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1957-05-13 第26回国会 参議院 内閣委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十三日(月曜日)    午後一時三十八分会開   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     亀田 得治君    理事            上原 正吉君            大谷藤之介君            秋山 長造君            竹下 豐次君    委員            植竹 春彦君            前田佳都男君            松岡 平市君            松村 秀逸君            荒木正三郎君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            永岡 光治君   政府委員    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    人事院事務総局    給与局次長   慶徳 庄意君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室参事官   尾崎 朝夷君    科学技術庁企画    調整局長    鈴江 康平君    大蔵省主計局給    与課長     岸本  晋君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    文部大臣官房人    事参事官    田中  彰君    文部省初等中等    教育局財務課長 安嶋  彌君    工業技術院官房    秘書課長    久保 忠雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○一般職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは、これより内閣委員会を開会いたします。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、三案を一括して議題に供します。三案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 永岡光治

    永岡光治君 これは、どちらの方にお尋ねしたらいいか、技術関係研究関係でお尋ねするわけでありますが、適当な方からお答えいただけると思うのですが、公務員制度調査会の結論にもありますように、教育研究医療職、こういうものは、職階制というものをとらない方がいいのではないか、こういう趣旨の答申があったわけでありますが、実際にそういう所を分担されておる、これに詳しい担当官からお尋ねするわけでございますが、研究職というものは、やはり職階制をとった方がよろしいと考えておるのか、私たちはむしろそうでない方がいいのではないかというふうに考えておるわけであります。それがほんとうの研究なり識見を生かすゆえんではないか、たまたま役づきがなければ給与が上らないという制度では、科学を振興させる立場からいきましても、やはりその技術能力に応じて、たとえ課長にならなくても、あるいは所長にならなくても、待遇はどんどん上っていくという給与体系の方が望ましいと思うのでありますが、そういう基本的な考え方についての所見を承わりたいと思うのであります。
  4. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) ただいまのお話でございましたが、私たちも全く同感でございまして、研究者と申しますのは、やはり研究能力と申しますか、それによって発展すべきであろうというふうに考える次第であります。従いまして、今度の俸給表におきましても、一応例示官職といたしまして、課長部長というような名称を書いてございますけれども、そのほかに特別研究員と申しますか、そういう制度をもちまして、各等級にそういう制度がございますので、一応の例示官職によりまする判定はできますけれども、それ以外に、能力によって幾らでも、二等級なり三等級なり、能力のある方はそこへいけるというふうになっているのでございまして、その点は、私どもも非常にけっこうなのではないかというふうに考えております。
  5. 久保忠雄

    説明員久保忠雄君) ただいま鈴江局長から答弁されましたと同じ考え方でございます。
  6. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、人事院が一応新しい給与法を適用するに当ってよく考えておるもののあらましを国会に提示を求めたわけでありますが、それによりますと、特例研究員というものは、一等級に行けないようなことになっているわけでありますけれども、私は、やはり一等級にも行けるというのが一番正しいあり方ではないかと、こう思うのでありますが、所長だから一番最高だと、どんなりっぱな研究技術や試験の能力を持っておっても、優秀な能力を持っておっても、その人が所長にならなければ、給料一等級のあれをもらえないというのはおかしいのじゃないかと思うのですが、どういうお考えでございますか。どうぞ、鈴江さんでも……。
  7. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) この点、ただいまお話のように、考え方といたしますれば、確かにそういうことになると思います。ただ、まあ現実の問題としまして、そういった方がおそらく所長になるだろうというようなことで、しいて一等級の中に特別研究員という名前を入れなかったと思うのでございますが、私どもとしては、考え方としては、今のお話同感でございます。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、研究能力のすぐれた者を所長にするというお考えですか。そういう考えでなくて、所長はやはり全体を統括すると、そういう能力のある者を所長とするのではないかと私たちは解釈するのですが、研究とは別に、もちろん研究に携わることもけっこうでありましょうけれども所長というものは全体を統括する、そういう能力のある人、しかし、りっぱな技術を持っておるけれども、あるいは能力を持っているけれども所長には不適当な人が、これは比較論でありますよ、あると思うのです。そうなると、一方は所長に適しているから所長にした方がいい。それが最も能力を生かす私はゆえんじゃないかと思うのですが、たまたま技術さえよければみな所長になれるという、その考えはどうかという点が第一点。  それから、かりにそういう優先な方を多く所長にするという、優遇するためには、給料を上げなければならぬ、所長にしなければならぬという欠陥がここに出てきているわけですが、そういうあり方はいけないということを指摘しておるわけですが、それはまあしばらくおくといたしまして、優秀な研究員がたくさんおる。しかし、所長が一人しかいない。同程度待遇をしなければいけないという際には、やはりそこに大きな私は給与上の矛盾が出てくると思うのですが、不合理が出てくると思うのですが、そういうことに対して、やはりあなたの方としては、そういう解決の道も開いておく方がいいのではないかと私たち考えるのですが、どういうふうにお考えになりますか。
  9. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) ただいまのお話は、確かにそういうことでございますが、たまたま私ども、まあ研究所長というのは、確かに研究管理の面においてもすぐれた方であると同時に、何分研究所職員の動向、研究能力を伸ばし、あるいはそれを指導するという面におきましては多分に、先ほど申し上げたような、非常に研究能力の高い人が所長になるだろうということで、あえてこの際一等級の中に行けることに特に必要を私どもは認めなかったのでありますけれども、まあ現実の問題はともかくといたしまして、考え方としては、確かに一等級の中にも入るべきが当然であろうというふうに考えておるわけでございます。
  10. 永岡光治

    永岡光治君 それで大体考え方はわかりましたが、そこで、人事院にお尋ねいたしたいと思いますが、人事院考え方はあれですか。技術が優秀であれば、所長ということを考えておるのかどうか。そういう考え方に立っているかどうか。私はやはりコントロール、つまり管理ですね。所長というものは、その全般の所長としての統轄の責任を持つわけですが、それと技術の優秀であるということと、おのずから別じゃないかと思いますが、そういう関係で、それは日本の誤まっている従来今までしばしばとられてきた給与政策、また人事行政じゃなかったかと思いますが、それを改め、適材適所主義、これでなければ、私は日本は伸びていかないと思いますが、これは人事院考え方、これは任用とも関連があるのですが、年功さえ多ければ、そうして技術が優秀であれば、それに点じて管理職的なものにつけていくという考えなのでしょうか。特に一般行政職とこれは別でありますから、やはり研究とか、医療とか、教育という問題には、おのずから私は、管理職ということとその研究に携わる仕事ということについての待遇とは、別個に考えなければならないと思いますが、どういうふうに考えておいでになりますか。
  11. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院といたしましては、研究所長という方々は、これはいわゆる管理的な業務にも従事されます。しかしながら、やはり所長の一番重要なことは、研究所全体として研究業績をあげるということでしょうから、従って、部下部長あるいは研究員等を指導されまして、そうして研究業績をあげるということを所長は当然されるであろう。またされなくては、所長としての資格がないのじゃないか。単に部下を人事管理するというだけでは、研究所所長は勤まらないのではなかろうか。その意味におきまして、先ほど鈴江局長の言われたことと同感なのであります。ただ、われわれの方は、この表を御提示申し上げたのでありますが、すでにこの表について御説明申し上げましたときにも申し上げたのでありますが、この一級のところに、特別研究員ということは書いてございません。しかしこれは、代表官職例でありまして、書いてないからしないということを意思表示をしたものではないのであります。二等級までは、相当特別研究員の幅というものを考えて参るわけでありますので、一等級所長というものは、所長も、ここでごらんになりますように、一等級から三等級にわたっているというような状況で、非常に一等級所長というものは制限されるのじゃなかろうかというふうにわれわれは思うのであります。その意味におきまして、特別研究員一等級にないのではないのでありまして、あることはこれはもちろんあるというふうにわれわれは思います。従って、必要があればやりますが、ただ、代表官職例としてここに掲げる程度でないので、ここに掲げなかった、このようなことでございますので、御了解願いたいと思います。
  12. 永岡光治

    永岡光治君 大体わかりました。考え方としては、やはり一等級も予想しているということでありまして、これは、運用においては十分考慮いただきたいと思うのでありますが、まあ主管の官庁におきましては、人一院と御相談をされる際にも、その辺のところは十分御考慮をいただきまして、期待に沿い得るように一つお願いいたしたいと思うのであります。  それから、この際一つお尋ねするわけですが、研究所職員というのは、往往にして他の職種に比べまして、待遇が低いのじゃないかと思うのです。たとえば、この俸給表を見ましても、大学卒で、同じ医者、医師の場合を例にとりますと、研究職であるということによって、これは一万一千四百円ですか、になっておりますが、教育職及び医療職になりますと、一万一千八百円になっておりますね。こういうように開きのあるのはこれは私は妥当ではないと考えておるのですが、研究職の方が低いと、同じ学歴を持っておりながらですね、見ておる考え方にはどうも納得のいきかねるものがあるのでありまするが、その辺の考えはどういう理由に基いておるわけでございましょうか。これも一つお尋ねいたしたいと思います。人事院の方にます。
  13. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院がこの給与表勧告いたしました際には、この研究ならば研究医療ならば医療、それぞれ適応いたしましたようなまず俸給体系を作っていくということが先決でございますので、そういう点に重点をおいたわけでございます。今回の、人事院が必要と考えましてお願いいたしました六%前後の給与改善ということの範囲におきましては、必要のある職種をうんと上げていくという程度のことは実はいたしかねたのであります。従いまして俸給表を分離するに当りましては、現在の給与水準を維持していく。それを高くもしないが低くもしないというところを狙って分けた、というのが人事院勧告でございます。従いまして研究職を高くしてもいいのではないかというお説は、非常にごもっともであるとわれわれも思うのでございますけれども、昨年の人事院勧告ではそこまで手が回りかねたということでございますので、そういう問題につきましては、今後にわたりまして人事院といたしましては十分研究して参りたい。このように考えております。
  14. 永岡光治

    永岡光治君 それはこういう意味ですか。従来は一本で適用されておったわけですね。今度分離することになった。分離した結果は、私の受ける感じは、分離したために研究職の方が他の種職、たとえば医療及び教育職に比べて低くなっておる。こういうように思うわけですね。だからそれを分ける以上はやはりそれに見合うものが当然与えられてしかるべきじゃないかと、こう思うので、それはその通りであるけれども、この段階においては、この時点においてはその解決ははかれなかったと、こういう答弁ですね、今の人事院の方は。ところがそれであってはやはり私は問題の解決はできないので、この時点において解決できないというのはその原因は何かということになるわけですが、財源がないということのためなのか。原因はどこにあるわけですか、この際解決をしなかったという理由は。
  15. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほども申し上げましたように、人事院勧告におきましては公務員全体の平均民間と比較いたしてみますと、六%程度低い。従いましてまず公務員の全体の平均給与額というものを民間と合わせる、まあそのためには六%上げる必要がある。このようなことを去年勧告いたしたのであります。六%の原資をもちまして、そうしてこの公務員の部内の調整をはかるとするならば、まあ七%あるいは八%上げるものがあり、一方に四%上げるものがありということにまあならざるを得ないのでありますが、そういうことをたかだか六%程度上げます際に差等をつけ得るかどうか。それからまた職種別俸給表の格差というものが、一体いかにあるのがよろしいかということは、これはいろいろむずかしい問題、また従来の経緯等もありまするので、なかなかむずかしいのでありまするので、今回の改正におきましては、もうあらゆる俸給表を通じまして一律に六%ということにいたしたのでありまして、俸給表別にその高さを変えるということまではいたさなかったのであります。この給与表を分離いたしまするにつきまして、研究職がたとえば医療職あたりと分が悪くなっておりはせぬだろうかというお話でありますけれども、それはわれわれといたしましては、少くも人事院勧告においてはそういうことはいたさなかった。これは政府案においてもその趣旨は踏襲されておるものであるというように考えております。ただ教育職等につきましては従来からこれは俸給表が別でございます。十五級体系ではあったのではございまするが、俸給表は別でございます。また教育職につきましてはこの国会議員提出法律で、特に給与水準をお上げになったというような経緯もございますので、この間には差等があったのでございます。そのことはわれわれも認めておるのでございます。それが適当であるというふうには考えてはいないのでありますけれども人事院勧告におきましては、研究職だけを特にこの機会に水準を高くするというところまでは手が回りかねた、このような事情でございます。
  16. 永岡光治

    永岡光治君 考え方はわかりましたが、それではいっこの不合理を是正する考えであるのか。今回できなかったらいつやるのですか。それを第一点としてお尋ねしたいと思うのです。  第二点は、それにまあ将来の問題はあるにいたしましても、この段階においてもなおかつやはり考慮してもらいたいということは、俸給表を分けて、それぞれのあれに見合うようにという考えで分けたのでありましょうが、少くとも私たち考えは同一学歴を持っておるということになれば、それがたまたま医療職に入ったから給料がいいのだと、あるいは研究職に入ったからそれは悪いのだと、こういうことではよろしくないのじゃないか。特にこの研究職昇給状況を見て参りますとやはり他の医療職とそれから教育職の(一)の方、これを比較して見て参りまするとだいぶ開きがあるようですね。そういう点から初任給を言うならば、採用されるとき金額も違うし、昇給間差も違ってくる。こういうことは研究が非常に低いのだ、研究職というものは低くてもいいのだ、こういう科学軽視の傾向が強く出ていることはどうかと思うのでありまして、この点については何か今直ちに俸給表をいじることができないとするならば、たとえば何も初任給幾らにしなければならぬという法律規定はされていないのでありますが、たとえば二万一千四百円、その次の段階になりますときには、これですと研究職は一万二千三百円ですか、むしろ他の医療職その他と見合せて研究職は一万二千三百円にしておこう、そうすれば昇給期間が若干ゆるくなっても、大体ある年限に達すれば、これは研究職及び医療職教育職は均衡が保てるということにもなろうかと思うのでありますが、そういう運用面解決をするという考えは、持てないものかどうかですねその点をお尋ねするわけです。
  17. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 御指摘通り、この研究職俸給表あるいは医療職俸給表というものを新たに作りまして、全く従来一般俸給表の中に入っておりました表を作ったといいますることは、言葉をかえていいますと研究医療職実情にできる限り適合した俸給表たらしめたいという趣旨の表われでありまして、端的にいいますと、これが将来における改善の第一歩とも称し得べき点があるのではなかろうかと考えているわけでありますが、差し当りの問題として、せめて運用面においてでもという御質問がおったのでありますが、なかんずく研究職との関係につきましては、私どもも実は従来しばしば陳情その他のお話を伺っているわけであります。なかんずく一番問題になっておりますのは、教育俸給表(一)と研究職俸給表とは相当待遇上の差がある。一体どういう原因からこの差が生まれてきたのであるか。同時にまた新しい立法体系として考えた場合に、依然としてこのような差を残しておくことを、一体きみたちは妥当と考えるのかどうかというようなことで、実はしばしば意見の開陳を伺っているのであります。永岡先生は御承知と思いますが、非常に、これは同時に給与の同順は、沿革的事由から積み重なっているのでありまして、教育職俸給表におきましては、例の二千九百円ベースの前の段階の二千五百円ベースのものを作りますときに、団体交渉をもちまして、一方においては超過勤務手当原則として支給しない、その代償というと語弊がありまするけれども、その代りとして、一般俸給表よりも水準差刊いものを保障するというような体系のものを作りまして、おそらくその当初は一号程度高かったものと記憶いたしておるのでありますが、その後において例の議員提出法律案によりまして三本建になりました関係上、一般方々に比べまして教育職俸給表(二)というものが、大体平均して二号俸ほど高い水準俸給表になった。これが今御指摘教育職俸給表研究職俸給表との差の起りました原因であり、内容であるというふうに私ども考えておるわけであります。申すまでもなく、将来における体系として、かくのごとき状態のまま存置することが、決して好ましい状態であるというふうには考えておらないのでありますが、先ほど申し上げましたような沿革的事由がございまするので、たとえば教育職俸給表について申し上げまするならば、ほとんど超過勤務手当に要する予算は計上いたしていないというような面もございまするし、またこの沿革的事由がずっと尾を引きまして、学長であるとかあるいは部長さんであるとかいうような方々につきましても、例の俸給特別調整額一般にいいますところの管理職手当というようなものも当初はつけておらなかった、最近もようやく一番低い丙程度のものがほんのちょっぴりつくようになったというような面があるわけであります。ところが研究職につきましては、超過勤務手当も支給する体系もとり、ある程度予算も計上いたした、あるいは俸給特別調整額につきましても、まだ不十分ではありまするけれども、漸進的に相当よくしつつあるというような面も、沿革的事由とからみ合いまして、いささか違う点があるわけであります。従いまして将来にわたりましては大いに検討もし、特に今回の勧告におきましては、先ほど教育局長からお答え申し上げましたように、わずかに六%アップというような状態でありましたので、そこまで手が回りかねたのが実情でございまするし、将来におきましては何らかの方法によってこれらの合理化をはかるように検討を進めて参りたい、かように考えておる次第でございまして、今直ちに運用面だけで抜本的に直すということには、はなはだ答弁にならないようでありまするけれども、なかなか困難な点があるであろう。ただし運用面において可能な限度、たとえば等級別定数というような面については、可能な範囲内において十分考慮して参りたい、かように考えておる次第であります。
  18. 永岡光治

    永岡光治君 とうとうと述べられたのですが、運用において考慮されるものは紋別定数と、それから調整額か何かつけられませんか。つけられるのですか、つけられないのですか。
  19. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 今御指摘通り等級別定数については相当考慮の余地があると思いまするし、それから俸給特別調整額につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、現段階において必ずしも十分とは考えておりません。従来も毎回、これは毎年のごとく逐次改善して参っておるのでありますが、これも今後われわれとして最善の努力をして参りたいというふうに考えております。ところが一般的に調整額をつけるということになりますと、先ほどお答え申し上げましたように、一つの根本問題に触れて参りますので、これにつきましては今後かすに、もう少し時間をおかし願いたいというふうにお答え申し上げておきます。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 それでそういう解決をはかる際は、六%今度のベースアップといいますか、給与改訂をやったので手をつけられないという、こういうお話でございますけれども、今後、そのようにある程度一割とか一割二分とかいうふうな給与改訂がない限りは、手がつけられないということになれば、相当長期にわたってこのままの姿で放置される、というおそれが出てくるのじゃないかと思うわけですね。従って私は、この七月の勧告ないしは報告の一応の期限があるわけでありますが、その際にこの範囲内においても、また私は、実際の状況として最近の物価の上昇の状況だとか、その他三公社五現業の給与改訂の問題とか、民間給与改訂の問題を考慮いたしますならば、少くともこの七月あたりには給与改訂勧告というものは出されるのじゃないか、これは私の期待でありますが、どうもそういう気がするのであります。かりに人事院万々一給与改訂勧告という姿をとらなかった場合においても、何かその辺のところについて解決をするお考えが出ないものか、こう思うわけですが、そういう点はちょっと今のあなた方のお考えとしてはどうなんでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
  21. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 給与改訂方法は、今さら申すまでもありませんけれども国家公務員法第二十八条の規定原則的規定でありますけれども、これはあくまでも社会一般情勢に適合するということが原則でございまして、必ずしも各俸給表に通ずるところの一率のいわゆるアップということのみが、社会一般情勢に適合する方法でもないと思うのであります。従いまして今後検討して参らなければなりませんので、今直ちに具体的にどうこうということについては、この席においては遺憾ながらお答え申しかねますけれども先ほど六%云々と申し上げましたことは、すでに勧告済みのものに対する人事院としての考え方を率直にお答え申し上げたのでございまして、今後の対処方法としては、とにもかくにも一率ベースアップのみが給与改善の措置ではない。また社会一般情勢適合の原則に適合させる措置も、これのみではないというふうに考えておりますので、あらゆる角度から十分検討いたしたいと考えます。
  22. 永岡光治

    永岡光治君 これ以上追及いたしましても、はっきりした、いついつかにどうという結論は出ないようでありますが、大体大要としてはこの次の機会には、ぜひこの問題が解決できるような措置を講じてもらうように強く要望いたしておきます。そこで同時にまた運用におきまして、級別定数その他これも主管の官庁と御相談いただくことと思いますが、できるだけこういうことが運用において解決されるように、特段の御配慮をいただきたい、こう思うのであります。  それから人事院からこの前示されました内容でございますが、補助というのが出ておりますけれども、あれはどういう内容を考えておいでになるのでございますか。四等級でございましたかね、補助というものを考えておるようでありますけれども、ここで見ますと、六等級では研究員初級と書いてあります。それから補助研究員上級、七等級は補助研究員初級と、こう書いてあるわけです。もちろん、先ほど私が尋ねましたような意味で、原則的と申しますか、概念的と申しますか、大体研究員というものは五等級ではありますけれども、事情によっては四等級までいけるということはもちろん考えられると思うのでありますが、そういうような考え方でそれぞれ五等級、六等級、七等級でも同様のことが考えられると思うのでありますが、ここで研究員と補助研究員というふうに分けておりますけれども、補助研究員というのはどういうものを考えておるのか。いうならば定義、——しかつめらしい定義でなくてもけっこうでありますから、それを一つ御説明いただきたいと思います。
  23. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 実はこれも率直に申し上げますと、人事院勧告のときには、この補助研究員研究職俸給表を適用するグループに実は入れていなかったのであります。政府提出法律案となりまして各省からの要望等もありまして、補助研究員という一つの等級が新設されたのであります。この法律通りますならば、当然人事院が実施の責めに任ずることになりますので、この補助研究員の内容も具体的にきめて参らなければならない、ということになることは当然でございます。大へん抽象的になりますけれども、現在考えておりますものは、たとえ補助という名前がつくにいたしましても、これはやはり一つの研究員である。申すまでもなく、研究の方は、その調査あるいはその試験研究、または調査研究の業務に直接従事するところの職員を対象とするというのが基本的考えでございまするので、その調査、研究の対象となりまするところの、やはり研究員らしきその補助をいたすという者に一応はこの際は限定して参りたい。従いまして、おそらく行政職俸給表(二)の一般技能とのけじめ、またはボーダー・ラインという問題が一つ起って参るのではないかと思いますが、工作とか設計とか加工とかというようなことをやります、これはもうどちらかといいますと技能関係の方、こういう方々行政職俸給表の(二)の方に適用して参りたい、かような基本的考え方でおるわけでございます。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 これは私たちが実際の状況の方からのお話を承わりますと、やはりこの補助研究員というこれに該当する者がどういう者であるか、かなり心配をしているようでございますが、研究を手助けするに当りましても、今日は昔と違いまして、高度な技術も必要でありましようし、その研究がよりよい成果を上げるためにも、やはり相当な能力を持たなければならぬということは、科学が進んで参りますれば当然でありまするが、しかし、それが往々に行政職俸給表(二)というのがあるために、これは技能労務職ではないかということで、むしろそちらの方に格づけをされるうらみなしとしないこと、こう私たち考えるのでありまするが、できるだけ一つ幅を広げまして、その研究関係方々はやはり同じ仲間として俸給を適用されることが最も望ましいし、またそういう方向に進んでいただくことが望ましいと思うのでありまするが、主管の官庁ではどういうふうにお考えになっておりますか、科学技術庁あるいは工業技術院の方でのお考えを承わりたいと思うのであります。
  25. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 補助研究員の問題につきましては、各省の意見も私ども聞いておるのでございまするが、各省の事情がいろいろ異なっておりまして、共通的に申し上げることは、はなはだ困難でございますが、ただ、私どもの方の考え方といたしましてはやはり補助研究員でございますので、研究者の手足となってその研究を完成せしめるために働いておる人々というふうに考えております。従いまして、たとえば技能労務者と申しますか、ガラス工とかあるいはいろいろその他でございますが、そういった方々は、むしろ特定な作業をするということでございまして、その研究全体の問題を把握していなくてもけっこうである。しかし、補助研究員と申しますれば、やはり研究の内容がどういうのであるか、自分自身が創意工夫をすることはできないにいたしましても、そういう自分のすることが研究上どういうふうな結果を生むのであるかということの判断もできるような人々というふうに考えておるわけでございます。従いまして、そういった点からいいまして、たとえば大学を出ました方々も、最初の一、二年というものはまだ見習いではないだろうかと、そういう点で、補助研究員の中にも入りますし、あるいは農業高校とか工業高校といったようなところを出まして、研究の補助をしているというような方々も当然入るのじゃないだろうかと思うわけでございます。ただ、各省の中で検定とかあるいは検査とかいろいろな仕事をやっておるのでございまするが、単にその名称によって、検定だからこれは研究ではないとか、あるいは検査だからいけないということではなしに、その仕事の内容の実体を十分つかまえまして、いやしくも創意工夫を必要とするような業務、それに携わっておる補助の職員でございますれば、その中に入れていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 技術院の方はどうでございますか。
  27. 久保忠雄

    説明員久保忠雄君) この点につきましても、ただいま鈴江局長から申しましたと同じことでございまして、われわれといたしましては、こういう俸給表ができる以上は、研究補助者もここへ入れていただきたいということを強く希望しておるわけでございます。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 それは人事院の方で格づけの定数をおきめになるだろうと思うのですが、その際、一つ主管官庁と十分お打ち合せいただきまして、その御要望が実現できるようにお願い申し上げたいと思うのですが、この際、この俸給表について、もう一度ただしておきたいと思うのですが、この特別研究員の範疇といいましょうか、どういうものを特別研究員として予想されておるのか、それが第一点と、もう一つは、先ほど申し上げましたように、普通の、ここでいう五等級に格づけされておる研究員でも、先ほど特別研究員一等級にいけると同様のことがこの場合でも言えるのじゃないか。つまり四等級あたりまで上っていけるのじゃないかと思うわけでございますが、その道は開けるものと期待してよろしいかどうか。この二点をお尋ねいたします。
  29. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 特別研究員の問題につきましては、この委員会でも竹下委員から御質問がございましたときにお答え申し上げたのでありますが、人事院がどういう人を特別研究員だというふうにやるというのは、これはまことにおこがましい話であるとわれわれは思っておるのでございます。特別研究員というのは、その人の個人の業績なり何なりによって評価すべき問題でありましょうから、われわれといたしましては、たとえば、科学技術庁がこれの音頭をとっていただいてもけっこうなんでありまするが、特別研究員というものを設定するときには、こういう要領でやるのがいいというような案でも作っていただきまして、そうしてわれわれの方と御相談願うというようなことできめてもらったらいかがなものだろうかというようには考えておる次第であります。どうせこういう問題は、すべて予算の問題にも関係いたしまするので、限界はあろうかと思うのでありまするけれども、まあこれはできるだけ実情に沿うように、特別研究員の定数の範囲というものを定めまして、実情に合うように、人事院の独断に陥らないように、研究所側の意向を十分反映いたしましてこれをきめて参るというようにいたしたいと思っております。それから、補助研究員が六等級からさらに五等級というふうにできないものであろうかというようなお話でありまするけれども、われわれは、大体補助研究員というものは研究員の初歩というところでございますから、これは当然研究員になっていくものである。このように考えておりますので、補助研究員を五等級まで伸ばす必要は事実上ないのではないか。このように考えております。
  30. 永岡光治

    永岡光治君 補助研究員は五等級まで考えなくても自然研究員になるからいいんじゃないか——これは実際運用において、そういうような頭打ちをなくして、そのまま上っていくという形がとられるのが望ましいのでありますから、運用期待できるかと思いますが、この五等級から四等級研究員が上っていく場合も、余地が開かれておると解釈してよろしいのですか。五等級研究員がなりますね。が、先ほど特別研究員は二等級であるけれども一等級までいく人があるのだと、これと同様なことが——この研究員特別研究員になるのでしょうか四等級になるためには。そういう意味ではないと思うのですが、四等級に上る人は、研究員の中でも特別研究員になるのですか。それとも、研究員という資格を持ちながら四等級まで格づけされる者が出てくるのか。その辺のところはどういう運用をされるのですか。
  31. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) それらの問題になりますと、実は任用上の試験制度、あるいは任用制度というようなものとからみ合って参る点が一部あるのではなかろうかと思いまするので、あるいは工業技術院その他の方からお答え願った方がよろしいのかとも思うのでございますが、おそらく、私どもの方の給与の面から考えまするというと、この五等級研究員になりまするには、例の人事院で行なっております六級職試験、ああいう試験に合格した方をもって補充するという原則をおとりになっているのじゃなかろうかというようなふうにも思うわけでございます。もしそうであったといたしまするならば、補助研究員方々には、いろいろの方が包摂されておりまするので、もし先ほど申し上げたような任用試験のやり方をおとりになるとするならば、やはり試験合格者が研究員になり、さらにまた、特別研究員に進んでいくというような昇進のコースをたどることを必然ならしむるのじゃないかと思うのでありますが、どうも試験と給与の問題は、私どもの方でもそこがはっきりしない点があると思いますので、一応その程度のことをお答え申し上げておきます。
  32. 永岡光治

    永岡光治君 これは科学技術庁や技術院の方では、実態に即してこれをどう運用されようと考えておられるのか、まあ先の問題だといえばそれまででありますが、……まだ研究されておりませんか。
  33. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今の問題に関連いたしまして、ただいまの御質問の、研究員は五等級どまりか、そして四等級にいくのには特別研究員にならなければいけないのであるかということが御質問の骨子のように承わったのでありますが、われわれといたしましては、現在の状況におきましては、研究員というものは五等級原則であるというように考えております。ただし、将来の問題といたしまして、必要がある場合には四等級特別研究員の幅を広げるという措置によりまして、事実上研究員が四等級までいき得るということと大同小異のこともこれは考え得るのじゃなかろうかというように考えておるのでありますが、現在の状況におきましては、研究員は五等級研究員だ、そして必要がある場合に特別研究員として四等級にいくと、このように考えております。
  34. 永岡光治

    永岡光治君 その運用に当っては、どうせそれぞれ主管官庁の職員と御相談されると思いますが、一つ御要望を十分お聞きいただきまして、誤まりのない運用をしていただくように、特にお願いいたしておきます。また、こういう機会は、休会中といえども継続審議あるいはまた休会中の委員会もあろうかと思いますので、明確になりましたらお話を承わって、さらにそれについての要望があれば、私どもの方でも申し上げたいと思っている次第でございます。  そこで、実は研究機関の大小によりまして、だいぶ格づけあるいは役づき、そういうものが違ってくるような実際の運用になっておるように承わっておりますが、そういう状況がほんとうであるかどうか、もしそれが事実であるとするならば、それはやはり研究職職階制をとるべきではないという科学技術庁のあるいは技術院のお考えからいたしましても、適当ではないのじゃないかと、たとえば自分の研究しておる部門に、担当する職員が多かろうと少かろうと、あるいはその研究所が大きかろうと小さかろうと、その研究の規模でなくて、それに従事するやはり内容によって十分検討した上で、これは均衡のとれる格づけないしは役づきをきめるべきじゃないかと思うのでありますが、その点については主管官庁の技術庁なり技術院の方では、どういうふうに考えておいでになるか、また、人事院はどういうふうに考えておいでになるかをお尋ねいたしたいと思います。
  35. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 人事院の方から先にお答え申し上げますが、等級別分類給与基準の代表官職例を資料として差し上げてあるわけでありますが、この資料によってごらんのごとく、研究機関につきましては単なる組織のみといえない点がございますので、一等級所長かA、二等級所長がB、三等級所長がCというような、A、B、Cというような特殊な記号を使って資料として提出してあるわけでございます。ところがその前の方に表示しておりまするところの、いわゆる一般行政官庁でありますが、一般行政官庁におきましては、規模によって表示、たとえば大きな組織、小さな組織というような組織の大小という表現をとっておるわけであります。これは決して無意識的にこういう表現をとったのではないのでありまして、たとえば永岡先生の御指摘のように、特に研究機関につきましては、組織の大小とか規模の大小とかいうようなことのみによって格づけをするということは……、やはり実態に即していかなければならぬという意味合いから特に今申し上げたような記号を用いたわけであります。しかし具体的にどの研究所をAとし、あるいはBとし、Cとするかということになりますというと、これは単に給与上の問題であるばかりでなくして、いろいろ影響するところもございまするし、また人事院の立場からして十分わかり得ない面もございまするので、関係当局の方々と十分連絡をし、御相談を申し上げてやって参りたいというふうに考えておる次第でございます。要すれば、規模のみによってやるべきではない。十分に関係当局と御相談申し上げて円滑を期して参りたい。所定の業績をあげていくように、やはり給与行政の面においても十分心がけて参るべきであるという心がまえのもとに、運用して参りたいという考え方でございます。
  36. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) ただいまの問題につきましては、非常に運用上むずかしい問題がございますが、科学技術庁といたしましては、科学技術庁内部に科学技術審議会というものがございまして、その中でこの問題を論じておるわけでありますが、この委員会の構成といたしましては、研究所の方も入っていただいておりますし、あるいは民間研究機関の方、あるいは前工業技術院の院長というような方々も網羅しておるわけでございますが、そこでただいまのところ結論は出ておりませんですが、一等級なり二等級なりという格づけにつきましては、先ほどお話がありましたように、研究機関の大小によってやるべきではない。やはり研究者能力とかそういうものを基準にすべきであろう。しからば一等級はどういう基準にするか、あるいは二等級はどうするかという、基準についての結論は出ておりませんけれども、要するにその研究者としての能力あるいはその研究業績が、国内にどういう影響を与えたかというような点から判断いたしまして一つの基準を作り、なおかつそれを認定するところの機関が必要になるのではないだろうかという考えでございます。たとえば一等級になりますのに、例として申しますれば、たとえばノーベル賞をもらったとか、あるいは恩賜賞をもらったとかいうことも一つの業績としての判定の基準になるかと思いますけれども、そういったいろいろな研究上の業績を発表いたしまする機関の問題、あるいはその業績の問題、それにつきましての一応の基準を作り、また、それを認定する機関を、何らかの形で作っていったらどうかというようなことを話し合っておるわけでありますが、そういう面につきまして一応の考え方がまとまりますれば、人事院に御相談申し上げまして、その運用上の適正をはかって参りたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 これは先ほども私が指摘いたしました初任給といいましょうか、大学を出て同一学歴を持っておる者がお医者さんの場合ですよ、たまたま研究職である場合一万一千四百円、医療職及び教育職であればこれは一万一千八百円ということで、不合理ではないかということで指摘したのと同じようなことが蓄えると思うのですが、所長さんもこれも二等級に入れるようになっておりますが、二等級というのは大体大学では教授ですか。そうすると研究職の二等級の最高が六万円、これは教育職等では六万四千八百円、医療職ではたしか六万円であろうと思うのですが、それぞれだいぶ不均衡があるので、その辺のところを考慮してもらえないか。これは今直ちにできないとすれば、将来の研究課題としてもやむを得ないと思うのでありますが、そういうことを、一つどういうお考えであるかということが第一点と、この研究所長というのを教育職の二等級つまり教授並みであるという考えを持っておるということは、まあ大体教育研究との相通ずるところがあるのでありますが、大体その所長さんは、一講座を担当している教授だと、こういう考え方に立っておるかどうかですね、その辺のところも一つ考え方を明らかにしてもらいたいと思うのであります。
  38. 尾崎朝夷

    政府委員(尾崎朝夷君) 研究職俸給表医療職及び教育職俸給表との関係でございますが、研究職俸給表及び医療職俸給表におきまして、現在の十五給織につきまして一等級を一応設けられておるということになるわけでございますが、その金額に相当いましますつまり五万七百円以上のものにつきましては、教育職俸給表におきましては現在十一級の七号以上にございまして、これは教授に適用されるというふうになっておるのでございます。従いまして、そういう現行制度における関係考慮いたしまして、俸給表の作成の上に表現されておるということでございます。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 だけれど私が先ほど、なぜ研究職を分ける際に、この特別な考慮をしないかと言ったところが、いやそれは一般行政職の中からそのまま分けたのである、従ってこの際一挙に六・二の改訂ができないからいじらなかったと、こういう御説明だったのです。ところが行政職俸給表(一)を見ると、二等級六万四千八百円までいいわけですね。こっちの研究職を見ますと二等級が六万円どまりになっているのですね。おかしいじゃないですか。なぜ均衡をとらなかったのですか。これでは現在のまま分けたというのではなくて、むしろ悪くしたということにとれませんか。
  40. 尾崎朝夷

    政府委員(尾崎朝夷君) 先ほど、六・二%のまあ改善の際に、俸給表の改正を行うということが、人事院からお話がございましたけれども、この改正案におきましては、そういう趣旨におきまして俸給表を構成立案しておりますが、行政職俸給表につきましては、その行政俸給表等級は一応局長が入るということになっておるわけでございますが、局長の中には十五級職の職員がかなりおるわけでございます。従いまして局長の一応入るという二等級につきましては頭が、最高号俸が十五級職員が入るように構成されております。研究職員につきましては、十五級職員を一応一等級に入るということで、最高号俸が異なっておるということでございます。
  41. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) なお、私が先ほどお答え申し上げましたのは、人事院勧告を中心にお話し申し上げたのでありまするが、この政府側で提出されました案によりますると、研究職医療職は、ちょっと数字は多少違いがございまするが、人事院一等級としましたものが、この政府案によりますれば二等級になっておるのであります。すなわち研究職医療職につきましては、人事院勧告よりもさらに上に一等級伸ばされておるという実情がございますので、私の説明と若干違うところがございますので、申し添えます。
  42. 永岡光治

    永岡光治君 大体この俸級表の考え方はわかりました。しかし、この結果として出ております一等級というのを特に設けていただいたその趣旨は了といたしますが、やはり研究という科学を尊重しなければならない、推進しなければならないという現在の日本情勢から考えまして、特段のやはり配慮をする必要があると私たち考えますので、その点を主管の官庁はもちろんでございますが、人事院当局におきましても、少くとも今回は困難にいたしましても、次の機会においては、何らかそれについての解決をはかられるよう強く要要望いたしておきます。  そこで、同じ研究職になるわけでありますが、私は先ほど補助研究員のことを質問いたしましたが、研究の中に動物飼育だとか培養基の作成というような、特別な学識技能を必要とする作業に従事する職員があるわけでありますが、そういう人々は、当然これは研究員の中に入ると思うのですが、もちろんこれは研究員であることは間違いないであろうと思いますが、上級の方にこれは格付けされていいのじゃないかと思うのですが、どうでございますか。これは主管の官庁の方から御答弁をいただきたいと思います。これはどこになりますか、主管は。やはり科学技術庁あるいは技術院等じゃないですか。それは研究のためのです。
  43. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) ただいまのお話、実は私ども十分まだ各省から聞いていないのでございますが、おそらく厚生省あるいは農林省の問題だろうと思うのでございますが、私の科学技術庁で申し上げますと、かなり各省に共通な問題を取り上げておりますものですから、その具体的な個々の問題につきましては、ちょっと私ども今承知していないのでございますが……。
  44. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) ただいまの御質問でありますが、単なる飼育とかいうような方面をやっております方は、おそらく研究職には入れにくいと思うのでありますが、そこに単なる飼育のみではなくて研究テーマを明らかに持っており、それと並行して飼育その他をやっていくというような者は、申すまでもなく補助研究員のグループに入ってくるというふうに、一般的に考えておりますけれども、それぞれの具体々々の問題になりますと、どうもこれは一つのボーダー・ケースになる面がございますので、同じことばかり繰り返して恐縮でありますが、関係当局と十分打ち合せ、懇談いたしまして、合理的に運用いたしたいと思っております。
  45. 永岡光治

    永岡光治君 それではこれは大分運用に待つものが多いようでありますので、今直ちにどうということはできませんが、先ほど申し上げましたように、今後の推移によって、さらに御研究及び必要においては修正もお願いしなければならぬかと思うのでありますが、そういうことでいきたいと思います。一応研究職についてはこの程度にとどめておきます。
  46. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  47. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。  この研究職俸給表の適用の対象になる国家公務員は、何名ぐらいを予想せられておるわけですか。おおよその概数でけっこうです。あとから表にしてでも出してもらいたいと思いますが……。
  48. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 研究職俸給表の適用を受けます……、これはあとで補助研究員が入りましたので、ちょっと数字は違いますが、ここでは六等級以上のいわゆる準研究員のみを、私どもの方で資料として持っておりますが、準研究員のみで四千八百人でございます。そこに補助研究員が今度入りますので、かれこれ六千近くになるのではなかろうかと思います。
  49. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 大よその数字は、各省別にこれは出ますね。
  50. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) はい出ます。
  51. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 明日でけっこうですから、一応参考にそれを出して下さい。そこで補助研究員を入れますと六千名程度になるようですが、従来のこの俸給表で格づけをしていた場合には、大よそどんな程度段階に分けて格づけをしておったものか、これも詳細なことは明日でけっこうですから、大体の傾向だけをお答え願いたいと思います。
  52. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 現在でも一般俸給表の適用になっておりまするけれども、実際の運用面におきましては、研究職級別資格基準表というものによって運用いたしておるわけであります。で、同時にまた研究職は特殊グループでございますので、研究職としてのいわゆる紋別定数も所管ごとに別に定めておりますが、従いまして、級別定数の具体的資料は本日持って参っておりませんし、各研究機関も各省庁に相当各般に分布されておりますので、集計をもう一ぺんやり直してみませんと、そろばんが出て参りませんので、明日までお待ち願えればけっこうだと思います。明日までに資料をそろえまして御説明を申し上げたいと思います。
  53. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それを拝見してから疑問の点をお聞きしたいと思います。
  54. 永岡光治

    永岡光治君 薬剤士と獣医師の場合は、これは国家試験があるわけですね、公務員試験、六級職試験があるわけですが、研究員になる場合には国家試験を受けなくていいのですか、どうなっておりますか、実情はそれで、今まで私の聞いておる範囲では、国家公務員試験には適用がなくて国家試験の適用を受けると、こういうことになっているわけですが、そういう薬剤士ないし、獣医師が研究職になった場合の初任給あるいは格づけ、そういうものはどういう取扱いをされるのか、これは医師においては五等級、薬剤士、獣医師は六等級と、一般の他の医療職と同じようなことが言えるのじゃないかと思いますが、どういうようになっているのか、その点をお尋ねしたいということと、それからもう一つは、国家公務員試験を受けて、それに受かった場合でありますが、他の学部ですね、たとえば農学部とか工学部、こういうものの六級試験を受けて、そうして研究職に採用されると、こういう場合の取扱いです、どういうようになっているのか、ちょっとお尋ねいたしたいと思うのです。現在と、これが新しくされる場合と、新しい給与改正のあとどうなるか。
  55. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 研究職につきましても、いろいろの専門部門がございます。現在六級職試験でやっております対象官職以外のものは、人事院規則においてこれを公示いたしまして、試験対象からはずしておるのでありますけれども、それ以外のものはすべて六級職試験に合格したものでなければ六級職相当につまり採用ができないという体系をとっておるわけであります。従いまして、原則としまして、対象官職以外の研究職員につきましては、試験合格者でなければならないというのが原則であります。実は、そのこまかな資料は本日持って参りませんでしたので、原則のみを申し上げておきます。  それからもう一つの、農学部であるとか工学部であるとか、いろいろ試験区分というものは相当たくさんに分れておるのでありますから、そういう方でありましても、たとえば先ほどお話のありました薬剤士の方でありましても、一般行政官庁に入りました場合には、やはり一般行政官と同じように、今度考えておりまする初任給ならば九千二百円、研究員の方に入りまするならば研究員にきめられておる初任給というようなふうに、それぞれの自分の入りました部門に応じて定められておるものによって処遇する、こういう基本的考え方でございます。
  56. 永岡光治

    永岡光治君 考え方はわかりました。そういたしますと、医師、薬剤士それから獣医師、こういうものは国家試験があるわけですね、それで研究職になっておるという場合には、医師の場合は五等級、薬剤上等は六等級、こういう格づけになりますか。
  57. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 薬剤士の国家試験であろうと医師の国家試験であろうと、もちろんその場合に薬剤士の場合と医師の場合においては学校の修業年限が違いますので、初任給は違って参りまするけれども、少くとも研究員に任命されたという限りにおきましては、まずスタートにおきましては五等級に格づけをされる。もちろん初任給先ほど申し上げましたように違って参ります。こういう運用になることと考えております。
  58. 永岡光治

    永岡光治君 五等級ですね、大体。
  59. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) ただいまのは初任給でありますから、みな六等級であります。
  60. 永岡光治

    永岡光治君 五等級と思って非常に喜んでおったのに……(笑声)それは医師でも六等級ですか。
  61. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) さようでございます。
  62. 永岡光治

    永岡光治君 それはちょっと関電題ですね、他の場合はどうなんですか、他の医療職の場合は、それは五等級だろうと思うのですが……。
  63. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) それは国家試験の何たるを問わず、研究職になりました限りにおきましては、一番最初の研究員の初級の方は六等級に格づけされるわけです。それは別の方面に結びつけて申し上げますると、行政職俸給表の適用グループになりました場合においても、先ほど申し上げましたように医師の場合あり薬剤士の場合あり、あるいは農学部の場合がある、いろいろの場合が出て参りまするけれども、これは行政職俸給表としての衆議院修正の案で申し上げまするならば、七等級に格づけされる。ただし初任給が違うことは先ほど申し上げました通りでございまして、あらゆる俸給表に共通する原則でございます。
  64. 永岡光治

    永岡光治君 これはちょっと問題がありますから、あとで研究してまた質問いたしたいと思いますが、一応研究職についての質問はこれで、私はあとは残しまして終ります。
  65. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 先ほど私から申し上げた資料を作ってもらうときに、私の知りたい点というのはこういう点なんです、その点参考にくんでおいてもらって、便宜なように資料を作ってもらった方がいいと思います。それは、先ほどからいろいろ質疑がありましたように、特別研究員でも一等級までいく、それからあるいは普通の研究員でも四等級にいってもいい場合があるというふうなことになりますと、おそらく課長とか室長、これが四等級に格づけされておりますが、おそらくこれも三等級なり、あるいは下の方の五等級にまで幅を伸ばしておってもいいんじゃないかと思うんですがね、従って、研究職関係のこの表というのは、相当幅のあるもののようにさっきから受け取っておるわけです。で、まあ性質上そういうものでしょうが、約六千名おられるという人たちの現状がどういうふうになっておるのか、それを知りたい。おそらくそれ自体が相当幅の広い格づけになっているんじゃないかと思うわけです。それは実際に必要だからそうなっているんでしょから、もしそれを非常に窮屈なものにしてしまうと、あとの運用上非常に不便になるという点が私ども必配される点です。それで、極端にその点をずうっと究明していけば、それならば、結局きちっとした七等級に分けるような、こういう表の作成自体が検討の余地があるのじゃないか、少くとも研究職については。そういう点についても、私ども一応懸念されるわけです。そういう点から申し上げているということを一つお含の上で、便宜なような資料を一つ御提出願いたい、この点を要請いたしておきます。  それでは次に、教育職関係の御質疑をお始め下さい。
  66. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 教育職員について文部省にお尋ねしますが、この教育職俸給表を見ますと、行政職俸給表の職階系列に無理に合せるために、たとえば第二表、第三表では校長、教諭助教諭、また第一表では学長、教授、助教授、こういうふうに等級区分を設けているわけですね。それは、はなはだ職務の実態を無視した見方と言わなければならぬわけで、一表、二表、三表とも、それぞれこの等級区分を廃止することが適当であろう、こういうふうに私ども考えるわけですが、これに対する見解を伺いたいと思いす。
  67. 田中彰

    説明員(田中彰君) 御質問は、教育職俸給表の各表について、学長ないし校長その他の等級区分を撤廃すべきであると思うがどうか、こういう御質問だったと思います。その点につきましては、今回の改正法律案は、現行の給与法体系をそのまま踏襲をいたしているわけであります。また法律上、大学についていえば、学長、教授、助教授、講師、助手といったような職務上の区分もございます。また小、中、高等学校につきましても、校長、教諭、助教諭といったような系列がある。これらの制度上並びに実態上に照しまして、やはりこれらの等級区分を設けるのが適当であろうと考えております。
  68. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 伺いますと、現行の制度はそうなっておるから、これを踏襲したということでありますけれども、これはもう俸給炎の改正のわけですから、適当だと思う点は、思い切って改正していただくことの方が適当であろうと思う。そこで、もしそういうことが非常に困難であると仮定いたしますならば、たとえば、この教育職の第一表で、助教授三等級、これと講師四等級、この二つかを統合できないものか、あるいはまた、助手が五等級で、教務職員が六等級になっておるわけですが、この五等級と六等級、そうして先ほど申し上げた三等級と四等級、これはそれぞれ統合できないものか、これについてのお考えを伺いたい。
  69. 田中彰

    説明員(田中彰君) ただいま例をあげられました助教授と講師、または助手と教務職員といったようなものをそれぞれ一本にすることにつきましては、現在の制度におきまして、助教授と講師の間には、おのずから職務内容に差異があるわけでございます。すなわち講師は、教授または助教授に準ずる職務を行う。また、教務職員につきましては、助手相当の職務を行う者もありますが、また一方、助手の補助的な存在として、実験、実習の仕事に当る教務職員もあるわけでございます。その問、制度上また実際上、職務内容におきましてそれぞれ径庭がございますので、やはりこれらを一本にするということはいかがかと考えられるのでございます。また、現在の助教授なり講師なり、あるいは助手、教務職員といったように、現員現給の分布状況をにらんで今回の政府案が作成をされ、それぞれの等級の号俸の幅もきめられておると存じまするので、むしろかような分け方にした方が実態に合うのではなかろかというふうに考えるのでございます。
  70. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 伺いますと、職務の内容とか責任の度合い、これがそれぞれ異なっておる、そういう御意見のようですが、私どもはそうは見ていないのです。三等級と四等級、五等級と六等級、それぞれ職務の内容についても、責任の度合いについても、あまり変りがない。場合によっては、ほとんど同一であるとさえいえると思うわけです。国立大学設置基準によっても、両者の資格についてはあまり差異がないと思うわけです。そこで、教務職員についても、大多数はほとんど直接学生を指導しておるわけですね、実際には名曲は教務職員であっても、実際は学生の指導に当っておるわけです。それからまた、研究業績についても、相当効果をあげておる、成績をあげておる、そういうような点と、さらにはまた、教務職員でも、現在では相当学歴も上になっておって、ほとんど採用の際には新大卒以上である。そういうような実情からみて、ただ定員数の関係から、片や助教授、それと講師、そうして助手と教務職員と、これは定員数の関係で、こういうふうに便宜上分けておりますけれども、実際の職務の内容並びに責任の度合いについては、あまり変りはないと思うのです。こういうような点については、さらに御検討いただけないですか。ここでもちろんすぐできるというふうにはお答えいただけないでしょうが、さらにこの面については、文部省としても十分お考えいただきたいと思います。  次に、この教育職俸給表の二表、三表のうちの二等級、三等級を統合して見ることは非常に適当のように考えられるわけであります。と申しますのは、今申し上げた点で大体おわかりいただいたと思いますが、特に教諭と助教諭については、高等学校並びに小、中学校、これは教諭と助教諭というふうに分れておるわけですが、先ほどから申し上げておりますように、仕事の内容、それと責任の度合いについては、ほとんど実際には変りがないわけです。助教諭も学級を担任いたしますし、また教科も担当しておる。何ら責任に変りはない。ただ免許状の関係で一応分けられておりますけれども、責任と内容についてはほとんど変りがない。前者が不可能であれば、せめて、(二)、(三)表の教諭、助教諭だけについてでもまずお考えいただきたい。そういうことです。これについての御見解を伺いたい。
  71. 安嶋彌

    説明員(安嶋彌君) 助教諭は、御承知の通り制度上は、教諭が得られない特別な場合に任用されるものでありまして、根拠法といたしましては、教育職員免許法及び学校教育法がそういうことを明示しておるわけでございます。職務内容でございますが、職務内容といたしましては、学校教育法の施行規則に、助教諭は教諭の職務を助けるということになっております。お話のように、教室に入れば、独立して教育活動に当るわけでございまして、特に助けるという関係がないではないかといったような点もあるかと思いますが、学校の職員組織全体として見ますと、やはり助教諭は教諭の職務を助けるという建前になっておるものと考えます。また、職務の失態でございますが、御指摘のような点もあるかと思いますが、たとえば、教育活動に従事いたします際には、助教諭の場合におきましては、教諭からその教育の仕方等につきましていろいろ指導助言を受けることも多いかと思います。また、中学校におき示しては、御承知の通り、教科担任ということになっておるわけでございまして、教諭は学級を担任しないわけでございます。生活指導の単位でございます。いわゆるホーム・ルーム、これはおそらく教諭しか担当していないのです。助教諭はホーム・ルームを担当していないわけでございます。こういうように、制度上も実態上も、やはり教諭と助教諭の間には多少の差がある。こういうふうに考えております。
  72. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 なるほど文字で書きますと、教諭と、一方は教諭を助ける助教諭と、文字ではそういうふうに出てくるのですが、大都会、特に東京都のような場合には助教諭は少いと思うのですけれども、ことに山間地に行けば、助教諭の数は相当おるのです。しかも、今、助教諭は教諭を助けるという文字通りの御説明ですけれども、実際問題としては、先ほどから申し上げておりますように、助教諭もりっぱに学級を担任して、教科を担任して、何ら教諭におとらない実績をあげておるわけです。もちろん、学校教育法の二十八条に、校長、教諭、助教諭の区分のあることは、私ども承知しておりますけれども、これはただ法律上、形成上の区分であって実際には何ら変りがないわけです。こういう実態を机上だけでお考えにならないで、よく実態を把握せられて、十分この点はさらにお考えいただきたいと思います。全然そういうことは法で区分してあるから、そういう必要はないと、頭から投げやりにしないで、今後十分検討していただく必要があろうと思うのです、全然その必要ないと捨ててしまわないで。そういうようなことについてお伺いしたいと思う。
  73. 永岡光治

    永岡光治君 関連して……。この前私は、委員会でこの問題をお尋ねしたわけでありますが、職務の内容と責任の度合いにおいて俸給はきめる。こういうわけですね。なるほど助教諭であるかもしれぬけれども、たとえば生徒を受け持って行う限りにおいては、教諭と責任も何も全く同じですよ。そういうことを言っておきながら、実際は、たまたま助教諭であるからということで差別待遇することはけしからぬと思うのです。なるほど助教諭でも、そういう教育を受け持っていなければ、これは別でありますが、そうじゃなくて、四十名ないし五十名の生徒を受け持つ。同じように教育をするということであれば、当然私は、他の教諭と同じ待遇をしてしかるべきだと思うのです。これは確かに区別はあるでありましょう。教諭と助教諭の区別はありますが、一たび職務を同じにする限りにおいては、当然私は、同じ待遇を与えてしかるべきだ。こう思うのであります。その辺、なぜそれが適用されないのか、理由があれば承わりたいと思います。
  74. 安嶋彌

    説明員(安嶋彌君) 先ほども申し上げましたように、職務の実質におきましても、教諭から指導助言を受けて教育活動に当るという面がございますし、また、中学校におきましては、教諭がホーム・ルームを担当いたしますのに対して、助教諭がこれを担当しないといったような、職務の実質の差異があるわけでございます。  それから、差別待遇、差別待遇というお話でございますが、この俸給表の(三)をごらんいただきますと、第十四号俸までは、二等級の教諭の上り方と全く同じわけでございます。助教諭の実態はどうかと申しますと、勤続年数は大体五年以内でございまして、五年をこえますと、教諭の免許状を取得いたしまして、教諭に任命がえされるという場合がほとんどなのでございます。従いまして、実質上は、ことさら差別待遇をしたことにはならない、こういうふうに考えております。
  75. 永岡光治

    永岡光治君 それならば、なおさらのこと、最初から一緒にしてあげたらいいじゃないですか、支障がないなら。実際上五年たてば教諭になって何も最初からそういう区別をつけなくたっていいじゃないですか。区別をつけることによって、その教育上どういう得があるのですか。お前助教諭だということによって、しかも同じクラスを担当しておるのに、差別待遇をすることによって、教育上何か得があるのですか。私は、これはないと思うのですがね。むしろ励みをその助教諭に与えることになって、かえって教育上はいいのじゃないかと思うのですが、別段支障は何もないと思うのですがね。ねしろそういうことによって、マイナスの方が多くなりゃせんかと思うのですが、どうなんですか。そうして、数もそう大してないんでしょう。不利な黒があれば、教育上何か支障があれば、お尋ねいたしたいと思います。
  76. 安嶋彌

    説明員(安嶋彌君) 助教諭の数でございますが、小学校におきましては、昨年の指定統計によりますと三万五千人、全体の約一〇%ということになっております。中学校におきましては八千三百二十八人、全体の四・三%ということに助教諭の比率はなっておるわけであります。  教育上支障云々というお話でございますが、これはまあ、教育上はどういう扱いをいたしましても支障はないと存じますが、ただしかし、これは俸給表の問題でございますので、やはり資格なり職務の性質なりによって分けることが至当ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。職務の違いにつきましては、先ほどお話しておるような相違があるものと考えております。
  77. 永岡光治

    永岡光治君 それは私は、どこまでも観念論、形式論だと思うのです。実際、小学校なりその他を回って、区別するほんとうの理由があるかということなんです。私はないと思うのです。これはもう、父兄の方々みなそういう感じを受けているわけで、あなた方ひとりが、がんばっているだけにすぎないと思うのですね。だから、助教諭のままで、教諭の仕事をしていなければ別でありますが、いやしくも、教諭と同じような仕事をしておる助教諭については、同じ待遇をしてあげた方がいいのじゃないかということを私は言っているわけです。仕事も同じことをして、責任も持つし、勉強もするし、子供に対するいろいろな指導もしなければならないわけです。そういうことをさせておきながら、お前は助教諭だというために、待遇が悪いということはおかしいと思う。教諭と同じような仕事をさせなければ別です。全くの助教諭という仕事をさせられるならば別でありますけれども、そうでない限りは私は、やはり同じであるべきだ。それは人事院の精神だ。職務と責任の度合いに応じてこの俸給表を作ったと、こう言っておる。だから私は、非常におかしいと思うのです。これは形式論じゃないです。実際PTAの皆さんがそう感じておるわけですから、一緒にやってあげるべきだ。それを助教諭だということで区別することは、日本人特有の私は形式主義、観念主義だと思うのですがね。そのことによっていい効果は生れないのですよ。何か、それによって教育上非常にいい効果があるというなら別でありますが、むしろ悪い面ばかり出てきて、いい面はないのじゃないか。わずかな差異ですね、これは。聞けば五年くらいすると教諭になるという。それであれば、ほんとうに生徒を受け持つようになれば、当然そのときから教諭の待遇を与えてしかるべきじゃないか、こう思うのですが、実際論として私申し上げておきます。
  78. 安嶋彌

    説明員(安嶋彌君) 御指摘のような点は、実は十分理解できるのでございますが、ただ、大体その教諭の職務と助教諭の職務とは類似しているということはいえるかもしれませんが、先ほど来申し上げておりますように、やはり若干の相違があるのじゃないか。そういう相違に着目して等級を分けるということも、あながち理由のないことではない。こういうふうに考えております。
  79. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 今の永岡さんの質問に関連してお尋ねしたいのですが、今の質疑応答は、教諭と助教諭との権衡問題ですが、私がお尋ねしたいのは、その助教諭というものの今度の俸給と、それから助教諭と同じ学歴等の経歴を持っておるほかの一般職とかその他の表に該当する職員ですね。そういう者との権衡はどうなるのでございますか。かりに、ほかの言葉でお尋ねするならば、教諭と同じようにという規定をこしらえても、ほかの表に該当する、ほかの職にそれと不均衡になるような心配はないのかどうかということです。
  80. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまの、ほかの俸給表との関連がどうなるかというお話でございますので、文部省よりもわれわれの方が適当かと思いますので、お答え申し上げる次第であります。  教育職俸給表は、先ほど次長が申し上げましたように、一般のほかの俸給表に比べまして、水準差が高くなっております。従いまして、この助教諭のところも同様に、ほかの俸給表よりも高くなっております。その意味におきまして、これは一般俸給表よりも高いということがいえますのと、それから、先ほど文部省の方からお答えがございましたように、教育職俸給表の二等級と三等級でございまするが、三等級の助教諭というものは、新制高等学校を卒業いたしますると、これが仮免許状が下ります。この仮免許状というものは、一定期限が付してありまして、五年間であります。その五年間のうちに所定の教諭の資格を取る試験を、受けるわけでございまするが、そういたしますると教諭になる。それから教諭の力は、新制大学を卒業いたしまして、これで教諭の免許状がもらえる。この資格免許におきまして差異があるのであります。しかも七俸給表におきましては、新制高等学校を卒業しましたものが三年間たちますれば八千円に達しまして、これは、新制大学を卒業しましたものの初任給と同じことになっております。俸給表で二等級と三等級と、確かに区別はあるのでありますけれども、八千円に新制高等学校卒業しましたものがなりまして、なおかつその後における十年間、つまり十三年といってもいいのでありますが、その間は二等級と同じ俸給額が保証されておる。この五年間に、助教諭の免許状を取得しておりますおおむね多くの者は教諭の免許状を取られますので、そういたしますれば、二等級にかわられます。この五年間がたちますと、一応免許状の期限は切れるのでありますけれども、これはさらに更新いたしまして、さらに更新いたしまして、さらに五年間は助教諭の資格を得る。そういたしますると、その間においてまた勉強していただきまして、そして教諭の資格をお取りになれば二等級に上る。その期間が十三年間、教諭と同様の処遇になるということをつけ加えまして、お答えといたします。
  81. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 竹下先生の問題について、はっきりわかりますことは、初任給の基準がはっきり違っておるという点であります。今具体的に申し上げますと、この法律通りますと、何回も申し上げますように、この精神に従って人事院運用することになるのでありますけれども初任給基準が違うということを前提としてこの俸給表ができ上っておるわけです。従いまして、先ほど指摘の代表的なものは、行政俸給表(一)の場合と教育職俸給表(二)の場合のそれぞれの該当する処遇を御比較願えればわかるのでありますが、具体的に申し上げますと、新高卒は行政職方面ですと初任給が六千三百円であります。それが学校の方におきましては六千六百円で一号高い、新しい制度では。それから短大出身の方は一般行政職では七千四百円の初任給でありますのに対して学校の方は八千円で、これも一号高い。それから大学卒業の場合においては、行政職が九千二百円に対して、学校の方は九千八百円で、これも一号高い。  要するに、初任給原則として行政職俸給表に比べまして一号高いという線で参っております。大学の方におきましては、これよりはちょっと高いことになりますが、そういう具体的中味でやっておりますので、一般よりは明らかに高く相なっております。
  82. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に伺いますが、同じ大学を同時に出て、ある者は高等学校に勤務する場合もあるし、ある者は中学校、そうしてある者は小学校、こういう学校をみなそれぞれ選んで就職されると思うのですが、そういうのが実情です。それと、いま一つは、一たん高等学校に行ったが、何年かしてから中学に回ろうとする者も実際には出てくる。またその逆も考えられる。そういうふうに、学校間の人事の交流という点、それから同一学歴、同一勤年、そういうような点から考えて、第一表、第二表、第三表、それぞれこの俸給表を見ると、俸給金額が相当変っておるのですね。何ら統一がないですね。もちろん大学は有利で、次に高等学校、小、中は不利益になる。こういうふうに、いわゆる例の三本建というようなことも前からいわれておるのですけれども、同一学歴、同一勤年の場合でも、こうやって不利があるわけです。そうやって、学校間の人事交流の面に非常に支障が多いわけですね。こういう点について、文部当局ではどういうふうに考えておりますか。
  83. 田中彰

    説明員(田中彰君) 同じ大学を出崩して、大学に就職する場合、あるいは小、中、高に就職する場合に、初任給はそれぞれ同じでございますが、御指摘のように、その後昇給期間ないし閥差額等について、職域によって違いのありますことは、ただいま御指摘通りでございます。ただ、この点につきましては、御承知のように、現在の給与表がいわゆる三本建制度をとっております。それを今回の改正法律案におまましても踏襲をしたわけでございます。
  84. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に、各等級昇給の期間が、この表によっても同一でないことが指摘されるわけですね。これは、教育の本質論になると思うのですが、そういう教育の本質から考えても、各等級昇給期間の差を設けるべきでないと、そういうふうに私ども考えておるわけです。  一つの例を申し上げますと、新しい表で一普通の大学の場合と大学院設置の大学の場合では相当開きがある。たとえば、大学院を設置しておる大学の教授については、十八号、十九号、二十号が適用されて、二十号は六万四千八百円まで上れるということ、ところが、大学院を設置してない大学の場合は五万七千六百円で、その差は七千二百円という大きな開きがあるわけであります。これは、たまたま大学院設置の大学の教授につきましては非常に有利であるし、事情によって大半院を設置しない大学の教授になった場合には、そのように七千二百円の不利益を受けなければならぬ。こういう実態、こういう点については、どのように考えておられますか。
  85. 田中彰

    説明員(田中彰君) 大学院における教授研究を担当いたしておりまする教授は、大学院の学生に対しまして教授研究ないし卒業論文等の指導その他特殊な付加された職務内容を他の教授に比べて持っておりまするので、そこで、大学院を担当いたしません教官と差をつけておるわけでありますが、これは、現在の給与法もかような取り扱いになっておるのであります。今度の改正におきましても、この趣旨がこれらの大学院担当の教授につきましてもそのまま踏襲をされておるような次第でございます。
  86. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 大学院設置の大学の教授でも全部の教授が大学院の学生を教授するわけじゃないでしよう。大学院設置の大学の教授でも、普通の、大学院までいかない大学の学生の教授に当るということだと思うのです。その一部が大学院の学生を扱う。そういうことだと思うのですが、その点は間違いないのでしょうね。
  87. 田中彰

    説明員(田中彰君) もちろん、大学院を置きまする大学におきましても、すべての教授が大学院を担当するというわけではございません。大学院というのは、学部の基礎の上に設置をされるものでございます。その当該学部の教官のうち、特定の者が大学院を担当する、かよなことなると思います。
  88. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 そうだとすると、いよいよ大学院設置の大学と普通の大学の場合との不公平の扱いが露呈されるわけですね。これは十分考えなければならぬと思うのです。これは検討の要なしと、そういうふうに文部省としては考えておられますか。それとも文部省としても、これは不合理であるというふうに考えておられるか、その態度についてお伺いしたい。
  89. 田中彰

    説明員(田中彰君) 先ほど申し上げましたのは、実際に大学院におきまして、大学院の学生に対して教授研究その他の指導をいたしますそういう教官についてのみ、これらの優遇措置がとられるのでありまして、大学院の学生の教授研究を担当いたしません教官は適用がないわけでございます。
  90. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 関連して。今、田中参事官の御答弁によりますというと、大学院の設けてある大学の教授であっても、大学院の方の教授をやらない人は、特別のいい俸給は与えられないのだということでしたが、一度大学院の教授を兼ねてやりました先生がそれをやめて、普通の大学だけの教鞭をとるというようなことになった場合には、俸給はどういうことになりますか。格下げしますのですか。それはできないことじゃないかと思うのですが、その点を一つ。
  91. 田中彰

    説明員(田中彰君) 大学院担当の教授が大学院を担当しないということになりますれば、一般教官と同じスピードで昇給をしていくわけでございます。
  92. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そうすると、一度ちょっとでも大学院の教授になれば、それだけ普通の教授よりも特別の利益を与えられる。あとはずっと普通の教授並に上っていく、こういうことになるるですか。
  93. 田中彰

    説明員(田中彰君) さようでございます。
  94. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の点、人事院にお伺いしますが、文部省側の答弁でいいのですか。
  95. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 大体文部省側の答弁でけっこうでございます。大学院を置いてあります大学において、大学院の講座を担当している教授に備考の適用がある。従いまして、そこのところは、たとえば二等級の五万円をこえますようなところへ出ました場合、二つ措置があるわけであります。十五ヵ月昇給のところを、大学院の教授をしているために十二ヵ月になるという問題と、それからたとえば、教育職俸給表の二等級の十八号俸のところ六万円という欄があります。六万、六万二千四百、六万四千八百、この六万以上は、大学院の講座を担当していない者には適用がないということでありますけれども、ここのところをずっと突破して出た人はもうそこどまりになるということで、多少ちょっとおかしいといえばおかしい点はございますけれども、大学院の講座を担当しているという間の処遇は、その間だけである、こういうことです。
  96. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 あの表の備考だけ見ますと、大学院の設けてある大学においては、設けてない学校の先生よりも優遇されるという格好に見えますね。そうして別に、今大学院は部を標準にして置いてありますけれども、その大学院のある部に所属している大学院の先生だけというふうな、制限的な備考になっていないように見えるのです。そうすると、ほかのすべての……大学院のあるところは、たとえば医学部には大学院があるけれども、農学部にはない。その農学部の先生もその恩典に浴するというようなことになりそうに、あそこだけ見ると見えるのです。制限的の規定は、何で設けて規定してあるのですか。
  97. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 御指摘になります点は、たしかに疑問があるのであります。ただ、現行給与法におきまして、大学俸給表の備考に同様なことが書いてあるのであります。昇給期間を短縮という文字は出ておりませんけれども、十一級七号俸、八号俸、九号俸は、「大学院を置く大学の教授について適用する」。「大学院を置く大学の教授について適用する」というところは、今竹下委員の御指摘になりましたような疑問がございます。従いまして、ここのところは、さらに人事院が通牒を発しまして、この解釈を出しているわけであります、現在の運営におきましては。ところで、この原案は、大体現行法の備考を踏襲して書いて、その趣旨は、現在でも、人事院で通牒を発しているのであるから、そういう解釈でいこう、こういう政府側のお考えであったようでありますが、たまたま衆議院でこの備考の(四)を新設されたわけであります。その備考の(四)を新設されますときに、教授のみについてやらないで、助教授についてもそういう措置をやったらいいじゃないかという御議論が出まして、この備考の(四)が衆議院の修正で出て参ったのであります。そのときに、今御指摘になりましたように、これだけでは意味がうまく通じないのじゃないか、講座を担当するということをはっきり言った方がいいではないかという御議論が出たのであります。しかしそれは、現在人事院の通牒でそうやっているならば支障ないじゃないか。その通りでいいじゃないか。これを読んだだけだとわからんけれども、そういうことが実態として間違いない。この俸給表を全部の人が知らなくてもよろしいのでありますから、文部省と当該大学と人事院とが知っておればよろしいのであります。その間において疑義がなければそれでいいではないかということで、一応問題になったのでありますけれども、このままこの四号の備考が追加されたという経緯でございますが、念のために……。
  98. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、この備考は、大学院を置く大学の教授のみに適用するというのは、意味としては、大学院の教授のみに適用すると、通俗的に、大学院の教授のみに適用すると、こういう意味に解したらいいのですか。
  99. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) 今、秋山先生のおっしゃるのとちょっと違うのでありまして、これは、実を言いますと、ここのところはいつも問題になっております。三本建ての教育職俸給表ができましたときに、議員提出法律案としてここら辺全部きまったところなのであります。そのときの議論過程からいたしまして、今盛んに問題になっておりますように、大学院を置く大学にある教授すべてに適用するのではないのだ。やはり実際において担任する種目そのものが大学院の仕事、そういうものをやる者についてのみ適用するのだという論議過程がありまして、この法律につきましては、第二条の第一号に、人事院がこの法律の解釈については一切の解釈権を持つ、この実施もまたその責に任ずるというような、第二条は、人事院に広範な権限を与えておるわけであります。従いまして、法律の文面からいえば、非常に疑問の点があるのでありますけれども先ほど申し上げたような沿革的事由がございましたので、すべて人事院の解釈でやっていこうということになりまして、具体的にその解釈通牒の部分を読み上げてみます。昭和二十八年十二月七日、給実甲第八十二号という通牒の中にあるわけでありますが、「大学等教育職員紋別俸給表の備考2の「大学院を置く大学の教授」とは、大学院の講義、実験実習又は演習を担当する教授及び大学院の学生の研究を指導する教授とする。」つまりこれのみに限定をするという解釈通牒を出しまして、それによって現在運営いたしております。従いまして、この改正法の通りました暁におきましても、同様の運営をいたそうと実は私ども考えておる次第でございます。
  100. 秋山長造

    ○秋山長造君 だから、ここには「大学院を置く大学の教授のみに適用する。」大学院を置く大学と、こう書いてあるから誤解が起り得るのです。院さえあれば、自分は大学院を教えてなくても、その大学に勤めておればこの適用を受けるという、こういう誤解が起り得るでしょう。だからこの意味は、通俗的には、大学院を置く大学ということでなしに、大学院そのものの教授のみに適用すると、こう解釈したらいいのですかと聞いているのです。
  101. 慶徳庄意

    政府委員慶徳庄意君) さようでございます。
  102. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 これでお話はわかりましたが、人事院の取り扱いはそういうことにされる。今日までもやっている。それは、法律によって与えられた権利を侵害するという問題は起らないのですね。
  103. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいま次長から申し上げましたように、この法律全体の解釈につきまして疑問がありますときに、人事院の解釈権がこの法律によってございますので、その解釈権に従って、意味の不分明なところを補足する通牒を出して、人事院が解釈をしておるわけでございます。
  104. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 今まで人事院の解釈権にまかせておったから、その通りにやっておってよかろう、こういうわけですね。しかしその考え方が、法律的に考えまして、権利の侵害になるかならないかということをお尋ねしている。衆議院ではそういうことになったかもしれないけれども。それはいいのですか、それで……。
  105. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それは、明確にした方がより好ましいだろうということは、もう申し上げるまでもないと思います。ただ、私が先ほど申し上げましたように、本問題が全部国家公務員関係のある問題でございませんので、限られた教育職員、ことに大学院がありまする大学の、しかもその大学院の教授、あるいは演習、学生指導等を担任しておる教授だけの問題でございますので、せまい範囲のことでございまするので、便宜そういう方法をとってもよろしいのではなかろうかというのが衆議院の四聖をつけられましたときの態度であったように承知いたしております。
  106. 秋山長造

    ○秋山長造君 それから、文部省についでに伺いますが、先ほど伊藤委員から御質問のあった点なんですがう……。
  107. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと、今の点で私聞きたいところがあるから……。先ほど文部省並びにあなたの方の御説明を聞いたのですが、これは竹下さんもちょっと御指摘、非常に疑問に思っておられるのですが、私も、この法文の中からそういう人事院が通牒を出すという権限というのですか、そのもとというものが出てこないと思うのです。もとがあって初めてその範囲内における一つ解釈、運用等を人事院が操作していく。これが第二条における人事院の権限だと思うのです。もとそのものにそういうことをおっしゃるようなものは、それは出てこないのですよ。これは、このまま読んで、それじゃ大学院に関係していなくても、普通の教授の方がこれをごらんになったら、おれはこれはもらえるのだというふうに解釈するのは当り前なんですよ、これは。だから、それが普通なんで、そういう疑問があるのだとしたら、法律を改正するときに、これは疑問のないようにやっておくのが当然なんで、従来の運用も、それは私は間違っていると思うのですが、その間違っているのをそのまま、いろいろ論議が衆議院段階でも出たというのに、そのままにしておくというのは、はなはだ法律に対して不忠実だと思うのですね。やはりそういう不誠意はいかぬと思うのですよ、どんな法律の場合でも。だから、これははっきりしたって何でもないことですよ。これは私は、このままであれば、新しくそういう要求が教授の方から出た場合には、裁判所がどう解釈するか、ちょっとわからないと思うのですよ。人事院のそんな解釈にどうしたってならないと思うのです。やはりこのままに読めば、大学院がある大学というのは、普通の大学よりも格が違うのだ、そういう考えが背景になってこういう扱いをしているのだ、こうなるのが、これは当り前ですよ。それが間違いだとするならば、それは法文上はっきりしておかなければならない。そういうふうにはっきりして差しつかえないのじゃないですか。差しつかえないでしょう。はっきり言って下さい。
  108. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) おっしゃるように、先ほど私が申し上げましたのは、便宜についた議論であります。しかもそれは、われわれが修正するのではないのでありまして、衆議院が御修正になりまして、そのときに参考にわれわれ申し上げまして、まあ便宜に使われたわけでありますが、御指摘のように、はっきりすれば、それはなおけっこうであります。
  109. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 重ねてお伺いいたしますが、これは、特別の待遇をするという問題は、昇給期間が短縮するということのほかに何かありますか。
  110. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それだけでございます。
  111. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そうすると、法律的な疑問が起るのですが、昇給期間というのは、まあ十五ヵ月とか十二ヵ月ありますね。十二ヵ月たったら上げなければならないという規定であるならば、それは、この俸給表に該当する人にはそれだけの権利を法律で与えたということになるのです。しかし、十二ヵ月経っても、上げても上げないでも、それを認定する権限を持っているところできめればいいのだということだったら、十二ヵ月たっても、士五ヵ月たっても上げないでも、与えられた権利の侵害にはならないということになってくるのです。そこに私は疑問を持つ。法律解釈として、人事院でそういう通牒をお出しになることが法律違反になるのか、横暴になるのかならないのかというように分れていくのじゃないかというように思うので、今、私自身としては、今までの手続、あるいはこの規定に、この修正案による手続が権利の侵害になるのかどうか。言いかえれば、あなた方のやり方が越権なのかどうかという問題、今のところ、私はまだ解釈ははっきりしていないのですけれども、その点はどうですか。
  112. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この昇給ということは、すべて十二ヵ月たてば昇給する権利があるというものではないのでありまして、最短昇給期間としてそれがきめてあるということでございまするから、たとえば十五ヵ月が最短昇給期間できめてあります場合には、これは、十二ヵ月で昇給さすことはできないということはございます。ただし、十二ヵ月が最短できめてありますものは十二ヵ月で切っているしい。場合によりましたら、十五ヵ月の場合でも違反だとは言えないと思います。ただ、従来給与法運用において、どういうことが行われてきたかと申しますると、大体大過ない限り、この最低昇給期間で実際の昇給は行われておったという事実はございます。  それから、先ほどちょっと感違いしまして、変なことを申し上げたのでありますが、備考の(三)によりますれば、ただいま問題になっておりまする昇給期間を、十五ヵ月を十二ヵ月にするという問題がありまするが、さらに備考の(二)によりますれば、大学院を置く大学の教授は、二等級の十八号、十九号、二十号というものが昇給していける。大学院を置かない大学の教授は——そういう言葉を、使わしていただけは——いけないと、その二つの点がございます。
  113. 秋山長造

    ○秋山長造君 ちょっと一つだけお尋ねしますが、先ほど財務課長から伊藤委員へお答えになった助教の問題ですね、小学三万五千人、中学校は八千三百二十三人いる。この助教の中で、実際に学級を担任しておる助教が、小中学校それぞれ何人いるのですか。
  114. 安嶋彌

    説明員(安嶋彌君) 御承知の通り、小学校は学級担任を建前といたしておりますし、中学校は教科担任を建前としております。小学校の助教につきましては、従いまして、おそらく全部が学級担任しておるであろうと思います。それから中学校につきましては、教科担任という建前をとっておりますので、まあ先ほど申し上げました特別教育活動の単位といたしましてのホーム・ルーム、クラスを担任しております助教諭はおそらくない、ないしは少いだろうと思います。
  115. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると、小学校の方は教諭、助教諭を問わず、全部平等対等に学級担任をやっておるということをあなた自身もお認めになっておるのですね。そうすると、先ほどの議論にまた帰るのですけれども、一体これは、俸給表で分けなければならぬ理由はどこにあるのですか。ただ学校教育法の中に書いてあること以外には何にもないのですね。どこにあるのですか、実質的に分けなければならぬという理由は。
  116. 安嶋彌

    説明員(安嶋彌君) 分ける理由は、建前が違うということが一つ、実質上の職務内容につきましても、先ほど来申し上げておりますように、同じ学級を担任するにいたしましても、たとえば、その学年主任の教諭等から受ける指導助言というのも相当私は多かろうと思います。そういう意味で、やはり職務内容が若干違うのであります。こういうふうに考えております。
  117. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をやめて。    〔速記中止〕
  118. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。  委員会は、これにて散会いたします。    午後三時四十六分散会