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政府委員(
須賀賢二君) この整理に
関連いたしまして、現在の製糸労務者に対する
対策でございますが、先ほど御
説明を申し上げました際に、大体整理の目標といたしましては、機械製糸、いわゆる
輸出生糸をひいておりますような、比較的規模の大きい種類の工場でございますが、これについては三割程度整理するということを申し上げたのでございますが、三割といたしますと、設備台数では一万五千台に当るわけでございます。一万五千台に対しまして、これについておりまする労務者は約一万五千人、大体一台一人というような格好になっておるのでございまするが、一万五千人になるわけでございます。しかしながら、一万五千台整理をいたしまするものの中には、
現実に繭が十分でありませんために、
部分的に
現実に機械をとめておりますようなものもあるわけでございまして、それが現在最近の段階では、約六千台くらいあるわけでございます。従いまして、一万五千台の中に、
現実に労務者のついておるものは九千台くらいと推察をされるわけでございます。まるまるこれによって労務者が整理をされるということになれば、九千台
相当の労務者が
影響を受けるということでございます。
しかしながら、この問題につきましては、この整理を企画いたしました当初から最も注意をして参った問題でございまして、現在われわれが業界といろいろ話し合いをいたしておりまするところも、まだ全蚕労連、いわゆる製糸業者の労務者で結成いたしておりまする労組等が企業の責任者と相談をいたしておりますところ等によりましても、この製糸労務者のほとんど大
部分が女子労務者でありまする
関係上、自然の更新率が非常に高い。実績で見ますると、年間三割、三〇%自然更新をいたしております。従いまして、今回の整理に伴いまして必要でなくなる人員につきましては、当分新たな補充を差し控えることによって自然更新で処理をされるようにして参りたい。これは製糸界の労務
対策の
一つのしきたりになっておるような
部分もありまして、たとえばその多条操糸機を自動操糸機に変えましたような場合におきましては、労務者がある程度数を減らせられるわけでございますが、それらの場合も直ちに首切りをやりませんで、自然更新によりまして、ある程度時間をかけて必要な姿に整えるというようなやり方をやっておるわけでございます。それからここ一、二年の間に大製糸業者等におきまして、工場を
集中をいたしたような例もございまするが、それらの場合等におきましても、閉鎖した工場の労務者
対策は、ほかの工場へ一応全部移しまして、自然更新によって徐々に落ちつかしていくようにやっておるわけでございます。この点につきましては、今申し上げましたような
方針で、業界、また労組等も、いろいろ処置をいたしておりまするし、私
どもそういう
方針で
指導をして参りたい、急速に首切りをやるというようなことはさせないようにいたしたいと考えております。