運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1957-03-15 第26回国会 参議院 農林水産委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十五日(金曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀  末治君    理事            藤野 繁雄君            東   隆君            清澤 俊英君            河野 謙三君            島村 軍次君    委員            雨森 常夫君            下條 康麿君            柴田  栄君            堀本 宜実君            安部キミ子君           小笠原二三男君            北村  暢君            小林 孝平君            羽生 三七君            上林 忠次君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林省農林経済    局長      渡部 伍良君    食糧庁長官   小倉 武一君    運輸政務次官  福永 一臣君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  細田 吉藏君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    日本国有鉄道営    業局長     磯崎  叡君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査の件(農  林水産関係物資に関する国鉄貨物運  賃に関する件) ○理事の辞任及び補欠互選   —————————————
  2. 堀末治

    委員長堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  農林水産関係物資に関する国鉄貨物運賃に関する件を議題といたします。  国有鉄道運賃改訂農林水産関係物資運賃に及ぼす影響及びその対策等について、かねて当委員会の問題として御審議を願っておったのでありますが、去る六日、内閣から国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案予備審査のため送付され、運輸委員会予備付託になって、審議中でありました従来の経緯もありますので、本日この問題を議題にして、当局から説明を聞くことにいたします。  なお、この問題に関して、政府からの出席は、福永政務次官と、鉄道部長細田君、国有鉄道営業局長磯崎君、及び農林省経済局長渡部君が出ております。  まず、当局から説明を承わります。
  3. 福永一臣

    政府委員福永一臣君) 農林水産物資につきましては、ただいまいろいろ衆議院の方でも論議をいたしておる最中でございまして、大体衆議院の方の委員会は十八日ごろまでには上げまして、参議院の方へ送付することに予定をしております。  そこで、こまかい品目につきましての個々の問題につきましては、それぞれ特別割引をいたすことにいろいろ考究いたしております。ただいま国鉄農林当局話し合いをさせている段階でございまして、そのこまかい点につきましては、国鉄営業局長より御報告をいたさせたいと思います。
  4. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 過般来当委員会でいろいろ御討議をいただきましたことにつきまして、私の方でも種々検討いたしました結果、今日政府の案としてこちらの方に御審議をお願いいたしました内容につきましては、今もう間もなく資料が参ることになっておりますので、資料につきまして御説明申し上げますが、大体の内容を概略だけ申し上げさせていただきますと、  農林物資に対する今回の貨物運賃改訂影響が、私ども原案で参りますると、過般来当委員会で御指摘通り、相当影響の強いものがございまして、それらにつきましていろいろ検討いたしました結果、やはりある程度遠距離逓減の問題に触れて参る点がございますので、それらにつきましては、個々具体的な物資につきまして特別な割引を行う。その割引行い方につきましては、実は当委員会昭和二十八年において運賃改正のときに御審議のございました際に、運賃法改正につきまして、付帯決議といたしまして、生活必需品運賃値上りを当時の数字では二割程度にとどめよというようなお話でございました。その生活必需品が約七十九品目当時きめられております。それらの品目につきまして種々検討いたしました結果、現在の割引制度を相当強化する、そして大体の値上り率が、一番高いところでも一七%台でとまるようにするというような説明をいたしました。  なお、これは農林水産関係だけではございませんが、青森と函館との間の連絡船運賃の問題につきましても、種々検討いたしました結果、私どもの案で現在の四百五十キロでありますものを三百五十キロに短縮いたすという案をとっておりましたが、さらにそれを五十キロ縮めまして、現在の四百五十キロの三分の二の三百キロ計算いたすというふうな措置もとることといたしました。これらは北海道発あるいは北海道着農林水産物資に対する影響も相当甚大でございますので、それらを全部勘案いたしまして、一応作業をやり直してみました結果、ただいまお手元に御配付いたしますような数字と相なるわけでございます。  なお、今申しました七十数品目につきましては、個々物資の発駅、着駅等も十分検討いたしました結果、今申しましたような数字値上りがとどまることに相なったわけでございますが、それ以外のものにつきましては、一応現在農林省あるいは通産省の方と打ち合せをいたしておりますが、何と申しましても、五割引きの強化等によりまして、相当の、約五億ないし六億の支出と申しますか、私の方で申しますと収入減ということに相なるわけでございますので、これ以外の品目につきましては、極力農林省通産省の方の御意見も伺いまして、私の方といたしましては、できるだけ現在の七十九品目にとどめていただきたいというふうなお話を申し上げておりますが、まだ、その点につきましては最終的なお話し合い段階にまで立ち至っておりません。  今までの経過を御報告申し上げまして、御説明を終ります。
  5. 安部キミ子

    安部キミ子君 早う資料を配って下さい。資料なしに話聞いたって、何にもなりません。
  6. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますと、原則は、遠距離逓減のものは八百キロのものを五百キロという原則は変えない、しかし、二十八年の生活必需物資七十数品目については、その原則一つ除外例として特別割引をする、こういう基本方針で進んでおられると、こう考えていいんでございますか。
  7. 福永一臣

    政府委員福永一臣君) さようでございます。
  8. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますると、今具体的に、ざっくばらんに、農林省とその各品目についての打ち合せ中の問題が、どういうところに問題があるのですか。
  9. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) その点は、今資料が参りませんと御説明申し上げられませんから、参りましたら、資料によって国鉄の方から説明させますから……
  10. 島村軍次

    島村軍次君 それでは質問を保留いたして、このままでおります。
  11. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記をとめて。    〔速記中止
  12. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を始めて。
  13. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 資料がおくれてまことに申訳ございません。ただいまお配りいたしました資料は、貨物運賃改訂資料が一部、それから運賃割引一覧表を一部ずつお配りいたしたわけでございますが、貨物運賃改訂要領の方につきましては、過般御説明いたしましたことと大差ございませんが、先ほど申しました通り青函キロ程の修正が、四百五十キロメートルを百五十キロメートル短縮したという……。一ページ目の一の(2)でございます。これが変ってきております。前の案は三百五十キロ——キロ短縮の三百五十キロでございましたものが、この案の通り修正いたしました。なお、次の関門キロ程、重量減トン制度、一軍二口扱制度等につきましては、原案通りでございます。また五番目の等級のごく一部の修正、それから二ページ目の六番目の軽量減トンの一部修正、それから七番目の最低運賃、八番目の割増賃率計算方、九番目の指図の場合における運賃計算方法改正等につきましては、前の御説明と同様でございます。  次に、小口関係でございますが、これは特に詳細に御説明するあれもございませんが、大体原案通りでございますが、やはり青函航路キロ程が変ってきたということと、今の小口関係扱い方が多少変ったという程度で、特に詳細に御説明することはございません。  これらによりまして新しく賃率をはじきまして、そうして計算いたしました上に、先ほど申しました通り、現在の割引をどれだけ強化すれば大体影響が割合に少くて済むかということにつきまして、種々検討いたしました結果、ただいまお手元に差し上げましたもう一つの方の現行公共割引一覧表という表でございます。これはまことに申訳ないのですが、まだ新しい割引率をここに入れておりませんので、非常に簡単でございますので、まことに恐縮でございますが、ちょっと申し上げさしていただきたいと存じます。  現在の割引一覧表ごらん下さいます通りに、一番左は品目が書いてございまして、次に現在の割引率が書いてございます。その次に、適用条件といたしまして、いろいろこまかい適用条件が、距離あるいは区間、あるいは発着駅等によりまして、相当こまかい適用条件がきめられております。二ページには時期によって割引をいたしておるものもございます。種バレイショのごときものでございます。三ページ、四ページは大体今御説明申し上げたような内容でございますが、これらにつきまして、今申し上げますような割引強化をいたして参りたいと思います。  強化内容は、この適用条件のところの内容が変ってくるわけでございまして、適用条件につきまして、六百一キロ以上が一%増、八百一キロ以上が二%増、次は千一キロ以上が三%増、次は千二百五十一キロ以上が四%増、次は千六百五十一キロ以上が五%増、最後は二千三百一キロ以上が六%増。ただいま申しました通り、一%から六%までの増加を地帯によって考えましたわけでございまして、これを現在の適用条件の欄のキロ程とそれから割引率というものに足していただけばいいわけでございます。たとえば一番上の無煙粉炭で、これは農林物資ではございませんが一応一番上にございますから、申し上げます……。三番目の木炭で申しますと、現在全区間一律に七%になっております。これを六百一キロ以上八%、それから八百キロ以上が九%というふうに、ただいま申し上げましたような数字をこの七に一つずつキロ別に足していただきますれば、新しい割引率が出て参るわけでございまして、ただいま申しましたのは内地相互間の割引率でございます。と申しますことは、北海道につきましては、この前の当委員会で御説明いたしました通り北海道割引と申しまして現在やっておりますものが十九品目ございます。その北海道割引をそのまま据え置くことにいたしておりますので、それらとの関係と、もう一つは、ただいま御説明いたしました青函航路関係がございますので、多少内地の方と趣きを異にした割引強化ということになっております。北海道といいますが、北海道—内地間、内地—北海道間、北海道内部と三つございまして、非常に詳細になりますので、これは省略さしていただこうかと存じますが、御質問によってお答えいたしてもけっこうです。非常にこまかい数字になって恐縮でございますので、北海道関係だけは今のとは別だということだけを申し上げさしていただきます。  こういうような割引強化をいたしまして、現在の七十九品目につきまして割引強化いたしますが、その他に、現在問題になって今までに大体話のつきましたのは、肥料につきましては硫安以下六品目につきまして、本肥料年度内は現在運賃でとどまるように特殊な割引をいたしまして、これは非常に発着駅等が複雑でございますので、今計算の途中でございます。
  14. 東隆

    東隆君 化学肥料だけですか。
  15. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) さようでございます。  それからもう一つは、肥料の原料の硫化鉱、それから燐鉱石につきましても、肥料向けに限りまして、やはり今肥料年度内は現在運賃でとどまるように特殊な割引を行うということを、現在大体話をきめてあります。なお、これら以外のものにつきましては、ただいま農林省通産省の方と具体的に折衝中でございます。現在の輸送状況あるいは輸送距離等を勘案いたしまして、目下折衝段階に入っております。大体御説明申し上げますのは、この程度でございます。
  16. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますと、この表にあるのはもとの数字ですね。
  17. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) いえ、この表にございますのは全部計算し直した数字でございます。今お配りいたしました方は、今の計算計算し直した数字でございます。
  18. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますと、先ほど御説明になったのを聞きますと、最高を一七%程度にとどめたということなんですが、この表を見ますと、十七ページには硫安二〇というのがありますね、下から三番目に……。十七ページの下から三段目の一番最後比較A分のCというのが、これが割引率でしよう、昭和三十二年二月の……。
  19. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 下に昭和三十二年二月と書いてあるのが正当な表でございます。
  20. 堀末治

    委員長堀末治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  21. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を始めて。
  22. 島村軍次

    島村軍次君 私が今質疑を行わんとした表からいきますと、何ページになりますか、硫安が二〇というのが一六・二になると、こういうことですか。
  23. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 十五ページの八十八番でございますね。——さよでございます。
  24. 島村軍次

    島村軍次君 それは、ただいま特別割引で別表に示された一覧表の上にプラス一%から六%までのお話がありましたね。その後の全部を計算して一表にすればこれだと、こういうふうに解してよろしゅございますか。
  25. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) さようでございます。
  26. 島村軍次

    島村軍次君 そうすると、こまかいことを聞くようですが、その次の十六ページの中ごろの畳表につい見てますと、松永から札幌まで持っていく場合には、遠距離計算とか、北海道青函線関係とかいうものすべてを計算して、一五・九%がふえる、松永から汐留へ持っていく場合には一七・三%ふえる、こういう表になるわけですか。
  27. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 今の九十六番、九十七番につきましては、九十六番の方は北海道割引が現在ございます。それから、そのほかに先ほど申し上げましたキロ程の欄をごらん下さいますと、キロ程が二千十キロから千八百六十キロになって、百五十キロ減っております。そのキロ程の減りましたことと今の北海道割引等のことで、一五・九%。汐留の方は、松永——汐留には青函航路がございませんので、現在の割引強化するという先ほどの割引の率でもって七百八十七キロ、すなわち六百キロから八百キロの率を適用いたしまして、一七・三%になる、こういうことでございます。
  28. 島村軍次

    島村軍次君 大体この表に対する御説明に、一例をもって御質問を申し上げたのですが、今農林省折衝中の段階についての経過を、一つ具体的に、どれとどれとが問題になっておるということを御発表願いたい。
  29. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいまお配りしていただいた表でごらんのように、この前から特別の措置をしておりました品目につきましては、もう問題がないと思います。ただ、その後の経済の変化に伴いまして、従来の七十九品目以外の品目で受けたらどうかという点が問題になっておるのであります。ただいまそれらの数量なり輸送状況等を両方で突き合せまして、七十九品目と同じような措置をする必要があるかどうかということを、一々当っておるのであります。品目は一応あらゆる品目について、肥料、飼料、農薬、つけ物、調味料、澱粉、穀粉類、くだもの、家畜、油脂、苗木、蚕糸、木材、畜産農産加工というふうに、農産物の一応鉄道輸送されておりますもの全種類につきまして、ただいま申し上げましたように、輸送量輸送キロ、そういうものについて突き合せをやっておるのであります。
  30. 島村軍次

    島村軍次君 この委員会において当初に一つの例としてあげられた、たとえば宮崎県における野菜とか、わせ、つまり早く作る、早作り野菜等の問題については、この改訂表でいきますと、どういうふうになっているのでしょう。
  31. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ただいまのお話宮崎県のわせ野菜につきましては、割引率の方では、先ほどの一覧表の一番しまいのページの一番下にございます「果菜類、四国、九州発区間着で六百一キロメートル以上」のものは、現在七の割引をいたしております。それに対しまして、先ほど申しましたような割引の増強が加わるわけでございまして、従いまして、その結果十一ページにございます二十四から二十七まで四つ例をあげております。例を申しますと、二十四が富高から広島までこれは関門のあれがございますので一二・五、それから宮崎から大阪市場が一四・三%、宮崎から東京市場が一四・〇%、今度下へ参りまして土佐山田——丹波口が一六・四、こういうふうにキロ別に、キロによりまして、割引率が先ほどの七分が加わる計算になっております。
  32. 島村軍次

    島村軍次君 先ほどの説明によりますと、この結果五億の減収ということを御発表になったようですが、この問題については、現在提出されている鉄道財政計画及び輸送等関係については、どういう措置を講ぜられますか。
  33. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ただいま申し上げましたほかに、たとえばまあ今後出てくるものもあり得るわけであります。それらにつきましては一応いろいろな組みかえを行いまして、また一部小口貨物等につきましてのトラック関係問題等も除いたりいたしまして、一応現在の計算では四億六千万くらいが、何と申しますか、今の中に吸収できないような四億六千万ぐらいのものが、現在の私ども計算の中で吸収できないようなことに相なる格好になりますが、これらにつきましては、現在の予算で示されております来年度の輸送量増加等につきましては、現在あらゆる角度から検討いたしました結果、ああいうような数字になっておりまして、その分の増収も含まれておりますが、今の四億六千万程度のものにつきましては、極力努力いたしまして、その分だけ増収をはかって参りたいというふうに考えております。
  34. 島村軍次

    島村軍次君 きょう改訂案を初めて拝見したばかりで、具体的な意見についてはなお検討を要する点があると思うのでありますが、大ざっぱに見まして、ただいま御説明のありました一七%というのが、十二ページの四十三の下級鮮魚下関から大阪市場へ持ってくるやつは一七・五%、四十四については一七・八%になる。これは関門距離計算関係で、下関から持ってくるものは運賃からいえば高くなる。そして長崎から持ってくるものはその次の一四・七になりますが、ただし東京市場へ持ってくるものについては一七・七、こういうふうになっているようですが、こういう関係の調整はこれでうまくとれておるのですか。
  35. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ただいま御指摘通り、たとえば今の下関——大阪市場東京市場、あるいは長崎——大阪市場東京市場につきましては、値上りの率が必ずしも趣きを異にしておりませんが、これはどうしても賃率を組みます技術上、こういう形で出て参ります。これは、先ほど申しましたように、非常に強度の割引をいたします関係上、ちょっとした距離でもってこういうふうに違ってくることが出てくるわけでございます。ただ、実額ごらん下さいますれば、もちろん距離の近い方が安いということになっておりますが、場所によりましては、たまたま今のように、一七・八、長崎——東京市場の一七・七というようなものが出て参ると思います。ただ、下関の、長崎鮮魚につきましては現在一番問題でございますのは、下級鮮魚上級鮮魚の区別でございますが、ことに下関は、私どもの言葉で混載と申しておりますが、あすこの漁撈の関係からいたしまして、下級鮮魚の中に上級鮮魚を多少まぜて輸送する混載というケースが非常に多いのであります。今度その上級鮮魚の分類を多少変えまして、非常に上級鮮魚に該当する漁類の数を減しましたので、現在混載で参っておるものがほとんど下級になるという形になります。そうなりますと、十三ページの上から三番目に、これは戸畑でございますが、混載鮮魚の案がございます。これは混載のままでございますが、混載から下級になるという案が、これらは混載による何と申しますか、混載上級鮮魚下級鮮魚品名変更による一種の等級変更でございます。それらがございますので、その影響が非常に強く響いてくるということになっております。
  36. 島村軍次

    島村軍次君 そこで表の一覧を見ますると、安いものはほとんど上ってないようなものもありますし、それから農林物資だけについて考えれば、たとえば今御説明になった点であるように思われるのですが、一番最高のものは何パーセントになるのですか。前回の表によりますと、三割以上も上げているものがあったようにも記憶いたしますが、今回の表ではどうなりますか。特別割引農林物資についてだけという意味でありますか。他の物資についてもいろいろ技術的な検討を加えられて、変えておられるのですか、どうですか。
  37. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) その点につきましては、お手元にあります資料の中の十七ページ乗用車というもの、これは百十九番でございます。これはただし関門の減が入っておりますので、関門がない蒲田——鳥栖でございますから、考え得る場合としてはもっと遠く、たとえば青森から下関に送るというような場合には、全然そういう関門とか青函のかからない場所で、しかも一切の割引がないというものなどにつきまして見ますと、今の乗用車などはもうちょっと、あと一%ぐらいは上ると思います。その次のページ、十八ページの百二十六番にビールがございます。これは東京の恵比寿から山口県の山口に参るのでございますが、これが二〇・六でございます。計算上はこういうものは出て参りますが、実際に物の動きを見て参りまして、こういう高級品につきまして長距離動くというものは実はあまり例がございませんで、ごく特殊な例などを探してみますと、計算上は、たとえば二千キロに参りまして一切の割引にかからないというものになりますと、二千キロで二四・三というような数字が出ておりますが、実際の輸送ケースから見まして、今の日本の一番長い輸送距離は二千五百キロでございます。そういった二千五百キロになりますと、必ず青函関門がかかって参ります。また内地の問題にいたしましても、先ほどいろいろ御説明いたしました制度改正その他が、大てい何かひっかかって参りますので、ごく特殊な高級品を除きましては、大体二割を少しこす程度という結果に相なってくるということが考えられます。
  38. 安部キミ子

    安部キミ子君 さっき島村委員からも御指摘なさいました下関とそれから大阪市場、あるいは東京市場割引の比率が、長崎と同じでは、だれが考えてもおかしいと思い、納得のいかぬところですが、いろいろ弁解らしいことをおっしゃいましたけれども、そういうことでもうきまったのですか。この点はもう、はっきりきまったのでしょうか。
  39. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 今の御質問でございますけれども割引率が同じだということではないのでございますが、その点、先ほど申し上げました通り下級鮮魚について申しますと、現在の割引率に対しまして、現在では下級鮮魚が五百一キロから五分引いております。それからそれに対しまして、先ほど申しました通り、一分から六分までのものが加わるわけでございます。従いまして、算数的にキロがふえるに従って割引率がふえて参るということになるわけでございます。従いまして、たとえば長崎——東京市場でございますれば、この表でごらん通り、千三百キロでございますので、今度は九分引きということになりますし、また長崎——大阪市場ですと、七百七十三キロでございますので、今度は七分引きということで、そこで割引率は二分違っております。その点、今先生のおっしゃいました長崎から東京大阪割引率が同じだということは、私の御説明が不十分だったと存じますが、キロでもって算数的に出て参るわけであります。それから先ほど申し上げました通り下関鮮魚につきましては、混載鮮魚が多いのでございますので、十三ページの上から二番目に四十七番というのがございます。それが上級から下級に下るというような例でございますが、こういった特殊な例になりますと——、特殊と申しますか、割合に九州以西物が多いのでございますが、こういったものになりますと、むしろ運賃が下るということに、比較の欄で三角になっておりますが、等級変更のために逆に二割三分運賃が下るということも出て参るわけであります。  その魚の種類を、毎回申します通り、今までは下級鮮魚を約十五ばかりあげまして、これ以上は全部上級魚というようなあげ方をしておりましたが、長年の水産界の御要望によりまして、上級鮮魚を十数品目あげまして、これ以外の魚は全部下級魚だということにしたわけでございます。従いまして、下級鮮魚の範囲が非常に広くなっております。そのため、むしろ等級が変りますと、四級から二十二級に下りますので、運賃が下ってくるという格好に相なるわけでございますので……。
  40. 安部キミ子

    安部キミ子君 そうしますと、具体的に言いますと、同じたとえば下級鮮魚長崎から送る運賃と、それから下関から東京へ送る運賃とは、どうなんですか、キロによって。
  41. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) それは運賃の欄の改訂案のカッコBの欄をごらん下さいますと、差額でなしに、カッコBの欄をごらん下さいますと、たとえば下関から東京市場までの下級鮮魚の新しい運賃は、十二ページの下から二つ目の四十四番でございますが、二万六千三百円、それから長崎から東京市場は十三ページの一番上でございますが、カッコBの欄で三万一千二百七十円、同じ十二トン車を使いまして、二万六千三百円と三万一千二百七十円で、約五千円の開きがあるわけでございます。
  42. 安部キミ子

    安部キミ子君 そうしますと、ここのパーセンテージだけ見たのでは矛盾があるようですけれども、実際個々品目によってちゃんと合理的な運賃値上げになっている、こういうお答えになりますか。
  43. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) さようでございます。
  44. 東隆

    東隆君 この表の中で三角のついているのがあちこちございますが、これは何ですか。
  45. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) これは、今回の値上げにもかかわらず、等級を変更いたしましたり、いろいろなことをいたしますために、値下りになる、現在よりも値下りになるもの、たとえば今も説明があったと思いますが、十三ページの四十七番に上級鮮魚と書いてございますね、カッコしてヒラメ、カレイと書いてありますが、これは今は上級鮮魚でございますが、今度等級変更でヒラメ、カレイは下級鮮魚になりますので、等級が高い四級から特別等級の二十二級というやつになってしまうものでございますので、今度の値上げにもかかわらず、賃率そのものが上るにもかかわらず、等級が下りますので、がた落ちに落ちますので、今よりも二割三分値下りになる、こういうことでございます。たとえば五十五番の生乾スルメというのがございます。函館から東京市場、これは二割二分二厘今よりも下る。表の右側についております三角……。
  46. 東隆

    東隆君 マイナスということですか。
  47. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) マイナスという意味でございます。値下りになるという意味であります。
  48. 清澤俊英

    清澤俊英君 さっき島村さんが渡部さんに質問したのに対して、あなたがお答えになったのは、ぺらぺらとおっしゃって、よくわからない。あれは言われていることが、どうも七十九品目の中に入っているようなものを総括して、言われているようだが……。
  49. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 入っていないものだけです。ほかのもの一切についてやっているわけです。
  50. 清澤俊英

    清澤俊英君 それをもう少し、はっきり言って下さい。何をやっているのか、わかった人はおらないと思う。
  51. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これは七十九品目を取り上げて従来別扱いにしておったのですが、そのほかの鉄道に乗るあらゆる農林関係物資についてということでございまして、ここにありますけれども、全品目について、それが一つ一つ各業界なりあるいは局から出たものを取り上げまして、輸送量輸送距離等、二十八年以降の経済界の変動等に応じまして、輸送状況検討して取捨選択をしておる、こういうことであります。
  52. 千田正

    ○千田正君 渡部さんに要望しておるわけですが、国鉄運賃値上げは平均一三%……。そうでしょう。きのう運輸大臣はそう言っておるのだから……。だから、その一三%より上に値上る農林関係資料を出して下さい。出せますか。
  53. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) その関係につきまして御説明を申し上げます。一三%と申しますのは、これはいつの場合でもそういうことでございますが、むしろ予算面から来ておるものでございまして、一三%の収入があがる運賃改正をやるという趣旨でございます。ところが、実際問題としましては、ただいま上級鮮魚下級鮮魚お話も申し上げましたし、それから青函関門キロ程短縮等も申し上げましたが、一率の一三%という意味ではございませんので、運賃の安くなる方の要素が、今まで各界から御要望があるわけでございます。  たとえば北海道、本土相互間の関係におきましては、青函キロ程が四百五十キロというのはけしからぬ。百十三キロしか実距離がないのだから、これはもっと下げろという、非常に強い御要望があるわけです。これは北海道農林水産に限りません、全部に関係する問題であります。これを先ほど御説明しましたように、三百キロに落しますと、大体収入減としまして十三億三千万円その関係で落ちる。今までよりもその関係で安くなる。  たとえば関門が三十キロで、実は航路のときと同じ計算をいたしておるのであります。ところが、これも下関、門司から非常に強い要望があるわけですが、関門港は同じ一つの港であるけれども、たとえば食料が門司に上って北九州に輸送される場合、下関に上ってそこからだと三十キロ、実際は六キロ三分しかない、レールがつながっておる——キロ三分の実距離でレールがつながっておる。実際の距離と違ったキロ程をとっておるのはどこもないのでございます。私鉄にはございますけれども……。それを六キロ三分に落すということは、長い間の懸案になっておるわけです。それを六キロ三分に落しますと、七億三千万円ほどの減になります。ですから、端的に申しますと、北九州に坑木が島根県の方から行くのと、山口県の方から行くというのとは、距離が近距離であればあるほど、二十四キロばかり影響が大きいわけです。そういうわけで七億三千万円下る。  それから先ほど申しました上級鮮魚下級鮮魚に、四級から二十二級に落すというような等級変更ですね、軽量減トンとか、そういうようないろいろ技術的のものがございます。こういったもので、たとえば等級変更軽量減トンで六億三千万円くらい、今までの等級を使ったものとして考えるよりは安くなる、こういうことになるわけです。  そのほか、たとえば生鮮食料品について非常にありますが、たとえば塩釜なら塩釜から東京市場へ魚を送ります。それを途中で、市場の関係大阪市場へ着駅変更をする。よくある例なんであります、魚や野菜には。その場合、今までは東京市場までの運賃をいただいて、東京市場から大阪市場までの運賃を別に計算して、その差額をいただいているわけであります。今度はそれをやらないで、塩釜から大阪市場までの運賃をまず出しまして、それからすでに払われている東京市場までの運賃を差し引きます。そうすると遠距離逓減がございますので、その差額は安くなる、別に新たに計算するよりも。というのは、水産業界なりあるいは生鮮食料の蔬菜、くだもの、そういったところから、非常に強い御要望のあったところでございまして、そういうものを直す。こういうことをいろいろいたしますのと、それから遠距離逓減制を若干の修正を加えましたための、これは増収でございます。  これらをいろいろ差し引きいたしますと、約三%、今のままでやるよりは、出し分が多くなる。
  54. 千田正

    ○千田正君 どっちが……。
  55. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) つまり、国鉄の方で三%だけ値下げの要素になるわけです。今の制度を変えますと……。
  56. 千田正

    ○千田正君 それを僕は聞いているのです。
  57. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) そういうことでございますので、これをここにも出ておりますように、一〇%にならないものが出たり、いろいろあるわけでございます。あるいは下るものが出る。こういうものを実は距離別に、それから物資別、数量別に、運賃計算をいたしましたものが一三%になる、こういうことでございます。
  58. 千田正

    ○千田正君 それは、国鉄の立場の説明はわかりますよ。僕は渡部経済局長に聞いているのです。あなた方は、今農民なり漁民から、国鉄運賃が上るから困る。困るから、あなたが交渉しているのでしょう。今の説明からいうと、予算上からいって、最後の結論からいうと、三%むしろ減った、国鉄の方は足し前だ、こういうふうになる。それでいいのですか。
  59. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これはやはり国鉄の方から説明を願ったらいいと思いますが……。
  60. 千田正

    ○千田正君 だから、説明を簡潔にわれわれによくのみ込めるような案を言いなさい、はっきりと。
  61. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 一番初めにあります車扱貨物賃率改訂案、これが一六%の上げになっているわけです、基礎賃率が。その結果、はじきまして、今の国鉄の部長が説明しましたように、青函関門等の値下げ要素、そのほかのいろいろな費目の増減を見た結果、基礎賃率において一六%上げなければ、一三%の国鉄全体としての増収がはかれない、こういう基礎に立っているわけであります。
  62. 千田正

    ○千田正君 だから、それはわかるのです、国鉄の言うのは。今の一三%という率を中心として考えた場合には、低くしているところもあるし、低くしなければならないところもある、その増減のバランスをとったところが、一三%という目安に向ってやっているというのが、一つ改訂の基礎でしょう。ところが、今度の農林関係の品物のうちで、どれとどれを下げて、どれとどれを上げて、そのバランスが一三%に到達するかということの、上った分と非常にマイナスというか、低くなった分との著しいものを上げてごらんなさいと私は言うのです。それはどれとどれなんですか。
  63. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これは質問の趣旨がよくわかりませんが……。
  64. 千田正

    ○千田正君 わからなければ説明できないのだから、結局僕の言うことは、いわゆる大蔵省なりあるいは国鉄側がお互いに話し合って、今度の政府の予算面において二二%上げるという、これにマッチするような改訂をやっているわけです。だから、あるものは従来よりも安く持ってこなくては、あなたの方でのバランスがとれないから、安く持ってくるものがある。あるいは遠距離逓減の法則とか、いろいろなものを用いて、とにかく一三%という増に予算面には持っていこうというのが国鉄の腹なんでしょう。そうなんでしょう。だから、それにマッチさせた農林関係の品物はどれとどれかというのだよ、上ったのと修正されたのとは。
  65. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ですから、総体として一三%ということになりますので、一つ一つ……。
  66. 千田正

    ○千田正君 総体はわかるさ。
  67. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 一つ一つ物資について、一三%になるか一五%になるかということは、基礎賃率とですね、今の青函あるいは関門にかかるものは幾らあるか、それから今度の遠距離逓減でそれらを適用して数量、ファクターをかけまして計算しないと、何%になるか、その物資についてトータル何%になるかということは出ないわけなんです。それを一々各品目につきまして、おもな物資につきまして、例示的に大体この荷物は比較的長距離ではここを通っているからということで、その分を切っておるわけでございます。それらの物資についてその近距離に何んぼ、何キロに何んぼ、こういう計算は、私の方では例示的にやったものはあると思いますけれども、全体的にはできないのであります。
  68. 千田正

    ○千田正君 できないって、あなた、しかし運輸省なり国鉄と、農林省の立場で交渉していて、それでできないということはないじゃないの。そんなばかなことで、交渉しているのかね。農林省は自分が扱っているところの農林省関係の品物に対して、実態を把握しないで、あなた方交渉しているの。そんなばかな話ないでしょう。だから、僕の言うのは、くどいことは言わぬ、私がはっきり言うのは、そうしたうちの著しいものの例証を資料として提供してくれと言うのだ、僕の方は。
  69. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ですから、著しい例はここに出ておるわけであります。千田先生が言っているのは、これを米なら米の総体量について、そうして何ですか、総体の加重平均の値上げ率が幾らになるかということを要求されたと、私は了解しております。
  70. 千田正

    ○千田正君 なぜ私はそういう質問をするかと言いますれば、あるものは低く、あるものは高いわけだね。高いもののうちで国民生活に影響する面と、消費者に影響する面と、それから生産者に影響する面と、非常にそこに差がついてくるのですよ、鉄道運賃の値上げによって、あるいは値下りによって。そういうことはあるいは国の政策の上に、農林行政の上に、あなた方に聞きたいから、僕は一応質問しているわです。米はあまり上げない、肥料なら肥料は上げない、しかしこれとこれは上っている、こういう問題が出てくるというと、どこにしわ寄せになるかということをわれわれは考えなけりゃならない。
  71. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 私の方では、基礎賃率が一六%でございますから、一六%までは一応やむを得ぬ。しかしこの青函とか関門等によってよけい下るものがある。それは一六%になるからよろしい。遠距離逓減改訂をやれば、一六%以上になる。従って、遠距離逓減の分はまあ、当委員会でもお話がありましたように、一六%以上は絶対だめだと、こういう意見もありますし、あるいはもう少しゆとりのある考えもありましたが、そこを一七%がらみまでは遠距離輸送に対する値上げ率のアローアンスを認める、こういうことで、それをおもなる物資に遠距離が起る場所を拾いまして例示として出したのが、これであります。でありますから、この青函関門を通らないものにつきましては、平均が二八・何パーセントになるはずです。青函関門を通る物資につきましては、一六%、平均が一六%以下になります。それが一三%になるのか八%になるのか、一五%になるのかというのは、その青函なり関門の利用量と、それにかからない量との、加重平均で出てくるわけであります。その計算はあまり詳細にやってない、こういうことであります。
  72. 千田正

    ○千田正君 特に特別会計関係に関する、食管に関連した輸送賃金に対しては、慎重に考えて下さいよ。これは今われわれとしてはですね、現政府におけるところの最大の欠陥であるところの食管特別会計というものに対して、われわれは今研究しておるところなのだ。だから、そういう関係のものに対する運賃の差額というものを、特に研究してもらいたいのだな。これはいずれほかの議員からも御質問あると思いますから、次にします。
  73. 河野謙三

    ○河野謙三君 はなはだ幼稚な質問ですがね、一三%値上げになるというのは、増収が一三%になるのですか、賃率が一三%になるのですか。増収賃率とは私は別だと思うのだが……。
  74. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 増収が一三%でございます。
  75. 河野謙三

    ○河野謙三君 増収が一三%というと、賃率は平均どのくらい上りますか。
  76. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 基本賃率としましては一六%でございまして、そのうちから三%……。先ほど申し上げましたようないろいろな要素で、今の制度よりも制度を変えることによって、引く要素のものが三%ございます。従って、基礎賃率は一六%で、そのうちからいろいろな制度の改正で三%が下りますので、それで一三%でございます。
  77. 河野謙三

    ○河野謙三君 増収が一三%と。そうしますと、一三%の増収を出す基礎数字ですね、これは物資の動き、人の動きはどういう数字をとっておられるのですか。前年度の実績にある程度増加率というものを加えておるのですか。
  78. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 昭和三十年度の実績でとっております。それで増加率の問題はですね、それとは別でご、さいまして、増加率は別に予算上は、輸送量がたとえば三十二年度は三十年度よりもうんとふえますですね。この輸送量増に伴う増というものは、運賃値上げによるということでなくて、別に予算上計上いたしておるわけでございます。
  79. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、一三%の増収というものは三十年度の輸送実績をとっておる、そうですね。それに増加率は別になっておると、こういうことですか。
  80. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) ちょっと説明があるいは足りないかもしれませんが、実はこのいろいろ制度改正なんかいたしますね、それから遠距離逓減ももちろん変えるとかというようなことから、具体的にどういう品物がどれだけ動いておるか、どういう距離を動いておるか、青函はどのくらい通っておるか、関門はどういうものがどのくらい通っておるかということがわからなければ、一六から三を引くというようなことが出てこないわけですね。そこで三十年度の荷物の動き方を基礎にいたしまして、それから計算いたしましたものが、さっき申し上げました一六であり三であるわけです。それで賃率を盛り、運賃をきめるわけでございます。三十年度を基礎にしてというのは、三十年度の動いておる状況を三十一年度、三十二年度——もちろんわかりませんが、一番近い三十年度の動きによって計算を出したものがそういう格好になっている、こういう意味でございまして、それで増収は、要するに三十年度とかりに同じだったとするならば、一三%上るということでございます。従いまして、端的に言いますと、たとえば遠距離逓減では、遠距離逓減修正をいたしておりますから、遠距離逓減のものは上りますですね。しかし、かりに貨物が、距離の長いものが少くなって、短かいものが多くなりますれば、一三%までいかない。逆な場合は、一三%以上になる可能性もある。しかし、動きとしては、昭和三十年度の動きで見るしかございませんので、それで見た、こういう意味でございます。
  81. 河野謙三

    ○河野謙三君 だから、この三十年度の物の動きをベースにして、それにその後の物の動きの変化の傾向を勘案して、それに三十年度の物の動きを基礎にしたものをかけたものがこの一三%である、こういうことでございますか。
  82. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) さようでございます。
  83. 河野謙三

    ○河野謙三君 そういたしますと、その後三十一年度、三十二年度は、この傾向が私ははっきり出ておると思うのですよ。たとえば工場の生産関係にしてもですよ、だんだんこのごろ立地条件を非常に尊重するようになって、工場も都市並びにその周辺の立地条件を選んで集中する。従って、人の動きもだんだん都市に集中する、こういうふうになっておりますね。だから、その三十年度を一応ベースにすることはいいですけれども、その後、この産業界の殷盛をきわめた今日ですね、物の動き、人の動きというものは、私は非常な変化が伴っておると思う。その後の変化というものはどの程度見ているのですか。
  84. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 貨物について申し上げますとですね、平均輸送距離というものが一番端的な形で現われておると思うのですが、平均輸送距離はそう著しく変っておりません。それから産業界云々というお話でございますが、これは個々にとりますと、いろいろな要素があると思いますが、凡百の物資を送っておるわけでありまして、全体として見ますと、非常に著しい変化があるとは考えておりません。ただ、量は非常にふえております。量的にはふえております。
  85. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、あれですか、量はふえておる。しかし、その後の動きは遠距離、近距離の物の動きは、三十年度のベースに傾向としては変化がない、こういうのを基礎数字にいたしておるわけですか。(「おかしいな、それは」と呼ぶ者あり)  これは、私は実情は非常に違うと思うのですね。たとえばですね、京浜間をとられてもですよ、人が、非常にこの日本の国の人口移動は、阪神なり京浜に依然としてどんどん集まってくるのですね。いたずらに人は集まらぬわけでしょう。人が集まるということは、物の動きがそこに集中されるというわけですよ。これは現につい二、三日前にも、東京都の人口増の率、あれを発表しておりましたが、最近このカーブが幾らかゆるくなっておりますよ。しかし、依然としてこの京浜間に人は集まっておるわけですね。これは物の動きをやっぱり裏づけしているものですよ。でありますから、この傾向を見ないで、三十年度の物の動きをベースにして一切の計算をされるということは間違いであるということは、お気づきになっておると思いますがね。
  86. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) その点につきましては、河野先生のおっしゃいます通り、物によりましては、たとえば人口を集中するために特殊な物資が非常に輸送がふえるということは、あるいはあるかもしれません。それからやはり一番私どもの方に関係いたしますのは、足の長さでございます。貨物の輸送距離でございます。物の性質的に見まして、非常に全体の収入なり全体の輸送量に大きな影響のあるものと申しますものは、何と申しましても、現在年間の輸送量が一億七千万トンの輸送をやっておるわけでございます。従いまして、個々的に見まして非常に特殊現象として輸送上に現われるということは、よほどの大きな変化がない限り、実際上の大きい数量としては輸送面に現われて参らないと思うのでございまして、一番大きな現われは貨物のやはり足でございます。その足につきましては、実は昭和十年ごろと比較いたしますと、約百キロ、足は伸びております。で、あのころは大体百七十キロくらいでありましたものが、現在二百七十一キロくらいになっております。ところが、最近、ここ二、三年、昭和二十八年度くらいから、貨物の足の伸び方が大体今とまっております。で、この貨物の足の伸び方のとまりました原因にはいろいろあると思うのでございますが、これは大体経済界の取引が一応、どこから原料をとり、あるいはどこへ製品を売るといったようなことの大筋が、ここ二、三年の間に大体きまってきたというようなことも、その一つの原因ではないかと存じますが、貨物の足がほとんど対前年で伸びなくなっております。従いまして、一番私どもの方に大きな影響がございますのは、トン数とキロ数をかけまして、私どもの方の言葉でトン・キロと申しますけれども、トン、キロの動きというものは、大体たとえば全体の一億七千万トンに貨物別の足をかけます。で、これが四十何億トン・キロというトン・キロになりますが、このトン・キロの中において占めまする、たとえば石炭のトン・キロ、あるいは米のトン、キロといったものの割合は、最近はそれほど大きな変化を来たしておりません。従いまして、個々別に見ますと、先生のおょしゃったようなこともあると存じますが、大きな、大数的な観察をいたしますと、物資別に見まして非常に輸送形態が変ったとか、あるいは輸送状況が変ったというものは、私どもの貨物には現在は見られませんが、  ただ一つ、先生の御指摘になったことで私どもの考えておりますのは、ことにトラックの関係でございまして、これは小口貨物の方では、非常にその点は先生のおっしゃったことが実は顕著に現われております。この点につきましては、実は昔は私ども小口貨物と申しますのは、全体の数量で申しますと約六、七%のものでございますが、荷主の数は非常に多い。また国民の生活に直結しているような、ほんとうに消費物資に直結しているようなものが多いのでございます。こういうようなものは実は戦前はやはり、この現在の車扱いと同じように、等級制をとっておりました。そして等級によりまして、すなわち負担力によりまして運賃をきめておったのでございますが、御指摘通り、非常にトラックが発達いたしまして、トラックはもう負担力は全然考えませんで、もっぱらトラックの輸送原価でもって運賃をとっております。従いまして、高級品がどんどんトラックに移っていって、低級品だけが国鉄に残るといったような状況がございましたので、戦争直後小口貨物の等級制度を廃止いたしまして、一本の運賃にいたしております。しかしながら、やはり現実に、個々に詳細な検討をいたしてみますと、大体今の車扱いの等級で申しますと、四級以上のものに該当する貨物がずっと最近は減ってきております。昭和十年といわず、戦争直後のころ、まだガソリンが不自由であり、トラックというものの台数が少かったころと比べましても、高級品のトラックに対する転移は非常に多くなっております。従いまして、小口貨物につきましては、まさに先生のおっしゃいました通りの現象が実は現われておりますが、車扱い貨物につきましては、非常に大量なものが大部分でございまして、割に距離も長い、また距離の短かいものにつきましても非常に量が多いといったような関係でトラックへの転化はまだ実はそれほど現われておりません。むしろトラックへの転化よりも、全体の輸送量がふえる、トン・キロがふえるという方にそれがカバーされてしまうかとも存じますが、全体の趨勢にはあまり影響ございません。小口貨物につきましては、まさに先生のおっしゃったようなことでありまして、その点につきましては、実は今度の制度改正でだいぶ考えまして、ある程度、もちろんこれはトラックと競争するということは、これはなかなか考えなくちゃいけないことだと存じますので、トラックと共同して輸送ができる、短距離と申しますか、あるいは駅から荷主の家まで、あるいは鉄道貨物でなしに、トラックだけで現在送っておりますようなものにつきまして、無理やりにこちらにとるということでなしに、トラックと共同して鉄道輸送を考えるという輸送形態にしやすいような小口貨物につきましては、今度の運賃制度の中にそれを盛り込んでおりまして、これは実は減少面に立つような要素でございますが、トラックと一本運賃の、すなわちドアから、小口から小口へという輸送制度も今回作ることにいたしております。先ほど御説明いたしましたような要領の中にも入っておりますが、そういった小口貨物につきましての自動車との共同輸送という面を今度は相当強調して考えておりますので、その点につきましては先生の御指摘になったことを考えておるというふうに申し上げても差しつかえないのであります。
  87. 河野謙三

    ○河野謙三君 その増収・減収は別問題として、物の動きの傾向として、私がさっき申し上げたようなことは、私は間違いじゃないと思っていることは、たとえば先ほど千田委員から話がありましたが、食管関係の麦なり米の例をとりましても、この都会に非常に人間が集中しておるでしょう。従って、生産関係も、たとえば精麦にしろ製粉にしろ、都会にあるところの大製粉、大精麦に生産が集中されて、地方の工場はどんどんつぶれていきますね。製粉もまた都会中心の販売になっておりますね。でありますから、たとえば麦一つとらえても、外麦一つとらえても、一年に二百万トンの外麦を輸入して、これを横浜なり、名古屋なり、神戸なりに入りますね。入ったものが、港の工場で生産されて、大部分のものはその港の周辺の消費者に配給される、こういうことになりますね。この傾向は非常に両三年強いのですよ。これがあなたの方の数字に乗ってこないはずは私はないと思う。それを、三十年度の輸送実績をベースにして、これにかける幾らということでやっていけば、非常に私は間違いじゃないか、こう思うのですが、この最近の生産状況、消費状況の変化というものは著しいものがあると思う。その点を一体あなたの方はどういうふうに計算されておるかということを、私は伺っておる。
  88. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 私、先ほども申し上げたつもりでおりましたが、個々のものにつきましては、これはいろいろ変って参っておると思います。ただ、全体として私ども見ます際には、著しいといっても程度の問題でありましょうが、影響を及ぼす、三十年度とここ二年の、——二年といいますか、今のところは三十二年度は入っていませんから、一年前の状況でございますので、先ほど磯崎局長から説明申し上げましたように、全体としての輸送距離というような見地から考えますとそれほどひどい影響にはなっておらないということを申し上げたので、ここにはいろいろ変って参っておるものはあるのじゃないかと思います。  それから、かりに今先生の御指摘になったような要素が強いということになりますと、これは実は鉄道の側のマイナスになる要素になるわけであります。遠距離がふえると、今度遠距離逓減改正しておりますから、これは予定よりもっと上るわけであります。近距離がふえますことは、近距離になりますということは、むしろ下る要素になるということは、遠距離逓減修正することによって、増加を見込んでおりますから、それが割合少くなるということになるかと思います。
  89. 千田正

    ○千田正君 もう一つお聞きしたいが、経済局長一つの製品で、ただいま遠距離のあった場合ですよ。肥料であるとか、あるいは薬品であるとか、農薬であるとか、あるいはゴム製品というものが、農家なり漁家の必要なものをある程度の高い運賃で入れて、できたものはまた市場まで持ってくるというと、高い運賃が加算されて、そのしわ寄せが生産者に行くというおそれはないかということを私は聞きたいのだが、どうですか、その点。
  90. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 理論上そういう要素は当然あるわけであります。
  91. 千田正

    ○千田正君 まあ、そういう問題も私どもは考えてみたいと思うのです。たとえばそうなるというと、生産者が圧迫されておる、結局ね。北海道なら北海道、九州なら九州のはてで、バレイショなりあるいはカンショなり作ると、それに対する肥料なりあるいは薬品なりというものは、ある程度従来より高いものをまあ買わなければならない。運賃をプラスしたものを買わなければならない。そうして出てきたものが東京の市場なり、大阪の市場へ来た場合に、また前の運賃より何%かより高いもので出さなければならないなら、それだけ高く市場が扱ってくれればいいけれども、扱わなかった場合におきましては、農民なり漁民の生産というものに対して相当影響するのじゃないかと私は思う。ここはどうなのですか。
  92. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これは二つの問題に分れると思いますが、運賃値上げそのものの結果的にそういうのが出るのと、それから遠距離逓減によって、遠距離逓減改正分だけ遠距離の方のものが市場に、比べて不利に立つという二つの問題に出ると思います。前の問題は、これは運賃を上げるか上げないかという問題で、まあ政府の一員としましては、上げるということにきまっておりますので、批評をすることはできないと思いますが、今の遠距離による、市場から距離が遠ざかることによって不利をこうむる限度は、基礎賃率一六に対して一七%内外と、一%内外だけ不利になる。一%がらみだけ不利になるということに食いとめたということを、率直に申し上げます。
  93. 千田正

    ○千田正君 だから、そこであなた方の行政の面に農業政策を考えなければいけないというのは、たとえば千葉なり、神奈川なり、埼玉なりにおいて、同じ農家が同じ製品を出した場合において、マーケットに近いものと、マーケットに遠い人たちと、同じ農村の農家経営において相当差が出てくる。それに対する政策というものを、農林省は立てなくちゃならぬじゃないか。この点はどうですか。
  94. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) それは農家政策といいますか、経済政策の基本的の問題でありまして、自由経済をとるか統制経済をとるかという問題の分れ目になると思います。従って、中間の段階におきましては、やはり割り切れないものが残ってくる。これは私どもも行政上常に悩んでおるところでありますが、やはりこの問題についてもそういう問題が残ってこよう、こういうことでございます。
  95. 千田正

    ○千田正君 だから、その悩みの果てないものを持っていながら、運輸省なり国鉄の諸君はにこにこ笑っておるが、それにだまってついていくという手はないんじゃないかというんです。
  96. 河野謙三

    ○河野謙三君 引き続き、ちょっともう一つ伺いますが、今千田先生からたまたま触れられたんだが、今度の国鉄運賃の値上げによると、要するにたとえば政務次官のお国であるとか、千田さんの国であるとか、こういう山間僻地であるほど、高いものを買って安くものを売らなければいかぬ、こういう傾向が出ますね。そこで、ただこの大運送だけならまだいいんですよ。いなかの方で直接もっと大きく影響のあるのは、小運搬です。今度の国鉄のこの運賃値上げというものは、小運搬の値上げには影響はしませんか。また、させないというだけの確信をもって、この処置をとっておられるのですか。
  97. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 国鉄運賃改訂は、小運送費とは全然関係ございません。
  98. 河野謙三

    ○河野謙三君 関係はまあありませんけれども、これが小運送に影響することは避けられないでしよう。影響はないという前提に立っておられますか。
  99. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 通運料金は、御承知のように、認可いたしまして確定の料金になっておるわけでございます。これは私どもの自動車局が所管をいたしておるのでございます。で、通運料金につきまして、これを上げるか上げないかということは、鉄道運賃が上ったから通運料金が上るという性格では考えておりませんので、通運の料金は、今のところ申請はないようでございますが、申請があるかどうか私よくわかりませんけれども個々の原価、あるいは経営状態その他を見まして、通運料金の認可をいたすことになっております。ただいまのところ、何も聞いておりません。
  100. 河野謙三

    ○河野謙三君 その態度はけしからぬと思うんですよ。申請があるとかないとかいうことよりも、この間運輸大臣が、私鉄の運賃は上げないと言ったそうですが、これは私はインチキだと思うんですが、必然的に私鉄の運賃を上げなければならぬし、小運搬の運賃も上げなければならぬということは、あなたはわれわれより専門家だから、そこへ落ちていくということは考えておられるでしょう。それも、そういうことは考えられるけれども、この際日本の物価体系全体からいって、特に山間僻地の農村の経済に及ぼす影響が大きいから、理屈がどうあろうと、政府はいかなる申請があっても認可しないという前提に立って、今度の運賃値上げがやられたかどうかということなんです。成り行きまかせじゃだめですよ。
  101. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 鉄道の場合と通運の場合とは、やや違うのじゃないかと思います。私鉄につきましては、たとえば並行区間がございまして、運賃特定をしております。たとえば東京—横浜間でございまするとか、あるいは大阪—神戸間でございますとか、こういうものはどうしても直ちに、競争関係になっておりますので、大体同額で押えておりますのでこれは影響があると思います。通運につきましては、これをどうするかということにつきましては、実は私は聞いておりませんが、これは所管も、実はそういうことを申し上げては恐縮でございますが、私の方の所管でもございませんので、私からはお話ございました点につきましては、これは十分伝えることは伝えまするが、私ちょっと今のところは通運料金は直ちに上る云々というふうには聞いておりません。
  102. 河野謙三

    ○河野謙三君 私はこの際政務次官にちょっと伺いたいのですがね、運賃の値上げは、私が申し上げたように、大運送よりも直接大きく響くのは小運搬なんですよ。そこで私の経験からいえば、この大運送の賃率を上げた場合に、小運送運賃影響がないなんということはないのです、これは。だけれども、今度の場合は、大運送よりより直接影響の率の多い小運送につきまして、政府はどういう態度でいるかということは、この際、運賃の値上げを審議する際に一番大事なことだと思うのです。それは何か、今まで政府内部においてそういう御議論があったら、その御議論の結果をお伝え願いたいし、もしそういう御議論がまだなければ、運賃の値上げの前提になりますから、態度をはっきりしてこれは御説明願わなければいかぬと思うのですよ。
  103. 福永一臣

    政府委員福永一臣君) 河野委員の御意見は非常にわれわれも参考になりますので、注意して先ほどから聞いておりましたが、実は小運搬の問題については、その影響をどういうふうにしてわれわれ検討するか、これから一つ検討いたしたいと思います。今までのところは、遺憾ながら深く検討いたしておりません。
  104. 河野謙三

    ○河野謙三君 これは政務次官、そういう協議に入られる場合は、一つ政務次官の立場において、大運送賃率引き上げが小運搬の賃率引き上げにならぬようにということを、あなたの自論としてぜひ臨んでいただきたい、こういうふうに私は特にあなたにお願いしておきますがね。
  105. 福永一臣

    政府委員福永一臣君) その点は十分善処して臨みたいと思います。
  106. 東隆

    東隆君 この現行公共割引一覧表の中にないものは、一般の形でもっていくわけですね。
  107. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) そこに入っておりますものは、先ほど申しましたように、割引料金でございます。そこに入っておりませんものにつきましては先ほど経済局長からお話がございましたように、目下農林省と私の方で折衝中であります。また、それ以外に通産省関係のものも相当いろいろお話がございますので、それらにつきましては、今検討中でございます。
  108. 東隆

    東隆君 私は、例をとってみますと、無機質の肥料は七月までですか、特別な措置が行われるようですが、有機質肥料、特に魚かすあるいは植物かす、こういうものを中心にしたものは、これは当然大きく考えなければならぬものじゃないかと思います。これがはずれております。それから畑作物のうちで豆類が、大豆だけが載っております。あとのインゲン類だのそういうものは、私は北海道から九州あたりまでこれは十分考えなきゃならぬ問題だと思いますが、そういうものはこの中から抜けておりますから、従って、非常に高いものになるんじゃないかと、こう考えますが。
  109. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 私の方が、七月まで化学肥料について特別の措置を講ずることを運輸当局に要望いたしましたのは、現在公定価格なり指示価格をやっておるのでありまして、それについて、ちょうど配給の最盛期に運賃改訂することに予定されておりますので、それによってすぐ肥料の公定価格なり指示価格を変更するということは、先般申し上げましたように、運賃だけの点からきめるわけにいきませんから、非常な手数がかかって、そういう器用なことはできない。従って、期の変り目までは従来の運賃でやってもらいたいということで、運輸当局の了解を得たのであります。その他の肥料につきましては、指示価格、公定価格等をきめておりませんから、これは一応一般の物資と同様な取扱いにしていきたいと、こういう考えでございます。
  110. 上林忠次

    ○上林忠次君 私、何日か前に運賃審議に来ましたときに、これは運輸省の皆さんに参考に考えていただくというふうに話しして、それから来ておりませんけれども、今のこの生産並びに運賃体系、これはもう長い間、先ほど相当変化があるということでありましたけれども、大体、農産物の生産またはこれから行先の量なり運賃、また農業関係に使います物資の製造工場の配置、リロケーション、これは長い間変らない。それで今の生産あるいは輸送、販売の体系ができておるのだ。これをどうして、遠距離をこういう工合な負担を重くしたり、近距離を軽くしたり、そういうことをやるから、混乱が起きるのじゃないか。今のこのバランスのとれた生産、販売の体系をどうしてくずすのか。特に、これで遠距離が不利なようなことになるのは、一番影響するところが農村だ。農村は、買う物は運賃は高くなる、売る物は安くなる、不利になるということは、もうこれは前回申し上げたんでありますが、そういうようなところからいくと、一六%の利益をあげるなら、全体に同じに賦課したらいいじゃないか。按分して賦課したらいいじゃないか。なぜ、こういうちぐはぐなことをやるのか。特に影響を受けるのは農村が大きいのだというようなことを考えますと、現在の産業の体系をくずさずにやるのには、今のままで同じ率で上げたらいいのじゃないか。近距離輸送は、これはトラックの競合があって下げないと困るということもあるのでしょうけれども、それなら全体の一六%をもう一つ上げたらいいのじゃないか。そうしたら、問題はないのじゃないか。それを、私は、農林省がどうして運輸省当局に対して強力な交渉をしないのか。運輸省の人にはそういうような頭で見てもらいたい。今の生産工場なりあるいは生産者の位置、これとマーケットとの距離、こういうような状態で長らく来ているバランスのとれた産業体制を、こわしていかぬじゃないかということを申し上げたんですが、もうすでにこういうような訂正もできて、同じ方向に進んでおる。平均してというところまでは何も案が出てこないというような状態でありますが、これは農林省はどうしてそういう工合に運輸省と交渉しないのか、また運輸省はどうして今の体系をくずすようなそういうような運賃のへんぱな上げ方をするのか、両方から一つ意見をお願いしたいんです。ちょっと時期がおそくなっておりますが……。
  111. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 今回の遠距離逓減の是正につきましては、もう各方面から、ただいまの先生の御意見のような御意見を私どもちょうだいをいたしておるわけでございます。何を苦しんでそういうことをやるのかというお話、私どもかなり広く受けておるわけであります。そこで、実はお手元資料の九ページを御覧願いますとおわかり願えますが、遠距離逓減の若干の是正をいたすということで、これを根本的にどうするというような気持でやっておるわけではございません。で、この九ページ遠距離逓減の指数が書いてございまして、現在の案では、十キロメートルのところが一〇〇といたしますと、二千キロのところへ来て一八になっておりますが、それを一九という程度に直そうと、こういたしておるわけでございます。これが戦前の昭和十八年以前は、一番下の二千キロのところが二一でございまして、それから千五百のところは二二、その上の千キロが二四、八百キロのところは二六、五百キロのところで三〇と、こういうような数字であったわけであります。で、遠距離逓減をこういうふうに強化いたしましたのは、実は戦争中に海運が御承知のような状況になりまして、海運の貨物を鉄道に移さなければならない。ところが、今とは状況が逆でございまして、海運賃の方が安かったわけでございます。そういう関係から、影響をなるべく与えないということのために、遠距離逓減強化いたしたわけでございます。そこで現在の状況からいたしますと、昔は当然船で運ばれておったようなものが、どんどん鉄道輸送になっておりまして、これはもちろん運賃だけの関係とは思いませんが、まあ何と申しますか、輸送の分野からいたしますと、これは鉄道にかかるべきものではなくて船で運ぶべきものである、国民経済的に見た原価からいえば船で運ばれた方が安い、たまたま運賃は違いますが、国民経済的に見た原価からだったら船の方がいいというものがあるわけであります。それが鉄道に来ておるということから、これは海運界なり運輸全般としますと、この国鉄の著しい遠距離逓減というものはガンであると、こういうふうな御意見も非常に一方で強いわけでございます。また、これほどの遠距離逓減を世界各国でとっておる所はございません。これはまあもちろん日本の地形がこういった地形でございますから、旅客、貨物について強度の遠距離逓減をするということは、これは当然だと私ども考えておりますが、従いまして、これを全部やめるとかいうことでなしに、ある程度是正をしていただくという、こういうことで今日のようなことにいたしたわけでございます。それで、むしろ著しくそれが影響を及ぼすというものは、割引その他によって措置していくと、こういう程度で臨んでおるわけでございまして、確かに、おっしゃいますように、いやお前が言ったことは、それはその通りかもしらぬが、一つの条件として安定しておるものをこの際変えるということはどうかという御意見につきましては、これはもうごもっともでございますが、この程度のわずかばかりの是正はお許し願いたい、こういう気持でおるわけでございます。
  112. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 遠距離逓減につきましては、農林物資についてはこれを採用しないでほしいと、こういうことは、農林省からも申し入れましたし、当委員会でもそういう御意見があったのであります。運輸省の方としましては、農林物資だけでない、全体の物資運賃体系の建前を変えたい、しかし農林物資には遠距離逓減をやらないと同じような効果が出るように特別割引で考慮しようということで妥協いたしたのであります。その結果、先ほど国鉄の方から説明いたしましたように、六百一キロから一%増加割引、八百一キロから二%増加割引、千一キロ、千二百五十一キロ、千六百五十一キロ、二千三百一キロ、そういうふうな段階に分けまして割引率増加する。そういたしますと、どうしても計算上一六%をこすものができてくるのであります。従って、別のファクターとして、青函関門のファクターが入らない所では、一六%から最高一七・八%というのが下関東京下級鮮魚で出ておりますが、それだけの開きが計算上出てきたのであります。それもいかぬというわけにはいかなかったのであります。計算上の開きを容認したと、こういうことであります。
  113. 上林忠次

    ○上林忠次君 私も、昔は鉄道より安かった船運賃が最近は高い。先般も私、酒田に行きましたときに、北海道に早く輸送しなくちゃならぬ米がたくさんある、何で輸送しているかといったら、船で行かずに、あの海岸のそばの者が鉄道を使っておる。ああいう重量のものを、安いからといって鉄道ばかり使うから、鉄道がよけい破損する、そのためにまた復旧の費用もかかる。鉄道はそれで反対に参っているのじゃないかという気もしますけれども、これは大きく考えると、それなら船をもっと作ったらいいじゃないか。年々できる船は外航船になっちまう。内航しない。内海の運輸に使われずに、みな外航船に行っちまう。あるいは輸出されるというようなことで、日本の造船界の能力とそれから船会社の資金の関係で、なかなか船は運送力が大きくならぬというようなことで、今船賃が高いのでありますけれども、これはまた別の観点から船を、近海船をもっとよけい作らなきゃいかぬ。そうせぬと、鉄道自身が相当苦しいのじゃないか。運送はいいけれども、運送しても、そのために維持費なり何かが相当な失費がある。これが鉄道一つの苦しさじゃないかと思いますがね。これはほかの観点から考えなくちゃいけませんけれども、こういうような状態がいつも続くのじゃない。  もうすぐ状態は変るのでありますから、今そういうような将来の船の運輸力ということも是正していくという観点から見るなら、こういうような遠距離のやつを、しかも、遠距離は農村だけの負担になるのでありまして、苦しい農村の窮境を考えるときに、こういうような農村が困るような運賃の上げ方をするのはおかしいじゃないか。一六%というのはもっとほかの方に負担させるようなことにして、一七%でもいいじゃないか。私はそういう工合に考える。
  114. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 海運の問題に関しましては、御承知のように、最近までは外航船舶の拡充に重点が置かれましたことは御指摘の通でありまして、今日の状況で考えましても、内航に従事しております船が実は近海、フィリピンとかあるいはタイ、ビルマ、そういった方面へ行き得るものは、もう全部向うへ行っておるという実情のようでございます。これは運賃が非常に大きな要素になっております。それで今までの外航船舶拡充の一本やりみたいな方針は、これは私、海運関係ではございませんけれども、是正をして、内航海運の船腹の増強ということをぜひ大きく取り上げていきたい、こういうふうに考えております。  なお、特に北海道につきましては、運輸委員会等でも非常に問題になっておりまして、実は命令航路を実施さして、現在の国鉄運賃との関係におきましては、この程度の是正をやりましても、実は補助金を出すというようなことをどうしても考えないと、海運に物が移らぬという状況でございますので、そういう方向でいろいろ今考えておるわけであります。  なお、先ほどの御説明に付加して申し上げますと、たとえばこれは私はしかられるかもわかりませんが、たとえば鉱石あたりは、これは相当長距離にわたって鉄道で運ばれるということは、これはどう考えましても考え直していただかなければならぬことでございます。国鉄で千キロ以上の、——試みに千キロメートル以上のものは昭和十一年の約三倍になっておる。これはほかの方で負担さしたらいいじゃないかというお話でございますが、農林物資につきましては、先ほど申し上げましたように、一応遠距離逓減を是正いたしますのでございますが、そのかわりに特別な割引をいたしましたので、その限りにおきましては遠距離逓減の是正が後退いたしておるわけであります。実際は、ですから、逓増というとしかられるかもしれませんが、値上りの大きなもの、がほかのものでは出ておる。ただ、ここに例をあげました表は、これは先ほどの御質問にも関連しておりまするが、農林省でむしろ著しいものをおあげになって、具体的に多いようなもので、実際の遠距離の方で値上りが著しいようなものをおあげになりまして、それを是正いたしたのでありますから、そこでは農林物資がよけい出ております。実は全部についてこれを例を出さなければいかぬわけでありますが、農林関係の方は非常に問題になっておりますし、当委員会でも重大な御関心がございまして、いろいろ御審議になっております。この例は農林省から出していただいた。そうしてそれについての是正を講じたわけであります。先ほどお配りしたやつは前の案でございますが、もっとべらぼうな値上げの案があったわけでありますが、そういうことになっております。お答えにあるいはならぬかもしれませんが、相当遠距離のものでここに書いてないようなものは上っておりまして、実はそれくらいな負担力はある、こういうことでありましょうが、まあそれほど御反対もないというようなものも実はたくさんあるわけであります。
  115. 上林忠次

    ○上林忠次君 先ほど一七%になってもいいじゃないかというのは、トラックの関係ですね、トラックとの競合のために近距離の方の収入が減る。そのために一七%に値上げしてくれというようなわけじゃありませんけれども、近距離が減るなら減る分はしょうがないから、値上げの率は高くならざるを得ない。私は終始全体をこれまでの関係で、遠距離、近距離関係でできているあの機構をそのままで、同率で上げたらどうか。そのために減る分は、近距離関係で減る分は、トラックの関係で減る分は、トラックの方はよけい値上げをしたらいいじゃないか。均等に上げる気持でありますから、よけい上げなければ困る。一七%でも一八%でもいいじゃないかという意味じゃありませんから、そのつもりでお聞き願います。
  116. 安部キミ子

    安部キミ子君 さっきはあなた、局長さん、率直に白状しておられた。たとえばここの資料に出ておりますように、下関とそれから東京運賃、それから大阪運賃、こう一覧表にたくさんの品目があがっている中で、一番被害を受けているころは山口県なんです。これはあなたも率直に認めておられるのですが、こういうやり方で、今度隣りの十二ページ下級鮮魚のところの一番下の四十三と四十五の長崎下関、この比較を見ましても、キロ程のところで現行が、長崎下関とがこういう比率で、下関大阪の間は同じになっているのですね。改訂になっていない。ところが、長崎では七百九十六キロというのが七百七十三キロというふうになっている。そうすると、先ほど運輸省の方で説明がありました、今いろいろな魚の等級の差別をずっと下げていって、高級の魚も安くわれわれの口にでも入るかと思う点は、少々いい点もありますけれども、一体この運賃の値上げで一番被害を受けているのは山口県じゃないかというふうに思います。これは私のひがみじゃない。ちゃんとあなた方の責任ある資料で出ているのですから、こういう不合理な行き方に対して、運輸省はどういうふうに弁解なさいますか。
  117. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 運輸省じゃございませんので、申しわけございませんが、私の方で運賃輸送の問題両方やっております。ただ、鮮魚につきましては、やはり同時に、運賃の問題と同時に、やはり輸送の問題が非常に実は問題になっております。そうして実は現在問題は、以西の鮮魚と東北の鮮魚をどう見るかという問題が、水産業界で一番大きな問題であります。下関鮮魚につきましては、東海道線、山陽線の輸送力が割合にございますので、現在下関市場から大阪市場には二日目、東京市場には三日目の線になっております。しかし、それよりも距離の近い下関等につきましては、東京市場でやっと三日目というふうな状況になっておりまして、実際に市場へ参ります価格におきましても相当開いているのじゃないかと存ずるのでございまして、この表だけをごらんいただきますと、下関鮮魚の上り方がひどい、こういうふうにごらんになるのはごもっともと存じますが、鮮魚につきましては、輸送の問題とにらみ合せて十分お考え願いたいと思うのでありまして、下関につきましては、長崎鮮魚につきましては、むしろ東北の方々からは、以西鮮魚にくらべて東北の輸送の方法が悪い、こういうおしかりを非常に受けておりまして、昨年やっと、下関から大阪市場向けの鮮魚列車がやっとできた程度でございまして、この点やはり輸送の問題とうらはらで、ぜひお考え願いたいと存ずるわけであります。
  118. 安部キミ子

    安部キミ子君 そういうことは山口県の県民の知ったことじゃない。これはあなた方が向うの東北の方に迷惑のないように、納得のいくようないい貨車を何されればいいことで、そのことと運賃の値上げが当然だ、しかも一番被害の大きい下関運賃の値上げのやり方が合理的だなんという弁解にはならないと思う。たとえば、ここのキロの十キロを見まして、千二百一キロから四%の増になったわけですね、値上げが。ところが、今度千六百五十一キロから五%の増になっている。その間の開きが、今までの六百一キロから一%ずつという先ほどの説明と比較しますと、急にそこに差が出てきている。その差の端と端との間にはさまった一番低いところの端の山口県の被害が、全部の高いところまで及ぼされているというのが実情で、こういう私は不合理なことをなさるということは納得いきませんよ。そうして先ほど細田部長のおっしゃいますように、それじゃ船で送ればいいじゃないか、鉄道はなるべく使ってもらいたくない、遠いからというようなことでございましょうけれども、それでは、なま魚を船でごそごそ持っていくようなことでは商売にもなりますまいし、国民にとってもこれこそ重大問題ですから、自分たちが国民の生活という面でサービスをなさり過ぎても、し過ぎたということはないと思うのです。魚は新しいが上にも新しいがいい。安いが上にも安いがいい。そういう点から、この値上げのことが決定したのなら私は困るし、もしまだはっきりしないのだという余裕があれば、もう一度再検討してもらいたい。だれが見ても不合理ですよ、これは、あなたは何か手品があるようなことをおっしゃいますけれども、そういうことでは私ども納得いきません。先ほどの委員さんのお話のように、たとえば平均してまあ何割上ると、あるいは一割三分上るというふうなことなら、まだ私どもも納得いきますし、また一割六分でまあこれが限度だということなら、まだ納得いきますが、ところが、一七・八と、こういう率の値上りに対しては、これは当然あなた方が考慮されなければいけない問題じゃなかったかと思うのです。この点はどうなんですか。
  119. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 先ほど申し上げました割引強化キロ程の刻みにつきましては、遠距離逓減率のうらはらになるものでございますので、距離が遠くなるほど刻みが多くなる、これはやむを得ないと思います。  それからちょうど下関の話が出ましたが、下関——東京市場千八十二キロというのは、ちょうど千一キロで切った直後になりますので、その点は何と申しますか、それほど悪いところに、偶然境目の悪い方に入っているというわけではないのでございまして、千一キロで切ったということは、千一キロ以上が現在は五%でございますが、八%になるということでございます。そのほか下関等につきましては、これは水産界多年の御要望の急送品割増五分をとったということは、これは各水産業界でも非常にその点は賛成の意を表して下さっておりますし、また先ほど申しました混載鮮魚下級鮮魚になるということになりますと、この表には実は計算をいたしておりませんでしたが、下関——東京市場間で〇・八%運賃が減るという、ちょうど十三ページの上から二つ目に上級から下級になる例をあげておりますが、それでなしに、混載から下級になる例、これは業者にお聞きになればよくわかるのでありますが、こういう例が実は下関の業界でたくさんあるのであります。とれた下級鮮魚の中に、どうしてもある程度上級鮮魚を混ぜて輸送しなければならぬという例がたくさんございます。そういった場合にそれがたまたま上級鮮魚が入ったゆえに下級鮮魚上級鮮魚になるという、非常に不合理だという話が多年ございましたけれども、今川上級魚と下級魚との入れかえをするということにいたしましたために、現在の混載鮮魚下級鮮魚になるというものを計算いたしますと、〇・八%減という数字も、ここには書きませんでしたが、そういう数字も出ておりまして、そういった制度改正の方も実は一緒にお考え頼えれば、非常に仕合せだと存ずる次第でございます。
  120. 安部キミ子

    安部キミ子君 その上級鮮魚下級鮮魚に扱われることは山口下関だけのことじゃなくて、長崎だって、鹿児島だって同じことでしょう。だから、そのことで下関運賃が埋め合せされるということにはならないと思うのです。それから業者の方がこの率で、値上りに賛成なさったという言葉がありましたが、どうですか、その点。下関の水産業界はこれに賛成したのですか。
  121. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 私の方は、各業界に一々御賛成をいただいておるわけではございませんが、先ほど私が申したことの中で、非常に言葉が不備だったと思いますが、急送品割増をとるということは、実は多年業界からの御要望なのでございまして、その点につきましては、今回水産業界の御要望にこたえまして、急送品割増の五分をとった、この点につきましては、業界の方方は皆さん非常に御賛同して下さっておるということを申し上げたのでありまして、この値上げに対して賛成しておるというふうにお聞き取り下されば、私の申し上げ方が悪かったと思います。  それからもう一点につきましては、上級魚と下級魚の入れかえにつきましては、実は東北、北海道ものよりも以西ものが非常に多いのでございまして、その点数字で御説明申し上げてもよろしいのございますが、東北ものはほとんど実は下級鮮魚でございます。以西ものはやはり上級鮮魚が多いということで、下関もの、長崎ものの中には実は上級ものは現在まで割合に多かったのでございまして、その点、そういう意味で、同じ鮮魚界におきましても、東北もの、あるいは北海道ものに比較いたしまして、以西ものの方に上級魚の組みかえによるところの変更が大きいというふうに申し上げたのであります。
  122. 安部キミ子

    安部キミ子君 上級ものが、下級ものがという話が再々出ますが、そういうことではこの運賃の問題の弁解にはならないと思う。もしそういうことがなされておるとすれば、それは今までのやり方が悪かったということなんです。そこで私は、一体これはもう動かされない数字で、今ではどうにもならたいということですか、どうですか、その点聞きたいと思います。
  123. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 私の方といたしましては十分いろいろなことを考えまして、先ほど申しましたように、割引強化によりましていろいろ調整いたしたつもりでございますので……。
  124. 安部キミ子

    安部キミ子君 強化されてないです。
  125. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) いや、それは五分が八分に現実に強化されておるのでございます。そういった面でもって一つ御承認願たいというふうに考えております。
  126. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は、同じことを言うようですけれども、先ほど経済部長もおっしゃっておられますように、一七・八%というものがこの一覧表の中でないのですよ、ほかに例が、これほど上っているところは。そういうことになれば、結局は、まあ大阪にしても東京にしても、以西から出てくるところの魚が高く市民に売りつけられるということになるんですよ。そうして一番まま子扱いにされておるのが、この下関から出ておるものに私はしわ寄せされておる、まま子扱いにされておるということにたるということを、あなたは率直に認められませんか。
  127. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) その点は、下関東京市場は一七・八でございますが、その次の、まああまり高くなったことを申し上げるのも何ですが、長崎—京市場も一七・七%というふうに、それほど大きな割高にたっておるというふうにも実は考えませんでございますが、まあ上級魚、下級魚と申し上げますとしかられますが、実は多年各業界からの御要望をいれまして、実はそういったものをもっとこれに入れて、そういう例示をすればよかったのでございますが、農林省の方面から、こう非常に悪い例と申しますか、上り方のきつい例をずっとあげましたために、全般がこういうふうになるというふうにお考え下さったことは、非常に私どもとしては残念でございますが、今のところ、この案を、何と申しますか、このまま修正するとかいうことは、ちょっとまだ考えておりませんでございます。
  128. 安部キミ子

    安部キミ子君 私はあなたに何回質問しましても、もうきまったことだから、しようがないという御答弁よりしようがないだろうと思う。それだからといって、しようがないと言ってしまえばそれまででしょうけれども、こういうことでは私どもは納得できません。もし運賃の値上げをするんだったら、やっぱりある程度公平に、たれもが納得のゆくようなやり方でしてもらいたい。もし下関方面から出る貨物の量が、あなた方が予算を組んでおられます収入に、どっちとも大した違いがないというものであれば、もう一度その個々に当って、この埋め合せができるように考慮してもらいたいということを要望して、終ります。
  129. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 七十九品目については、大体話が進んでおるということであるのでありますが、その残りの品目について農林省と交渉中のものは、いつごろ大体の見当がつく予定であるか、その見当を承わりたいと存じます。
  130. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 実は農林省の方からも、先ほどおっしゃいましたように、非常に多数の品目について検討の御要望がございますし、また実は通産省の方からも多数品目の御要望がございます。大体私の方で予想いたしておりますのは、二千数百品目でございますので、それらのものにつきましておもな物資につきましては、一応するしないは別といたしましても、検討しなければいけないというふうに考えておりますので、あと十日間ぐらいはどうしてもかかるのじゃないかというふうに考えております。なるべく早くやりたい存じております。
  131. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 私から申し上げるまでもなく、農林水産物資というものは、日本の現在の地形上、そういうふうな作物を作らなければできない、あるいはそういうふうな漁業をしなければできない、こういうふうに地形的に追い込まれておるのであって、現政府が重大政策としているところの新農村の建設、こういうふうなことにも重大影響を及ぼすのでありますから、できるだけすみやかに農林水産物資というようなものが、今回の運賃の値上げによって、物価の高騰に悪影響を及ぼさないというようなことで、すみやかに決定していただくようにお願いしたいと思います。
  132. 柴田栄

    ○柴田栄君 ちょっとお願いしておきたいのですが、今の七十九品目、従来の特別扱いをしていただいたものに類似したもので、量が少い、あるいは特殊というようなことで除かれたものを、まあその後の傾向とか、あるいは性格的に似ているというものが従来入っていなかったということで、この際それをたてにして除かれるということになると、非常に不合理が生ずる危険がありはしないかと思う。ですから、その点については、七十九品目にこだわらず、類似のものについては大体性格をよく勘案せられて、修正には誠意をもって一つ御処理を願いたいということを御希望申し上げておきたいと思います。
  133. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 今のお話につきましては、十分考慮していきたいと考えております。
  134. 堀末治

    委員長堀末治君) 他に御質疑がなければ、本件はこの程度にとどめたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議ないと認め、さよう決します。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  136. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を起して。  次に、理事の辞任許可についてお諮りいたします。島村軍次君から理事を辞任いたしたい旨の申し出がありましたが、それを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議はないと認め、さように決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠選挙を行いたいと存じます。この互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議ないと認めます。それでは、私から河野謙三君を理事に指名いたします。   —————————————
  139. 河野謙三

    ○河野謙三君 かねがね農林大臣その他、農林省政府委員に、今国会においてわれわれ委員会としては食管の特別会計について詳細に検討したい、それについては資料の要求がしてあります。要求して以来もうすでに半月たちますが、いまだに食管から何の資料も届いておりません。どういう理由ですか。委員長からお届け願ったと思います。なお、大臣には直接この席で私から要求し、大臣から快諾を得ております。それが資料が来ないというのはどういうわけですか、食管の長官の御答弁を願いたいと思います。
  140. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 大へんおくれまして、まことに申しわけないのですが、せっかく今調製中でございますので、一両日中に御提出いたします。
  141. 河野謙三

    ○河野謙三君 具体的に何の資料と要求したものがありますが、全般的には、食管の長官には初めて私はお会いしますので、反復いたしますが、近く発足する調査会へ提出される資料は、細大漏らさず、当委員会に自動的に御提出願いたい。同時に御提出を願いたいという要求をし、大臣から御快諾を願っております。調査会も、新聞によりますと、近々のうちに開会されるようであります。従って、調査会用の資料がすでに相当あると思いますが、これは明日にもすぐ出せるのではないかと思う。
  142. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 調査会の資料は、実は今日あたりでき上るはずでございましたけれども、なおちょっと検討しておりますので、これも明日あるいは明後日ごろにお届けできると思います。
  143. 河野謙三

    ○河野謙三君 念のために申し上げますが、ただいま申し上げましたように、大臣が調査会に提出する資料は全部この委員会に出すという承認をされている。従って、長官としては何ら御懸念はありません。これはお帰りになって、そういうことを大臣が約束をしたかどうか、聞いて下さい。大臣は約束をしております。速記も残っております。従って、間違いない。出して下さい。よろしゅうございますね。
  144. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) もちろん、大臣にそういうことをお話になったようでございますが、そういうことでなくても、もうこういった調査会の資料等は、当委員会にはこちらから御提出いたしまして、いろいろ御検討願うということが非常にけっこうでございますので、御希望のようにいたします。
  145. 河野謙三

    ○河野謙三君 これは時間的に非常に問題があると私は思う。今参議院に予算が回っている、その予算の審議の中で、食管の赤字の問題等も大きな一つの焦点になっております。これは三十一年度の赤字を埋めるとか、三十二年度にどうするとかいう問題も大事でありますけれども、いかにして赤字が起ったか、今後いかにして赤字を防ぐかということの方がより大事だと思う。そういう問題は、予算委員会よりも、当委員会において専門的立場で検討する責務があると私は思う。それをまた、あなたの方で積極的に委員会に責務を果されるように協力するということは、当り前だと思う。でありますから、一つ、はなはだくどいようでありますけれども、私はかようにくどく申すのは、半月もたってもまだ横を向いて知らぬ顔をしている。そういうことでありますから、私はくどく申し上げるのですが、今度は間違いなく一つ出していただくように、失礼ですが、さらに念を押しておきます。
  146. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちょっと飛び離れた話になりますが、幸い長官がここに見えておりますので、お伺いいたしますが、国税庁は農業所得税の課税基準の中に、くず米として〇・三%だけを引き落す、所得に入らない、くず米の含んでいる分が〇・三%だけが全収量の中から除かれる、とうなっておる。その数量を出したのは、食糧庁の合意の上で、その材料で出した。それで全国的に出して、これに益があるので出されたとするならば、どういう資料で出されたか。国税庁が言うがごとく、その〇・三%の引き落しに対して、くず一米としての引き落しに対して御相談を受けられたのかどうか。これを一つ調べて、何かの機会にこの委員会を通じてはっきり出してもらいたい。
  147. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 御趣旨、詳細そういう事情を承知しておりませんので、すぐお答えできないのははなはだ遺憾でございますが、さっそく取り調べまして、本委員会に御報告をいたしたいと思います。
  148. 安部キミ子

    安部キミ子君 資料のことで、今河野さんがおっしゃいましたように、私どももぜひ見たいと思いますし、急に……。それで詳細漏らさず委員会に、調査会に出される資料と同じ資料をこちらへ出していただきたい。私、重ねてお願いしておきます。
  149. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 先ほど河野委員にお答えいたしましたように、同じものを御提出いたします。
  150. 河野謙三

    ○河野謙三君 なお、長官、農林省が進んで出す資料のほかに、調査会が始まれば、各委員の方から要求されて出す資料もあるでしょう。そういうものも含めて、調査会に出す資料全部ということですからね、そういう点、一つお含みを願います。
  151. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) ちょっとお尋ねの趣旨がわからなかったのですが、農林省が積極的に出すもの、調査会の委員各位から要求されるもの、あわせてそういうふうにいたします。
  152. 堀末治

    委員長堀末治君) 他に御質疑ございませんか。  御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散会