○
説明員(
昌谷孝君)
昭和三十三
年度の
農林省関係予算の
概算要求書第一次分といたしまして、先般
大蔵省に
省議を経て提出いたしました分がまとまりましたので、御
説明いたしたいと思います。
お手元にお届けいたしました
資料によって、
概要を御
説明いたしたいと存じます。
まず、
一般的な
編成方針でございますが、これにつきましては、すでに先般
農林水産政策要綱が
決定を見まして、その線で今後の
農林省施策を展開して参るという
基本方針が定まっておりますので、今般の
予算につきましても、せんだっての
政策要綱に沿いまして
要求いたすことにした次第であります。従いまして、
例年のごとく特に
予算上事新しく
編成方針を述べませんで、ここに一番から八番まで列挙いたしました各
項目は、ただいま申しました
農林水産政策要綱のそれぞれの大きな柱を、そのまま確認をいたしておる次第であります。
次に、
予算の
概算要求の
規模でございますが、
要求規模につきましては、千七百四十五億ということに相なったわけでございます。これは
例年の
通り、
農林省所管予算のほか、
関係いたします
総理府その他それぞれの省の、
農林省所管あるいは
農林関係予算を全部足し合わせました
合計額でございます。その詳しい
数字につきましては、四ページの表で見ていただきたいと思います。
四ページから五ページにかけましての表で、
所管別の
関係予算を述べたわけでありますが、五ページの
農林関係予算合計という、一番しりのところにございますように、三十三
年度概算要求は千七百四十五億四千二百万円ということに相なっております。これは、三十二
年度の、前
年度と書いてございますのは、今で申しますとまだ本
年度でございますが、三十二
年度予算が八百九十四億九千七百九十五万円というのに対しまして、
明年度の
要求が千七百四十五億ということでございます。従いまして、三十二
年度予算と
比較をいたしますと、一ページのところで書きましたように、八百五十億円の
増加要求になっておるわけでございます。それから御参考までに、これを前年、三十二
年度予算の当初のときに
農林省が
要求いたしました
数字と
比較いたしますと、それが約手六百億でございますが、千五百八十何億だったかと思いますが、それと
比較いたしますと、百三十六億円の増、成立いたしました八百九十四億に比べまして八百五十億の増となっております。
なお、以上が
一般会計のスケールでございますが、このほか、(ロ)で書きましたように、
財政投融資の書画といたしまして、まず
農林漁業金融公庫につきましては、
貸出規模を六百五億円ということで
要求をいたしております。三十二
年度の
農林公庫は、御
承知のように、三百五十億の
貸付計画でございますから、それに
比較いたしますと、
かなり大幅な
増加を
要求いたしておるわけでございます。で、六百五億の
資金構成といたしましては、御
承知のような
公庫の
資金繰りでもございますので、
一般会計から三百二十六億円、
預金部資金百七十九億円、
回収金を百二十億というような
資金の裏づけによりまして、六百五億の
貸出規模を
要求いたした次第でございます。
次に、(ハ)でございますが、これは
農林漁業金融公庫を含めました
一般の
投融資計画が、
合計で六百六十六億円。これは後ほど、表がございますので、それによって御
説明をいたしたいと思います。
大体
要求いたしましたものの
規模はこのようなことでございますが、なお大きな
項目が幾つか、今回の
要求ではまだ十分に
結論を得ておりませんので、保留をいたされております。いずれ十月あるいは十一月中くらいには成案をまとめまして、
大蔵当局の方へ
要求書を提出いたしたいと存じておりますが、そのおもなものがこの円のところに述べてございます。
食糧管理特別会計への
一般会計からの
繰り入れ、あるいは
輸入食糧等価格調整積立金というようなものを新たに、
食糧管理の必要上設けようかということを
研究いたしておりますが、そういうものを設けるといたしますれば、それの発足の際の原資を
一般会計から仰ぐということになろうかと思います。それから先般来御
議論のありました牛乳、乳製品の
需要調整並びに
需要増進に要する
経費でございます。
学校給食あるいは
酪農資金の設立ということに伴います
所要資金でございます。
本件は、ある
程度本
年度中に処理をいたさねばならぬ問題を含んでおりますので、本
年度中にどれだけをやり、
明年度予算においてどれだけをやるかというようなことについて、なお
大蔵当局の方と
相談中でございます。そのほか、新
政策要綱で考えておりました未
利用土地の総合的な
利用調査、これについては
調査報告その他について目下省内で小
委員会を設けて検討いたしておりますので、その
結論を得次第
追加要求をいたすつもりでおります。それから
漁業共済に必要な
経費でございますが、これも三十二
年度予算におきまして一部
委託費の成立を見ましたので、
調査の
委託をいたすことになっております。
共済会による
共済規程の
認可手続等も進行中でありますので、その
模様によりまして
明年度どのような
予算要求にいたすか、なお検討いたしたい問題がございますので、
あとに譲った次第でございます。
大体おもなものはそのようなものでございますが、これらの
追加要求になろうと思われるものや、
食糧管理特別会計への
繰り入れを除いて考えましても、約百四十億
程度に上る見込みでございます。
食糧管理特別会計の方が
例年の
通りでございますので、それを含めますと、約三百億近い
追加要求の必要があろうかと思います。それらを含めますと、すでに出しました千七百四十五億を加えますと、約二千億近い
要求に相なろうというふうに申しておる次第でございます。
大体、大まかな
要求の
規模は以上の
通りでございますが、三ページ以下に表をつけましたので、これによりまして多少御
説明をつけ加えて参りたいと思います。
三ページの
農林関係一般会計概算要求総括表と申しますのは、
関係予算千七百四十五億の
要求につきまして、
所管とか機能を離れまして、それぞれの
関係局別に
分類をしてみた表でございます。で、千七百四十五億のうち、
公共事業費が八百八十七億で、
公共事業以外の
一般経費が八百五十八億というわけでございます。この表につきまして特にお断わり申し
上ぐべき点と思いますのは、
食糧庁の
明年度要求につきましてだけ、対前年比十一億の減少が起きております件でございますが、
本件は、従来
食糧庁がパンの
学校給食を廉価に行いますため、小麦につきまして
廉価販売を行なったわけでございます。その廉価で売るための
費用約十三億円を
一般会計から
食管特別会計に
繰り入れておったわけでございます。本
年度の十五億の中にはその十三億を含んでおるわけでございますが、
明年度につきましては、
文部省当局とも
相談をいたしました結果、本
補助金は
文部省の方から
地方に出していただいた方が実態の把握に便利ではないだろうかということで、
食糧庁の方は普通の市価で
地方で売却をいたしまして、それを安くするための諸
費用は
文部省の方で
補助をしていく。一食当りどの
程度とか、児童の
負担力でございますとか、いろいろまあ今まででも
文部省がほとんど
中心になって、いろいろ企画その他をやっていただいたわけでございますが、実は向うの要請が非常に強うございますので、この際
文部省から
要求を願った方がよろしくないかという趣旨で、
農林省要求から落したわけでございます。その結果がかようなことになったわけでございまして、そうしてどの局も、当初
要求のことでもございますので、
相当の
増額要求になっております。
それから次に、先ほ
ども触れました四ページ、五ページの表でございますが、これはいわゆる
関係予算を
所管別に
分類をいたした表でございます。そこで、まず千七百四十五億のうち、Aと書きました
農林省所管予算が千二百五十億あるわけでございます。本
年度が八百十二億でございますから、
現状では四百三十八億の
増加要求ということに相なっております。この
関係予算中
農林省所管予算につきましては、
一般の
公共事業以外につきましては、ここにございますような
人件費、
事務費というような分け方で区分をいたしてみたわけでございますが、この中で、備考にも書きました
通り、特に注目と申しますか、今後問題になろうかと思います点は、従来のいわゆる
定員外職員、
常勤及び
常勤的非常勤職員についてその
定員化を
要求をいたしております。で、
一般会計につきまして約八千人に近い
要求に相なるわけでございますが、これは
現状ではいわゆる
常勤職員、それから
賃金支弁によります
常勤的非常勤職員の増員について
要求がいたされております。もちろん今後
公務員制度調査室、行政管理庁あるいは
大蔵省、それぞれの
事業省が
相談をいたしまして、これを詰めて参らなければなりませんが、目下いろいろの
資料を準備して
対策を考慮中でございます。学歴でございますとか、勤務の年数でございますとか、あるいは現在従事しております業務の内容でございますとか、そのようないろいろの角度から、今後
関係各省の間で
相当議論の分れるところがあろうかと存じますが、一応私
どもの
要求といたしましては、現在いわゆる
定員外として登録いたしております者全員についての
定員化の
要求をしております。それが
一つの目ぼしい
項目かと思います。以下は
公共事業をいつもの分け方で分けております。
五番目の
災害復旧事業費でございますが、
災害復旧事業費は、百一億の前
年度予算に比べまして
明年度の
要求が百十三億ということで、
一般の
予算の
増加要求の割合にはふくらんでおりません。これは御
承知の
通り、二十八年災、二十九年災がだいぶはかどりましたので、大体私
どもの理想といたしております
復旧の
進度で参りまして、来
年度百十三億あれば事が足りるというふうに見ておるわけでございます。もちろん、この中には、本
年度四月以降起りましたいわゆる当年災につきましては、まだ
要求が出してございません。これは
大蔵省との
最終段階になりますころには、今
年度の、三十二年
発生の
災害についての本
年度中
予備費でやりますものの
規模がきまりますし、それに見合いまして
明年度予算で
計上すべき
規模もきまってくると思います。それを待ちまして、この上に追加するわけでございます。これは今の
段階では、三十一年
発生災害までについて
要求がしてございます。基幹的なものについて三・五・二、その他のものについて二・二・三・三という、私
どもがかねがね主張いたしております
進度によっての
要求がこの
程度で済むことになって参り、全体の
規模を整える上におきましては、
かなりありがたいことであろうかと思います。
鉱害復旧事業費の「未定」と書いてございますのは、
例年通産省の方で計数を出していただくことになっておりますので、それがまとまりますまで未定であります。
それから
関係予算の
所管の第二といたしましては、
総理府所管というのがあるわけでございますが、
総理府所管につきましては百六十二億円の
要求になっておりまして、本
年度について
比較いたしますと八十一億の
増加になります。
総理府所管といたしましては、御
承知のように、その大宗をなしますものは、
北海道の開発庁に
計上いたします
北海道関係の
公共事業費でございます。これが百四十三億円ということに相なります。
それから三十三
年度から新たに登場いたしましたものとして、
総理府所管といたしましては、2にあげました
経済企画庁所管として十六億円の
離島振興関係経費がございます。これは前
年度のところは
カッコをして示してございますが、これは
カッコがしてある
意味は、
数字は
農林省所管、つまり内地の
一般のところに
一括この七億は入っておるわけでございますが、
比較の
便宜上、重複をいたしますが
カッコでここにあげてあるわけでございまして、これは先般来
政府部内で御
相談の結果、閣議の御了解がありまして、
明年度から
離島振興の
関係は
経済企画庁に
一括計上しよう、そうして実行の
段階で、ちょうど
北海道と同じように、
関係各省に移しかえをしてやって参ろうということに御
決定があったわけでございまして、その線に沿って私
どもの方と
経済企画庁とで
共同作業をいたしまして、
大蔵省への
要求は
経済企画庁からしていただいて、
経済企画庁は
建設省、運輸省、
農林省等関係各省の
離島関係予算を
一括大蔵省へ
要求をし、国会でも御
説明するというふうなことに相なったわけでございます。
それから
総理府所管の第三番目は、これは昨年もございましたが、
科学技術庁の
関係で、特に
原子力関係の
研究費は
科学技術庁が
一括各省分をまとめて
要求をいたしまして、実施の
段階で
各省に配分をするということになっております。その
関係でございます。
それから
所管別の第三といたしまして
労働省所管をあげておりますが、これはいわゆる
失業対策費でございます。
特別失対と称しておりますが、
特別失業対策事業費といたしまして
労働省が
一括計上をするわけでございまして、それぞれの地域の特性に従いまして、
事業を実施いたします建設なり
農林の
各省へ分配をいたされるわけでございます。三十二
年度は
林野関係、主として
治山関係でございますが、といたしまして一億円と、
漁港関係といたしまして六千百万円が
計上いたされたわけでございます。
漁港につきましては、私
どもの、これは今後の労働、
農林、
大蔵関係各省とのお打ち合せで、まだどうなるかわかりませんが、
農林省といたしましては、初めから
要求する
段階では、
水産関係は、
一般の
漁港修築の中に含めてこの種のものも
要求をいたしたわけであります。
林野の方だけが、
治山関係の
特別失対
事業を、特に
特別失対
事業として
要求いたした。これは三十二
年度の
利用の
実情等を考えまして、
需要度からいいまして、こういうことをやってみたわけでありますが、なお、
労働省方面と御
相談の結果によりましては、あるいはまた、これは
模様を変えるということに相なるかもわかりません次第であります。
次に、
関係予算の第四番目といたしまして、
建設省所管があげてございますが、これは
庁舎等関係営繕費でございます。主として
地方の
出先庁舎の
関係の充実を考えて、
建設省にこれだけの
要求をお願いをいたしておるわけでございます。
それから第五番目は、
大蔵省所管といたしまして、三百二十六億があげてございますが、これは先ほど申し上げました
農林漁業金融公庫の六百五億円の
貸付計画に見合います
一般会計からの
出資期待額であります。で、前
年度は、当初の
段階では百四十億円を
一般会計の
出資に仰ぎたいという
要求をいたしたわけでございますが、
最終段階におきましては、
一般会計から
出資をしないで、
産業投資特別会計の
出資を七十億円だけ実現を見たわけでございます。この前
年度のところに、
産投といたしまして、
カッコして七十億
計上してございますのは、今申しました
産業投資特別会計から出ました
出資のことであります。なお、五ページの
カッコの中は七十億円でございます。百億円というのは誤まりでございます。御訂正をお願いいたします。
大体以上が
所管別に見ました場合の、いわゆる
農林関係予算千七百四十五億円の大要でございます。
次に、六ページの表になりますが、六ページから七ページにかけましての
分類は、昨
年度以来やっておりますおもな
施策別に今の千七百四十五億円を
分類をいたしてみたわけでございます。これは後ほど
各局のおもな
事項を御
説明いたす
機会がございますので、この喪について、ことで特に御
説明をいたすことを省略さしていただきたいと思います。
それから次に横とじになりまして、
農林水産新
政策関係予算というのをあげてございます。これは
冒頭お断わり申し上げましたように、
農林水産政策要綱を
骨子として
明年度の
予算の
要求を考えたわけでございますので、千七百四十五億円という
要求の中に、いろいろ経常的な別個の
要求もございますが、各
政策要綱の各
項目に見合ってそれを
分類をいたしてみますと、この表のようなことに相なっておるわけでございまして、総体といたしまして、
一般会計で九百四十四億。一番
最後のところであげておりますが、千七百四十五億のうち、九百四十四億を、一応
政策要綱に直接的に関連した
経費ということで
分類をいたしております。なお、新
政策、いわゆる
政策要綱は、
一般会計の直接的な支出のほか、
公庫資金でございますとか、その他
開拓者資金融通でございますとか、あるいは
中金資金に仰ぎますいわゆる
制度金融でございますとか、そういうものをあわせて
期待をいたしておりますし、手うちの方に
相当の今後の重点があるわけでございますので、その
数字も、あわせて各
項目ごとに
計上いたしてみましたのを
合計をいたしますと、
公庫資金その他の
政府資金で五百八十六億円、
制度金融の
関係で
期待いたしております
融資額が百五十三億円というようなことになったわけでございます。そのおのおのの
項目ごとの
金額等につきましては、あまり長くなりますので、一応省略をさしていただいて、次に、
最後に
各局別におもな
事項を御
説明いたしますので、そのときにあわせて出て参りますので、その
機会に譲らしていただきたいと思います。
それから、その次の表は、
公共事業費の
概算要求額を、おもな
項目ごとに
分類をいたした表でございます。これも
例年の
分類とさほど違いませんので、あまり詳しく申し上げませんが、
明年度の問題といたしましては、金額的に
一つの
問題事項となりますのは、前
年度に
特別会計でスタートいたしました
農業関係公共事業費が、
特別会計で発足いたしました
関係上、
相当年次計画等も、きちんきちんとやって参る必要がございますので、
明年度分としては、
かなりの
増額が不可避でございます。そういうことが
相当のウエートを持っておろうかと思います。
なお、
地すべり対策等につきましては、先般来の
関係各省との
研究の結果、いまだ何と申しますか、
立法措置その他のことにつきましては、
目下研究中でございますが、
予算といたしましては、法律を待つまでもなく、
相当徹底してやって参りたいということで、特に従来の
予算の中から抜き出しまして、
地すべり対策を大きく取り上げたわけでございます。
印旛沼干拓が特に一億円出ておりますのは、御
承知の第二次
余剰農産物資金の約五億円を
千葉県に
融資をいたしまして、
千葉県をして
印旛沼の
直轄事業分の一部、疎水掘さくをやってもらったわけであります。それに見合います
償還財源の
計上であります。
公共事業費につきましては、全般的に申し上げますと、実は本年当初以来、
経済企画庁と
関係各省が協議をいたしております五カ年
計画の改訂の問題がございます。で、
農林省といたしましては、五カ年あるいはそれ以上の、五年を含めました長い期間の
長期計画を考えておるわけでありまして、その当面、
最初の五年という
意味で、三十三
年度から始まる五年
計画を、別途
経済企画庁と打ち合せを続けております。で、本
予算の
要求は、
経済企画庁に私
どもが五カ年
計画として持っていっております
事業分量、そのうちの
初年度分ということで、
財政当局等から見ますと、
かなりの食い違いのある
数字がありますが、それを
要求の
骨子といたしております。今後
経済企画庁が
中心になりまして、なおいろいろ御検討が重ねられると思いますので、その
模様いかんによりまして、今後それに対応して
予算等も考えて参らなければならぬと思っております。
漁港は、
公共事業費として、今申し上げました
一般的な
議論があるわけでございますが、なお
漁港につきましては、それ以前に、
漁港整備計画という
基本計画を持っておりますが、その
計画を、従来の
計画のズレを回復いたしながらやって参るということであります。
災害復旧につきましては、先ほど申し上げました
通りでございまして、大体その
程度でよろしいかと思います。
次の七番目の十四ページの表でございますが、これが
農林関係財政投融資の
計画の
概要でございます。
冒頭第一ページで、
明年度の
財政投融資計画を六百六十六億円というふうに御
説明をいたしました。この表で六百六十六億円がはっきり出ておりませんので、御
説明を申し上げますと、六百六十六億円といっております
数字は、三十三
年度のまず一番上の行の
農林漁業金融公庫に対する
国庫からの
投資期待額三百二十六億円……。三十三
年度の
財政投融資計画六百六十六億円というふうに御
説明いたしたこの
数字は何かと申しますと、三十三
年度国庫からは、
合計いたしますと四百七十三億円出ておりますが、この中には、いわゆる
投資に該当いたしませんものも含んでおりますので、この中から
国庫に
出資を願っております三百二十六億円だけを引き抜いたわけであります。それと、
あとは
運用部または
簡保の二百四十九億円、その他の九十一億円、との
三つを足しましたものが六百六十六億円であります。この六百六十六億円に見合います前三十二
年度の額は、三十二
年度のところで、
国庫を除きまして、
運用部百二十五億、
簡保百十七億、
産投七十億、この
三つがございますが、この
三つを
合計いたしますと三百十二億になります。この三百十二億と、今申し上げました六百六十六億とが見合うわけであります。ちょっと表の作り方がうまくいっておりませんので……。大体以上の
通りでございます。よろしゅうございますか。
財政投融資のそれぞれの
規模につきましては、ここに述べましたような各種公団でありますとか、
特別会計がございますが、それにつきましては、特にこまかくなり過ぎますので省略をいたします。
次のページに、
農林漁業金融公庫の貸付予定額六百五億円につきましての、一応の
事業別区分を御
説明がしてあります。六百五億円のうち、非常に大きく
増加をいたしておりますものは、まあ土地改良その他の
公共事業費は
例年のことでございますが、自作農維持下から五行目くらいのところにございます自作農維持、これが三十二年は五十億でございますが、これをさらに積極的に運用いたすという
政策要綱の線に沿いまして、百二十三億というふうな
相当な
増額要求が出ておりますことと、それから開拓、あるいは寒冷地農業振興ということで、セット的な
融資をそれぞれ十七、あるいは十六億四千というような、新しい試みが提案されております。以上のほかは特別事新しくございません。
次に、今まで主として
一般会計のことを申し上げておりましたが、
特別会計につきまして、すでにまとまりましたものの
要求規模が次の表に出ております。
食糧管理特別会計につきましてはまだ成案を得ておりません。その他の
特別会計につきましては、一応ここにまとまったわけでございますが、農業共済再保険につきましては、先だって法律が改正されました。その改正制度に基いての
要求でございまして、特段の変った、と申しますか、特に申し上げることはないかと存じます。
次の森林火災保険につきましては、これもやりますことは従前と何ら変りはございませんが、最近の本
特別会計の経営の実態を見まして、保険料率の一部引き下げを考えております。
同様に、第九番目の中小漁業
融資保証
特別会計につきましても、最近の実績に徴しまして、保証料の一部引き下げを考えております。
開拓者資金融通特別会計は、
政策要綱の線に沿いまして、先般の法律で臨時措置法ができました
関係もございまして、既入植者の措置、あるいは今後の開拓の営農
規模等につきまして、新しき提案が行われておりますので、
かなりの
増加になったわけであります。
大体以上で
予算につきましての御
説明が終ります。
以下に
各局別のおもな
事項について、簡単な記述をいたしまして御
説明をいたしておりますが、あまり長くなりますので、簡単に
項目だけ触れて申し上げたいと思いますが、官房の
所管事項といたしましては、国際協力
事業、あるいは海外
農林水産研修者の受け入れ、まあ両々、二つの主として国際協力
関係の
事項について、事新しく特に申し上げることもないのでありますが、一応官房のやっております現業的な仕事として、こういった点が重要になって参りますので、ここにあげたわけでございます。
それから経済局の
関係といたしましては、農業
委員会の
関係は法律改正が行われまして、大体今後の農業
委員会の
規模、方向等につきましては、三十二
年度予算の
予算折衝の
段階で、
大蔵省ともある
程度の了解に達しておりますので、本
年度はあまり極端な食い違いの問題は出て参らないかと思っておりますが、
委員会数が四千百ということになりましたのは、前
年度はまだ新法に切りかえ前の、整備統合前の
数字が一部入っておりますので、五千百七十というようなことになりますが、八月以降、おそらく本年末くらいまでに四千百
程度に統合される見込でありますので、それを基礎にいたしたわけであります。農業協同組合の
関係といたしましては、前
年度の八億一千万円を八億七千七百万円で
要求をいたしておりますので、指導監督等につきまして、特に本省はもちろん、全国中央会、あるいは
地方の中央会等が自主監査をやるという点に
相当重点を置いて、
予算の
要求をいたしております。その他農業協同組合
関係では、一連の整備促進的な法律
関係がございますが、そのほか、一番
最後に書きましたように、農業協同組合職員の共済組合を作りたいと考えております。これは新たな立法を必要とする
事項でございますが、私立学校職員の共済組合ができておりますのにならいまして、農協職員の資質向上、あるいは身分の安定というような点を主たるねらいといたしまして、職員共済組合を作りたいと考えております。
それから輸出の
関係は、これはマグロあるいはミカンの輸出振興のため、ジェトロが二、ニューヨーク等で行います宣伝
事業が主たるものになります。
明年度の問題といたしましては、米国向け合板の問題が御
承知のような情勢にありますので、これを取り上げております。なお、本
経費は
例年農林省から
要求をいたしますが、
最終段階では
農林省の
要求分として通産省で
計上していただくという例になっておりますので、あるいは
最終段階では、
例年の例によりまして、そういう扱いに相なるかもしれないわけであります。
それから経済局
関係のもう
一つの問題は、保険の農業共済の
関係でございますが、これは先ほど申しましたように、新制度によります
要求でございまして、大きな問題といたしましては、通常
災害についての
国庫負担の割合が、従来三分の一でございましたのが、法律の改正を機といたしまして二分の一に相なったという
関係、それから損害評価につきまして、各共済組合連合会が徹底して、もっと各組合の損害評価の地ならしをしていただくという
意味で、連合会による実測、坪刈り等を加味いたしました損害評価の徹底ということを考えております。その辺がおもな相違であろうかと思います。
それから統計
調査部の
関係は、四十一億円に対しまして五十五億円の
要求になっておりますが、この中の約三十七億円は
人件費に当りますので、それは
例年の
通りでございますが、新しいおもな統計として
明年度考えておりますのは、ここに書きましたように一から八まで書きましたが、こういうものが目新しい統計でございます。
農地局の
関係でございますが、これは
公共事業費がおもな内容になりますが、大
規模開発
事業の体系的実施と申しますのは、ここに書かれておりますように、将来の方向としては、水系別
事業計画を確立いたしたいと考えておるわけでございますが、とりあえず既存の国営、県営、団体営という
事業体系を相関連せしめて
要求が出してあるわけであります。なお、
特別会計との関連でございますが、御
承知のように、三十二
年度特別会計が発足いたしましたときは、直轄、代行の干拓
事業、これは継続、新規ともに
特別会計に移ったわけであります。灌漑排水
事業につきましては、とりあえず三十二
年度新規実施いたしますもののみを
特別会計の対象にいたしたわけでございますが、
明年度の
要求といたしましては、大きな灌漑排水
事業の継続分につきまして、
特別会計に途中から乗り移るという
要求をいたしております。たとえば豊川用水でございますとか、大井川でございますとか、そのような大きなかつ多目的なものでございます。
それから農地局
関係の来
年度要求の第二番目の問題といたしましては、市町村別土地改良開発
事業の総合実施ということを考えております。これはここに書きましたように、市町村ごとの基本的な土地改良
計画、総合的な土地改良
計画を県に頼みまして作ってもらい、これを
相当長期間にわたって逐次全国に及ぼして参る
計画を、二年目くらいにやりまして、三年目くらいから
事業をやって参る。
事業の主たる内容は、地元増反
事業と小
規模土地改良
事業ということで考えております。一番の大
規模土地改良
事業との相互関連をもちろん考えるわけでございますが、ここでの主たる
事業内容はそういうことになります。
明年度は、とりあえず、内地、
北海道ならしまして、百五十カ町村について
計画を樹立して参るわけでございます。その分の
事業化は、三十五
年度くらいから出て参ります。
明年度の
事業といたしましては、そういった事新しい
計画を必要としない、すでに
相当コンクリートな
計画が地元にある数十カ町村につきまして、
明年度とりあえず増反あるいは小
規模土地改良
事業をやって参るという考え方でございます。
それから第三番目は、畑地の土地改良の問題でありますが、これは、ここに書きました
数字は、狭い
意味の畑地土地改良のほか、従来水田
関係にあります灌排
事業の中で、畑地にも、その中に畑地を受益面積として持っておりますものを全部引っこ抜きました
関係上、非常に七十六億というような大きな
数字が出ております。主たる
事業の内容は、排水
事業といわゆる畑地灌漑
事業でございます。で、この七十六億円のうち、狭義のと申しますか、本来の狭い
意味での畑地土地改良
事業は約三十八億円でございます。
それから農地局の第二番目の大きな問題は開拓でございますが、開拓につきましては、二百二億ということで
相当の大
規模な
予算要求になりますが、これの考え方の
骨子は、
農林政策要綱で触れましたことに尽きておりますので、ここで詳しく御
説明することを省略さしていただきたいと思います。
明年度の新規入植戸数は五千十六戸を予定いたしております。三十二
年度は四千戸であったわけであります。それでそのことだけ申し上げまして、考え方の詳細につきましては、
政策要綱で御
説明があったかと思いますので、省略さしていただきます。
自作農
資金の問題は、主として
農林漁業金融公庫の問題でございますが、ここにあります三億六千万円は未墾地
関係の県の
事務費が主体でございます。
それから
災害復旧及び防災
事業、これは先ほど来初めの表の御
説明で申し上げておりますので、省略をいたします。
次に、振興局の
関係でございますが、振興局の
関係では、いわゆる新農村、これが四十一億になります。で、新規が、
計画地域といたしましては九百でございますが、
事業の実施地域は、新規が千、それから継続が九百六十六、これで発足以来五百、千、千というふうにやって参っておりますので、その差額はすでに九百六十六、切りましたのは三十二
年度にその半ばがはみ出しております
関係でありますから、結局二千五百を手がけることになるわけであります。ここで特に申し上げますのは、初
年度取り上げました約五百カ町村が二年終りまして、一応特別助成期間が終るわけでございますので、その
あとの処置といたしまして、
農林漁業金融公庫の被
補助の
融資を継続的に、その特別助成の終った地域については用意をいたしております。その他変ったことはございません。
改良
資金につきましては、それぞれ技術導入
資金あるいは施設
資金について、最近の要請に応じました施設
項目の追加がございますが、運営の根本には従来と変ったことはございません。
改良普及
事業の整備拡充の
関係では、まず
最初に普及員の技能の強化と申しますか、最近の営農指導の実態に応じますために、園芸、畜産、機械、これらの非常に最近の要望の多い技術指導につきまして、より高度の技術指導に耐えられますよう、特技普及員を確立いたしたいと思っております。
それから生活改善普及員につきましても、漁村、山村等に強い要望もございますし、現在約千五百地区普及地区がございますが、生活改善普及員の配置のない地区もありますので、そういうことのないように、全部に漏れなく普及員を配置いたしたいと思っております。
それから普及
事業の三番目といたしましては、
農林政策要綱の線に沿いまして、営農方式の改憲刷新をやって参ります場合に、従来の作付体系を新しく地域ごとに適応したものとして考えていく必要がございますが、それも濃密指導をいたしますために、営農改善モデル施設というものを三カ年間に千百七十七カ所設けましたが、主として県におりますSPが直接乗り出しまして、普及員を動員いたすと同時に、SPが直接グループ、なして乗り出しまして、直接的な濃密的な指導をやって参りたい。で、畜産への転換を促進いたしますとか、あるいは新しいそれぞれの地域に即した営農指導をやって参りたいということであります。それの指針といたしますのは、従来の
予算で従来
事業として。やっておりました営農試験地でありますとか、地域改良
計画というようなものを参考にしながら、やって参りたいと思います。
次に、振興局
関係の畑作振興
対策でございますが、ここに次の寒冷地も実は畑作なのでございますが、寒冷地に含まれません狭い
意味の畑作振興として一億二百万円がございます。これは寒冷地以外の県につきましてホイル・トラクターによる振興でありますとか、あるいは大豆、トウモロコシ等の生産地を育成いたしますとか、あるいはカンショにつきまして直播その他生産費の合理化を指導いたしますとか、そのような一連の施策がございます。
次の寒冷地
対策は、三十二
年度に発足を見ました寒冷地
対策を、
規模としてはそのまま踏襲をいたしております。と申しますのは、三十二
年度と由しましても、機械の導入等がなかなか一ぺんに参りませんので、まだ
事業の成果を十分に発揮いたしておりませんので、この際急にこの種の
事業を広げましても、
事業効果の方も確認しながらやって参りたいと思いますので、
規模は前年
通りでございます。
畑地の
関係で、今話が出ましたのでお断りしておきますと、
公共事業は先ほど申しましたが、
公共事業以外では、狭い
意味の畑地改良あるいは寒冷地等、振興局、それからこれから御
説明いたします畜産局にも、いろいろ畑地
関係の
予算があるわけでございますが、
一般会計の
公共事業以外の畑地
関係予算を抜き出して集計いたしてみますと、約二十一億の予定になっております。それで、
公共事業の方が、先ほど申しましたように、狭い固有の加地
対策が三十九億でございますので、両者合せますと、約六十億が畑地
関係の
明年度の
要求ということになります。これに対応いたします本
年度予算は、
公共事業で十一億、非公共で十三億、合せて二十四億。二十四億円に対しまして、
明年度は約六十億円を畑地
関係の振興
予算として
要求いたしております。
畜産局につきましては、草地改良
事業あるいは自給飼料
対策等がございますが、あまり内容にこまかく入りましても何でございますから、ざっと見て参ります。寒冷地
対策は、先ほど機械で申しましたと同じことで、本
年度のスケールでございます。
それから四番目にございます畜産による営農改善
事業と申しますのは、先ほど振興局のところで、普及
関係の濃密指導として、経営改善モデル施設というものをSPが直接やって参るという御
説明を申しましたが、そこで必要とする家畜につきまして、畜産局が家畜の面で協力をいたす、現地では一体的にこの改善施設を運営して参るという趣旨で、家畜の
関係を畜産局に
計上いたしたわけであります。
五番目の畜産による中小農業振興でございますが、これは三十二
年度に新たに入りましたが、
かなりそのスケールを広げております。なお、これによりまして、沿岸漁村等における養豚
事業等の奨励をもこの施策の中で含めてやって参りたいと思っております。家畜防疫
事業につきましては、若干変った点はございますけれ
ども、さほどでございませんので、省略さしていただきます。
蚕糸局の
関係では、生糸の
需要増進、これはニューヨークでの輸出奨励
事業でございます。多少の
経費の
増額を見ております。新たにフランスのリヨンにも事務所を設けたいというようなことにもなっております。
繭の合理的増産は、先年来やっております繭の生産費の低下、品質の向上という線でございます。
養蚕技術の改良普及につきましても、特に変ったことはございません。
製糸設備の処理については、三十二
年度に法律をもって発足いたしたわけでございますので、その残
事業分を三十三
年度に完了するという前提で
要求をいたしております。
食糧庁の
関係では、食料品工業の振興でありますが、これは主として経営指導が
中心になります。
二番目の澱粉の新規用途等の開拓でございますが、これに約一億
計上してございますが、これは今後の
特別会計の
予算の組み方とも関連してくるわけでございますが、一応結晶ブドウ糖産業の育成強化のために、
食糧庁が、
食管特別会計が澱粉の安売りをいたしたい、その安売りをするための
経費を
一般会計から補てんをいたしたいという趣旨のものであります。そのほか新規用途の開拓のために、
農林水産技術会議が
中心になりまして、澱粉の新規用途開拓のための試験
研究を総合的に展開して参りたいという、その二つで約一億になっております。
林野庁の
関係といたしましては、
公共事業費は先ほど総括的に御
説明を申し上げましたので、その
程度にさしていただきますが、四番目の地元施設の拡充と申しますのは、これは国有林による地元協力でございます。従って、この
数字は国有
林野特別会計の中の
数字の御
説明であります。
五番目が奥地製炭の助成でございまして、これは新規に製炭施策として
林野庁から出ております。
補助の内容は、簡易搬送施設等共同施設の助成でございます。
水産の
関係に入らしていただきますが、水産では、国際漁場の確保と未開発漁場の開発という
関係が、まず一億四千九百万円ございます。やりますことは、著しく従来と変る点はございません。
二番目が、沿岸内水面漁業の振興でございます。これは浅海増殖
事業等が
中心になりますが、従来の浅海増殖あるいは内水面の増殖
事業の残
事業を、残り五カ年で完結して参りたいという点と、それから従来の
補助率三分の一を二分の一に引き上げたいという点が、著しい相違点であろうかと思います。
三番目の海外漁業に関する施設の組織化と申しますのは、これは従来の海外漁場の
調査のほか、海外への漁業進出あるいは漁業提携のための奨励施策が含まれております。
漁港の整備は、修築整備
計画の線に沿いまして
要求をいたしております。
流通機構の整備及び価格の安定として四千六百万円充てておりますが、これはある特定の水揚げ場所につきまして、大衆多獲魚が非常に一時的に豊漁になり、価格が暴落を来たすというようなおそれのある際に、系統組合が加工に乗り出しまして、それによって魚価の暴落を防ぎたいという趣旨の施策であります。対象といたします魚種は、スルメイカとサンマでございますが、スルメあるいはサンマかすの形で保管をいたしたいということでございます。なかなか内容としてはむずかしい施策でございまして、
相当まだこれは私
どもとしても十分の
研究を積んでおりませんが、一応系統漁業組合に対する共同保管の奨励金という形で
予算は
計上してございます。
次の
農林水産技術会議の
関係は、各種の試験
研究機関の
経費、あるいは技術会議が
中心となって協議会をもって推進をいたして参ります試験
研究費に要する
予算でございます。
大体ざっと、端折りまして恐縮でございましたが、
明年度の
現状での千七百四十五億円につきましての大ざっぱな御
説明を、以上いたしましたわけでございます。