○山口(丈)
委員 それから次にお伺いいたしたいのは、本
年度に
着工しておりまする新
線建設の問題と
調査線の問題のうちで、私が行政視察に参りました地方についてみの一つ御
質問をいたしたいと思います。
まず私が驚きましたことは、四国に参りまして、
調査報告書にもありますように、徳島から牟岐を経て高知に入りましたが、この南四国といいますか、徳島南部から高知、愛媛南部の山間地帯におきます未開発
状況であります。高知には明治維新以来りっぱな政治家、著名な方がたくさん出て、日本の政界にも大いに貢献をされたのでございますけれ
ども、その地方に行きますと、全く未開発のままに放置されていて、実際は道路におきましてもあるいは鉄道等におきましても、ほとんど近代的な
交通機関というものが見られないような状態であります。地方民はようやく目ざめまして、地方選出の国
会議員にも政界にも大きく批判の目を向けつつあります。これは何としても私は地方民がこういう目を向けられますことは当然であろうと思います。
そこで
お尋ねをいたしたいのは、こういうような情勢の中にあって、本年は牟岐—後免線が
調査線にされたというので、この地方は非常に喜んでおります。ところがこういう鉄道をつけることになりますと、いずこも同じでありまして、あるいは南あるいは北にというように、その鉄道の敷設地の選定に当って大きな運動が行われる。あるいは政治線としてまっすぐにつけるべき鉄道がひょろひょろゆがんでいく。こういうようなこともうかがわれる。そういうことがかえって
工事を阻害するような動きもある。すでに各地におきましてまのあたりにこれを見、また体験して参ったのでありますけれ
ども、少くともこのような未開発の地域を早急に開発して、国家
経済に寄与するようにしてやるということが、これはその地方の単なる利益を追求するというにとどまらず、大きく日本
経済の発展するゆえんであると私は思うのであります。そういう
意味から申しますと、牟岐—後免線というものは早急に着手すべき第一条件の線である。今まで放置されているということがむしろ不思議なものだと私は思うのですけれ
ども、これについては
運輸省当局はどういうふうに観察しておられますか、一つお伺いをしたいと思います。