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政府委員(大坪藤市君)
豪雪対策問題につきましては、当
委員会におきまして、農林大臣御出席のもとに、すみやかに
対策を立てて
報告をせよと、当
委員会の御要望があったのでございます。それから衆議院の方におかれましても、現地
調査並びに指導が行われたのでございます。同時に、私の方もさらに、現地に係官を派遣いたしまして、いろいろ現地指導をいたしますと同時に、
対策を県当局とも
協議をいたしたのでございます。それで、当
委員会並びに衆議院
方面の御
報告、並びに私
どもの方の現地
調査、県のいろいろな要望等も参酌いたしまして、私
どもの方で一応の案を作りまして、大蔵当局に折衝を、
予算の予備費の支出につきまして折衝をいたしたのでございますが、なかなか本問題につきましての結論を得ないで、今日まで来たのでございますが、その間、政府首脳部並びに政調会等におかれましても、本問題をきわめて重視されまして、おおむねの線につきまして、本日一応の了解点に達せられた。これが私
どもの方に返って参りまして、目下細目の点につきまして、大蔵省当局と事務的な折衝をいたしているのでございます。おおむねの線としてきまりました点を、一応この際御
報告申し上げたいと、かように
考えておるのでございまするが、
まず第一には、もう私が申し上げるまでもなく、まず雪を消すことでございまするが、これにつきましては、もう現に
実施されておりまするし、また現在もその実行中でございまするが、これらの消雪に要しまする土取場の
設置費、これは町村あるいは
農業協同組合等で土取場を
設置いたしまして、消雪をいたしたいと存じますが、
農家が自由にその土取場から土を取って、自分のたんぼに持って参りまして、土をまくという、土取場の
設置でございまするが、これにつきましては補助をする、こういうことでございます。
同時に、苗しろ並びに本田につきましての消雪に要しました労賃でございまするが、そのうち、自家労力はこれは補助の
対象にいたしませんが、雇用労力として雇い入れましたもので、それがはっきりしておりまするものにつきましては、これも助成の
対象にする。つまり、新潟県等におきまして要望いたしておりました、消雪促進に必要なる現金支出につきましては、全面的に助成をいたす、こういうような方針がおおむねまとまったのでございます。
次に、一番問題になりますのは、苗しろの問題でございまするが、まず豪雪のために苗しろの造成がおくれると同時に、これは本田植付にも
関係してくるのでございまするが、これを、豪雪
関係からの災害をできるだけ防止する。このためには一番、私
どももずっと以前から奨励しておりまするいわゆる温床苗しろの
設置の助成をする。一応私
どもの方といたしましては、保温折衷苗しろのいわゆる油紙代の費用と、まだそれにも行きません簡易苗しろと申しまするか、防鳥網を
設置するこの簡易的なものと、二つを
対象といたしておりましたが、防鳥網の方の簡易苗しろの方は、これは改良資金の方で何とかするということが本筋でありますので、この際保温折衷苗しろを全面的に
一つ奨励して参る。そのために必要な温床紙の問題につきましては、これは補助の
対象にする、こういうことで話が一応まとまっているのでございます。
次に、予備苗しろと申しましょうか、どうしても本田の植付がおくれる傾向にございまするので、本田植付の本数、本田に移植しまする場合に少し苗がよけい要る、そのために予備苗しろを
設置する必要がございまするが、これらにつきましては、一応全面的に補助の
対象にする、こういうことに話がまとまったのでございます。
次に、豪雪のために雪どけがおそくなりまするし、本田に冷水が入るおそれがある。この冷水を防止するために、水稲の水口被害を防止するためにビニール板の助成をする。それによりまして直接冷水が水田に入って参るのを防止する
施設でございまするが、これも補助の
対象にする。こういうふうに話がまとまったのでございます。
次に、豪雪並びに
冷害の場合には必然的に、いもち等の病虫害が発生することは必然でありまするが、これに対応いたしまするために、動力噴霧器等の防除
機械を助成すると同時に、少くとも一回ぐらいは、こういう豪雪の年には、平年以上の防除をせねばならない。従って、その一回分だけの農薬代を補助する。こういう二本建の私
どもとしましては構想でおりましたが、病虫害の問題、従ってそれに必要な農薬の点につきましては、これは今直ちに決定する必要はない、そういうことが現実に参った場合にこれは
対象にすべきものであろう。ただ防除機具の方は、これはどうしてもあらかじめやっておく必要がございますので、これは
一つ補助の
対象にしようということで、農薬代の方の補助はこの際見合わせる、ただし
機械の方はこの際補助の
対象にする、こういうふうな格好に相なったのでございます。ただ、御承知のように、県有並びに国有の防除機具がございますので、こいつを一応、今年の水稲期間中想定され得る病虫害に対応する動員態勢をとりまして、その方の不足分を補助の
対象にする、こういうふうに一応の了解がいったわけであります。
これで、大体におきまして、新潟県等から要望のありました分のうち、農薬代を除きまして、全面的に一応補助の
対象にする、かような格好に相なったのであります。そのほかに一応事務的な経費といたしまして、今後の
豪雪対策に対処いたします
試験研究費と、現に指導奨励いたしておりまする府県並びに本省の職員の指導旅費、これを若干認める、かような格好で一応の話が落ちついたのでございます。
ただ、本
対策は非常に急ぎますので、政府の態度というものを一日もすみやかに発表する必要がある、こういうようなわけで、細目の点を目下大蔵省と鋭意折衝いたしております。ただ、これは閣議了解のもとにやる必要がございますので、一応事務的にこの点を積み上げまして、閣議了解を経まして、直ちに県の方に通知をいたす。もちろんこれは現にやっておることでございまするし、金額の点につきましては、一応方針を政府の方で流しまして、県がそれを受けまして、県の
予算を、一応の
事業計画を定めまして、それを現地で実行いたしまして、その
報告を受けまして、現実の金とそれを精査いたしまして、現実の予備金は計上いたしたい。従いまして、それが大体わかりますのは、五月の中、下旬じゃないかと思っておりまするので、方針をこの際はっきり明示いたしまして、こういうことをやった場合には助成をする、こういうふうな経費につきましてはこういう
割合で助成をするということを、できるだけすみやかに決定する。大体今申し上げましたような方針が決定いたしましたので、金曜日の閣議になるかと思いますが、できることなら持ち回り閣議等でも
一つ決定していただきまして、それで県の方にこれを正式に通達をしまして、その県の実績をもちまして、現実に補助金をやるというような格好にいたしたいと思っております。
ただ、現実の指導といたしましては、常時新潟県から私
どもの方に係員が来ておりますので、大体こういうような格好になるから、すみやかに
一つそのつもりで現地の方を督励せいということで、全部電話連絡いたしておるのでございます、時々刻々。これは非常に急ぐのでありますので、その点につきましては、遺憾のないようにやって参りたいと
考えております。それが現在の段階でございます。