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1957-02-05 第26回国会 参議院 農林水産委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月五日(火曜日)    午後二時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀  末治君    理事            重政 庸徳君            藤野 繁雄君            東   隆君            清澤 俊英君    委員            青山 正一君            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            柴田  栄君            下條 康麿君            田中 啓一君            仲原 善一君            堀本 宜実君            安部キミ子君           小笠原二三男君            北村  暢君            鈴木  一君            羽生 三七君            河野 謙三君            千田  正君            北條 雋八君   国務大臣    農 林 大 臣 井出一太郎君   政府委員    農林政務次官  八木 一郎君    農林大臣官房長 永野 正二君    農林大臣官房予    算課長     昌谷  孝君    農林省農林経済    局長      渡部 伍良君    農林省農地局長 安田善一郎君    農林省振興局長 大坪 藤市君    農林省蚕糸局長 須賀 賢二君    食糧庁長官   小倉 武一君    水産庁長官   岡井 正男君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  細田 吉藏君    日本国有鉄道営    業局長     磯崎  叡君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査の件  (農林水産基本政策に関する件)  (農林水産関係物資に関する国鉄貨  物運賃に関する件)   —————————————
  2. 堀末治

    委員長堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  まず、農林水産基本政策の件を議題といたしまして、新井出農林大臣から御説明並びに御所見を伺うことにいたします。なお、衆議院会議の都合によって、本日は御説明だけにとどめて、御説明に対する質疑は日をあらためることにいたしたいと存じますから、御了承願い上げます。
  3. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 一言あいさつを申し上げます。昨年末石橋内閣の成立に当りまして、不肖私、農林大臣の重責に任ぜられた次第でございます。何とぞ御支援、御鞭撻をお願いいたす次第でございます。  本国会に提出いたします予算案及び法律案につきまして、皆様方の御審議並びに御協力をいただきますに当りまして、予算案の編成及び法律案の制定の基本となりました農林水産行政に対する考え方を申し上げまして、施策概要を御説明いたしたいと存ずる次第であります。  御承知のように、昨年は北海道冷害等、一部地域におきまして災害をこうむり、また他の地域におきましても気象条件は必ずしも良好であったと言えないにもかかわらず、全般的には、米麦を初め主要農畜水産物生産は、おおむね高水準維持し得たのでありまして、これは農山漁村民諸君努力のたまものであることは言うまでもないのでありますが、特に戦後における土地改良事業推進耕種技術改善等成果がようやく結実して参りまして、農林水産業生産力水準を高からしめたものと考える次第でありまして、まことに御同慶にたえません。  しかし翻って、わが国経済基調を観察いたしまするに、すでに御承知通り、最近における生産、貿易、雇用等、各分野にわたる経済発展は、世界的にも類を見ないほど目ざましいものがあるのでありますが、農林水産業が、成長を続ける国民経済の中で、その重要な一環として、今後におきましても他産業部門とも極力均衡した発展を遂げますためには、従来にまさる努力を積み重ねなければならないと痛感いたすのでありまして、この際、農林水産行政につきましても再検討を加え、施策効果的な滲透を期することが、ぜひとも必要であろうかと考えるのであります。  申すまでもなく、農林水産行政基本的目標は、農林水産業生産力を高めて、農山漁村民の福祉を増進することでございましょう。と同時に、食糧総合自給力向上することによって、国民経済の安定と発展に寄与することでございます。すなわち、食糧等農畜水産物生産増強のための諸施策を展開するに当りましては、単に量的増産をはかるばかりでなく、生産性向上を重視しつつ、農業所得増大農山漁村民生活水準向上をはかるとともに、従来どちらかと申しますと、米及び麦に片寄りがちであった食糧増産のための努力を一そう拡大して、国民食糧消費構造高度化に照応し、畜産物、野菜、果実、水産物等を含めた総合的食糧供給力増強という見地に立って推進する必要があろうかと思うのであります。またこのことは、世界的な農産物の過剰及びこれを反映した農産物価格低落傾向に対処して、わが国農業国際競争力強化するゆえんであろうと思量するものであります。  かような観点から、明年度における農林予算及び施策につきましては、次の諸点について農林水産行政基本目標を歩一歩、具体的に実現していくことを目途として実行いたしたいと考える次第であります。  まず第一に実施して参りたいと考えておりますことは、農林水産業生産基盤強化し、資源有効利用促進するための諸対策を強力かつ効率的に実施することでございます。すなわち、土地改良事業につきましては、これが、単に農作物増収の基礎をなすばかりでなく、営農形態近代化促進する要件ともなるものでありますので、従来通り重点施策として努力を重ねて参りたい所存でありますが、特に、国営干拓及び灌漑排水事業対象といたしまして特定土地改良工事特別会計を創設いたし、大規模事業早期完成施行効率化を期して参りたいと存ずるのであります。  さらに、治山治水事業につきましては、国土保全観点から、基本的施策として、水源林造成を含めた治山事業を強力に推進して参るとともに、最近における林産物に対する需要の増大傾向に対処し、森林資源の急速な開発拡大をはかるため、森林開発公団による所定計画実施を初めとし、奥地林開発に鋭意力を注ぐとともに、林種転換及び新伐造林重点を指向して人工造林地拡大をはかり、林木生産力向上を所期して参りたいと考えております。  次に、水産関係といたしまして、沿岸漁場における水産増殖施設拡充及び内外における未開発漁場開発をはかるとともに、遠洋漁場につきましては、国際間の協調のもとに、組織的、計画的な生産資源等調査実施する等、漁場確保に遺憾なきを期して参りたいと考えております。また漁港整備については、漁港整備計画に基く漁港修築事業及び累年の災害による漁港災害復旧事業早期完成をはかりますとともに、漁港防災事業拡充施行いたす所存でございます。なお、老朽漁船整備対策といたしましては、特に小型漁船重点を指向して財政金融措置を講じて参りたいと存じます。  第二に重点を指向いたしたい施策は、農業経営近代化促進して生産性向上するとともに、農家所得の上昇をはかりたいと存ずるのであります。  申すまでもなく、わが国農業は、経営規模が零細であり、しかも、資本力が不足しているという条件に制約されまして、従来その経営は極端に集約的な方向に走らざるを得なかったのでございますが、戦後におきましては、農地改革その他の成果により畜力化及び機械化等進んだ経営手段が、他の新技術と一体的に急速に採用せられつつある現状でありまして、今や経営質的転換の動きを如実に感ずるのであります。従いまして、この際慎重な研究準備のもとに、新たに農業経営近代化基本方策を確立すべき段階が到来しつつあるものと信ずるのであります。  まず三十一年度から実施されておりまする新農山漁村建設事業でありますが、本事業は、五カ年計画をもちまして全国四千五百農林漁業地域対象として推進いたす方針でありますので、第二年次である三十二年度におきましては、昨年度に引き続き新たに九百農林漁業地域の指定を行い計画の樹立を促進するとともに、農山漁村振興計画特別助成については、前年度よりの継続五百三十四地域、新規九百六十六地域、合せて一千五百地域対象として実施することとし、農山漁村民の創意と熱意にこたえたいと存ずるものでございます。  なお、この新農山漁村建設事業一環といたしまして、この事業青年自主的活動基調としております点にかんがみ、青年活動促進強化研修事業拡充及び海外移住等青年自立方策援助促進に十分配意いたしたいと存ずるのであります。  次に、昨年の北海道等冷害をこうむった農業経営実情にかんがみまして、この際、寒冷地特殊気象条件特異性に適応した経営方式を確立することが焦眉の要請となっております。従いまして、公共事業費によりまして客土、排水等を行い、冷害等に耐え得るよう土地条件整備促進することはもちろん、今回新たに国有家畜貸付制度を設け、輪作方式を取り入れた有畜農家経営への転換促進するとともに、これら農家に対し、労力の合理的配分を可能にし、あわせて畑地の潜在地方維持、培養をはかるため、営農用大型機械導入方策を確立し、これら大型機械管理運営に当るため、道県に農業機械化センターを新設したいと考えております。  次に、開拓農家経営実態を勘案し、これが抜本的な振興対策を講ずることでございます。すなわち、この際、従来の開拓政策の経験に照らし、終戦直後樹立された緊急開拓政策以来の方針改善を加え、開拓農家経営の刷新及び振興をはかるため、災害等により累積した負債の整理促進及び家畜導入等営農形態多角化に必要な営農資金確保措置を講ずるほか、建設工事促進過剰入植者経営面積拡大等所要措置を講ずることとし、これに必要な立法措置を講ずることを検討いたしたいと考えております。  次に、最近における農家階層経済力の差異に留意いたしまして、中小農家経営安定に資し、創設自作農維持育成に遺憾なきを期するため、農林漁業金融公庫自作農維持資金を倍増するとともに、新たに中小農家対象として、短期間に経済効果を発揮し得る和牛、豚及び綿羊の導入を奨励するため、必要な助成措置を講ずる所存でございます。  次に、以上の諸対策推進して参りますためには、技術水準向上と、その徹底した普及をはかるための諸対策を強力に推進しなければなりません。特に、最近における内外の急速な技術進歩に対処し、試験研究重要性はいよいよ高まりつつあるわけでございまして、昨年設置いたしました農林水産技術会議強化いたし、試験研究総合化及び重点化につき一段と工夫を加えますとともに、試験研究経費の大幅な増額をはかり、さらに試験研究指導者及び事業との連携を強化して参りたい所存でございます。  第三の重点事項といたしましては、生産基盤強化及び農業経営近代化に必要な投資の拡大をはかるため、農業金融拡大して参ることでございます。すなわち、まず農林漁業金融公庫につきましては、三十二年度の国の財政投融資計画一環といたしまして、政府出資を七十億円増加し原資の充実をはかるとともに、貸付計画につきましては、さきに触れましたごとく、自作農維持資金及び新農山漁村建設総合施設を主とし、融資対象事業全般にわたって総額前年比六十億円増の三百五十億円に拡大をはかった次第であります。また農業改良資金制度につきましては、資金規模並びに債務保証対象事業拡大し、また新たに利子補給に必要な補助金を支出することとし、本制度の円滑な運営を所期いたしたいと考えております。また前述いたしました開拓者営農資金確保につきましては、開拓者資金融通特別会計貸付充実をはかるほか、短期の営農資金につきましては、中央開拓融資保証協会に対する出資を増額することにより、融資の円滑を期することといたしたいと存じます。なお最近緩和状態にある農協系統金融につきましても、その効率的運用について検討を進めて参りたいと存ずるものでございます。  次に、農林水産物輸出振興につきましては、農林水産物特殊性にかんがみ、政府援助指導をさらに強化する必要があることはもちろんでありますが、これがため、輸出農水産物検査制度充実をはかるとともに、市場調査または海外宣伝を一段と強化するため、これに必要な経費予算案に計上しておる次第でございますが、特に、輸出農林水産物の大宗である生糸につきましては、最近における世界景気の好況にかんがみ、その輸出促進する絶好の機会でもありますので、この際、米国における宣伝事業をさらに一段と強化拡充することにいたしております。  また肥料、飼料、農薬、農機具等につきましても、最近における運賃、原材料の値上り等悪条件を克服し、これら生産資材供給確保価格低廉化に一段と努めるほか、農業協同組合整備強化等集荷、貯蔵、販売の流通機構全般にわたって、その合理化推進して参る所存であります。なお、製糸業及び製麦業につきましては、過剰設備による種々の弊害を除去いたしますため、その処理を促進する等必要な措置を講ずるように検討いたしております。  農業団体対策といたしましては、第二十四国会以来、前内閣より提出いたしました農業委員会法の一部改正案継続審査となっております一方、先国会において議員提出で同法の一部改正法案が提出され継続審査の取扱いとなっております。私といたしましては、今国会において右の改正法案がすみやかに通過成立することを切望しておる次第でございます。  農業災害補償制度につきましては、数年来鋭意検討中でございましたが、補償内容合理化をはかり、事業運営を農村の実態に即応させるため、従来の反建制石建制に改め、料率の個別化選択制拡大をはかるとともに、他面監督強化により補償法施行の厳正を期するなど、遠からず成案を得て、今次国会には改正法案を提出いたしたいと存ずるものであります。なお、漁業共済制度につきましては、自然的条件に左右されることの多い漁業実態にかんがみ、なお慎重に検討すべき事項も残されておりますが、昭和三十二年度におきましては、一部実験的に実施を試みまして、逐次本制度の確立をはかることといたしたいと存じます。  最後に、食糧管理制度につきましては、まず昭和三十二年産米につきましては、三十年産米以降実施して参りました事前売渡申込制度を引き続き実施いたしまして集荷確保するとともに、配給につきましては、従来通り消費者家計の安定をはかることを本旨とする方針でありますが、米穀の需給事情消費者家計、国の財政等関係を慎重に見きわめ措置の適切をはかることといたしまして、食糧管理合理化するための調査会を設け、十分に有識者の御議論をいただいて善処いたしたいと考えております。麦類につきましても従来の方針継続実施することといたしますが、御承知通り、いろいろ問題があると考えられますので、さきに申し上げました調査会におきまして、十分御検討をしていただくことにいたしたいと思います。  なお、外国産食糧の輸入についてでありますが、国内需給実情を考慮して良質なものを廉価に購入するという方針のもとに、適正数量確保に努めることといたします。なお、当面第三次余剰農産物については、その受け入れをいたさないつもりでございますが、愛知用水公団等第二次余剰農産物協定による見返円融資対象継続事業につきましては、三十二年度財政投融資計画において事業推進に必要な推置を講ずる所存であります。  簡単ではございますが、以上農林水産施策概要を御説明申し上げた次第でございます。
  4. 堀末治

    委員長堀末治君) この際、ちょっと委員諸君に申し上げますが、先ほども申し上げたのでございますが、大臣はこれから衆議院の本会議に出られますので、大臣に対する質疑は本日はおやめを願って、後日あらためてお願いをいたすことにお願いいたしたいと存じます。
  5. 千田正

    千田正君 ただいま井出農林大臣施政方針ですか、伺いましたが、特にわれわれ農林委員会といたしまして聞いておかなくちゃならない点が、いささか触れられなかった点がありますので、その点一言伺っておきたいと思います。  先ほど来、るるお述べになりましたが、そのうちで最もわれわれが今日の段階において窮迫を告げておる問題は、国鉄運賃値上りによって及ぼすところの農産物の物価、並びに市場及び国民生活に及ぼすところの影響は、非常に甚大であるということをわれわれは考えまして、当農林委員会といたしましても、この緊急措置をいかにすべきかという論議の最中であります。この点についていささか触れる点がなかったようにわれわれは考えられますので、もしも二分なり三分なりお時間がありますならば、その点をはっきりとこの際承わりたいと思いますので、その点を要望いたします。
  6. 堀末治

    委員長堀末治君) その点に限って、どうぞ。
  7. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) ただいまの御質問、時節柄まことにごもっともでございます。申し上げるまでもなく、日本地理的条件と申しましょうか、南北に非常に長い、このことから、農林水産物資の輸送は、非常に遠距離にわたってこれが運搬されておるのが現状でございます。従いまして、今回の運賃改訂影響は、ことに遠距離逓減制を撤廃するというようなあたりに一番大きな影響があるのではなかろうか、こういうように存じておるわけであります。この点につきましては、閣議でもよりより話が出ておりまして、私からも宮澤運輸大臣には強くこの点を要望いたしてある次第でございます。本日当委員会の席上承わりましたことでもございまするので、さらに一つ十分意を体してこの問題に対処いたしたいと、かように存ずる次第でございます。
  8. 千田正

    千田正君 もう一点。もう一つは、この水産の問題でありますが、御承知通り日本水産業国際的水産であります。日ソ条約の後に来たるところの日ソ漁業委員会そのものが、いまだ設置されておらない。さらに、この九日においてはラッコオットセイ国際条約が結ばれようとしている。このような海外との連絡があるところの重大な問題があります。この点もお触れになっておりませんから、この点も伺っておきたいと思います。
  9. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 本日参議院本会議におきましても、日ソ漁業問題について、笹森議員からの御質問を伺いました。その際もお答えを申し上げておいたわけでございますが、実は昨年来延引いたしておりまして、漁業委員会がまだ開かれない状況でございますが、ようやく向うからの情報によりますると、きわめて近い機会クータレフ漁業次官を団長とする先方の委員の一行が来日をいたします。わが方といたしましては、諸般の準備を整えて、これを待ち受けておるわけでございますが、来朝次第、直ちにこれが協議に入りたい、こういう経過に相なっております。また、ただいまのラッコオットセイの問題につきましては、十分配慮いたしておりまするので、御了承願いたいと思います。
  10. 安部キミ子

    安部キミ子君 緊急質問があるのです。今の問題に関連いたしまして、韓国に最近またたくさんの人が拿捕されました。先年の暮にすでに解決するやにこの委員会でも御報告がありましたので、大へん期待しておりましたが、何の効果もなかったわけなんですが、この問題を緊急に解決してもらいたいと思いますが、農林大臣の御所見はいかがなものでしょうか。
  11. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 例の韓国における邦人漁夫拿捕問題は、石橋内閣ができますると同時に、閣議でも大きく取り上げられた問題でございます。実はなかなか厄介な相手とでも申しましょうか、こちらが一を譲れば二を要求するというような工合でございまして、日韓交渉全体の問題とからんで、いわば漁民諸君が人質にされておるというかっこうでございます。従いまして、これは単に私の所管というのみでなく、外務省が本格的にこれと取り組む、こういう手配に相なっておりまして、相ともに一つ力を合わせましてこの問題の解決に専念をいたしたい、このように存ずる次第であります。
  12. 安部キミ子

    安部キミ子君 時間がありませんので、恐縮ですけれども、聞きますところによりますと、この間の拿捕の状態は、韓国の人と日本の漁夫とがなぐり合いになって、三名の重傷者が出ておるというような報告も、おととい聞いたのですが、そういう重大な問題もございますので、真相を十分御調査下さいまして、この次に、早い機会にもっと突っ込んでお尋ねしたいと思いますから、十分用意していただきたいと思います。
  13. 井出一太郎

  14. 堀末治

    委員長堀末治君) 農林政務次官八木君から発言を求められておりますから、八木君に発言を許します。
  15. 八木一郎

    政府委員八木一郎君) お許しを得まして、この機会一言あいさつを述べさしていただきます。一月三十日付をもちまして、農林政務次官に任命せられました八木一郎でございます。  衆議院に議席を持たしていただいて以来、いやその以前から、直接、間接に御指導を賜わりました各界の先輩のおそろいでございます農林水産、特に農山漁民生活を守りながら、国民の毎日のかてに関係を持ちまするような、国民大衆接触面の多い農林省の責任の一端をになわしていただきますことについては、乏しい未熟な至らない私としては、非常に大役でございまするが、多年御支援を賜わりました皆様のお力添えにおすがりし、皆様の意を体して、誠心誠意、誠実にその職責を尽さしていただきたいと思います。どうか従前にも増しての御指導を賜わらんことを切にお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。   —————————————
  16. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に、農林水産関係物資に関する国鉄貨物運賃に関する件を議題にいたします。  この問題に関しましては、政府において今回企図されている貨物運賃引き上げについて、運賃引き上げに絶対反対する向きもありまするし、またある程度の引き上げはやむを得ないとする向きもあって、この点については意見の相違があるように見受けられるのであります。しかし、農林水産物資実情とその特殊性にかんがみ、農林水産物資運賃については、従来行われてきたような遠距離逓減並び北海道関係物資に対する割引、その他の特定割引等の各種の軽減措置は、これを一段と拡大強化すべきであるという点については、一致した意見に基いて、去る一月二十一日、委員会の総意をもって、政府当局に対してその実施申し入れられたのであります。しかして去る一月二十九日の当委員会において、この問題に対して多数委員から当局所見がただされ、善処が求められたところ、その際、石井国鉄常務理事から、なるべく影響の少い範囲において、合理的な交通政策並びに国の経済政策にマッチした行き方で、御趣旨の点もできるだけ組み入れて作業をしたい趣旨説明がなされたのであります。そうして最後に、私から本件について、当局におかれては、過般の当委員会からの申し入れ並びに本日の委員会経過にかんがみ、遺憾なく措置し、その経過を随時当委員会報告されるよう希望して、今日まで当局善処を期待していたのであります。  ところが、運輸省並び国鉄当局において意図されているところは、遠距離逓減の短縮、その他当委員会申し入れ、並びに石井常務理事説明とはおよそ反対の方向に進められているように伝えられているのであります。今日までのいきさつから見まして、よもやそんなことはあるまいとは信じているのであります。しかし万一にも伝えられるようなことがありますとすれば、それは社会経済現況に重大な影響を及ぼすことをおそれて、今日重ねて委員会議題にして、この問題について当局の真意を確かめ、重ねてその善処を促すことにいたした次第であります。  本日は、できるだけ問題の中心を去る一月二十一日の当委員会からの申し入れに関する事項にしぼることにいたしたいと存じますので、委員各位の御発言、また当局説明も、そのように御了承の上、問題を究明していただきたいと存じます。  まず、本日は国鉄、続いて運輸省、次に農林省の順に説明を願い、三当局説明が一通り終ったあとで、委員各位からの御発言を願うことにいたしたいと思いますから、これまたさよう御了承いただきたいと存じます。  速記を止めて。    〔速記中止〕
  17. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を始めて。
  18. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 去る一月二十九日の当委員会におきまして、各先生方からいろいろ御意見が述べられましたその結果、私どもの方に資料の御要求がございました。お手元に資料の御提出をいたしておるはずでございますので、それに基きまして御説明さしていただきます。  なお、先般の運賃の問題につきましては、後ほど運輸省の方からも御説明があると存じます。とりあえず、この資料について簡単に御説明を申し上げたいと存じます。  前回の資料の御要求は、運賃と原価の関係がどうなっているかという問題が一つと、それから国鉄貨物運賃につきまして今度どういうふうな改訂の内容を考えているかということの御質問がございました。それに基いて、資料によって簡単に御説明を申し上げます。  まず、運賃と原価の関係につきましては、お手元の資料にございますが、現在私の方の昭和二十九年度におきます決算の原価は、貨物の面におきましては、貨物の収入の一〇〇に対しまして一一一の赤になっております。これを私の方では、貨物については車扱いと申しまして一車まるまるの扱いと、小さい貨物の小口扱いと、二種類がございますので、この車扱いについて見ますと、この原価割合いは一〇九となっております。私どもといたしましては、一応全体の収入で全体の支出をまかなうという建前になっておりますので、私の方の単位当りの運賃と、単位当りの原価とは、大体見合うような形で作られております。二十九年度にたとえて申しますと、一トン一キロを送ります平均の運賃が二円四十七銭九厘でございます。  これにつきまして、これと運賃との関係を見ます場合に、二つの面からこの問題を見なければいけないと考えまして、資料を作成してみましたが、第一は運送距離から見た運賃と原価の問題でございます。運送距離については、大体貨物の輸送は発駅あるいは到着駅で、ターミナル・コストと申しまして、いろいろ積みおろし等の費用がかかります。その後、貨車に載せて列車につながれましてから、ある程度距離がふえるに従い、必ずしも正比例して輸送の原価は上らないわけであります。貨物運送については、ただし途中の駅でもっていろいろ操車場というものがございまして、大体現在の輸送情勢について見ますと、百キロに一回ずつ操車場に入れて貨車の組みかえ、入れかえ等をいたしておりまして、従いまして、最近の非常に御承知のような輸送難の状況におきましては、この回数が非常にふえて参りまして、その面の原価が割合に高くなっております。現在一トン一キロ当りの原価が百キロメートルで三円六銭八厘でございます。千キロメートルにつきましては二円二十一銭八厘となりまして、現在の逓減割合は運賃原価の方は三〇%減っている形になっております。ところが、後ほど御説明いたしますように、貨物運賃の方は、非常に遠距離に参りまして逓減率が割安になって参っておりますために、輸送の原価と貨物運賃との割合の差がだんだんひどいのでございます。特に最近におきましては、貨物の足が非常に延びて参りました。平均輸送キロが長くなりましたために、先ほど申しました貨車の組みかえ、入れかえの作業の回数がふえ、また、からでもって貨車を走らす。大体わが国の貨物輸送の現状が、東京から向いまして北にあるいは南に空車が走って行く、そうして東京に対して実入りの車が走って来るというような状況に相なっておりますので、貨車足が伸びることはそれだけ、からの車を長く走らすということにも相なるわけでございます。  もう一つは、等級別に見た運賃と原価でございまして、御承知通り、現在貨物の運賃は主として、各貨物の持っております負担力でもって貨物運賃を定めております。トラック運賃等は負担力を全然考慮いたしませんで、もっぱらトラック運賃に要します原価を中心として運賃を定めておりますが、私の方は負担力主義で運賃を定めておりますために、あらゆる物資を十五の等級に分けて運賃を収受いたしております。一級から十二級までと、特別に生活必需品等につきましては二十台をつけまして、二十一、二十二、二十三という三つの等級をつけております。これらの等級から見た原価の関係を申し上げますと、等級では大体七級が運賃と原価と見合うような運賃を作成いたしておりまして、その七級を中心といたしまして、各級別に率を乗じまして運賃を収受いたしております。従いまして、各等級ごとにおきます運賃と原価の関係は、後ほど表で御説明いたしますが、一級から六級までが大体原価を償い、また八級以下は大体原価を割っているという形に相なっております。従いまして、逆に申しますと、八級以下の不足の運賃は六級以上の貨物でこれを負担し、そうして全体としての収入が原価を償うという形で貨物運賃を構成しております。それを数量的に申しますと、現在鉄道で輸送いたしております総物資の中で、原価以上のものは三一%、大体原価と同額のものが三二%、それから原価を割っているものが三七%というふうに相なっております。これを農林物資だけについて考えますと、原価を割っている割合は約七〇%と相なっているわけでございます。  以下簡単に表につきまして御説明申し上げますが、別表を三枚つけさしております。  別表の一は、運送距離別に、先ほど御説明いたしましたように、運賃と原価との関係がどうなっているかという表でございまして、一番右の欄にいろいろ指数が出ております。左の欄に距離がございまして、運賃に対する原価の割合は、十キロメートルのところでは一〇〇以上になっておりますが、それからずっと下りまして二千キロのところで一二一と、すなわちこれだけ、何と申しますか、運賃が原価の方は高くなっているという勘定になるわけでございます。これを今回改訂いたしました場合で申しますと、一番右の欄で、二千キロのところで一二一が一一四になるというような勘定に相なるわけでございます。  次に別表の二でございますが、これを距離と等級と両方の面からごく簡単に見ますと、別表の二のような表に相なりまして、この表の中で黒い線の中で囲みました部分が運賃と、何と申しますか、原価を償っているという部分がこの黒い線の中で囲んだ部分でございまして、従いまして、右の下の方の一角並びに右の上の方の一角、黒い線の外側にある部分が、運賃と原価の償っていない面を示しておるわけでございます。たとえて申しますと、七級で、上の方に七とございますが、七級の貨物で申しますと、四百キロまではペイをいたしておりますが、五百キロからになりますと、運賃と原価が償っていない、こういうふうにごらん願えればけっこうでございます。なお一番上の点線の方は、これはごく最低運賃を申しまして、特に御説明するほどのこともない問題でございます。まるをつけましたのは、各級別に見てどのくらいその級のものが輸送の足が延びるか、輸送の距離が延びるかという、輸送距離を示したものでございます。御質問によってお答えいたします。  最後の別表の三の表は、等級別に見まして、各等級ごとに運賃と原価がどうなっているかという表でございまして、一番上の欄が等級の欄でございます。次に原価を書きまして、運賃をその下に持って参っております。これは平均輸送距離における運賃を示したものでございます。そこでAとB、原価と運賃とを比較いたしますと、一級から六級までにおきましてはプラスの数字になっております。七級で大体見合いまして、八級から以下マイナスになっておるということで、大体八級から二十三級まで——この二十一、二十二が途中に入っておりますのは、賃率指数と申しまして、指数の順番に並べましたために入っておりますが、八級以下は全部三角ということに相なっております。  それでは次に、全体の貨物が等級別にどういうふうに割り振られておるかと申しますと、私どもの方の全体として送っておる貨物を一〇〇といたしますと、七級の貨物が圧倒的に多く、これが三二%でございまして、これは石炭が七級でございますので非常に多いわけでございます。それからその次に農林物資についてどうかと申しますと、もちろん農林水産物資でございまして、水産品もこれに入っております。これで参りますと、下から二番目の欄でございまして、二十三級が三四%でございます。そのほか二十二級、二十一級等に比べまして、七級、八級にも木材関係等が入っておりますので、多少の率を持っております。なお、各等級ごとに、それでは農林物資がどういうふうに入っておるかという数字を申しますと、一番下の欄でございまして、ちょっとこれは非常にまずい表で、ごらんになりにくいかと思いますが、たとえば七級の欄をごらん願いますと、七級の欄の、全体の国鉄の輸送量のうちで一・二%が農林物資と、こういう意味の表でございます。たとえば右の方の二十二級になりますと、二十二級品は全部農林物資である。多少の切り下げ、切り捨てもございますが、全部農林物資である。また二十三級もほとんど農林物資であるというように、各等級における農林物資の割合をお示しいたしました数字でございます。  以上が前回御要求のございました運賃と原価の関係についての説明の資料でございます。  引き続きまして、もう一つの方のプリントの「国鉄貨物運賃について」という表につきまして、簡単に御説明申し上げます。  現在運賃の改訂につきましては、私の方では運輸省の指示によりまして、目下作業を進めておりまして、なおまだ確定的な具体的な数字を出すまでに至っておりませんが、先般当委員会から御要求もございましたので、一応いろいろな試算をいたしておる段階でございまして、従いまして、以下述べます数字も、必ずしも確定的なものでなしに、試算の段階にあるものというふうに御了承願いたいというふうに存ずるわけでございます。  まず、遠距離の逓減問題と特別割引問題でございますが、遠距離問題につきましては、先ほど原価について申し上げました通り、非常に最近貨物輸送の足が延びて参りました。ところが、運賃の方は十キロメートルの運賃を百円といたしますと、八百キロメートルでは二十円に、千五百キロメートルでは十八円になっておるというふうに、非常に高度の逓減率で運賃を定めております。現在貨物輸送の全体の平均の輸送キロが二百七十六キロ、戦前に比較いたしまして約百キロ足が延びておるという次第になっております。このために、最近非常に遠距離貨物が増加いたしましたことと、交錯輸送と申しまして、同じ品物が相当な距離を、上り下り線を同じ品物が上ったり下ったりしているという実情も数字に出ておりまして、これらも運賃遠距離逓減制との関連もございますし、また海上貨物につきましてもある程度、不自然なと申しては恐縮と存じますが、多少無理に陸上輸送をやっているそのために、けさ現在でも二百十五万トンという滞貨を沿線に現在かかえております。一日五十万トンの輸送をやっておりますが、なお現在の数字はちょうど昨年の一番繁忙期の、十二月の中旬の在貨の実績に匹敵するだけの実績をけさ現在、各線の沿線に持っておるような次第でございます。  今回の改正におきましては、現在極度に輸送力の逼迫のために、これを何とかして合理的に輸送力を使いたい、また経済的に使いたいという意味から、ある程度遠距離逓減の修正を実施いたしたいと考えましたが、なお先ほどのお話の通り日本全体の地理的な関係から申しまして、非常に長い輸送をしなければならないような状況もございますので、三千キロの区間におきまして——三千キロと申しますと、日本の輸送の一番長い輸送でございます。鹿児島から稚内間の一番長い輸送でございますが、三千キロ送りまして約九%程度の開きがあるという遠距離逓減の修正をいたしたいというふうに考えております。  また、次の物資別の特別割引でございますが、現在これは七十九品目に対して物資別の特別割引をいたしております。それによります割引の額は年間で約十七億円に達しております。すなわち十三億円だけ割引しているという数字でございます。このうちで農林水産関係の物資は、品目にいたしまして七十一品目、割引額が約十五億でございまして、大体現在の特別割引のうちの八割五分程度のものは農林水産物資でございます。先ほど申しました等級の問題は、等級できめましたものはさらにこれだけの割引をするということになっておりますので、その点は割引額を入れての数字でございます。割引額を入れて等級できめましたものを、運賃からさらに割り引いたものはこういうことに相なっておるというのでございます。これは二十八年の運賃改正のときに種々問題もございまして、暫定的な措置ということになっておりましたが、この割引の内容は、大体端的に申しますと、いわゆる遠距離割引という形になっております。中には若干そうでもないものもございますが、大部分が遠距離割引で、何百キロ以上は何分という形になっておりますので、私どもの何と申しますか、考えているままに申させていただきますれば、今回遠距離逓減を修正しながら遠距離割引を残すということはおかしいじゃないかという理屈もあるようではございますが、今回は各物資に対する影響を最小限度にとどめたいという意味から、遠距離逓減方針といささか違いますが、割引は残していきたいというような考えを持っておりますが、まだ確定的にはっきり申し上げる段階には相なっておりません。これによりますと、額が先ほどの十七億、遠距離逓減によります修正の増収が約十二億で、差引約五億程度の割引によります減収の方が多いという形に相なっております。  また北海道割引につきましては、現在十七品目につきまして適用いたしておりまして、その割引の品目は、内地のものと同じ品目毛あれば、また北海道だけの品目もあるということに相なっておりますが、同じ品目でありましても、割引率をある程度高くいたしております。これは昭和二十八年の改正のときに、非常に青函航路のキロ程を短縮しろというお話がございましたときに、それをいたしませんでしたその関係上、北海道につきましては非常に割引を強度にいたしたわけでございますが、これらにつきましては、私どもの考えといたしましては、一般的な割引にまで戻していただきたいという考えを持っております。そういたしますと、わら工品が二割、木材が内地並みの一割一分、鮮魚が内地並みの五分ということに相なるわけでございます。  また制度の改正につきましては、私どもの貨物輸送の制度は非常に、何と申しますか、複雑でございまして、いろいろ利用者の方々から各種の御要求がございますので、この際に若干の制度改正をいたしたいというふうに考えておりますが、まず第一に、青函航路のキロ程を短縮いたしたいということでございます。現在四百五十キロでもって運賃をいただいておりまして、この四百五十キロと申しますのは、何と申しますか、現在鉄道と船舶とを通算いたしまして運賃を、鉄道の運賃並みの運賃でもって計算をしていただいております。旅客の方の運賃は船と鉄道と別々に計算いたしていただいておりますが、航路の方は昭和十五年に通算制をいたしまして、その当時船のキロ程を鉄道のキロ程に換算いたしまして、それ以後四百五十キロで運賃をいただいておりますが、今回それを三百五十キロに改めるというふうに考えております。これをもちまして約九億の、何と申しますか、減収に相なることになります。これによります実例は表に書きましたので、省略させていただきます。  また関門のトンネルにつきましても、今まで三十キロで運賃をいただいておりましたが、これを六キロ三分の鉄道のキロ程に直したいと考えております。これでやはり年間七億ぐらいの減収に相なる次第であります。これによりまして、たとえば山口県と福岡県、あるいは西日本と九州との輸送は、二十数キロの、何と申しますか、運賃計算のキロ当りが減るという形になりますわけでございます。  次に、三番目は重量減トン制度の改正でございまして、重量減トン制度と申しますのは、現在荷主の御要求で十トンの貨車をくれという御要求がありましたときに、私どもは、十トンがないからもうしばらくお待ち願いたい、十五トンならございますと申し上げましたときに、いや、十五トンでもと言われましたときには、十トン分で扱いまして、十一トン分の、一割増しの運賃をいただく扱いをいたしております。これを適用いたしますのは現在百四、五十品目でございまして、農林水産物資のうちで米、麦、カンショ、バレイショ、リンゴ、ミカン、飼料等七十二品目、約半分が農林水産物資でございまして、これがすなわち、十トン車の要求に対しまして十五トン車をお使いになったときにも、一割増しの運賃でいただいておりました。今回この一割増しを廃止いたしまして、十トン車の御請求に対しまして十五トンを差し上げた場合にも、十トンの運賃でやりたいと考えますので、この際一割の割増しを廃止して参りたいと考えますとともに、新しく、この制度拡充いたしまして、約八十品目についての制度の拡張をいたしたいというふうに考えております。それでもって約五億程度の減収に相なるかと存じます。  次に、貨物等級と軽量減トンの一部の修正でございますが、貨物等級につきましては、御承知通り昭和二十八年に根本的な大改正をいたしまして、今回の運賃改正の中には貨物等級の改正をほとんど含んでおりません。と申しますのは、貨物等級の改正と運賃の改訂を一度にやりますと、非常に運賃値上りのひどい物資が出てくるというような関係からいたしまして、貨物等級につきましては、この問題が片づきましたあと、各界の権威者の方々に集まっていただきまして、等級審議会というようなものを設置いたしまして、約一年か二年時間をかけまして、ゆっくり等級問題について論議し、また新しい等級制度をきめさせていただきたいというふうに考えております。従いまして、この際は昭和二十八年の改正のときに調査ができておらなかった分につきましての若干の改正をいたしたいというふうに考えております。  次に、第五番目でございますが、割増運賃の計算方法の改正、これも非常にこまかいことで恐縮でございますが、現在いろいろ、冷蔵車を使う、あるいは急送品を輸送するというときには、割増しをいただいておりますが、この割増しを、現在互いにかけ合った相乗法で計算していたものを、和に直すということで、若干の修正をいたしたいと考えております。  最後に、最近非常にひんぴんとして起ります、荷主の都合によりまして、着駅の変更をされることが始終ございます。たとえば東北の鮮魚を東京市場に送られたものが、東京市場の値段が安いということで、急にこれを大阪市場に着駅を変更されるという場合が、最近非常に多うございます。その場合に、荷主の指図によりましてそれを大阪市場に変更いたします際に、今までは打ち切りの計算のものを、今度は通算するという点で、このことは鮮魚関係の荷主の方々には非常に便利になる制度だと考えております。  以上非常にこまかいことを申し上げて恐縮でございましたが、一応今考えております運賃制度の改正の内容につきましては、以上の通りでございます。
  19. 細田吉藏

    説明員(細田吉藏君) 私は運輸省の鉄道監督局の国有鉄道部長をいたしております細田と申します。  国有鉄道の運賃の改訂につきましては、すでに御承知のように、客貨を通じまして一割三分の値上げをいたすということにつきましては、先般閣議でも決定をいたしまして、政府方針としてきまりました三十二年度の予算も、それに基きまして作成をいたしたような次第でございます。ただ、ここまではさまっておるわけでございますが、一割三分の値上げの内容につきましては、ただいまいろいろな角度から実は検討いたしておるところでございまして、もちろん予算も出ておりますので、そう遷延は許しませんのでございますが、いろいろな関係からただいままで、政府はもとより、運輸省といたしましても最終の案を得ておりませんような次第でございます。もちろん、これは最終の成案を得ますれば、閣議を経まして、国有鉄道運賃法案の改正法案といたしまして、国会に提出いたす運びになるかと存ずる次第でございます。私ども率直に申しまして、できるだけ早くこの法案の形にいたしたいと考えておりまして、今実はいろいろな点から作業をやり直し、やり直しいたしておるような次第でございます。できますならば、来週中くらいには成案を得て法案が出せるような運びにいたしたい、かように考えておるわけでございます。  実は、前回のこの委員会に私出席いたしておりませんので、私の方の課長が参りまして、いろいろお話を伺っておるのでございますが、当委員会といたされまして、いろいろな点が問題になっておるようでございまして、また特に当委員会から私の方の大臣にあてられまして、一月二十一日でございますか、申し入れもいただいておるわけでございまして、これらの点も、私どもの方の今いろいろ作業いたしております中には、十分考慮いたしておる考えでございます。どういう形で考慮いたすかというような点につきましては、いろいろ私の方の内部にも意見がございまして、まだ最終的には確定いたしておりませんが、御趣旨のあるようなところは十分考えて参りたい、かように考えておる次第でございます。  ただ、一、二申し上げますと、国鉄の原案になっております、私の方に出ております原案、これは一割八分値上げの原案でございますが、遠距離逓減についての修正をはかりたい、こういう意見が出ておりまして、これにつきましては、運輸大臣の諮問機関でございます運輸審議会といたしましても、前々から実は非常な懸案になっておりまして、特に海陸の輸送調整、運賃を通じての海陸の一貫した運輸政策といったような見地から、ある程度の修正をすべきじゃないかというような御意見が実は出ておるのでございまして、ただいまのところ、運輸省といたしましても、この遠距離逓減を何らかの形においてある程度改正いたすという点については、私どもといたしましても、何とかさしていただきたいというふうに実は考えておるわけでございます。  ただ、運輸審議会の答申の中にも実はあるのでございますが、運賃の一般的な値上げをいたしますほかに、こういった制度改正をあわせてしたい、こういうことになりますと、非常に急激な変化が起ってくる。非常に高率の値上げが起ってくる。たとえば国民生活なり、あるいは国の産業経済に、非常に急激に悪影響を及ぼすというようなものにつきましては、何らかの形で考慮すべきではないか、こういうような御意見が運輸審議会の答申の中にも、はっきりとうたわれておるのであります。また別な答申の中に、いろいろ先ほど磯崎局長からお話ございましたが、今回の改正に伴いまして、いろいろこまかい技術上の制度改正が出ておりますが、こういったものも一つ一つ切り離して考えるというよりも、もっと根本的に考え、海運、自動車あるいは鉄道、そういったものもみんなあわせ考え、また日本のいろいろな政策もあわせ考えて、最も妥当な貨物運送制度を確立すべきじゃないかということも、実は答申の中にあるようでございまして、ただ今回の改正のうちの遠距離逓減以外の改正につきましては、根本的な改正をいたすまでもなく、実は差し迫って何とかしなければならぬ——これは実は大半は値下げになるものでございますが、差し迫ってどうしてもこれはやらなければならないということのようでございまして、これにつきましては、私どもとしましては、この内容の個々の品目その他につきましては、まだ検討しなければならぬと思っておりますが、この程度のことは考えていかなければならぬのではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。  青函の航路のキロ程、それから関門の特定キロの問題につきましては、これはまあ安くする方の問題でございまして、これは二十八年のとき、あるいはそれ以前から、非常に問題になっておるものでございまして、これらの点については、当然私どもの方としては考えなければならぬ問題だと思っております。非常に遠距離逓減と、こういった航路あるいは隧道のキロ程の短縮、それと国鉄が提案しております割引の廃止、これら三つからみ合いまして、現実の形が著しく、何と申しますか、悪くなっておるというようなものにつきましては、これは運輸省としましては、十分国会の各委員会の方の御意見も伺いまして、善処いたしたいと、かように考えておる次第でございます。  大へん不十分かと思いますが、いずれにいたしましても、まだ最終のところまで行っておりませんので、中間的な御説明になりまして恐縮でございますが、以上申し上げまして、御質問がございますれば、ただいまの段階でお答えできます限り、お答えをいたしたいと思います。
  20. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 国鉄貨物運賃の改正について、ただいま運輸省、国鉄当局から御説明がありました。先般の委員会におきまして、私どもの方でその当時まで入手しておりました資料に基いて、それは先ほど国鉄部長からお話がありましたように、一八%値上げという国鉄の当初の案を一三%の値上げにそのまま圧縮しました場合に、どういうふうな影響が出るかという推測のもとに、御説明を申し上げたのであります。従って、それは仮定の議論であって、もし一八%値上げのようなことになれば、農林物資のあるものについては非常に大きい影響を与えるので、それに対して十分な是正をしていただかなければならない、こういうことを申し上げたので、ただいま国鉄からお話がありましたし、運輸省もまだ二二%値上げの案については最終的な結論を出していない。もちろん私どもの方に、個々の品目についての国鉄当局の考え方というものも伺っておらないので、お話しの通り、個々の品目につきまして、これから国鉄、運輸省と十分連絡をいたしまして、農林物資の輸送方法について遺憾のないようにいたしたいと、こういうふうに存じております。
  21. 河野謙三

    ○河野謙三君 運輸省から先に聞きたいのですが、先ほどの御説明で、最近の傾向が遠距離輸送が非常にふえてきたということ。これは絶対量がふえたということですか、パーセンテイジにおいて遠距離輸送がふえてきた、こういうことですか。そうであれば、そのラフな数字でいいから、説明をしていただきたい。  それから遠距離輸送がふえてきた原因はどういうところにあるのか、その結果、海上輸送が陸上輸送に転移されてきておるという傾向なのか、それも一つ教えて下さい。  それから交錯輸送がふえてきたように聞いておりますが、交錯輸送がふえてきたというのはどういう原因なのか、交錯輸送がどういう程度にふえておるか、交錯輸送の増加率もはっきりと一つ教えて下さい。
  22. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 一番初めの御質問の平均輸送キロが延びたことにつきましては、まず第一に、私の方の輸送いたしております貨物が、昭和十一年ごろに比べまして、約三倍半程度に全体の量がふえております。その三倍半にふえましたものの平均の輸送距離が、昭和十一年ごろに比較いたしまして、約百キロ延びております。すなわち、昭和十一年ごろは、平均の輸送距離が百七十キロぐらいでございまして、それが現在去る十一月で二百七十六キロに延びております。約百キロ延びております。これは平均の輸送距離の延び方でございます。すなわち、全体の数量がふえて、しかもその全体の数量の平均輸送距離が延びたということになりますので、個々の物資をとってみますと、相当に、輸送距離が数倍にもなったというようなものがあるわけでございます。  それから第二番目の遠距離輸送の逓減のふえました理由といたしましては、これはいろいろあると存じます。たとえば運賃の問題もございますし、一番大きなのは、やはり戦争中に、御承知通り、船が、沿岸航路が非常になくなりまして、沿岸の回漕の物資を陸上輸送に相当転換いたしまして、たとえば工場における荷受設備、あるいは港の積荷設備、あるいは工場の生産品の積荷設備にいたしましても、主として陸上輸送を中心といたしまして、鉄道輸送に向くように設備の改善をいたした分野も相当あるのでございます。一番大きな理由は、やはり戦争中の陸上転移がそのままずっと残りまして、現在まで至っておるというふうに考えられるわけでございます。たとえば、それが運賃の面でどう響くかと申しますと、大体、戦前は、九州—大阪間の船運賃と鉄道運賃が、大体トン当り船運賃五円に対しまして鉄道運賃十円というのが、大体の戦前の相場で、大体鉄道運賃が船運賃の倍になっておりまして、現在では、これはなかなか的確な数字はつかみにくいのでございますが、物によって違いますし、また船によって、機帆船、汽船等によって違いますが、大体船運賃の方が二割ぐらい高い、鉄道運賃の方が安くなっておるというような実情でございます。現在一番大きな例といたしまして、最近陸上のものを無理に、輸送力がございませんために、海上に転換いたしまして、岩手県の方の硫化鉱でございますが、これを青森県の鮫という港から出します際に、大阪まで送りますと、船運賃の方が安くなるけれども、名古屋まででは船運賃の方が高いというような状況になっております。従いまして、もちろん京浜向けのものは船運賃の方がずっと高くなっておるというような状況で、一ぺん無理に輸送力の面で海上に参りました物資が、また一、二カ月たつと、とても船運賃ではかなわぬということで、鉄道輸送に戻ってきたというふうな実例もございます。その他、そういう具体的な例はここ最近いろいろございますが、後ほどまた資料を提出いたしまして、また御説明いたしてもよろしいと思います。  最後に、交錯輸送の問題でございますが、これはむしろ私どもよりも先生方の方が、何と申しますか、御造詣が深いのでございますが、やはり日本の経済の最近の、非常に極度な自由経済の見地から、まあ非常に自分のところと資本的に関係がある、あるいは品質その他の関係で、どこからでも物を取りたい、またどこへでも物を売りたいといったような、極度の自由経済の結果、物の移動が非常に広範囲にわたって行われているというのが、現状ではないかと存じます。これは私どもの推測で、必ずしも正しいとは存じませんし、先生方の中には水産関係の御専門の方もいらっしゃるので、非常に恐縮でございますが、たとえば東北のサンマなどにつきましては、大体戦前はほとんど、サンマのうちの七割ぐらいが東京市場で消費されたのでございますが、現在は約半分近く大阪市場まで行っております。従いまして、冷蔵車を出します際に、塩釜あるいは宮古から出ます魚が、片道大阪まで積んで参りまして、また今度塩釜まで空車で帰る。前は東京で済んだものが、大阪まで行っているといった実情。また以西の魚にしましても、以西の収獲量その他の関連からしまして、非常に足が延びているというようなこともございます。その他各物資につきましていろいろ理由があると存じます。先日も伺いました話では、木材などにつきましては、京阪神、あるいは東京などの近県の木材伐材がある程度、極度まで達している。従って、どうしても遠くまで持ってくるような状況があるのだといったお話もありますが、そうしたことも、やはり長い輸送、あるいは場合によっては交錯輸送も引き起すというようなことになっているという場合もあります。極端な例といたしまして、たとえばセメントのようなもの、あるいはこれはまだ正確につかんでおりませんが、肥料のうちで硫安のようなものについては、若干交錯輸送のようなものがあるのではないかと考えております。米などにつきましては、そのときの各県の米の保有状況その他でもって必ずしも一がいには論じられませんが、結果的に申しますと、相当、時期の問題をはずして考えますと、やはり交錯して送られているものが相当あるというふうに考えております。この交錯輸送につきましては、私どもは、やはり外国でもこの点については問題になっていたらしく、いろいろこの交錯輸送の調べ方について何か世界的な一つ意見があるようでございます。それによりまして、現在私どもの方の輸送の実績を検討いたしまして、おもな物資につきましての交錯輸送の実態を現在計数的に調べている状況でございますが、ごくラフに申し上げますと、ただいま申し上げたような現状でございます。
  23. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、遠距離輸送は、絶対量がふえているのみならず、パーセンテージにおいても遠距離輸送が非常にふえている、こういうことがはっきりしましたね。そうすると、今度あなた方がねらっているのは、この遠距離輸送を減らしてこれを海上輸送に逆戻りさせようと、こういうことを考えておいでになるでしょう。その海上輸送に逆戻りするというのは、どのくらいまで海上輸送に戻ろうというのか。同時に、海上輸送に戻した場合に、今度は海上輸送がそれを受け入れるだけの態勢ができているかどうか、こういう調査はできていますか。
  24. 細田吉藏

    説明員(細田吉藏君) 運輸省の方からお答えしたいと思いますが、実は今回国鉄が考えております程度の遠距離逓減では、ただいまの海上運賃との比較において、運賃の面だけから考えましても、非常に大量のものが海運に運賃関係から移るという程度のものでございません。ただボーダー・ラインになっておりますものが若干、これはもちろん海に落ちるということは考えられると思いますけれども、全体として、ただいま営業局長からお話がございましたように、昔の海陸運賃の比率等も問題にならないほどになっております。またポート・チャージももちろん含めての意味でございますが、港の諸掛りが非常に上っております。そういった関係でございますので、あまり大きな数量が海へ移るということは期待できないのでございます。  ただ、まあ私、実は海運の方はやっておらないわけでございますけれども、内航海運につきましても——これはいろいろ外航につきましては御承知のような手を打っているわけでございますが、内航につきましても、運輸省といたしましては、いろいろ今後対策を立てていく必要があるかと考えておりまして、少しでもさやを寄せるという基本的な考え方に至っているようなわけでございます。  なお、海運につきまして今後どうするかという問題は、実は運輸委員会等でもその点非常に突っ込んだ御議論が出ているのでございまして、こういう点につきまして私、責任者でございませんので、お話し申し上げることはできません。御了承願いたいと思います。
  25. 河野謙三

    ○河野謙三君 この程度のことでは海上輸送の方には大した影響はない、海上輸送の方に大して転移されないという御意見ですが、これは私は全く違うと思う。荷主にすれば、現状の海上運賃、陸上運賃のこの両方のバランスの上に、海上なり陸上を選んでいるわけで、これを一%、五%、一〇%でも動かせば、このバランスが乱されるだけ、大きな荷動きがあるのは当りまえですよ。だから、運輸省は昔から、役所の歴史からいって、陸のことを海の人に聞くとさっぱりわからぬ、海のことを陸の人に聞くとさっぱりわからない。そういう形では、私は困ると思う。これは非常に海上輸送に大きな連関を持っているのですよ。だから、陸上輸送を押えることによって海上輸送に転移されて、今度は海上輸送運賃が暴騰しましたら、どうします。  そういうことで、資料を私は少し要求したいのです。だから、今の最初にお尋ねした陸上輸送が最近年次別にどういう傾向でふえてきているか、海上輸送が年次別にどういう傾向になっているか、この資料を、後刻でけっこうですが、頂戴したいと思います。  それから、あとでいろいろ御質問がございますから、もう少し端折って、交錯輸送で資料を要求しますが、最近の交錯輸送の状況を資料によって御説明を願いたいのですが、同時に、ここに農林省もおられますけれども、たとえば農林省が統制している米麦等の物資について、相当な私は交錯輸送が現にあると思います。こういうものは完全な両省の連絡によって、交錯輸送は防げるわけですよ。その他直接統制品でなくても、間接統制品もありますし、また統制物資でなくても、役所の指示、指導によって、ある程度の計画輸送はできるはずなんですが、この段階まで来た場合に、交錯輸送が非常に増加しているこの数字をながめて、運輸省では、昔のような厳密な計画輸送まで戻らぬまでも、何らかこの交錯輸送防止のために対策を立てておられますか。ただ運賃が上った、ただ国鉄収支が償わなくなった、その原因は遠距離輸送だ、交錯輸送だ、だから運賃を値上げするのだ。これは、この間の農林省の食管会計が赤字になった、八円五十銭消費者価格を上げてもらえば食管会計が黒字になるのだ、こういうふうな結果を出して、いきなり八円五十銭に出してくるのと同じですよ。そうでなくて、上げなくてもいいようにするためには、遠距離輸送、交錯輸送をどうすればいいか、内容を検討するために、今私が要求した資料以外に、もし親切気があったならば、私にわかるようないろいろな資料をちょうだいしたいと思います。  それから交錯輸送の答弁をしてもらいたい。何かあなた方は交錯輸送防止の対策を考えておりますか。
  26. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 国有鉄道といたしましては、実は御要求のあるものは送るのが建前でございまして、昔のように、何と申しますか、これは困るとか、あれはあれだということは申し上げるわけにいかないのでございます。私どもといたしましては、御要求通りお送りするというような次第でございます。
  27. 河野謙三

    ○河野謙三君 運輸省の方から……。どうですか。
  28. 細田吉藏

    説明員(細田吉藏君) 交錯輸送をお断りするという法制的な、今のところ、根拠はございません。従いまして、ただいまのところ、交錯輸送をなくするには、これはたとえば農林省食糧なんかにつきましては、これは政府の中のことでございますから、これはいろいろお願いをいたしておるわけでございまして、一般的な物資につきまして交錯輸送をとめることは、これはできないわけであります。これはむしろ、御協力を荷主の方にそれぞれお願いしなければならない。ところが、セメントなんかにいたしましても、激烈なる競争の結果、交錯輸送が生まれておるわけでございまして、これはいかぬというわけに実は参りません。  ただ問題は、これは私どもはそれじゃほっておくのか、こういうお話になるかと思いますが、現在の段階といたしましては、実は昨年の春くらいから非常に国鉄の貨物がふえて参りました。先ほども営業局長から申し上げましたように、年の初めの今ごろでも二百万トンくらい駅頭にある。昨年の今ごろはそうじゃございません。六、七、八十万トンくらいしかありませんでした。それで、われわれといたしましては、こういった交錯輸送はやめろというような、戦争中はそういうことはある程度やっておったわけでありますが、その前にわれわれといたしましては、できるだけトラックで運べるものは運ぶ、それから船で運べるものは船で運ぶ、こういうことで、鉄道の貨物をトラックなりあるいは船なりに移すことを、これも実は強制力はないわけでありますけれども、これを極力慫慂いたしまして、鉄道であれば非常に長く待っていただかなければならぬ、そういう点で、船の運賃が上る、トラックの運賃が上る。足もとを見て上るというようなことを押えて、できるだけ船や自動車に移す。ただいまのところは、私の方の役所としまして、何と申しますか、これも強制力は持っておりませんが、やっておりますのは、そういう方向で全体としての輸送力を何とかしてふやして、交錯輸送もそれぞれ経済的な必要もあるでしょうから、ですから、とにかくできるだけ輸送力をふやすと、こういうことでやっておるわけです。しかし、どうしてもこういう状況で、海陸で今度は輸送力を増強しようというので、来年は貨車を七、八千作ろうというのでやっております。それでもどうしてもいかぬというようになった場合に、初めてどうするかということが問題になろうかと思います。  ただ、先ほど御指摘がございましたように、米でありますとか、あるいは専売公社のたばこでございますとか、そういったような、何と申しますか、現在われわれの手でもってある程度できる、政府の手でもってできるというようなものにつきましては、これはいろいろお願いいたしまして、実は米の交錯輸送等は、時期的な問題以外は、ほとんどないのではないかと思っているのですが、時期的にこっちが足りなくなる、ある時期たったらこっちが足りなくなってくるといったような場合だけ、私は交錯輸送は起っておると大体考えておりますが、ただ事情がなく、漫然とした交錯輸送というものは、私は米についてもないんじゃないかと思います。間違いの場合以外には。私どもの方の政府の手でもってやれるものについては、極力やるという考えでおります。
  29. 河野謙三

    ○河野謙三君 この質問は、私は運輸大臣なり農林大臣にあらためて伺いますが、ただ事務当局の今のお話ですと、これは要するに、なるがままにまかせて、目前に交錯輸送というような非常にむだを承知しつつ、ただ成り行きにまかして仕事をしている。それもいいんですけれども、最後段階まで来た場合とおっしゃるけれども、もうすでに最後段階まで来て、運賃を値上げしなければいかぬといっているじゃありませんか。これ以上最後段階はありませんよ。この段階に来て、なお交錯輸送に対して事務当局が、これはこういうわけだから、交錯輸送はこういうふうにしたらむだがなくなる、こういうふうにしたら運賃のむだがなくなる、こういうふうにしたら運賃の値上げはもっと低率で済むのだという案がなければいかぬと思う。これはむしろ事務当局よりも、私は大臣への質問としてこの問題は保留いたしますけれども、同時に、事務当局のそういうような、いかに自由経済であるからといって、あなたの目の前でむだが平気で行われておるのを、ただ運賃を上げてむだがなくなると、そういう安易な考えはぜひ慎しんでもらわなければならぬと、私は強く申し上げたい。
  30. 東隆

    ○東隆君 先ほど説明されたのは、少々おかしいと思うのです。たとえば硫化鉱を京浜に持ってくれば船の方が高い、大阪の方へ持っていけば船の方が安いのだ。船に当然鉄道のものがかわらなければならぬ。そうすると、遠距離になれば船の方が安くなる。そういう関係からいえば、説明とは逆のことになるんじゃないですか。  それからもう一つ、その問題と、それからいろいろ御説明を聞きますと、たとえば例を申しますと、コンブを例にあげた。コンブを函館から仙台までのときを考えると、コンブなんかというものは、これはかえって大阪の方が中心だ。根室から仙台までと考えてくると、あそこの数字は非常に違ったものになる。だから、適当に私どもを納得させるためにこしらえた例のように考えられて仕方がないのですが、私は普通に物資が流れていく中心的なものを例にあげて、そうして計算をしていただきたいのです。函館から仙台まで——コンブなんというものは、全国におそらく渡っていく。それを函館から仙台までで計算して、このように成績が上っておる。それはおかしい。ジャガイモを一つとってみても、南は鹿児島の果てです。だから、考え方を、例をとって、都合のいいようにこしらえてあげられるのは、どうもこれははなはだもって納得いかぬわけです。それだから、そういう点をお考えになっていただきたい。  それともう一つ、トラック輸送を考えておられない。そこで近距離輸送というものが減ってくる理由は、トラック輸送がどんどんふえておる。だから、遠距離がどんどんふえておるのは当りまえの話です。それを、重大な大きな説明だろうと思うけれども、それをあげてないわけであります。私は近距離輸送というものがだんだん、だんだんトラックによってかわっていくから、そこでだんだん遠距離輸送にかわっていく。これならば私は納得できる。そこで近距離輸送のものは、かえって単価を上げて、それを積んでおろすものですから、近距離でもってそういう仕事をやらなければならぬのだから、これは非常に高くかかる。そうでしょう。だから、そういうものを安くして、そうして何か競争するような考え方をされておるところに問題がある。だから、長距離のものをやはり安くして、そうしてそっちをたくさんとって仕事をふやしていく、そういうことを考えないと、逆ですよ、見方がね。私はそういう点をどういうふうにお考えになっておりますか、お聞きしたい。
  31. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問の一番初めの問題は、先ほど私があげました例につきましての御意見であると存じますが、これはものによりまして相当違うわけでございますが、たまたま例を岩手県の硫化鉱にあげたわけであります。港チャージの問題その他、使います港、あるいは揚げます港によりましても違いますが、たとえば硫化鉱を鮫から名古屋港まで送ります場合に、鉄道を一〇〇といたしますと、船運賃は一一六になっております。ところが、それ以上越しますと、船運賃の方が大体一〇〇と一〇〇になるという形になります。これはむしろ硫化鉱の送り先、硫化鉱の使用先といたしましての問願になって参りますが、主として使用しておりますのは、京浜地帯と名古屋地帯でございまして、この点につきましては、具体的な、何と申しますか、着駅、発駅の関係で申し上げたわけでございます。ものによりまして、たとえば石炭とかパルプ用材などでは全く様子が変って参りまして、ごく最近のたとえばパルプ用材で、四国の窪川から清水港まで送りました静岡県の木材でありますが、これは鉄道の約二倍になっております。鉄道を一〇〇といたしまして二〇二になっておりますが、これらにつきましてはむしろ、どっちかと申しますと、港の荷役設備が非常に完備していない。ところが、石炭などにつきましては、割合、機械の荷役ができるという関係で、必ずしもその距離だけによって一律には論ぜられませんが、先ほど申し上げましたのは、たまたま例を硫化鉱にとって御説明申し上げたのであります。  次の設例が非常に悪いというお話でございますが、これは全く御指摘の点もあるわけでございますが、まだあらゆる物資の、あらゆるバラエティにつきまして、とても全運賃を計上するまでの作業には至っておりませんので、たまたまそこにあげましたのは、たとえば現在の制度説明をしろという資料の御要求であったものですから、一体青函のキロ程というのはどういうふうに影響するかという御質問であるというふうに私は解釈いたしましたもので、なるべくそれがはっきり現われるものの方が、制度の内容が御了解願えるのではないかというような意味で、たまたまございますカードのうちから拾ったわけでございまして、特に意識して近距離のものを拾ったというわけではございません。むしろ制度の御説明の意味で出してみたわけでございます。  それから最後のトラック輸送との関係につきましては、全くお説のような点が多々ございますが、ただ、現在トラック輸送と一番問題を起しておりますのは、小口の貨物と申しまして、冒頭に申し上げましたように、大体全体の約一〇%弱、八%内外の輸送をいたしております小口貨物につきましては、まさにお説のような問題がございまして、小口貨物につきましては、現に等級の高い——まあ現在小口貨物は等級はやめましたが、一応車扱いで申しますれば、等級の高いものに属するもの、あるいは距離の短かいもの等は相当多量にトラックの方に転化いたしております。これはすでにここ数年間に現われた実績でございまして、小口につきましてはそういう例がございますが、車扱い全体について申しますと、何と申しましても、輸送量の増加が圧倒的に多いものでございますから、近距離を車扱いで運ぶというような段階になかなかならないわけでございまして、全体の数量が、先ほど申しました通り、ことしの見込みが約一億七千三百万トン、ちょうど昭和十年に比べまして七割の増、トンキロで申しますと、約三倍何ぼになります。そういった全体の増加量が非常に多いものでございますので、車扱いの分でトラックに転化いたしますのは、ほとんど現実の数量としてもふえておらないような状況になっております。全体の数量が減少する時代には、確かにそういうことがあると思いますが、今のように毎年々々五分とか一割とか輸送量がふえているときには、近距離の車扱いのものがトラックに行くというようなことは、小口関係を除きましては、大体考えないで、むしろ輸送力全体の活用をはかっていくというような考えでいかなければならないというふうに存じております。
  32. 東隆

    ○東隆君 それは、今のあとのものですが、これは築地の市場だの何だのを一つお調べになれば……。結局あそこでもって扱われるものの六割あるいは七割くらいが、これが地場消費にならないで、よその方へ出ていっている。いいですか。そうすると、貨物で来たやつや何か、みんなあすこでもって、着駅変更じゃありませんよ、着駅変更じゃないけれども、みんな変っていってしまうのですよ。だから、築地の市場があれが最後の所じゃないのです。だから、貨物で来たものが、もうものすごく変ってきているのです、消費者のところへ行く間に。その輸送の過程を国鉄が担っているのですから、だから、その段階をずっと考えてみなければならない。変らないというのはうそなので、どんどん変っていっているのですから。だから、問題はそういう点なんです。
  33. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 今のお説は、私の言葉が足りなかったと思いますが、その点は確かに、たとえば築地に着きます魚、あるいは秋葉原の青果にいたしましても、そこからまた長野県なり山梨県までトラック輸送されておるものがございます。その点はだいぶ調査いたしましたけれども、それが内容が少し変って参りましたものですから、私どもといたしましては、一応築地市場なり秋葉市場までの輸送を考えているという面から申しますと、変ってないと申しましたのですが、それからあとにつきましては、たとえば長野県に入る鮮魚が築地市場に入るのが実はおかしいので、本来ならばじかに長野県に行くべきものが、価格あるいはセリの関係で築地に入っておるわけですから、そういった最近の経済事情に伴う輸送の変化、ことに末端の輸送の変化につきましては、なお今後考えてみなければならぬものが多々あると思いますが、非常に全体の分量の増加が多いものですから、先ほど申し上げたような御説明になったわけであります。
  34. 千田正

    千田正君 議論を進めて、審議する上に一つ……。運輸省なり国鉄なりが常に考えていなければならないことは、国鉄公社という名前をつけた以上は、国民にサービスするという意味なんだから、あなた方だけの理論じゃだめなんだ。提示したあなた方の資料は、それはあなた方本位に考えている資料ですよ。農林省はどうかしらぬが、われわれ消費者なり、あるいは生産業者である人たちの調査から見ると、あなた方の改正してくれというのと比較して検討すると、一三%どころじゃありません。二〇%、二五%ある。だから、あなた方の出した資料だけでは、われわれ、そうですかというわけにいかない。  もう一つは、私は資料をこの前請求したのですが、運輸審議会の方々が作った答申案を、あなた方が金科玉条のように、ここでこの前は御報告なされた。それで、私はそのときのあの運輸審議会の委員の皆さんのお名前をお知らせ願いたいと言ったら、ただいまここに来ておりますが、これは皆あなた方の先輩であったり、ことごとく運輸省に関係したり鉄道に関係した諸君だけで、少くとも生産者を代表したり、消費者を代表したり、そういう人たちのいわゆる代表者が入っていないわけです。これはわれわれにも罪がある、こういう人たちを国会が選ぶという、われわれが審議したのですから。だけれども、考えてみると、みんなあなた方の仲間であって、消費者の仲間でもなければ生産者の仲間でもない。こういう人たちが答申してきたものを、われわれがうのみにして、それが最大最高の理想なんだということは、われわれはでき得ない。ですから、われわれとしてはわれわれの資料もありますので、今後論争をやりますが、そこで一つ参考にお聞きしますが、輸送の能力の問題等について先ほどから御説明がありましたが、駐留軍にあなた方の方から提供しておりますところの貨車あるいは冷凍車、その他、どれくらいありますか。
  35. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 今ちょっと手元に持って参りませんが、正確な数字はすぐに調べて、御返事申し上げます。
  36. 千田正

    千田正君 こういうことがあなた方のいわゆる輸送能力の問題の重大なる要因をなしております。しかも、従来は冷凍車なんというものは相当数量駐留軍に提供しておったために、鮮魚の輸送あるいは青果の輸送には非常に不自由しておる。そういう問題がすべて要因になっておるのだから、そういう問題を含めて御報告願わないと、真剣な討議ができないのです。
  37. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 全体として申しますと、現在は非常に減っておることだけ申し上げておきます。現在一番多いのはタンク車であります。
  38. 千田正

    千田正君 そういうものは資料として出してもらわぬと、全体の問題として討議できません。
  39. 安部キミ子

    安部キミ子君 今この資料で説明を聞いたわけなんですが、この資料のいわゆる損と利益、この資料は遠距離輸送については片荷だけの計算で、帰りはみな空車の計算で出ておるのですか。
  40. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) その点は、遠距離輸送のものにつきましても、必ずしも帰りが全部空車とは限りません。従って、貨物輸送になるものにつきましては、空車でなしに帰ってくるものにつきましては、やはり計算しております。
  41. 安部キミ子

    安部キミ子君 それじゃ、もう一つお伺いしますが、先ほどの説明だと、今度貨車をたくさん作る、こういうふうな御意見ですね。その貨車を作っても、こういうふうな遠距離輸送のむだがある。その作った過程において、この資料ができているかどうか。貨車を今度はたくさんお作りになると、このむだがなくなるでしょう、この遠距離の。私は貨車を作るお金は別段……。輸送能力がなくなりますね。これほどの損の資料にはならないでしょう。
  42. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 私の説明が不十分だったかと存じますが、貨車を作りますことと、遠距離逓減の問題とは、一応関係がない問題でございまして、貨車を作りますればそれだけ、たとえば現在の二百万トンの荷物があるいは百五十万トンに減るとか、そういう意味なんでございますが。
  43. 安部キミ子

    安部キミ子君 貨車を作りましたら、たとえば北海道から魚を東京に送る、大阪に送りますね。そうすると、また次に北海道から魚が送りたいために、冷凍車なら冷凍車がないために、バックするわけですね。その費用だけがむだになるという計算が盛られておると……。先ほどそれの説明だったでしょう。当然それも入っておるわけでしょう。そうじゃないのですか。
  44. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 帰りの空車キロの計算は入れてございません。帰りの空車キロの計算は入れてございませんで、運送いたします原価の問題と、たとえば一トンの貨物を北海道から東京に持ってきますに要する原価と、要するに直接の費用と、その行きがけの物を積んだときの費用と積んだときの運賃を比較いたしたわけでございまして、帰りの空車キロの運賃がこれに入っておるわけではございません。
  45. 安部キミ子

    安部キミ子君 それでしたら、今度たくさん貨車ができれば滞貨がなくなって、そしてこの損がプラス・マイナスになって、一割三分上げるに適当だという計算で、この資料を出しておられるのですか。
  46. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 貨車、今八千両の方は計画をいたしておりますが、実はこれに見合います来年度の皆様方の輸送の御要求が、現在私どもの方で、昭和三十一年度に、大体三月ももう近くなりましたが、三月までに輸送いたします分量が一億七千三百万トンというております。それに対しまして、現在私の手元に集まっております農林省、通産省その他の関係の業界からの輸送の御要望は一億八千五百万トン、一千二百万トンだけ送ってくれという御要望がふえております。一千二百万トンの輸送をことし程度にやるには、実はとっても八千両の貨車ではできないのでございまして、もし今の各業界の方々の御推測通り一億八千五百万トン以上の輸送が御要求がされました場合、ことにたとえば石炭が五千二百万トン以上出るというような事態になった場合には、実は八千両の貨車を作りましてもすぐ、非常に昔のように緩和するというわけには参りませんで、私どものあらかじめ御説明申し上げましたような五カ年計画で、五カ年後には大体昔のような数字になるというような、多小時日を要するような段階になっております。従いまして、今のように輸送の御要求が多いときには、その貨車による輸送力の増加は、むしろ新しい輸送の御要求に消費されてしまうということになるわけでございます。  それからもう一点は、それでは輸送が一千万トンなら一千万トンふえれば、当然運賃の収入がふえるじゃないか、当然こういう御質問もあるかと思いますが、その点につきましては、予算の面におきましても全然別途に、輸送量の増加に伴って増収する分と、それから運賃によって増収する分と、二つに分けて計上されておりまして、両方とも計上した上で来年度の収支計算をやる、こういうようなことになっておるのであります。
  47. 安部キミ子

    安部キミ子君 それでは、この八千両の貨車を作る費用はこれには当っていないというわけですね。
  48. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) それは全体の予算の中で運賃の改正で増収する分と、輸送力がふえまして増収する分、すなわち運賃の問題と関係なしに、一般のお客さんがふえる、あるいは荷物がふえることによりまして、収入がふえてくる分とがあります。その収入のふえる分と運賃の値上げの分と見合いまして、そのほかにいろいろ各方面から借金をもいたしました上で、それをどういうふうに使うかということの中に、ただいま申しましたその八千両の貨車の問題が入っておるわけであります。従って、この金がすぐ貨車に行くかというと、必ずしもそうでもございません。全部の財源の問題の一つとしてこの問題が考えられているわけでありまして、また貨車の問題も支出の一つとして考えられているわけであります。
  49. 柴田栄

    ○柴田栄君 実はこの資料について、大へん御努力をいただいたようであるのだが、また改正については大へんけっこうな資料ばかりちょうだいしているようなんだが、けっこうな資料が多ければ多いほど、けっこうでない事実がたくさん裏にありそうな気がするのだが、それについては一つも触れておられない。これでは真相が実はわからない、こう思いますがね。遠距離逓減を打ち切らなければならないという御説明は、ただ説明としてあって、どういうふうに、しかし、打ち切ったら結果がなるんだということについては、この資料だけでは実はわからぬのです。ですから、農林物資等についてはここに総体のあれもありますけれども、大体において遠距離輸送が一番多いと思っているんですが、そうすると、各物資についての大体の標準でどういう結果になるかというやつをいただかないと、審議ができない、こういう点を一つ考えるわけですがね。  それから、どうも私納得できないのは、遠距離輸送がだんだんふえてきたというのは当然じゃないかと思うんだが、それに対して対策一つも考えてみないで、ただ鉄道にだんだんふえてきたんだというふうに見ているような気がするんですが、遠距離輸送については海上輸送をもっと——従来使っておって安かった、それがだんだん幅が少くなって、今では海上輸送の方が高いんだ。しかし高い理由を運輸省として究明していただいているかどうか、こういう点があなた方でわからないというなら仕方がないが、聞きたいんですが。そうしないと、一体国鉄運賃を上げて、それで施設を増強して、競争するということの方が、より経済的であるか、あるいは海上輸送を強化して、国鉄運賃はそのままにする方が、全体が経済的であるかということが、ちっともわからぬ。そういう点を検討されないで、ただ、さっきも御指摘があったんだが、特別会計ではしょい切れない。改善もできないということで、何かうまいことをするなら、うまいことは、民間にまかした方がうまいですから、そういう点で、ただ今のふえてきた理由を全然究明もしないで、ふえてきた、これではしょい切れないとおっしゃる点を、もう少し御検討願わなければならぬと私は思っておりますが、それについての御見解を承わりたい、こう思っております。  まあ、さっき農林大臣も申しておりましたが、日本のこの細長い地形に対しまして、しかも物資は相当、地方によって、種類によって偏在している。特に農林物資の生産地と、消費地というものは、宿命的に離れている。林産物のごときは、もうすでに北海道、九州等の平常の地を残しては、大部分山は切り過ぎになっている。それに対して非常に国費を投じて、さらに山を作るということを言っているのだが、今回一応一割三分で示されたような案によりますと、遠距離逓減を打ち切って運賃をずっと高められるということになれば、当然市場状況は変っちゃう。こういうことになれば、やむを得ず近い所を、いかに国が押えても、いかに調整しても、やはり背に腹はかえられぬというので、近い所ばかりいじめられて、それが影響してまた国土が破壊される。災害は増す。さいの川原に石を積むようなことをやってはどうにもならぬ。それを忍んで国鉄強化のためにやらなければならぬという理由は、われわれは見出しかねると思います。  しかも、この表にて示されている通り、農林物資というものは大体等級の低いものだ。等級の低いもので、しかも宿命的に遠距離輸送をしなければならぬ。こういう場合に、運賃の持つ原価の割合というものは、総体としては、私は非常に高いと思うんですよ。それに、さらに今度は一そう遠距離輸送逓減率を打ち切られるために、よけいかぶらなければならぬということになって、これじゃ総理大臣、あるいは大蔵大臣が言っておられる通り運賃の一三%値上げのごときは途中で消化されると言っても、こういう点を農林物資については私は消化されぬという疑念を持つわけですが、そういうことを押し切ってやる気かどうか。こういうことについて、まああなたに言うことは少し無理かもしれないけれども、御見解を承わりたい。
  50. 細田吉藏

    説明員(細田吉藏君) 海運の貨物より鉄道の貨物の方がなぜふえたかをいう点につきましては、実はいろいろな点で、私たちの方の最も大事な仕事でありますから、いろいろな角度から研究しております。先ほど磯崎局長が抽象的にいろいろ話されたほかに、いろいろあると思います。自動車、これは近距離のものが減ったので、これだけ距離を延ばしておる事情の一つだと思いますが、これをいろいろこまかく検討した資料もある程度持っております。それから海運運賃がなぜ鉄道運賃まり高いかということは、これも十分資料をもってお答えすることができますが、本日は私持っておりませんので、これは機会をあらためて、いつでも御説明できることと思っております。  それからただいまの山林関係の物資につきましては、いろいろお話がございましたが、先ほど私が申し上げましたように、非常に急激な経済界の変動、あるいは国民生活に重大な影響を及ぼすというような点につきましては、もちろん私どもの方の大臣としても十分考えられると思っておりますので、私ども補佐いたしますものといたしましても、十分その点は具体的な問題として考えて参らなければならないと、かように考えておる次第でございます。
  51. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 それから資料を持ってこられるときに、ついでに五カ年間のストによる滞貨の影響というようなものも参考に持ってきてもらいたい。
  52. 仲原善一

    ○仲原善一君 資料に関連してお話し申し上げたいと思うのですが、原価の計算等の資料も出ておるようでありますが、私、地方での建設省の仕事やら農林省の仕事やら、鉄道省の仕事をやる場合に、非常に鉄道関係建設工事、特に建物なんかを中心に考えた場合に、一単価が非常に高くて非常に甘いじゃないかという印象を従来受けていたわけですが、この点は同種類の、たとえば建物にいたしましても、建設省なりあるいは農林省なり鉄道関係の単価が同じであるかどうか、同じ種類のものについてその辺少し甘いのじゃないか、建設に要する費用が相当あると思いますが、その単価の点でもう少し鉄道関係では自粛さるべき点があるのじゃないかという印象を受けているわけですが、そういった関係の資料をいただいて、全部値上げでカバーするというのじゃなしに、鉄道内部でもそういう甘い点があれば調整してもらいたいという希望を持ちながら、資料を要求いたしたいと思います。
  53. 千田正

    千田正君 時間もありませんから、農林省に私、要請しておきます。今までの資料はほとんど運輸省あるいは国鉄からの資料によって、御無理ごもっともで議論しておりますが、これをあなた方対照して、この点がわれわれとしては納得いかないという点があるならば、あなた方の方としても資料を出して下さい。
  54. 青山正一

    ○青山正一君 経済局長にお願いがあるのだが、たとえば北海道からバレイショを東京に送った場合にどうだ、値段がどれだけ上るか、今の鉄道関係方針通りに進んでいくとどうなるか、それからスルメの場合はどうだ、サンマの場合はどうだと、そういうことを一つ一つ出してもらいたい。そういう資料を全部出してもらわなければ困る。それによって、果して政府方針農林水産の物資とどれだけ値違いがあるか、それを調べてみぬことには、お話にならぬ。そういう材料を一つ出していただきたい。
  55. 柴田栄

    ○柴田栄君 それに関連して、ちょっと承わりたいのだが、遠距離輸送の逓減率の修正について、三千キロで九%程度という原則は、一応まだ運輸省側というのか、国鉄側ではこれを基礎として検討しておられるかどうか。ここに資料をちょうだいいたしましたね、これは一八%の場合の一応の資料だと思っておりますが、それで逓減率の修正をするというても三千キロについて九%程度と、こういうふうに書いておられますがね、まあわずかに九%程度と考えておられるかもしらぬが、それもいいとして、その程度を今もなお作業の方針としてやっておられるかどうか。
  56. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問は、遠距離逓減の内容についてはこれに書いてある通りに考えておるかという御質問だと思いますが、それにつきましては、現在いろいろの作業もやっておりますが、先ほど細田部長から申し上げましたように、制度として、私どもとしては遠距離逓減のある程度の修正はぜひやらしていただきたい。しかし個々別々の問題につきまして、何といいますか、国民生活あるいは先生のおっしゃった国家全体の問題として非常に関係のあることにつきましては、個々別々の問題として考えてゆくというような運輸省の御方針のもとに、私どもといたしましては、制度自身としては大体この制度を中心にして、こういうふうにやらせていただきたいと考えております。と申しますことは、今回の遠距離逓減の修正によりまして、先ほど私どもとして約十二億ぐらいの増収があると申し上げましたが、これはもちろん全部農林物資というわけではございませんで、あと農林物資以外で、現在の景気情勢その他である程度、商品の価格のうちなり、あるいは経営のうちに吸い込んでもらえるようなものも当然あるわけでございまして、全部農林物資で国民が直接日常使うというものではございませんので、大体私どもの推算では、約半分程度が広い意味の農林物資だというふうに考えております。従いまして、非常に極端な例を申せば、冷蔵庫とか、そういったようなものもやはり、遠距離逓減の今までのような非常に大きなメリットのかかるものは少しどうかというふうにも考えますので、制度といたしましては今のままの制度でやらしていただきまして、個々の具体的な問題につきましては、国民生活影響のある問題につきましては、一つ一つの問題として考えるような御方針のもとに、実は今作業をいたしております。  重ねて申し上げますが、大体半分弱ぐらいが農林物資だと考えておりますが、従いまして、そのほかの物資も、先ほど柴田先生のお話がございましたが、農林物資だけが足が延びたとおっしゃいましたが、それはそうではございませんので、先ほど提出いたしました資料をごらんいただきますと、このまるのついているのが平均輸送距離でございまして、大体農林物資の一級、二級、三級、四級につきましても、むしろ三級、四級あたりの方が足が延びているというふうになっております。それらは現在高級品が遠距離逓減のやはり実徳を受けておるという形になるわけでございまして、制度といたしましてはそういうふうに考えさしていただきたいと思います。
  57. 柴田栄

    ○柴田栄君 ただいまのお話、大へんもっともらしく聞えるんですがね。しかし大部分の農林物資は遠距離輸送の宿命的な性格のものである。そのほかにないと私は申し上げたわけじゃないんだが、しかもこのパーセンテージでいうと大したことないと言うかもしれないが、絶対額の価格というものからいえば、農林物資全体から見ると、非常に運賃の重さが大きいと私は思う。そういうものを原則として、特別なものだけは特別に改正した方がかえって早いんじゃないか。そいつを全部、大部分のものである農林物資について特別な扱いをするということはかえって厄介だと。だから、お聞きしているわけですが、こういう原則できめてしまって、特別なものだけは特別の措置をやるというお考えであるならば、われわれは検討さしていただかなければならぬ、こう思ってお聞きしておるわけです。
  58. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) ただいまのお話でございますが、先ほど御説明いたしました通り、現在の割引制度自身が、十七億のうち約十五億、七十九品目のうち七十一品目が農林物資であるというふうに申し上げましたが、その問題をどうするかという問題もございますので、現在やはりそういう制度でもって考えておるわけでございますので、別に新しいことを私が申し上げたわけではございません。
  59. 柴田栄

    ○柴田栄君 まあそういうふうにお宅の方は考えておられるということは、それでもけっこうでしょうけれども、全体のものの考え方として、お宅の方の考えておられる方法が一番いいということは、まだ言い切れないと私は思います。ですから、そういうふうに考えるよりも、大多数のものを原則として、少数のものを例外として考えるという考え方があるんじゃないかということを申し上げたわけですが、まあ一応そう考えておられるとすれば、経済局長に実はお願いしたいんだ。農林物資の主要なものについて、現実の輸送の平均距離、大ざっぱでもいいんですが、実績に伴って具体的にもし今のような原則で国鉄が考えられるとすれば、どれくらい値上り率がふえるかということを、一ぺん品目別に調べていただきたい、こう思うのです。
  60. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この前にお聞きになったか知りませんが、私もよくわからないんですが、この運賃の値上げ率が、先だって来は一八%あるいは一五%といって、ここにいただいておるわれわれの方の資料での推算では一八%でやっておるんですが、それが現在一三%とかいわれておる。どういうふうにしてそんなに伸縮があるんですか。もっと縮まるような道はないのか。あるいはこれに至るところの、運輸省並びに国有鉄道は一体どういうふうなところから一三%まで縮めてきたのか。私はある事実も知っておりますが、国鉄が物を買うときに非常なロスがあるということを、あなた方お気づきになりませんか。私はある一定の耐用年数のあるべきものは、品物の買い方によって、同じ値段で非常に悪いものを買っているといったようなことが、運賃その他経費に非常に響いてきておる。そういううちに、経費の面でずいぶん検討を加える余地があるのじゃないか。そこに値段が一八%といったり、一五%といったり、一三%といったりする伸縮性があるのではないかと考えるのでありますが、そういう点はどういうわけで伸縮性があるのか。
  61. 細田吉藏

    説明員(細田吉藏君) 数字的なものは、これはこまかく申し上げてもけっこうですが、一八%から一三%になりました五%というものが、どうして出たかということにつきましての大体の考え方と申しますか、経過を申し上げますと、運輸数量の見方でございます。つまり三十二年度あるいはそれ以降の、特に三十二年度の数量の見方でございますが、運輸数量の伸び方が三十一年度は実は非常に伸びまして、三十年度に対して七%ないし八%という伸び方をしたわけでございます。そこで実は七といい八といいまして、一%違いましても大きいわけでございますが、これを国鉄の当初一八%要求の際には、五カ年間通しまして、これは五カ年の計画を組んでみておったわけですから、三%ずつ累増していく。三十一年度は上った実績に対して三%ずつ累増していくという考え方をとっておったのでございます。それに対しまして今度出しております予算は、三十一年度のその増加したものに対してさらに五%の増加を、これは国鉄ではやれるとかやれないとかいろいろの話がございましたが、これは大蔵省またはわれわれの方もいろいろ協議いたしまして、また経済企画庁の数字等も見当りまして、五%の増加。そうすると、個々のものは二%違いますことは、実はそれだけ収入がふえるほかに、全体の率には逆な作用で影響していく。率は低く作用して参ります。これは非常に大きな要素になっております。  それからいま一つは、経費を、今御指摘になりましたような点でございますが、実は詳しく申しますと長くなりますが、一昨年から昨年の春にかけまして、国鉄経営調査会と申します——これは、先ほど運輸審議会の話もございましたが、もう大部分民間の方で、学者、評論家、あるいは実業界の代表の方々で見ていただきまして、いろいろな点を実は御指摘いただいております。このほかに会計検査院、行政管理庁等からも、物の買い方、工事のやり方、そういうものについていろいろな御指摘がございます。これらにつきまして経費を、まあこれもいろいろ予算がきまりますまでにはいきさつがございましたが、相当思い切って切るということで、私どもの方と大蔵省と相談いたしまして、経費を切っております。経費を切りました関係上、差額が少くなりまして、その収入の増加と経費を切ると、たとえば輸送量が五%ふえて参りますのに対して、人間ももっとある程度ふやしていかなければならぬじゃないかというような点についても、人は一人もふやさないといったようなことで、個々の要求に対しまして経費を切りましたので、その率の差が実は出て参っておるような次第でございます。  従いまして、いろいろな個々の問題につきまして、先ほど建物の話ございましたが、いわゆる合理化の点につきましては、運輸省といたしましては今後十分にいろいろやってもらわなければならぬと考えております。行政管理庁あるいは会計検査院等からも非常にきついお小言をちょうだいしておるような事例もございますし、運輸委員会、あるいは決算委員会等からもまた始終その問題につきましては御批判をいただいておりまして、直すべき点は、われわれといたしましては、もう徹底的に直していかなければならぬと考えております。大体はそのようなものです。
  62. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 大体まあわかったようなわからないような感じですが、ただ、赤字が出るからというので、運賃ばかりにウエートを置いてもらうということは、非常にまずいことじゃないかと思うのです。国鉄のような大きな世帯ですから、少し注意をすれば、相当の経費は削減ができるのじゃないかと。われわれはそういう点についても、私は決算委員じゃないですけれども、決算委員になれば、相当突込んで聞きたいこともあるのですが、あの大きな世帯であり、しかもそれを審査する人が、上の方の方たちばかりが審査しても、わかることじゃないのです。ですから、この点はいろいろな問題が出ないように、一つしっかり内輪を固めていただきたい。これはあなた方の方の御所管じゃないかもしれませんけれども、まあ大臣その他にお願いする点だろうとは思いますけれども、これは相当まだ縮め得る問題がありやせぬかと。これは国民のために、一応そういうふうに考えていただきたいと思います。とかくパーセンテージが伸びたり縮んだりすることについては、非常な疑惑も出てくるわけです。その点を特に注意をしていただきたいが、いろいろな資料が出てさましたら、ことに経費がどれだけ縮まって、この赤字というものはどれだけ経費の面において縮まったかといったようなこともお聞きしたいと思うのです。そしてぎりぎりのところで、やむを得ぬところはやむを得ぬところでここに出るのでなければ、まあ運賃を上げて補うというような考えでもありますまいけれども、そう聞こえることは非常にわれわれとしては心外だと思います。その点を御注意して、お願いしたいと思います。
  63. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは質問じゃないのですけれども、要求になりますが、この次にいずれまた運賃の問題で御審議願うだろうと思うのです。その際に、一つ企画庁の長官に出てきていただきたい、こう思います。ということは、どうも今の事務当局のお考えからいくと、八千両を中心にして一億七千三百万トンの輸送力を完成するのだと。それがまあ一億八千五百万トンの大体の目標要求があれば、また貨車もふやさなければならぬだろう、こういう国鉄だけの、鉄道の輸送だけを考えておられるので、総合的な輸送計画というようなものが国においてどう立っておるか。先ほどからのいろいろな海運との関係、あるいは自動車との関係、もしくは建設省がやっておるピストン道路等の関係からいって、もっと大局的な線を出してかかるべき必要性があるわけだと思うのです。そういうものにどういう考えを持っておられるか、非常な重要性がありますので、ぜひこれをお伺いし、ことにこの施政演説においては、生産拡大の三大目標として、隘路である運輸、電気、鉄鋼に対しては特段の努力を払っていくと言われるのでありますから、特段の計画がもうできているんだろうと思う。それをはっきりお聞きしたいのでありますので、一つ企画庁長官必ず出していただきたい。あったら、一つ資料も出していただきたい。
  64. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちょっと資料の要求をします。過去三カ年といいますか、五カ年といいますか、鉄道の経費の中の、運送の直接費と、管理費と申しますか、間接費ですね、これを一つ出していただけますか。輸送量は増加している。その輸送量の増加率と直接費、間接費の増加率、これを一つと、もう一つは、過去五カ年の運輸省の購入物資の中の、特におもなセメントと石炭の購買価格、購買数量と申しますか、その当時の市価については私の方で用意がありますから、あなたの方で幾らで何トン買ったということをお願いします。それだけ要求します。できますか。
  65. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) できます。
  66. 堀末治

    委員長堀末治君) 他に御質疑がなければ、残余の議案は後日に譲って、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会