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1957-03-07 第26回国会 参議院 予算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月七日(木曜日)    午前十時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     苫米地義三君    理事            迫水 久常君            左藤 義詮君            堀木 鎌三君            安井  謙君            吉田 萬次君            天田 勝正君            吉田 法晴君            森 八三一君    委員            石坂 豊一君            小林 武治君            小山邦太郎君            高橋進太郎君            土田國太郎君            苫米地英俊君            野本 品吉君            林田 正治君            一松 定吉君            前田佳都男君            海野 三朗君            小林 孝平君            佐多 忠隆君            松浦 清一君            加賀山之雄君            八木 幸吉君   政府委員    運輸大臣官房長 朝田 靜夫君    運輸大臣官房会    計課長     佐藤 光夫君    運輸省海運局長 粟澤 一男君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  細田 吉藏君    海上保安庁長官 島居辰次郎君   事務局側    常任委員会専門    員       正木 千冬君   説明員    日本国有鉄道経    理局長     久保 亀夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十二年度一般会計予算内閣  送付予備審査) ○昭和三十二年度特別会計予算内閣  送付予備審査) ○昭和三十二年度政府関係機関予算  (内閣送付予備審査) ○昭和三十一年度一般会計予算補正  (第1号)(内閣送付予備審査) ○昭和三十一年度特別会計予算補正  (特第1号)(内閣送付予備審  査)   —————————————
  2. 苫米地義三

    委員長苫米地義三君) ただいまから委員会を開会いたします。  昭和三十二年度一般会計予算  昭和三十二年度特別会計予算  昭和三十二年度政府関係機関予算  昭和三十一年度一般会計予算補正  (第1号)  昭和三十一年度特別会計予算補正  (特第1号)を議題といたします。  まず、運輸省当局及び日本国有鉄道当局から、所管別予算説明をお願いしたいと思います。
  3. 朝田靜夫

    政府委員朝田靜夫君) それでは私から昭和三十二年度運輸省予算につきまして御説明を申し上げます。  お配りいたしております「昭和三十二年度予算重要事項概要」というのがございますが、これに基きまして御説明をいたします。  まず、歳入予算でございますが、その資料歳入関係は載っておりませんので、御容赦願いたいと思うのでありますが、三十二年度の運輸省主管歳入予算総額は十三億三千二十六万四千円でございまして、前年度の予算額に比較いたしますと、六億九千二百四十万二千円の増加になっておるのでございます。このおもな理由は、三十二年度におきましては、日本国有鉄道に対しまする政府貸付金の一部を償還させるのを見込みまして、それが六億五千二百三十六万三千円であります。従いまして、この歳入の一番大きなものは、今申しました国有鉄道に対する政府貸付金の一部償還でございます。  三十二年度の運輸省所管予算計上いたしました総額は、そこにお配りいたしておりまする重要事項その他を含めまして、総額三百五十三億三千六百二十一万二千円でありまして、これを前年度の予算額の二百四十四億四千百五十四万五千円に比較いたしますと、八億九千四百六十六万七千円の増加となっておるのでございます。このほかに、他省所管計上されておりますもので、当省に関係がありますものといたしまして、北海道港湾事業費北海道空港整備事業費等三十億二千五百六十三万九千円がございます。  これからお配りいたしておりまする資料に基きまして、歳出予算のおもな点について御説明を申し上げます。  まず、第一ページのところでありますが、国際収支改善を目的といたしました施策に関連した経費でございますが、第一に、国際観光事業振興に必要な経費といたしまして一億五千万円を計上いたしておるのでございます。これは前年度の予算額に比べますと、七千万円の増額になっております。海外からの観光客は年々増加の一途をたどっておりますが、さらにこの外客を誘致いたしまして、これによりまする外貨の増収をはかることがきわめて必要と考えられますので、三十二年度におきましては、財団法人国際観光協会に対しまする補助金を大幅に増額いたしまして、同時に観光事業振興に必要な諸調査実施いたしまして、わが国国際観光事業の飛躍的な進展をはかろうとするものでございます。  第二には、そこにあります日本航空株式会社出資でありますが、国際航空事業に対する助成措置につきましては、そこにあげておりまするように、大蔵省所管でございますが、産業投資特別会計中に、前年度と同額の十億円が計上されております。国際航空事業振興につきましては、各国とも積極的な助成策をとっておるのにかんがみまして、日本航空株式会社に対しまして、昭和二十八年度以来、四カ年にわたりまして四十億円の政府出資をして参ったのでございますが、さらに健全な発展をはかりますために、昭和三十二年度におきましても十億円の政府出資をいたしたいと考えておるのでございます。なお、日本航空株式会社に対しまする補助金は、同社の最近の営業状態が非常に好転をいたしました事情から、三十二年度におきましては補助金は打ち切るという方針でございますが、ただ日本航空に対しまする融資円滑化をはかりますために、社債の政府保証は三十二年も行いたいと存じておるのでございます。  第三番目はそこにありますように、船舶車両等輸出振興に必要な経費でございます。これは船舶用機関車両及びこれらの部品の輸出増進をはかりますために、関係団体が行いまする海外市場の開拓あるいは維持のための諸施策に要する経費の一部を補助しようというものでありまして、通産省の所管になっておりまする貿易振興費の中に含まれて計上されておるのでございます。  以上、申し上げましたことは、国際収支改善に関する経費でございますが、これに関連いたしまして、外航船舶建造融資利子補給につきまして、一言つけ加えたいと思うのでございます。御承知のように、目下のところ海運界は好況に恵まれておりまして、従って海運会社経理内容は好転いたしております。そこで第十三次の計画造船につきましては、こういう事情からいたしまして、利子補給を行わないということにいたしましたほかに、今まで契約をいたしておりまする第十二次船以前の分につきましても、この利子補給を円満に金融機関船主等の方から辞退していただくように措置いたす方針でございます。しかしながら、海運国際競争力の保持ということにつきましては、きわめて重要な問題でございますので、将来もし海運界が不況に陥りますような際には、また利子補給を行うようにいたしたいという方針でございます。また、わが国経済規模の拡大に即応いたしまして、貿易振興国際収支の均衡をはかりますためには、引き続き積極的に外航船舶の拡充をばかることが必要と考えられますので、計画造船のための日本開発銀行からの融資につきましては、これを重点的に拡充いたしまして、そこに書いてありますように、百八十億をこれに充てることといたしておるのでございますが、さらに開発銀行予備ワクの中から二十億円を加えまして、合計二百億円を融資いたそうということに考えておりまして、約四十万総トンの計画建造を遂行いたしたいと考えておるのでございます。  次に、輸送力整備に関する経費について申し上げますと、三ページの第四番目に港湾整備という項がございますが、港湾整備に要する経費といたしまして、運輸省所管に八十六億三千五百九十六万五千円を計上いたしておりますが、このほかに総理府所管に、北海道港湾事業費の十一億六千六百五十万円が計上されております。また労働省所管特別失業対策事業費のうちに四億五千七百万円が港湾事業に充てられることとされておりますので、そこにあげておりますように、昭和三十二年度の港湾整備のための経費は、総額百二億五千九百四十六万五千円となります。従いまして、前年度に比べますと約二十七億円の増加になっておるのでございます。港湾整備事業内容といたしましては、外国貿易港、工業原材料輸送、特に石油輸入関係あります港湾、最近の船舶大型化に即応いたしまして、関係港湾施設整備するということ、あるいはまた地方中小港湾離島、僻地の港湾及び避難港の整備海岸保全事業港湾災害復旧事業等がおもなものでございます。かく申し上げましたその内容に応じてそこに計上をいたしておりますような額になっておるのでございます。  第五番目に、四ページの第五というところに、離島航路整備補助という経費、五千五十四万三千円を計上いたしておりますが、これは離島航路整備法に基きまして、民生の安定と向上をはかりますために、国が特に維持を必要と認めまする離島航路事業航路補助金を交付するに要する経費と、もう一つは、離島航路用船舶建造あるいは改造資金融資に対しまして利子補給を行うための経費であります。なお、三十二年度におきまして締結いたしまする新規利子補給契約限度額は二千万円といたしたいと考えておるのでございます。  その次の第六でありますが、地方鉄道軌道整備補助に必要な経費といたしまして、二千五十二万円を計上いたしておりますが、これは地方鉄道軌道整備法によりまして、天然資源開発等のために特に重要な新線及びその運輸が継続されなければ、国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある老朽線に対しまして補助金を交付するに必要な経費でございます。  第七番目には、高速自動車道整備計画樹立のための調査に要する経費といたしまして五百万一千円を計上いたしております。高速自動車道建設は、御承知のように多額の経費を要するものでありまするし、かつ陸上輸送体系の根本的な改革をもたらすものでありまして、その整備計画樹立に当りましては、十分な経済調査あるいは交通調査を行わなければならないと考えられますので、昭和三十二年度におきましては、高速自動車道に関する経済調査東京——神戸間につきまして実施しようとするものでありまして、これに関する経費が五百万円ということであります。  その次は、第八の空港整備でございますが、運輸省所管に六億一千二万円を計上いたしておりまして、そのほかに総理府所管北海道空港整備事業費といたしまして一億二百五十万四千円が計上されております。従いまして、そこにあげておりますような総額七億一千二百五十二万四千円となるわけであります。前年度に比べますというと、約五億五千万円の増加となっております。昭和三十二年度の事業といたしまして、東京国際空港整備ということを取り上げておりまして、昭和三十五年度よりのジェット輸送機の就航に即応するためには、現在の東京国際空港を拡張いたさねばならないのでありまして、一万フィートの滑走路新設工事に着手することといたしました。その次のローカル空港整備は、三十一年度に着工いたしました稚内、高松、大村、熊本、鹿児島の五空港整備を引き続き進めますとともに、新しく釧路、函館、広島、松山、高知の  五つの空港新規に着工いたしたいと考えておるのでございます。  次に交通安全確保災害防止の問題に関する経費でございますが、六ページの第九番目に、自動車検査施設整備というものがございますが、これが四千二十八万三千円を計上いたしております。これは最近における自動車の数が非常に激増いたしまして、これに対処いたしますために、所要の地に車検場新設いたしますとともに、既設の車検場におきます検査合理化能率化をはかりますために、機械器具等を充足整備するに必要な経費でございます。  第十番目の海上保安態勢整備でございますが、これの経費といたしまして七億四千八百四十五万三千円を計上いたしております。これは海難救助海上犯罪の捜査の態勢を強化いたしますために、巡視船あるいは巡視艇の増強、あるいは航空機及び諸施設整備のための経費でありまして、海上航行の安全と能率化をはかりますために、さらに水路業務灯台業務を強化するに要する経費を合せて七億四千八百四十五万三千円となっておるのであります。このうちにおきまして、おもなものといたしましては、巡視船艇代替建造であります。これが二億三千二百七十五万八千円でございます。航空機、これはベルのヘリコプター一機を増強いたしまする経費といたしまして、二千五百九十三万三千円であります。その次の灯台航路標識整備といたしまして、四億二千八百六十六万六千円でございます。  その次の第十一番目の気象業務整備に要する経費といたしまして三億六百十二万四千円を計上いたしております。これは気象観測、通信、予報体制を強化いたしまして、その的確化迅速化をはかりまして、災害防止産業発展国民福利増進に資しようということでありまして、これに必要な経費でございますが、そのおもなものを申し上げますというと、無線模写放送実施に要する経費といたしまして五千三百三十六万三千円、東京に中央の送信をするところがありまして、地方気象台に天気図がそのまま無線で出てくるという施設でございます。その次は、水理水害気象業務整備に要する経費といたしまして、合せまして一億二千二百八十五万七千円、測候所の新設、これは北海道の広尾でありますが、これに要する経費といたしまして一千四十七万円等であります。なおこのほかに、数値予報実施に必要な電子計算機借入契約をあらかじめ締結いたしますために、国庫債務負担行為といたしまして二億円を計上いたしているのでございます。  次に、十二番目の科学技術振興でございますが、これに要する経費といたしまして一億四千四百六十五万八千円を計上いたしております。これは運輸関係科学技術向上振興をはかりますために必要な経費でありまして、直轄の研究所であります運輸技術研究所及び気象研究所整備に要する経費、それから原子力の利用に必要な経費原子力船の基礎的な研究とラジオ・アイソトープの運輸技術に活用していきますその経費でございますが、そういう経費と、それから民間の科学技術研究促進、奨励するために、企業合理化促進法に基きまして科学研究補助金を交付しようという、その経費等がおもな内容になっているのでございます。  一番最後に、第十三番目といたしまして、船員教育充実に必要な経費といたしまして一億五千八百三十四万一千円を計上いたしておりますが、これは船員教育重要性にかんがみまして、その充実をはかろうというものであります。その内容は、そこにありますように海技専門学院、これは船員の再教育機関であります、運輸省所管教育機関でありますが、海技専門学院航海訓練所、それから初級船員を養成いたしますところの海員学校におきます施設整備に必要な経費、それと最後にございます小型船舶職員の養成に対します補助金の交付に必要な経費といたしまして百八十九万円、こういうものを計上いたしているのでございます。  以上が大略運輸省予算の中の重要事項概要について御説明を申し上げたわけであります。
  4. 天田勝正

    天田勝正君 伺いますが、一番最初に歳入説明があったわけですが、表がないから全部覚え切れませんが、十三億何がし、こういう数字をあげておられて、しかもこの額は昨年よりも六億九千万円ほど増加しているということでしたが、これは歳出とちゃんとバランスがとれて、きちんと見合っているのですか、この数字は。なぜかというと、歳出の方を合計すればとても十三億やそこらではない。かりに他省所管の分を差し引いても多いと思いますが、どういうことですか、この数字は。
  5. 朝田靜夫

    政府委員朝田靜夫君) お答え申し上げますが、これは運輸省所管歳入だけでございまして、一般大蔵省等におきます税収入その他については、これに計上をいたしておりませんので、従いまして全体の歳入歳出の見合いは、全般の予算関係で、運輸省の方に関係のありまする歳入だけをここに先ほど申し上げたわけであります。
  6. 天田勝正

    天田勝正君 それがわかったようなわからないようなんで、運輸省所管だけの収入というのは、運輸省が独自の収入があるのですか、そういうことはないでしょう、結局大蔵省から一応国庫に入ったものを、また歳入として配分されておるものでしょう、どういうことなのか。たとえば歳出の方を見れば、港湾整備費だけで百二億と、こういう数字があがっておるのですよ。見合ったことでとにかく説明してもらいたいのだな。
  7. 朝田靜夫

    政府委員朝田靜夫君) お答えいたします。一般会計歳入歳出予算につきましては、全体として一兆一千三百七十四億六千四百八十八万円でございますから……。
  8. 天田勝正

    天田勝正君 説明中ですが、ちょっと待って下さい。とんと私の質問の趣旨を了解していないようなんです。全体のワクだなどはほとんど今もう暗記しておることなんだから、そういうことでなく、この歳出を見れば、かりに港湾整備費という、こういう項目は、これは他省所管ではございませんでしょう。当然これは運輸省所管でございましょう。そうするとこれだってもう百二億ある。ところがさらにまた空港整備、こういうものも決してこれは他省所管ではないはずです。しからばこれだけでも七億ある。この二つだけ見てみても、当然百十億もここにすぐ浮んでくるのに、歳入の方は一体十三億何がしだという説明はどういうのかと、ところがこれは運輸省歳入だけのことを言っておるのだと言うから、国庫歳入のうちに、一体大蔵省がそれとは別に独自の、一体歳入というものがあり得るのかどうか。私は国庫に全部一応集中すべきものだと思うのですが、そうならば十三億でなくて、これはもっと大きくならなければ、運輸省所管として歳出ができないのではないか、こう考えるから説明を求めておるのであって、全体の国家予算のことはここで申さなくてもよろしい。
  9. 朝田靜夫

    政府委員朝田靜夫君) 運輸省所管歳入は先ほど申し上げました数字になっておりまして、全体の歳入の中から歳出予算が組まれるわけでございます。ただ運輸省関係歳入だけを申し上げたわけでございます。
  10. 天田勝正

    天田勝正君 おかしいね。だって十三億の歳入で、今言うように港湾整備費だとかそういうものだけでもって百何億あるのに、十三億から百何億があんた支出できますか、できないでしょう。(安井謙君「それはとんとんにならぬでもいいのだよ収入支出は」と述ぶ)どうして、とんとんにならなければ歳入歳出バランスをとりようがない。必ずどこかでバランスをとる。どこの予算だってそうだよ。
  11. 朝田靜夫

    政府委員朝田靜夫君) お答えいたします。先ほど御説明いたしましたように十三億三千二十六万四千円のうちで、一番大きなものは、先ほど申し上げましたように日本国有鉄道に対しまする政府貸付金の一部償還であります。それからその次におもなものといたしましては、飛行場及び保安施設使用料収入、これが前年に比べまして五千六百九十二万五千円の増加になっております。これが航空機増加あるいは国際線用の機種の大型化あるいはローカル航空整備によるものであります。そのほかに歳入として計上いたしておりますおもなものは、地方海運局あるいは港湾建設局等におきまする土地、倉庫、上屋あるいはドレッジャー、浚渫船などの貸付の代価として徴収する国有財産関係収入であります。そのほかに国有鉄道に対しまする貸付金利子収入海技専門学院あるいは航空大学校の授業料とか、あるいは入学検定料というものがあります。このほかには気象測器の検定手数料気象のいろいろな計器の検定をいたしまする手数料、あるいは水路部水路図誌売却代金、こういったものを合せまして十三億三千二十六万四千円になっておるのでございます。
  12. 天田勝正

    天田勝正君 この飛行場保安施設等貸付料ですが、これが五千六百九十二万五千円というのは、これは前年より増とおっしゃいましたね。前年より増の分だけがこれで、全体としては幾らですか。
  13. 朝田靜夫

    政府委員朝田靜夫君) お答えいたします。全体の額は七千九百八十八万五千円、それで昨年度と比べまして増加が五千六百九十二万五千円……。
  14. 苫米地義三

    委員長苫米地義三君) 天田君、ようございますか……。
  15. 左藤義詮

    左藤義詮君 ちょっとお尋ねしますが、海上保安体制整備予算ですが、宗谷がこの間非常にわれわれから見ると、米国やソ連に比べて貧弱な装備で、苦労をしたのですが、これを次の本観測にはどんなことにするか、そんなことについては何も計画がないのですか。
  16. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) それではお答えいたします。先般、宗谷につきましては、いろいろ国民の皆様に御心配をかけたようなわけでございますが、あのとき国会で、南の風の方が吹いてくれば割れ目もできるというようなことで申し上げておいたのでありますが、長くずっと東の風が吹きまして、あいにく南の風がなかなか吹かなかったようなわけで、非常に困難したようでありますが、ちょうど出るころには東南東の風が吹きまして、うまく割れ目やゆるみもできまして、宗谷もある程度、四マイルばかりも氷を割って出てきたようなわけであります。そこで宗谷の例の一メーターという砕氷能力でございますが、これは一昨年の当時、南極の氷がかくかくであるから、かくかくの砕氷能力で十分だというふうに立てられたものではないのでありまして、当時の状況から、日本には二隻ばかりしか持っていくような船がなかった。その一隻の宗谷がそれに割り当てられたのでございまして、一メーター砕氷能力というものは、そういう船の全体の大きさ、従ってまたその馬力、そういうものから出たわけでございます。そこで一般にもいわれておりますように、南極というはものは、なかなか一年や二年行ったって事情がわかるものでないというようなことも、その筋の関係者の方々から言われておるのでありまして、当時の日本状況からいたしまして、やむを得ずそういうことになったのでありますが、しかし今回の経験にかんがみまして、それはいわゆる砕氷船というものがあるに越したことはないのでありますが、今のところ、まだ宗谷から詳しい状況も入っておりませんので、これがケープタウンに十日ごろ着くような予定になっております。ケープタウンに着きますと——航海も現在暴風圏を通過しておりますが、そういう困難なところから脱却しますので、いろんな今回のデータをどんどん無線で送ってくると思っております。それをいろいろ検討して、いろいろ考えたいと思っておるのでありますが、現在の船舶そのものにつきまして、これから馬力をどういうふうにして増すかというようなことにつきましては、相当困難な事情もあるのであります。というのは、技術的な困難な事情もあるのでありまして、根本的な対策というものは、ケープタウンから、いろいろ資料ができてから考えたいと思っておるような次第であります。
  17. 左藤義詮

    左藤義詮君 本観測のために昭和三十二年度にまた出かけなきゃならぬのですが、あの苦い経験から、あのままで、また宗谷を出してやるということに対しては、国民の一人として私はとてもたえられないと思うのですが、ケープタウンへ入って、実情がわかるまでは見込みがつかない。従って、この予算措置は何ら考えていない。ケープタウンへ入って、あるいは帰ってきていろいろ検討した上で、三十二年度の補正予算等で要求するつもりであるのか、この予算措置はどういうお見通しでありますか。
  18. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) この予算を編成いたしますときに当りましては、そういうような事情はまだ皆目わからぬから、いわゆる予備費その他で見よう、こういうふうなことでございますので、現在といたしましては、いわゆる通常の宗谷の修繕費及びヘリコプターの修繕費、その程度のものが一千万円程度入っているわけでありまして、その他の大きなものは、そのデータが着いてからいろいろ考えたいと思っている次第であります。
  19. 左藤義詮

    左藤義詮君 そうしますると、本格的なもっと砕氷能力のあるものを建造するか、あるいは宗谷をもっと改造するか、技術的な問題もあるでしょうが、そういうことはまだ見通しはついていないと、そういうことは着いた上で予備費で支出するということですか。その点は大蔵省と十分の了解がついているかどうか、あるいはもしもっと大きな計画になるならば、補正予算等を考慮しているのか、その点、最近のああいう国民のなまなましい、非常な国をあげて心配したことから、宗谷を持っておられる保安庁として、大蔵省とどういうような今お話し合いになっているか……。
  20. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) 現在のところ、今の宗谷の多少の改造ということは、当時大蔵省とも連絡してあるのでありますが、新しい……。
  21. 左藤義詮

    左藤義詮君 一千万円ですね。
  22. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) 一千万円というのは修繕費でございます。そのほかに、もしたとえば、キャパシティをふやすとか、そういうようなことは、この一つの航海が済んでからということになっておりますが……。
  23. 左藤義詮

    左藤義詮君 予備費で見るということですか。
  24. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) そういうことでございます。そのほかの、別の船ということになりますと、全然問題が変って参りますので、まだ交渉してございません。
  25. 左藤義詮

    左藤義詮君 国をあげて非常な心配をいたした……日本の財政の貧弱な点もありますが、米ソなどに比べてお話にならないものだ。ああして苦労した……プライベートなことを申しますが、松本船長は、私、学校で教えた非常な縁もあって、新聞などで苦労を見ながら、ほんとうに胸を痛めたのですが、本観測にはああいうようなことにならぬように、ぜひ私は本観測をやる以上は、もう少し十分な装備を持って臨まなければならぬと思うのですが、その点につきましては、一つ大蔵省と十分検討せられて、今からその準備をしてほしいと思うのであります。一千万円の修繕費ぐらいでは、あの苦闘の傷も十分いやすことができない程度であります。あとは予備費というのですが、予備費というのは非常に限られたものですから、災害その他の特別の場合に予備費が使われる。予算編成のときは、ああいうことがわかってのなかったからと言いますけれども、おそらく私は、補正予算を組まなければならぬ重要な要素になると思うのであります。そういうことに対しては、一つあのなまなましい経験を生かして、十分な一つ措置をせられるように今から要望しておきたいと思います。あのオビ号に非常にお世話になったわけですが、人命救助のときには、当然の国際的な義務というか、助け合っておるようですが、今度のような場合には、オビ号に対して、またグレーシャー号に対してもいろいろお世話になった、これのお礼というか、あるいはその実費というような、そういうふうなものはどういう関係になっておるのですか。
  26. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) その点につきましては、外務省を通じて目下当ってもらっておる次第でございます。
  27. 左藤義詮

    左藤義詮君 そういうような経費はどこから出るのでございますか、もし必要ならば。
  28. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) そのとき大蔵省とちょっと打ち合したわけでありますが、これは予算契約でもいこうかなというので、そのときはまだ救助も前でございましたので、その程度でございまして、まだ外務省から交渉して、ほんとうに向うから要求されるかどうかということは、まだわかりませんので、目下その段階でございます。
  29. 左藤義詮

    左藤義詮君 あのときに遠方にある米国の方へは大使館を通じてお願いをしており、ソ連の方には若干お願いをするのがおくれておった。それはいろいろ大蔵省との話し合いがつかなかったというようなことを聞いておるのですが、そういういきさつがあるとするならば、この問題に対しても、経費の問題もそれ相当の見通しがあったはずだと思うのですが、今ただ外交交渉を待つだけで、何もそういうようなことを考えていないというお話ですが、もう少しこれに対してお見通しなりあるいはそれに対する措置——あれだけ世界環視の中でお世話になったのですから、こちらからも当然尽すべき義務は尽さなければならぬと思うのですが、それに対してまだ何も話し合いなり心組みができていないのですか。
  30. 島居辰次郎

    政府委員島居辰次郎君) 左藤先生からの御質問でございますので、せっかくいい機会でございますから、この間のお話をもっと詳しく申し上げたいと思いますが、よく世間で、少し誤解があると思っておりますから、いい機会と思っております。  御存じのように、ことに左藤先生は海の方のことはよく御存じと思いますが、船の救難というものは、船舶から船舶無線でやって、一番ひどいときはSOSをやるわけでございますが、その前は緊急通信でスリー・エキスというのをやるのでございますが、そういう意味で、船舶から直接船舶へいって、そしてSOSを受けた船舶は、すぐその無電で集まってくるということはだれも御存じの状態であります。そこでオビ号に対する救援は決しておくれたのではないということをここで申し上げたいのでありますが、そのときいろいろ言葉の足りなかったことから、そういうふうに誤解されておる。そこで二月二十四日の日に、松本船長はすでにオビ号とグレイシャー号には前路を砕氷してくれというようなことを頼んでおるのであります。そこですでに船から船に連絡はできておるわけでありますが、御存じのように電波というものは、この地球の表面においては南北の疎通は非常にいいのでありますが、東西の疎通というものはなかなかやりにくい。ことに南極においては東西の電波の疎通が非常に悪いのであります。そこでグレイシャーの方は非常に離れておりますので、東西に遠距離でございます。そこで宗谷からグレイシャーを呼んでもなかなか出ないことがあったのであります。そこで万一の場合にはそれでは大へんだから、また遠方でもあるからというので、松本船長から海上保安庁の東京——これは南北でございまして、非常にというか、割合に疎通がいいのであります。そこでこちらの方へ言ってきて、そうしてこちらからアメリカの大使館を通じ、そうして大使館からワシントンの方へ、そしてまた南方の方へ電波がいく、こういうルートをとったのであります。そういうわけで、しかも十九日のころの状況というものは、何ら松本船長からは私の方へ救援を頼むということは言ってきていないのです。しかし中央で見まして、現地の状況を勘案しておりますと、これは万一の場合があってはいけないというので、むしろ老婆心から、その現場の状況を考えて、遠距離ということも考えて、先にアメリカ大使館の方へこれは連絡をしておったわけであります。ですからおくれたとか、先になったとかいう問題ではなくて、こういう電波の状況から、アメリカ大使館の方を通じたというだけでございます。これがよくそこにこんがらかって、アメリカの方へいって、ソ連へいかなかったのは何事だということで詰問されるのでありますが、そうではないのでありますが、そういう電波の状況というものがわかっていただければ、ことに船の救難状況というものがそういうものであるということがわかっていただければ、非常にわかりがいいのでありますが、そこで二十四日の日に松本船長の方からオビ号、オビ号は近くにおりますので、ことに二月の七日から気象通報で、むしろオビ号から呼んできて気象を送ってきてくれというので連絡しておりますので、疏通がいいのであります。そこで二十四日の日に、すでに直接にオビ号の方へ前路の砕氷を頼むということを言っておりまして、すぐ返電で、二十五日に油その他が不足しておるようだから、返事はあとからすると、こういうようなことを返事してきておるわけであります。そこで私どもの方としましては、現地がそうやっておるから、ほうっておけばいいのでありますが、そうはいかないので、いろいろ事務的なこともして、そうして一応外務省を通じて、もちろんそのときから外務省と連絡しておりますが、外務省を通じてソ連大使館の方へ連絡したのでありまして、決して救難がおくれたという状況ではないということを、この際一つ申し上げておきたいと思うのであります。
  31. 苫米地義三

    委員長苫米地義三君) それでは次に、国有鉄道に関する件を細田国有鉄道部長から御説明を願います。
  32. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 昭和三十二年度の日本国有鉄道予算につきまして、お手元に差し上げました予算参考資料を中心にいたしまして御説明を申し上げます。  まず、損益勘定の収入でございますが、この収入の基礎になります旅客、貨物の輸送量をどういうふうに見込んだかという点でございますが、第二ページの表の右の摘要にございますように、旅客の輸送人員は、前年度予算に対しまして一一%の増加、貨物の輸送トン数におきましては、同じく前年度の予算の基礎となっておりますトン数に対しまして七・八%の増加を見込んでおる次第でございます。ただここで一音申し上げておきたいことは、三十一年度がすでに御承知の通り非常に客貨ともに輸送の需要が強くなって参りまして、また輸送の力の方もかなり出て参りまして、この予算に対して実は実績といたしましては、かなりな程度本年度の実績が上っておるのであります。私ども三十二年度の数量の見込み、またそれに伴います予算収入関係に当りましては、この大きくなりました実績に対しまして、おおむね客貨とも五%という増加を見込んだ数字でございます。これを三十一年度の予算で表わしますと第二の表のような形になっておるわけでございます。これを収入にいたしますと、運輸収入といたしましては三千二百九十三億七千三百万余でございまして、三十一年度予算に対しまして実に六百四十九億という増加に相なっておるわけでありますが、ただこの六百四十九億の増加の中には、ただいま申し上げました輸送量の増加に伴いますものと、それから運賃の改訂によるものと両者あるのでございまして、運賃の改訂による増加額は三百六十五億円と相なっておる次第でございます。この三百六十五億円の内訳を申し上げますと、これは書いてございませんが、旅客が百九十億、貨物が百七十五億と相なっておる次第でございます。次に、雑収入でございますが、これは八十八億組んでございまして、昨年よりも一億ばかりの増加となっておるのでございますが、これは実は公共企業体の共済組合法の実施によりまして恩給納付金が七億ばかり減りますので、実質的にはその減を補って一億程度の増収を期待しておりまして、雑収入につきましては、おおむね恩給納付金の関係を考えますと、一割の増収を見込んで、極力雑収入を上げてもらう、こういう建前で組んでおるわけでございます。政府会計からの受け入れが若干減っておりますが、これは鉱害の補助金関係でございます。これらの全体の三千三百八十二億が損益勘定の総収入になるわけでございまして、これに対しまして損益勘定の支出は同額のものとなっておるわけでございますが、まず経営費は二千三百八十億でございまして、昨年度の予算に比べまして九十八億余の増加となっておる次第であります。これの内容につきましては三ページの表にございますが、実はこの九十八億の中には、昨年度から——三十一年度から立てることになりました固定資産税にかわる納付金が三十二年度には倍額になることになっております。数字で申し上げますと、三十一年度だけは半分にするということでございまして、これが三十六億でございます。三十二年度からこれが七十二億程度になるのでございまして、このうちの三十六億と申しますのは固定資産税に相当する納付金の増加でございます。経営費の内容につきましてはあとから次の表で申し上げたいと思いますが、次の利子及び債務取扱諸費、これは債券がふえて参っておりますので、計算上出て参ります利子増加でございます。それから資本勘定への繰り入れでございますが、これは昨年度の予算では三百二億でございますが、これを八百二十八億に増加いたしまして、これを資本勘定からさらに工事勘定に入れまして、後ほど御説明を申し上げます国鉄の輸送力増強五カ年計画の資金に充てまして、老朽施設の取りかえ、あるいは輸送力の拡充、施設の近代化等に充てる財源にいたす、こういう数字でございます。この点はあとからさらに資本勘定、工事勘定のところで御説明申し上げることにします。予備費は昭和三十一年度は二十億でございましたが、これは十億増加いたしまして三十億を計上いたしております。これは災害に充てる経費でございまして、本年あたりは比較的少かったわけでございますが、過去五年間ぐらいの平均で見ましても——十五号台風の青函航路の事故がございましたが、これはまあ特別でございますが、大体四、五十億という平均の数字が出ておるのでございますから、そういう関係から一挙にふやすこともどうかというようなことで、予備費を三十億にいたしておるわけであります。  まず第二ページの表だけざっと申し上げたいと思いますが、資本勘定といたしましては、先ほど申し上げましたように八百二十八億を損益勘定から受け入れますほかに、資金運用部から八十億の借入金をいたし、また鉄道債券は公募によりまして二百十五億、それから利用債券と申しまして、これは直接施設を作ることによって受益をされるところで債券を引き受けてもらう、こういう性格のものでございまして、これを二十億、このほかに……。
  33. 吉田法晴

    吉田法晴君 それはどこですか。
  34. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 「鉄道債券(公募)(利用)」と書いてございます、二ページの表の後の下方のところを申し上げているところでございます。資本勘定並びに工事勘定というところでございますが、資金運用部からの借り入れ八十億、公募債が二百十五億、利用債券が二十億、これと損益勘定から受け入れました八百二十八億というものを足しまして、それから資産充当と申しますのは、不用の不動産の売却が主たるものでございます。これは額はわずかでございますが、これを合せまして千百四十六億九千三百万円というものが一応収入にいたしまして、工事勘定の建設改良費に充てるわけでございます。これの支出といたしましては、建設費七十億、改良費九百九十九億四千三百万円、合計いたしまして一千六十九億四千三百万円余のこれが工事勘定の収入並びに支出になるわけでございます。そのほかに出資金の三億、借入金の償還がございますが、これを合わせましたものが、ただいま申し上げました一千百四十六億九千三百万円に見合う数字でございますが、出資金の三億は帝都高速度交通営団に対する出資を考えておるものであります。なお、借入金の償還は三十一年度に比べまして約五十億の増加計画をいたしておる次第でございます。  次に三ページの表を中心に申し上げだいと思うのでございますが、損益勘定のうちでございますが、これはこまかい数字になっておりまして、あまりくだくだしく申し上げることはいかがと存じますが、まず給与でございます。この給与につきましては、その基礎になります人員につきまして四十四万七千七百二十五人というものを全勘定の人員の基礎にいたしておりまして、昭和三十一年度と同じ人数を見込みました。これに昇給のものを見込みまして予算単価をはじきまして、給与を出しましだものが損益勘定におきまして一千二百四十三億でございます。これは給与とその他の人件費が一部入っておりまして、いわゆる国有鉄道法にいいます給与総額といたしましては、このうちの一千百八億というものがいろいろ問題になっております給与総額というものでございます。これに損益勘定以外のものを加えますと、国有鉄道全体の給与の総額は一千三百二十四億円となる次第でございます。この点は実は詳しく説明申さないと誤解があるといけませんので、よく申し上げておきたいと思いますが、この損益勘定の給与その他諸費という中には、国有鉄道法の給与の総額というものに含まれるもの以外のものが入っております。従いましてこれは予算書にははっきり出ておりますが、この要領には書いてございませんので恐縮でございますが、この一千二百四十三億のうちいわゆる給与の総額というものに当るものは一千百八億でございまして、その他はいわゆる給与総額で支出いたさない人件費でございます。そういう意味でございます。実はこの予算書にこまかい数字があるのでございますけれども、一番問題になりますのは、給与総額ですからちょっと注釈を申し上げたわけでございます。これに見合うものが一千百八億ということになっておりまして、それに実は損益勘定以外の人件費がありますので、工事勘定でたとえば工事設計をするとか、監督をいたしますとかというようなものは、工事勘定でみるというようなこと、あるいは資材局関係の中間勘定と申しまして別建てにいたしておる人数がございます。こういうものが、このほかにこの場合に給与として表わしておりませんが、給与総額の中へ入っているわけでございます。ただこの予算書をこまかく……。
  35. 海野三朗

    ○海野三朗君 人数はどうなっておりますか。
  36. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 人数はただいま申し上げましたように、全勘定で四十四万七千七百二十五人、これは第一ページの説明のところで書いてございます。
  37. 吉田法晴

    吉田法晴君 給与その他諸費の中に工事勘定も入るのですか。
  38. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 入っておりません。給与その他諸費は、損益勘定と給与総額に当る部分とその他の人件費が入っております。それから工事勘定のものが、実は工事勘定の総係費というのがあります、下から四行目でございます。この中に入っております。これは大部分が人件費であります。給与につきましてはそういうことでございます。それから修繕費につきましては、物件費のうち大きいものは動力費、修繕費でございますが、これにつきましては、私どもは予算編成に当りましては、極力節約をするという建前で修繕費を特に大幅な削減をいたしております。それから共通費が三十九億ほど増しておりますが、これのおもなものは先ほど申し上げました三十六億は固定資産税にかわる国鉄からの納付金の増加であります。  次は、先ほど第二ページの表で申し上げました資本勘定、それから工事勘定とこうなるわけでございますが、資本勘定の支出につきましては、先ほど申し上げた通りでございまして、借入金の償還等で七十四億使いまして、千六十九億が純粋な工事に当てられる、建設改良に当てられるという支出でございまして、この千六十九億の内容をこまかくいたしますと、三ページの一番下のところでございますが、これをさらにこまかくいたしたものが第六ページにございますので、これは第六ページで御説明を申し上げた方が適当であろうかと考えるのでございます、第五表でございます。  第五表をごらん願いますと、三十二年度の建設改良に千六十九億四千三百万円を使うということになっております。三十二年度の工事勘定の予算、これはいい換れば建設改良費でございますが、これは千六十九億四千三百万円余になっておりまして、昭和三十一年度の五百八十三億七千万円余に対しまして四百八十五億七千三百万円余増加をいたすということになっておるわけでございます。この一千六十九億は実は国有鉄道が立てております輸送力増強五年計画の初年度を形成いたすものでございまして、ただいまの計画といたしましては、五カ年間で約六千億工事経費を見込みまして、これの具体的な内容につきましては、年度別にいろいろ立てておるわけでございまして、この五カ年計画が完遂をいたしますならば、老朽施設の取りかえばもとより、輸送力の増強も三十一年度に対しては、客貨とも三五ないし三〇%強化される、また電化も、前に国有鉄道が立てました十カ年計画というものがございますが、これの第一期の電化が完成いたす。第一期の五カ年計画では、大体東北本線では盛岡まで、常磐線は全線、それから北陸線は米原から富山まで、山陽本線は全線、鹿児島本線は鳥栖までという計画をいたしておるのでございますが、こういった電化ができます。あるいはディーゼル機関車あるいは支線のディーゼル・カーといったようなものも飛躍的に強化される、こういう構想で、いずれ機会を改めまして五カ年計画の御説明を申し上げることにいたしたいと思いますけれども、そういった五カ年計画の初年度としてこういう計画をいたしておるわけでございます。  まず最初に建設費でございますが、建設費は新線建設は昨年度は五十五億でございましたが、三十二年度はこれを七十億に増加をいたすということにいたしております。それから通勤輸送関係でございますが、これも三十一年度予算に対して約倍額にいたしておりまして、東京付近に五十二億、大阪付近に十三億、電車は二百八十三両多くいたしまして四十四億余を増加いたす、かように考えておる次第でございます。それから幹線の輸送強化、これは主要幹線が単線でたくさん残されております。輸送量の増加、従って列車の回数の増加に伴いまして、これは非常な障害になっておるのでございまして、こういう点から主要な幹線の増強をして参りたい。これはもちろん複線化だけではございません。複線化が主でございますが、そのほかの幹線輸送力を強化するということ全体が含まれておりますが、これも昨年度二十六億に比べまして、七十一億ばかりの増を計画いたしております。北海道、これは主として室蘭線の石炭輸送でございます。次は東北常磐、これは複線化でございます。それから裏縦貫、これは羽越から信越へかけてのもの、次は北陸、東海、山陽、それから九州線、これは日豊線あるいは筑豊線の一部、日豊線並びに鹿児島本線、その他大体こういうことで特に重点を置いて輸送力を強化いたしたい、こういうことでございます。それから幹線の電化につきましても、ここに書いてございますように百二十三億でございますが、大阪—岡山間、米原—敦賀間、上野—福島、それからそれに伴う電気機関車、電車、こういったものを計上いたしておるのでございまして、さしあたって三十二年度には電化といたしましては米原—敦賀間を完成いたす、それから大阪—姫路間も完成いたす、上野—宇都宮間を完成いたしたいと、かように考えておるわけであります。次に電車でございますが、これは電化しましたところにサービスの向上、あるいは輸送力増強、そういった見地から電車を動かそうとするものでございまして、旅客列車を電車に変えるわけでございます。これは電車の増備が大半の金でございます。それから次にディーゼル動車でございますが、これはいわゆるディーゼル・カーといっているものでございまして、支線等にこれを入れましてフリーケントなサービスをするというようなものでございます。ここ数年馬力は大いにかけておるわけでございますが、三十二年度からはさらに飛躍的な増強をいたしたいと思って、昨年の予算の十四億に対しまして三十二年度は九十億余りをこれに注ぎ込むことにいたしておりますが、車両計画としては四百九両ディーゼル動車を作るという考えでございます。それから次に車両の増備でございますが、これにつきましてはもとより輸送力増強の一番端的なことは車両の増備でございます。操車場を大きくしますとか、あるいは線路の単線を複線にするということはかなり時間もかかるわけでございます。もちろんこういうことをやらなければ、車両整備しただけでは輸送力は増強いたしませんけれども、しかしそれにいたしましても、車両の増備が何と申しましても輸送の根幹になるものでございますので、これに百六億というものを当てるということにいたしておるわけであります。ただここでちょっとお断わり申し上げておかなければならないことは、この車両の増備というのは、私ども実はこういった上げ方をしておりますが、車両はこれだけかと申しますと、実はそうではないのでありまして、上の方にもございましたように、たとえば通勤輸送の電車の増備、それから幹線輸送のところにも電化につきましても電気機関車等がございます。また一番下から二番目の取りかえ及び諸改良という中にも車両が九十一億入っております。ここにあげました車両の増備は、電化とか、上にあがっておりますもの以外で取りかえでない純粋に増加になる。一番下の取りかえは、古いものをやめまして、廃車いたしまして、そのかわりに作る車両でございます。これは新造になりません。で、ここの車両増備と書いてありますところのものは純粋に増加をいたす、こういうちょっとわかりにくいことになっておりますが、御説明を申し上げますと、そういうことでございます。それから関連工事二十億というのがございますが、これは先ほど申しました利用債券の二十億に見合うものでございます。たとえば都市計画実施に移された。それに伴って駅を変えなければいかぬといったようなこととか、あるいは仙台等にあります貨物駅を都市計画等に伴って移転しなければならぬ、こういったようなことで地元に利用債を持っていただいて、そういうものと外部との計画と関連して工事をいたす、こういうものでございます。それから取りかえ及び諸改良が三百八十四億、これが約百四億増加いたしておるのでございますが、これは前前から申しておるのですが、運賃改正の一番もとになることでございまして、いわゆる減価償却が十分できておらない、老朽施設の取りかえが十分できておらないというものを急速に取りかえていく必要がある、こういうことでございまして、三百八十四億というものに約百億の増加計画いたした次第でございます。それから最後の総係費、これは先ほどちょっと申し上げました大部分は工事関係の人件費でございます。この予算書の参考のところには、こういうものを全部総合いたしました給与の総額という表が別に出ております。今申し上げましたようなのを全部合せまして千六十九億四千三百九十万円余という三十二年度の工事関係予算となっておるわけであります。  大へんお聞き苦しかったかと思いますが、以上で三十二年度の国有鉄道予算の概略を御説明申し上げました。なお詳細な点につきましては、御質問等によりまして申し上げたいと思います。
  39. 吉田法晴

    吉田法晴君 ちょっとこまかいことを聞きますが、今の幹線輸送強化という中には複線化その他が含まれるわけですか。
  40. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) さようでございます。金額としては非常に大きいのは複線化でございますが、そのほかの費用もあります。
  41. 吉田法晴

    吉田法晴君 給与の問題で今問題になっておる副総裁と組合の約束の原資云々という点でありますが、それからたとえば公務員については人事院の勧告があり、法案が出ている。それに見合う給与の計上はない、あるといった話でございますが、その辺の給与の総額とそれから副総裁約束のもの、そのほかの原資について少し御説明願いたい。
  42. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 副総裁云々の問題につきましては、私ども運輸省でございます。何も承わっておりません。それからもう御承知のように、ただいま労働委員会で調停の段階で、労使間で賃金を上げるという点につきまして進められているわけでございます。本予算につきましては、まだきまっておりませんのでそういうものについては考えておりません。
  43. 吉田法晴

    吉田法晴君 それじゃ先ほど定期昇給の点は織り込み済みだが、アローアンスといいますか、給与の改善については予算としてはどういうことになっているのか。
  44. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) どうもアローアンスというお言葉がよくわからないのでございますが、ベース・アップというような点については考えておりませんということでございます。
  45. 吉田法晴

    吉田法晴君 それはまああとにしましょう。  先ほど説明によりますと、輸送人員について三十一年度対比十一%、何か五%という数字が出ている。これは三十一年度に五%ふえている、こういう御説明だったと思うんですが、それと、それからこれはまあ説明員もお話がございましたが、三十一年度の実績がそれはまあ季節的な点もありましょうけれども、従来の輸送能力からいえば、まあ数字にすれば、百パーセントでありませんでしょうけれども、相当上っていることは事実です。そうするとその十一%見込むということがなかなか容易でなかろうと思うんですが、これは車両の増その他を含めて十一%は増加する、こういうお見通しなのでしょうか。
  46. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 先ほど申し上ましたように、そこに書いてあります数字は、三十一年度の予算の基礎になりました数字と三十二年度の予算の基礎になりました数字との対比でございます。で、三十一年度は予算に対しまして実績が上回っているわけであります。その上回りました実績に対しますると五%である、こういうふうに申し上げた次第でございます。それからまあ輸送力が、輸送量がどんどんふえてきているが、こういうものが完遂できるかどうかというお尋かと思うのでありますが、経済界の動向その他から考えまして、輸送の需要と申しますか、輸送を申し込まれる側ですね、輸送の需要の方はもちろんこの程度のものはあるのではないかと思います。輸送力につきましてはもちろん簡単に易易としてこれができるというふうには考えませんが、あらゆる努力声傾注いたしまして、たとえば車両の早期発注をしなければなりませんし、いろいろな点もあると思いますが、あらゆる努力は傾注していかなければならぬと思いますけれども、この程度の予算を確保することは可能であると私は考えた次第でございます。これはいろいろな点から検討いたしまして、そういう結論に到達いたしたのでございます。
  47. 天田勝正

    天田勝正君 こまかいことを一点お聞きしますが、どうも運輸省側からお聞きするのは無理かとも思いますが、まあ旅客収入、貨物収入と分れてはいるけれども、しかしまたそれを細分すれば、いろいろに分れると思うのですがね。それで私の聞きたいのは、たとえば定期ならば今現在でどれほど黒字になるのか、赤字になるのか、定期以外ならばどうなんですか、あるいは団体等はどうなんですか。そういうことは全部あなたの方ではわからなくても、国鉄当局では全部そろばんをはじいて、そうして運賃値上げについてもかくかくという数字が出て来たんでしょうけれども、その点ちょっと無理かと思いますが、こまかいことで聞いておきます。
  48. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) その点は詳細にわかっております。今日ちょっと資料を持っておりませんので、国有鉄道に聞いていただく方が適当と思いますけれども、私の方でも一応報告は聴取いたしておりますので、承知いたしておりますが、本日ちょうど持って参っておりませんので、こまかい資料になりますのでお許し願えますなら、別の機会に数字でお答えをいたします。
  49. 吉田法晴

    吉田法晴君 今のに関連して、一つ出していただきたいと思いますが、これは昨日説明がありました運賃の改定表にしても、三等旅客の黒字で、まあ早くいえばすし詰めにして輸送しておる、それで貨物運賃の遠距離輸送、それからこれは説明によると、物価の影響云々ということでありますが、貨物輸送の大量輸送の赤をカバーしておる。これは今までもそうでしょうし、それから運賃改定後もそうなるように承知をしておるのですが、まあそうであるかどうか、一つ数字をお示しをいただきたいと思います。  それに関連して、ちょっと聞きたいことは、これは俗間にいわれておるのですから、どうなのか、この点を確かめるのですが、たとえば北海道で製材するよりも運賃が安いので東京まで持ってきて製材して、それから北海道に持っていって、それから製品にするということもできる。あるいはそういうようなこともあるというようなことですが、そういう実態さえもあるのでございますか。その辺ご存じありませんか。
  50. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 初めに仰せられました点でございますが、これにつきましては、実は具体的に一体どうなっておるかということは、詳細にお聞き願いたいと私ども考えるわけです。ただ三等旅客運賃云々ということでも、三等でも定期もございますし、いろいろございます。それから大量の貨物が安くなっておる云々のお話でございますが、一番安くなっておりますのは、生活必需品、それが圧倒的に、大部分国民生活に絶対必要な必需品が安くなっております。まあこういう点は、もう少しこまかく数字的に申し上げなければならないと思います。  それから今の、木材を東京に持ってきて製材して北海道に持っていってもというお話でございますが、まあ具体的に私存じませんが、その辺までは、北海道にもう一ぺん持っていくということは考えられないかと存じますが、ただ国有鉄道の運賃が非常にほかのいろいろなものに比較して低位にある。特に遠距離逓減が非常にきついということのために、何と申しますか、昔であれば、木材に限りませんが、加工して小さくして送るというようなものが、そのままで送ってもいい。また送る方がむしろ安くなるというような事例はこれはございます。ただ具体的に北海道の木材がどうとかこうとかいう点につきましては私ども存じておりません。非常に低位にありますために、こういった輸送だけの見地からいいますと、もう少し合理的にやっていただけないかという点がゆがめられておるというような事実はございます。
  51. 森八三一

    ○森八三一君 今ここでお答え願えなければ、あとで書面でいただいてもけっこうですが、現在、三十一年度末でいいです。三十一年度末の公社の借入金の現在額は幾らになるか。昨日大臣は、二千億ということをおっしゃいましたが、それで間違いございませんか。
  52. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) お答え申し上げます。正確に申し上げますと、三十年度末で千六百九十一億円、それに三十一年度中に鉄道債券が二百四十億、それから預金部資金を五十五億円借りまして、そのかわり若干返すものが二十億ばかりございますから、差引して二千億ちょっと切れるということになる、こういう数字でございます。
  53. 森八三一

    ○森八三一君 それから五年後の完成後の年間の維持費はおおむね幾ばくを要するかということが一つ。それから五カ年後の経営費は当然何がしか増加すると思いますが、また合理化によって増加はしないということも考えられますが、年間おおむね幾ばくぐらいの経営費の増加を見込まなければならぬかということが第二点です。  それから第三点、これはすぐお答えいただきたいのですが、六百四十九億の三十一年度対比増収が運輸収入で見込まれている。そのうちに三百六十五億の運賃改定の額を含んでいるという話でありますのでそれを差し引くとおおむね二百八十億が三十一年度対比の増収になる。その増収は人員一一%、貨物で七・八%の増加、そういう結果を招来しておるのだ。ところが今の御説明では五年後におおむね貨客合せてそれぞれ三〇%前後の増強が期せられるいうお話でした。そういたしますと、五カ年後における増収見込額は、概算でありまするが、大体年間一千億ぐらいのものが見込まれる、こういうことに計算上なりますが、そう理解していいかどうかという点であります。
  54. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 運賃値上げ以外の収入増加は旅客で百七十億、それから貨物で百十四億という計算でございます。それから先ほどの輸送力がおおむね三〇%程度増強されるということを私申し上げましたが、これを直ちに収入にあげるということではございません。五カ年計画の立て方といたしましては、経済企画庁が五カ年後の見通しにつきまして、実は経済自立五カ年計画につきまして若干修正を要するということで、今いろいろ作業しておりますが、とりあえず輸送についてのある程度の見通しを立てようというもので、試案程度のものは持っております。これに基きまして五カ年間の輸送量なり収入なりを見込んでおるのでございまして、これにつきましては、ただいまお尋ねもございましたので、経営費その他の点と合せて資料をもって御説明申し上げるということにさしていただきたいと思います。ただ三〇%と言いますのは、今の混雑状態がこのままで、今の貨物輸送の状態がこのままでいきまするならば三〇%云云ということになりますが、今の状態ではアブノーマルであるというふうに私ども考えているわけでございますので、輸送する力として、それだけをふやしたいということでございますので、たとえば旅客について言いますと、急直行列車、あるいは夜行列車等で、立ったり、廊下に寝たりというような状態は解消しなければなりません。しかしそれは収入が直ちに上るということではございませんので、輸送の力としてその程度にいたしたい。貨車の配給率等につきましても、今の状況では非常な御迷惑が地域的に、あるいは時期的にかかっておりますので、そういう状況をなくして、もっと質のよい輸送にしようという考えでございますから、その三〇%でございますので、三〇%が即収入が上るというふうにお考えいただきますことはちょっといかがかと思っておりまして、むしろ収入につきましては、そういった将来の数量をどう見るかということでございます。大体そういうことであります。
  55. 吉田法晴

    吉田法晴君 ちょっと要望をしておきますが、資料として、資本勘定、工事勘定の、ことしの、三十二年度分は出ておりますが、前の実績、年々の実績、これは国有鉄道時代からのあれもありましょうから、年々どのくらい出ているか、正常の状態なら。それを一つ資料としてあとで出していただきます。
  56. 苫米地義三

    委員長苫米地義三君) 八木君がきわめて簡単な何か質問があるようですが、やりますか。
  57. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 鉄道公債券が昨年より二十五億円ことしは減っておりますが、その理由をちょっと伺います。
  58. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) お答えいたします。これは全体の財源と見合って大蔵省と御相談の結果きまったわけでございますが、預金部資金より本年度は二十五億円ふやしまして、それから公募債につきましては、全体の政府保証債のワク等と関連してきめていただいたものの見合いとして、これが二十五億円減っておるというふうに考えております。
  59. 苫米地義三

    委員長苫米地義三君) それでは本日はこれにて閉会いたします。    午後零時十三分散会