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1957-04-18 第26回国会 参議院 内閣委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十八日(木曜日)    午前十時四十五分開会   ―――――――――――――   委員異動 本日委員井村徳二君辞任につき、その 補欠として木島虎藏君を議長において 指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     亀田 得治君    理事            上原 正吉君            大谷藤之助君            秋山 長造君            竹下 豐次君    委員            植竹 春彦君            木島 虎藏君            木村篤太郎君            前田佳都男君            松岡 平市君            松村 秀逸君            荒木正三郎君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            永岡 光治君   衆議院議員            大平 正芳君   政府委員    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    人事院事務総局    給与局次長   慶徳 庄意君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     大山  正君    防衛庁人事局長 加藤 陽三君    大蔵省主計局給    与課長     岸本  晋君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   衆議院法制局側    参     事    (第一部長)  三浦 義男君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○一般職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件   ―――――――――――――
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員変更について御報告いたします。本日付井村徳二君が辞任され、その補欠として木島虎藏君が選任されました。右、御報告いたします。   ―――――――――――――
  3. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案  特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案  以上、三案を便宜一括して議題に供します。まず、政府当局から逐条説明をいただき、引き続き、衆議院修正点について、修正案提出者から御説明を願いたいと存じます。
  4. 大山正

    政府委員大山正君) 第二条第四号中「職務の級」を「職務等級」に改めましたのは、今回、現行の十五級の職務級別制度を改めまして、各俸給表ごと職務等級別制度を設けたことに伴うものであります。  第五条第一項前段を削除いたしましたのは、第六条の規定改正に伴いまして、特に置く必要がないと考えたからであります。  第六条は、全条を改正いたしまして、新しい俸給表の体系を規定いたしたものであります。  まず第一項は、俸給表の秘教に関する規定でありますが、現行の五種類七表の俸給表を改めたものでございまして、衆議院における修正によりまして、七種類十四表ということに改正になっております。なお、俸給表適用範囲につきましては、各俸給表の備考に規定いたしておりますが、具体的には、人事院規則定められることになります。  第二項は、第二十二条に規定しております非常勤職員及び附則第三項に規定しております未帰還職員を除きまして、その他のすべての職員にこれらの俸給表適用することを明らかにいたした規定であります。  第三項は、職務段階区分といたしまして、従前の十五級の分類にかわつて、各俸給表ごとに独立した俸給区分分類するように改めた規定であります。なお、等級分類する基準といたしましては、職務の複雑、困難及び責任の度に基くことを明らかに規定いたしております。  次に、第六条の二を改めましたのは、従来の一般俸給表の十五級に相当する官職が今回、行政職俸給表(一)、研究職俸給表または医療職俸給表(一)の各一等級官職となりましたことに伴いまして、技術的な修正を行なったものであります。  同条後段に、新たな規定を加えましたのは、一等級最高号俸を受けている職員につきまして、長期間勤務いたしました場合には、その職員につきましても、俸給増額措置を考慮する必要があると考えたからであります。  次に、第八条は、初任給及び昇格に関する規定であります。新しい第一項は、級別定数に関する現在の第二項及び第三項を整理いたしまして、新たに等級別定数に関して規定したものでありまして、等級別定数は、先ほど申し述べました第六条第三項の職務分類基準に適合することを必要とするように改めたものであります。  次に第二項は、職員職務等級決定する基準に関して規定したものであります。第三項は、初任給決定基準に関する規定であります。第四項は、異なる等級に移動した場合並びに同一等級内で初任給基準を異にする他の官職に移りました場合の号俸決定基準に関する規定でありまして、これらの基準につきましては、いずれも現行同様、人事院規則に委任するということにいたしてあります。  次に第五項は、職員俸給月額決定に際しまして、他の職員との権衡上必要ある場合におきましては、その者の属する職務等級最高号俸をこえて俸給月額決定することができる旨を規定したものであります。  次に第六項は、昇給制度に関する規定でありますが、昇給は、俸給表の各号俸について明記されております昇給基間を下らない期間を良好な成績で勤務した場合に行うことといたしました。また、初任の場合及び等級間の移動の場合における人事院調整措置に  ついて規定いたしております。  ワク外昇給につきましては、新しく第八項に規定いたしておりまして、昇給期間は、ワク外昇給につきましては、一般には三十六カ月、修正になりました行政職俸給表の(二)におきましては二十四カ月と規定いたしておりますが、昇給金額等につきましては、人事院規則にゆだねております。  次に、第九条の第一項中「俸給月額」とありますのを、「俸給月額」という言葉に改めましたのは、今回の改正に際しまして、俸給月額という言葉には、号俸及びワク外俸給月額を含むが、調整額は含まないという用例にいたしました。調整額を含む場合には、「俸給月額」という表現にすることにいたしましたために、改正いたしたものであります。  第十条は、俸給調整額規定でありまして、その規定整備いたしたものであります。  第十条の2の改正は、第九条と同様文言整備にすぎません。  以下、衆議院修正になりました勤務地手当に関する規定の点がございますか、これを省略いたしまして、次に附則に関する御説明をいたします。  法律案の二十二ページに附則規定がございます。附則の第一項は、この法律施行及び適用期日に関する想定であります。  第二項は、四月一日における俸給の切りかえについて規定いたしたものであります。四月一日の職員俸給月額は、その旧俸給月額、すなわち三月三十一日の俸給月額でありますが、これに対応するところの切替表の新しい俸給月額に切りかえられることになるのでありますか、その場合、新俸給月額は、原則として旧俸給月額現行制度のもとにおける一号上位の額に見合う新しい俸給表上の直近上位の額といたしたのであります。なお、旧俸給月額につきましては、例外の規定を設けてありますのは、新しい俸給表号俸編成の相違によりまして、現行特別俸給表水準差及び俸給調整額の一部を新しい俸給月額への切りかえに際して調整する必要があると考えたからであります。  第三項及び第四項は、今回の切りかえにおきまして、切り上げ金額平均化をはかり、かつ現在の職員間の給与上の序列を原則として、くずさないようにするために、四月一日に一斉に切りかえることをいたしませんで、切り上げ金額の大きいものにつきましては、四月一日におきましては、現制度における一号上位の額を受けるにとどめました。新俸給月額への切りかえは、七月一日あるいは十月一日に行う、いわゆる逐次切りかえの方法について規定したものであります。  第五項は、切りかえ日以降における最初の昇給につきまして、従来の持っておりました経過昇給期間を通算すること、及び切りかえ期間または昇給基間につきまして、三月短縮を行うことを規定いたしたものであります。この場合におきまして、改正前の法に定め昇給期間最短期間をこえる部分に相当する期間は通算されないことといたしております。  なお 経過昇給期間が三月未満で、人事院が特に指定する職員については六カ月を短縮するということにいたしておりますのは、原則通りの切りかえを行いました場合には、旧俸給月額が一号下位のものより不利となるものが生ずる。すなわち逆転を生ずるおそれがありますので、その間の調整をはかることといたしたものであります。  第六項の規定は、切りかえに際しまして、切り上げ金額において、切替表定められた期間に相当する部分がすでに考慮されているものにつきましては、これを次期昇給昇給期間に通算しない旨を規定いたしたものであります。  第七項は、前二項の規定によりまして通算される経過昇給期間が、俸給表定めております昇給期間をこえる場合には、その職員は切りかえ日に昇給いたしまして、昇給期間の三月短縮の利益を受けないことになりますので、次期昇給に際して、三月短縮を実現させようとする趣旨であります。  第八項は、五万七百円をこえる職員につきまして、一等級職員との均衡を考慮いたしまして、次期基昇給について調整する必要がありますので、附則第五項の規定にかかわらず、人事院定めるところによるといたしたのであります。  第九項は、昭和二十六年一月一日にワク外昇給制度か設けられておるのでありますが、その以後におきまして、ワク外昇給をした職員について、今回の俸給制度改正に際しまして、他の職員との均衡調整をはかる必要が認められるものにつきまして、昇給期間短縮できる旨を規定いたしたものであります。  第十項は、今回の切りかえに当りまして、各等級の初号に達しないものにつきましては、俸給表昇給基間の定めかありませんので、人事院規則定めることといたしたのであります。第十一項は、今回の俸給制度改正によりまして、俸給表種類職務等級区分か大幅に変更されますために、等級別定数決定その他に相当の時日を必要とすると思われるのでありまして、施行日から直ちに実施するということに若干の無理がありますので、職員職務等級決定につきましては、六月三十日までの猶予期側を設けまして、その間におきましては、改正後の法の規定による給与の内払いといたしまして、原則として旧俸給月額の一号上位の額を支給できる旨の経過規定を設けたものであります。  第十二項は、当然の規定でありますが、俸給表の切りかえに際しての例文となっておりますので、規定したものであります。  第十三項は、第六条の二の規定適用を受ける職員は、同条の規定に基いて新俸給月額決定するという趣旨でございます。  第十四項は、今回の制度改正が相当大規模な改正であり、切りかえについて本法案規定しました以外に必要な事項があるかもしれませんので、その取扱い方を人事院規則に委任したものであります。  第十五項は、現行一般職職員昇給に関する法律の一部を改正する法律附則第六項に規定しております従前の例をそのまま踏襲いたしたものであります。  以上、関係条文につきまして逐条説明いたしたものであります。
  5. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  6. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をつけて。
  7. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について逐条説明申し上げます。衆議院修正になりました分は、説明を省略さしていただきます。  修正点の第一点は、第十五条の改正でございまするが、新設規定を置いたわけでございますが、この第十五条の趣旨は、常勤国家公務員といたしまして永年勤続された方であって、現在特別職であられる方につきましては、一般職職員の方との給与権衡を考慮する必要上、特別手当というものを新たに設置することにいたしたわけでございます。  その趣旨を簡単に申し上げますと、常勤職員として、国家公務員として一生終始される方についての給与権衡ということをはかる目的でございますが、現在、一般職特別職とでは、給与制度を若干異にしておるわけであります。特に一般職につきましては、ことに上級職員の方になりますと、格づけの変更あるいは昇給ということによりまして、給与が上る仕組みになっておりますが、特別職職員につきましては、俸給一定金額据え置きになっておる状態でございます。そういう関係で、ある年限を過ぎますと、給与そのほかいろいろな手当を加えました総収入が、特別職の方より一般職が多くなる事例が、特定の個人のものについて起り得るわけであります。そうした場合、政令をもちまして特別な手当でもってその差をカバーいたそう、こういう趣旨でございます。  第二点は、別表俸給金額改正点でありますが、今回の特別職職員俸給金額改訂、これは原則として行わないという建前にいたしております。と申しますのは、特殊の、秘書官とか式部官長東宮大夫、一部の方は別でございますけれども、その他一般的な俸給金額改訂は行なっておりません。その趣旨は、一般職の今回の給与改訂ベース改訂ではないということ、第二点は、人事院勧告によりましても、あるいは政府の提出いたしました一般職給与法改正案によりましても、一般職最高七万二千円の俸給金額はそのまま据え置きとなっておるわけであります。従いまして、それより上の俸給金額に、特別職につきまして俸給金額改訂するということはいかがかと思われますので、この際、原則としては改訂いたさないということにいたしたわけであります。ただ、特別職の中におきましても、七万二千円より以下の俸給の方があります。東宮大夫式部官長、それから秘書官などであります。この方々の金額を、一般職の同格の方の俸給表が今度改訂になりまして、それに権衡をあわせて改訂いたしたということであります。  まず、別表第一中の五万七千円を六万円に改めておりますが、これは東宮大夫式部官長俸給月額であります。これも一般職権衡を考慮して改めたわけであります。  次に、大使俸給号俸が若干変っておりますが、これは別段俸給金額改訂したという趣旨でなく、大使の一号俸といたしまして、新たに六万六千円という号俸一つ追加したというだけの改正でございます。  別表第三は秘書官でございますが、これも一般職権衡を考慮して俸給金額改訂いたしたわけであります。  以上が政府提出特別職給与法改正案逐条趣旨でございます。
  8. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案政府原案につきまして、御説明を申し上げます。  まず、今回の改正法律案の中心でございます防衛庁職員給与制度改正につきましては、実質的には、一般職職員俸給制度改正内容均衡をとりまして、俸給表建前は、おおむね現行通りといたしたのでございます。すなわち、俸給表は、別表第一の次長議長及び参事官等俸給表別表第二の自衛官俸給表の外、事務官等につきましては今回改正されます一般職職員給与に関する法律別表第一から別表第八までの俸給表によることとし、原則として三本建としております。次長及び議長俸給月額据え置きであります。参事官等については三等級との俸給表を設け、自衛官については従前と同様各階級別にそれぞれにつき一般職と対応する号俸基礎にして従前通り算定方式で作成いたしました。  次に、改正案文につき順を追って説明いたします。  第四条の改正規定は、別表番号変更に応ずるもの及び事務官等については一般職職員俸給表によることを規定したものであります。  なお、同条第三項に加えました、ただし書の規定は、幹部自衛官候補者として採用した者は、原則として一等陸曹一等海曹または一等空曹階級に任命いたしますが、それらの任用基準学歴等において必ずしも同一でありませんので、候補者である間の俸給は、任用基準に応じて政令定める額といたしたのであります。  第四条の二の規定は、職務等級に関するものでありまして、参事官等及び事務官等にのみ適用されるのであります。一般職職員について今回従前職務の級を職務等級に改めましたので、これに対応して参事官等及び事務官等にも、原則として均衡をとった職務等級を設け、その分数基準等級ごと定数等に関しては、すべて一般職職員について人事院定め内容に準じて政令定めることとしたのであります。  第五条の改正規定は、職員として採用された者の初任給決定基準及び職員相互間の異動等に際しての俸給額決定基準並びに昇給基準一般職職員のそれが人事院規則をもって定めることとなっておりますので、防衛庁職員についてもこれを政令定めることとしたものであります。  第六条から第九条までの規定を削除いたしましたのは、従前それらの規定初任給昇給、昇任、降任、職員相互間の異動に際しての俸給額決定基準規定しておりましたが、ただいま申し上げましたごとく第五条の改正規定により政令でその内容定めることといたしましたので削除することとした次第であります。  第十条の改正規定は、参事官等事務官等及び自衛官の三者の相互間の異動の際に、前職をして他職に変る場合の俸給の計算の取扱いについて必要な規定をいたしたものであります。  第十一条の二の改正規定は、俸給調整額についてのものでこれに関する一般職職員給与に関する法律第十条の規定が全文改正されたことにより、これにあわせてその表現を改めたものであります。  第十一条の三第一項、第十三条第一項、第十四条及び第十八条第一項の改正規定は、条文整理等に伴う字句修正であります。  第十六条第三項の改正規定は、第十八条の二第二項の改正規定と関連するものであります。すなわち、従前航空手当乗組手当及び落下傘隊員手当は、期末手当及び勤勉手当額算定基礎に含めていたのでありますが、自衛官人事異動を円滑にするため、今回第十八条の二の改正規定をもってこれらの手当期末手当及び勤勉手当額算定基礎から除くことをするとともに、他面第十六条第三項を改めて航空手当等の額を引き上げて現行水準を維持することとしたものであります。  第二十七条の改正規定は、自衛官公務災害者に対する補償金額算定根拠となる平均給与額算定方式につきまして、給与期間を単位として行うこととし、実務を簡素化したものであります。  第二十八条から第二十八条の三までの改正規定は、従前第二十八条及び第二十八条の二において定めていた任用期間定めのある隊員に対する特例退職手当自衛官に対する国家公務員等退職手当暫定措置法規定適用特例及び訓練召集公務上の障害をうけ、または死亡した予備自衛官に対する退職手当についてその条項を整備するとともに、任用期間定めのある隊員特例退職手当を受けた者が国家公務員等退職手当暫定措置法第九条及び第十条に規定する解雇予告手当及び失業者退職手当を受ける場合の規定整備をはかったものであります。  別表第三から別表第七までを削除いたしましたのは従前別表第三をもって規定していた自衛官俸給表別表第二となり、従前別表第四をもって規定していた昇給期間は新たな俸給表規定されることとなり、従前別表第五から別表第七までに掲げていたいわゆる通し号俸表は、今回廃止いたしましたので、いずれも不要となったからであります。  附則第一項の規定は、この法律施行期日規定いたしたもので、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案施行期日と同様に、昭和三十二年四月一日といたしました。  附則第二項から附則第十五項までの規定は、俸給表改正に伴う新旧俸給額切替及び切りかえに伴う措置に関するもので、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案附則第二項から附則第十四項までの規定の例によるものであります。  附則第十六項の規定は、今回の給与改訂により、通し号俸表が廃止されたことに伴い、従前通し号俸について恩給額算定基礎となるべき金額規定していた恩給法第五十九条の三の規定改正したものであります。  附則第十七項の規定は、事務官等職務の級が職務の等給に変えられたことによる自衛隊法中の字句改正であります。  以上をもちまして補足説明を終ります。
  9. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは、引き続いて修正案を……。
  10. 大平正芳

    衆議院議員大平正芳君) 衆議院における修正案につきまして御説明申し上げます。  衆議院におきましては、ただいま議題になっております三法案重要性にかんがみまして、内閣委員会に小委員会か設置されまして、数回にわたって熱心な検討を続けましたわけでございます。その結果到達した結論に従いまして、今岡の修正案を用意いたしたわけでありますが、衆議院内閣委員会における小委員会決定事項は、大まかに申しまして三つございまして、一つは、この際立法措置をとることを必要とするものと、将来立法措置を予想されるものと、それから、政府並びに人事院におきまして運用上御留意を願わなければならぬことと、三つになっているわけでございますが、今回この修正案に盛られましたものは、その第一の、この際といたしまして、立法措置をとる必要を認めたものでございます。それは四点でございまして、一つは、俸給表のうち、政府原案にありました行政職俸給表の(一)、(二)を統合するということ、それから、技能労務職俸給表の(一)、(二)をやめまして、これを統合すると同時に、呼称を変えまして、行政職俸給表の(二)にいたしたということか第一点でございます。  第二点は、初任給新高卒につきまして三百円、新中卒につきまして二百円をそれぞれ引き上げることにいたしました、この関係からいたしまして、俸給号俸に小範囲調整を加えたことでございます。  第三点は、勤務地手当制度昭和三十二年三月三十一日限りに廃止いたしまして、暫定手当に切りかえたことでございます。その関係で、広範な修正案が用意されているわけでございますが、一般職職員給与に関する法律案附則十六号から二十七号にわたる部分暫定手当規定でございます。  第四といたしまして、勤務地手当の廃止に伴う関係法令整理の問題がございます。これを附則の三十四号から四十一号に規定いたしておるわけでございます。  特別職職員給与に関する法律案に対する修正案並び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対する修正案、これは、いずれも一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案に準じまして措置いたしたものでございます。俸給表が変りましたこと、初任給が変りましたこと、勤務地手当が廃止されましたことに伴う条文整理にすぎないわけでございます。逐条説明は、御要求によりまして、衆議院法制局の方から御説明申し上げたいと思いますが、一応簡単に、修正案の概要につきまして御報告申し上げた次第でございます。
  11. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  12. 秋山長造

    秋山長造君 衆議院法制局の方から逐条的な説明を聞いた方がいいと思いますか……。
  13. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をとめて。    〔速記中止
  14. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。
  15. 大平正芳

    衆議院議員大平正芳君) 衆議院における修正案の理由につきまして御説明申し上げます。  第一の俸給表改訂でございますか、この点につきましては、技能職の俸給表という呼称を持つことが、この俸給表適用される職員諸君の差別感を喚起し、かつ勤労能率を阻害するおそれがありますので、これを行政職の俸給表というものに呼称を変えていくということと、それから、行政職俸給表(一)、(二)を統合し、かつ、技能職俸給表の(一)、(二)を統合いたしましたのは、行政職の(二)ないし技能職の(二)に含まれまする職員の諸君の将来に対する処遇の改善の希望を与えようとするものでございます。  それから、初任給の引き上げでございますが、今回の政府御提案にかかる給与制度の改善案は、いわゆるベース・アップ方式をとつていなくて、特別昇給という建前をとつておられます。従いまして、初任給全部にわたりまして改訂を行いますることは、ベース・アップ方式と混淆するおそれがあるわけでございますが、しかし、民間における初任給、三公社五現業における初任給等々との均衡をみまして、放置することができない部分、すなわち、新制高等学校あるいは新制中学校の卒業生だけにつきまして、若干の改善を加える、そういうことは、その建前を根本的にくずすわけでもないわけでございますので、これは改訂する要があろうと、こう認定いたしたわけでございます。  それから、第三点の暫定手当の問題でございますが、御承知のように、現行勤務地手当制度は、行財政特に人事行政面に非常な弊害がありますことは、一般に認められておりますので、何らかこれに対する措置を早晩しなければならない時期が熟しておるということもまた、一般から認容されておったことと思うのでありますが、そこで、これには、勤務地手当をどう整理して参りますかということにつきましては、いろいろな考え方があるわけでございますが、まず第一に、ともかく最高の政治判断といたしまして、勤務地手当は廃止しようという大原則をこの際打ち立てようということで、昭和三十二年三月三十一日をもちまして、勤務地手当を廃止するという原則を確立いたしたのであります。しからば、廃止されたあとにおきまして、現在職員が受けておりまする勤務地手当相当額をどのようにカバーして差し上げるか、現給をどうして保障するかという問題と、勤務地手当にかわる制度が、手当が、こういう性格をもつべきかということにつきまして、いろいろ論議が重ねられましたが、結論といたしまして、まず、勤務地手当というものを整理する以上は、御承知のように、勤務地手当は、本俸と家族扶養手当をベースにいたしまして、今まで支給されておりましたのを、本俸を基準にしていくというようにすべきではないかということで、今度新しく設けられます暫定手当につきましては、扶養手当をその算出の根拠にしないということにいたしたわけでございます。それから、現給の保証の問題につきましては、そういう制度をとりましても、扶養家族が多い者につきましては、当分の間現給を保証しなければならぬという意味におきまして、その保証規定をおいてあるわけでございます。また同時に、この暫定手当は、言葉の示すごとく、あくまでも暫定手当でございまして、いつの日か終局的にこれを整理しなければならない。そういたしますと、考え方といたしましては、これを逐次本俸に繰り入れることに相なるわけでございまして、その場合に、扶養家族の多寡によりまして、手当が属人的に金額がおのおの変つておるという状態では、本俸に繰り入れる技術が円滑に参りませんので、そういう理由もございまして、暫定手当は、その基礎に扶養家族手当を算入しないということにいたしたわけでございます。また、暫定手当の支給区分は、現行勤務地手当の支給区分をそのまま踏襲することにいたしております。しかしながら、御承知のように、合併市町村につきまして、同じ市町村区域内における暫定手当に厚薄がいつまでも残存しておるという状況は、これまた放置しがたいと認めまして、今回とりました措置は、昭和三十四年の四月一日までに現行の無級地を整理してしまった段階を起点といたしまして、合併市町村に伏在いたしておりまする暫定手当の不均衡を逐次是正していこう。こういう方針を確立いたしたわけでございます。しかし、これをどう整理していくかということにつきましては、今ここで立法する必要もございませんと思いまして、これは、衆議院の付帯決議に入れまして、その時点になりまして、あらためて立法をお願いすることにしようということにいたしたわけでございます。  関係法例の整理の問題は、先ほど申し上げました通りでございます。  こういう修正案を実施するにつきまして、予算との関連はどうなるのかということでございますが、衆議院修正案をもちましては、本年度に限りましては予算上不都合はない。ただいま成立いたしました予算の実行でもって十分消化できるものと思っております。しかし、明年度以降にわたりますと、暫定手当関係におきまして、四級地の少い、無級地の多い地方職員関係、義務教育職員関係につきましては、明年度におきまして約三十億円、明後年におきまして、五十八億円の所要経費が追加されるわけでございます。この点につきましては、政府側におきましても、万やむを得ないものと了承を願つておるわけでございます。  なお、御質疑に応じまして御説明申し上げますが、概要は、今申しました通りでございます。
  16. 三浦義男

    衆議院法制局参事(三浦義男君) 私から、ただいま提案になっております一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律修正案のおもな点について、お手元にあります案に従いまして申し上げたいと思っております。  第一は、第二条の改正規定のところでございますが、その中の「改める」というところを「改め、同条第六号を次のように改める。」というふうにいたしまして、六号を削除することにいたしました。また、勤務地手当につきましては、人事院の勧告権を規定したところでございますが、これは、今回勤務地手当の廃止に伴いまして必要ございませんので、それを削除することにしたわけでございます。  それから、第五条の方は、やはり勤務地手当のことが規定してございます。俸給の定義につきまして、その俸給の中には、特別調整額とか勤務地手当を除いたものだということが書いてございますが、その中に、勤務地手当のことかございますので、一応これもとることにいたしました。  それから、これらの削除いたしました点につきまして必要な事項につきましては、あとで附則の方で、さらに、勤務地手当と従来ありましたものを暫定手当というふうに読みかえまして適用するというような仕組みになっております。  次は、三ページの所でありますが、俸給表別表の中に、八月表として技能労務職俸給表というのが従来ありましたが、これは削除いたしまして、行政職の(二)の方に大体繰り入れられるということになっておりますので、その点を削除することにいたしたわけでございます。  次は、五ページの所でございますが、その最初から二行目の所に、技能労務職俸給表というのがありますが、これは、今言ったように振りかわりますので、行政職俸給表(二)ということに改めたわけであります。  次に、八ページに移りまして、十二条の改正の所でありますが、十二条の規定は、勤務地手当に関しまする支給地域あるいは支給割合、それから、それに関連いたしまして、特定官署について特別の取扱いをしておりまする規定でありますが、それを今度、勤務地手当をなくしまして、暫定手当ということにいたしますので、そこの規定が不必要になりますので、その点を削除するように改めた次第であります。第十二条を削除することにいたしました。  それから次は、新しく十九条、それから、十九条の四、十九条の五、それから十九条の六、二十三条の第二項から第五項までとございますが、これは、いずれも勤務地手当のことがその一部に含まれておりますので、勤務地手当に関する事項だけを削ります意味において、ここで新しく修正をいたしたわけでございます。  それから、最後のところの、別表第七に関しまするところでございまするか、これを、原案では第九となっておりますが、別表第七を削りまして、別表第一から別表第六までを次のように改める。別表第七は、従来のいわゆる勤務地手当の表でありましたか、それか要らなくなりましたので、削ったわけであります。  それから九ページでありますが、これは、原案の行政職俸給表の(一)の中で、初任給の引き上げに伴いまして整理される分、それからさらに、従来原一案にありました行政職俸給表の()二の中にありました四等、五等級でありまするか、それらをこの行政職俸給表(一)の中に繰り入れました修正でございます。  それから、十ページのところにございまする行政職俸給表(二)でございまするが、これは、修正案といたしましては、全文表を取りかえまして、大体技能職俸給表の中に入れました点等を加味いたしまして、俸給表が取りかえてあるわけでございまするが、ここでは、比較的に数字の変りましたところを比較表みたいな対照表が出してあるわけであります。  それから備考の中で、技能労務職の俸給表の中に書いてありました、いわゆるエレベーターの運転とか、あるいは庁舎の監視、そういう人たちの分が柱からなくなりましたので、こちらの方に取り入れることにいたしまして、備考にそういう事項を付加してあるわけであります。  次は、別表第二の税務職俸給表の七等級のところでありまするが、これも、初任給の引き上げに伴います修正であります。  それから、別表第三の公安職俸給表の(一)の七等級のところも同様でございます。  それから、公安職俸給表(二)のところの七等級、八等級のところも、初任給引き上げに伴う修正でございます。  それから、海事職俸給表の(二)の四等級のところも同様でございます。  別表第五の教育職俸給表の(二)の三等級のところの修正も、初任給引き上げに伴いまする分でございます。  それから、教育職俸給表(三)の三等級のところも同様でございます。  別表第六の研究職俸給表の七等級のところも同様でございます。  それから、別表第七の医療職俸給表の(二)の六等級、それから、医療職俸給表の(三)の四等級でございまするが、これも同様でございます。  それから、別表第八は、先ほど申し上げましたように、技能労務職俸給表を全部削除いたしまするので、その関係でございます。  それから二十二ページに移りまして、以下、附則でございまするが、施行期日がおくれましたので、施行期日の書きかえをいたしまして、従来「三十二年四月一日から施行する」としてございましたのを、「公布の日から施行し、附則第四十項及び第四十一項の規定を除くほか昭和三十二年四月一日から適用する」ということに遡及適用にいたしてございます。附則の第四十項、第四十一項はあとで申し上げまするが、これは、もう不要になりました関係法律の廃止でございまするので、その分は遡及の必要がございませんので、その分は、公布の日から施行するので、除くということにいたしましたわけでございます。  附則の二項につきましては、見出しをちょっと直しました。それから「この法律施行の日」とありますのは、今のように遡及いたしますので、「三十二年四月一日」と直しました。それから「昭和三十二年」は、表現上「同年」ということに整理したわけであります。「附則別表第一から附則別表第十一まで」とありますのが、一表減りますので、「附則別表第十」に、それから次の二十三ページのところの「別表第一から別表第八」は、「別表第一から別表第七まで」と改める。  次は、二十八ページに移りまして、二十八ページの第十五項の次に十二項を加えることにいたしましたが、これは、すべて暫定手当に関します分でございまして、原案にない新たな規定でございます。  十六項は、「改正前の法の規定による勤務地手当の支給地域とされていた地域に在勤する職員には、当該支給地域の区分に応じ、当分の間、月額暫定手当を、人事院規則定めるところにより支給する。」ということにいたしまして、本法の方から勤務地手当を削除いたしましたので、それにかわるものといたしまして、暫定手当をこの十六項に基きまして支給することにいたしたわけでございます。後段の方の規定は、「支給地域とされていなかった地域に在勤する職員にも、昭和三十二年十月一日以降、また同様暫定手当を支給する。」というので、いわゆる現在無級地になっておりますところにも暫定手当を支給するが、それは、ことしの十月一日以降であるということにいたしまして、暫定手当の支給根拠を十六項に置いたわけでございます。  第十七項は、暫定手当の支給の額の問題でございまして、この額につきましては、「俸給表の各職務等級のそれぞれの号俸俸給月額に千六十二分の千を乗じて得た額と昭和三十一年度予算における国家公務員一人当りの扶養手当の平均月額との合計額に、支給地域の区分か、四級地である場合にあっては百分の二十、三級地にあっては百分の十五、二級地である場合にあっては百分の十、一級地である場合にあっては百分の五を乗じて得た額を基準として、号俸ごとに支給地域の区分に応じて、人事院規則定める。」こういうことに原則が相なっておるわけでございます。今度は、暫定手当の額は、各俸給表号俸かございますが、その号俸ごとに、旧四級地に当るものは幾ら、旧三級地に当るものは幾ら、こういうふうに定額で割り出しまして、そうしてそれを人事院規則かきめました一定の額を表示することになっておりますが、その人事院規則がきめました額を暫定手当として出すということになるわけでございます。その暫定手当の支給方法といたしましては、今申し上げましたように、俸給表にきめてございますところのそれぞれの号俸俸給月額に千六十二分の千を乗じました額とするというのは、一応今度のベース・アップの関係か、平均的に六・二%の増を見込んでおるというような関係で、それで、新しく上りました、今度増額されました分の俸給を割り戻しまして、そうしてその額に昭和三十一年度予算におきまして国家公務員全体につきまして計上されておりますところの扶養手当をその総員で割りまして、扶養手当をもらっております頭人数で割りましたその平均月額をそれに加えまして、そうして旧支給地域区分に応じました割合の二〇%とか一五%を掛け合す。そうして得た額をもとといたしまして、それを人事院である程度調整をいたしましてきめました額が暫定手当になる、こういうことになっておるわけでございます。  それから、カッコ書きの中に書いてございます国家公務員昭和三十一年度予算における国家公務員の中からはこの五現業に属しまする人たちの分は、別にこの給与準則が定められることになっておりまするので、その分は、除いた人数で割り出すということになっておるわけでございます。  それから、俸給月額につきましては、当該号俸俸給月額原則といたしまするが、断定的に、号俸による俸給月額を受けないような場合は、それまでの間は、現に受ける俸給ということが基準になるということがカッコ書きの中に書いてあるわけでございます。  それから、次の十八項でございまするが、十八項は、改正後の法第六条の二の適用を受ける一職員につきましての規定でございまするが、これは、従来のいわゆる十五級職、今度の新しい一等級に当りまする人たちの分についての暫定手当の算出でございまするが、その分につきましての暫定手当の額は、十七項の規定によらないで、別に人事院規則定める額とするということにしているわけでございます。これは、原案の附則の十三項におきまして、一等級適用を受ける人たちについての俸給の格づけ等を別にきめることになっておりまするので、それに合せまして、さようにしたわけでございます。  それから、第十九項でございまするが、十九項は、従来この俸給調整額をもらつている人たち、たとえば、結核療養所に勤めているがために、ほかの人たちよりも特に危険な事務に従事しておる関係上、号俸を一号あるいは二号アップしてございまするが、それらの人たちに対しまする処置でございまして、それらの人たちに対しましては、その俸給調整額月額に千六十二分の千を乗じました額を、先ほど私か申しました十七項に規定してございまする算出された額に加えましたそれを、その人たちの暫定手当の額とする、こういうことにしてあるわけでございます。  それから二十項は、先ほど申し上げました附則第十六項の、支給の根拠規定の後段に規定してございまする無級地に対しまして、ことしの十月一日以降支給しまする分の暫定手当の額のきめ方でございまするが、それは、支給地域の区分が一級地である地域に在勤する職員に対し支給されまする暫定手当の額に、昭和三十二年の十月一日から昭和三十三年の三月三十一日までの間におきましては、その五分の二の額、それから、三十三年の四月一日から三十四年の三月三十一日までの間においては、五分の三の額、それから、三十四年の四月一日以降においては五分の五を乗じていただく、いわゆる従来一級地でもらっていた人の額と同額のものを与えると、こういうことにしてあるわけでございます。  それから、二十一項の規定は、勤務地手当と、それから今度の新しい暫定手当とを比較いたしまして、十七項の規定によりまして暫定手当を算出いたしました場合におきまして、もしも新しい暫定手当が、前もらっておりました勤務地手当よりも下るというようなことが起りました場合におきましての処置でございまして、その場合は、少くとも従来の勤務地手当の額までは保証するという意味の規定でございます。従いまして、その場合におきましては、旧勤務地手当の額から新しい暫定手当の額を引きました差額を、さらにその人の十七項で割り出されました暫定手当の額に加えまして、それを暫定手当とする、こういうことにしてあるわけでございます。従いまして、その差額を加えましたものがその人の暫定手当になりますので、それを基礎にいたしまして算定されまするところの期末手当その他通勤等にはもちろんはね返つていくということに考えてあるわけでございます。要領は、今申しましたごとくでございますが、カッコの中のあれを省きまして、原則だけを申し上げますと、二十一項の規定は、昭和三十二年三月三十一日における改正前の法の規定による職員勤務地手当月額が同年四月一日における附則第十七項から附則第十九項までの規定によるその者の暫定手当月額をこえるときは、その者の暫定手当の額は、これらの附則第十七項から附則第十九項までの規定でございますが、「これらの規定による暫定手当月額が同年三月三十一日における改正前の法の規定による勤務地手当月額に達するまで、その差額を附則のこれらの規定による暫定手当の額に加算した額とする。」ということでございます。将来この人の俸給がだんだん上っていき、そうして、暫定手当の額が先ほども申しましたように定額制でございますので、号俸が上るに伴いまして、暫定手当の額も引き上げられまするか、そうして暫定手当の額がだんだん上っていけば差額は少くなる、こういう結果になると思います。  それから、二十二項でありまするか、二十二項は、現在の一般職給与法の十二条の第四項に規定してございまする特定の地域に所在する官署に勤務する職員勤務地手当の算出につきましては、その周囲の状況等を勘案いたしまして、それらと同じように引き上げる必要があるところにつきましては、無級地でありましてもそれを一級地に引き上げ、二級地であっても三級地に引き上げるという規定でございます。そういう規定に基きまして特例を設けられましたところの官署に勤務する職員に支給される暫定手当にかかる支給地域の区分につきましては、従来通りの区分によるということでございます。これを規定いたしましたのは、十二条の規定自体が削除されますので、その関係上、従来の支給規定の根拠であり益したものかなくなりますので、その点をここでさらに規定いたしまして、それを従来通りによるという規定を特に設けたわけでございます。その後段のただし書きは、「特定官署の所在地の異動その他人事院規則定める事由に該当する場合にあっては、従前の例によりその特例を設けることかできる。」これは、従来の十二条四項の規定がございますれば、新たに自由にこういう措置をすることができるわけでございまするが、今申しました、その規定の根拠を失いますので、特にただし書を設けまして、こういう場合によりましては、現在ある特定官署の位置が変った、こういうような場合に、たとえば、二級地から一級地に変るというような場合等に、どう処置したらいいかという問題が起りますので、そういう場合の規定をただし書きに置きましたわけでございます。  それから二十三項は、「暫定手当は、昭和三十四年四月一日以降において、これを整理し、その一定の額を職員俸給に繰り入れる措置をするようにするものとする。」これは、一種の目標とも申すべき規定でございまして、先ほど提案者から御説明があったと思いまするが、将来ある一定額を本法の中に繰り入れます場合におきましての、まあよりどころをここに置きましたわけでございます。  次は、十六ページに移りまして二十四項でございます。二十四項は、その人のもらいまするところの俸給とか、あるいはその他従来の規定によりますれば勤務地手当、それから俸給の特別調整額、いわゆる管理職手当に当るもの、それから隔遠地手当、こういうようなほかのいろいろの手当の根拠ともなるべきような手当等の総額を、今度暫定手当に変りました場合におきまして比較いたしまして、そうして両者において差額が、つまり旧法によりましてもらっておりましたこれらの額と、新法によりましてもらいまするこれらの額との間に差額を生じましたような場合におきましては、その差額を保障するという意味においての規定でございます。実際問題としては二十四項に該当する場合はあまりなかろうかと考えておりまするが、まあ考えれば、昇格等の場合におきまして、かりに旧法の規定によりまする二号アップ等のようなことがありといたしますならば、そういう場合にあるいは起り得るかもしれないと考えております。その後段の「改正後の法第十九条の六の規定は、その差額の支給方法について準用する。」というものは、人事院規則で支給方法についてはきめるという規定を準用しただけで、特別の意味はございません。  二十五項は、これは暫定手当、それから俸給アップ等に伴いまするところの内払いの規定でございます。施行が御承知の通りにおくれておりまする関係上、すでに旧法の規定に基きまして俸給を支払いました分についての措置といたしまして、内払いの規定をここに設けましたわけでございまして、「この法律施行前に改正前の法の規定に基いてすでに職員に支払われた切替日以降昭和三十二年四月三十日までの期間に係る給与は、改正後の法の規定による給与の内払とみなす。」こういうことにしてございます。従いまして、少くとも今月一ぱい、四月一ぱいに払われまする分につきましては、ここで内払いの規定が置いてございますが、五月にまたがるようなことになりますと、この規定だけでは不十分かと考えております。  第二十六項は、暫定手当基礎とする給与の問題でございまして、これは一般給与法の中にいろいろ勤務地手当規定がございましたのを、先ほど私か申し上げましたように、それを本俸の方から削除いたしまして落しましたので、さらにここでは従来ありましたいわゆる勤務地手当にかわるものといたしまして、暫定手当を加えまして、そうして勤務地手当という字句は落されましたが、それにかわる暫定手当というものを加えまして、そうして読みかえて適用するということにしましたわけでございます。従いまして、期末手当勤勉手当あるいは勤務一時間当りの給与額を算出いたしまする場合におきましては、暫定手当が従来の勤務地手当と同様基礎になる、こういうことになるわけでございます。  次は十八ページに移りまして第二十七項でございます。第二十七項は、一般職給与法の中の昭和二十八年の法律第二百八十五号の中の附則第六項の規定でございまするが、これは当時勤務地手当の支給割合がたとえば四級地におきましては百分の二十五から現在の百分の二十に下りましたので、その場合におきまして従来の差額を保障する規定が置いてございましたのでありまするか、これは、今回その差額の分は、この俸給の中に繰り入れることにいたしましたので、この規定を削除することにいたしましたわけでございます。その関係は十六ページの第二十四項の中の一行目から二行目にわたりますところのカッコの中には「一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律昭和二十八年法律第二百八十五号)」でございますが、その附則六項の規定による手当を含むということにしてございまするので、その関係で、これを削除することにしましたわけでございます。  私が今まで申し上げましたページは、この比較表でなくて衆議院修正案自体で申し上げましたので、ちょっとおわかりにくかったと存じまするが、御了承を願いたいと思います。  次は比較表の三十三ページでございまするが、これは国家公務員弊の対照表の方の……。
  17. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 ちょっと待って下さい。対照表というのはどれですか。
  18. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 衆議院送付案の対照表でございます。
  19. 亀田得治

    委員長亀田得治君) わかりましたね。衆議院の送付案です。
  20. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 私が今まで申し上げました項は間違いございませんけれども、ページ数の方は、ちょっとほかの方を基準にいたしまして申し上げましたので、お手元にございまする委員会修正の太字と細字で書いてございまする対照表とは、ちょっとページ数か違ったかと思いまするが、これからはこの対照表を元にしてページ数等を申し上げて参ります。  対照表の三十三ページでございます。国家公務員等の旅費に関する法律の一部改正でございまするが、これから以下の項は、先ほど私が申し上げましたように、新たに十二項ほど追加されましたので、十六項が二十八項に繰り下つていきまして、以下さようにだんだん繰り下つていくことになります。十六項は新しい二十八項になりまするが、この中は書いてございます点は、三十四ページから以下三十八ページにわたりまする旅費に関しまする分は、先ほど私が説明を申し上げました中で申し上げましたように、行政職の俸給表の第一の表が、等級か原案におきましては五、六、七と、最後か七等級というのが、新たに八等級までになりましたので、そういう関係で、原案の何等級と書いてございましたが整理されることになる関係の分でございます。これはこの内容で一応ごらん願うことといたしまして次の項に移って参ります。  対照表の三十八ページの十七項でございます。原案の十七項は項が繰り下りまして新しく二十九項になります。これは中身は従来通りで、項だけの移動でございます。  それから原案の十八項、十九項も、それぞれ項が細字で書いてございますように、変ることになります。  それから原案の二十項、修正案の三十二項でございまするが、そこの恩給法の一部改正の点でございまするが、この四十一ページ、それから四十三ページ等におきまして、中の金額がいろいろ変つておりますが、傍線を引いてあるところでありまするが、これは行政職の俸給表等の変更に伴いまして、そのときに考えておりました月額か、ベース・アップの関係で変りましたり、それから他に波及する関係で、そこらが多少動いたりしました関係で、その月額を年俸にいたしまして割り出しました額が変りまするので、その関係整理ということでございまして、政府原案の実質的な意味を変更しているものではございません。  次は、四十四ページの「恩給法の一部改正に伴う経過規定」でございまするが、二十一項か三十三項になりまするが、「この法律施行前」とありまするのは、実施がおくれる関係上、「昭和三十二年三月三十一日以前」というふうに書き改めたわけでございます。  それから以下三十四項から四十八ページの四十一項でございまするか、この分は、また新たに追加されました分でございまして、これは勤務地手当暫定手当に変りました関係上、その「勤務地手当」という字句が法文の中にございまする分の整理でございます。三十四項、三十五項、三十六項、三十七項、同様でございます。そうして三十八項は三十五項、六項、七項までの三項にわたります関係法令の読みかえ規定でございます。と申しまするのは、先ほど申し上げましたように、これらの規定から「勤務地手当」を削除いたしまするが、同時にそれをまた新たに「暫定手当」というふうに読みかえままして適用いたしませんと、暫定手当基礎にいたしております関係の分が不都合になりますので、三十八項は、さような意味においての読みかえ規定を置きましたわけであります。  それから三十九項は、地方自治法の一部改正でございまするが、これは現在地方自治法の二日四条の中に、公共団体が条例で勤務地手当その他いろいろの手劣等を支給する規定を置くことができる旨の根拠規定がございまするか、その根拠規定の中から、勤務地手当の分を削ることにいたしまして、そうして地方自治法の付則の中に次の三条、六条の二、六条の三、六条の四等を設けまして、それぞれの関係法令整理、さらに自治法二百四条の削除いたしました分の支給根拠を附則に置きましたのでございます。  第六条の二は、「地方公共団体は、第二百四条第二項に規定する手当を支給することかできる外、」これは従来の勤務地手当を今度削りましたので、それ以外の手当を支給することがきでるほか「当分の間、条例で、同条第一項の職員に対し、勤務地手当にかえて暫定手当を支給することができる。」かようにしてあるわけでございます。  それから第六条の三は、公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法その他の関係法令の中に勤務地手当と書いてございますものを削除することにいたしまして、そうして第六条の四で、先ほど申し上げましたような意味におきまして、当分の間、勤務地手当というのを削りましたので、さらに暫定手当と振りかえて読みかえる、こういうことにしたわけでございます。  それから四十項は、国家公務員に対する年末手当の支給に関する法律で、これは昭和二十五年に出ました法律で、現在においてはすでに適用の実益を失っておる規定でございまするが、その中に勤務地手当を根拠として年末手当を算定するような規定がございまするので、この際に、あわせてその分を整理する意味におきまして、ここにあげましたのでございまして、その規定は必要がございませんので、この際廃止をいたしまして、そうして四十一項に書いてございまするように、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律昭和二十七年法律第三百二十四号、その他六号までに書いてございまするような法律の中で、ただいま私が申し上げました廃止いたしまするところの年末手当の支給法律が援用してございまするので、その分が必要ございませんから、それぞれの援用してありまする規定を削除するということでございます。  それから次は四十九ページに移りまするか、これは俸給の切りかえに伴いまするところの切りかえ表でございます。その附則別表関係でございまするか、附則別表の第一は、行政職俸給表等の(二)がなくなりまするので、それを削るということにいたして、新たに四十九ページの下の段に「附則別表第二」と細字で書いておりまするが、その切りかえ表が新たに加わったことになります。そういうように表がかわりまする関係で、五十ページ以下の附則別表はそれぞれの別表のあれが、「第二」とございますのが「三」に、一つずつ表の数字が繰り下つて参ります。  それから初任給変更に伴いまする分の俸給の切りかえ表の新俸給月額というところが変った。こういうことになっておりまする整理でございます。  大体以上におきまして一般職給与表の修正案の要綱の説明といたします。
  21. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 引き続き質疑に入る前に、便宜上衆議院における付帯決議につきまして御説明をお願いいたします。
  22. 大平正芳

    衆議院議員大平正芳君) 衆議院の付帯決議は十項にわたっておりまして、最初の六項は、人事院の、運用上御留意願わなければならぬことでございます。あとの四項は、政府側において善処していただくということに相なっているわけでございます。人事院の方にお願いをする六項のうち第一は「一般係員で現在六級以上の者は、原則として、行政職俸給表(一)の七等級へ格付すること。」これは最初人事院の予定では、八等級への格づけを原則とされておったようでございまするので、七等級への格づけを考えてくれということでございます。  それから第二は、「翻訳職、専門職等組織上の役職名のない職員で現在十一級の者は、その職務内容に応じて行政職俸給表(一)の四等級」、いわば課長補佐に相当するところへ格づけしてもらいたいということでございます。  第三項は「研究職員で部長、課長、室長等の役職名のない職員についても、その研究業績、職務内容に応じて」四等級以上へ格づけしてもらいたいということでございます。  それから第四項は「行政職俸給表(二)に該当する職員で、鑑定、模写、工芸品製作、欧文ステノタイプその他高度の特殊技能」これは例示的な規定でございまして、要するに限定的な規定じゃございません。こういったたぐいの特殊技能を持った者とかあるいは「大きい官庁における配車係長その他」「高度の管理的業務に従事する者」につきましては、俸給表の(二)を適用せずに、行政職俸給表(一)の方に格上げして適用してもらいたいということでございます。  それから第五項は「機器の運転操作その他技能を必要とする業務に従事する職員で現在」……六等とありますのは六級の誤まりでございます。「六級以上の者は、原則として、」三等級への格付を考慮してもらいたい。これは前段と同様の趣旨でございます。  それから六項の方は、ここに一から五まで例示的に書きましたけれども、凡百の職種がございますので、一々小委員会において拾い上げることができない部面もあろうと思いまして、総括的に「右に準じて取り扱うことを適当と認められるものについては、」十分格づけ上考慮してくれということでございます。  以上が人事院関係への要望決議でございまして、人事院総裁からは、この趣旨に基いて善処するというお答えをいただいております。  それから七の方は旅費法でございますか、今度の俸給表改正に準じまして、現在まで七級以上の者は二等の汽車賃をいただいておつたわけでございますが、今度は七級以下は三等、平係員は三等ということになりますので格づけによりまして、場合によっては今まで二等の処遇を受けておって三等になる者が出て参ります。これにつきまして、政府側に現行より不利とならぬように運用上注意をしてもらいたい、考慮してくれというのが趣旨でございます。  それから八項でございますが、これは「暫定手当整理を行う場合には現行一級地相当額はこれを本俸に繰入れる」ということでございまして、現行一級地相当額は五%であります。今度の暫定手当が、本年十月一日から無給地に支給されますが、それが五%に到達した場合に、これを本俸に繰り入れるように操作していただきたいということでございます。ただ、これにつきましては、俸給号俸暫定手当が完全にマッチするかしないか技術士若干問題かありますので、あるいは明年度におきまして立法措置を考えなければならぬのじゃないかと思いますけれども、五%は本俸に繰り入れるのだという原則をここで確認しておきたいという趣旨でございます。  それから九項につきましては「勤務地手当廃止に伴って生じた余剰経費は、本年度中において、これを給与改善原資に充当する」。これは国家公務員の場合におきましては、御指摘のように、若干勤務地手当財源が浮いて参る。しかしながら、今回の修正によりまして、どの程度の給与改善原資が必要かという点につきましては、実行してみなければ、人事院その他の運用の問題もございますので、今の段階におきまして、どれだけの余剰財源か浮いて参るかということは確認できません。かしかし、これが出た場合におきましては、給与改善原資として、これを他に流用しないようにお願いしたいという趣旨でございます。  最後の市町村合併に伴う処置でございますが、これは先ほど私が申し上げましたように、市町村の合併で、同一市町村区域におきまして暫定手当の厚、薄があるということは非常に不便、不都合なことであるということにつきましては、十分私どももわかることでございますので、できればこれは早く処理したい。で、いろいろ検討をしたわけでございますが、ともかくも無級地を解消するという今回のわれわれの修正案が実行に移された場合、これが終るのが昭和三十四年の四月一日現在でございます。これによりまして、この合併市町村のうち、ほとんど大部分が一応片づくわけでございまして、残りました合併市町村で、その内部に暫定手当の不均衡があるというのはごく数が少くなって参るわけでございます。そこで、一応無級地解消まで今のままごしんぼうを願つておきまして、無級地の解消ができました暁におきまして、それを起点といたしまして、合併市町村内部における均衡化の措置を段階的にとつていこう、こういうのか小委員会の心がまえであったわけでございます。これをいかようにやつて参りますか、今、私どもは一応そういう心がまえでお願いをしておるわけでございますが、明年度以降、この問題につきましては、またあらためて討議しなければならぬことになるのじゃないかと思いますが、ともかく合併市町村内における不均衡は、なるべくすみやかに是正するのだという原則をここにうたって、確認いたしておいたわけでございます。  このあとの四項目につきましても、政府側から趣旨に沿って善処するという答弁をいただいております。  以上御報告申し上げます。
  23. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  24. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。暫時休憩いたします。    午後零時二十七分休憩    ―――――・―――――    午後一時五十五分開会
  25. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、参考人から意見を聴取してはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。参考人の人選及びその他の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。   ―――――――――――――
  28. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題に供します。三案について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  29. 永岡光治

    ○永岡光治君 いろいろ説明を承わったわけでございますが、本給与法の改正のもとをなしました人事院勧告について、若干基本的な問題について質問を行いたいと思うわけでございますが、べース・アップ方式をとらなかったという政府側の意向も表明されたわけでございますが、それは人事院がそういう意味の勧告でなかったというところによりどころがあるようでございますが、ベース・アップ方式をなぜとらなかったのか、そしてその前に、ベース・アップ方式と、そうでないということになると、どういうところに違いがあるのか、ちょっと私たちよくその辺の事情がわかりませんので、まずそこらあたりから人事院の方の意向を承わりたいと思います。
  30. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院は昨年の七月に給与の改善の必要があるということはこれは認めまして、それで六%程度の給与改善をしてもらいたいと、こういう勧告をいたしたのでございます。まあベース・アップ方式になぜよらなかったかということでございますが、これは人事院の調査によりますると、民間におきまして給与改善方式というものか、いわゆる一律ベース・アップ方式よりもむしろ給与制度を確立いたしまして、そして昇給制度等を活用する、昇給制度の確立をはかるというようなことによりまして行われておる場合が非常に多いのでございます。従いまして、人事院はそういう方式をとることがいいと考えたのでございまするが、今回の給与改正に当りましては、給与改善と同時に、現在の給与法における俸給表をやりかえるという二つの問題があったわけでございまして、従いまして現行給与法の各号俸金額をそれぞれあるパーセント上げるというふうな措置をとらなかったのでございます。  そのベース・アップ方式ということどういうふうに観念しておるかというお話でございますが、これは、たとえば俸給表がございまして、その各職務の級に対して俸給号俸の幅がきまっておるというような場合、その各号俸金額をそれぞれ上げるというようなやり方によりまして給与改善をはかるというのを、まあベース・アップ方式と呼ぶのであろうと、このようにわれわれ考えておるのであります。しかしベース・アップ方式というものにつきましては確然たる定義というものがどこにもあるわけではございません。しいて申せば、そのようなことになろうかと思うのであります。従いましてわれわれは、この結果におきまして給与が事実上において改善されるというような方式をとるのがこの際適当であるというふうに考えまして、昨年の勧告をいたした次第であります。
  31. 永岡光治

    ○永岡光治君 あまりよくわからないのですが、ベース・アップということは一律に上げるということがベース・アップだ、こういう説明のようです。今度の改正を見ますと、給与金額号俸月額、これは昇給期間を延伸したということによって、若干のそれに見合う操作がなされて、各号俸に若干の金額が付け加えられておりますが、言うならば、現在の俸給表と同じだと見なければならぬと思う。表という言葉が適当でなければ、俸給のそれぞれの金額ということですね、それを、今度は人事院の方では、一律アップはベース・アップでいけないから、改善という方式をとった。体系の是正は、ベース・アップであるなしにかかわらず、これは別個の問題と考えなければならないと思うのですが、その際にこの案を見ますと、一号ずつみなそれぞれ切りかえられておるのですが、これは一律アップにならないのですか。一律アップというのは絡対額を指すのか、それともそうでないのか、その辺のところはどういうふうに解釈したらいいのか、それぞれ直近上位に切りかえて、一号ずつ上げているのだから、ベース・アップ方式ということは言えないのかどうか。
  32. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほど申し上げましたように、ベース・アップということをどういうふうに規定するかということでございまするが、これはあまりはっきりした定義というのはないのではなかろうというふうに思うのでございます。ただ、ごく狭義にこれを解してみまするならば、一つ俸給体系がございまして、その各俸給号俸金額をそれぞれ変更するというような方法によってやるのを、おそらくはベース・アップ方式というのであろうというふうに思うのでございます。しかし、これも言葉だけの問題でございまするが、今回の人事院の勧告におきましては、俸給表の体系を変えたのであります。従いまして、この二等級、三等級、四等級というふうにそれぞれ等級がきまりまして、その等級に格づけされるもののうちで、現在は給与の低い人が上に上る場合もあり得るということを考えまして、それとの均衡をはかるためにそれぞれ調整をいたすということを名目にいたしまして、給与改善をはかるということを考えたのでございます。この点は、人事院勧告政府提出法律案とでは、多少違いもあるようでございまするので、私は人事院勧告についてだけ申し上げますが、ベース・アップは何か、一律に一号ずつ上げるのはベース・アップではないかというお話でございますが、われわれは、ある特定の人の俸給額すなわち何級何号というものの金額それ自体を上げることをベース・アップというふうに狭義に考えておるのでありまして、今回、やりましたのは、その当人が調整のために一号上るという措置でございますので、これはいわゆるべース・アップ方式ではない、このように考えております。
  33. 永岡光治

    ○永岡光治君 そうすると、ベース・アップで受ける恩恵と、給与改善でそういう措置による恩恵を受けるのと、実質上にどういう影響があるのですか、受ける公務員にとつて……。ベース・アップ方式をとるとこうなる、給与改善方式をとるとこうなるのだというふうな何か差異があるのですか、恩恵をこうむる上において。
  34. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) まあいずれも給与改善でございまするので、その意味におきましては、大きな目から見ますれば、それほどの差異はなかろうと思います。ただ、われわれが勧告の際に申しました方式によりますれば、そういう方式は調整措置でございまするので、場合によったらその実質改善の程度が多少低まるものも出てくる、現に人事院勧告におきましては初任給の辺におきましてはこれは手をつけておりません。従いまして人事院で考えておりましたことは、その後の実施の措置によりまして、これを何とか持っていこうというふうに考えておったのでありますが、そういう工合でございまして、一律に金額を上げます場合と、人事院かやりました調整措置によります場合におきましては、多少の相違はあろうかと思いまするが、いずれも給与改善措置であるということにおいては変りはない、大きな目から見れば変りはない。このように考えております。
  35. 永岡光治

    ○永岡光治君 これは問題があるところであります。実はこういうところに関連かくるわけです、地域給の暫定手当にかえまして、それに対する計算をするわけですが、その際に、千六十二を分母として一応かけているわけですから、これは一律にそういう恩恵を受けているかどうかというところが問題になろうかと思うのです。給与改善ということになると、個々まちまちだということになるわけですが、ベース・アップ方式をとれば大体一律にということになるわけですが、そうなりますと、この修正案によりますれば、千六十二分の千をかけているということになると、そのもとにかけられておる俸給額ですか、そうなるとこれは矛盾を来たさなければならぬということになるわけです、千六十二分の千を一律にかけることに大きな疑問が生じてくるという結論になるわけでありますが、そういう意味でこのベース・アップ方式とそうでない方式ということになりますと、これはなぜそういう方法をとったかということに問題か発展して参りますので、私はこの点追及しているわけですが、政府の方では、これはどういうふうに考えておられますか、不均衡を生ずると思いますが、不均衡を生じないという証明がありますか。
  36. 大山正

    政府委員大山正君) 昨年の人事院勧告――ただいまお話のありましたように給与体系の改善と、これに伴つての給与の改善という建前でございますので、政府案におきましても給与体系の改正を行いまして、それに伴つて調整を行う、その調整の際に、実質平均いたしまして約六・二%上げるような措置ということで考えたわけでございますが、ただいま御指摘になりましたように、一律のベース・アップと違いまして、全員が同じ率で上るというわけではないのでございまして、公務員全体を平均いたしましてそのような改善になるというように考えるわけでございます。暫定手当千六十二分の千ということで、修正衆議院でなされたのでありますが、私ども考えますのは、この平均をとりましてそういう形の修正が行われたというように考えるのでありまして、なお衆議院における審議の過程で、私ども承知いたしておるところでは、新しい俸給金額の千六十二分の千がそれに対応するもとの号俸金額に及ばないという場合には、やはり人事院で何らかの調整をしてもらうという趣旨が含まれているように理解しておるのでございます。
  37. 永岡光治

    ○永岡光治君 今のその答弁の中で明確になりましたが、やはりそれぞれ改訂された額が平均された額じゃないのですから、大きな疑問がある、これは間違いないと思うのです。従って、ベース・アップ方式をとるのか、そうでないかというところに、私は問題点をしぼって質問したわけでありますが、答弁の内容はわかりました。大体、一律方式をとつていないのに一律方式でかけておるところに問題があるということは――矛盾しておるということは、一応明確になったわけでありますから、もちろんこれは人事院で、不均衡があれば是正するということは言っておるけれども、そういうことは何もここには出ておりませんし、ただ、現在の三月三十一日の旧俸給額に対する問題ですか、その新給与の絶対額だけは保障したいというだけでありますから、これは調整になるとは考えられません。ここに一つ矛盾があることは指摘しておきたいと思います。  そこで、人事院にさらにお尋ねしたいのですが、地域給でない俸給改正でありますが、現在の職階制を整理したいという意向で勧告する。また政府の方ではそういう意向に従って改正したようでございますが、現行は五職種七表というものが、今度改正案で見ますと、七職種十四表、かえって複雑になり、整理にならないじゃないですか。どこが整理になったんですか。その点を明確に、簡単になったということをお示しをいただきたい。
  38. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) まず現在の給与法におきまする一番もとになります俸給表一般俸給表でございます。これについて御説明申し上げますると、これは御承知のように現在職務の級が十五に分れております。十五の職務の級が給与法におきましては職務と責任の段階に応じてそれぞれきめられておるはずのものでございますけれども、それの運用が実は現在ぼやけているという状況につきましては、すでに人事院の勧告を全文載せております。また説明書を載せております、人事院月報をさし上げてございますので、これはすでに御承知いただいておることだと思うのであります。従いまして、われわれはこれを明確にいたそう、そのためには十五段階という分け方は無理でございまするので、これを現在の職務の実態に応じまして分け得る限度に分けていくということで、われわれは七つの段階にこれを分けようということをいたしたのであります。ここに整理一つの意味があるわけでございます。  それから俸給表が非常に数多くなっておるのが、かえって整理でないではないかというお話でございまするか、現在は一般俸給表にいろいろな転種が包含されております。御存じのように人事院がこれを実施運営いたしまする場合には、初任給及び昇格基準表というものを作りまして、それぞれの転職に適応いたしますような運営を事実上においてやつておるのであります。昇格基準表ということでございますけれども、実は一つ俸給表を幾つにか使い分けておる。現在一般俸給表を四十何種に使い分けておるということと同様のことをやつておるのでおります。そのような意味からいたしますならば、今後はそのような人事院の運用の範囲におきまして幾つかに使い分けるというようなことはいたさないのでありますから、事実上におきまして俸給整理され、しかもその職種に適応したような俸給表を作成する、そういう意味におきまして整理する、このように申した次第であります。
  39. 永岡光治

    ○永岡光治君 細分化したからすぐ表がそれぞれの職種に応じて、それからまた職種の内容に応じて区分できる、こういうような説明のようです。そういうところに実は問題があるわけです。そもそも人の行なっておる仕事に非常に複雑な、しかも科学的に分析のできないものがたくさんあるのがこれは特に行政職の特質だと私は思います。係長の仕事が大切なのか、あるいはまた次席の仕事が大切なのか、あるいはまたその中の係長ではないけれども、係員で非常に優秀な、そこになくてはならないような仕事をしておる人がおるわけです。そういうことがあってこそ、初めてその能力を生かし得るのでありますから、それこそその俸給整理されることによって昇給をはばまれる。そういう壁をたくさん作ることでなしに、運用でそういう人は、たとえば民間においては工場長よりはその工場に働らく技術者の方か俸給が高いというようなことを考え、実際また行われるわけであります。そういうことがあってしかるべきだと思います。また細分化されることによって、いよいよ窮屈になってしまつて、運用の妙味が発揮できないというおそれがあるわけです。ですから、今日まで運用してきた結果、ちっとも差しつかえないし、またそのことを働いておる公務員の諸君か、これがいいと喜んでおるわけです。能率が上ると言っておるわけです。それを細分化した方がいい。壁を幾つもたくさん作った方がいい、こういうことによって能率が阻害される結果に今なりつつあるわけですから、そういう意味ではあまり細分化されることは、結局はたくさん俸給表を作つて、むしろ印刷もたくさんかかることだし、意味ないことだと私たちは思うのであります。こういうことはどうですか。喜ばれないのにあなた方なぜ勧告されるのですか。そもそも、何といいますか、能率を上げる、そういう目的のためにこういう俸給表を作ったとは思うのですが、かえって能率を阻害するような俸給表を作るということになれば、所期の目的を達しないと思うのです。
  40. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまのお話でございまするが、従来は、たとえば一般俸給表におきましては十五の壁があったわけでございます。これは無用の壁でございます。従いましてれわわれはそういうことで、たとえば定数が足りないために頭打ちになったりワク外になったりするような事情は好ましくないというように考えまして、これを七つにしたのでありまして、その点はまさしくおっしゃる通りであります。それから俸給表をたくさん作ったようにおっしゃるのでございますが、たとえばお医者でありますとか、研究職でありますとか、それぞれ一般行政官庁におきまする行政官とは大分趣きの違いまするものが一般俸給表適用を受けておる、こういう場合に、どうしても無理があるわけでございますので、研究者あるいはお医者には、それぞれ適応したような俸給表を作るということでございますので、これは何も壁を作るということではなくして、むしろ従来ほかの方に当てはめられて、そうして昇格基準表の運営等によってかろうじて何とかやっておったものを、その本来の形にするのでございますから、むしろその点は実態に適応するということになるのではなかろうか、このように思うわけでございます。
  41. 永岡光治

    ○永岡光治君 そういうねらいであれば、各等級別の定数をこれからきめられるわけですが、現在よりは以上にそれを改訂できるという自信がおありですね。そうでなければ意味がないと思う。そういうねらいであなた方が改正されたということであれば、今でもそれぞれの級別定数が、きめられているわけです。新しく等級をつけられますと、それも等級別の定数かつくわけですから、それのある限りにおいては、依然として頭打ちや支障が起ることは当然であります。それで現在の矛盾をあなた方は大幅になくそうというのですから、そういう点は、今度の等級別の定数に当つては、大幅に考慮できる、こういう考えを持っておいでになるのかどうか。
  42. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 現在土は級別定数というのが十五級の段階できまつておるのであります。それが今度は七つの段階になりますので、これがまずくくられる、ある程度まとまるということでございます。従いまして、その限りにおきましては、従来の運営よりもより円滑な運営ができるであろうことは、期待されると思います。それからもう一つは、人事院が勧告いたしました俸給表につきましても、これは俸給の幅をずいぶん伸ばしておるのでございまして、従いましてそういう意味からも、この頭打ち、ワク外のケースというものはよほど減じてくる、このように考えております。現在のまま運営してもいいではないかというお話でございますけれども、現在のまま運営いたしておったのでは、どうも頭打ちばかり年々増加してくる。われわれは過去におきまして下の定数を減らして上位の定数をふやすというような操作も、これは行政の範囲でやることでありますから、わずかずつではございますが、そういう弥縫的措置と申しますか、実態に即応するために努力はしてきたのであります。にもかかわらず、年々二%ぐらいのワク外者を生じておるということは、俸給表自体が実態に即応していないということにあるのではなかろうかというようなことを考えまして、いろいろ研究の結果、俸給表の幅というものも伸ばしてございます。定数も従来よりもくくりか大まかになる、こういうことと両々相待ちまして、この事態に即応し得るのではなかろうか。しかしながら給与法に規定がございますように、職務と責任の段階に応じて給与というものがきまるということが原則でございますので、われわれはまず頭打ち、ワク外が不自然には生じないような措置を、人事院勧告においてもとつたのでございますけれども、これが絶対に出ないということにはならないのではないか、このように考えます。
  43. 永岡光治

    ○永岡光治君 やはり今でも頭打ちがあるから、それを救済したいというところに一つのねらいがあったと思うのですが、そうなれば大まかにくくりましても七等、たとえば、これにおいても八、七、六ですか、あるいは五、そういうものを一括して何名という定数をきめられるのか、それとも八等級の定数は幾ら、七等級の定数は幾らというようにきめられるのか、そういうところによってだいぶ変つてくると思うのですね。今でも何級、たとえば一、二、三級ぐらいはどうだというように、大まかな大体まとまりかあると思うのですか、ただそれを置きかえたに過ぎないのじゃないかという懸念があるのですが、そういうことは解消できるのかどうか。私はその定数でしばる限りにおいては、幾らどういう法規を作りましても、今の解消が、あなたのおっしゃるように大幅に解消できないような気かするのですがね。解消できるという約束があれば、これまた私は別途考慮して見なければならぬと思うのですけれども、大幅に解消できるかどうかだけを明確にお答えいただきたい。ただ給与号俸を少し伸ばしたということは、これはしかし昇給期間がどんどん延びているのですから、むしろそのことに問題があるわけです。依然として残すことに問題があるわけで、それこそ解消しなければならぬと思う。聞けば二割五分ぐらいの……これは七級職になりますかね、七級職は三二%の頭打ちがあるというように聞いておるのですが、いずれあなた方ので格力づけの基準をきめ、それによって定数をきめられるのでありますから、そういうはっきりした約束ができるのかどうか、その点をお尋ねいたします。
  44. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) お話が人事院に対してのお問いでございまするので、われわれは当然人事院の勧告並びに意見申し出の範囲でお答えを申し上げておるのであります。しかし政府から提出されました法律案並びにそれを衆議院修正されました部分についてのお尋ねもまじっておるように思うのであります。従いまして、両者を分けお答え申し上げなければならぬと思うのであります。  まず、人事院の勧告並びに意見の申し出に関する限りについて申しますれば、これはおおむね不自然な頭打ちワク外にはないようにしようということを目途にして、これは俸給表を作ったものでございます。で、俸給表の幅が伸びておるけれども、それは昇給期間を延ばしておるから同じではないかというお話でございまするが、それは抽象的なお話でなく、やはりこの実態を数字についてごらん願いたいのでございまするが、これは従来ワク外者が出てきた、平均年間昇給率と申しまするか、それよりはよほどよくなっているという事実は、やはり御認識願わなければならぬと思うのであります。  それから衆議院修正されました政府提出法律案のことにつきましては、これはけさほども付帯決議等も御説明がございましたし、また人事院といたしましては、その御趣旨を十分尊重して運営するというお答えを申し上げておるのでございまして、この点につきましては、この修正案がもし通りましたならば、そのときには十分人事院としては、これは運営上付帯決議の趣旨を尊重してやるというふうに考えております。
  45. 永岡光治

    ○永岡光治君 いずれまた資料の提出を求めまして質問を行いたいと思いますが、次に人事院の方にお尋ねいたしたいのですが、地域給についての勧告ですね。これは昭和二十九年五月と私は記憶しておりますが、この勧告はこの前の質問からするならば、その精神から言うならば、これは当然生きておるという、こういう解釈をしておるのかどうか、そして、あの勧告で所要の財源はどのくらいの見積りを持っておったか、その点をお尋ねいたします。
  46. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 御指摘の地域給に関しまする人事院勧告というものは、われわれの解釈といたしましては一応生きておる。このことは、この前にも本委員会において御質問がございましたので、そのようなお答えを申し上げたのであります。で、その当時の計算によりますると、所要財源は大体国、地方を合わせまして七十億程度であったと、このように記憶しております。
  47. 永岡光治

    ○永岡光治君 私は九十二億だと記憶しておりますが、間違いありませんか、今のは七十億というお話でありますが。
  48. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 七十億程度と申し上げたのでございまするが、国の負担分が七十億ないし七十五億くらい、国庫の負担分でございます。それから所要原資につきましては九十億程度であったと、このように記憶いたしております。
  49. 永岡光治

    ○永岡光治君 そこでこの新しい修正案によりますと、暫定手当にかえて行きたいという意向が出ておるわけですが、人事院給与法の改正について勧告をされた昨年の七月当時において、この地域給を改正するということを予想されておったのかどうか。つまり私の質問したいことは、その勧告した当時、あるいはまあ現在でもいいわけでありますが、やはり地域給というものは少くとも昨年の七月の段階においては、そのまま踏襲されてしかるべきだ、つまり二割、一割五分、一割、五分というもの、こういうものが給与改訂が行われた後においても、給与改訂額に対するその俸給表については、その手当が支給されるものと、こういうような考えであったものと解釈せざるを得ないと思うのですが、そういう考えであったかどうか、念のために確かめておきたいと思います。
  50. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院は昨年の勧告におきましても、報告の部分におきまして、現在の地域差等について触れておるのでございます。で、まあ人事院といたしましては、当時においては、まず俸給表改正の勧告をするのが手一ぱいでございましたし、また地域給問題が非常にむずかしい問題がございましたので、これはまずその俸給表改正という問題の解決後にこの問題をいたしたい。しかしながら、町村合併等の問題がございまして、地域給問題が非常に焦眉の急になっておるという事情は承知しておりましたので、できるだけ早い機会に人事院は勧告いたしたいと、このようには考えておったのでございます。しかし、そのことはどこにも言っておりませんから、また表面に現われておる限りにおきましては、一応この給与改訂が行われました後におきましても、この地域給は当分の間は現在のままで存続するということを認めざるを得ないような実情になっておつたわけでございます。
  51. 永岡光治

    ○永岡光治君 今の答えから明確になりますことは、結局改訂後においても、改訂額に対する地域給というものは現行で維持してもらいたいということになっておったと解釈をしていいと思うのですが、そういうことでしよう。それは既得権と認めなきゃならぬと思うのです。
  52. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今も申し上げましたように、人事院といたしましては、この地域給問題は非常に困難でございまするので、十分なる研究をいたした上で、できるだけ早い機会に勧告はいたしたいと、このように思っておったのであります。まだそれが実現に至りません前に、この問題が取り上げられた、こういう経緯になっております。
  53. 永岡光治

    ○永岡光治君 今まあ衆議院段階においては、人事院の機構改革等が論じられております。現在の人事院制度を廃止したいという政府の意向のようでありますが、これは私たちとしても非常に大きな問題になるわけでございますが、この改正によりますと、地域給に対する人事院の勧告をする対象ですね。項目を削っております。そこでお尋ねしなきゃならぬと思うのでありますが、地域給というものはなぜできたのか。その淵源に遡って検討することももちろんこの際必要であろうとは思いますが、今地域給にかわって暫定手当という名目に変るわけでありますが、そういう地域の生計費に応じた生活の保障というものも、この案でも考えておるわけでありますが、かりに、三十年の四月一日にそのうちの五%に相当する分が本俸に繰り入れられた後において、名称は別でありまするが、都市、地方に対する何らかの違いですね、これは、あなた方はもうなくしていいと考えておるのか、それとも、それはやはりなくすべきではないと、こう考えておるのか、その辺の考えをまず聞かしてもらいたいと思います。人事院として……。
  54. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) まあ暫定手当ということになっておりまして、地域給だけの勧告という問題は一応削られておるようでございまするけれども、給与全体につきまして、勧告なり、あるいは意見の申し出なりをする権限というものは人事院にあるわけでございますから、給与体系全体の問題としまして、人事院はこれを考えなければならぬと思います。で、人事院も、すでに申し上げておりますように、最終的な形としましては、この地域給というものはなくすることが目途であるということは申し上げておるのでありまするけれども、やはり地域によりまして生活費等に差等がある、それが相当程度においてあるという場合におきましては、それを一挙になくするということにつきましては多少問題が残るのじゃなかろうか、このように考えております。
  55. 永岡光治

    ○永岡光治君 そこで、この勧告をされる際には、今答弁で明確になったようでありまするが、重ねて念を押しておきたいと思うのでありまするが、おそらくことしの七月十六日ですか、一カ年の間には報告をする、少くとも報告の義務はあるわけです。それは、給与改訂の勧告となるかいなかは別といたしまして、かりに改訂の勧告をするという事態が資料の結果出て、人事院が行うという際には、そういう対象のうちには、やはり今は暫定手当という名目に変るかもしれませんが、そういう問題を含めた勧告をするという、それはまあ勧告の対象になるんだと、こういうようにはっきり私たち今受け取れたわけでありまするが、それは間違いございませんか。
  56. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) ただいまの御質問は、修正案におきまして、第二条第六号に勤務地手当だけを取り出しまして人事院の勧告権をきめたような条文があるわけでありまするが、これが削除になっておるという問題から御質問か発展しているのじゃなかろうかと思うのでありますが、なるほど形式的に見ますると、第六号を削除されることによりまして、勤務地手当そのものに対する勧告権がないかのごとく見えまするけれども、第二条の第三号という条文をごらん願いたいと思います。ここでは、常に人事院におきましては、「職員給与額を研究して、その適当と認める改訂を国会及び内閣に同時に勧告すること、」それからいろいろ書いてありまするけれども、あとの方におきまして、「この法律の目的達成のため適当と認める勧告を付してその研究調査の結果を国会及び内閣に同時に報告すること」というようなふうに、少くとも一般職公務員に対する給与額につきましては、常時調査、研究をいたしまして、その結果に基いて広範な一切の勧告権というものを、この第三号によって認められておるわけであります。従いまして、将来、調整手当というようなものに変ったにいたしましても、まあ実際勧告するかしないかは別にいたしまして、法律的な基礎としましては依然として勧告権はあるというふうに、かように考えております。
  57. 永岡光治

    ○永岡光治君 ただ法律の上で、従来あったものが名前が変ったから、これをなくしたという、こういうことに解釈すれば、これは簡単のように思えるのです。しかし、二条にこう削除して参りますと、人事院の支障がないと言えば、まあそれも一つの考え方になると思うのですか、もちろん私たちも当然それは給与全体の問題として勧告はできるもの、またしなければならぬもの、こう解釈しておるわけですが、それにかわる何かの項目を入れる必要はないかどうか、その点はどうでしょうか、人事院の力では消極的になるおそれはないか。
  58. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 今読み上げましたように、第二条第二号はまことに広範な権限を規定した規定でありまして、この条項を生かすか殺すかは、まあいわば人事院の権限行使の責務になろうと思います。従いまして、新規のものを追加しようと、追加しまいと、とにかく広範な権限があるのでありますから、あとは人事院の権限の行使のときに、本来の使命に徹してやれば何でもできるというふうに考えております。
  59. 永岡光治

    ○永岡光治君 それはどうもえらい自信のあることを発表されているわけですが、まあそれは信じたいのですけれども、やはりいやしくもあるものが削られるということになれば、それは地域給が暫定手当に置きかえられる。しかも瀧本さんの答弁によれば、都市と地方との生活費の差がある限りにおいては、その問題については人事院としても当然これは勧告もしなければならぬことになろう、こういう話である。だとするならば、それは、この際やはり明確に私は一項目上げた方がいいと思う。もし今、給与局次長のおっしゃるようなことであるならば、そもそも従来からの、第二条の六号でしたね、これなんかも何も列挙する必要はなかったのです。しかし、これを列挙するにはそれ相当のやはりウエートかあったろうと私は思うのです。だから私は当然これにかわるものを残しておいた方がいいと思うのですが、どうでしょうかね。
  60. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) ただいま衆議院の力から修正された法律案が当院の方に回っておりまするので、これがまあどのようになりまするか、ただいま審議過程でありまするので、ちょっと審議過程の案件に対して云々することは、はばからなければならぬと思いますが、少くとも午前中伺いました修正案趣旨とするところは、三月三十一日限りで、とにかく勤務地手当はやめる。また、その当時の状態においてこれを固定するというような一つの基本方針があるように伺ったわけで刈ります。従いまして、まあこのような基本方針でこの案が通ったといたしまするならば、やはりそれはそれなりの法律として成立いたすのでありまするから、その点については何と言いますか、実行官庁としては当然それに承服しなければならないと思います。ただ、思いまするけれども、先ほど申し上げましたような、第二条第三号の本来の権限がありますので、この権限の発動によりまして、どうするかこうするかという問題は依然として基本的に残つて参る。かように考えているわけであります。
  61. 永岡光治

    ○永岡光治君 審議過程だから、あなたは発言を差し控えるというような趣旨のことですが、審議に大切ですから聞いているわけです。これは考え方によってちっとも支障がない、何ら従来通りの考えはちっとも変えないということであるならば、また別のあれになるのですけれども、絶対支障がないかということを、もう一回私は心配ですから念を押しておきたいのですが、あれは削ったから、勧告は、そういうふうに置きかえられたそのものに対して勧告することはないのじゃないかと、いうことになりかねないおそれもあるわけです。この点は大丈夫ですか。
  62. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 繰り返してお答え申し上げるようでありますが、第二条第三号の権限が存置されておる限りにおいては一向差しつかえがないというふうに考えます。
  63. 永岡光治

    ○永岡光治君 そこで、実は関連してくることがあるのです。というのは、三十一年の四月一ま以降では、修正案によればその時点において一通り五%な本俸に入れる、残りの分についてどうするかということは検討したいということになっておるわけです。ところで、そうなりますと、なるほど無給地とそれから現在の一級地、これは一応ここの段階では解消することになります。しかしながら、無級地で一級地にあるいはなつたもの、それから現在の一級地及び無級地ですね、これで四級市に合併されたもの、あるいは三級市に合併されたもの、二級市に合併されたもの、大平衆議院議員の話によれば、数はそうたくさんないという御説明でしたが、いずれにしても残ることは事実です。それと関連して、これは当然私は問題になってくる、その時点においてまた問題になってくると思うのですか、そういう市町村合併に伴う不満というものは、おそらく地方自治団体等にも非常に大きな不満があるわけです。あるいは国家公務員の場合でも、あるいは現業官庁の場合でも、無級地、一級地というところの問題については、まだかなりの問題があるわけですが、町村合併について、人事院はこの不均衡是正についてどのような考えを持っておるのか、この際明らかにしてもらいたいと思うのです。
  64. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 町村合併の問題につきましては、この前の人事院の地域給勧告におきまして、ある程度人事院に権限を委任していただいて、その権限の範囲内で調整をはかる措置をやらしていただきたい、このようなことを勧告いたしておるのであります。今回の修正案によりますると、われわれの見るところでは、大体七〇%程度は町村合併の問題は、年次は三年ばかりかかりますけれども、この期間か経過いたしまするならば解決するのではなかろうか、ただいま御指摘のように、二級地以上に合併いたしました所につきましては、やはり問題は残つておる、このように考えております。このことにつきましては、付帯決議におきましても、このことは将来十分考慮するのだという決議になっておるように承知いたしておりまするけれども、人事院といたしましても、この問題はやはり今後慎重に研究をいたしたい、このように考えております。
  65. 永岡光治

    ○永岡光治君 慎重に検討するということは具体的にはどういうことですか。これについては先ほどの次長の話によると、勧告権を持っておるのだから早くやるという決意のようでございますが、これこそ二年間も放置されてしかるべき問題じゃないと思うのでありますが、特に教員関係異動ができなくて弱つておるということを市町村長はこぼしておる、国会に対する陳情にもよく現われておるわけです。それを二年間もあなた方は放置する考えなんですか。
  66. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 衆議院で行われました修正案につきましては、もしこの法律案が可決されまするならば、人事院がこれを引き受けてやるわけでございますが、これは全く国会の御意思でお考えになったことでございまするので、これをどのように考えておるかという、またそれを実施するために、どのようにいたすかということを速急に人事院としては考え、また、その実施の手続等をきめなければならぬと思っておるのでありますが、それと合わしまして、ただいまの問題はやはり考えて参りたい、今ただちにどのようにやるかとおっしやいましても、今ただちに、いろいろ人事院で考えておることはございまするけれども、本案がもし実施されました場合、それと調和をとりまして、どのようにして行くかということにつきましては今後研究する、なるべく早く研究いたすと申し上げるよりいたし方ないわけであります。
  67. 永岡光治

    ○永岡光治君 地域給の一応の是正が行われたのは二十七年でしたか、八年でしたか、とにかくずっと古いと思うのです。それ以来改訂はなされておりませんが、しかもその後二十八年でしたか、二十九年でしたかに町村合併か行われましてからも依然として、先ほど一例を申し上げましたが、教員等の異動問題についても大へん困っておるという実情が地方の自治団体には起つておるわけです。さらにそれがいまだに解決をされずに、しかも今後二年間もそれを放置するということになれば、これは大へんな迷惑を地方に及ぼすことになるわけです。そのために教育行政なり、あるいはまた不均衡の問題で大きな不満が起ることは当然だと思うのですが、それをもしもあなた方は、ここで通過したあとで慎重に検討したいということなら、それではどうも早急の解決の間に合わないような気がするわけです。それで、七月の何日かに一応あなた方は報告をする義務を負わされておるわけです、給与問題について。そのときにこの問題について触れる考えはないのか、もうこれは今当面迫つている問題ですから、私は大よその人事院の考え方は明確になると思う。それは七月ですし、本日は四月の中ごろでありますから……、まだその結論は出ていないのですか、また、そういう考えはないのか。
  68. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまの問題を七月に報告するか、あるいは勧告するかというようなお尋ねでございますけれども、七月の報告の問題につきましては、目下いろいろ基礎的な研究をいたしておるわけでございまして、人事院としてどうする、こうするということがきまっておるということではないのでございます。従いまして、七月の問題につきましては、ここでは何ともお答え申し上げかねますので御了承願いたいと思います。
  69. 永岡光治

    ○永岡光治君 少くとも不均衡の是正の実情の事実は、あなたは認めますか。認めるとすれば、それはあなたが報告とか何とかということでなくて、これについてははっきり態度をきめなければならぬと思う。しかもこれだけ、あるいは全体であるかどうかは別といたしまして、強い要望がある限りにおいて、それについてあなたは目をつぶるという考えなのか。
  70. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 目をつぶるというわけではございませんけれども、七月の報告あるいは勧告になるか、そのときのことにつきましては、現在の人事院といたしましては、まだ結論も何も出ておりませんので、そのときのことは現在は申し上げかねる状況でございます。
  71. 永岡光治

    ○永岡光治君 報告になるか、勧告になるかわからぬということでありますか、これは給与について五%の差があるとか、あるいは一〇%の差があるとかということであれば、これはもう当然勧告しなければならぬことになるわけです。その問題について、今資料を検討中だからということは、一応の理由は成り立つと思うのであります。私の質問するのは、もうすでに不均衡を生じている事実が現われているわけです。それについてあなた方は、いまだに態度を決定されないのはおかしいじゃないか、こういうことを言っているわけですが。
  72. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 態度が決定するとかというようなお話でございますけれども、人事院といたしましては、今度の衆議院におきます地域給の修正暫定手当の問題に関しましては、これは年次計画もございますし、またその他の取扱い等につきましても、一貫した一つの方針があるようでございます。従いまして、国会でいろいろお考えになりますところは、人事院としては、その実施上におきまして十分尊重しなければならぬと思うのであります。従いまして、これに関します全体の問題は人事院として今後十分検討いたしてみたいということでございます。
  73. 永岡光治

    ○永岡光治君 くどいようでございますが、その七月の報告、勧告はどういう形式をとるかは別といたしまして、その中の大きな検討の対象になることは間違いありませんか。
  74. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 何回も繰り返して、はなはだ恐縮でございまするけれども、七月にどういうことを言うかということにつきましては、現在、白紙の状況でございます。
  75. 永岡光治

    ○永岡光治君 検討の対象になるかどうか、この地域給の……。
  76. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 地域給のみならず、あらゆる給与の問題が全部研究の対象になると考えます。
  77. 永岡光治

    ○永岡光治君 ウエートの問題はどうですか。
  78. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ウエートの問題ということでございますが、やはり全体の給与問題ということ、並びに各俸給表間のバランスの問題、あるいは各等級における幅の問題、あるいは地域給の問題、いろいろあると考えまして、ウエートの問題ということになりますると、これは見方によりまして、いろいろになろうかと思うのでありますが、われわれとしましては、すべての問題が給与の研究の対象になる、このように考えます。
  79. 秋山長造

    秋山長造君 ちょっと関連して。今の永岡君の質問しておられる町村合併に伴う不均衡ですね。これに該当する件数は全国でどのくらいあるのかということと、それからこの不均衡を完全に是正するためにどれだけの財源が要るかという問題ですね。これは地方公務員も含めて。ここでわかりましたら、ちょっと御説明いただきたい。
  80. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 私どもの調べによりますると、三十一年九月末現在の行政区画を前提として申し上げます。それによりますと、町村合併前においては約一万くらいの町村があったのでございますけれども、非常に町村の数が減つて参りまして、約四千くらいに町村か減つて参っております。町村の数において……。
  81. 秋山長造

    秋山長造君 約でなくて、三十一年九月末現在における正確なところを一つ
  82. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 三十一年九月末現在におきまして三千九百九十八に減つております。さらに、その前のことを申し上げますと、二十七年の十月一日現在、つまり現行勤務地手当の支給区分を実行に移された当時の町村の数が一万七十七であります。つまり一万七十七から三千九百九十八に町村の数が減つておるわけです。これは三十一年の九月末現在であります。そのように変化して参ったのでありますか、その中で町村合併によりまして、今申し上げたとろの行政区画で言いますと、幾つかの級地か混在しておりますものが千八百一、千八百一の町村が混在いたしております。ところが混在しておりますけれども、無級地の町村が非常に多いわけでありまして、今衆議院において修正されましたものによりますと、無級地か一級地になります。その無級地か一級地になりますものか、全体でちょっとこれは概数になりましておそれ入りますが、約千六百になります。そうしますと、残りの町村の数はわずかに二百、先ほど給与局長が七〇%程度ちょっと解消すると言いましたか、これはちょっと計数に誤まりがありまして、八八%程度解消するわけであります。従って約二百程度町村か残るわけでありまし、今、永岡先生が盛んに御指摘になっておりました点は、町村の数から言いますと、二百の町村の数の問題であろうというふうに考えられるわけであります。
  83. 永岡光治

    ○永岡光治君 それならすぐにでもできる。二年待たなくてもいいじゃないですか。
  84. 秋山長造

    秋山長造君 二百も残るのですが、その二百残ったものを完全に解消するためにどれだけ財源が要りますか。
  85. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 残りました二百の分については、実はまだ正確にやつておらないのでありますが、これはすぐやりますけれども、これも私どもの方の今までの研究の過程でありますが、先ほど申し上げました千八百一の町村について、何にかまわず、かりに一級上げると仮定しました場合には約十億四千万円、千八百一町村につきまして、一級だけ何にかまわず機械的に上げると仮定しました場合に約十億四千万円、これは国家公務員のみならず、地方公務員をも合わせましてです。
  86. 永岡光治

    ○永岡光治君 国家公務員はどのくらいですか。
  87. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 国家公務員につきましては、特別職も含めまして二億一千万くらいであります。給与法を適用した者だけならば六千七百万であります。  さらにもう一つ計算してあるのでありますが、それが最高の級地まで、機械的に何かまわず上げるというように画一に計算いたしますと、十四億三千万円というような程度のものでございます。もし御必要でございますれば、先ほど私が申し上げました町村の数なり、その他の資料はいつでも御提出申し上げます。
  88. 秋山長造

    秋山長造君 これは一つ至急に表にした資料にして出していただきたい。
  89. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) かしこまりました。
  90. 永岡光治

    ○永岡光治君 一般公務員の給与改訂ですが、去年の七月の勧告に基くものは、こういう姿で今出ているわけですが、その後における開き、これは勧告になるか、報告になるか、私は当然これは勧告する段階になると思いますけれども、その作業は進めておると思いますが、いつごろ結論が出ますか。
  91. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 御承知のように、人事院が毎年報告いたしまする国家公務賃の給与と民間給与との比較というものの基礎になります調査は、いわゆる民間職種別給与調査でございますが、これは現在調査を実行中でございます。すでに実地調査を開始いたしている向きもございますが、これからやるところもございまして、これは例年のことでございまするが、大体六月の中旬ころまでにはこの調査を完結して、人事院が検討し得るような状況に達し得る見込みでございます。この資料が中心になりまして、そのほか利用し得るいろいろな資料を使いまして、人事院が比較検討の判断をいたす、このようになるのであります。
  92. 永岡光治

    ○永岡光治君 先ほどの三時の約束がありますから、この質問はこの程度にしまして、次に移りますが、資料の要求をいたしたいと思います。人事院に対しましては、格づげ基準、それからその他のあらゆる問題で人事院に一任されていることはたくさんございますが、それについての人事院の考え方、それを一つ文書をもって提示をしていただきたいと思います。こまかく申しません。ずっとたくさんありますから。これは修正案あるいはその他の全部の資料でございます。それからまた付帯決議等もありますから、この付帯決議に対する人事院の考え方等も、できるだけ具体的に資料をお願いしたい。
  93. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまの御要求でございまするが、人事院の実施いたしまする場合の人事院規則等は相当膨大なものになります。現在作業中のものもありまするので、全部直ちにお示しすることがなかなか困難かと思いますが、あるものにつきましては、アウト・ラインだけということになりますが、重要なポイントだけにつきまして、人事院の考え方をまとめまして提出いたしたいと思います。
  94. 永岡光治

    ○永岡光治君 それもできるだけ具体的に示してもらわないと、これは運用にまかされているものが多いのですから、そのいかんによっては立法の措置もとらなければ安心できない点もあろうかと思いますので、ぜひその点を明確にしてもらいたい。
  95. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それはいつまでに出ますか、審議もあまり時間がないですから……。
  96. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ごく細部までにわたりませんで、基礎事項だけにつきましてでありますれば、明後日までにもできると思います。
  97. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは一応出る部分だけ早く出して下さい。なお若干あとから補足してもけっこうですから、至急お願いします。
  98. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) かしこまりました。
  99. 永岡光治

    ○永岡光治君 それから付帯決議で、予算がこれについて必ずしも全部使えるかどうかわからぬ、余るかもわからぬ。こういうことを考慮されまして、終りから二項目には、本年度中において給与改善の原資に充当するということが付帯決議でされておりますが、本修正案衆議院から回ってきたそのままが実施されるということになれば、一体財源はどうなるのか、その点も明確にしてもらいたい、もちろんこれは項目別に出ると思うのですが、こういう改善のものについて、それぞれ項目によった計算ができると思いますが、それも一つ出してもらいたいと思います。
  100. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それは人事院じゃないのですか。
  101. 永岡光治

    ○永岡光治君 人事院じゃございません、政府の方です。よろしいですね。
  102. 大山正

    政府委員大山正君) 財政当局と相談いたしまして提出するようにいたします。
  103. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 至急出して下さい。
  104. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 資料要求の第一点は、今度の給与改訂によって予算がどれくらい必要になっているのか、これは百五十六億という予算は私はわかっています。国会に出されていますからね。私はもう少し原資を明確にしてもらいたいと思う。というのは、給与改訂前には本俸の平均が幾らであったのが、給与改訂後には本俸の平均が幾らになるのですか、それと同時に地域給ですね、地域給どういうふうに変つてくるのか、それからその他の諸手当もどういうふうに予算が見込まれているのか、これは国家公務員と、それから地方公務員のうちに義務教育の半額国庫負担分がありますから、それに区別をして予算原資を明示してもらいたいということが第一点です。  第二点は、衆議院において、きょうも御説明がございましたが、若干の修正があったわけです。それは初任給において中卒を二百円上げる、それから高卒を三百円上げる、それによって若干調整されたわけですが、それによってどれくらいの予算がふえるかということです。これもやはり国家公務員が主体ですが、国家公務員について、あるいは地方公務員も国庫が支弁する分かありますから、そういう点を明確にしてもらいたいということです。これが第二番の資料要求です。第三番の資料は、やはりこれも地域給について衆議院で若干の修正があったわけです。先ほど説明を伺いますと、国家公務員については、だいぶ金が余るというお話でございました。その余る額は人事院がいろいろ作業した結果でないとわからぬというお話でしたが、これはもちろん一銭一厘間違わないような正確なものはわからないと思いますが、大体の数字は私は出ると思うのであります。数字なしで、こういう計算はできないのですから。特にお配りをいただいた表に上りますと、地方公務員については三十二年度において四億いる、それから三十三年度について三十億いる、三十四年度について五十八億いる、地方公務員の方は、こういうふうに金が出ているわけですね。これについて国家公務員についても、これは明確なこまかい数字は私は必要といたしませんが、大体予算が余つてくるのか足らないのか、余るとすれば、どれくらいの金が余つてくるのかということを、これも大蔵省、政府に要望いたしておきます。なお地方公務員については、ここで三十二年度で四億足らない、三十三年度で三十億、三十四年度で五十八億不足してくるのだという話ですか、これの積算の基礎ですね、どういう積算でこういう金が出てきたのか、これを私は明確にしてもらいたいということです。これが資料の第三点。  それから資料の第四は、勤務地手当を廃止して暫定手当にするのだと、こういうことです。衆議院修正暫定手当の額は千六十二分の千をかけるのだ、こういう御説明でございました。そうしてそれを定額に現わして、幾らもらっている者は幾らの暫定手当を支給するのだという表を作るのだと、こういうことですが、この表を私は出してもらいたい。これはいろいろ込み入った作業もあって、この審議中にできないというふうなお話があるかもしれません。これは人事院に出してもらうことになるのじゃないかと私は思うのですが、しかし、そういうこまかい点はいいです。少くとも行政職とか、この表に出ている一般的なものの、いわゆる幾ら俸給をもらっていれば幾らの暫定手当がもらえるのだという表ですね。これは審議期間中に私は出してもらいたいと思うのです。今までの分は計算ができているはずですから、四番の暫定手当の問題は、これからまたやっていただかなければならぬと思いますが、これは至急資料を出していただきたい。  次に第五番に、これは人事院に出していただきたいと思うのですが、初任給ですね、公務員以外のこれはおもなものでよろしい、おもな業種の初任給ですね、たとえば中卒、新高卒、短大、新大卒、そういうものの初任給は、おもな業種でよろしいが、どういうふうになっているのかということです。これを一つお願いしたいと思うのです。  それからもう一つ六番目は、これは諸外国における公務員と比較した問題ですか、私の考えている点は、日本の公務員の初任給最高給との開きが私は妥当でないという考えを持っているのですよ。しかし、そういうことは別として、外国において公務員の初任給最高額とどういう開きがあるのか、それはおもな四、五の国でよろしい。まあ特にアメリカなんかは比較にならないかもしれませんか、イギリスとか、ドイツとか、フランスとか、イタリアですね、そういう国における公務員の初任給最高額と、どういう工合になっているか、それを一つお願いしたいと思います。  それから第七番目は、これは秋山君から資料要求もあり、今御説明がありましたが、私はちょっと御説明が納得がいかないのですよ。というのは、同一市町村ででこぼこがある、そのでこぼこを解消するのに幾らくらい金が要るのかということが一つの問題と、もう一つは、無級地を全都解消するのに幾らくらい金が要るか。さっきの慶徳さんのお話では、無級地を全部解消するのに、十億くらいあればいいというのですが、一級地ですか、無級地を一級地に上げるのでしよう。
  105. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 先ほど申し上げましたのは、何かまわず現在の無級地を……無級地ということじゃありません。要するに一段階上げるというわけです。何かまわず機械的に町村合併のところを一級だけ上げるということです。
  106. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 町村合併の中だけですか。
  107. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 町村合併の部分だけです。何かまわず一級上げるという機械的な計算をすれば十億四千万円、こういうことです。
  108. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これは秋山君からも資料要求があったので、それでいいわけですが、いわゆる今度の衆議院修正で、同一市町村内のでこぼこがなくなった市町村の数、さっきちょっとお話がありましたが、それは千八百ですか、千六百ですか、これを資料にして幾ら、もうでこぼこが全くなくなってしまったのか、それからまだでこぼこか残つているとすれば、どれくらい残つているのか、その残つているところのでこぼこをなくするのに、どれくらい金がいるのかという問題ですね。二百市町村残つているというお話しでしたが、二百市町村のでこぼこをなくするというのには、どれくらい金が要るのかということですね。私はそれだけ一つ要求しておきます。
  109. 永岡光治

    ○永岡光治君 私も一つ資料要求いたしたいと思うのですが、これは人事院になりますか、政府になりますか、どっちでもいいのですが、出せるところから出してもらいたいという条件でお願いいたしておきます。つまり暫定手当という、こういう方式でなしに行った場合に、これはもうもちろん本俸やその他基準内賃金、そのはね返りもありましょうし、期末手当その他も皆はね返りがあるわけでありますが、そのはね返りがどのくらいの財源になるのであるか、よろしいですか。それから来年度は、その財源のほかに定期昇給の財源が加えられるわけですから、その定期昇給の財源を、このまま行ったならば、最初の特定手当ではなくて、今通りの地域給を支給するとするならば、どれだけの財源が必要になるのか、この比較をしてみたいと思うのですが、暫定手当の所要額をそれを一つ出していただきたい。その積算の根拠を明確にしてもらわないと、いいかげんなことを出されると、また見当が  つきませんから、こういうわけでこうなるという数字の算出の根拠を出してもらいたいと思います。
  110. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ほかに資料要求はございませんか。……それじゃ以上いろいろ各委員から要求がありましたが、全部いいですね、提出は。
  111. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) ただいまの予算関係説明は大蔵省でいたすことにいたしますが、そのうち永岡委員のと少しダブった面は一緒にまとめてよろしゅうございますか、今お話がありましたのと……。
  112. 永岡光治

    ○永岡光治君 私の質問の趣旨が表になって明確になればいいのです。
  113. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) たとえば今度の制度でどれだけ金が余るかという資料ですね。
  114. 永岡光治

    ○永岡光治君 それと関連することがあるかもしれません。
  115. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私も永岡さんの考えておることと同じことを考えて要求しておるのですよ。
  116. 秋山長造

    秋山長造君 さっきの合併町村の不均衡の資料ですね。これはさっきの慶徳次長のお話では、三十一年五月末現在という数字だったのですが、これは今年の四月一日現在くらいで、もっと正確な、もっと新しい数字が出るはずだと思うのですが、自治庁あたりでも、この問題については相当関心を持って資料を集めていると思うわけです。どうか自治庁の方とも連絡下さって、できるだけ新しい資料で、しかも詳細な、今、荒木委員のおっしゃったような詳細な資料をいただきたい。
  117. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) はなはだ失礼ですが、永岡先生と荒木先生にお願いしたいのですが、永岡先生の先ほどの実施面の規則全部というお話でございましたが、これはあとでまたこの委員会終つて御相談願ってよろしゅうございますか。
  118. 永岡光治

    ○永岡光治君 相談してもいいですが……。
  119. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 人事院規則に委任されていることは多種多様、非常に多いのです。
  120. 永岡光治

    ○永岡光治君 重要な問題についてだけでもいいのですか……。
  121. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) それから荒木先生にお願いしたいのですが、先ほどの暫定手当人事院規則定める計画表でございますが、これは行政職俸給表一つだけにお願いできませんでしょうか。これで大勢はわかるはずなんですが、一つおそれ入りますが、盛りだくさんなものですから。
  122. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 いいです。
  123. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) それからもう一つ、諸外国の制度ですが、これは私どもの方で、すべて研究が完了いたしておりまして、実は手打ちで持っておるのであります。持っておりますけれども、これは率直に資料を差し上げてから申し上げてもおそくないと思うのでありますが、大学卒業の初任給最高との関係は比較的容易にわかるのです。ところが新制高校とか、中学になると、さっぱり様子がわからないのです。この辺のところもお許し願いたい。
  124. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 よろしいです。
  125. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは各委員要求の資料は、一つできるだけ今週中に各委員の手に渡るように御準備願います。要請いたしておきます。ちょっと速記とめて。    〔速記中止
  126. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。  委員会は本日はこれにて散会いたします。    午後三時十五分散会