査線に選ばれましたゆえんは、これは言うまでもなく着工が前提でございまするので、着工すべき線であることは当然でございます。ただこれをどういうふうに着工するかは、予算の規模その他も勘案して鉄道建設審議会で御審議願いまするので、私どもの方では建設審議会の御建議によってこの調査十六線については措置をしたい、かように考えておる次第でございます。
  45. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 非常に今の答弁は重要であり、私はぜひともこれをやはり鉄道審議会審議せられる場合にも、いわゆる着工線指定の処置をとり得るような議題にしていただきたい、こういうように考えるわけです。それから東回りがそうして完成をいたしますと、やはり循環線として西回り、すなわち今着工しておりますのは窪江線、それから窪川——中村線、これを着工しておりますが、これは北回り、南回り同時着工ということで着工したようであります。これについても北回りと南回りはいろいろの利害関係毛あり、あるいは政治的な配慮があり、いろいろあるようでありますけれども、少くともこの窪江線が完成いたしますれば、北回り線につきましてはもう目的を達するわけでありますけれども、この南回り線はなお中村にとどまるということになりますから、中村—宇和島線を早急に完成しなければ、この南回り線というものはほんとうの意味経済線としての価値を有せないことになると思うのです。そういう意味におきまして、これをいわば半熟卵にしておくのじゃなくて、完成なものにするためには、ぜひともこれを着工するということが必要になると思いますが、この点について一つ御答弁を伺っておきたいと思います。
  46. 權田良彦

    權田政委員 今御指摘のいわゆる西回り線でございますが、これは御指摘になりました窪江線、中村線でございます。この線は先ほども申し上げましたが、調査線でありましたのが前回の建設審議会で三十二年度から着工ということに御決定願いまして、本年度初年度として工事に入ったわけでございます。窪江線は御案内のように窪川から江川崎へ向いまして、これによりまして循環線が形成されます。それから中村線はその起点におきましては、窪川付近におきまして窪江線と同じルートでございます。しばらく先に行きまして分岐して南下して、中村、宿毛を経て宇和島に至る予定線で、敷設法には上っておりますが、とりあえずこの中村線として着工が御決定になったわけであります。そのゆえんはこの循環線は一応この窪江線によって完成される。一方この中村地帯は比較的物資、人口豊富なところでございまして、経済的に非常に必要なところであります。従いましてこの中村線については、循環の使命ということは窪江線に譲りまして、中村地方との連絡に役立つ、こういう意味において優先度を持って着工が御決定になったと私ども承知しておりますので、その意味において窪川—江川崎間と窪川—中村間とを着工しておるのであります。中村以遠の宇和島に至る循環線につきましては、これは敷設法の予定線でもございますので、他の予定線ともあわせて、将来において鉄道建設審議会で御審議を願うことと相なると存じます。
  47. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 全国にはことし新たに十六線の調査線を鉄道審議会は勧告をして調査を進められておるということでありますが、私はどれが重要であってどれが重要でないということを申すのではありませんけれども、本年度着工線としてきめられた中にも、先ほど申し上げましたように沿線の開発状況や、あるいは予算の規模等々と勘案の上で着工するというような条件を付せられたような線もあります。私はそういう点から考えますと、条件を付した線というのではなしに、これらの線は無条件に着工を敢行せらるべき重要線であるというふうに考えるわけです。  もう一つ私の知っておる範囲のことを言いますと、福知山—宮津間の調査線としては丹後宮津の河守線ということになっております。これなども直通して宮津に結びますと、日本海でとれた魚は二時間ないし二時間半も早く大阪あるいは神戸等に直送されることになる。あるいはまた阪神間の製品が直ちに舞鶴へ積みかえなしに、あるいはまた列車の編成がえ等なくして直送されることになる。これは阪神間の何といっても日本の有数の経済動脈を控えておりますだけに、その経済効果というものはきわめて重要な役割を果すものであると信じております。こういうものはぜひとも早期に着工せられてしかるべきものであるし、無条件に着工せらるべきものだと思うのですけれども、これらについては調査の結果はどういうふうになっておりますか、あるいはまた来年の一月に鉄道審議会が開催されるということを聞いておりますが、その場合に調査が完了しておれば、着工線としてこれらの線は鉄道審議会の議に上せるお考えでありますか。それともまた上せないでおくつもりでありますか、一つ御計画がありましたらお尋ねいたしたいと思います。
  48. 權田良彦

    權田政委員 宮津の河守線は大体木材、竹材、銀、銅、鉛鉱というような開発資源を有しておりまして、これらの開発効果並びに地方連絡上重要な線でございますので、お話のように調査線に選ばれております。これは地形から申しますと比較的錯雑しておりまして、平坦地帯ではございません。その点になお調査を要すべき点がございまして、これも同じく目下国鉄調査中でございます。この調査ができ上りましたら、調査十六線と合せて建設審議会に当然お諮りいたします。建設審議会にお諮りいたしますのは、先ほども申し落しましたが、この三十二年度着工線その他継続線でも同様でございますが、着工の場合には予算規模もございますので、年度割をも御審議願うことになっております。従って各線別の工事内容を御審議願いまするので、調査の結果どうお取り扱いになりますかは、十分資料を添えましてお諮りして御検討をわずらわす、こういう段取りでやっておる次第でございます。
  49. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 それでは具体的には、とりあえず調査が完了しておれば、来年の一月に予定されておる鉄道審議会には答申を求められるというように解してよろしいのですか。
  50. 權田良彦

    權田政委員 十六線の調査が完了いたしますれば、そのお取扱いについて建設審議会にお諮りして、その御決定を願うことに相なると思いますので、各一線だけでそれをお諮りするということは、やはり調査十六線の関係上、調査十六線として調査の結果を御報告申し上げなければならぬ、私どもはさように考えております。
  51. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 港湾局長がお見えになっておりますから一つお尋ねしておきたいのですが、私は四国を回りまして、南四国の資源の豊富なことについては実に驚くべきものを見て参りました。特に電源開発等がそのままに放置されておるということは、これは国家的にも非常に大きな損失です。ところがその開発をなぜおくらせておるかといえば、交通機関の未整備にある、港湾の整備が整っていないということにある。この二つが並行して行われれば、勢い南四国の産業開発はきわめて易々たるものであるし、有望なものである。しかもこれを活用することは日本経済に膨大な利益を与えるものだ、こういうふうに考えるのです。そのためには高知あるいは宇和島等の港湾の整備ということが、これまた急務中の急務になるわけですけれども、港湾局の方ではそれについてどういう御計画がありますか伺いたい。
  52. 天埜良吉

    天埜説明員 四国の南部の開発について、港湾が非常に大きな役割を持っておることは、私どもも非常に深く認識いたしております。南部のたとえば道路にいたしましても鉄道にいたしましても輸送力の少い点がございまして、高知県で申しますならば幡多郡の下田港につきましては入口がまず問題でありますので、ここに新しい工法を用いまして入口の整備を急いでおります。それから須崎港につきましてはこれは岸壁の延長、それから工業地帯を整備すべき場所もございますので、この点の整備に力を入れるつもりでございます。それから高知港につきましては、高知港は非常にいい湾形をいたしておりますが、入口のところに大きな岩盤がございまして、これの除去が非常に問題になっておりますので、これも新しいさく岩の方法を用いまして除去するように、それと同時に港内の浚渫埋め立てによりまして、工場地帯を誘致すべく適当な場所がございますので、これについても力をいたしたいと思っております。なお若松町と申しまして小型船舶の荷役個所がございますが、これがあの辺の交通に非常に大きな役割をいたしております。この整備を特に急いでいきたいというふうに思っております。それから佐喜浜港というのがございます。これは掘り込み港でございますが、その水深が不足でございましたので、特殊工法を用いまして全体を締め切って掘るという方法で、これは今年度完成するように急いでおります。それから奈半利港、これが今のお話の電源開発と非常な関連を持つところでございます。これは技術的に申しますと砂原に作ることになりますので、非常にむずかしいところでございますが、これも新しいテトラ・ホットの工法というのを用いまして至急に突堤を出して中を掘り込むようにいたしたい、電源開発として必要な砂利をとる計画もございますので、これとあわせて行なって、同時に電源開発にも役立ち、また電源開発の資材もそこから入れられるようにしたい方針で進んでおります。それからさらに甲ノ浦港、これも非常に良港でございますが、岸壁がなくて連絡船さえ着けない。沖荷役をやっているという状態で非常に危ないものですから、先年燈標を設けて、また一部除岩をいたして安全をはかりましたが、今回岸壁を作ることにいたしました。岸壁の整備をして今年度曲りなりにも着けるようにしたい。来年度は完成したいという状況で進んでおります。  それからなお宇和島の方へ参りますと、宇和島は良港でございますが、非常に浅いものですから浚渫を加えていきたい。なお奥の方には接岸施設を設けていきたいというふうで、鋭意南部地方の諸港湾については格別な努力をすることにいたしております。
  53. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 時間がないので希望だけにしておきますが、今申しますように、四国の開発については、運輸行政上要請されている責任が非常に大きいものがあると思いますので、これはぜひとも来年度予算には一つ大臣の腕前を発揮してもらって、もう少し積極性のある運輸行政をとっていただきたい。委員長も御承知だと思いますけれども、今までは委員会のあるたびに運輸行政の貧困さといいますか、消極さについて常に指摘をして参りました。やはり国の経済を開発するのは、交通運輸施設の完成がなければどうにもなりません。しかるに運輸省予算は、遺憾ながら国鉄予算も含めて年々削られておる。そして要求額が一番削られる率が多い。そういうふうに公共性の一番あるものを一番軽視しておいて、責任だけはやかましく言う。これでは運輸行政を担当する行政庁としても責任が持てないことになると思う。どうしてもこれはもっと積極性を持って、港湾の開発整備並びに鉄道の建設に力をいたしていただきたい。  もう一つ申し上げておきますが、高松港の四国の開発の需要要請に対して応じられるのは、六五%ないし七〇%にしかすぎない。それは何に原因するかというと、宇高連絡船の貧困にある。どうしてもこの宇高連絡船を強化してもらいたい。それでないと四国の貨物要請には応じられないといっております。同時に船を強化してもらっても、現在の港の施設ではどうにも運航がとれないというのです。この連絡船の運航状況等は、説明をしなくてももうわかっておると思うのでいたしませんが、実に危険な状態にあります。いつ衝突するかわからない。こういう狭隘なところにあの大きな船を入れるということは、まさに災害を誘発しておるようなものである。災害の起らぬのが不思議なくらいであります。でありますから、高松港の改修とあわせて、これらの一連の開発計画を来年度は強力に推し進めてもらいたいということを大臣に強く希望して、私の質問を終ります。
  54. 淵上房太郎

    淵上委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十五分散会