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1957-03-31 第26回国会 参議院 予算委員会第四分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月三十一日(日曜日)    午前十時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    主査      小林 武治君    副主査     吉田 法晴君    委員            新谷寅三郎君            土田國太郎君            苫米地英俊君            武藤 常介君            野本 品吉君            湯山  勇君            成瀬 幡治君            横川 正市君            加賀山之雄君   担当委員外委員            海野 三朗君   政府委員    大蔵大臣官房会    計課長     崎谷 武男君    大蔵省主計局長 森永貞一郎君    大蔵省主税局長 原  純夫君    大蔵省理財局長 河野 通一君   説明員    大蔵省主税局税    制第二課長   吉国 二郎君    大蔵省主税局調    査課長     中島 晴雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十二年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十二年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十二年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小林武治

    主査小林武治君) ただいまから第四分科会を開会いたします。  本日は、前回に引き続き大蔵省所管の残余につき議題といたします。御質疑のおありの方の御発言を願います。
  3. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 防衛支出金のことなんですが、お聞きしたい点は、防衛支出金が、予算編成の場合にどうこうとかいろいろな問題もありましたのですが、それはそれといたしまして、聞くところによると、防衛庁費がふえる、それのふえた額の二分の一ですか、二分の一を大体防衛支出金の方で減らしていく、それに伴っては、この米軍駐留兵力の減ることも考慮されて大体こうスライディングしていく、今までは年々予算編成の前に交渉せなくちゃならないのを、重光アリソン会談とか何とかで、大体そういうスライディング形式がとられているというふうに承わっているんです。ですから、そういうふうになっているから、まあ少くとも表面上は、もう予算編成期の前にどうこうせなくても、アメリカと云々する必要もなくて、日本で大体において自主的に決定しているものと了解していいかどうか、ということが一つと、これから防衛分担金、いわゆる交付金の使い道と申しますか、そういうものは決算の問題はどうなるかということを、年々決算報告というものは、日本政府と申しますか、主計局の方に報告されるのかどうか、その点から一つ承わりたい。
  4. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 防衛支出金の中には合衆国軍交付金、これがいわゆる防衛分担金でございますが、これと施設提供等諸費、それから軍事顧問団経費と、この三つ経費がございます。この合衆国交付金、これは当初行政協定で一億五千五百万ドル——五百何十億でございますか、こういうことにきめられておるわけでございますが、それに関して、別に岡崎・ラスク交換公文がございまして、一億五千五百万ドル——五百何十億ときめるが、これは今後日本防衛ブロック状況考え、年々これを幾らにするかということを両方で相談をしていくと、そういう交換公文があるわけでございます。この交換公文に従いまして、従来、毎年翌年度防衛分担金幾らにするかということを相談をして減らして参ったのでございますが、昨年の三十一年度分担金の交渉の際に、あらかじめ一定の方式相談し合っておいた方がいいのではないかということで、四月十五日に正式な協定ができておりますが、日本側における防衛庁費、あるいは施設提供等諸費増加額の半分は防衛分担金を減らすというような方式が同時に出たわけでございます。これを一般方式と称しております。今後は、この方式に従いまして分担金をきめて参るわけでございまして、本年、三十二年度分担金も、従いまして防衛庁費が八億ふえましたその半分の四億円を減らすというようなことできまっておるわけでございます。  今の御質問の第一点は、もしそういうことなら、今後は日米間にあらためて毎年相談をしなくてもいいじゃないかという点が第一でございましたが、この方式を適用する限りにおきましては、きょうでございますが、行政協定並びにその付属交換公文の規定によりまして、ただいまの分担金のことに関連して、防衛計画実施状況その他についても、年に一回ずつ検討していこうというようなことにもなっておりますので、一般方式を適用して計算した結果について合意を求めるに際しましては、やはり年々ただいま申し上げましたような問題を相談し合っていく、そういうような取り運びに相成っております。なお、ただいまのところは、一般方式と申しますのは、防衛庁費施設提供等諸費増加額の半分というその面だけでございますが、将来米軍日本における駐留経費が減少をいたして参ります際には、私どもといたしましても、日本側における防衛庁費増加だけでなくて、駐留経費増加という要素も十分考慮に入れて対米折衝に臨んで参りたいと、きょうに考えております。  それから第二点の防衛分担金支出状況でございますが、これはたとえば来年度について申し上げますと、二百九十六億の四分の一ずつを毎四半期に渡しまして、その渡したことが日本政府支出になるわけでございますが、これはしかし、国民のとうとい税金から支出されておることでもございますので、別に日米間で協議をいたしまして、合同委員会の決議でございましたか、米国としては、この日本側から交付を受けた資金につきまして、毎月支出実績日本側報告をしてくると、そういう取りきめになっております。報告をして参りましたものは、私どもの手元で集計をいたしておりまして、一般決算委員会の御要求がございまして、国会提出をいたしたような次第でございます。
  5. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 重ねてお尋ねしますが、防衛支出金防衛庁費のふえる二分の一になるのか、交付金の方が二分の一に減ってくるのか、そこを一つ明確にしていただきたい。
  6. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 防衛支出金の中の合衆国軍交付金施設提供等諸費軍事顧問団経費、この三つに分けておりますが、削減対象になりますのは、合衆国軍交付金でございます。その削減の原因になりますものは防衛庁経費施設提供等諸費並びに軍事顧問団経費、この三者の増加額の半分、それを第一に申し上げました合衆国軍交付金から減らしてゆく、さような方式になっております。
  7. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 なぜこういうことをお尋ねするかというと、交付金の方がなるほど四億落ちておる、三十一年度と三十二年度を比較してみて。しかし、施設提供等諸費は九十九億何がし、同じことなんです。あるいは軍事顧問団の六億一千万、同じことなんです。だから、それはこの説明書を読んでみましても、防衛支出金が二分の一に落ちるというふうには了承しかねますが、その点間違いございせんですか。
  8. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) この予算説明書の十九ページをごらんいただいておると思いますが、日本側防衛庁経費を千二億を一千十億にふやしまして、ここで八億ふえておるわけです。それから施設提供等諸費軍事顧問団経費は全然同額でございます。そこで、防衛庁経費施設提供等諸費軍事顧問団経費、この三経費を通じました増加額は八億でございます。その八億の二分の一、四億を合衆国軍交付金から減額いたしておるわけでございます。
  9. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 軍事顧問団の問題はMSAの問題がありまして、これは大きな問題になりますから、触れることはやめまして、施設提供等諸費の中に、飛行場拡張問題が入っておる、そういうものが入っておりまして、こうした施設提供等諸費五つ飛行場ですか、一応鳩山さんのときに、これを削るときの約束としてこれをふやすんだということが——しかし、承わると、あれはまだ隠されておって、少くとも中共やあるいは北鮮等にある向うのジェット戦闘機等に比較して、日本で大体十カ所以上、あるいは十数カ所なければバランスがとれないというようなことから、五つ飛行場拡張が問題になり、なお五つくらいは隠されておる、あるいはそういうものを米軍が養成しておった、しかしその問題は今後に残されておるのかどうか、まあそういったようなことは別として、私はこういう問題がだんだんふえてくるという見通しを持つのが一つと、もう一つは、たとえば都心から都外駐留軍関係のものが大体移ってゆく、あるいは参議院におきましても議運等で非常に問題になっておって、国会周辺に三個駐留軍の宿舎がある、そういうものの移転というようなものはこの中に含まれておるかどうか、もし含まれておるとするならば、大体この費用というものは今後ふえていかなければならないんですが、これの見通しですね、これがふえてゆくとすれば、交付金の方は減らしてゆくか、あるいは軍事顧問団の方の費用は減ってゆくというほかないと思うんですが、そういう問題とからんで、今申し上げました大きな見通しと、それからそういう費用が入っておるかどうかという二点を伺いたい。
  10. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 施設提供等諸費は前年と同額の九十九億五千五百万円を計上いたしております。この経費内訳を申し上げますと、借料が三十億、それから不動産購入費が八億、それから返還財産補償費、これは接収財産を返しました場合に損失補償をいたしますのが十一億、それから賠償機械借料が一億、それから漁業等補償が二十億、飛行場拡張が十三億、道路等代替施設十六億、こういう内訳になっております。この飛行場関係十三億は、新潟とか木更津の問題がございまして、まだ手をつけておりませんが、その分も見込んで計上しておるわけでございますが、私どもの関知いたしておるところでは、これ以上飛行場拡張をさらに要望して参るというような様子はないようでございます。むしろ、従来計画をいたしておりましたものについても再検討をされておるような趣きもあるやに聞いておるわけでありまして、今後この経費が非常に増加するという見通しは今のところ、私どもとしては持っておりません。  それからリロケーション経費は、これは道路代替施設等工事費の十六億円の中に一部入っております。さしあたって横浜の山下公園、これが町のまん中にございまして、いろいろ問題になっておりましたが、その分であるとか、あるいは名古屋市の、これも町のまん中アメリカ村がございまして、区画整理上いろいろ問題がございます。そういったようなものにつきまして、一部来年度着手することを考えております。着手をいたしますれば、若干後年度あとを引くかと思いますが、しかし、もう今までにおもな大きなものは大体済んでおりますので、この経費も特にそのために非常に大きく増加するということはないのではあるまいかというふうに考えております。しかし、万一この経費増加いたして参りますれば、これはむろん、ただいまお話がございましたように、合衆国軍交付金の方の減額の材料になるわけでございます。しかし、まあ大きく見通しをつけますと、この九十九億が著しく増加するというようなことは、今のところないのではないかというふうな見通し考えております。
  11. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これはあとでいいますから、十六億の内訳一つ別途、この時間終ってからでも教えていただきたいと思います。
  12. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 承知いたしました。
  13. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 次にお伺いいたしたい点は、これはあなたの方に直接関係があるとは申しませんけれども、今度岸さんが渡米をされるわけですが、それには、この前重光さんが持っていった防衛計画ではなくて、今度国防会議等ができますから、国防会議等で、あるいは閣議で決定されるかもしれませんけれども、少くとも長期防衛計画というものを持ってアメリカに行かれるだろう。そうでなければ、私は意味がないと思う。そうして、そういうものとからみ合ってこの問題が大きく展開されるだろうという見通しを持っておるわけです。ですから、再来年ですか、三十二年の話になってくると、こうした問題がどういうふうに展開されてくるかという点は、私は非常に興味のある問題だと思うのですが、しかし、それかといって、施設提供等諸費ですね、駐留軍が外へ移転していく場合の予算なんというものは、私は十分とっていただいて、少くとも都心から都外へという大きな方針がとられておるならば、それが全然取り上げられておらない、国会周辺の三カ所なんというのはまことにけしからぬじゃないかという意見等が強いのでありますから、一つそういうような点も勘案されまして、何と申しますか、施設提供等諸費は、飛行場の方の拡張の十三億は別として、この十六億は、完全消化と申しますか、少くとも繰り越さないように、あるいはこの十六億が非常に足らない場合は、この内訳はきまっておって、内部操作として、項、目等に分れてくると思うのですが、そういう款内流用というものは大蔵省主計局だけでできるものかできないものか、もしできるならば、そういうことについて努力をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
  14. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) ただいま申し上げました内訳につきましては、実行上において相互に流用することは法規的にはむろん可能でございます。ただ、現在調達庁が持っております計画実行ということから申しますと、大体計画の確定いたしておるものが大部分でございまして、そう大きく動くような余地は乏しいのではないかと、さように考えております。  なお、ただいまお話のございました都心駐留軍施設リロケーションの問題につきましては、政府部内におきましても慎重に検討をいたしたいと存じております。
  15. 湯山勇

    湯山勇君 最初揮発油税のことをお尋ねいたします。揮発油税とそれから地方道路税ですね、衆議院段階では、これの政府案が修正されたわけですが、そのことはあとでお尋ねすることとして、積算の基礎が私にはちょっと理解できないのですが、昨年より量が非常に減ったことになっておると思うのですが、これはどういう関係でしょうか。
  16. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) 課税標準数量は昨年より減ったということはないと存じます。お尋ねの趣旨がちょっと……。
  17. 湯山勇

    湯山勇君 これは大体政府の当初案によれば、金額にして一万一千円が一万五千八百円ですから、四割ばかりふえておるわけです。ところが、この予算の額で見ますと、そんなにはふえていないのです、ふえた方の割合がですね。そこで、これはまあ製造元から出るときにかけるのと、売買のときにかけるというような、そういう手続の違いがあるといえば、そういうことも若干は斟酌できると思いますけれども、それにしてもあまりにもふえ方が少な過ぎるという感じがしますので、お尋ねしておるわけであります。
  18. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) 本年度予算に見積りました揮発油税収入と、来年度予算政府案で見積りました揮発油税の増収との根拠を申し上げます。本年度予算におきましては、通産省の需給計画に基きます揮発油数量が三百七万キロリットルでございます。これに対しまして、来年度は三百九十万キロリットルから出発いたしております。この需給計画は、いわゆる四月から三月までの需給計画でございます。揮発油税の方は、引き取りその他の関係によりまして時期がずれております。その以前から引き取りますものから課税いたします。従って、期間の調整で、来年度予算で申し上げますと、六万三千キロリットル程度落ちるわけでございます。それからさらに、免税いたしますもの十九万キロリットルがございます。こういたしますと、来年度予算で申し上げますと、差引課税引き取り数量は三百六十四万七千キロリットルということになるわけでございます。そこで、政府案におきましては、これからいわゆる欠減分三・七%を控除いたします。これが十三万五千キロリットルに当るわけでございます。従いまして、差引三百四十一万五千キロリットルというものが課税標準数量になるわけであります。昨年度は、これに見合います数字は二百七十九万三千キロリットルでございまして、本年度の方がかなりふえております。これに政府案によりまして六千五百円の増徴をいたしたいと考えたわけでありまして、従いまして、昨年度よりもかなりふえておるというふうに考えております。
  19. 湯山勇

    湯山勇君 この説明資料の三十五ページですか、これで見ますと、揮発油税三十一年度予算額三百七億何がしに対して、伸びが百二十八億と、こういうことになりますね。それから三十二年度伸びが百二十八億二千九百万、こういうことでしょう。そうすると、これを増額になる四千五百円で割ってみますと三百万キロリットルにも足りないのですが……。
  20. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) 揮発油税収入は、三十一年度予算で、お話通りに三百七億二千万円になっております。これから直ちに百二十八億の増徴ということにはならないのでございまして、いわゆる揮発油の引き取り数量がふえますので、現行法によりますと、それが増徴いたしません場合でも三百七十五億六千五百万円になるといったような次第でございます。さらに、その上に税率を引き上げますので、その引き上げ分が百二十八億、こういうふうになるのでございますが、伸び率がそういうふうになっておりますが、ちょっと計算しておりませんので……。
  21. 湯山勇

    湯山勇君 百二十八億というのは、四千五百円に課税対象の量を掛けたものでしょう。
  22. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) この政府案によりますと、六千五百円で計算をしております。しかし、揮発油税だけとりますと四千五百円に掛けたものでございます。
  23. 湯山勇

    湯山勇君 その計算がちょっと合わないのですがね、—いや、これはけっこうです。そこで、この地方道路税を合せて揮発油の何といいますか、税とそれから実際の価格との比率はどうなっておりますでしょうか。揮発油に対する税の割合です。
  24. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) 小売価格で申し上げますと、一リットル当り三十七円の小売価格に対しまして十三円ということで、三五・一%ということでございます。
  25. 湯山勇

    湯山勇君 従来だと何%ですか。
  26. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) ただいま申し上げましたのは、現行法による場合でございまして、これが今度政府案によります増税をいたしますと、かりに百パーセント転嫁されるという場合を考えますと、小売価格が四十三円五十銭になるわけでございます。その場合の割合は四四・八%ということになります。
  27. 湯山勇

    湯山勇君 それでパーセントですね、今の率というものは相当高率じゃないかと思うのです。どのくらいが妥当というように考えておられますか。
  28. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) この点につきましては、御案内のように、揮発油税地方道路税は国及び地方道路財源として、実質的には目的税的に使用されるものでございます。従いまして、歳出面での要請からある程度考えられるわけでございますが、一方揮発油税負担そのものから見ましても、わが国の揮発油税負担アメリカのような生産国に比較いたしますと、今でも高いわけでございます。西欧諸国に比べますと、かなり低い負担になっております。このたびこれを増徴いたしましても、なおイタリー、フランス、ドイツ等よりも低い負担であるというふうに考えております。
  29. 湯山勇

    湯山勇君 それから重油ですね、大型バス等で使っておる重油、これは今度増税にならないわけですね。同じように目的税とすれば、揮発油税がこういうふうになれば、当然同じように道路を使っておるそういう車の燃料に対しても課税されるべきじゃないかという、これは理論としては成り立つんじゃないかと思うのですが、どうお考えでしょうか。
  30. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) ちょっとその点保留さしていただきまして、後刻御報告いたします。私、実は責任者でございませんので、あとで調べまして……。
  31. 湯山勇

    湯山勇君 今の課長の方からではちょっとその問題には……
  32. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) 地方税として軽油引取税の方で課税することになっております。
  33. 湯山勇

    湯山勇君 重油の方です。つまり、大型バスなんか使っておる重油がありますね、これはどういうふうになりますか。目的税という性格からいえば、こういう揮発油にかけるのと同じようにかけなければ、一方は道路を使っておってかけないと、一方は道路を使っておるからかかると、こういうことではちょっとその目的税の建前がくずれるんじゃないかというふうに思うわけですが、その点を伺いたいと思うのです。
  34. 中島晴雄

    説明員中島晴雄君) 主管課長が参りましてお答え申し上げます。
  35. 湯山勇

    湯山勇君 それでは一つ主管課長を呼んでいただいて……。  今回百円硬貨、五千円紙幣、一万円紙幣、こういうものをお出しになるということですけれども、それに対する予算措置、それから計画はどういうふうになっておるんでしょうか。ごく概略でけっこうなんです。
  36. 河野通一

    政府委員河野通一君) 昭和三十二年度から硬貨といたしまして百円の—これは大体銀貨考えております——銀貨発行をいたしたいということで、これに必要な予算措置は造幣局の特別会計の中に講じられております。大体三十二年度中に五千万枚、百円の硬貨を作りたいと、こういうことであります。なおこれに関連いたしまして、一万円の日本銀行券あるいは五千円の日本銀行券製造はすでに三十一年度から開始いたしておりまして、本年度中に、三十一年度中に、大体一万円券で三百億円余、五千円券で百二、三十億程度印刷ができることになっております。この方はいつから発行いたしますかという点につきましては、いろいろ経済情勢等を見た上で、支障のない限り早い機会に発行いたしたいということで、目下印刷を進めておる段階であります。この方の印刷計画も、印刷局特別会計予算の中にそれぞれ必要な金額が計上されておるわけであります。
  37. 湯山勇

    湯山勇君 今のように、一万円札、五千円札を出すという趣旨はどこにあるわけですか。
  38. 河野通一

    政府委員河野通一君) 一万円札、五千円札の発行の必要ということにつきましては、大体最近における経済取引実情等から見まして、現在の千円をもって最高券種といたしますのには経済取引実情に合わないということがはっきりいたして参りましたので、これらの点から考えて、一万円札の発行及び五千円札の印刷製造発行をいたしたいと考えておる次第であります。戦前におきます日本の状態は、御案内のように、大体基準年度といわれておりまする昭和十年前後、百円が最高であったわけであります。もっとも準備は二百円の銀行券もできておりましたが、まあ通用いたしておりましたのは百円でございます。これを現在の貨幣価値に直して計算をいたしますれば、大体三万円から四万円程度にはなるわけであります。諸外国の例等を見ましても、日本における一万円の程度銀行券が流通いたしますことは、決して大額に過ぎるということは考えられないような次第でありまして、経済の上にそれが非常に悪い影響を及ぼすということは、少くとも理屈の上ではあり得ないと考えます。ただ問題は心理的影響でありまして、大額銀行券が出るということが、インフレーションというようなことと結びついて心理的に何らか悪い影響があるのではないか、という御意見を時に聞かされるわけであります。私どもはそういった心配はないと確信いたしておりますが、これらの点はさらに今後の経済動き、こういった御意見をお持ちの方々の御意見等も十分に伺った上で、支障のないという見きわめがつきました上で、なるべくすみやかに発行ということにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  39. 湯山勇

    湯山勇君 今後の動きというのは、インフレ傾向が出てきた場合には出すというのか、インフレ傾向が出るおそれがあるというようなときには出さないというのか、これはお金だけの面からいえば、インフレ傾向が出てくれば出すということの方がよく合うと思うんです。それから今おっしゃったように心理的な影響とか、そういうふうな点からいえば、出さないようにするという方が理屈に合う。どちらをお考えになっておられるんですか。
  40. 河野通一

    政府委員河野通一君) 先ほど申し上げましたように、この問題は全く心理的な影響のあるなしの問題でありますから、貨幣価値の維持安定を阻害する、つまり貨幣価値が下るというような印象を与えるような場合におきましては、こういう高額の銀行券発行は差し控えるべきだという考えでございます。しかし先ほど申し上げましたように、私どもはそういう心配は万ないという見地に立って問題の処理に当りたいと考えている次第であります。
  41. 湯山勇

    湯山勇君 それじゃ、いつごろからお出しになるかということはまだきめてないわけですね。
  42. 河野通一

    政府委員河野通一君) 具体的にはっきりはまだきめておりません。
  43. 湯山勇

    湯山勇君 大体はどうですか。
  44. 河野通一

    政府委員河野通一君) すでに私どもは相当数量印刷製造をいたしておりますから、一年も二年も先に発行するための用意として印刷いたしておるのではないということははっきり申し上げられると思います。しかし、たとえば四月中に発行するとか、あるいは五月中に出すとかいう点につきましては、まだはっきりはきめておらない、こういうことであります。
  45. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 理財局長は、時にインフレになるんじゃないかという議論を聞くと、こういうお話ですけれども、去年の予算委員会でも、どなただったか忘れましたけれどもお話が出ました。相当やはり、一万円札を出すことはインフレに拍車をかけるんじゃないかという議論が相当なされてきたことは御承知だと思うんです。この間日銀総裁に伺いましたら、そういう議論もあるし、それからまた安定した時でなければならぬけれども、デノミネーションの主張についても相当考えなきゃならぬ、こういう御答弁がありました。一万円札——百円硬貨にしてもそうでありますが、これは相当政治的な問題になって、政治的な問題でなくとも、単なる技術的な問題ではない、インフレの刺激要素になるかならぬかということで、相当大きな問題でありますから、その点は理財局限りでいつか出すというのでなくて、もう少しやはり慎重に検討なり、政治的にこれは処理されるべきだと思うのでありますが、先ほどの答弁からすると、あまり慎重きがございませんから、もう少し慎重に研究考慮するということでなければならないと思いますが、どうですか。
  46. 河野通一

    政府委員河野通一君) できるだけ慎重に考えたいと思います。実はこの問題はもう今お話もありましたように、一年前からの問題であります。慎重に考えた結果、今日まで待ったような次第でございます。
  47. 湯山勇

    湯山勇君 次に、百円硬貨ですけれども、これは銀の需要が相当国内でもある模様なんで、聞くところによると、当初計画しておられたよりも品質の悪い百円銀貨を出すんじゃないかというようなうわさも聞いております。当初は日本としてもそういうようなものがほしい、りっぱな硬貨がほしいというような御意見もあって作られたかとも聞いておりますし、それから二千トンですかの銀塊の処理、こういうことですけれども、実際の生産面でこれの需要が相当あるし、今そういう質の悪い銀貨を作らなくても、私はこれはもっと待つべきじゃないかという意見を持っておりますが、その点いかがでしょうか。
  48. 河野通一

    政府委員河野通一君) 百円の銀貨がいいかどうかの問題はあとで申し上げますが、百円の補助貨といいますか、コインはぜひ作りたいと考えております。この点につきましては、いろいろな機会で申し上げております通り、すでに日本経済実情から申し上げますと、大体コインで——百円程度のものがコインであることは、もう経済取引からいって便宜の面が非常に多い——あらゆる人がすべて便宜とするかどうかは別といたしましても、便宜の面が非常に多いことは明らかであります。しかも日本全体の経済的かどうかという点から考えましても、今の百円の銀行券のコストと百円の硬貨のコストということを比較いたしますならば、その耐用年数と考えあわせて考えますならば、全く比較にならないほど経済的である。各国の例等をごらんいただきましても、また戦前におきます通貨の組み合せの状況等と比較してお考え願っても、今の日本経済実情からいっても、百円程度硬貨であることが高額に過ぎるということは万ないと確信いたしておる次第であります。  しからば百円をコインにするといたしました場合に、一体その素材は何がいいかという問題であります。外国の最近の例を見ますると、日本における百円程度の補助貨は大体銀は使っておらぬようです。最近はニッケルとかそういったものを使っておるものが多いようでありますが、わが国におきましては、やはり百円という硬貨は相当高額の補助貨ということに相なります。しかも一般の国民の気持からいいましても、やはり銀というものは非常に硬貨の重みをつける意味においても、非常にまだ愛着心が強いという点がございますので、できるだけ銀貨を使って参りたい。たまたま今御指摘がありましたが、接収金属の関係で約二千トン近くの銀がいずれは国のものと相なるべき性質のものがございます。これを活用して参るということは決して悪いことではないと考えております。  なお品位をどの程度にするかの点につきましては、まだ的確にきめておりません。きめておりませんが、その点は大ききをどの程度にするか、重さをどの程度にするかという問題と関連をいたして参ります。今の流通いたしておりまする五十円、十円の大きさ、重さ等とにらみ合せまして、これと見間違えることのないように、大きさ、重さを考えて参りたいと考えておりますが、大体今のところでは、品位は千分の五百以上にはしたいというふうに考えております。外国等の銀貨の例を見ましても、千分の五百というものはないわけじゃない、千分の五百程度銀貨がイギリスにもございますし、その他一、二の国にもその程度銀貨は流通を現にいたしておるような次第でございます。国内の一般の生産用の銀の需給は、今湯山さん御指摘のように、ここ最近は需給が必ずしもゆるやかではない。数年前までは輸出いたしておったわけでありますが、最近は輸出まではいかないばかりか、相当程度需要が強いということはございます。また世界的にも今銀は非常に需要が強い状態でございます。従いまして銀の需給が非常に緩和して、余っておるからこれを銀貨に使うのだという感覚では必ずしも考えておりません。しかし今のところで、この接収貴金属関係の銀を銀貨として使うことは、非常に生産用の銀の需給を不当に圧迫するというような事態までは来ておらぬというふうに私ども考えております。
  49. 湯山勇

    湯山勇君 最後に、この問題は、局長の言われたように、銀の需給の関係もありますし、それから銀の需要というのは、現在の状態では今後ますますふえると思います。しかし国内生産はもう大体見通しが立っておる。そこでそういうふうにすれば、採算を度外視して硬貨がつぶされるというような懸念、あるいはまた海外に流れ出る懸念、そういうことも皆無とは言えない。さらに、もう一つ大きい問題は、ミツマタ生産者に対する問題があると思うのです。時間がありませんから、私は今これには触れませんけれども、とにかくこの問題は、局長もずいぶん無理をされて、どうにかこうねじ伏せたような格好になりかかっておりますけれども、そういうことだけでは私は問題は解決しないと思う。そこでもう少しそれらの見通しを立てて慎重にされるべきだと思うのですが、一つ最後に、この点についての御答弁を願います。
  50. 河野通一

    政府委員河野通一君) 今御指摘のありましたような諸般の点を慎重に考えなければならぬという点は御説の通り考えます。私どもも従来もこれらの問題についての影響等を慎重に考えて参ったつもりでございますが、なお今後も、これらの点について支障のないように各般の点で配慮いたしたい、こういうふうに考えております。
  51. 湯山勇

    湯山勇君 さつきの答弁の残りを、主税局長、わかったら一つお願いします。
  52. 吉国二郎

    説明員(吉国二郎君) 私からお答え申し上げます。先ほどの御質問は、重油になぜ消費税をかけないかという御質問だと思いますが、重油並びに原油につきましては、御承知のように、現在、低度の関税はかかっております。そのほかに国内消費税といたしましては、国税におきまする揮発油税地方道路税を合計いたしまして、ガソリン税を課しております。それから軽油に対しましては、昨年から地方税で一キロリットル当り六千円の軽油引取税を課しておるわけでございます。この三つの税の意味は、主として道路税に充当するという意味がございますので、自動車の使用する炭化水素油ということで、ガソリンと軽油ということにいたしております。ディーゼル・エンジンを用いております大型自動車については、軽油引取税を課するということにいたしておるわけであります。従来は、昭和三十一年度までは軽油引取税を課税いたしておりませんでしたので、地方税におきましては、自動車税を、ディーゼル・エンジンの自動車につきましては、普通のガソリン・エンジンの自動車より高くいたしておりましたが、昨年の改正で軽油引取税を課税いたしまして、そのかわりに自動車税の方は普通並みに引き下げるということで、現在は自動車用の炭化水素油には国内消費税をかけるという形になっておるわけであります。従いまして重油は現在自動車で使っておりませんので、国内消費税はかけていないということになっております。
  53. 湯山勇

    湯山勇君 いや、私は額のバランスのことを申し上げているのではなくて、さっきの御答弁でもありましたように、揮発油税というのは目的税というような形をとっておる、とすればそのほかの同種のものについても、そういう性格のものでなければおかしいのではないか、ということを申し上げておるのです。
  54. 吉国二郎

    説明員(吉国二郎君) 地方税軽油引取税道路整備の目的税になっております。道路整備費に充当しなければならないということで、同じく目的税の形で課税するわけでございます。
  55. 海野三朗

    担当委員外委員(海野三朗君) 私の伺いたいのは、この原油それから重油を輸入するときに関税がきまっているのでしょう、ちゃんと関税を幾ら幾らかけるということは、それを今まで特別措置法でいって、昭和二十六年以来かけないできておるわけです。金額が相当の額に上っているのじゃないかと私は思うので、これを特別措置法でやるくらいならば、大体国法をもって税を下げてやったらいいじゃないかと思う。特別措置でことし一年だけ関税を一割免税にするという措置を二十六年以来大蔵委員会でずっとこれをやっている。そういうふうなあり方が私は正しくないのじゃないかと思う。どうなんですか、そういうことに対しての御意見は。
  56. 原純夫

    政府委員(原純夫君) お話は原油、重油に対する関税の暫定的減税の点になると思うのでありますが、これは暫定減税でございますから、すべてが正常化いたしますれば、これをフルに取るということに相成るべきだと思うのでありますが、今回は、御案内通り昨年以来大へんスエズを中心とする国際的な状況が変って参りまして、輸入の原価が相当高くなるというような状態に相なっております。そういう際に、関税をフルに取るというのはいかがであろうかというわけで、しばらく現状通りで参りたいということにいたしましたので、お話の御趣旨は、大きな方向としてはまさにその通りと思いますが、今回のところは、もう一年これでいくということにお認め願うということで定率法の改正について先般来お願いし、御承認願ったという次第でございます。
  57. 海野三朗

    担当委員外委員(海野三朗君) それをそういうようなことし一年だけというような弥縫策でなしに、はっきりと関税をきめておやりになるのがほんとうじゃないか。二十六年以来毎年一年だけ一割関税を安くする、その額は大したものなんです。私がある年についてみるというと、年に六、七十億の収入になる。またことし一年だけ免税する、そういうようなこそくな手段を用いないで、国法をもってちゃんとそう下げたらいいのじゃないかと私は思う。これに対してはどうなんですか。
  58. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 建前の問題としては、まことにおっしやるところはごもっともな御意見だと思います。ただ大へん言いわけめいて恐縮でありますが、戦後日本経済が非常にアブノーマルな条件の中からだんだん立ち直って参った。同様な問題が主要食糧あるいは大豆その他の農産物系統でも一連の問題としてあったわけでございます。そのうち大豆のようなものは、昨年秋からでございましたか、整理されて、本法の税率によって取るということに相なっておりますが、主要食糧の系統ではまだそういうことになっていない。ここには単なる関税問題を離れた問題もあると思いますが、その他一連のそういう問題が、いわば戦後非常にアブノーマルな状態のもとで日本経済が立ち直り、その間、関税の方もにわかに本法できちんときめた通りにいかない状態でやってきておりますのが、ただいま年を追うてだんだん正常化していくというときでございますので、お話の方向はまことにごもっともなそうあるべき方向だと思いますけれども経済の正常化に合わしてその方向に調整を極力すみやかにやるということで私どもおりますので、御了承いただきたいと思う次第でございます。
  59. 横川正市

    ○横川正市君 私は最初に、これは現在の取扱いをされておりますままの答弁をいただきたいと思うのでありますが、それは、郵便局の窓口に預け入れられた郵便貯金、あるいはその他の預金額が、銀行の手を経て、そうして運用部まで待ち込まれる間の取扱いをしております総体の金額に対して、これはまあ取り扱ってくれているから、実は郵政省の方から、貯金特別会計からある程度手数料を出す、こういうことになるのか。取り扱っているけれども、運用の中である程度の利子をかせぐということもあるから、これは無料にするのか、あるいは部分的にその点を計算して幾らかの利子を補給するとか、こういういろいろな取扱いの方法があろうかと思いますけれども、現在はどういう形で取り扱われておるか、その点を一つお聞きしたいと思います。
  60. 河野通一

    政府委員河野通一君) 銀行へですか……。
  61. 横川正市

    ○横川正市君 郵便局の窓口から日計をして、その日の取扱い金額を運用部資金、銀行へ待っていくわけですね、窓口の預かった金を。その預金総額。
  62. 河野通一

    政府委員河野通一君) お尋ねの点は、私、はっきり事柄を存じておりませんから、至急今電話で調べさした上で、お答えできればお答えいたします。もしわかりませんでしたら、後刻……。
  63. 横川正市

    ○横川正市君 今のやつはあとで聞くことにいたします。  もう一点、これは給与関係の問題なんですが、今度の新体系では、格づけ基準も、それから級別区分もまだできておらない。そうなりますと、昇給原資の予算額の中で、この格づけ基準、それから級別区分がどういうふうにきまるかによって、その予算額は私は変動するのじゃないかと思うのですが、その点はどういうことなんですか。
  64. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 今回の給与法改正法案は、原則として今の格づけを大体横すべりをきせるというのが原則で考えられております。ただし、現行法では、昇給期間が六カ月のところが多かったわけでございます。その点は、事務簡素化の観点から、一年ということにいたしました関係上、年間の手取りを——六カ月ずつ二回昇給する場合と、一年で一回昇給する場合の年間の手取りをひとしくする必要があるわけでございまして、その意味で、単純なる横すべりでなくて、少し上げておるわけでございます。たとえば、高等学校卒業は現行五千九百円の初任給でございますが、今のような点を考慮いたしまして、六千円にいたしておる。ほかのところも大体これに準じて考えておりまして、もちろん新号俸が制定されました後に、正式には人事院がきめるわけでございますけれども予算の積算に際しましては、横すべりでそういう昇給期間の関係上の不利はなくするということで積算をいたしておりますので、今の法律をお通しいただきました暁におきまして、原資が不足するというようなことはない、きょうな考え方をいたしております。もっとも、横すべりと申しましても、新制大学と短期大学、これは高等学校卒業生とのバランスを考えまして、初任給を実質的に若干引き上げていることをつけ加えて申し上げたいと思います。
  65. 横川正市

    ○横川正市君 私は、今度の給与改善に伴う支出経費と、それから三十二年度の昇給原資というのが、これが三十一年度同額の四%ということできめられて、この各省庁ともに四%というふうにきめられているということは、非常に不合理があるのじゃないかと思うのです。ことに、職員構成が各省庁ともに違うわけでありますから、そういうような違う省庁の実態に合せて昇給原資というものはきめられてこなければならないのじゃないか、こう思うのでありますが、四%一律にした考え方について、お聞きしたいと思います。
  66. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 四%は原則でございまして、四%にいたしました理由でございますが、これが定員定額制に漸次移行して参りたい、その過渡的な一つ段階として五%から四・五%、さらに四%というような考え方で四%に来ているわけでございます。しかし、これは原則でございまして、各省庁によりまして、職員構成が非常に違います。たとえば、従来の例で申し上げますと、昇給期間六カ月に該当する職員の数が多いような官庁、たとえば国税庁とか労働省ですか、こういうところは、四%ではとうていおさまり切れないわけでございます。そこで、予算の積算に際しましては、そういう年令別職員の構成を十分考慮に入れまして、そういうところは必ずしも四%でないように積算をいたしているわけでございます。従いまして、平均が四%より若干上回った昇給原資になっているという次第でございます。
  67. 横川正市

    ○横川正市君 実は格づけ基準と級別区分が新しい方針がきまっておらないということで——非常に私は聞きづらいのでありますが、三十二年度の昇給原資は四%である、それから、今度の俸給体系の中に画然として出ております職階制の等級区分というものが明確になって参りましたから、そういうことになりますと、昇給月の延びと、それから昇格の基準が厳格になったということで、三十三年度の昇給原資というものは、その意味で私はずいぶん縮小されるのではないかと思いますが、三十三年度についてのお考えを伺いたい。
  68. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 先ほど申し上げましたように、定員定額制ということから申しますと、逐次昇給原資を縮減していくべき性質のものでございますが、これは二十九年度から実はやったのですけれども、しかし、どうも最近の実情から申し上げますと、新陳代謝が私どもが予期したように十分に行われなかった、そこで、この五%を四・五にし、あるいは四にし、それを三・五にするということがちょっとむずかしいのじゃないかというような考え方から、本年度は実は四%に据え置いているわけでございます。来年度、どういう状態になりますか、まだ今からはっきりしたお約束はできないのでございますが、昨年度、本年度のような新陣代謝の状況でございますれば、さらに、これを一挙にと申しますか、漸進的にせよ、来年度さらに四%を下げていくということは、あるいは困難ではないかというふうにも考えているわけでございまして、もう少し各省における人事の実情検討した上で結論を出したいと思っておりますが、あまりここでそう無理を押すつもりは目下のところはございません。
  69. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、これは人事院の分野ですから、大蔵省の分野と少し私は違ってくると思うのでありますが、今の制度でいけば、通し号俸の中で、たとえば係長にならなくても係長と同額の給与という人もいるわけです。これは大蔵省の中にもいるわけですね。新制度でいきますと、その点が実は現行通りにやりたいのだ、こういう意思を待っているようですが、しかしそれを格づけと級別区分との中に明確に書かれるかどうかということになりますと、私は方針からいって、七等級に分けたあの体系から無理ではないか、こういうふうに考えるのです。そのために大体五等級、六等級、七等級は通し号俸にしたらどうか、ことに下級職員で生活給を相当多く見ないと、学歴その他から押えると生活が成り立たないような下級職員の場合は五、六、七、これはそのままでどうか、ここに十八カ月、一年という昇級期間が七等級の末端から出てくる、こういうことは非常に七等級に、低位に格づけられた者が六等級に行けないという悲運を職階上受けて、さらに昇給は何カ月も延びていくという結果にならぬかという心配を実はしているわけで、そういう格づけ基準が明確に出ておりませんので、はっきりしたことは私は数字上もなかなか出ないのだと思うのでありますが、大体この四%になっておるということ自体が、実は各省でもって非常に運用上不合理になってきている。ことに昇給制度というのは、これは給与法の八条に書いてあるように、欠格条項として、長期欠勤者であるとか、あるいは行政処分者であるとかいう部分の、ほんの限られた人に限って昇給廷伸というのがあるのだけれども、それは給与法の建前からいえば、そういうふうになっておるのだが、実際には七割昇給とか七割五分昇給というようなやつがやられている、こういうことになりますと、これは明らかに欠格条項拡大、こういう問題が出てくるわけであります。そういう点からいきますと、四%というのは事実上今原資的に見て少い、こういう省があるのじゃないだろうか、こう私たちは考えておるわけでありますが、その面からの不合理がまず第一点。  もう一つは、この四%がさらに三十三年度でこれは三%になるとか、あるいは三・五%になるとか、縮少されていくという、こういうことは、結果的に一号俸直近上位に格づけして、一応給与改善として、もらった金は多かったけれども、三年ないし五年後には、いわゆる昇給制度の問題から、現行体系がよくなるという結果にならないか、こういうことになると、これは私は給与改善だからという建前に立っての今度の方法なんだという趣旨には合致するけれども一般物価上昇その他の勘案からすると、決してそれは満足すべき結果じゃない、こう思っておるわけであります。その点で一体来年度の昇給原資というのはどうなるのか、これは非常に重大問題だと思うのでありますが、一つおわかりになっておれば、その点をお答え願いたいと思います。
  70. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 来年度の昇給原資を幾らにするか、先ほど申し上げましたように、今からはっきり申し上げるわけにいかないのでありますが、定員定額制を強化するという建前からいえば、これは逐減していくべきものでございますけれども、本年度は新陳代謝の状況その他を考えて、ここでもう一押しすることはちょっと無理ではないかということで据え置いておる。その四%も各省の人員構成の実情に応じて、あまり無理にわたらないように調整をいたしておるということを申し上げたわけでございまして、来年度予算の編成に際しましても、実情はともあれ、定員定額制に一路邁進する、さような窮屈な考え方はいたしておりませんので、その辺はもうしばらく私ども検討の結果におゆだねいただきたいと思います。  それから新給与体系でいった場合に、先々不利になるのじゃないかというようなお尋ねでございますが、私ども、その点いろいろ組合方面から疑問が提示されましたので、具体的な実例につきまして実は検討をいたしましたが、現行制度の最も甘い運用と、新給与体系の最も辛い運用ですか、それを比べましても、お説のように三年、四年後に新給与体系が不利になるということは、私どもとしてはちょっと思い当らないわけであります。まあ十年先にどうなるかという、その辺までの見当はまだいたしておりませんが、理屈から申しますと、現在頭打ちが非常に多くなるような給与体系、これを運用で若干緩和しておる、緩和したような形で今度の給与体系はもっていっているわけですから、その面からいって、決して悪くなるはずがないわけであります。万一八年後、十年後にまた頭打ちが起ってくるという実情になりますれば、これはまたそのときの実情によって考えなければならぬ問題でございまして、そういう運用の面には、私どもといたしましても十分配慮する用意を持っております。
  71. 横川正市

    ○横川正市君 実は、これはここでやってもあまり合致しない問題かもしれませんが、要は、今の主計局長の言っております問題の解決は、これはやはり格づけ基準と級別区分がどういうふうに作られるかということにかかってくるわけです。結局運用上ある程度の幅が、たとえば級別定数なんかの配算等についても、現行を堅持するとか、あるいは格づけについては、現行のいわば頭打ちを是正する程度の緩和策を設けるとかいうようなものが新しく作られてくると、私は今言った結果が出てくるのじゃないかと思うのです。しかし給与体系そのものが通し号俸から離れて、七等級に分類されて、そしてその各等級の職務区分というものが明確に下級、上級、それから係長、こういうふうに区分してくると、格づけ基準というのは非常にむずかしい表現方法になってくると思うのです。そういう点が私たちは非常に今度の等級の反対をする大きな理由なんですが、そういう意味で、実はここでこれ以上の質問をいたしませんが、ことにきょうは大体話し合いが、結論がつきそうですから、その結論を待って、ということになろうかと思いますが、ぜひ、現行よりか悪くなるというような昇給制度あるいは昇給予算、これにはならないように、ことに定員定額にかりにしていっても、昇給そのものはそう私は減らない、ことに欠員補充を保留して昇給原資に回すというようなそういうことは、しかも、それをやっても七割が七割五分しかない、そういう不合理はぜひなくするように努力していただきたい、こういうことを要望しておきます。
  72. 小林武治

    主査小林武治君) それではよろしゅうございますか。
  73. 海野三朗

    担当委員外委員(海野三朗君) 過日、予算委員会にも私が申しておきましたが、公務員給与法ですね、こういうものを見ると、技術者と事務系統の方とが格段の差があるのですね。これに対しては、なおまた後日詳しく論じたいと思うのですが、そういうことに対しては、つまり大蔵省がどういうふうに考えていらっしゃるか、はっきりしているのです。大学を出て技術官でいったのと、事務官でいったのとは、十年たつというと、現行法によっては四千五百円の差がある。さらに十年たつと一万円の差になってくる。ところが、改正法案によると、十年たって今度は五千円の差になる。なお悪くなるのです。技術官は全部低くなる、そういうことはよくお考えになっておるかどうか、ちょっと主計局長にお伺いしたい。
  74. 森永貞一郎

    政府委員森永貞一郎君) 現行の俸給表では一本になっておりましたので、たとえば技術官は課長とか局長、次長等のポストがなければなかなか上に進まぬ、そこで一般行政職の俸給表を適用するのは、その意味で少し技術官に対してお気の毒ではないか、そこでそういうポストのいかんにかかわらず、ある程度の昇給がずっと円滑にいくようにという趣旨で、実は研究職俸給表とか、技能職俸給表といったようなものを設けた次第でございまして、私ども考えといたしましては、格にとらわれない技術者としての合理的な俸給表を実は作ったつもりで、その意味ではむしろ現行制度の改善になっていると考えているわけでございます。先般も予算委員会で何年たつと不利になるというお話がございました。私ちょっとふに落ちないのでございますが、もう一度少し、あるいはこの席外でもどういう場合の例をおあげになっているのか、お話よく承わりたいと思っておったところでございます。私どものつもりとしては、決して研究者を虐待するというつもりはなくて、むしろその逆に考えておるわけでございますから、その趣旨一つ了承されたいと思います。
  75. 海野三朗

    担当委員外委員(海野三朗君) どうかそこを一つ研究を願いたい。ところが法文上から見ると、まことにうまく行っておるようであるけれども、これは実際問題に当てはめてみますと、それははっきり出てきます。これはもうよく研究した結果申し上げるので、私はこれはどうしたってもう一度考え直していただかねばならないと思っておる事柄でありますから、一つ御研究を願います。
  76. 小林武治

    主査小林武治君) それでは、ただいまにて第四分科会の付託議題の審査は、全部一応終了いたしました。別に御発言もなければ、これにて本分科会の審査は終了することとし、審査報告書の作成及び本委員会への報告の内容等については、主査に御一任願いたいと存じますが、いずれもきょう決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 小林武治

    主査小林武治君) 御異議ないものと認めます。  それではこれにて散会いたします。    午前十一時二十二分散会