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1957-03-20 第26回国会 参議院 本会議 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十日(水曜日)    午前十一時十七分開議     ————————————— 議事日程 第十五号  昭和三十二年三月二十日   午前十時開議 第一 簡易生命保険法の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議  院送付)     (委員長報告) 第二 特別鉱害復旧臨時措置法の  一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) (委員長報告) 第三 臨時石炭鉱害復旧法の一部  を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)   (委員長報告) 第四 輸出検査法案内閣提出)           (委員長報告) 第五 農林漁業金融公庫法の一部  を改正する法律案 (内閣提出、  衆議院送付)   (委員長報告) 第六昭和三十一年の災害による  被害農家に対する米穀売渡の  特例に関する法律案衆議院提  出)       (委員長報告)     —————————————
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、御報告いたします。  去る十八日、マグサイサイフィリピン共和国大統領訃報に接しましたことは、まことに痛惜のきわみでございます。議長は、弔意を表するため、直ちに同国上院議長ユーロジオ・ロドリゲスあて次の弔電を送りました。  貴国マグサイサイ大統領閣下御遭難の訃報に接し衷心よわ哀惜の念に堪えません。比国繁栄のために尽瘁せられました故大統領閣下の偉大なる治績と生前わが国に寄せられました御厚誼を偲び、ここにつつしんで深甚なる哀悼の意を表します。   〔拍手〕      ——————————
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、日程に追加して、特派大使任命につき議決を求める件を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  内閣から、故マグサイサイ・フィリピン共和国大統領の葬儀に参列する特派大使に、衆議院議員芦田均君を任命することについて、外務公務員法第八条第三項の規定により、本院の議決を求めて参りました。  内閣が、同君特派大使に任命することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって、内閣同君特派大使に任命することができると議決されました。      ——————————
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一、簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。   〔剱木亨弘登壇拍手
  8. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、逓信委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  簡易生命保険保険金最高制限額は、現在十五万円でありますが、最近における経済事情の推移にかんがみますると、この金額では、国民経済生活の安定を確保し、制度本来の機能を十分に発揮することができない実情にありますので、これを二十万円に引き上げようとするものであります。  逓信委員会における審議内容中、おもなるものを申し上げますと、「最高制限額を二十万円とし、五万円の引き上げにとどめた具体的の理由いかん」との質問に対しては、「簡易生命保険は、勤労者階層の老後における生活安定、または被保険者の死亡の場合の医療費葬祭費及び遺族の生活保障に必要な額を基礎として定められてきたものであるが、最近における勤労者階層の所得の増加経済生活向上等にかんがみると、二十五万円ないし三十万円ぐらいが望ましいのであるが、諸般事情考慮し、さしむき二十万円程度が妥当であるとの結論に達したものである」との答弁がありました。また、「保険金最高制限額引き上げの際は、従来、常に民間保険との均衡が考慮されるのである、しかしながら、かつて簡易保険の特徴であった無審査月掛集金制度は、戦後民間保  険についても認められているので、両者に本質的差異はなくなったのであるから、簡易保険制限額民間保険に、しかく左右されることはないではないか」との質問に対しては、「簡易保険民間保険関係は、従来よりの長い沿革と複雑な経緯もあり、それぞれの立場を尊重しつつ相互に発展して行くことが好ましいので、最高制限額も一歩々々高めて行くのが妥当であると考え、今回は二十万円とし、必要に応じ、さらに次の機会に引き上げることといたしたい」との答弁がありました。  かく質疑を終り、討論に入りましたところ、光村委員より、「簡易保険最高制限額引き上げは、かねて国民の強い要望であるが、特に最近における国民経済の膨張によってますますその必要の度を加えてきている。この事実にかんがみるとき、今回の引き上げ程度では国民要望にこたえ、その経済生活の安定に寄与することは困難であると認める。よって、政府はすみやかにさらにこの最高制限額引き上げるよう措置すべきである」との付帯決議を付して原案賛成発言があり、討論を終り、採決の結果、全会一致をもって、光村委員発議付帯決議を付して、衆議院送付案の通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告を終ります。(拍手
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  10. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案  日程第三、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  日程第四、輸出検査法案内閣提出)  以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御提議たいと認めます。まず、委員長報告を求めます。商工委員長松澤兼人君。   〔松澤兼人登壇拍手
  13. 松澤兼人

    松澤兼人君 ただいま議題となりました鉱害関係の二法案並びに輸出検査法案につきまして、商工委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。  この法律は、太平洋戦争中の強行出炭による特別鉱害を、急速かつ計画的に復旧することによって、民生の安定、国土有効利用をはかり、あわせて石炭鉱業の健全な発展を期せんとするものでありまして、昭和二十五年に法律施行以来、着々その成果を上げて参ったものであります。すなわち昭和三十一年度末までに百億円に上る復旧工事が完了することとなわ、これをもって河川道路、鉄道、水道学校等公共施設関係復旧工事はすべて終了するわけであります。しかしながら、農地及び家屋の一部につきましては、法律有効期限であります本年五月十一日において、復旧工事未完了のものが若干残る見通しでございます。これは家屋につきましては、その復旧費炭鉱からの納付金のみによってまかなわれており、その納付期日法律有効期限以後にならざるを得ないという理由によるものであり、農地関係につきましては、主として現地の工事能力からくる制約に基いているものであります。  ここに上程されました改正案は、以上の状況にかんがみ、残工事の適正な施行を確保するため、法律有効期限昭和三十三年三月末日まで延長しようとするものであります。  次に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  臨時石炭鉱害復旧法は、鉱害復旧事業団を中心として、鉱害を計画的に復旧することにより、国土有効利用及び民生の安定をはかり、あわせて石炭鉱業及び亜炭鉱業の健全な発達を期せんとするもので、昭和二十七年に法律施行以来、着々その成果を上げて参りました。すなわち昭和三十一年度末までに、農地関係十三億、河川道路水道等公共施設関係十四億、合計二十七億に上る復旧工事が完了することとなり、特別鉱害復旧と相待って鉱害地状況は大幅に改善されつつある次第であります。  本改正案は、家屋本法により復旧できるようにして、その復旧を促進し、民生の安定をはかるとともに、農地及び公共施設関係復旧工事とあわせて総合復旧の実を上げようとするものであります。  次に、各改正事項につき、その概略を御説明申します。改正の第一点は、家屋等、すなわち住宅、店舗、倉庫等建物及びこれらの建物の用に供せられている土地等復旧基本計画対象に加え、その工事費のうち、地盤の復旧費及びこれに起因する家屋等補修費の半額に相当する額の補助金を国及び都道府県より交付することといたしてあります。このために国庫から補助金として七千万円が三十二年度予算に計上されております。第二点は、家屋等復旧に際しまして、その復旧費のうち、賠償義務者たる炭鉱が負担すべき部分を負担する資力を有せず、またはその所在が不明の場合には、国、都道府県及び事業団の三者が当該炭鉱の負担すべき部分を負担して復旧することにいたしてあります。第三点は、家屋等復旧工事対象に加えられましたことに伴い、現行法家屋等復旧工事に関する協議及び裁定に関する規定を削除したことであります。  以上が、鉱害関係の両改正案内容概略でございます。  両案は密接な関係にありますので、委員会におきましては、一括して審議をいたして参りました。質疑過程において特に問題となりました点は、特鉱法期限満了後に残される特別鉱害復旧方針鉱害測量を公平に実施させるための方策、ボタ山くずれ、乱掘、盗掘防止策、これに起因する鉱害処理方法、さらに鉱害発生要因である石炭生産についての政府基本的政策を問いただす等、活発な質疑応答がかわされたのでありますが、その詳細については、速記録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終り、討論に入りましたところ、阿具根委員は、社会党を代表して、特別鉱害復旧臨時措置法改正案については、法律期限満了後の復旧工事に万全の対策要望して、賛成の意を表され、さらに、臨時石炭鉱害復旧法改正案については、次の付帯決議案を付して賛成の意を表されました。付帯決議案内容は、次の通りであります。   政府は、本改正法施行にあたり、次の諸点について特段の考慮を払い、必要な措置を講ずべきである。   一、鉱害の認否、復旧に関する紛争の円滑なる処理を図るとともに、鉱害測量の公平な実施とこれに必要な予算を確保すること。   二、家屋復旧を促進するための予算の増額を図ること。   三、汚濁水の放流、ボタ山の崩壊、濫掘、盗掘等について万全の予防措置を講ずるは勿論、これらによって起る鉱害被害者保護については、遺憾なき措置を講ずること。   なお、この際政府は、鉱害発生要因の除去に一層の努力をするとともに、石炭政策基本的態度を明確にし、もって石炭鉱業発展と安定を図るべきである。  以上が付帯決議案内容であります。  討論を終局し、両法案採決の結果、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案は、いずれも全会一致をもって、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、阿具根委員提案臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案に対する付帯決議案採決の結果、これまた全会一致をもって、商工委員会決議とすることに決定いたしました。  次に、輸出検査法案について御報告申し上げます。  本法案は、現行輸出品取締法を全面的に改めるものでありまして、この輸出品取締法では、輸出品製造業者とか輸出業者などの自家表示建前としており、政府は単に品目指定品質の標準、包装条件及びその表示様式を定めるだけでありまして、特殊の品目に限り、例外として政府機関とか登録検査機関表示を強制しているにすぎません。このような自家検査建前とした検査制度では、粗悪品輸出を完全に防止することは困難であるし、最近における輸出貿易状況から見ましても、その弊害が少くないのであります。特に最近大きく取り上げられました問題は、中共における日本見本市等にも現われ、わが国輸出品の声価を著しく低め、親善関係をそこなうような遺憾な事例も否定できないことであります。それがだめに、一そう能率的かつ合理的な検査制度を実施することによって、輸出品の質的な競争力を強化し、輸出貿易の健全な発達に寄与せしめようとするものであります。  次に、本法案概要を申し上げますと、まず第一に、自家表示建前としている現行制度を改めまして、政令指定する貨物については、原則として政府機関か、政府指定する検査機関の行う輸出検査を受け、これに合格した旨の表示が付されたものでなければ、輸出することができないこととしたことであります。  第二は、材料または設計あるいは製造中の品質検査を行わなければ、完成品としての検査適確に行うことのできないものは、製造過程において検査に合格したものでなければ完成品の状態で検査を受けることができないことになっております。  第三は、包装条件について特別の検査を必要とするものは、完成品検査の後に、包装条件について、さらに検査を受け、合格しなければ輸出を禁止されるのであります。  第四は、政府機関または指定検査機関は、輸出検査に合格した旨の表示等級のあるものは等級表示をつけることになっております。  第五は、検査機関指定は、その機関公益法人であって、全国一円の規模のもとに十分な機械器具輸出検査員及び事業所をもって、公正な検査活動を行い得るものを、申請によって指定することとしたのであります。  第六は、この指定検査機関監督は、その業務規程役員選任解任認可制とするほか、事業計画収支予算を事前に政府で検討し、役員検査員が不公正な検査を行なった場合には、聴聞の上解任を命ずることができるようにしてあります。  第七として、検査特例を設けまして、特に政府機関または指定検査機関検査を必要としないと認められる一部の指定貨物は、定められた基準に適合している旨、その他必要な表示が付されていれば、輸出ができるものとして、自家表示制度が残されてあります。  その他、輸出検査審議会の設置、輸出検査員登録報告の徴収、立入検査聴聞異議の申立、罰則等、必要な規定を設けてあります。  以上が、本法案概要でございますが、商工委員会におきましては、各委員から熱心な質疑が行われるとともに、農林水産委員長から、農林水産委員会決定といたしまして、「本法施行に当っては、まずもって検査機構整備充実をはかり、輸出貨物生産並びに検査に支障を来たさないよう、受検手続簡素化及び検査手数料軽減等について遺憾のないよう措置されるよう」にとの申し入れがありました。当委員会といたしましても、これらの事  情を十分勘案いたしまして、きわめて慎重に審議を行なったのでありますが、その詳細については、速記録で御承知を願うごとといたしまして、その質問のおもなる点を申しますと、第一は、輸出検査員身分の保証と検査員の数についてであります。第二は、指  定検査機関整理統合と経理の健全化検査手続検査手数料についてであります。その第三は、本法施行に伴う予算的裏づけについてであり、最後に、本法施行による中小企業者への影響についてであります。  質疑が終り、討論に入りましたところ、まず白井委員から、自由民主党を代表して、「本法案提案趣旨には賛意を表するが、なお不十分な点があるので、阿具根委員豊田委員大竹委員と共同して修正案提出する」旨の意見の開陳があり、あわせて付帯決議案提出があったのであります。その修正案の要点を申し上げますと、  一、品質検査材料検査等に当り、その検査基準だけでなく、その検査方法をも主務省令で具体的に定めるようにすること。二、指定検査機関輸出検査員選任解任を、その役員と同様に認可制とすること。三、本法の規実に違反して指定貨物輸出した者に対し、主務大臣は公開による聴聞の上、輸出停止を命ずることができることとするとともに、この命令違反に対する罰則を設けること」であります。  さらに、白井委員提出付帯決議案は、   政府は、本法施行にあたり、次 の諸点について、特段の考慮を払い、必要な措置を講ずべきである。   一、法第十条の検査特例適用については、なるべく最小限度貨物に止めること。   二、一つの指定貨物について現在政府機関民間機関と併存しているものあるも、これをいずれかに一本化すること。   三、輸出貿易の繁閑、好不況等考慮し、なるべく数品目検査を行う統合検査機関を作り、弾力性ある運営をなし得るよう措置すること。   四、政府検査及び検査監督機関整備強化し、公正かつ適確業務を実施し得るよう措置すること。   五、関係検査機関は共同して検査員の技術の向上身分の安定を図るよう指導すること。   六、受検手続簡素化及び検査手数料軽減に努め、特に中小企業及び農林水産業の負担を過重ならしめないよう万全の措置を講ずること。   七、検査機械器具整備その他本法目的達成に必要な予算措置を講ずること。というものであります。  次いで、近藤委員から日本社会党を代表して共同提案修正案及び白井委員提出付帯決議案賛成する旨の意見が表せられ、豊田委員縁風会を代表し、また大竹委員からも、それぞれ修正案及び付帯決議案賛成意見が述べられたのであります。  かく討論を終り、まず、白井委員から提出された修正案採決の結果、全会一致をもって可決、次いで修正部分を除く原案採決いたしましたところ、同様、全会一致をもって可決、よって輸出検査法案は、全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  次いで白井委員提案輸出検査法案に対する付帯決議案採決の結果、全会一致をもって商工委員会決議とすることに決定した次第であります。  以上、御報告を終ります。(拍手
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  まず、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案  臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案  以上、両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  15. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、輸出検査法案全部を問題に供します。委員長報告は、修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  18. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第五、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  日程第六、昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀売渡特例に関する法律案衆議院提出)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長堀末治君。   〔堀末治登壇拍手
  20. 堀末治

    堀末治君 ただいま議題となりました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀売渡特例に関する法律案について、農林委員会における審査経過及び結果を報告いたします。  まず、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。  農林漁業金融公庫は、設立以来すでに四カ年、その間、これが目的に従って運営されているのでありまして、昭和三十二年度における融資額は、総額三百五十億円と予定し、前年度に比較して六十億円の増加となっており、その貸付原資は、産業投資特別会計からの出資七十億円、回収金百億円、資金運用部資金特別会計からの借入金六十三億円並びに簡易生命保険及び郵便年金特別会計からの借入金百十七億円と計画されております。そこで、昭和三十二年度において政府産業投資特別会計から七十億円を出資するため、現行農林漁業金融公庫法第四条において、政府からの出資金が四百七十六億七百万円となっておりますのを七十億円増額して、五百四十六億七百万円と改めようとするのが、この改正法律案提案理由とその内容であります。  委員会におきましては、まず農林当局から提案理由農林漁業金融公庫貸付業務現況並びに昭和三十二年度における貸付原資及び貸付予定計画等について説明を聞き、続いて質疑に入り、農林当局との間に、農林漁業金融公庫における貸付業務運営現況及びその当否昭和三十二年度貸付予定計画内容及びその当否、すでに融資を受けて実施された事業の実績並びに米国余剰農産物受け入れ中止に伴い見返り円資金の補てんのための農林漁業金融公庫融資有無等について、細大にわたって各般の質疑が行われたのであります。その内容については、会議録によって御承知を願いたいのであります。  かく質疑を終り、討論に入り、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって、原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀売渡特例に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、題名によって明らかなように、昭和三十一年の冷害等政令で定める災害による被害農家に対して、その飯用の米の売り渡しについて特別な措置規定しようとするものでありまして、米の生産農家であって、都道府県知事から、災害によって大きな被害をこうむり、飯用の米が非常に不足するという認定を受けた者に対して、飯用の米の一定量を廉価に売り渡すこととなし、その売り渡し価格は、被害農家購入価格が、おおむね国内産米については、大体生産者価格、すなわち玄米三等一石につき、北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川及び福井県産のものは九千四百七十円、その他の都府県産のものは九千四百九十五円となるように、また輸入米については、これらの価格基準として農林大臣が定めることになっております。  委員会におきましては、提案者代表から提案理由について、また提案者代表及び農林当局から、この法律運用方針について説明を聞き、続いて質疑に入り、提案者代表及び農林当局との間に、この法律適用対象となる災害の種類、地域及び被害農家の範囲並びに米の特別売り渡し数量及びその決定方法当否、この法律案は、第二十五回国会に提出され、昨年の十二月一日から施行されることが期待されていたにかかわらず、その成立が今日まで延びたのであるが、その遅延が被害農家に及ぼした影響と、それに対する救済措置、特別に売り渡された米の末端における流通対策、米の特別安売りによって生ずることが予想される食糧管理特別会計赤字処理方法等について、質疑応答が行われたのでありまして、その詳細は、会議録に譲ることを御了承願いたいのでありますが、特に食糧管理特別会計において生ずることが予想される赤字に対する措置が問題となり、これに対して、農林政務次官から政府方針として、「この法律施行によって生ずることが予想される食糧管理特別会計赤字については、特別に売り渡した米の数量の確定を待って、前例に従って、別途立法措置を講じて一般会計から繰り入れて処理したい」との趣旨説明があり、かく質疑を終り、討論に入り、格別の発言もなく、採決の結果、これまた全会一致をもって、原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  右、御報告いたします。(拍手
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。  次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十九分散会      —————————— ○本日の会議に付した案件  一、故マグサイサイ、フィリピン共   和国大統領に弔詞贈呈の件  一、特派大使任命につき議決を求め   る件  一、日程第一 簡易生命保険法の一   部を改正する法律案  一、日程第二 特別鉱害復旧臨時措   置法の一部を改正する法律案  一、日程第三 臨時石炭鉱害復旧法   の一部を改正する法律案  一、日程第四 輸出検査法案  一、日程第五 農林漁業金融公庫法   の一部を改正する法律案  一、日程第六 昭和三十一年の災害   による被害農家に対する米穀の売   渡の特例に関する法律案      ——————————