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宮城タマヨ君
年令の点については、やはり
年令が引き上げられました
関係で、十九、二十というのが非常に悪質で、
保安の面から申しましたら、とてもこんなものを
家庭裁判所で扱わしたら大へんだということは耳よりな話なんで、ちょっとそれだけ聞きますというと、もっともらしくて、今
日本全体といたしましては、やはりもう一ぺん
年令を
引き下げる方がいいじゃないかということを申しておる向きが多いように私
どもも伺っておりますし、過般当
委員会の方で
調査にいらっしゃいましたその
報告によりましても、各所で
年令の問題が問題化しているというような
報告だったのでございます。そこで、私はそれでは問題になっている
保安の面からどうだろうかという意味合いで、この間から
調査してみましたところが、ちょうど
東京の、これは
家庭裁判所の昨年の六月まで、一年間の
統計を見ますというと、
刑事処分を
相当として
検察官に逆送されました
事件のうちで、これは
道路交通取締り違反はのけまして、これはずいぶん多い数でございますが、それをのけまして、
ほんとうに
刑事犯だけについてでございますというと、この逆送されました
少年事件が百五十三件あります。その百五十三件のうちで、これはつまり
家庭裁判所から
検察官に送り返した
事件が百五十三件であります。その結果がどうなったかということを調べてみましたら、この百五十三人のうちの男子十八才四十人、十九才九十七人になっております。それから女の方は十八才が一人、十九才が三人でございます。そして、これだけの者がどうなったかといいますというと、
公判廷におきまして、
ほんとうに
懲役刑を与えられ、言い渡されました者は八十五人でございます。
有罪の
判決を受けた者は。その
有罪の
判決を受けた者のうちの二十一人は
執行猶予になっておりまして、それに
保護観察がついております。だからこれを実際で見ますというと、実刑を受けた者というのは、逆送されましたうちの半分ないということでございます。四五%くらいが
ほんとうの刑を受けておりまして、
あとはみんな
野放し、
無罪放免になっております。一体この事実は何をいっているか、私
どもはこの十九才、二十才を
監獄べぶち込むことにしたらさぞ世の中は安心できる、つまり
保安の点から安心だと思いますけれ
ども、そうでなくて、むしろ
保護観察、二十一人は
保護観察に付せられておりますけれ
ども、
あとの者は、
あとの五五%という者は、もう
少年院で
保護されるのでなくて、むしろ
社会に
野放しにされておりますから、よっぼどこれは
保安の面からいっても
心配なんじゃないのでございましょうか。これは実際の数はこれには二十才の者が一人も逆送されておりません。十九才と十八才が一番多いのでございますが、ところがこの
少年から申しますというと、共犯で五、六人、二、三人で一緒にやりました者の一番強いのが
検察庁べ逆送されておりますが、
あとの者は
少年院へ行っております。
少年院に入った者は一年なり一年半なり
少年院で窮屈な
教育を受けている。だからむしろえらいことをやったら公判にかかって、そうして
無罪放免になる、だから
少年院へ行くよりも
刑務所へ送られる建前で、行ってみたら……。しかし私
どもから言えば、
少年刑務所にやりたくない、あすこにやって
子供がよくなると決して思っておりません。だからやりたくないのだけれ
ども、やるすべがない。やろうと思っても、
検察官が逆送を受けても、
公判廷にいってみんな
野放しにしてしまう、これは数が示しておることなんです。だから
年令の
引き下げというようなことも、ただ抽象的にあんな者は出て青たら危ないそと言うけれ
ども、
ほんとうに逆送されて
野放しになっていることを
考えたら大へんな私は問題だと思っております。だから軽々しくただ
年令を
引き下げようというような観念的なことは、よほど私はこれは
社会の人にもこういう
数字を表わしまして、
考えていただかなくちゃなりません。
子供らもだから
ほんとうは逆送される方が好きなんです。まああんな
少年院に長くいて拘束されるよりよっぽどいい”、だから同じやるならえらいことをやれというふうに事実はなっている。それは
少年院の
子供についてお調べになったら皆ではございませんけれ
ども、悪質な者はそういうことを言っておるのです。でございますから、まあ心ある
日本の
治安について、あるいは
日本の青
少年の
保護、
教育、育成というようなことについて
考える人は、決して私は
年令を
引き下げるということは言えないだろうと思います。まあ私はそういうふうに
数字から
考えましてそういう
結論を出しておりますが、
法務大臣の御
意見を聞かしていただきます。